JP2003271749A

JP2003271749A - 手術支援システム

Info

Publication number: JP2003271749A
Application number: JP2002074214A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Shimura; 一男志村
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 2002-03-18
Filing date: 2002-03-18
Publication date: 2003-09-26
Also published as: US20030176860A1

Abstract

(57)【要約】【課題】人工骨を用いる手術において、手術計画の効
率と精度を向上させる。【解決手段】複数用意された異なる人工骨のテンプレ
ートの中から、テンプレート選択手段20により手術に用
いる人工骨のテンプレートを選択して入力し、テンプレ
ート選択手段により選択されたテンプレートと手術計画
情報を入力する入力手段90により入力された手術計画情
報とを画像として画像表示手段50に表示する。表示され
た画像および／または手術計画上の情報をハードコピー
出力手段60によりハードコピーとして出力する。入力手
段90により入力された手術計画情報をもとに脚延長等を
演算手段30により演算し、複数用意された異なる人工骨
に対応した複数種類のテンプレートを表すテンプレート
データをテンプレートデータ保存手段80によりネットワ
ークやメディアよりダウンロードして保存する。テンプ
レート選択手段20により選択されたテンプレートに対応
する人工骨は発注情報出力手段70により発注される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、手術に用いる人工
骨の選択や画像表示等をコンピュータ上で行うことによ
り手術を支援する手術支援システムに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、整形外科あるいは口腔外科の分野
などにおいて、事故または疾病などによる骨の損傷ある
いは悪性腫瘍発生に起因する外科手術（整形手術）で骨
の切除があったとき、骨の損傷部や切除部に生体の他部
位の自家骨による置換または充填が行なわれていた。

【０００３】また最近では、ステンレス鋼やコバルト−
クロム系合金、チタン、アルミナ、ジルコニアなどの金
属あるいはこれらの酸化物、アパタイトなどのセラミッ
クやその複合材料などを用いて骨組織の代替物である人
工骨（人工生体硬組織材料）を作製し、この人工骨を前
記損傷部や切除部に埋め込むことにより損傷部や切除部
を修復する外科的治療法が普及している。

【０００４】一方、前記損傷部や切除部に埋め込まれる
人工骨を作製する場合、患者に応じて形状が異なる人工
骨をその都度作製するのは大変であることから、形状の
異なる多数種類の標準モデル（標準人工骨）を予め用意
しておき、これら標準モデルの中から患部形状に適合す
る（形状が似通った）ものを選択し、選択した標準モデ
ルに基づいて人工骨を作製することが行なわれている。
ここで、標準モデルに基づいて人工骨を作製するという
のは、標準モデルと完全に同一形状の人工骨を作製する
ことに限らず、標準モデルに若干の変形を加えた人工骨
を作製することも含む。

【０００５】そして、標準モデルの選択の際には、従来
は、レントゲン写真などのフィルム上の骨部画像と標準
モデルの輪郭形状をモデリングした透明な型紙状のテン
プレートとを重ね合わせて目視確認することで、患部形
状に適合するか否かを判断していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、標準モ
デルとしては、骨頭の径、軸部や保持部の長さがそれぞ
れ１ｍｍピッチで異なり、あるいは軸部と保持部とのな
す角度が１度ピッチで異なるものが多数用意されてお
り、フィルムとテンプレートを利用した重合せ確認で
は、テンプレートを取り替えながら患部形状に最も適合
するテンプレートを見つけ出さなければならないので、
重ね合わせに手間取り患部に適合する人工骨を決定する
までに時間を要するという問題があった。

【０００７】また手作業でテンプレートを骨部に重ね合
わせなければならないため時間効率との兼ね合いで重合
せの精度を出すのに限界があり、必ずしも患部に最適な
人工骨を選択できるとは限らなかった。

【０００８】また、多数のテンプレートを手元に用意し
ておかなければならないので、テンプレートの管理が大
変である。

【０００９】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、これまで手作業で行われてきた人工骨の選択お
よび手術計画上の作業等を、コンピュータを用いて行う
ことにより、手術計画の効率と精度を向上させることが
できる手術支援システムを提供することを目的とするも
のである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の手術支援システ
ムは、複数用意された異なる人工骨のテンプレートの中
から、手術に用いる人工骨のテンプレートを選択して入
力するテンプレート選択手段と、手術計画情報を入力す
る入力手段と、テンプレート選択手段により選択された
テンプレートと入力手段により入力された手術計画情報
とを画像として表示する画像表示手段とからなることを
特徴とするものである。

【００１１】ここで、入力手段により入力される手術計
画情報とは、患部の種類（部位）、手術の種類、人工骨
の種類、人工骨の形状に関するデータ、人工骨を配置す
る位置、骨きり位置などを意味するものである。

【００１２】なお、人工骨は人体用のものに限らず、そ
の他の動物体用のものであってもよい。

【００１３】本発明の手術支援システムにおいては、画
像表示手段が、テンプレート選択手段により選択された
テンプレートの画像と骨部画像とを画像表示手段の表示
面上において重合せ表示させるものとしてもよい。

【００１４】また、本発明の手術支援システムにおいて
は、入力手段により入力された手術計画情報をもとに脚
長差、脚延長または脚収縮を演算して出力する演算手段
をさらに備えたものとすることが望ましい。

【００１５】ここで、脚長差とは、左右の脚の長さの差
を示し、脚延長・脚収縮とは、手術前後での脚の長さの
変化量を示す。

【００１６】また、本発明の手術支援システムにおいて
は、作図手段をさらに備え、作図手段が、骨部の輪郭を
抽出・作図し、配置したテンプレートの位置情報から手
術後どの位置に骨部が移動するか計算し、作図した骨部
輪郭画像を術後の想定される位置に移動して表示するも
のであることが望ましい。

【００１７】また、上記テンプレート選択手段が、選択
したテンプレートが組み合わせ上適当でない場合に、選
択できないもしくは適当でない旨を示すものであること
が望ましい。

【００１８】本発明の手術支援システムにおいては、画
像表示手段により表示された画像および／または手術計
画上の情報をハードコピーとして出力するハードコピー
出力手段をさらに備えたものとすることが望ましい。

【００１９】なお、手術計画上の情報としては、人工骨
のメーカ名、シリーズ名、サイズ、付属品等の人工骨を
購入するために必要な情報、さらに人工骨の配置位置、
ネック長さ等調整のための人工骨の付随情報、骨きり位
置等の手術のための情報、テンプレートの図形、患部の
画像、テンプレートおよび患部の輪郭画像、テンプレー
トおよび患部の略実寸画像などが挙げられる。

【００２０】本発明の手術支援システムにおいては、テ
ンプレート選択手段により選択されたテンプレートに対
応する人工骨を発注するための発注情報、例えばメーカ
名、シリーズ名、テンプレート型番、数、納期、納品先
などを纏めたデータファイルを出力する発注情報出力手
段をさらに備えたものとすることが望ましい。

【００２１】本発明の手術支援システムにおいては、複
数用意された異なる人工骨に対応した複数種類のテンプ
レートを表すテンプレートデータが予め保存されている
テンプレートデータ保存手段をさらに備え、テンプレー
トデータ保存手段が、テンプレートデータをネットワー
クやメディアよりダウンロードして保存できるものであ
るとすることが望ましい。何故なら、人工骨メーカがイ
ンターネット上に公開した情報や人工骨メーカが発行し
たメディアをもとに、保存されているテンプレートデー
タに対して修正を行ったり、新製品の人工骨のテンプレ
ートデータを追加したりすることができ、またそれぞれ
のデータを手入力する必要がないので、迅速かつ正確に
テンプレートデータを更新することができるからであ
る。これにより、テンプレートデータの最新の情報を保
つことも容易となる。

【００２２】なお、上記テンプレートデータは、メーカ
情報、シリーズ情報、サイズ情報等で分類されて保存さ
れているか、これらの情報がそれぞれのテンプレートデ
ータに付帯して保存されていることが望ましい。

【００２３】また、上記テンプレートデータ保存手段を
ネットワーク上に配された共有データベースとして用い
れば、複数の端末から利用する事ができる。

【００２４】本発明の手術支援システムにおいては、テ
ンプレート作成手段をさらに備え、テンプレート作成手
段が、電子データから自動的に他のアプリケーションソ
フトで利用可能なファイル形式に変換したり、スキャナ
で読み取られたラスターデータやＣＡＤデータ等のデー
タを画面に表示し、手動もしくは自動でテンプレートデ
ータを作成したり、作成されたテンプレートデータをメ
ーカ情報、シリーズ情報、サイズ情報等と関連付けてテ
ンプレートデータ保存手段に保存（登録）したりできる
ものであることが望ましい。

【００２５】本発明の手術支援システムにおいて用いら
れるテンプレートデータは、テンプレート画像を電子デ
ータとして記録しておくことを目的とするだけでなく、
検索や形状マッチングのし易さをも目的として、複数種
類のテンプレートのそれぞれを表す画像データを記録し
た画像ファイルと複数種類のテンプレートのそれぞれの
形状的な特徴を表す形状データ（例えばベクトルデー
タ）が各テンプレートの画像データと対応付けて記録さ
れた形状データファイルとからなるものとするとよい。

【００２６】また、このテンプレートデータ（画像ファ
イルと形状データファイル）は、コンピュータ読取り可
能な記録媒体に記録（保存）して提供してもよい。

【００２７】

【発明の効果】本発明の手術支援システムによれば、上
述のようにテンプレート選択手段と手術計画入力手段と
画像表示手段を備え、複数の異なる人工骨のテンプレー
トの中から、手術に用いる人工骨のテンプレートを選択
し、入力した手術計画情報とテンプレート画像とを表示
させることができるように構成したので、煩雑になりが
ちな手術計画をスムーズに行うことができ、また骨部画
像とテンプレート画像とを重ねて表示して、テンプレー
トの形状が患部の骨部形状に適合しているか否かを確認
したり、手術の際の参考画像として使用したりすること
ができる。

【００２８】また、本発明の手術支援システムにおい
て、画像表示手段により表示された画像をハードコピー
として出力するハードコピー出力手段をさらに備えたも
のとする場合は、紙やフィルムなどに手術計画情報や人
工骨のテンプレート画像などを出力できるので、記録と
してファイリングしたり、手書きで情報を追加したり、
手術の際に傍らに置き、参考図面として使用したりする
ことができる。

【００２９】また、本発明の手術支援システムにおい
て、入力手段により入力された手術計画情報をもとに脚
長差、脚延長または脚収縮の大きさを演算して出力する
演算手段をさらに備えたものとすれば、上記各大きさの
値を見ながらテンプレートの選択および配置の調整を行
うことができるので、より的確な手術計画を行うことが
できる。

【００３０】また、本発明の手術支援システムにおい
て、複数用意された異なる人工骨に対応した複数種類の
テンプレートを表すテンプレートデータが予め保存され
ているテンプレートデータ保存手段をさらに備えたもの
とする場合は、テンプレートの情報が電子データで保存
されるので、多数のテンプレートの実物を手元に用意し
ておく必要がなくなり、従来のようなテンプレート管理
が不要になる。さらに、上記テンプレート保存手段が、
テンプレートデータをネットワークやメディアよりダウ
ンロードして保存できるものであるとする場合は、人工
骨メーカがインターネット上に公開した情報や人工骨メ
ーカが発行したメディアをもとに、保存されているテン
プレートデータに対して修正を行ったり、新製品の人工
骨のテンプレートデータを追加したりすることができ、
またそれぞれのデータを手入力する必要がないので、迅
速かつ正確にテンプレートデータを更新することができ
る。これにより、テンプレートデータの最新の情報を保
つことも容易となる。

【００３１】また、本発明の手術支援システムにおい
て、テンプレート選択手段により選択されたテンプレー
トに対応する人工骨を発注するための発注情報を出力す
る発注情報出力手段をさらに備えるものとする場合は、
人工骨の選択処理の完了と同時に人工骨の注文を自動的
に行なう自動発注システムを構築することができる。こ
のときインターネットなどのネットワークを利用したシ
ステムを構築すれば、需要者である医師や技師と供給者
であるメーカあるいは代理店とを直接結び付けることが
できるから、中間業者を介さない効率のよいシステムに
することができる。

【００３２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。

【００３３】図１は本発明による手術支援システムの構
成を示すブロック図である。図１に示す手術支援システ
ム１は、被写体の骨画像に対して基礎的なデータを取得
するための計測を行う基礎計測手段１０、手術に用いる
人工骨のテンプレートを選択し調整するテンプレート選
択手段２０、患部の輪郭画像を作図・移動して術後の患
部の位置を確認できる作図手段３０、後述の入力手段に
より入力された情報から手術計画上の各種評価値を算出
する演算手段４０、被写体の骨部画像、評価値、テンプ
レート画像、作図された図形等を表示する画像表示手段
５０、画像表示手段５０により表示された画像および／
または手術計画上の情報をハードコピーとして出力する
ハードコピー出力手段６０、テンプレート選択手段２０
より選択・調整されたテンプレートに対応する人工骨を
発注するための発注情報を出力する発注情報出力手段７
０、複数用意された異なる人工骨に対応した複数種類の
テンプレートを表すテンプレートデータが予め保存され
ているテンプレートデータ保存手段８０、テンプレート
データを作成し、テンプレートデータ保存手段８０に保
存することができるテンプレートデータ作成手段８１、
手術計画の情報を入力するための入力手段９０を備えた
構成である。

【００３４】基礎計測手段１０は、被写体の骨部画像お
よび入力された情報をもとに、基礎的なデータの算出と
画像表示面上で手術計画に必要となる補助線の作図を行
うものである。

【００３５】テンプレート選択手段２０は、画像表示面
上で骨部形状を計測し、代替えが必要な骨部すなわち患
部の形状に適合する人工骨のテンプレートを選択し、選
択されたテンプレートのプロパティ（サイズ、取り付け
角度など）および画像表示面上での配置を調整するもの
である。初めに選択したテンプレートでは最適な調整が
できない場合は、再度テンプレートの選択を行い調整す
ることもできる。このテンプレート選択手段２０は、骨
部形状の計測とテンプレートの選択を自動で行わせても
よいし、操作者による手動操作で行えるようにしてもよ
い。

【００３６】演算手段４０は、基礎計測手段１０、テン
プレート選択手段２０により計測されたデータをもとに
手術計画に必要となる各種評価値を計算して随時出力す
るものである。評価値としては、例えば、大腿骨が患部
である場合、脚長差、脚延長・収縮などが挙げられる。

【００３７】画像表示手段５０は、表示制御部５１と画
像表示部５２とから成り、表示制御部５１は骨部画像、
テンプレート画像、テンプレートの部品情報、作図され
た図形および算出された評価値等を画像表示部５２の一
つの画面上で表示させるための制御を行うものである。
画面上には、常にテンプレートの部品情報や各種評価値
が表示されているので、操作者はこれらの情報を見なが
ら、最適なテンプレートの選択および調整を行うことが
できる。画像表示部５２は、具体的にはＣＲＴや液晶パ
ネルなどが用いられる。

【００３８】ハードコピー出力手段６０は、画像表示手
段５０により表示された手術計画上の情報、骨部画像、
テンプレート画像などを紙やフィルムに出力するもの
で、具体的にはプリンタなどが用いられる。

【００３９】テンプレートデータ保存手段８０は、具体
的にはＣＤ−ＲＯＭやＭＯ（光磁気ディスク）などのコ
ンピュータ読取り可能な可搬型の記録媒体に記録された
テンプレートデータを読み出したり、あるいはインター
ネットなどのネットワーク上に公開されたデータをダウ
ンロードしたりすることにより得られたデータを一時的
に格納しておくハードディスクなどの磁気記録装置から
構成されている。なお、選択処理（検索処理）の速度が
問題とならないときには、選択処理の都度ＣＤ−ＲＯ
Ｍ、インターネットやインターネット上のデータサーバ
などからテンプレートデータを読み出すように構成して
もよい。

【００４０】テンプレートデータは、複数種類のテンプ
レートのそれぞれを表す画像データを記録した画像ファ
イルと複数種類のテンプレートのそれぞれの形状的な特
徴を表すテンプレート形状データが各テンプレートの画
像データと対応付けて記録された形状データファイルと
からなる。

【００４１】このようにテンプレート画像を電子データ
化して保存することで、電子データ上で形状適合性を確
認でき、多数のテンプレートを手元に用意しておく必要
がなく、従来のようなテンプレート管理が不要になる。

【００４２】テンプレート形状データとしては、形状の
特徴を示すベクトルデータを用いる。ベクトルデータと
しては、例えば大腿骨が患部である場合にはテンプレー
トはＣＵＰとＳＴＥＭに分けられ、ＣＵＰについては、
中心点、ＣＵＰ基準線（ＣＵＰを横から見た時の平らな
部分）、ＣＵＰの輪郭、ＳＴＥＭについては、ＳＴＥＭ
中心線（軸部の中心線）、ＳＴＥＭ基準線（軸部とネッ
ク部の結合位置）、ネック中心線、オフセット基準点
（ネック先端の骨頭位置）およびＳＴＥＭの輪郭を示す
データを用いる。これにより、テンプレート画像を単に
電子データとして記録したものではなく、検索や形状マ
ッチングのし易い効率のよいデータベースが構築されて
いる。

【００４３】テンプレートデータ作成手段８１は、スキ
ャナで読取られた人工骨のテンプレートのラスターデー
タやＣＡＤデータ等をもとに、手動もしくは自動でテン
プレートデータを作成し、作成したテンプレートデータ
をメーカ情報、シリーズ情報、サイズ情報等と関連付け
てテンプレートデータ保存手段８０に保存できるもので
ある。なお、テンプレートデータ作成手段８１は、本手
術支援システムの一部であってもよいし別システムであ
ってもよい。

【００４４】入力手段９０は、手術計画情報（患部の種
類、手術の種類、人工骨の種類、人工骨の形状に関する
データ、人工骨を配置する位置など）の入力のほか、各
種操作を行うためのもので、キーボード９１、マウス９
２などで構成される。

【００４５】次に本実施形態の手術支援システムの作用
について説明する。本実施形態においては、股関節の骨
頭置換手術を例にとる。人工骨としては、大腿骨の代替
えとなるＳＴＥＭとその受け皿となるＣＵＰ（骨盤側に
埋め込む）を用いる。

【００４６】なお画像データとしては、ＣＲ（コンピュ
ーテッド・ラジオグラフィ）システムを用いて骨部（大
腿骨）の画像を含む放射線画像（ＣＲ画像）を得ること
とする。すなわち撮影装置において、被写体としての患
者に向けてＸ線管から発せられたＸ線を照射し、被写体
を透過したＸ線を、蓄積性蛍光体を有するイメージング
プレートに入射させて透過放射線画像をエネルギー情報
として蓄積記録する。そして、透過放射線画像が蓄積記
録されたイメージングプレートを画像読取装置としての
ＣＲ装置に装填して透過放射線画像を読み取り取得画像
データＳ１を得る。そして、このＣＲ装置で読み取った
骨部を含む取得画像データＳ１が手術支援システム１に
入力される。

【００４７】図２は患部としての大腿骨を含む画像を表
示させたときの画像表示部５２上の表示レイアウトの一
例を示した図である。画面は、取得した画像を表示する
画像表示エリアＡと、取得した画像データの情報を表示
する画像データ情報表示エリアＢと、各種評価値を表示
する評価値表示エリアＣと、テンプレートの情報を表示
するテンプレート情報表示エリアＤとに分割されてい
る。

【００４８】表示制御部５１は、ＣＲ装置から入力され
た取得画像データＳ１に基づいて、骨部画像を画像表示
部５２の画像表示エリアＡに表示させる。図２の画像表
示エリアＡに表示された画像は、骨盤３、左大腿骨４、
右大腿骨５を表している。

【００４９】基礎計測手段１０において、まず、操作者
がマウス９２を操作して、左右の涙痕の位置を２点（３
ａ，３ｂ）マークする（図３参照）。するとこの２点を
通る直線Ｇ１が自動的に引かれる。次に左右の小転子上
の窪みの位置を２点（４ａ，５ａ）マークすると、点４
ａと直線Ｇ１を結ぶ垂線Ｇ２および点５ａと直線Ｇ１を
結ぶ垂線Ｇ３が自動的に引かれる。さらに、左右の臼蓋
嘴の位置を２点（３ｃ，３ｄ）マークすると、点３ａと
点３ｃを通る直線Ｇ４および点３ｂと点３ｄを通る直線
Ｇ５が自動的に引かれる。その後、直線Ｇ１を表示画面
上で水平になるよう画像が回転する。この画像の回転処
理は、左右の涙痕を通る直線が患者の体の水平を意味す
るものであることから、視覚的に左右の比較が容易とな
り、距離の計測が簡便に行えるなどの利便性を考慮して
行われるものである。

【００５０】演算手段４０は、これらの情報をもとに脚
長差（垂線Ｇ２の長さ−垂線Ｇ３の長さ）、Ｓｈａｒｐ
角（直線Ｇ１とＧ４からなる角α１，直線Ｇ１とＧ５か
らなる角α２）を算出し、算出結果を表示制御部５１に
送って画像表示部５２の評価値表示エリアＣに表示させ
る。脚長差は、患者の左右の脚長差のことであるが、手
術計画上では、手術後の左右脚長のバランスがよくなる
ように、ＳＴＥＭの種類や配置が考えられることにな
る。また、Ｓｈａｒｐ角は、大腿骨の脱臼のしやすさと
関係があり、Ｓｈａｒｐ角が鈍角であるほど脱臼しやす
い。手術計画上では、Ｓｈａｒｐ角は、脱臼をし難くす
るため骨盤の臼蓋嘴に埋め込むＣＵＰの種類や取り付け
角度を検討する際の材料となる。なお、Ｓｈａｒｐ角は
両側を測定してもよいし、手術対象となる側のみを測定
してもよい。

【００５１】テンプレート選択手段２０において、ＣＵ
ＰおよびＳＴＥＭの選択と調整を行う。はじめにＣＵＰ
の選択と調整を行う。ＣＵＰプロパティを表示させ、メ
ーカ、シリーズを選択する。次にマウス９２のボタンを
押しながらマウスを移動して放すなどの方法で、ＣＵＰ
の中心点Ｇ６、半径Ｇ７を決める（図４参照）。すると
ＣＵＰの位置を決めるための円Ｇ８が表示されるので、
この円をドラッグアンドドロップの要領で所望の位置
（臼蓋嘴上）に配置する。するとＣＵＰテンプレート６
が表示される（図５参照）。必要に応じてＣＵＰプロパ
ティを再度表示させ、サイズ、取り付け角度などを入力
し直して調整する。デフォルトは、サイズ＝円の直径、
取り付け角度＝ＣＵＰの推奨角度（標準設置角度）とし
ておく。

【００５２】続いてＳＴＥＭの選択と調整を行う。ＳＴ
ＥＭプロパティを表示させ、メーカ、シリーズを選択す
る。次にマウス９２を用いて大腿骨の髄空を示す点を上
部と下部でそれぞれ２点ずつマークし（点４ｂ，４ｃ，
４ｄ，４ｅ）、髄空直径の計測を行う（図６参照）。す
るとそれぞれの直径の中点Ｇ９，Ｇ１０およびこの２点
を通る髄空の中心線Ｇ１１が自動的に表示される。そし
て、この髄空の形状に合致するＳＴＥＭのテンプレート
のうち、サイズの一番小さなものが選択され、髄空の中
心線Ｇ１１とＳＴＥＭのテンプレートの中心線が重なる
ようにＳＴＥＭテンプレート７が表示される（図７参
照）。さらに、ネックの軸を表すネック基準線Ｇ１２、
Ｇ１２の先端部分に骨頭位置を表すＧ１３も表示され
る。ネックは長さを選択できるので、Ｇ１３の複数のポ
イントのうち１つを骨頭として考えればよい。このＳＴ
ＥＭのテンプレートはＣＵＰと同様、ドラッグアンドド
ロップの要領で所望の位置に配置することができる。必
要に応じてＳＴＥＭプロパティを再度表示させ、サイ
ズ、ネック深さ（軸部と骨頭部の間にある保持部の長
さ）などを入力し直して調整する。ここで、Ｇ１３のポ
イントとＣＵＰの中心が重なるように配置した状態が手
術後の状態と考えることができるため、脚延長または脚
収縮（術後、延長または収縮する脚長）が演算手段４０
によって算出され表示される。小転子の位置と骨切り基
準点（ＳＥＴＥＭを填めるために骨を切る位置とＳＴＥ
Ｍの外縁との交点のうち小転子側）はほぼ同じ位置にな
るが、骨切り基準点はＳＴＥＭの形状データと予め決め
ておいた骨切り長さから求めることができ、脚延長収縮
＝骨切り基準点から水平基準線Ｇ１への距離−小転子か
ら水平基準線Ｇ１への距離として計算することができ
る。そして最終的には、ＣＵＰの位置が適正か、左右の
脚長差がないかなどを見ながら、ＣＵＰおよびＳＴＥＭ
を含めた各パラメータの調整を繰り返し行ってゆく。

【００５３】なお、テンプレートを配置する際、テンプ
レートが所定の直線上に沿ってのみ移動できるようにす
るなど、必要に応じて移動範囲を制限できるようにすれ
ば、より細かい調整が可能になる。

【００５４】作図手段３０においては、患部である大腿
骨外縁上に複数の点（Ｇ１４）をマークし、大腿骨の輪
郭を抽出して輪郭画像８を作図する（図８参照）。ＳＴ
ＥＭの配置された位置情報から術後の大腿骨の位置が求
まるので、作図した大腿骨輪郭が術後の位置に移動し
（図９参照）、手術計画上の設計図面が出来上がる。

【００５５】このようにして、画像データに基づいてテ
ンプレートを選択・調整し、代替え可能な人工骨を決定
したら、この決定したテンプレートに対応した人工骨の
メーカ、シリーズ、型番（テンプレート番号でもよ
い）、注文数、納期、納品先など発注に必要なデータ
（発注情報）を纏めた注文ファイルを発注情報出力手段
７０により生成し、生成した注文ファイルを代理店ある
いは加工メーカに送付する。ネットワーク接続されてい
る場合には、注文ファイルをデータ転送すればよい。

【００５６】また、ハードコピー出力手段６０により、
画像表示手段５０によって表示された患部およびテンプ
レートの画像、手術計画上の情報等を紙媒体等に出力す
れば、これらを記録としてファイリングしたり、手術を
行う際の参考図面に用いたりすることができる。手術計
画上の情報としては、人工骨のメーカ名、シリーズ名、
型番、サイズ、付属品等の人工骨を購入するために必要
な情報、さらに人工骨の配置位置、ネック長さ等調整の
ための人工骨の付随情報、骨きり位置等の手術のための
情報、テンプレートの図形、患部の画像、テンプレート
および患部の輪郭画像、テンプレートおよび患部の略実
寸図などが挙げられる。

【００５７】なお、テンプレートおよび患部の略実寸図
を手術の参考図面用として出力する場合、汎用サイズで
あるＡ３サイズの紙媒体であっても利用できるように、
手術に関連する部分（領域）のみを選んで出力できるよ
うな機能があればなおよく、これにより、大きいサイズ
の紙媒体が出力できる高価な出力装置を使用しなくて
も、有用なシステムを組むことができる。

【００５８】また手術支援システムに入力される取得画
像データＳ１としてＣＲ装置を用いて読み取った放射線
画像を担持するものを用いていたが、レントゲンフィル
ムをスキャナなどの画像読取装置で読み取って得た骨部
を含む画像データを使用してもよい。あるいは、ＣＴや
ＭＲＩなどで得た骨部の断層データや再構成した３次元
画像データを使用してもよい。

【００５９】なお、本実施形態による手術支援システム
は、操作者自らが手術計画を進めてゆくものであるが、
ナビゲーション機能をさらに備え、予め登録された手順
に従って手術計画を誘導したり、不適当な入力に対して
アドバイスや警告等を行ったりするものであればなおよ
く、手術計画の経験の浅い者やシステムの操作に不慣れ
な者もスムーズかつ的確に手術計画を行うことができ
る。

【００６０】また、本手術支援システムにおいて、メニ
ュー画面等で患部の種類や手術の種類を選択できるよう
にすれば、股関節の骨頭代替手術に限らず、あらゆる手
術計画を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による手術支援システムの構成を示すブ
ロック図

【図２】画像を表示させたときの画像表示部５２上の表
示レイアウトの一例を示した図

【図３】基礎計測手段１０による基礎計測を説明するた
めの図

【図４】ＣＵＰテンプレートの選択・調整を説明するた
めの図

【図５】ＣＵＰテンプレートの移動を説明するための図

【図６】大腿骨の隋空直径の測定を説明するための図

【図７】ＳＴＥＭの選択・調整を説明するための図

【図８】患部である大腿骨の輪郭画像の作図を説明する
ための図

【図９】大腿骨の輪郭画像を手術後の想定位置への移動
を説明するための図

【符号の説明】

１手術支援システム３骨盤４左大腿骨５右大腿骨６ＣＵＰテンプレート７ＳＴＥＭテンプレート８大腿骨輪郭画像１０基礎計測手段２０テンプレート選択手段３０作図手段４０演算手段５０画像表示手段５１表示制御部５２画像表示部６０ハードコピー出力手段７０発注情報出力手段８０テンプレートデータ保存手段８１テンプレートデータ作成手段９０入力手段９１キーボード９２マウス

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数用意された異なる人工骨のテンプレ
ートの中から、手術に用いる人工骨のテンプレートを選
択して入力するテンプレート選択手段と、手術計画情報を入力する入力手段と、前記テンプレート選択手段により選択されたテンプレー
トと前記入力手段により入力された手術計画情報とを画
像として表示する画像表示手段とからなることを特徴と
する手術支援システム。
【請求項２】前記画像表示手段により表示された画像
および／または手術計画上の情報をハードコピーとして
出力するハードコピー出力手段をさらに備えたことを特
徴とする請求項１記載の手術支援システム。
【請求項３】前記入力手段により入力された手術計画
情報をもとに脚長差、脚延長または脚収縮の大きさを演
算して出力する演算手段をさらに備えたことを特徴とす
る請求項１または２記載の手術支援システム。
【請求項４】前記複数用意された異なる人工骨に対応
した複数種類のテンプレートを表すテンプレートデータ
が予め保存されているテンプレートデータ保存手段をさ
らに備え、該テンプレートデータ保存手段が、前記テンプレートデ
ータをネットワークやメディアよりダウンロードして保
存できるものであることを特徴とする請求項１、２また
は３記載の手術支援システム。
【請求項５】前記テンプレート選択手段により選択さ
れたテンプレートに対応する人工骨を発注するための発
注情報を出力する発注情報出力手段をさらに備えたこと
を特徴とする請求項１から４いずれか１項記載の手術支
援システム。