JP2003268404A - 強磁性粉末の製造方法及びそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

強磁性粉末の製造方法及びそれを用いた磁気記録媒体

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JP2003268404A
JP2003268404A JP2002068795A JP2002068795A JP2003268404A JP 2003268404 A JP2003268404 A JP 2003268404A JP 2002068795 A JP2002068795 A JP 2002068795A JP 2002068795 A JP2002068795 A JP 2002068795A JP 2003268404 A JP2003268404 A JP 2003268404A
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ferromagnetic powder
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Noboru Jinbo
昇 神保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微細な強磁性粉末のスタッキングが防止され、
分散性がよい、磁気記録媒体に好適な強磁性粉末の製造
方法を提供すること。また、得られた強磁性粉末によ
り、MRヘッドを使用して再生した際でも短波長出力と
C/Nが優れ、かつ媒体ノイズが低い磁気記録媒体を提
供すること。 【解決手段】 強磁性粉末の製造方法は、強磁性粉末
に、酸解離定数(pKa)が4以下である極性基を含有
する有機化合物及び/又はその塩を添加して、乾式圧密
処理することによって、該強磁性粉末の粒子表面に酸解
離定数(pKa)が4以下である極性基を含有する有機
化合物及び/又はその塩を被覆することを特徴とする。
また、それを用いた磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性粉末の製造
方法及びそれを用いた磁気テープ等の磁気記録媒体に関
し、特に分散性がよく、磁気記録媒体に好適な強磁性粉
末の製造方法、並びに、該強磁性粉末及び結合剤を主体
とする磁性塗料を支持体上に塗布して磁性層を形成した
塗布型の磁気記録媒体に関連する。とりわけ再生に磁気
抵抗効果を利用したMRヘッドを使用したシステムにお
いて特に好適であり、磁性層に特定の強磁性粉末を含
み、高密度記録可能な磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオテ−プ、オ−ディオテー
プ、コンピューター用テープ、フレキシブルディスク等
の磁気記録媒体としては、強磁性酸化鉄、Co変性強磁
性酸化鉄、CrO2、強磁性金属粉末、六方晶系フェラ
イト等の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を支持
体に塗設したものが広く用いられている。この中でも六
方晶系フェライトは高密度記録特性に優れていることが
知られている(例えば、特開昭60−157719号公
報、特開昭62−109226号公報、特開平3−28
0215号公報)。
【0003】特開平5−12650号公報には、六方晶
系フェライトを用いて磁性層の厚みを0.1〜0.6μ
mとし、磁性層と支持体の間に磁性層より厚い非磁性層
を設け、表面性、短波長出力、消去特性、耐久性を改善
した磁気記録媒体が開示されている。特開平5−225
547号公報には、支持体上に非磁性層を設け、その上
に0.1μm以下の六方晶フェライト磁性粉を含有した
磁性層を設けることで、高域特性に優れ、信号の重ね書
き特性が良好であり、耐久性も良好な磁気記録媒体が開
示されている。
【0004】また、特開平6−290929号公報に
は、磁気特性に優れ、しかも良好な塗料分散が得られる
六方晶フェライトとして、六方晶系フェライトの透過型
電子顕微鏡観察で得られた平均粒子サイズより求めた算
術比表面積(Sc)とBET法で求めた比表面積(S
m)との比(Sm/Sc)が1以下のBaフェライトが
記載されている。更には、IEEE. Trans. Mag.、vol 2
3(5)、Sep.1987、p3125では、(実測の
比表面積)/(透過型電子顕微鏡より求めた平均径より
計算された表面積)が、0.70〜0.82であるBa
フェライトが報告されている。
【0005】最近、コンピュ−タ−用デ−タ記録システ
ムには、磁気抵抗効果を利用した高感度な再生ヘッド
(MRヘッド)が使用され、システムノイズは磁気記録媒
体に由来するノイズに支配されている。Okabe等は、B
aフェライト媒体をMRヘッドと組み合わせて使用する
ことが、MRヘッドの飽和を回避するので好ましいこと
を示唆している(IEEE. Trans.Mag.、vol32
(5)、3404〜3406頁(1996))。また、
媒体ノイズを低減するため強磁性粒子の微細化が進めら
れているが、強磁性粒子の微細化にともない熱揺らぎの
影響を受け、磁化遷移領域の安定性が問題となることが
推定されている。磁化の安定性は、KuV/kT(Kuは
磁気異方性定数、Vは粒子体積、kはボルツマン定数、
Tは絶対温度)で評価されている。
【0006】六方晶系フェライトは飽和磁化が強磁性金
属粉の約1/3〜1/2であるので、Kuを大きくする
ことが難しく熱揺らぎは大きくなる。更に、六方晶系フ
ェライトを用いた磁気記録媒体は、粒子間の相互作用が
大きく、媒体のノイズレベルに影響すると言われてい
る。また、微細な六方晶系フェライトは単結晶であり、
粒子形状が板状であるため粒子が接近していわゆるスタ
ッキングを生成すると、粒子を引き離すことが困難とな
る。そのためか粉体サイズを微細にした六方晶系フェラ
イト磁性粉を用いて作成した高密度記録用媒体をMRヘ
ッドで再生した場合であっても、体積と粒子数より期待
されるノイズレベルよりもノイズが大きく、C/Nを十
分に確保することが困難であるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、強磁性粉
末、特には微細な六方晶系フェライトのスタッキングが
防止され、分散性がよい、磁気記録媒体に好適な強磁性
粉末の製造方法を提供することである。第二の目的は、
その特定の方法で得られた強磁性粉末に着目し、MRヘ
ッドを使用して再生した際でも短波長出力とC/Nが優
れ、かつ媒体ノイズが低い磁気記録媒体を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発者等は、鋭意検討し
た結果、強磁性粉末の製造過程において、極性基を含有
する有機化合物及び/又は塩を添加し、次いで乾式圧密
処理することにより、分散性が向上して、磁気記録媒体
に特に好適な高分散性の粒子が得られることを見出し、
また、その方法によって得られた強磁性粉末を磁性層の
磁性粉として使用することによって、高密度記録に必要
な極短波長出力と磁化の安定性を格段に改良し得ること
を見出し、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の第一は、強磁性粉末の製造
方法であって、強磁性粉末に、酸解離定数(pKa)が
4以下である極性基を含有する有機化合物及び/又はそ
の塩を添加して、乾式圧密処理することによって、該強
磁性粉末の粒子表面に酸解離定数(pKa)が4以下で
ある極性基を含有する有機化合物及び/又はその塩を被
覆することを特徴とする、強磁性粉末の製造方法であ
る。また、本発明の第二は、支持体上に、非磁性粉末を
結合剤樹脂中に分散させた非磁性層を設け、この上に強
磁性粉末を結合剤樹脂中に分散してなる磁性層を設けた
磁気記録媒体において、該磁性層が、粒子表面に酸解離
定数(pKa)が4以下である極性基を含有する有機化
合物及び/又はその塩が被覆された強磁性粉末を含有す
ることを特徴とする、磁気記録媒体である。本発明にお
いて、前記磁性層が、更に脂肪酸を含有しているのが好
ましく、また前記磁性層の厚みが0.01〜0.5μm、
残留磁束密度×磁性層厚みが5〜100mT・μmであ
ることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳述する。まず初め
に、第一の発明である、強磁性粉末の製造方法について
説明する。本発明の強磁性粉末の製造方法は、強磁性粉
末に、酸解離定数(pKa)が4以下である極性基を含
有する有機化合物及び/又はその塩を添加して、乾式圧
密処理することによって、該強磁性粉末の粒子表面に酸
解離定数(pKa)が4以下である極性基を含有する有
機化合物及び/又はその塩を被覆することを特徴とす
る。
【0011】本発明の方法で製造される強磁性粉末とし
ては、特に限定されるものではなく、強磁性酸化物粉
末、強磁性金属粉末及び六方晶系フェライト等が挙げら
れる。強磁性酸化物粉末としては、例えばγ−Fe
23、Fe34、FeOx(1≦X≦1.5)、Co−
FeOx(1≦X≦1.5)、Co−Fe34、CrO2
等が挙げられる。強磁性金属粉末としては、例えばF
e、Fe−Co合金、Fe−Pt、Fe3−Pt、Co
−Pt、Fe4N、Fe52等が挙げられる。尚、強磁
性金属粉末の表層が酸化物層を有していてもよい。
【0012】六方晶系フェライトとしては、バリウムフ
ェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、
カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等が挙げ
られる。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウム
フェライト及びストロンチウムフェライト、更に一部ス
ピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウム
フェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げら
れ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、T
i、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、S
n、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、
Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、M
n、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Pt等の原子
を含んでいてもよい。一般にはCo−Ti、Co−Ti
−Zr、Co−Nb、Co−Ti−Zn、Co−Zn−
Nb、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn、Ni−Ti、Z
n−Ti、Zn−Ni等の元素を添加した物を使用する
ことができる。SFDの観点からは、純粋なマグネトプ
ランバイト型フェライトの方が、スピネル層を多く含む
複合型フェライトよりも好ましい。本発明の方法で製造
される六方晶系フェライトは、通常六角板状の粉体であ
る。上記のなかでも、特に強磁性金属粉末または六方晶
系フェライト粉末が好ましい。
【0013】次に、本発明の磁性層に使用する強磁性金
属粉末について詳細に説明する。強磁性金属粉末として
は、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末が好まし
い。強磁性金属粉末には所定の原子以外にAl、Si、
Ca、Mg、P、Ti、Cr、Cu、Y、Sn、Sb、
Ba、W、La、Ce、Pr、Nd、Co、Mn、Z
n、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。
特に、Al、Ca、Mg、Y、Ba、La、Nd、S
m、Co、Niの少なくとも1つをα−Fe以外に含む
ことが好ましい。Coは、Feと合金を作ると飽和磁化
が増加し、かつ減磁が改良されるので特に好ましい。C
oの含有量はFeに対して1原子%〜40原子%が好ま
しく、さらに好ましくは15原子%〜35原子%、より
好ましくは20原子%〜35原子%である。Y等の希土
類元素の含有量は1.5原子%〜15原子%が好まし
く、さらに好ましくは3原子%〜12原子%、より好ま
しくは4原子%〜10原子%である。Alは1.5原子
%〜12原子%が好ましく、さらに好ましくは3原子%
〜10原子%、より好ましくは4原子%〜9原子%であ
る。Yを含む希土類やAlは焼結防止剤として機能して
おり、組合わせて使用することでより高い焼結防止効果
が得られる。これらの強磁性粉末にはあとで述べる分散
剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあ
らかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特公
昭44−14090号、特公昭45−18372号、特
公昭47−22062号、特公昭47−22513号、
特公昭46−28466号、特公昭46−38755
号、特公昭47−4286号、特公昭47−12422
号、特公昭47−17284号、特公昭47−1850
9号、特公昭47−18573号、特公昭39−103
07号、特公昭46−39639号、米国特許第302
6215号、同3031341号、同3100194
号、同3242005号、同3389014号等の各公
報に記載されている。
【0014】強磁性金属粉末には少量の水酸化物、また
は酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末は公知の製
造方法により得られたものを用いることができ、例えば
下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行っ
た含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し
てFeあるいはFe−Co粒子などを得る方法、複合有
機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体
で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方
法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次
亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して
還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて
微粉末を得る方法などである。このようにして得られた
強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理する。含水酸化鉄、
酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガス
と不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化
皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
【0015】本発明の磁性層に含まれる強磁性金属粉末
を、BET法による比表面積(SBE T)で表せば40〜
80m2/gであり、好ましくは45〜70m2/gであ
る。40m2/g未満ではノイズが高くなる場合があ
り、80m2/gを超えると平滑な表面が得にくい場合
がある。強磁性金属粉末の結晶子サイズは好ましくは8
〜18nmであり、更に好ましくは10〜17nm、特
に好ましくは11〜16.5nmである。強磁性金属粉
末の平均長軸長は好ましくは10〜250nmであり、
更に好ましくは15〜150nmであり、特に好ましく
は20〜120nmである。強磁性金属粉末の針状比は
3〜15が好ましく、3〜10がより好ましい。強磁性
金属粉末の飽和磁化σsは好ましくは90〜170A・
2/kgであり、更に好ましくは90〜160A・m2
/kg、特に好ましくは100〜160A・m2/kg
である。また、強磁性金属粉末の抗磁力は135〜27
9kA/mが好ましく、更に好ましくは143〜239
kA/mである。
【0016】強磁性金属粉末の含水率は0.1〜2質量
%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金
属粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性金属
粉末のpHは、用いる結合剤との組み合わせにより最適
化することが好ましい。その範囲は6〜12であるが、
好ましくは7〜11である。強磁性金属粉末のSA(ス
テアリン酸)吸着量(表面の塩基性点の尺度)は1〜1
5μmol/m2、好ましくは2〜10μmol/m2
さらに好ましくは3〜8μmol/m2である。ステア
リン酸吸着量が多い強磁性金属粉末を使用する時、表面
に強く吸着する有機物で表面修飾して磁気記録媒体を作
成することが好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、
Ca、Fe、Ni、Sr、NH4、SO4、Cl、N
2、NO3などの無機イオンを含む場合があるが、これ
らは本質的に無い方が好ましい。ただし、各イオンの総
和が300ppm以下程度であれば、特性には影響しな
い。また、本発明に用いられる強磁性粉末は空孔が少な
いほうが好ましくその値は15容量%以下、さらに好ま
しくは5容量%以下である。また形状については先に示
した粉体サイズ、磁気特性を満足すれば針状、米粒状、
紡錘状のいずれでもかまわない。強磁性粉末自体のSF
D(switching−field distrib
ution)は小さい方が好ましく、強磁性粉末のHc
分布を小さくする必要がある。テ−プのSFDが小さい
と、磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、
高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さ
くするためには、強磁性金属粉末においてはゲ−タイト
の粒度分布を良くする、単分散α−Fe23を使用す
る、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
【0017】本明細書において、強磁性粉末の大きさ
(以下、「粉体サイズ」と言う)は、高分解能透過型電
子顕微鏡写真より求められる。即ち、粉体サイズは、
粉体の形状が針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面
の最大長径より大きい)等の場合は、粉体を構成する長
軸の長さ、即ち長軸長で表され、粉体の形状が板状乃
至柱状(ただし、厚さ乃至高さが板面乃至底面の最大長
径より小さい)場合は、その板面乃至底面の最大長径で
表され、粉体の形状が球形、多面体状、不特定形等で
あって、かつ形状から粉体を構成する長軸を特定できな
い場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影
法で求められるものを言う。
【0018】また、該粉体の平均粉体サイズは、上記粉
体サイズの算術平均であり、約350個の一次粒子につ
いて上記の如く測定を実施して求めたものである。一次
粒子とは、凝集のない独立した粉体をいう。あるいは、
凝集体を構成している個々の粒子でもある。また、該粉
体の平均針状比は、上記測定において粉体の短軸の長
さ、即ち短軸長を測定し、各粉体の(長軸長/短軸長)
の値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粉体
サイズの定義での場合は、粉体を構成する短軸の長さ
を、同じくの場合は、厚さ乃至高さを各々指し、の
場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸
長)は、便宜上1とみなす。そして、粉体の形状が特定
の場合、例えば、上記粉体サイズの定義の場合は、平
均粉体サイズを平均長軸長と言い、同定義の場合は平
均粉体サイズを平均板径と言い、(最大長径/厚さ乃至
高さ)の算術平均を平均板状比という。同定義の場合
は平均粉体サイズを平均粒子径という。粒子サイズ測定
において、標準偏差/平均値を百分率で表示したものを
変動係数と定義する。
【0019】本発明の方法で製造される強磁性粉末とし
ては、特に六方晶系フェライトが好ましい。六方晶系フ
ェライトの平均板径は通常10〜40nm、好ましくは
15〜35nmの範囲である。平均板径が小さすぎる
と、高比表面積となり、分散が困難となるという問題が
生じる傾向があり、また逆に平均板径が大きすぎると、
粒子体積が大きくなり、磁気記録媒体に使用した場合に
媒体ノイズが増加し、高C/N媒体が得られないという
問題が生じる傾向がある。また、六方晶系フェライトの
平均厚さは通常、2〜15nmであるが、特に4〜10
nmが好ましい。平均板径、平均板厚の変動係数は小さ
いことが好ましく、0〜35%が好ましい。更に好まし
くは、0〜30%である。更に平均板状比は好ましくは
1.5〜4であり、更に好ましくは2〜3.8である。
【0020】また、本発明の方法で製造される強磁性粉
末の抗磁力Hcは、通常135〜400kA/m、好ま
しくは140〜350kA/m、より好ましくは150
〜330kA/mである。抗磁力Hcが小さすぎると、
磁気記録媒体に使用した場合に短波長出力が得られにく
いという問題が生じる傾向があり、また逆に大きすぎる
と記録ヘッドで信号を十分に記録できないという問題が
生じる傾向がある。
【0021】また、これら強磁性粉末のBET法による
比表面積(SBET)は、通常30〜150m2/gで
あるが、40〜120m2/gが好ましい。30m2/g
に満たないと、粒子体積が大きく、ノイズが高いことに
くわえて、粒子間の引力が大きく、スタッキングを解消
することが困難となることによってもノイズが高くなる
傾向があり、150m2/gを超えると分散が困難とな
り表面性が得にくくなる傾向があるので好ましくない。
含水率は0.3〜2.0%とするのが好ましい。磁気記録
媒体において磁性粉として使用する場合は、使用する結
合剤樹脂の種類によって該磁性粉の含水率は最適化する
のが好ましい。
【0022】本発明の方法において、極性基を有する有
機物による処理前の強磁性粉末の製造方法は限定される
ものではない。例えば、その方法としては、ガラス結晶
化法、共沈・フラックス法、水熱合成法法等が挙げら
れ、ガラス結晶化法は微細で粒度分布が良好な粒子が得
られるので好ましい。
【0023】本発明の方法においては、強磁性粉末を製
造する際に、酸解離定数(pKa)が4以下である極性
基を含有する有機化合物及び/又はその塩を添加して、
乾式圧密処理することを特徴としている。以下本発明で
は、この操作を単に「乾式圧密処理」と表現することが
ある。この操作によって、強磁性粉末同士のスタッキン
グ(くっつき)が解消し、分散性が向上するが、これは
乾式圧密処理時に直ちに強磁性粉末の表面に有機物が吸
着することによるものと考えられる。
【0024】この方法としては、該フェライト粒子に酸
解離定数(pKa)が4以下である極性基を含有する有
機化合物及び/又はその塩を添加して、次いで乾式圧密
処理機を用いて乾式圧密処理を行えばよい。乾式圧密処
理機としては例えば、(株)松本鋳造鉄工所製のサンド
ミルや(株)ヨドキャステングのヨドミルや新東工業製
のミックスマ−ラ−等の乾式圧密処理機が挙げられる。
【0025】乾式圧密処理時の線荷重としては、通常1
0〜100Kg/cmで、好ましくは15〜85Kg/
cmである。線荷重が10Kg/cm未満の場合では、
摩砕によるせん断力が弱すぎてメカノケミカル効果が得
られにくい傾向がある。逆に100Kg/cmを超える
場合には、摩砕によるせん断力が強すぎて粒子そのもの
を破壊してしまう恐れがあり、また経済的ではない。乾
式圧密処理時間は、通常15分〜24時間であり、好ま
しくは30分〜12時間である。
【0026】尚、本発明において湿式処理は、処理効率
が悪く、処理後のろ液に多量の処理剤が残存する場合が
あることや、このろ液が排水として排出された場合、河
川等の水質汚濁を引き起こすことなどから環境上避ける
べきである。或いは、水質汚濁にならないようにするた
めの十分な対策が必要である。
【0027】本発明の方法で使用される有機化合物とし
ては、pKaが4以下である極性基を含有する低分子量
(高分子でない)有機化合物であれば、使用することがで
きるが、特に極性基として、PO(OH)2基、OPO
(OH)2基、SO3H基、またはSO2H基を含有する
化合物が好ましい。
【0028】これら極性基を含有する有機物としては、
アミノメチルホスホン酸、アミノエチルホスホン酸、フ
ェニルホスホン酸(1.8)、アミノトリメチレンホス
ホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、
ヘキサメチレンジアミノテトラメチレンホスホン酸、ジ
エチレントリアミノペンタメチレンホスホン酸、トリエ
チレンテトラアミノへキサメチレンホスホン酸、テトラ
エチレンペンタアミノヘプタメチレンホスホン酸、ペン
タエチレンヘキサアミノオクタメチレンホスホン酸等の
メチレンホスホン酸;メチレンジホスホン酸、エチレン
−1,1’−ジホスホン酸、エチレン−1,2’−ジホ
スホン酸、プロピレン−1,1’−ジホスホン酸、プロ
ピレン−1,3’−ジホスホン酸、ヘキサメチレン−
1,6−ジホスホン酸、2,4−ジヒドロキシペンタメ
チレン−2,4−ジホスホン酸、2,5−ジヒドロキシ
ヘキサメチレン−2,5−ジホスホン酸、2,3−ジヒ
ドロキシブチレン−2,3−ジホスホン酸、1−ヒドロ
キシベンジル−1,1’−ジホスホン酸、1−アミノエ
チレン−1,1’−ジホスホン酸等のアルキレンジホス
ホン酸;ヒドロキシメチレンジホスホン酸、1−ヒドロ
キシエチレン−1,1’−ジホスホン酸、1−ヒドロキ
シプロピレン−1,1’−ジホスホン酸、1−ヒドロキ
シブチレン−1,1’−ジホスホン酸、1−ヒドロキシ
ヘキサメチレン−1,1’−ジホスホン酸等のヒドロキ
シアルキレン−1,1’−ジホスホン酸;フェノキシホ
スホン酸(1.95)等の有機ホスホン酸 、
【0029】ベンゼンスルホン酸(2.55)、p−ト
ルエンスルホン酸、4−ヒドロキシフェニルスルホン
酸、ヒドロキノンスルホン酸、ベンゼン−2,5−ジス
ルホン酸、4−ブチルビフェニルー3‘−スルホン酸な
どのアリールスルホン酸;スルファミル酸(1.6
5)、フェニルスルファミン酸、メタンスルホン酸、ス
ルホコハク酸、などのアルキルスルホン酸;ベンゼンス
ルフィン酸、メチルスルフィン酸などのスルフィン酸、
フタール酸(pKa1=2.75)、テレフタール酸
(pKa1=3.54)、マレイン酸(pKa1=1.7
5)、マロン酸(pKa 1=2.65)などのジカルボ
ン酸類、そのほかベンゾイルヒドロキシルアミン、フェ
ニルスルホヒドロキシルアミン、ベンゾヒドロキサム酸
(2.3)等が挙げられ、特にエチレンジアミンテトラ
メチレンホスホン酸、ジエチレントリアミノペンタメチ
レンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸が好ましい。
【0030】上記において、化合物に付した括弧内の数
値はpKa値である。上記有機物は、酸の形で示した
が、それらの塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属、アンモニウム塩(アルキル置換アンモニ
ウム塩を含む)等を、有機物に代えて使用してもよい
し、有機物とそれらの塩の両方を使用してもよい。ま
た、使用する有機物(又はその塩)は、一種であっても
複数種であってもよく、有機物と有機物の塩は、同じ種
類であっても、異なっていてもよい。本発明の方法にお
いては、上記有機物の酸解離定数(pKa)は、4以
下、好ましくは3.8以下であり、pKaが4を超える
と分散性の向上作用が低下することとなる。
【0031】本発明の方法において、上記した特定の有
機物及び/又はそれらの塩の添加方法としては、特定の
有機物及び/又はそれらの塩の溶液を強磁性粉末と混合
する方法、特定の有機物及び/又はそれらの塩を(少量
の)溶媒に溶解して、強磁性粉末と混合する方法、等の
いずれでもよい。
【0032】本発明の方法におけるこの処理に使用され
る、溶液の溶媒としては、イオン交換水、酢酸水溶液、
メタノール、エタノール等の水易溶性溶媒、それらの混
合物等が挙げられる。
【0033】また上記した特定の有機物及び/又はそれ
らの塩の使用量は、強磁性粉末粒子を磁気記録媒体に使
用した際の分散時にスタッキング(粉体粒子の重なり、
凝集)を解消する効果が認められる程度に、強磁性粉末
の粒子の表面の一部が覆われる量であり、特には強磁性
粉末の粒子表面を実質的に完全に被覆するような量であ
るのが好ましい。
【0034】本発明の方法で得られた強磁性粉末は必要
に応じ、Al、Si、P、Zr、Mg又はこれらの酸化
物や水酸化物等で表面処理を施されてもよい。好ましく
はAl23・nH2O又はSiO2・nH2Oによる表面
処理であり、磁気記録媒体に使用する場合には、用いる
結合剤樹脂によってその量と比率を変えることが好まし
い。その量は、該強磁性粉末に対し0.1〜10質量%
であり、表面処理を施すと脂肪酸等の潤滑剤の吸着が1
00mg/m2以下になり好ましい。また本発明の方法
で得られた強磁性粉末は、更にカップリング剤で処理さ
れてもよく、更に特開平12−138115号公報、特
開平12−200714号公報に記載されるカーボン付
着等の処理を行うのも好ましい。更には、本発明の方法
で得られた強磁性粉末は、可溶性のNa、Ca、Fe、
Ni、Sr、Ba等の無機イオンを含む場合があるが、
合計量が少ないほうが好ましく、0〜100ppm以下
であれば特に特性に影響を与えない。σsは、35A・
2/kg以上、好ましくは40A・m2/kg以上であ
る。タップ密度は0.5g/ml以上が好ましく0.8g
/ml以上が更に好ましい。
【0035】本発明においては、強磁性粉末の乾式圧密
処理により、強磁性粉末の表面に有機物を吸着させ、強
磁性粉末の表面に有機物を存在させているので、強磁性
粉末は、粒子同士が磁力でスタッキングを生成しても、
少ない力で容易に分散させることができると考えられ
る。そのために、これらを磁気記録媒体を製造する際に
使用すると、製造時の分散の際に加える力により粒子の
スタッキングが解消されるため、MRヘッドで再生した
ときにもノイズを低く抑えることができたと考えられ
る。
【0036】次に、第二の発明である、上記方法で製造
された強磁性粉末を磁性粉として用いた磁気記録媒体に
ついて説明する。本発明の磁気記録媒体は、支持体、非
磁性層及び磁性層とを基本的に有するものであり、磁気
記録媒体を構成する磁性層(以下上層と呼ぶこともあ
る)は、磁性粉と結合剤樹脂とを主成分として含有す
る。本発明においてこの磁性粉が、前記した酸解離定数
(pKa)が4以下である極性基を含有する有機化合物
及び/又はその塩を添加して、乾式圧密処理された強磁
性粉末であることを特徴とする。
【0037】尚、本発明において、前記した特定の方法
で製造された強磁性粉末に加えて、本発明の効果を損な
わない程度に、他の磁性粉末を混合してもよい。その場
合、他の磁性粉末の含有量は、全磁性粉中、20質量%
以下とするのが望ましい。
【0038】本発明の磁気記録媒体を構成する磁性層
は、上記した磁性粉の他に結合剤樹脂を含有する。結合
剤樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂やこれらの混合物等が使用できる。熱可
塑性樹脂の場合、ガラス転移温度が−100〜150
℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましく
は10000〜100000、重合度が約50〜100
0程度のものであるのが好ましい。
【0039】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクリル酸、
アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、
ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセ
タ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位として含む重合
体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂等
が挙げられる。
【0040】また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂として
は、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリ
オ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。
【0041】前記の結合剤樹脂に、より優れた強磁性粉
末の分散効果と磁性層の耐久性を得るためには必要に応
じ、COOM、SO3M、OSO3M、P=O(O
M)2、O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原
子、又はアルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+
3(Rはアルキル基、アルケニル基、アシル基、アリル
基)、エポキシ基、SH、CN等から選ばれる、少なく
とも1つ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入した
ものを用いるのが好ましい。このような極性基の量は、
好ましくは10-1〜10-8モル/gであり、より好まし
くは10-2〜10-6モル/gである。
【0042】本発明の磁気記録媒体の磁性層に用いられ
る結合剤樹脂は、全磁性粉末に対し、5〜50質量%の
範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられ
る。特に、塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜100
質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜50質量
%、ポリイソシアネ−トは2〜100質量%の範囲でこ
れらを組み合わせて用いるのが好ましい。
【0043】塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸
エステル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニルとビニルア
ルコール、マレイン酸および/またはアクリル酸との共
重合体、塩化ビニル・プロピオン酸ビニル共重合体、塩
化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アク
リロニトリル共重合体等を挙げることができる。
【0044】ポリウレタン樹脂としては、ポリエステル
ポリウレタン、ポリエ−テルポリウレタン、ポリエ−テ
ルポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウ
レタン、ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、
ポリカプロラクトンポリウレタン等が挙げられる。本発
明の磁気記録媒体を構成する磁性層において、結合剤樹
脂としてポリウレタンを用いる場合は、ガラス転移温度
が−50〜100℃、破断伸びが100〜2000%、
破断応力が0.05〜10Kg/mm2(0.49〜98
MPa)、降伏点が0.05〜10Kg/mm2(0.4
9〜98MPa)であるのが好ましい。
【0045】また、ポリイソシアネ−トとしては、トリ
レンジイソシアネ−ト、4、4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、キ
シリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1、5−ジイ
ソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−ト、イソ
ホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタントリイソ
シアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これらのイソ
シアネ−ト類とポリアルコールとの生成物、また、イソ
シアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネ−
ト等を使用することができる。
【0046】これらのイソシアネート類の市販されてい
る商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネート
L、コロネ−トHL、コロネ−ト2030、コロネ−ト
2031、ミリオネ−トMR、ミリオネ−トMTL、武
田薬品社製、タケネ−トD−102、タケネ−トD−1
10N、タケネ−トD−200、タケネ−トD−20
2、住友バイエル社製、デスモジュ−ルL、デスモジュ
−ルIL、デスモジュ−ルN、デスモジュ−ルHL、等
が挙げられ、これらを単独又は硬化反応性の差を利用し
て二つもしくはそれ以上を組合せて用いることができ
る。
【0047】本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、上
記磁性粉及び結合剤樹脂以外に、通常、潤滑剤、研磨
剤、帯電防止剤、分散剤、可塑剤、防黴剤等等を始めと
する種々の機能を有する素材をその目的に応じて含有さ
せることができる。
【0048】本発明の磁性層に使用し得る潤滑剤として
は、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜
5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは炭
素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキシポリシロ
キサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコキシは炭素
数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フロロアルキ
ルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)等のシ
リコンオイル;グラファイト等の導電性微粉末;二硫化
モリブデン、二硫化タングステン等の無機粉末;ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル共
重合体、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチック
微粉末;α−オレフィン重合物;常温で固体の飽和脂肪
酸(炭素数10から22);常温で液状の不飽和脂肪族
炭化水素(n−オレフィン二重結合が末端の炭素に結合
した化合物、炭素数約20);炭素数12〜20個の一
塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコールか
ら成る脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類等が使用
できる。
【0049】上記の中でも飽和脂肪酸と脂肪酸エステル
が好ましく、両者を併用することがより好ましい。脂肪
酸エステルの原料となるアルコールとしては、エタノー
ル、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、2
−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコ
ール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、s−ブチルアルコール等の系モノアル
コール類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタン
誘導体等の多価アルコールが挙げられる。同じく脂肪酸
としては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチル
ヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン
酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミト
レイン酸等の脂肪族カルボン酸又はこれらの混合物が挙
げられる。
【0050】脂肪酸エステルの具体例としては、ブチル
ステアレート、s−ブチルステアレート、イソプロピル
ステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレー
ト、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシ
ルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブ
チルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、
ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブ
トキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピ
ルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ジエチレン
グリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールを
ミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、グリ
セリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げる
ことができる。
【0051】更に、磁気記録媒体を高湿度下で使用する
際にしばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を軽減す
るために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直鎖、
シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択するのが
好ましい。これらの潤滑剤は、結合剤樹脂100質量部
に対して通常、0.2〜20質量部の範囲で添加され
る。
【0052】潤滑剤としては、更に以下の化合物を使用
することもできる。即ち、シリコンオイル、グラファイ
ト、二硫化モリブデン、窒化ほう素、弗化黒鉛、フッ素
アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキ
ル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。
【0053】本発明の磁性層に使用され得る研磨剤とし
ては、一般に使用される材料でα、γアルミナ、溶融ア
ルミナ、コランダム、人造コランダム、炭化珪素、酸化
クロム(Cr23)、ダイヤモンド、人造ダイヤモン
ド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄
鉱)、αFe23等が挙げられる。これらの研磨剤はモ
ース硬度が6以上であるのが好ましい。
【0054】具体的な例としては、住友化学社製、AK
P−10、AKP−15、AKP−20、AKP−3
0、AKP−50、AKP−1520、AKP−150
0、HIT−50、HIT60A、HIT60G、HI
T70、HIT80、HIT82、HIT−100、日
本化学工業社製、G5、G7、S−1、酸化クロムK、
上村工業社製UB40B、不二見研磨剤社製WA800
0、WA10000、LANDS社製LS600F 0
/−1/4、東名ダイヤ社製MD−200、MD−15
0、MD−100、MD−70、IRM 0−1/4
F、IRM 0−1/4FF、GE社製 0−1/1
0、0−1/4、DoPunt社製マイポレックス 1
/10QG、同 1/8QG、戸田工業社製TF10
0、TF140、TF180等が挙げられる。平均粒子
径が0.05〜1μmの大きさのものが特に効果があ
り、好ましくは0.05〜0.5μmである。
【0055】研磨剤は、単独で使用するだけでなく、2
種類以上を併用することも好適で、微粒子ダイヤモンド
の場合は他の研磨剤と併用することで、磁性粉に対する
添加量を0.1%程度に減少させることができる。これ
ら研磨剤の合計量は全磁性粉100質量部に対して1〜
20質量部、望ましくは1〜15質量部の範囲で添加さ
れる。1質量部より少ないと十分な耐久性が得られず、
20質量部より多すぎると表面性、充填度が劣化する傾
向がある。これら研磨剤は、あらかじめ結合剤樹脂で分
散処理したのち磁性塗料中に添加してもよい。
【0056】本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、帯
電防止剤として導電性粒子を含有することもできる。帯
電防止剤としては特に、カーボンブラックが、媒体全体
の表面電気抵抗を下げる点で好ましい。本発明に使用で
きるカ−ボンブラックは、ゴム用ファ−ネス、ゴム用サ
−マル、カラ−用ブラック、導電性カーボンブラック、
アセチレンブラック等が挙げられる。比表面積は5〜5
00m2/g、DBP吸油量は10〜1500ml/1
00g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含
水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/c
3、が好ましい。
【0057】本発明で使用され得るカ−ボンブラックの
具体的な例としては、キャボット社製、BLACKPE
ARLS 2000、1300、1000、900、8
00、700、VULCAN XC−72、旭カ−ボン
社製、#80、#60、#55、#50、#35、三菱
化学社製、#3030B、#3040B、#3050
B、#3230B、#3350B、#9180B、#2
700、#2650、#2600、#2400B、#2
300、#950B、#900、#1000、#95、
#30、#40、#10B、MA230、MA220、
MA77、コロンビアンカ−ボン社製、CONDUCT
EX SC、RAVEN 150、50、40、15、
ライオンアグゾ社製ケッチェンブラックEC、ケッチェ
ンブラックECDJ−500、ケッチェンブラックEC
DJ−600等が挙げられる。
【0058】カ−ボンブラックを分散剤等で表面処理し
たり、カーボンブラックを酸化処理したり、樹脂でグラ
フト化して使用してもよいし、表面の一部をグラファイ
ト化したものを使用してもよい。また、カ−ボンブラッ
クを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤樹脂で分
散させてもよい。磁性層にカ−ボンブラックを使用する
場合、全磁性粉に対して0.1〜30質量%の割合で用
いるのが好ましい。更に後述する非磁性層には全非磁性
粉末に対し3〜20質量%含有させることが好ましい。
【0059】一般的にカ−ボンブラックは帯電防止剤と
してだけでなく、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向
上等の働きがあり、これらは用いるカ−ボンブラックに
より異なる。従って本発明に使用され得るこれらのカ−
ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粒子サ
イズ、吸油量、電導度、pH等の先に示した諸特性をも
とに目的に応じて使い分けることは勿論可能である。使
用できるカーボンブラックは例えば「カ−ボンブラック
便覧」カ−ボンブラック協会編を参考にすることができ
る。
【0060】本発明の方法で製造された強磁性粉末を含
有する磁性層を含む磁気記録媒体は、支持体と磁性層の
間に非磁性層を設ける構成であれば、特に限定されず、
公知の層構成が可能である。
【0061】次に本発明の磁気記録媒体を構成する非磁
性層について説明する。本発明において非磁性層(下層
ともいう)に含有される非磁性粉末は、結合剤樹脂中に
分散した構造であり、その非磁性層に使用される非磁性
粉末には、種々のものが使用できる。例えば、α化率9
0%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミ
ナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化
鉄、ゲ−タイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バ
イト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜
鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等
を単独又は組合せて使用される。微細で粒度がそろって
いるものとして、α−酸化鉄、ゲ−タイト、酸化チタ
ン、酸化亜鉛が好適である。
【0062】これら非磁性粉末の粒子サイズは、0.0
1〜1μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異
なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末で
も粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもでき
る。使用する結合剤樹脂との相互作用を大きくし分散性
を改良するために、使用する非磁性粉末が表面処理され
ていてもよい。表面処理により粒子表面に存在させる物
としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ等の無
機物でも、カップリング剤により形成されるものでもよ
い。タップ密度は0.3〜2g/cm3、含水率は0.
1〜5質量%、pHは2〜11、比表面積は5〜100
2/g、が好ましい。前記非磁性粉末の形状は針状、
球状、サイコロ状、板状のいずれでもよい。
【0063】非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電
工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、HIT−
80、戸田工業製α−酸化鉄DPN−250BX、DP
N−245、DPN−270BX、DPN−550R
X、DBN−450BX、DBN−650RX、DAN
−850RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、
TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、T
TO−55S、TTO−55D、SN−100、チタン
工業製酸化チタンSTT−4D、STT−30D、ST
T−30、STT−65C、テイカ製酸化チタンMT−
100S、MT−100T、MT−150W、MT−5
00B、MT−600B、MT−100F、MT−50
0HD、堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−
10、BF−20、ST−M、同和鉱業製酸化鉄DEF
IC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2B
M、TiO2 P25、宇部興産製100A、500
A、及びそれを焼成したもの等が挙げられる。
【0064】本発明の磁気記録媒体を構成する非磁性層
に含有される結合剤樹脂としては、磁性層で使用され得
結合剤樹脂として列挙した各種樹脂を使用することがで
きる。また、非磁性層には、これら非磁性粉末及び結合
剤樹脂以外に、研磨剤、潤滑剤、帯電防止剤等の各種添
加剤を使用し得る。尚、それらは、上記磁性層で使用可
能な添加剤として説明したものが同様に使用可能であ
る。
【0065】本発明の磁気記録媒体の支持体は、通常、
3〜100μm、テ−プ状で使用する時は望ましくは3
〜20μm、フレキシブルディスクとして使用する場合
は25〜80μmが好ましく、支持体上に設ける非磁性
層は、通常、0.5〜5.0μm、好ましくは0.5〜
3μmである。磁性層の厚みは、好ましくは0.01〜
0.5μm、更に好ましくは0.05〜0.3μmであ
る。また、前記磁性層及び前記非磁性層以外の他の層を
目的に応じて形成することもできる。例えば、支持体と
非磁性層との間に密着性向上のための下塗り層を設けて
もよい。この厚みは通常、0.01〜1μm、好ましく
は0.05〜0.3μmである。また、磁性層を担持す
る面とは反対側の支持体面上にバック層を設けてもよ
い。この厚みは通常、0.1〜1.0μm、好ましくは
0.3〜1.0μmである。これらの下塗り層、バック
層は公知のものが使用できる。円盤状磁気記録媒体の場
合、両面もしくは片面に上記磁性層を含む構成を設ける
ことができる。
【0066】また、MRヘッドが飽和することにより再
生出力が劣化することを防止するために、残留磁束密度
(Br)×磁性層厚み(δ)が、5〜100mT・μm
であるのが好ましい。100mT・μmを超えるとMR
ヘッドの飽和が発生しやすいので好ましくない。
【0067】本発明で使用される支持体には特に制限は
なく、通常使用されているものを用いることができる。
支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン等の各種合成樹脂のフィルム、及びアルミ
ニウム箔、ステンレス箔等の金属箔を挙げることができ
る。
【0068】本発明の目的を有効に達成するには、支持
体の表面粗さは、中心線平均表面粗さRa(カットオフ
値0.25mm)で0.03μm以下であるのが望まし
く、より望ましく0.02μm以下、更に望ましく0.
01μm以下である。また、これらの支持体は単に前記
中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上
の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状
は、必要に応じて支持体に添加されるフィラ−の大きさ
と量により自由にコントロ−ルされるものである。これ
らのフィラ−の一例としては、Ca、Al、Si、Ti
等の酸化物や炭酸塩の他、アクリル系等の有機樹脂微粉
末が挙げられる。本発明に用いられる支持体のウエブ走
行方向のF−5値は、好ましくは5〜50kg/mm2
(49〜490MPa)、ウエブ幅方向のF−5値は好
ましくは3〜30kg/mm2(29.4〜294MP
a)であり、ウエブ長手方向のF−5値がウエブ幅方向
のF−5値より高いのが一般的であるが、特に幅方向の
強度を高くする必要があるときはその限りでない。
【0069】また、支持体のウエブ走行方向及び幅方向
の100℃、30分での熱収縮率は、好ましくは3%以
下、更に望ましくは1.5%以下であり、80℃、30
分での熱収縮率は、好ましくは1%以下、更に望ましく
は0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜10
0kg/mm2(49〜980MPa)、弾性率は10
0〜2000kg/mm2(980〜19600MP
a)が望ましい。
【0070】本発明の磁気記録媒体を構成する磁性層及
び非磁性層には通常有機溶媒が使用されるが、使用され
得る有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等の
ケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、イソブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ
ール、メチルシクロヘキサノール、等のアルコ−ル類、
酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプ
ロピル、乳酸エチル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、
グリコージメチルエーテル、グリコールモノエチルエー
テル、ジオキサン、等のグリコールエーテル系、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチ
レンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレン
クロルヒドリン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水
素類、N、N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等が挙
げられ、これら有機溶媒を任意の比率で組み合わせて用
いることができる。これら有機溶媒は必ずしも100%
純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応
物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれていても
よい。これらの不純分は、30%以下であるのが好まし
く、更に好ましくは10%以下である。本発明で用いる
有機溶媒は必要ならば各層でその種類、量を変えてもよ
い。非磁性層に揮発性の高い溶媒を用いて、表面性を向
上させる、非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキ
サノン、ジオキサン等)を用い塗布の安定性をあげる、
磁性層に溶解性パラメ−タの高い溶媒を用い充填度を上
げる等がその例として挙げられるが、これらの例に限ら
れたものではないことは無論である。尚、磁性層の強磁
性粉末の充填度は、使用した強磁性粉末のσs及び最大
磁束密度(Bm)から計算でき(Bm/4πσs)とな
り、本発明においてはその値は、望ましくは1.1〜
3.2g/cm3であり、更に望ましくは1.2〜3.
0g/cm3である。
【0071】本発明の磁気記録媒体は、支持体上に設け
られた非磁性粉末と結合剤樹脂からなる非磁性層の上
に、前記強磁性粉末と結合剤樹脂、及び必要ならば他の
添加剤と共に有機溶媒を用いて混練分散し、磁性塗料を
塗布し、必要に応じて配向、乾燥して得られる。
【0072】本発明の磁気記録媒体の磁性層を形成し得
る磁性塗料、及び、非磁性層を形成し得る非磁性塗料を
製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及び
これらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程から
なる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に別れていても
よい。本発明に使用する磁性粉末、非磁性粉末、結合剤
樹脂、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑
剤、溶剤等全ての原料は、どの工程の最初又は途中で添
加してもよい。また、個々の原料を2つ以上の工程で分
割して添加してもよい。例えば、ポリウレタンを混練工
程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分
割して投入してもよい。
【0073】磁性塗料の混練分散に当たっては各種の混
練機が使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロー
ルミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンド
グラインダー、ゼグバリ(Szegvari)、アトラ
イター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高
速衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホ
モジナイザー、超音波分散機等を用いることができる。
【0074】混練工程では連続ニーダや加圧ニーダ等強
い混練力をもつものを使用することが、磁気記録媒体の
高いBrを得る上で好ましい。連続ニ−ダ又は加圧ニ−
ダを用いる場合は磁性粉と結合剤樹脂の全て又はその一
部(ただし全結合剤樹脂の30%以上が好ましい)、及
びその他の必要な添加剤を加え、更に有機溶剤を磁性粉
100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処
理される。これらの混練処理の詳細については特開平1
−106338号公報、特開昭64−79274号公報
に記載されている。本発明では、特開昭62−2129
3号公報に示されるような同時重層塗布方式を用いるこ
とによりより効率的に生産することが出来る。
【0075】上述のように支持体上に複数の塗布層を形
成させることは、高記録密度の磁気記録媒体を製造する
うえで有効であり、同時塗布方式は超薄層の磁性層を作
り出すことができるので特に優れている。その同時塗布
方式、即ち、ウェット・オン・ウェット方式の具体的な
方法としては、
【0076】(1)磁性塗料で一般的に用いられるグラ
ビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージ
ョン塗布装置によりまず下層を塗布し、その層がまだ湿
潤状態にあるうちに、例えば、特公平1−46186号
公報、特開昭60−238179号公報及び特開平2−
265672号公報に開示されている、支持体加圧型エ
クストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法、
【0077】(2)特開昭63−88080号公報、特
開平2−17971号公報及び特開平2−265672
号公報に開示されているような、塗布液通液スリットを
二つ内蔵した塗布ヘッドにより、下層の塗布液及び上層
の塗布液をほぼ同時に塗布する方法、
【0078】(3)特開平2−174965号公報に開
示されている、バックアップロール付きエクストルージ
ョン塗布装置により、上層及び下層をほぼ同時に塗布す
る方法、等が挙げられる。
【0079】ウェット・オン・ウェット方式で塗布する
場合、磁性層用塗布液と非磁性層用塗布液の流動特性は
できるだけ近い方が、塗布された磁性層と非磁性層の界
面の乱れがなく厚さが均一な厚み変動の少ない磁性層を
得ることができる。塗布液の流動特性は、塗布液中の粉
末粒子と結合剤樹脂の組み合わせに強く依存するので、
特に、非磁性層に使用する非磁性粉末の選択に留意する
必要がある。
【0080】本発明の磁気記録媒体の磁性層中に含まれ
る残留溶媒は、好ましくは100mg/m2以下、更に
好ましくは10mg/m2以下であり、磁性層に含まれ
る残留溶媒が非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほ
うが好ましい。
【0081】磁性層及び非磁性層が有する空隙率は、い
ずれも好ましくは30容量%以下、更に好ましくは10
容量%以下である。非磁性層の空隙率が磁性層の空隙率
より大きいほうが好ましいが、非磁性層の空隙率が5容
量%以上であれば小さくてもよい。
【0082】本発明は、目的に応じ非磁性層と磁性層で
これらの物理特性を変えることができるのは容易に推定
されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし走
行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性
層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くす
る等である。
【0083】このような方法により、支持体上に塗布さ
れた磁性層等は必要により層中の強磁性粉末を配向させ
る処理を施した後、形成した磁性層を乾燥する。又必要
により表面平滑化加工を施したり、所望の形状に裁断し
たりして、本発明の磁気記録媒体を製造する。
【0084】磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、ウエ
ブ塗布方向、幅方向とも望ましくは100〜2000k
g/mm2(980〜19600MPa)、破断強度
は、望ましくは1〜30kg/cm2(98〜2940
kPa)、磁気記録媒体の弾性率は、ウエブ塗布方向、
幅方向とも望ましくは100〜1500kg/mm
2(980〜14700MPa)、残留のびは、望まし
くは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱
収縮率は、望ましくは1%以下、更に望ましくは0.5
%以下、最も望ましくは0.1%以下である。
【0085】本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用途、コ
ンピューターのバックアップ用途等のテープであって
も、データー記録用途のフロッピー(登録商標)(フレ
キシブル)ディスクや磁気ディスクであってもよいが、
ドロップアウトの発生による信号の欠落が致命的となる
デジタル記録用途の媒体に対しては特に有効である。更
に、非磁性層と磁性層の重層構成で、磁性層の厚さを
0.5μm以下とすることにより、電磁変換特性が高
い、オーバーライト特性が優れた、高密度で大容量の磁
気記録媒体を得ることができる。本発明の新規な特長を
以下の実施例で具体的に説明する。
【0086】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 <六方晶系フェライト磁性粉の生成 1>六方晶系フェ
ライト製造原料として、各種の化合物を酸化物換算で以
下の様に秤量した。 B23 4.7モル BaCO3 10.0モル Fe23 11.3モル CoCO3 0.56モル ZnO 0.50モル Nb25 0.12モル
【0087】上記の組成物を粉末ミキサーにて十分混合
した後、攪拌機の付属したPt−Rh製ルツボに入れ、
高周波誘導加熱炉で1300〜1350℃にて2時間溶
融し、回転しているステンレス製冷却双ロール間に一定
量を流し込み、急冷し非晶質体フレークを作成し、フレ
ークを粉砕処理した。次いで非晶質体をセラミック容器
に2cm厚に広げ、700℃に保持した電気炉中に搬送
し5時間保持した。その後、室温の金属製ホッパーに処
理物を投入し、冷却し結晶粉末を得た。該結晶粉末を遊
星ミルにより粉砕した。
【0088】<六方晶系フェライト磁性粉の生成 2及
び3>六方晶系フェライト製造原料として、各種の化合
物を酸化物換算で以下の様に秤量した。 B23 4.7モル BaCO3 10.0モル Fe23 10.8モル CoCO3 0.54モル ZnO 0.50モル Nb25 0.12モル
【0089】六方晶系フェライト磁性粉の生成1と同じ
条件で非晶質フレークを形成し、粉砕し、次いで六方晶
系フェライト磁性粉の生成2と3は以下の通り異なった
処理を行った。 (六方晶系フェライト磁性粉の生成2)次いで非晶質体
をセラミック容器に2cm厚に広げ、700℃に保持し
た電気炉中に搬送し5時間保持した。 (六方晶系フェライト磁性粉の生成3)次いで非晶質体
をセラミック容器に2cm厚に広げ、720℃に保持し
た電気炉中に搬送し2時間保持後、950℃に保持した
電気炉中にただちに搬送し3時間保持した。
【0090】 <六方晶系フェライト磁性粉の生成 4> BaCl2・2H2O 1.4モル FeCl2・6H2O 13モル CoCl2・6H2O 0.1モル TiCl4 0.1モル 上記各成分を、純水20Lに溶解させ、NaOH 50
00g及びNa2CO31250gを純水40Lに溶解さ
せた水溶液を混合し、攪拌して、共沈物を得た。乾燥、
粉砕し、フラックスとしてNaClを加え、825℃で
2時間加熱、反応させ、冷却した。
【0091】ガラス化結晶法で作成した上記磁性粉1〜
3を、2mol/lの酢酸(pKa=4.56)水溶液
に(磁性粉と酢酸水溶液の比は重量で1:20)に浸漬さ
せ、80℃、5時間保持しガラス成分を除去し、ろ別
し、微結晶を回収した。回収した微結晶を多量のイオン
交換水で水洗し、脱水した後120℃で乾燥させ、更に
マーラーにて圧密処理を行い、強磁性粉末を得た。
【0092】<圧密処理した有機物被覆された磁性粉末
の製造 − 実施例1〜3、及び、比較例1>ガラス化結
晶法で作成した上記磁性粉1〜4各20Kgに表1に示
す化合物を添加し、ヨドミル MPUV−2型に投入し
て線荷重60kg/cmで3時間、圧密粉砕を行った。
【0093】この強磁性粉末をX線回折法で解析する
と、マグネトプランバイト構造を示した。強磁性粉末を
透過型電子顕微鏡観察し、平均粉体サイズを測定した。
窒素中250℃で30分脱気処理し、BET法で比表面
積を測定した。磁気特性はVSMを使用して印加磁界8
00kA/mで測定した。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】表1及び2から判る通り、有機物と共に乾
式圧密処理した場合(実施例1〜3)において、即ち本発
明の方法で製造された強磁性粉末は、有機物の添加も乾
式圧密処理も行わない比較例1に対して、同程度の平均
板径を有するが、比表面積が高くなっていることが判
る。これは粒子のスタッキングが外れており、その結
果、本発明の方法で得られた強磁性粉末は分散性が優れ
るものであることを示している。
【0097】<塗料の作製>実施例中、「部」との表示
は「質量部」を示す。 磁性塗料処方 バリウムフェライト 100部 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 14部 (−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300) ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(平均粒子径:0.15μm) 2部 カ−ボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 3部 メチルエチルケトン 125部 シクロヘキサノン 125部
【0098】 非磁性塗料処方 針状ヘマタイト 80部 (BET法による比表面積:55m2/g、 平均長軸長:0.10μm、平均針状比:7、 pH:8.8、アルミ処理:Al23として1質量%) カーボンブラック 20部 (平均粒子径:17nm、 DBP及油量:80ml/100g、 BET法による表面積:240m2/g、pH7.5) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 14部 (−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300) ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有) ブチルステアレート 3部 ステアリン酸 3部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 280部
【0099】上記の磁性塗料処方及び非磁性塗料処方に
ついて、顔料、ポリ塩化ビニルと処方量の50質量%の
各溶剤をニーダーで混練したのち、ポリエステルポリウ
レタン樹脂と残りの成分を加えてサンドグラインダーで
分散させた。得られた分散液にイソシアネートを非磁性
塗料液には15部、磁性塗料液には14部を加え、更に
それぞれにシクロヘキサノン30部を加え、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形
成用及び磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
【0100】<テープの作成;実施例1〜3、比較例1
>上記にて得られた非磁性層用の非磁性塗料を、厚さ7
μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に乾燥後の
厚さが1.5μmとなるように塗布し、更にその直後非
磁性層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、磁性塗料
をその塗布量を制御することで所定の磁性層厚みとなる
ように湿式同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態に
あるうちに配向装置を通過させ長手配向した。この時の
配向磁石は、希土類磁石(表面磁束500mT)を通過
させた後、ソレノイド磁石(磁束密度500mT)中を
通過させ、ソレノイド内で配向が戻らない程度まで乾燥
し、更に磁性層を乾燥し巻き取った。その後金属ロール
より構成される7段カレンダーで、ロール温度を90℃
にしてカレンダー処理を施して、ウェッブ状の磁気記録
媒体を得、それを8mm幅にスリットして8mmビデオ
テープのサンプルを作成した。得られたテープについ
て、抗磁力Hc、角型比SQ、SFD、磁性層厚δ、残
留磁束密度×磁性層厚み(Br・δ)、表面粗さ、出
力、C/N比を測定して、評価した。結果を表3に示
す。尚、上記評価項目の評価方法は以下の通りである。
【0101】<評価方法> 抗磁力Hc:振動試料型磁力計(東英工業社製)を使用
し、外部磁界800kA/mで配向方向に平行に測定し
た。
【0102】角型比SQ: B−H曲線のMr(残留磁束)/Ms(飽和磁束)、
[あるいはBr(残留磁束密度)/Bm(飽和磁束密
度)] SFD(Switching Field Distribution):B−H曲線の
微分曲線の半値幅をHcで除した値である。
【0103】磁性層の厚みδ:磁気記録媒体を長手方向
にわたってダイヤモンドカッターで約0.1μmの厚み
に切り出し、透過型電子顕微鏡で倍率3万倍で観察し、
その写真撮影を行った。写真のプリントサイズはA4版
である。その後、磁性層、非磁性層の各々の組成の粉体
のサイズ・形状差に着目して界面を目視判断して黒く縁
どり、かつ磁性層表面も同様に黒く縁どりした後、画像
解析装置(カールツァイス社製:KS4000)にて縁
どりした線の間隔を測定した。試料写真の長さが21c
mの範囲にわたり、測定点を点とって測定した。その際
の測定値の単純加算平均を倍率で除して磁性層の厚みと
した。
【0104】表面粗さ:WYKO社(USアリゾナ州)
製の光干渉3次元粗さ計「TOPO−3D」を使用し2
50μm角の試料面積を測定した。測定値の算出にあた
っては、傾斜補正、球面補正、円筒補正等の補正をJI
S−B601に従って実施し、中心面平均粗さRaを表
面粗さの値とした。
【0105】テープのC/N比及び出力:データー記録
用8ミリデッキにMIGヘッド(ヘッドギャップ0.2
μm、トラック幅17μm、飽和磁束密度1.5T、ア
ジマス角20°)と再生用MRヘッド(SALバイア
ス、MR素子はFe−Ni、トラック幅6μm、ギャッ
プ長0.2μm、アジマス角20°)を搭載した。MI
Gヘッドを用いて、テープとヘッドの相対速度を10.
2m/秒とし、1/2Tb(λ=0.5μm)の入出力
特性から最適記録電流を決めこの電流で信号を記録し、
MRヘッドで再生し、出力を求めた。C/Nは再生キャ
リアのピークから消磁ノイズまでとし、スペクトルアナ
ライザーの分解能バンド幅は100kHzとした。各磁
性粉につき、通常の水洗を行った比較例を0dBとして
結果を示す。
【0106】摩擦係数μ1、μ100:
直径4mmのステンレス棒
(SUS420J)に巻き付け角180°で試料テープ
を巻き付けて、23℃、70%RHの条件で、荷重:5
0g(T1)、速度:3.3cm/秒で100mmの長
さを1パス及び100パス走行後の張力(T2)を測定
し、下式にて摩擦係数を求めた。 摩擦係数 = 1/π・ln(T2/T1)
【0107】
【表3】
【0108】上記表3から、本発明の磁気記録媒体は従
来の磁気記録媒体と比較して、表面粗さが小さくて、角
型比が大きいことを反映して、高い出力が得られるもの
であることが判る。また、ノイズに着目すると、本発明
の磁気記録媒体は、従来の磁気記録媒体に対し顕著に低
下しており、結果として高いC/Nを実現できることが
判る。
【0109】
【発明の効果】本発明の方法で得られた強磁性粉末は、
スタッキングが防止されて分散性に優れ、磁気記録媒体
に好適である。それを磁性層に用いることによって、表
面性がよく、MRヘッドを使用して再生した際でも短波
長出力とC/Nが優れ、かつ媒体ノイズが低い磁気記録
媒体とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/11 H01F 1/11 Q 1/06 K Fターム(参考) 4K018 BA01 BA04 BA11 BA13 BA16 BA18 BA20 BC29 BD02 5D006 BA06 BA07 5D112 AA05 BB04 BB12 GB04 5E040 AB04 AB05 BB03 BC05 CA06 NN05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性粉末の製造方法であって、強磁性
    粉末に、酸解離定数(pKa)が4以下である極性基を
    含有する有機化合物及び/又はその塩を添加して、乾式
    圧密処理することによって、該強磁性粉末の粒子表面に
    酸解離定数(pKa)が4以下である極性基を含有する
    有機化合物及び/又はその塩を被覆することを特徴とす
    る、強磁性粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に、非磁性粉末を結合剤樹脂中
    に分散させた非磁性層を設け、この上に強磁性粉末を結
    合剤樹脂中に分散してなる磁性層を設けた磁気記録媒体
    において、該磁性層が、粒子表面に酸解離定数(pK
    a)が4以下である極性基を含有する有機化合物及び/
    又はその塩が被覆された強磁性粉末を含有することを特
    徴とする磁気記録媒体。
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