JP2003264567A - Can通信方法およびシステム - Google Patents
Can通信方法およびシステムInfo
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Abstract
関し、複数のノードのうち特定のノード間におけるデー
タ通信を同期化させることを目的とする。 【解決手段】 それぞれCANコントローラ30を有す
る旋回挙動ECU10等の制御ユニットおよびGセンサ
18,ヨーレートセンサ22等のセンサをCANバス2
6を介して互いに接続する。VSC制御を実行するうえ
で必要な旋回挙動ECU10およびセンサ18〜24
を、CANバス26上におけるデータ送信の優先順位が
高いノードとして設定する。そして、旋回挙動ECU1
0に、VSC制御の制御パラメータの送信を要求するた
めのトリガフレームを一定周期ごとにCANバス26に
送信させる。また、各センサ18〜24に、トリガフレ
ームの受信ごとに自己の物理量についてA/D変換処理
を実行させ、その結果得られるデータをCANバス26
に送信させる。
Description
て互いに接続された複数のノード間の通信を行わせるC
AN通信方法およびシステムに係り、特に、特定のノー
ド間のデータ通信を同期化させるうえで好適なCAN通
信方法およびシステムに関する。
794号公報に開示される如く、CANバスを介して互
いに接続され、それぞれCANコントローラユニットを
有する複数のノード間においてデータ通信を行うCAN
通信システムが知られている。CAN通信は、差動のシ
リアルバスを介して双方向のシリアル通信を行うプロト
コルである。
ードは、自己のノードの識別IDコードを付したデータ
をCANバスに向けて送り出す。データが送信される際
にCANバスが他のノードによるデータに専有されてい
ない場合には、ノードから送り出されるデータはCAN
バスを流れて他のノードに受信される。一方、CANバ
スが他のノードによるデータに専有されている場合に
は、ノードから送り出されるべきデータはCANコント
ローラユニットに待機される。そして、データが待機す
るノードが唯一つの場合には、CANバスが空いた際
に、そのデータがCANバスを流れる。一方、データが
待機するノードが複数存在する場合には、それらのノー
ドのうちIDコードに基づく優先順位の最も高いノード
のデータが他の待機データよりも先にCANバスを流れ
る。
を介して互いに接続された複数のノードの中には、他の
ノードによるデータを所望のタイミングで受信したいノ
ードが存在する。例えば、車両の旋回挙動を適切に制御
するうえでは、短い周期でそれぞれの時点で車両に実際
に生じているヨーレートや加速度,車両舵角を検出する
ことが必要となるので、旋回挙動やトラクション,車輪
ロック等を制御する各種制御ユニット及びヨーレートや
加速度,舵角等の各種センサがCAN通信システムによ
り構成される車両においては、旋回挙動を制御する制御
ユニットが、車両のヨーレート等を所望のタイミングで
受信したいノードとなる。
ANバスに接続するノードのうちIDコードに基づく優
先順位の高いノードのデータがCANバスを流れ易く、
優先順位の低いノードのデータがCANバスを流れ難い
ため、一のノードに他のノードによるデータが受信され
ても、その受信データが最新のものでないおそれがあ
る。この点、CAN通信における各ノード間のデータ通
信は非同期であり、従って、一のノードが所望のタイミ
ングで他のノードによる最新のデータを受信したくて
も、かかるデータが受信されないことがあり、このた
め、その一のノードにおける制御応答性が悪化するおそ
れがある。
であり、複数のノードのうち特定のノード間におけるデ
ータ通信を同期化させることが可能なCAN通信方法お
よびシステムを提供することを目的とする。
に記載する如く、CANバスを介して互いに接続され、
それぞれCANコントローラを有する複数のノード間の
通信を行わせるCAN通信方法であって、第1のノード
が、少なくとも一の第2のノードによるデータを必要と
する場合に、データの送信を行うべきトリガフレームを
前記CANバスに向けて送信する第1のステップと、前
記第2のノードが、前記第1のノードからの前記トリガ
フレームを受信した場合に、送信すべきデータを前記C
ANバスに向けて送信する第2のステップと、を備える
CAN通信方法により達成される。
如く、CANバスを介して互いに接続され、それぞれC
ANコントローラを有する複数のノードを備えるCAN
通信システムであって、第1のノードは、少なくとも一
の第2のノードによるデータを必要とする場合に、デー
タの送信を行うべきトリガフレームを前記CANバスに
向けて送信し、かつ、前記第2のノードは、前記第1の
ノードからの前記トリガフレームを受信した場合に、送
信すべきデータを前記CANバスに向けて送信するCA
N通信システムにより達成される。
のノードは、少なくとも一の第2のノードによるデータ
を必要とする場合にトリガフレームをCANバスに向け
て送信し、また、その第2のノードは、第1のノードか
らのトリガフレームを受信した場合に送信すべきデータ
をCANバスに向けて送信する。かかる構成によれば、
第1のノードによるフレーム送信をトリガとして第2の
ノードがデータを送信するので、それらの特定のノード
間におけるデータ通信を同期化させることができる。
項1記載のCAN通信方法において、前記第1のノード
及び前記第2のノードはそれぞれ、全ノードのうち前記
CANバス上における優先順位が比較的高いノードであ
ることとすれば、また、請求項4に記載する如く、請求
項3記載のCAN通信システムにおいて、前記第1のノ
ード及び前記第2のノードはそれぞれ、全ノードのうち
前記CANバス上における優先順位が比較的高いノード
であることとすれば、それらのノードによるデータがC
ANバスを流れ易くなるので、第1のノードと第2のノ
ードとの間におけるデータ通信の同期を確実に確保する
ことができる。
は4記載のCAN通信システムにおいて、前記第2のノ
ードは、前記第1のノードからの前記トリガフレームを
受信した時点でデータのサンプリングを行い、その結果
得られるデータを送信すべきデータとして前記CANバ
スに向けて送信することとしてもよい。
ノードによるトリガフレームを受信した場合に限りデー
タを送信するものとすると、トリガフレームが受信され
ない場合には、当該第2のノードがデータを送信しない
こととなるので、第1のノードを含んでそのデータを必
要とするノードが第2のノードによるデータを受信でき
ない事態が生じ、システムに悪影響が及ぶ。
3乃至5の何れか一項記載のCAN通信システムにおい
て、前記第1のノードは、前記トリガフレームを所定周
期で送信し、かつ、前記第2のノードは、前記トリガフ
レームが受信されない状態が前記所定周期を超えて継続
する場合にも、送信すべきデータを前記CANバスに向
けて送信することとすれば、第2のノードが第1のノー
ドによるトリガフレームを受信しなくても確実にデータ
を送信するので、第2のノードによるデータを必要とす
るノードがかかるデータを受信できない事態が生ずるこ
とはなく、そのデータに基づく制御を確実に実行するこ
とができる。
項6記載のCAN通信システムにおいて、前記第2のノ
ードは、前記トリガフレームが受信された場合と受信さ
れない場合とで、両者を区別するトリガを付加したデー
タを前記CANバスに向けて送信することとすれば、第
2のノードによるデータを必要とするノードに第2のノ
ードの受信状態に応じた木目細かな制御を実行させるこ
とができる。
ードとの間におけるデータ通信の同期化が図られている
にもかかわらず、第1のノードにおいてトリガフレーム
の送信に対して第2のノードによるデータが受信されな
い状態が長期間継続する場合には、第2のノード或いは
両者間の通信系に故障が生じていると判断できる。
3乃至7の何れか一項記載のCAN通信システムにおい
て、前記第1のノードは、前記トリガフレームを前記C
ANバスに向けて送信した後、前記第2のノードからの
データが受信されない状態が所定時間継続する場合に、
該第2のノード又は通信系に故障が生じていると判定す
ることとしてもよい。
至8の何れか一項記載のCAN通信システムにおいて、
前記第1のノードが、車両の旋回挙動を制御する制御ユ
ニットであり、かつ、前記第2のノードが、車両の旋回
挙動を制御するうえで必要なパラメータを出力するセン
サであることとすれば、旋回挙動の制御ユニットとセン
サとの間におけるデータ通信が同期化されるので、CA
N通信においても旋回挙動制御の応答性が悪化するのを
確実に防止することができる。
CAN通信システムの構成図を示す。本実施例のCAN
通信システムは、車両に搭載されたシステムである。車
両においては、各種の車両制御がそれぞれ行われる。具
体的には、車両の旋回挙動を安定化させる制御(以下、
この制御をVSC(Vehicle Stability Control)制御
(旋回挙動制御)と称す)、車両の加速性,直進性,旋
回安定性を確保する制御(以下、この制御をTRC(Tr
action Control)制御と称す)、及び、車輪のロックを
防止させる制御(以下、この制御をABS(Antilock B
rake System)制御と称す)等が行われる。
行するVSC用電子制御ユニット(以下、旋回挙動EC
Uと称す)10、TRC制御を実行するTRC用電子制
御ユニット(以下、トラクションECUと称す)12、
及び、ABS制御を実行するABS用電子制御ユニット
(以下、ロックECUと称す)14等を有している。ま
た、車両は、各種車両制御を実現するためのセンサ、具
体的には、車両の前後方向および車幅方向に生ずる加速
度に応じた信号を出力するGセンサ18、車輪舵角に応
じた信号を出力する舵角センサ20、車両重心の鉛直軸
回りに生ずるヨーレートに応じた信号を出力するヨーレ
ートセンサ22、及び、車輪ごとに設けられ、車輪速に
応じた信号を出力する車輪速センサ24等を有してい
る。
角センサ20,ヨーレートセンサ22,車輪速センサ2
4等の各種センサの出力信号に基づいて車両の走行状態
を検出し、その結果、車両に横滑り傾向が生じている場
合に、その傾向が緩和されるように前輪又は後輪に制動
力を付与し、車両のヨーイングを制御する。かかるVS
C制御によれば、車両の旋回挙動の安定化が図られる。
トラクションECU12は、スロットル開度等を検出
し、その結果、発進時や加速時に過大なトルクが発生す
るおそれがある場合に、そのトルクが発生しないように
駆動輪に制動力を付与し或いはエンジン出力若しくはジ
ェネレータ出力を抑制する。かかるTRC制御によれ
ば、低μ路等においてもその路面状況に応じた駆動力が
確保される。また、ロックECU14は、車輪速やブレ
ーキ操作の有無等を検出し、その結果、制動時に車輪が
ロック傾向にある場合に、車輪にロックが生じないよう
に各車輪に生じ得る制動力をコントロールする。かかる
ABS制御によれば、車輪のロックが防止され、ブレー
キ性能が十分に確保されるので、ハンドル操作性や車両
安定性が確実に維持される。
ションECU12、及びロックECU14等の制御ユニ
ット、並びに、Gセンサ18、舵角センサ20、ヨーレ
ートセンサ22、及び車輪速センサ24は、通信バス2
6を介して互いに接続されている。通信バス26は、2
本の通信線を有し、差動のシリアル通信を行うためのバ
スである。各種制御ユニットは、対応する車両制御を実
行するためのコントローラ、RAM、及びROMと共
に、コントローラエリアネットワーク(以下、CANと
称す)コントローラ30を内蔵している。また、各種セ
ンサも、対応する物理量等に応じたアナログデータを出
力する検出部、検出部による信号をディジタルデータに
変換するための回路と共に、CANコントローラ30を
内蔵している。
し、CANバス26を介して互いに接続される各種制御
ユニットおよび各種センサを総称する場合はノードと称
す。各ノードは、他のノードと通信を行う際、CANコ
ントローラ30の有するドライバを介して送信データを
送信する。すなわち、かかる構成において、ノードは、
CANコントローラ30およびCANバス26を介して
他のノードと双方向でデータの授受を行う。
構成する各ノードが送信する1フレームのデータ内容を
表した図を示す。各ノードがデータとして送信する1フ
レームは、例えば図2に示す如く、自己のノードの識別
番号を格納するIDフィールドと、データフィールドの
データ長を格納するコントロールフィールドと、0〜8
バイトで可変する送信すべきデータを格納するデータフ
ィールドと、巡回符号冗長検査を行うためのデータを格
納するCRCフィールドと、により構成されている。各
ノードは、例えば500kbpsの伝送速度を有してお
り、データフィールドのデータ長が8バイトである場合
には120ビット程度の1フレームデータを250μs
程度で送受信することが可能となっている。
信するデータの上位に設けられており、その上位ビット
(例えば11ビット)は自己のノードの識別番号(例え
ば3桁16進の番号)を(11桁の)2進データに変換
して表している。尚、各ノードのIDフィールドにおけ
る識別番号は、他のノードの識別番号とは互いに異なる
番号となっている。
表した図を示す。CAN通信は、複数のノード間でのデ
ータ通信をシリアルなCANバス26を介して行うもの
であるので、一時期にCANバス26を流れ得るデータ
は、それら複数のノードのうち唯一つのノードのデータ
となる。従って、CAN通信において、複数のノードが
それぞれデータ送信を行うべき場合には、各ノードから
ランダムにCANバス26に送り出されるデータがそれ
ぞれ重畳してCANバス26を流れることがないよう
に、すなわち、唯一つのノードのデータがCANバス2
6を流れるように、CANバス26を流れるデータにつ
いて調停を行う必要がある。
は、自己の識別番号が付されている。そこで、CAN通
信においては、各ノードが送信するデータの上位に付さ
れる識別番号を基にCANバス26を流れるデータが決
定される。すなわち、識別番号が小さいほど、IDフィ
ールドの上位ビットから現れるローレベル“0”の数が
多くなる一方、識別番号が大きいほど、上位ビットにハ
イレベル“1”が現れ易くなるため、識別番号の小さい
ノードによるデータの方がより上位側にローレベル
“0”を有する。各ノードのCANコントローラ30は
それぞれ、CANバス26を介して、ローレベル“0”
の供給を受けたか否かを判別すると共に、自己のデータ
を送信すべき状況下においては、自己の識別番号と他の
ノードからの識別番号とを比較する。そして、受信に係
る他のノードの識別番号が自己のものよりも大きい場合
には自己のデータ送信を継続する一方、小さい場合には
自己のデータ送信を中断し待機させる処理を実行する。
送信されたデータAが時刻t1においてCANバス26
を流れ始め、そのデータAの送信が完了する前に、別の
ノードがCANバス26に向けてデータBを送り出すべ
きタイミングにある場合(時刻t2)、そのデータBは
自己のノードのCANコントローラ30において待機さ
れる。そして、時刻t3においてデータAの送信が完了
すると、その別のノードから送信が待機されていたデー
タBがCANバス26を流れ始める。
前に、CANバス26に向けてデータCおよびデータD
が送信されるべきタイミングにある場合(時刻t4およ
びt5)、そのデータC,DはそれぞれのノードのCA
Nコントローラ30において待機される。そして、時刻
t6においてデータBの送信が完了すると、データCお
よびデータDがCANバス26を流れ始めるが、データ
C,Dを送信するノードのうち識別番号の大きいノード
は、識別番号の小さいノードによるデータD又はCを受
信した場合に、自己のデータC又はDの送信を中断し待
機させる。このため、データDを送信するノードの識別
番号がデータCを送信するノードのものに比して小さい
場合には、データBの送信が完了した後、両データC,
Dのうち識別番号の小さいノードによるデータDがデー
タCよりも先にCANバス26を流れ始め、各ノードに
受信される。そして、時刻t7においてデータDの送信
が完了すると、待機されていたデータCがCANバス2
6を流れ始める。
トローラ30の調停機能によれば、各ノードが送信する
データに付されたそのノードの識別番号に基づいて、C
ANバス26を流れるデータが決定される。具体的に
は、複数のデータがほぼ同時にCANバス26を介して
送信されるべき状況にある場合には、それらのデータの
うち識別番号の最も小さいノードのデータがCANバス
26を流れる。従って、CAN通信システムによれば、
複数のデータがほぼ同時にCANバス26を介して送信
されるべき状況においても、確実に唯一つのデータをC
ANバス26に送り出し、複数のノードに同時に受信さ
せることが可能となる。これにより、通信負荷の軽減を
図ることができ、通信効率を向上させることができる。
させ、VSC制御を適切に行うためには、短い周期(例
えば12ms)でそれぞれの時点で車両に生じている加
速度,ヨーレート等の各パラメータを検出し、車両に適
切な制動力を付与する必要がある。すなわち、旋回挙動
ECU10はGセンサ18,ヨーレートセンサ22等の
出力信号を所望のタイミングで受信する必要がある。
ては、識別番号の小さいノードによるデータほどCAN
バス26を流れ易い。すなわち、識別番号の小さいノー
ドによるデータの方が識別番号の大きいノードによるデ
ータに比してCANバス26を流れる優先順位が高くな
る。このため、Gセンサ18やヨーレートセンサ22等
のVSC制御に用いられるセンサがランダムにセンサ出
力を送信するものとすると、旋回挙動ECU10にそれ
らのセンサの出力信号が受信されても、その受信データ
が最新のものでないおそれがある。従って、本実施例の
CAN通信システムにおいて各センサがランダムに出力
を送信する構成では、適切なVSC制御を行うことがで
きない不都合が生じ得る。
おいて旋回挙動ECU10と各センサ18〜24との間
におけるデータ通信の授受を模式的に表した図を示す。
本実施例のシステムは、上記した不都合を回避すべく、
車両のVSC制御に必要なノード(具体的には、旋回挙
動ECU10、Gセンサ18、舵角センサ20、ヨーレ
ートセンサ22、及び車輪速センサ24)の識別番号を
他のノードに比して小さくし、CANバス26上におけ
る優先順位を比較的高くする。例えば、CANバス26
を介して互いに接続される全ノードのうち、旋回挙動E
CU10を優先順位が一位のノードに、また、各センサ
18〜24を優先順位がそれぞれ二位〜五位のノードに
設定する。
10は、VSC制御の制御パラメータである加速度やヨ
ーレート,舵角,車輪速の送信を要求する指令をトリガ
フレームとして一定周期T1(例えば12ms)ごとに
CANバス26へ送り出す。また、各センサ18〜24
は、旋回挙動ECU10からのトリガフレームを受信し
た場合に、自己の物理量についてA/D変換処理を開始
・実行し、その結果得られたディジタルデータをCAN
バス26へ送り出す。
10のCANバス26上における優先順位は最も高いた
め、旋回挙動ECU10が送信するトリガフレームは、
その送信が行われた後、短時間で各センサ18〜24に
受信されることができる。また、各センサ18〜24は
それぞれ、物理量をランダムにA/D変換することはな
く、旋回挙動ECU10のトリガフレームに従ってA/
D変換処理する。更に、各センサ18〜24のCANバ
ス26上における優先順位は旋回挙動ECU10の次に
高いものであるため、各センサ18〜24が送信するデ
ータは、その送信が行われた後、短時間で旋回挙動EC
U10に受信されることができる。
のためのノードがCANバス26を介して互いに接続さ
れる構成であっても、旋回挙動ECU10がGセンサ1
8、舵角センサ20、ヨーレートセンサ22、及び車輪
速センサ24の各出力信号について所望のタイミングで
最新のものを受信することが可能である。従って、本実
施例のシステムによれば、旋回挙動ECU10と各セン
サ18〜24との間におけるデータ通信を同期化させる
ことができるので、VSC制御の応答性が悪化するのを
確実に回避することができ、旋回挙動を適切に行うこと
が可能となる。
例の旋回挙動ECU10において実行される制御ルーチ
ンのフローチャートを示す。図5に示すルーチンは、そ
の処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図
5に示すルーチンが起動されると、まずステップ100
の処理が実行される。
センサ20、ヨーレートセンサ22、及び車輪速センサ
24に対して加速度、舵角、ヨーレート、及び車輪速の
送信を要求するトリガフレームをCANバス26に向け
て送信する処理が実行される。上記の如く、旋回挙動E
CU10のCANバス26上における優先順位は最も高
いものであるため、本ステップ100の処理が実行され
ると、多くても250μs後、すなわち、現時点でCA
Nバス26を流れるデータの送信が完了した直後には、
旋回挙動ECU10によるトリガフレームがCANバス
26を流れ始め、各ノードに受信される。
すべてから各データが返送されたか否かが判別される。
CANバス26はシリアルバスであり、一時期には全ノ
ードのうち唯一つのノードによるデータしか流れないの
で、旋回挙動ECU10がトリガフレームを送信した
後、センサ18〜24の各データをすべて受信するまで
には、数ms程度の時間を要する。その結果、センサ1
8〜24の各データがすべて返送されていないと判別さ
れる場合は、次にステップ104の処理が実行される。
においてトリガフレームの送信が開始された後、一定時
間T2(<T1)が経過したか否かが判別される。尚、
一定時間T2は、トリガフレームの送信が開始された
後、センサ18〜24の各データのすべてを受信すべき
時間よりも長く、かつ、トリガフレームの周期T1より
も短い例えば2msに設定されている。その結果、一定
時間T2が経過していないと判別される場合は、次に上
記ステップ102の処理が実行される。一方、一定時間
T2が経過していると判別される場合は、トリガフレー
ムが送信されているにもかかわらずセンサ18〜24に
データ送信を行うことができない故障が生じ、或いは、
トリガフレームに対してセンサ18〜24がデータを送
信しているにもかかわらず通信系が故障し、又は、旋回
挙動ECU10によるトリガフレーム又はセンサ18〜
24によるデータに異常が生じていると判断できる。従
って、かかる判別がなされた場合は、次にステップ10
6の処理が実行される。ステップ106では、センサ1
8〜24又は旋回挙動ECU10と各センサ18〜24
とを結ぶ通信系等に故障が生じていると判定される。
尚、この場合、警告ランプを点灯させ、警報を行うこと
により、車両運転者に対してその旨の注意を喚起するこ
ととしてもよい。
18〜24の各データがすべて返送されたと判別される
場合、及び、上記ステップ106の処理が終了した場
合、次にステップ108の処理が実行される。ステップ
108では、Gセンサ18による加速度、舵角センサ2
0による車輪舵角、ヨーレートセンサ22によるヨーレ
ート、及び車輪速センサ24による車輪速に基づいて、
車両の旋回挙動を安定化させるVSC制御を実行する処
理が実行される。本ステップ108の処理が実行される
と、以後、車両に横滑り傾向が生じている場合、その傾
向を緩和するヨーイングが生ずるように、車両の前輪又
は後輪に制動力が付与される。
でトリガフレームの送信が開始された後、上記の一定周
期T1が経過したか否かが判別される。本ステップ11
0の処理は、一定周期T1が経過するまで繰り返し実行
される。その結果、一定周期T1が経過したと判別され
る場合は、今回のルーチンは終了され、再び上記ステッ
プ100においてトリガフレームの送信が行われる。
動ECU10が一定周期T1(12ms)ごとにトリガ
フレーム26をCANバス26に送り出すことができる
と共に、各センサ18〜24からデータがすべて返送さ
れた場合にそれらのデータに基づいてVSC制御を実行
することができる。
ードのうちCANバス26上におけるデータ送信の優先
順位が最も高いノードであるので、旋回挙動ECU10
の送信するトリガフレームは、CANバス26への送信
が行われると、比較的短時間で、具体的には、最長でも
かかる送信時点でCANバス26を流れるデータの送信
が完了した直後にはCANバス26を流れ始める。すな
わち、旋回挙動ECU10によるトリガフレームは、C
ANバス26を最も流れ易いデータとなっている。この
ため、旋回挙動ECU10によるトリガフレームは、C
ANバス26への送信が開始された後、比較的短時間で
速やかにセンサ18〜24に受信される。
おいて実行される制御ルーチンのフローチャートを示
す。図6に示すルーチンは、その処理が終了するごとに
起動されるルーチンである。図6に示すルーチンが起動
されると、まずステップ120の処理が実行される。
の送信したトリガフレームが受信されたか否かが判別さ
れる。その結果、トリガフレームが受信されていないと
判別される場合には、次にステップ122の処理が実行
される。
が受信された後、上記した一定周期T1に所定時間αを
加算した時間(T1+α)が経過したか否か、或いは、
加速度等の物理量のA/D変換が行われた後、所定時間
T3が経過したか否かが判別される。尚、所定時間α
は、旋回挙動ECU10の送信異常又は該センサの受信
異常等が生じていると判断できる、旋回挙動ECU10
により一定周期T1で送信されるトリガフレームが受信
されるべきであるにもかかわらず受信されない状態が継
続する最小時間であり、例えば8msに設定されてい
る。また、所定時間T3は、旋回挙動ECU10の送信
異常又は該センサの受信異常等が生じていても、該セン
サが送信すべきデータの送信時間間隔であり、例えば2
0msに設定されている。その結果、否定判定がなされ
る場合は、上記ステップ120の処理が繰り返し行われ
る。
ムが受信されたと判別される場合、および、上記ステッ
プ122において肯定判定がなされる場合は、次にステ
ップ124の処理が実行される。
レート,車輪速等のアナログデータをディジタルデータ
に変換するA/D変換処理が実行される。そして、ステ
ップ126では、上記ステップ124でA/D変換処理
された結果得られたディジタルデータを含むデータをC
ANバス26に向けて送信する処理が実行される。本ス
テップ126の処理が実行されると、以後、センサ18
〜24によるデータがCANバス26を流れて、旋回挙
動ECU10に受信される。本ステップ126の処理が
終了すると、今回のルーチンは終了される。
サ18〜24が旋回挙動ECU10からのトリガフレー
ムを受信するごとに物理量をA/D変換処理し、その結
果をディジタルデータとしてCANバス26に送り出す
ことができる。かかる構成において、各センサ18〜2
4がCANバス26に送り出すデータは、旋回挙動EC
U10によりデータの送信が要求された後に車両に生ず
るデータであって、比較的最新のものである。
ードのうちCANバス26上におけるデータ通信の優先
順位が旋回挙動ECU10の次に高いノードであるの
で、各センサ18〜24の送信するデータは、CANバ
ス26への送信が行われると、旋回挙動ECU10がデ
ータを送信すべき状況でなければ、最長でもかかる送信
時点でCANバス26を流れるデータの送信が完了した
直後にはCANバス26を流れ始める。すなわち、セン
サ18〜24による各データは、CANバス26を流れ
易いデータとなっている。このため、各センサ18〜2
4によるデータは、CANバス26への送信が開始され
た後、比較的短時間で速やかに旋回挙動ECU10に受
信される。
を行うための旋回挙動ECU10およびセンサ18〜2
4の各ノードがCANバス26を介して互いに接続され
る構成であっても、旋回挙動ECU10がセンサ18〜
24の各出力信号について所定のタイミングで最新のも
のを受信することができる。従って、本実施例のシステ
ムによれば、各種の車載システムがCAN通信により構
成される場合にも、旋回挙動ECU10と各センサ18
〜24との間におけるデータ通信を同期化させることが
でき、これにより、VSC制御の応答性が悪化するのを
確実に回避することができ、車両の旋回挙動を適切に制
御することが可能となっている。
によるデータのみが流れるため、旋回挙動ECU10
は、センサ18〜24による各データを時間差をもって
受信する。しかしながら、旋回挙動ECU10が送信す
るトリガフレームは、CANバス26を介してほぼ同時
に各センサ18〜24に供給されるため、各センサ18
〜24によりA/D変換処理されるデータはほぼ同時期
に車両に生じていた物理量となる。従って、旋回挙動E
CU10は、センサ18〜24による各データを時間差
をもって受信しても、それらのデータに基づいてほぼ同
時期の各車両データを検出することができる。このた
め、本実施例によれば、VSC制御を実行するうえで必
要な車両状態を正確に把握することができ、VSC制御
を的確に行うことが可能となっている。
は、各センサ18〜24が旋回挙動ECU10からのト
リガフレームを受信しなくても、所定時間(T1+α)
が経過した際に或いは所定時間T3が経過するごとに物
理量をA/D変換処理し、その結果をCANバス26に
送り出すことができる。すなわち、各センサ18〜24
は、トリガフレームを受信しなくても自発的にデータを
CANバス26に送り出すことができる。このため、本
実施例のシステムによれば、旋回挙動ECU10がトリ
ガフレームを受信できない故障、或いは、センサ18〜
24の受信異常等が生じている場合においても、そのセ
ンサ18〜24によるデータを必要とする旋回挙動EC
U10やトラクションECU12,ロックECU14等
のノードがそのデータを受信できない事態を回避するこ
とができ、そのデータに基づく制御を確実に行うことが
できる。従って、本実施例によれば、各センサ18〜2
4が旋回挙動ECU10によるトリガフレームを受信し
ないことに起因してシステムに悪影響が及ぶのを防止す
ることが可能となっている。
とにデータを送信することができるため、本実施例のシ
ステムと異なり、VSC制御等の緊急性の高い制御を行
わないシステムであっても、かかるセンサ18〜24を
用いることができる。すなわち、かかるセンサ18〜2
4の構成によれば、CAN通信システムにおいて、緊急
性を伴うシステムおよび緊急性を伴わないシステムの両
者に対応させることができ、センサ種類の削減を図るこ
とができることとなる。
U10がトリガフレームを送信した後、所定時間T2が
経過してもすべてのセンサ18〜24からデータの返送
を受信しない場合には、センサ18〜24に故障が生
じ、或いは、各センサ18〜24と旋回挙動ECU10
との間の通信系に故障が生じ、又は、データ異常が生じ
ていると判定される。このため、本実施例によれば、か
かる故障に対応したVSC制御を実行することができ、
適切な措置を講ずることが可能となっている。
トローラ30が特許請求の範囲に記載した「CANコン
トローラユニット」に、旋回挙動ECU10が特許請求
の範囲に記載した「第1のノード」に、Gセンサ18、
舵角センサ20、ヨーレートセンサ22、及び車輪速セ
ンサ24が特許請求の範囲に記載した「第2のノード」
に、それぞれ相当している。
ECU10が図5に示すルーチンを実行することにより
特許請求の範囲に記載した「第1のステップ」が、各セ
ンサ18〜24が図6に示すルーチンを実行することに
より特許請求の範囲に記載した「第2のステップ」が、
それぞれ実現されている。
ンサ18〜24に、旋回挙動ECU10からのトリガフ
レームに応答してデータを送信する場合と、自発的にデ
ータを送信する場合とを区別することなく同一のデータ
を送信させることとしているが、両者を区別するトリガ
を付加したデータを送信させることとしてもよい。かか
る構成においては、旋回挙動ECU10やトラクション
ECU12等にセンサ18〜24の受信状態に応じた木
目細かな制御を実行させることが可能となる。
ECU10がセンサ18〜24によるデータの送信を要
求する際にトリガフレームを送信することとしている
が、このトリガフレームに車速情報や車両状態情報を付
加することとしてもよい。かかる構成においては、セン
サ18〜24がそれらの情報を用いて信号処理を行うこ
とができるため、センサ18〜24における自己診断機
能が向上することとなる。
信システムにおいてVSC制御を適切に行うべく、旋回
挙動ECU10とGセンサ18,舵角センサ20,ヨー
レートセンサ22,車輪速センサ24との間におけるデ
ータ通信を同期化させることとしているが、他の制御
(例えば、トラクション制御,ABS制御等)を適切に
行うべく、その制御ユニットとセンサとの間におけるデ
ータ通信を同期化させることとしてもよい。
によれば、CANバスを介して互いに接続された複数の
ノードのうち特定のノード間におけるデータ通信を同期
化させることができる。
ドによるトリガフレームが第2のノードに受信されなく
ても第2のノードからデータが送信されるので、該デー
タを必要とするノードに第2のノードによるデータが受
信されない事態が生ずることはなく、そのデータに基づ
く制御を確実に実行させることができる。
ドによるデータを必要とするノードに第2のノードの受
信状態に応じた木目細かな制御を実行させることができ
る。
ドにおいて第2のノード又は通信系の故障の有無を判定
させることができる。
挙動の制御ユニットとセンサとの間におけるデータ通信
を同期化させるので、CAN通信であっても旋回挙動制
御の応答性が悪化するのを確実に防止することができ
る。
構成図である。
ードが送信する1フレームのデータ内容を表した図であ
る。
る。
動ECUと各センサとの間におけるデータ通信の授受を
模式的に表した図である。
制御ルーチンのフローチャートである。
ーチンのフローチャートである。
Claims (9)
- 【請求項1】 CANバスを介して互いに接続され、そ
れぞれCANコントローラユニットを有する複数のノー
ド間の通信を行わせるCAN通信方法であって、 第1のノードが、少なくとも一の第2のノードによるデ
ータを必要とする場合に、データの送信を行うべきトリ
ガフレームを前記CANバスに向けて送信する第1のス
テップと、 前記第2のノードが、前記第1のノードからの前記トリ
ガフレームを受信した場合に、送信すべきデータを前記
CANバスに向けて送信する第2のステップと、 を備えることを特徴とするCAN通信方法。 - 【請求項2】 前記第1のノード及び前記第2のノード
はそれぞれ、全ノードのうち前記CANバス上における
優先順位が比較的高いノードであることを特徴とする請
求項1記載のCAN通信方法。 - 【請求項3】 CANバスを介して互いに接続され、そ
れぞれCANコントローラを有する複数のノードを備え
るCAN通信システムであって、 第1のノードは、少なくとも一の第2のノードによるデ
ータを必要とする場合に、データの送信を行うべきトリ
ガフレームを前記CANバスに向けて送信し、かつ、 前記第2のノードは、前記第1のノードからの前記トリ
ガフレームを受信した場合に、送信すべきデータを前記
CANバスに向けて送信することを特徴とするCAN通
信システム。 - 【請求項4】 前記第1のノード及び前記第2のノード
はそれぞれ、全ノードのうち前記CANバス上における
優先順位が比較的高いノードであることを特徴とする請
求項3記載のCAN通信システム。 - 【請求項5】 前記第2のノードは、前記第1のノード
からの前記トリガフレームを受信した時点でデータのサ
ンプリングを行い、その結果得られるデータを送信すべ
きデータとして前記CANバスに向けて送信することを
特徴とする請求項3又は4記載のCAN通信システム。 - 【請求項6】 前記第1のノードは、前記トリガフレー
ムを所定周期で送信し、かつ、 前記第2のノードは、前記トリガフレームが受信されな
い状態が前記所定周期を超えて継続する場合にも、送信
すべきデータを前記CANバスに向けて送信することを
特徴とする請求項3乃至5の何れか一項記載のCAN通
信システム。 - 【請求項7】 前記第2のノードは、前記トリガフレー
ムが受信された場合と受信されない場合とで、両者を区
別するトリガを付加したデータを前記CANバスに向け
て送信することを特徴とする請求項6記載のCAN通信
システム。 - 【請求項8】 前記第1のノードは、前記トリガフレー
ムを前記CANバスに向けて送信した後、前記第2のノ
ードからのデータが受信されない状態が所定時間継続す
る場合に、該第2のノード又は通信系に故障が生じてい
ると判定することを特徴とする請求項3乃至7の何れか
一項記載のCAN通信システム。 - 【請求項9】 前記第1のノードが、車両の旋回挙動を
制御する制御ユニットであり、かつ、 前記第2のノードが、車両の旋回挙動を制御するうえで
必要なパラメータを出力するセンサであることを特徴と
する請求項3乃至8の何れか一項記載のCAN通信シス
テム。
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