JP2003264185A - 気化供給方法 - Google Patents

気化供給方法

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JP2003264185A
JP2003264185A JP2002064700A JP2002064700A JP2003264185A JP 2003264185 A JP2003264185 A JP 2003264185A JP 2002064700 A JP2002064700 A JP 2002064700A JP 2002064700 A JP2002064700 A JP 2002064700A JP 2003264185 A JP2003264185 A JP 2003264185A
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vaporizer
semiconductor manufacturing
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JP2002064700A
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English (en)
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Yukichi Takamatsu
勇吉 高松
Akiyoshi Asano
彰良 淺野
Kazuaki Tonari
和昭 十七里
Mitsuhiro Iwata
充弘 岩田
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Japan Pionics Ltd
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Japan Pionics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体CVD原料を有機溶媒に溶解させた原料
を、効率よく気化し、得られた気化ガスを極めて高純度
で半導体製造装置へ供給できる気化供給方法を提供す
る。 【解決手段】 固体CVD原料を有機溶媒に溶解させた
原料を、気化器に供給して気化させた後、CVD原料を
含む気化ガスをフィルターでろ過して気化ガスに含まれ
るパーティクルを除去し、半導体製造装置へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置
(CVD装置)にガス状のCVD原料を供給する方法に
関する。さらに詳細には、固体CVD原料を溶媒に溶解
させた原料を、効率よく気化し、得られた気化ガスを極
めて高純度で半導体製造装置へ供給する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの絶縁薄膜においては、
ゲート絶縁膜としてSiO2、キャパシタ絶縁膜として
Si34、層間絶縁膜としてPSG(リン・シリコン・
ガラス)、BPSG(ボロン・リン・シリコン・ガラ
ス)がある。従来よりこれらをCVD装置により製造す
るための材料としては、SiH4、NH3、PH3、B2
6等の気体原料が用いられてきたが、デバイスの三次元
化や配線の多層化が進むにつれて、絶縁膜の平坦化に対
する要求が高まってきており、ボイド等の欠陥が発生し
にくく高品質の薄膜形成が可能な液体原料も使用されて
いる。例えば、SiO2膜の原料としてはテトラエトキ
シケイ素(Si(OC254)が、BPSG膜の原料
としてはトリメトキシホウ素(B(OCH33)、トリ
メトキシリン(P(OCH33)等が用いられている。
【0003】また、このほかにもSiO2の数倍の高い
誘電率を示すTa25膜、Al23膜等の新しい種類の
薄膜も開発されているが、Ta25膜の原料としては、
液体であるペンタエトキシタンタル(Ta(OC25
5)が用いられ、Al23膜の原料としても、液体であ
るトリイソプロポキシアルミニウム(Al(OCH(C
323)、あるいはトリメチルアルミニウム(Al
(CH33)が用いられている。
【0004】さらに近年においては、半導体メモリー用
の酸化物系誘電体薄膜として、より高誘電率でステップ
カバレッジ性が高いチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)
膜、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)膜等が
用いられている。これらの薄膜の原料としては、例えば
Pb源としてPb(DPM)2(固体原料)、Zr源と
してZr(OC(CH334(液体原料)、Zr(D
PM)4(固体原料)、Ti源としてTi(OCH(C
324(液体原料)、Ti(OCH(CH32
2(DPM)2(固体原料)、Ba源としてBa(DP
M)2(固体原料)、Sr源としてSr(DPM)2(固
体原料)が用いられている。
【0005】CVD原料として液体原料を使用する場
合、通常は、液体原料がキャリアガスとともに気化器に
供給され、気化器でガス状にされた後、CVD装置に供
給される。しかし、液体原料は、一般的に蒸気圧が低
く、粘度が高く、気化温度と分解温度が接近しているた
め、その品質を低下させることなく、しかも所望の濃度
及び流量で効率よく気化させることは困難なことであっ
た。また、固体原料は、高温に保持し昇華して気化供給
することにより高純度の原料を得ることが可能である
が、工業的には充分な供給量を確保することが極めて困
難であるため、通常はテトラヒドロフラン等の溶媒に溶
解させて液体原料とすることにより気化させて使用して
いる。しかし、固体原料は、気化温度が溶媒と大きく相
異し、加熱により溶媒のみが気化して固体原料が析出し
やすいので、液体原料の気化よりもさらに困難であっ
た。
【0006】このように液体原料あるいは固体原料を用
いた半導体薄膜の製造は、高度の技術を必要とするが、
気体原料を用いた半導体薄膜より高品質、高純度のもの
が期待できるため、これらの原料を劣化や析出をさせる
ことなく効率よく気化する目的で、種々の気化器あるい
は気化供給装置が開発されてきた。このような気化器と
しては、例えば、CVD原料供給部のCVD原料との接
触部が、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂等の耐腐食性
合成樹脂で構成される気化器が、また、気化供給装置と
しては、前記のような気化器を有し、気化室の加熱時に
加熱手段から熱伝導を受けるCVD原料供給部の金属構
成部分が、冷却器により冷却可能な構成である気化供給
装置が挙げられる(特願2001−349840)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記気化器は、CVD
原料との接触部の構成材料を、耐熱性のほか、断熱性が
あり、CVD原料が付着しにくい特性を有する耐腐食性
合成樹脂としたものであり、固体CVD原料を有機溶媒
に溶解させた原料を用いた場合においても、急激な原料
の加熱を防止できるので、溶媒のみが気化しCVD原料
が析出することが極めて少なく、99.9%以上の高い
気化効率が得られる気化器である。また、前記気化供給
装置は、前記気化器を有し、気化室の加熱時に気化器の
CVD原料供給部を冷却する構成としたものであり、C
VD原料の析出防止効果をさらに向上させた気化供給装
置である。
【0008】しかしながら、このような気化効率が優れ
た気化器、気化供給装置を用いても、固体CVD原料を
有機溶媒に溶解させた原料を用いた場合には、半導体薄
膜に微量の不純物が混入し、半導体薄膜の品質に悪影響
を及ぼすことがあった。従って、本発明が解決しようと
する課題は、CVD原料として固体原料を用いた場合に
おいても、効率よく気化し、得られた気化ガスを極めて
高純度で半導体製造装置に供給できる気化供給方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、気化ガスにはpp
mレベルの未気化の固体CVD原料あるいは析出した固
体CVD原料が含まれること、半導体薄膜の微量不純物
には前記の固体CVD原料に由来するものが多いこと、
及びこれらの固体CVD原料等のパーティクルはフィル
ターにより容易に除去できることを見い出し本発明に到
達した。すなわち本発明は、固体CVD原料を有機溶媒
に溶解させた原料を、気化器に供給して気化させた後、
該CVD原料を含む気化ガスをフィルターでろ過して該
気化ガスに含まれるパーティクルを除去し、半導体製造
装置へ供給することを特徴とする気化供給方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、固体CVD原料を有機
溶媒に溶解させた原料を気化させて、半導体製造装置へ
供給する気化供給方法に適用される。本発明の気化供給
方法は、固体CVD原料を有機溶媒に溶解させた原料
を、気化器に供給して気化させた後、気化ガスをフィル
ターでろ過して気化ガスに含まれる未気化の固体CVD
原料、析出した固体CVD原料等のパーティクルを除去
し、半導体製造装置へ供給する方法である。
【0011】本発明の気化供給方法に適用されるCVD
原料は、常温、常圧で固体であれば特に制限はなく、用
途に応じて適宜選択、使用される。例えば、ヘキサカル
ボニルモリブデン(Mo(CO)6)、ジメチルペント
オキシ金(Au(CH32(OC57))、ビスマス
(III)ターシャリーブトキシド(Bi(OtB
u)3)、ビスマス(III)ターシャリーペントキシド
(Bi(OtAm)3)、トリフェニルビスマス(Bi
Ph3)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニ
ウム(Ru(EtCp)2)、(エチルシクロペンタジ
エニル)(トリメチル)白金(Pt(EtCp)M
3)、1,5-シクロオクタジエン(エチルシクロペンタ
ジエニル)イリジウム(Ir(EtCp)(co
d))、ビス(ヘキサエトキシタンタル)ストロンチウ
ム(St[Ta(OEt)62)、ビス(ヘキサイソプ
ロポキシタンタル)ストロンチウム(St[Ta(Oi
Pr)62)、トリス(2,2,6,6,-テトラメチル-3,5ヘ
プタンジオナイト)ランタン(La(DPM)3)、ト
リス(2,2,6,6,-テトラメチル-3,5ヘプタンジオナイ
ト)イットリウム(Y(DPM)3)、トリス(2,2,6,
6,-テトラメチル-3,5ヘプタンジオナイト)ルテニウム
(Ru(DPM)3)、ビス(2,2,6,6,-テトラメチル-
3,5ヘプタンジオナイト)バリウム(Ba(DP
M)2)、ビス(2,2,6,6,-テトラメチル-3,5ヘプタンジ
オナイト)ストロンチウム(Sr(DPM)2)、テト
ラ(2,2,6,6,-テトラメチル-3,5ヘプタンジオナイト)
チタニウム(Ti(DPM)4)、テトラ(2,2,6,6,-テ
トラメチル-3,5ヘプタンジオナイト)ジルコニウム(Z
r(DPM)4)、テトラ(2,6,-ジメチル-3,5ヘプタン
ジオナイト)ジルコニウム(Zr(DMHD)4)、ビ
ス(2,2,6,6,-テトラメチル-3,5ヘプタンジオナイト)
鉛(Pb(DPM)2)、(ジ-ターシャリーブトキシ)
ビス(2,2,6,6,-テトラメチル-3.5.ヘプタンジオナイ
ト)チタニウム(Ti(OtBu)2(DPM)2)、
(ジ-イソプロポキシ)ビス(2,2,6,6,-テトラメチル-
3,5,-ヘプタンジオナイト)チタニウム(Ti(OiP
r)2(DPM)2)、(イソプロポキシ)トリス(2,2,
6,6,-テトラメチル-3,5,-ヘプタンジオナイト)ジルコ
ニウム(Zr(OiPr)(DPM)3)、またはテト
ラキス(イソブチリルピバロイルメタナート)ジルコニ
ウム等のCVD原料を例示することができる。ただし、
これらは通常0.1〜1.0mol/L程度の濃度で有
機溶媒に溶解して使用する必要がある。
【0012】固体CVD原料の溶媒として用いられる前
記有機溶媒は、通常はその沸点温度が40℃〜140℃
の有機溶媒である。それらの有機溶媒として、例えば、
プロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルプロ
ピルエーテル、エチルブチルエーテル、酸化トリメチレ
ン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエー
テル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、ブチルアルコール等のアルコール、アセト
ン、エチルメチルケトン、iso-プロピルメチルケトン、
iso-ブチルメチルケトン等のケトン、プロピルアミン、
ブチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ト
リエチルアミン等のアミン、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等のエステル、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン等の炭化水素等を挙げることができる。
【0013】次に、本発明の気化供給方法を、図1に基
づいて詳細に説明するが、本発明はこれにより限定され
るものではない。図1は本発明の気化供給方法を適用し
た気化供給システムの一例を示す構成図である。図1の
気化供給システムは、前述の固体CVD原料を有機溶媒
に溶解させた原料1が封入されたCVD原料容器2、脱
ガス器3、液体マスフローコントローラー4、気化器
5、キャリアガス供給ライン7、ヒーター9を有するフ
ィルター10、不活性ガス供給ライン12等により構成
されている。尚、図1は1系統(1種類の原料)の気化
供給ラインを有する気化供給システムであるが、本発明
の気化供給方法は、複数系統の気化供給ラインを有する
気化供給システムにも適用できる。
【0014】図1のような気化供給システムにおいて
は、CVD原料容器内に不活性ガスの圧力をかけること
により、原料が脱ガス器を経由して液体マスフローコン
トローラーに導入され、液体の状態で流量が計量された
後、気化器に供給される。気化効率が優れた気化器にお
いては、固体CVD原料は99.9%以上の高い気化効
率で気化され得るが、このような気化器を用いてもpp
mレベルで未気化の固体CVD原料が残存し、また気化
されたガスからppmレベルで固体CVD原料が析出す
ると推測される。これらの固体CVD原料は、通常は集
合体のパーティクルとなって存在すると考えられる。こ
のような固体CVD原料に由来するパーティクルの大き
さは、気化器の種類、原料の種類、気化条件等により異
なり一概に限定することはできないが、通常は0.00
1〜0.1μm程度である。これらのパーティクルは半
導体薄膜の品質に悪影響を与えるため除去しなければな
らない。尚、気化ガスには、その他に、原料に含まれる
不純物等に由来する微小パーティクル、溶媒による配管
材料の溶出に由来する微小パーティクルが微量含まれる
と推測される。
【0015】本発明の気化供給方法におけるフィルター
は、気化ガス中のCVD原料が半導体製造装置で気相成
長反応の原料として使用される前に、気化ガスに含まれ
る前述のようなパーティクルをろ過できる位置に設置さ
れればよく、通常は気化器の出口、半導体製造装置の入
口、または気化器と半導体製造装置の間に設置される。
例えば、フィルター素子(フィルター材)を気化ガス出
口に設置した気化器、あるいはフィルター素子(フィル
ター材)を気化ガス導入口に設置した半導体製造装置を
用いることもできる。しかし、フィルターは、メンテナ
ンスが容易な点で、図1に示すように気化器と半導体製
造装置の間に設置することが好ましい。
【0016】また、本発明の気化供給方法においては、
フィルターを前述のように設置することによりパーティ
クルをフィルターで捕捉することができるが、ろ過する
際の温度をCVD原料の気化温度と同じ温度またはその
近辺の温度に維持することにより、一旦捕捉された固体
CVD原料を気化させて半導体製造装置へ供給すること
もできる。このため、フィルターでろ過する際の気化ガ
スの温度、あるいはフィルター素子の温度を、気化器内
の気化ガス温度より100℃低い温度から100℃高い
温度の範囲内にすることが好ましく、さらに50℃低い
温度から50℃高い温度の範囲内にすることがより好ま
しい。
【0017】フィルターでろ過する際の気化ガスの温
度、あるいはフィルター素子の温度が、気化温度より1
00℃以上低い場合は、フィルターにおいて固体CVD
原料の捕捉量が多くなり圧力損出が増加する不都合があ
り、気化温度より100℃以上高い場合は、CVD原料
が分解する虞を生じる。フィルターを前述のような温度
に維持する方法としては、気化器とフィルターの間の距
離を短くして気化温度に近い温度でろ過する方法、フィ
ルターにヒーター等の加熱手段を設けて所定の温度を維
持しながらろ過する方法等を例示することができる。
【0018】本発明の気化供給方法に用いられるフィル
ターとしては、CVD原料の気化温度以上の耐熱性、及
び耐腐食性を有するものであれば特に限定されることは
ないが、通常は焼結金属フィルター、セラミックフィル
ター、フッ素樹脂フィルター等が使用される。但し、セ
ラミックフィルターは通常約200℃以下、フッ素樹脂
フィルターは通常約230℃以下の使用温度に限定され
る。また、フィルターは、直径0.01μmに相当する
パーティクルを99.99%以上の除去率で除去できる
ものが好ましく、さらに直径0.001μmに相当する
パーティクルを99.99%以上の除去率で除去できる
ものがより好ましい。市販されているフィルターとして
は、例えば、ステンレスフィルター(日本パイオニクス
(株)製、SLF−E,L,M,X)、テフロン(登録
商標)メンブランフィルター(日本パイオニクス(株)
製、XLF−D,E,L,M)を使用することができ
る。
【0019】尚、本発明の気化供給方法において使用さ
れる気化器は、特に限定されることはないが、好ましく
は液体マスフローコントローラー等の液体流量制御器に
より高精度に流量制御されたCVD原料を、所望の濃度
及び流量で極めて高い気化効率で半導体製造装置に供給
することが可能なものが使用される。このような気化器
としては、例えば、気化容器の形状が、球形、楕球形、
樽形、または端部が丸みをおびた円筒形、円錐形、円錐
台形、半球形であり、キャリアガスが気化容器内で旋回
流を形成するように設定された気化器(特開平11−3
42328号公報)、CVD原料供給部のCVD原料と
の接触部が、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂等の耐腐
食性合成樹脂で構成される気化器(特願2001−34
9840)等を挙げることができる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0021】実施例1 (気化供給システムの製作)図2に示すような気化器を
製作した。CVD原料供給部は、内部及び気化室側の表
面がフッ素系樹脂(PFA)で構成され、気化器外部と
の接触部がステンレス鋼(SUS316)で構成され
る。フッ素系樹脂の構成部は、外径16mm、高さ3
4.2mmの円柱状であり、その外側のステンレス鋼の
厚みは2.0mmである。また、気化器は、前記のCV
D原料供給部のほか、気化ガス排出口、気化室の加熱手
段、及びヒーターが内蔵された突起を有する。気化室
は、内径が65mm、高さが92.5mmの円柱状で、
底部の突起は高さ27.5mmであり、また底部から1
5mmの高さに気化ガス排出口を設けたものである。
【0022】次に、固体CVD原料である(ジ-イソプ
ロポキシ)ビス(2,2,6,6,-テトラメチル-3,5,-ヘプタ
ンジオナイト)チタニウム(Ti(OiPr)2(DP
M)2)をTHFに溶解させた原料(固体CVD原料の
濃度:0.3mol/l)が封入された液体CVD原料
容器を、脱ガス器、液体マスフローコントローラー、キ
ャリアガス供給ライン、気化器、ステンレスフィルター
(日本パイオニクス(株)製、SLF−M、直径0.0
1μmの均一パーティクル除去率:99.999999
9%)、Si基板がセットされた半導体製造装置等と接
続し、図1に示すような気化供給システムを製作した。
【0023】(気化供給試験)前記のような気化供給シ
ステムを使用して以下のように気化供給試験を行ない、
TiO薄膜をSi基板上に堆積させた。気化器内を
1.6kPa(12torr)、230℃の温度、半導
体製造装置内を0.93kPa(7.1torr)、5
50℃の温度、フィルター素子を230℃の温度に保持
した。次にTi(OiPr)2(DPM)2/THFを、
液体マスフローコントローラーを用いて0.2g/mi
nの流量で気化器に供給するとともに、キャリアガス供
給ラインから230℃に加熱されたアルゴンガスを、
0.1L/minの流量で気化器に供給して、気化器内
でCVD原料を気化させた。さらに半導体製造装置の直
前で230℃に加熱されたアルゴンガス及び酸素ガスを
各々0.1L/min、1.0L/minの流量で添加
して2時間にわたり気化ガスを半導体製造装置に供給し
た。
【0024】気化供給終了後、半導体製造装置から基板
を取り出し、TiO薄膜の表面を電子顕微鏡で観察し
てパーティクルの付着状態を測定した。直径0.01μ
m以上の大きさに相当するパーティクルの単位面積当た
りの個数を表1に示す。また、パーティクルの付着によ
るフィルターの重量増加が確認された。パーティクルの
付着量を表1に示す。
【0025】実施例2、実施例3 実施例1におけるフィルター素子の温度を、各々200
℃、260℃に変えたほかは、実施例1と同様にして気
化供給試験を行ない、TiO薄膜をSi基板上に堆積
させた。直径0.01μm以上の大きさに相当するパー
ティクルの単位面積当たりの個数及びフィルターに付着
したパーティクルの付着量を表1に示す。
【0026】実施例4 実施例1と同様な気化供給システムを用い、原料として
固体CVD原料であるテトラ(2,6,-ジメチル-3,5ヘプ
タンジオナイト)ジルコニウム(Zr(DPM)4)を
THFに溶解させた原料(固体CVD原料の濃度:0.
3mol/l)を用いて、以下のように気化供給試験を
行ない、ZrO薄膜をSi基板上に堆積させた。
【0027】気化器内を1.6kPa(12tor
r)、230℃の温度、半導体製造装置内を0.93k
Pa(7.1torr)、550℃の温度、フィルター
素子を230℃の温度に保持した。次にZr(DPM)
4/THFを、液体マスフローコントローラーを用いて
0.2g/minの流量で気化器に供給するとともに、
キャリアガス供給ラインから230℃に加熱されたアル
ゴンガスを、0.1L/minの流量で気化器に供給し
て、気化器内でCVD原料を気化させた。さらに半導体
製造装置の直前で230℃に加熱されたアルゴンガス及
び酸素ガスを各々0.1L/min、1.0L/min
の流量で添加して2時間にわたり気化ガスを半導体製造
装置に供給した。
【0028】気化供給終了後、半導体製造装置から基板
を取り出し、ZrO薄膜の表面を電子顕微鏡で観察し
てパーティクルの付着状態を測定した。直径0.01μ
m以上の大きさに相当するパーティクルの単位面積当た
りの個数を表1に示す。また、パーティクルの付着によ
るフィルターの重量増加が確認された。パーティクルの
付着量を表1に示す。
【0029】実施例5、実施例6 実施例4におけるフィルター素子の温度を、各々200
℃、260℃に変えたほかは、実施例4と同様にして気
化供給試験を行ない、ZrO薄膜をSi基板上に堆積
させた。直径0.01μm以上の大きさに相当するパー
ティクルの単位面積当たりの個数及びフィルターに付着
したパーティクルの付着量を表1に示す。
【0030】実施例7 実施例1と同様な気化供給システムを用い、原料として
固体CVD原料であるビス(2,2,6,6,-テトラメチル-3,
5ヘプタンジオナイト)鉛(Pb(DPM)2)をTHF
に溶解させた原料(固体CVD原料の濃度:0.3mo
l/l)を用いて、以下のように気化供給試験を行な
い、PbO薄膜をSi基板上に堆積させた。
【0031】気化器内を1.6kPa(12tor
r)、210℃の温度、半導体製造装置内を0.93k
Pa(7.1torr)、550℃の温度、フィルター
素子を230℃の温度に保持した。次にPb(DPM)
2/THFを、液体マスフローコントローラーを用いて
0.36g/minの流量で気化器に供給するととも
に、キャリアガス供給ラインから210℃に加熱された
アルゴンガスを、0.1L/minの流量で気化器に供
給して、気化器内でCVD原料を気化させた。さらに半
導体製造装置の直前で210℃に加熱されたアルゴンガ
ス及び酸素ガスを各々0.1L/min、1.0L/m
inの流量で添加して2時間にわたり気化ガスを半導体
製造装置に供給した。
【0032】気化供給終了後、半導体製造装置から基板
を取り出し、PbO薄膜の表面を電子顕微鏡で観察して
パーティクルの付着状態を測定した。直径0.01μm
以上の大きさに相当するパーティクルの単位面積当たり
の個数を表1に示す。また、パーティクルの付着による
フィルターの重量増加が確認された。パーティクルの付
着量を表1に示す。
【0033】実施例8、実施例9 実施例7におけるフィルター素子の温度を、各々200
℃、260℃に変えたほかは、実施例7と同様にして気
化供給試験を行ない、PbO薄膜をSi基板上に堆積さ
せた。直径0.01μm以上の大きさに相当するパーテ
ィクルの単位面積当たりの個数及びフィルターに付着し
たパーティクルの付着量を表1に示す。
【0034】比較例1 フィルターを用いなかったほかは実施例1と同様な気化
供給システムを製作した。この気化供給システムを使用
して、実施例1と同様に気化供給試験を行ない、TiO
薄膜をSi基板上に堆積させた。気化供給終了後、半
導体製造装置から基板を取り出し、TiO薄膜の表面
を電子顕微鏡で観察してパーティクルの付着状態を測定
した。直径0.01μm以上の大きさに相当するパーテ
ィクルの単位面積当たりの個数を表1に示す。
【0035】比較例2 比較例1と同様な気化供給システムを用いて、フィルタ
ーを用いなかったほかは実施例4と同様に気化供給試験
を行ない、ZrO薄膜をSi基板上に堆積させた。気
化供給終了後、半導体製造装置から基板を取り出し、Z
rO薄膜の表面を電子顕微鏡で観察してパーティクル
の付着状態を測定した。直径0.01μm以上の大きさ
に相当するパーティクルの単位面積当たりの個数を表1
に示す。
【0036】比較例3 比較例1と同様な気化供給システムを用いて、フィルタ
ーを用いなかったほかは実施例7と同様に気化供給試験
を行ない、PbO薄膜をSi基板上に堆積させた。気化
供給終了後、半導体製造装置から基板を取り出し、Pb
O薄膜の表面を電子顕微鏡で観察してパーティクルの付
着状態を測定した。直径0.01μm以上の大きさに相
当するパーティクルの単位面積当たりの個数を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の気化供給方法により、CVD原
料として固体原料を用いた場合においても、極めて高純
度の気化ガスを半導体製造装置に供給することが可能と
なり、従来知られていなかったCVD原料気化後のパー
ティクルの混入による半導体薄膜の品質低下を防止でき
るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気化供給方法を適用した気化供給シス
テムの一例を示す構成図
【図2】本発明に用いることができる気化器の一例を示
す縦断面図
【符号の説明】
1 固体CVD原料を有機溶媒に溶解させた原料 2 CVD原料容器 3 脱ガス器 4 液体マスフローコントローラー 5 気化器 6 気体マスフローコントローラー 7 キャリアガス供給ライン 8 ガス予熱器 9 ヒーター 10 フィルター 11 半導体製造装置 12 不活性ガス供給ライン 13 断熱材 14 CVD原料の導入口 15 気化室 16 気化ガス排出口 17 キャリアガスの導入口 18 フッ素系樹脂構成部 19 ヒーター 20 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 充弘 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4K030 AA11 BA01 BA18 BA22 BA42 BA46 CA04 EA01 EA03 FA10 JA10 5F045 AA04 BB14 EE10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体CVD原料を有機溶媒に溶解させた
    原料を、気化器に供給して気化させた後、該CVD原料
    を含む気化ガスをフィルターでろ過して該気化ガスに含
    まれるパーティクルを除去し、半導体製造装置へ供給す
    ることを特徴とする気化供給方法。
  2. 【請求項2】 フィルターを、気化器の出口、半導体製
    造装置の入口、または気化器と半導体製造装置の間に設
    置する請求項1に記載の気化供給方法。
  3. 【請求項3】 フィルターが、焼結金属フィルター、セ
    ラミックフィルター、またはフッ素樹脂フィルターであ
    る請求項1に記載の気化供給方法。
  4. 【請求項4】 フィルターが、直径0.01μmの均一
    パーティクルを99.99%以上の除去率で除去できる
    フィルターである請求項1に記載の気化供給方法。
  5. 【請求項5】 パーティクルが、未気化の固体CVD原
    料及び/または析出した固体CVD原料である請求項1
    に記載の気化供給方法。
  6. 【請求項6】 フィルターでろ過する際の気化ガスの温
    度が、気化器内の気化ガス温度より100℃低い温度か
    ら100℃高い温度の範囲内である請求項1に記載の気
    化供給方法。
  7. 【請求項7】 気化ガスをろ過する際のフィルター素子
    の温度を、加熱手段により、気化温度より100℃低い
    温度から100℃高い温度の範囲内に設定する請求項1
    に記載の気化供給方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009530494A (ja) * 2006-03-16 2009-08-27 東京エレクトロン株式会社 成膜システム内の粒子コンタミネーションを抑制する方法および機器
JP2012149334A (ja) * 2010-12-28 2012-08-09 Kirin Brewery Co Ltd ガスバリア性プラスチック成形体及びその製造方法

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JP2009530494A (ja) * 2006-03-16 2009-08-27 東京エレクトロン株式会社 成膜システム内の粒子コンタミネーションを抑制する方法および機器
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