JP2003257793A - 電気二重層コンデンサにおける電解液の調製方法、電解液および電気二重層コンデンサ - Google Patents

電気二重層コンデンサにおける電解液の調製方法、電解液および電気二重層コンデンサ

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JP2003257793A JP2002059703A JP2002059703A JP2003257793A JP 2003257793 A JP2003257793 A JP 2003257793A JP 2002059703 A JP2002059703 A JP 2002059703A JP 2002059703 A JP2002059703 A JP 2002059703A JP 2003257793 A JP2003257793 A JP 2003257793A
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electric double
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実 野口
Shigeki Koyama
茂樹 小山
Takeshi Fujino
健 藤野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気二重層コンデンサにおける過充電を防止
することが可能な電解液の調製方法および電解液を提供
する。 【解決手段】 電解液、電極およびこれらを収納するケ
ースから構成され、所定の電圧範囲内で充放電を繰り返
す電気二重層コンデンサ用の電解液を、前記所定の電圧
範囲の上限以上でかつ限界電圧以下で設定した電解液側
の設定電圧値において、前記電解液が絶縁体となるよう
なイオン濃度に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層コンデ
ンサにおける電解液の調製方法、電気二重層コンデンサ
における電解液および前記電解液を含む電気二重層コン
デンサに関する。より詳しく述べると、電気二重層コン
デンサの過充電を防止することが可能な電気二重層コン
デンサにおける電解液の調製方法、電気二重層コンデン
サにおける電解液および前記電解液を含む電気二重層コ
ンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサは、電気二重層キ
ャパシタとも呼ばれ、そしてファラッド級の大容量を有
し、充放電サイクル特性にも優れ、かつ急速充電が可能
であることから、電子機器のバックアップ電源、車載の
バッテリ(エネルギバッファ)などの用途に使用されて
いる。
【0003】電気二重層コンデンサの概略を図6を用い
て説明する。図6は、電気二重層コンデンサの基本構成
を示す断面図である。図6に示す電気二重層コンデンサ
101は、容器102と、その容器102内にセパレー
タ103を挟んで配置される1対の炭素電極(分極性電
極)104、104と一対の集電体(部材)105、1
05とが収納された構成を有しており、そして容器内1
02は、イオン導電性の電解液が導入されている。電気
二重層コンデンサ101は、固体である炭素電極10
4、104と液体である電解液との界面で発生し、分子
レベルの距離を隔てて存在する電荷(図中、+および−
で示す)を通常のコンデンサにおける誘電体として用い
たコンデンサである。
【0004】電気二重層コンデンサに使用される電解液
は、大別して希硫酸に電解質を添加したいわゆる水溶系
の電解液と有機溶剤に電解質を添加したいわゆる有機系
電解液に大別され、目的に応じて選択される。すなわ
ち、水溶系電解液を使用した電気二重層コンデンサは、
内部抵抗が低くパワー密度の点で有利であり、また電圧
仕様が自由に設定できる。一方、有機系電解液は、単セ
ル当たりの耐電圧を高くすることが可能であるのでエネ
ルギ密度の点で有利であり、またアルミニウム等の安価
で軽量な金属を使用できる。
【0005】一般に、静電容量の大きい電気二重層コン
デンサを得る目的で電極に比表面積の大きい活性炭や活
性炭繊維を使用している。すなわち、活性炭の比表面積
が増大するほど、活性炭内部の細孔が増加するため、電
解質イオンの吸着量が増え、静電容量は大きくなると言
われている。通常、比表面積数千m2/g以上の活性炭
が電極に用いられている。このように比表面積が大きい
活性炭を用いることで、数百ないし数千ファラドという
大容量を得ることが可能と言われている。
【0006】また、活性炭重量当たりの容量と活性炭比
表面積とはほぼ直線的な比例関係であるが、電極単位体
積当たりの容量は、活性炭の比表面積が2000〜25
00m2/gの範囲で最大になり、それ以上では低下す
ることが示されている(DENKI KAGAKU,5
9,p.607)。これは、活性炭の比表面積が増加す
ると活性炭の細孔容積が増大し、電極の見かけ密度が低
下するためである。活性炭の高比表面積化と高静電容量
とは密接に関係すると考えられているが、高比表面積化
すると、細孔の増加によって活性炭の嵩密度が小さくな
ってしまい、単位体積当たりの静電容量が小さくなって
しまう。
【0007】このような単位体積当たりの静電容量を増
加させるという観点から、易黒鉛化材料(graphi
tizing carbon)を使用した電極が開発さ
れている。特に、近年いわゆるメソフェーズピッチをア
ルカリ賦活して得られた活性炭(メソフェーズ炭素繊維
・メソフェーズ小球体)を電気二重層コンデンサの分極
性電極に使用されてきている。メソフェーズ炭素繊維と
は、ピッチ等を原料(易黒鉛化材料)として作られる炭
素繊維の1種である。ピッチは、光学的に等方性である
が、これを加熱していくと、ピッチ分子がある規則性を
もって配向し、光学的異方性を示す部分(光学的異方性
小球体)が生成し、それが成長するとともに合体して、
最終的にはすべてが光学的に異方性で、流れ模様を示す
コークスに変化する。この光学的異方性を示す部分をメ
ソフェーズという。メソフェーズ炭素繊維とは、メソフ
ェーズをある程度発生させたピッチをメルトブロー法等
で紡糸して作られる炭素繊維である。
【0008】メソフェーズ炭素繊維は、光学的異方性を
示し、比較的高い配向度をもつ。また、空気による酸化
(不融化処理)によっても基本的な配向は乱されること
なく、しかも、炭素化処理および高温加熱処理によって
配向が顕著に改善される。また、メソフェーズ炭素繊維
は黒鉛化度が高い。このように構成することによって、
単位体積当たりの静電容量が大きい分極性電極に使用す
ることが可能となる。
【0009】例えば、特開平5−258996号公報に
は、ピッチを原料として溶融紡糸し、熱処理して得た炭
素質繊維をアルカリ金属水酸化物の水溶液で賦活し、粉
砕した、メソフェーズ炭を用いた電気二重層コンデンサ
用電極が開示されている。また、特開平9−27504
2号公報には、このような静電容量の大きい分極性電極
として、塩化ビニル系樹脂を焼成してアルカリ賦活した
活性炭が記載されている。
【0010】このように構成された電気二重層コンデン
サは、所定の充放電サイクルを繰り返して使用されるこ
とになって急速充電可能であるが、電気二重層コンデン
サの充放電サイクルにおいて、過充電を防止するため
に、一般に充放電制御回路に組み込まれて使用されるか
あるいは過充電防止回路に接続されて使用されるのが一
般的である。これらの回路は、電気二重層コンデンサの
過充電を防止するために所定の電気二重層コンデンサの
電圧値が所定値、すなわち所定の充電制御側設定電圧を
超えると、電気二重層コンデンサへの通電を遮断する構
成となっている。
【0011】しかしながら、このような回路を設けてい
ない場合、あるいは回路に欠損が生じて過充電制御機能
が適正に発揮されない場合において、電気二重層コンデ
ンサが所定電圧を超えて過充電された場合、電気二重層
コンデンサの充放電の性能が劣化する場合がある。
【0012】さらに、前述の通り、単位体積当たりの静
電容量を増加させると、一般に電気二重層コンデンサを
構成する電極の体積が膨張する傾向にある。そのため、
電極の充填密度を少なくする必要がある。このように充
填密度を小さくするとエネルギ密度の低下を招き、電気
二重層コンデンサの特徴を十分に生かしきれない。この
ことは、メソフェーズピッチをアルカリ賦活して得られ
た活性炭等の静電容量の高い素材を電極に用いた場合に
著しい。
【0013】また、充填密度を小さくする代わりに、電
気二重層コンデンサを構成するケースを肉厚にして電極
の膨張により発生する荷重に十分耐ええる構成とする必
要がある。しかしながら、ケースを肉厚にすると電気二
重層コンデンサ全体の重量が増加するので好ましくな
い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、電気二重層コンデンサにおける過充電を防止するこ
とが可能な電解液の調製方法および電解液を提供するこ
とである。本発明の別の課題は、過充電を防止すること
が可能な電解液を含む電気二重層コンデンサを提供する
ことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、電気二重層コンデンサにおけ
る電解液を、通常使用される電圧範囲の上限以上でかつ
限界電圧以下で設定した所定の電圧値において、前記電
解液のイオン濃度が実質的に0になるようなイオン濃度
に調整することによって、その所定電圧値において電解
液が絶縁体となり、電気二重層コンデンサの過充電を防
止することが可能であることを見出して、本発明を創作
するに至った。
【0016】すなわち、本発明は、電解液、電極および
これらを収納するケースから構成され、所定の電圧範囲
内で充放電を繰り返す電気二重層コンデンサ用の電解液
の調製方法であって、前記電解液を、前記所定の電圧範
囲の上限以上でかつ限界電圧以下で設定した電解液側の
設定電圧値において、前記電解液が絶縁体となるような
イオン濃度に調整することを特徴とするものである(請
求項1)。
【0017】このように構成することで、通常使用され
る電圧範囲を超えて、電気二重層コンデンサが過充電さ
れた際に、限界電圧以下で設定された電解液の設定電圧
値で電解液中に実質的にイオンが存在しなくなる。その
ため、電解液が絶縁体となり、電気二重層コンデンサへ
の充電は停止される。そのため、この設定電圧を超えて
電気二重層コンデンサが充電されることはない。
【0018】なお、本発明において「所定の電圧範囲内
で充放電を繰り返す」とは、コンデンサを通常使用する
際の電圧範囲を言う。また、「限界電圧」とは、電気二
重層コンデンサを構成する分極性電極の物性、収納する
ケースの物性等から設定されたコンデンサの最高電圧を
意味する。コンデンサ自身の有する電圧使用範囲、コン
デンサを充電する際に印加する外部電圧、コンデンサか
らの液漏れ防止等の実用面を考慮して任意に設定でき
る。
【0019】また、本発明において使用される用語「電
解液が絶縁体となるようなイオン濃度」とは、設定電圧
において電解液のイオン濃度が実質的に0になるような
イオン濃度を意味するものである。換言すると、「電解
液が絶縁体となるようなイオン濃度」とは、電解液の抵
抗値が充分大きくなるような(無限大となるような)イ
オン濃度を意味するものである。
【0020】また、本発明の電気二重層コンデンサ用電
解液の調製方法において、前記電気二重層コンデンサ
は、所定の充電制御側設定電圧を有する充電制御回路に
接続されて使用され、前記電解液側の設定電圧を充電制
御側設定電圧以上でかつ前記限界電圧以下の範囲で設定
することを特徴とするものである(請求項2)。
【0021】本発明において、電気二重層コンデンサを
このような制御回路に接続して使用する場合、電解液側
の設定電圧と充電制御側設定電圧の両方で電気二重層コ
ンデンサの過充電防止を図ることが可能となる。また、
何らかの理由で回路に故障が生じた場合も、電気二重層
コンデンサの過充電を防止することが可能となる。
【0022】また、本発明の電気二重層コンデンサ用電
解液の調製方法において、前記電解液のイオン濃度を、
充電電圧と電極膨張率との関係曲線または充電電圧と発
生荷重との関係曲線に基づいて設定することが好ましい
(請求項3)。
【0023】電解液のイオン濃度を、充電電圧と電極膨
張率との関係曲線により設定すると、設定した充電電圧
における電極の膨張率を考慮して電極の充填率を定める
ことが可能となるので、電極のエネルギ密度を増加させ
ることが可能となる。また、電解液のイオン濃度を、充
電電圧と発生荷重との関係曲線により設定すると、電気
二重層コンデンサを構成するケースの強度を最適化す
る。すなわち同一の材料において肉薄にすることが可能
となるので、電気二重層コンデンサ全体の重量を軽量化
することが可能となる。もちろん、電気二重層コンデン
サを構成するケースを肉薄にすることによって、電気二
重層コンデンサのコンパクト化を図ることが可能とな
る。なお、本発明において使用される用語「電極の膨張
率」とは、所定の厚みの電極に一定の荷重を加えて、電
極を充電した際の厚みの増加率を言い、そして「発生荷
重」とは、電極の厚さを一定にして、電極を充電した際
に発生する荷重を言う。
【0024】また、本発明の電気二重層コンデンサ用電
解液の調製方法において、前記電極が易黒鉛化材料を炭
化した後アルカリ賦活して得られた活性炭から、好まし
くはメソフェーズピッチをアルカリ賦活して得られた活
性炭から構成されていることを特徴とするものである
(請求項4)。メソフェーズピッチをアルカリ賦活して
得られた活性炭は単位体積当たりの静電容量が大きく、
これを電気二重層コンデンサの分極性電極に使用する
と、静電容量の大きい、すなわち小さい大きさで大容量
の電気二重層コンデンサを提供することが可能となる。
本発明の電気二重層コンデンサ用電解液の調製方法をメ
ソフェーズ炭等の易黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦
活して得られた活性炭を使用した電気二重層コンデンサ
に適用することにより、易黒鉛化材料を炭化した後アル
カリ賦活して得られた活性炭を膨張する膨張率や発生荷
重等の最大値を制御することが可能となるので、電気二
重層コンデンサにおけるケース等の耐性の軽減を図るこ
とが可能となる。
【0025】本発明は、このような特定の調製方法によ
り調製された、電気二重層コンデンサ用電解液に関する
ものである(請求項5)。本発明の電気二重層コンデン
サ用電解液は、設定電圧値で電解液が絶縁体となり、電
気二重層コンデンサへの充電が停止されるので、この設
定電圧を超えて電気二重層コンデンサに充電されること
がなくなる
【0026】本発明の電気二重層コンデンサは、電解
液、電極およびこれらを収納するケースから構成され、
所定の電圧範囲内で充放電を繰り返す電気二重層コンデ
ンサであって、本発明の電気二重層コンデンサ用電解液
から構成されたことを特徴とするものである(請求項
6)。
【0027】このように構成することで、通常使用され
る電圧範囲を超えて、電気二重層コンデンサが過充電さ
れた際に、限界電圧以下で設定された電解液の設定電圧
値で電解液中に実質的にイオンが存在しなくなる。その
ため、電解液が絶縁体となり、電気二重層コンデンサへ
の充電は停止される。したがって、この設定電圧を超え
て電気二重層コンデンサに充電されることがなくなる。
【0028】本発明の電気二重層コンデンサにおいて、
前記電極を易黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦活して
得られた活性炭、好ましくはメソフェーズピッチをアル
カリ賦活して得られた活性炭から構成することができる
(請求項7)メソフェーズ炭の膨張率や発生荷重等の最
大値を制御することが可能となる。そのため電気二重層
コンデンサのケースの耐性と分極性電極の充填量とのバ
ランスがとれた大容量の電気二重層コンデンサを提供す
ることが可能となる。換言すると、小型、軽量でかつ大
容量の電気二重層コンデンサを提供することが可能とな
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。しかしながら、本発明はこれらの実施の形態に限
定されるものではない。 (電気二重層コンデンサ)まず、本発明に使用される電
気二重層コンデンサについて、図1および図2を用いて
説明する。なお、本発明に適用可能な電気二重層コンデ
ンサは、特に限定されるものではなく、従来使用されて
いる電気二重層コンデンサから、目的・用途に応じて適
宜選択することが可能である。なお、電気二重層コンデ
ンサの代表例として、有機系電解質を使用した車載用の
電気二重層コンデンサを例示して説明する。
【0030】図1は、電気二重層コンデンサの一例を示
す図面である。図1に示す電気二重層コンデンサ1は、
円筒型の容器2と、その容器2内に収容され、帯状セパ
レータ17,18により区分された電極巻回体3と、そ
の容器2内に注入された電解液とから主として構成され
ている。容器2は、加工の容易性、軽量である等の理由
から例えばアルミニウム(合金)から構成されている。
また、容器2は有底筒形本体4と、その一端開口部を閉
鎖する端子板5とよりなり、その端子板5に正、負端子
6,7とが設けられている。
【0031】電極巻回体3は、正極側の第1帯状電極体
9と、負極側の第2帯状電極体10とを有する。第1帯
状電極体9は、アルミ箔よりなる帯状集電体11の両面
に,それぞれ帯状分極性電極eを導電性接着剤により貼
付したものであり、両分極性電極eにより帯状正極12
が構成される。第2帯状電極体10は、アルミ箔よりな
る帯状集電体14の両面に,それぞれ帯状分極性電極e
を導電性接着剤により貼付したものであり、両分極性電
極eにより帯状負極15が構成される。
【0032】そして、正極側の第1帯状電極体9と、負
極側の第2帯状電極体10は、セパレータ17、18に
より区分されている。なお、セパレータ17、18は、
特開2001−126962号公報に記載のように相互
に重ね合せられる2枚の第1,第2帯状電極体9,10
の少なくとも一方,例えば第1帯状電極体9を2枚の第
1,第2帯状セパレータ17,18により挟んで重ね合
せ物を形成し、その重ね合せ物を第1セパレータ17が
最外側に位置するように渦巻状に巻いて構成してもよ
い。そして、このように構成された電気二重層コンデン
サは、目的に応じて、単独であるいは複数個直列に接続
されて使用されている。
【0033】本発明の電気二重層コンデンサにおいて使
用される電極は、目的・用途に応じて当該技術分野に公
知の材料、すなわち活性炭または炭素繊維から適宜選択
される。比表面積数千m2/g以上、好ましくは150
0のm2/g以上を有する活性炭、より好ましくは、易
黒鉛化材料を炭化した後アルカリ賦活して得られた活性
炭、特にメソフェーズピッチを用いるのが望ましい。す
なわち、例えばコークス、メソカーボン小球体、メソフ
ェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維等の
易黒鉛化炭素質を、焼成温度を制御して炭化した後、ア
ルカリ賦活して得られる活性炭は高い静電容量を有す
る。このような技術は、従来種々の文献に記載されてい
る(例えば、前述の公報に加えて、特公平5−1766
9号公報、特公平4−24831号公報、特許2621
294号公報、特開平4−188559号公報(メソフ
ェーズ小球体)、特開平6−243867号公報(玉葱
状構造)、特開平5−94838号公報(複相炭素繊
維)を参照のこと)。本発明において、電極としてこの
ような静電容量を大きくすることが可能である材料を使
用することができる。なお、例えば特開平6−1230
50号公報に記載のような、ポリアクリロニトリル繊
維、塩化ビニリデン繊維、セルローズ繊維、フエノール
繊維等の難黒鉛化繊維と石油コークス、石炭ピッチ等の
易黒鉛化炭素繊維とを含む電極も本発明において使用す
ることが可能である。
【0034】より具体的には、易黒鉛化材料、例えばピ
ッチ系、アクリロニトリル系、特開平9−275042
号に記載の塩化ビニル系の材料を炭化した後、アルカリ
賦活して得られた活性炭、特にメソフェーズピッチをア
ルカリ賦活して得られた活性炭は、静電容量が高いが、
通常の活性炭に比べて、電極に使用した場合膨張し易い
傾向にある。また、メソフェーズピッチは、配向性が高
いので、均一な賦活反応が起こりやすく、かつ、細孔が
均一に形成される。電解質イオンのイオン径によって最
適な細孔径があるが、メソフェーズピッチをアルカリ賦
活して得られた活性炭は、最適な径の細孔が多く、しか
も、均一に分布している。そのために、これを電極に用
いた電気二重層コンデンサは、一般に使用されている活
性炭を電極に用いた電気二重層コンデンサよりも、静電
容量、特に単位体積当たりの静電容量が高くなる。
【0035】電気二重層コンデンサに使用可能な電解液
についても、従来使用されている電解液を適宜選択して
使用することができる。使用される電解質として、例え
ば限定されるものではないが、例えば過塩素酸、六フッ
化リン酸、四フッ化ホウ酸、トリフルオロアルキルスル
ホン酸のテトラアルキルアンモニウム塩またはアミン塩
およびテトラフルオロアルキルスルホン酸のテトラアル
キルアンモニウム塩またはアミン塩が挙げられる。
【0036】このような、電解質は、プロピレンカーボ
ネート、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、スルホラ
ン、ニトロエタン等の極性溶剤に溶解された電解液とし
て使用される。
【0037】このようにして電極と電解液から構成され
た電気二重層コンデンサは、所定の電圧範囲で充放電を
繰り返して使用されるが、過充電を防止するために、過
充電防止回路または充放電回路に組込まれて(接続され
て)使用されている。
【0038】電気二重層コンデンサの充放電防止回路の
説明を図2を用いて行う。図2は、電気二重層コンデン
サの充放電防止回路の一例を示す回路図である。 電気
二重層コンデンサ1は、例えば図2に示す駆動システム
に適用される。この図に示す駆動システムでは、電気二
重層コンデンサ1は、モータジェネレータMGを搭載し
て、アシストモードおよび回生モードを有するハイブリ
ッド車両にエネルギバッファとして搭載されている。
【0039】この駆動システムにおける電気二重層コン
デンサ1は、アシストモードでは、インバータINVを
介してモータジェネレータMGを駆動し、回生モードで
は、インバータINVを介してモータジェネレータMG
が発電した電力が充電されるようになっている。つま
り、電気二重層コンデンサ1は、アシストモードでは放
電するようになっており、回生モードでは充電されるよ
うになっている。
【0040】また、この駆動システムでは、電気二重層
コンデンサ1の端子電圧を検出する電圧センサV、電流
を検出する電流センサAが設けられている。また、複数
接続された電気二重層コンデンサ1の電圧が個々に異な
ることがあるので、あるいは、個々の不具合を検出する
ため、この図2では、複数接続された電気二重層コンデ
ンサ1の端子電圧を1個1個、個別に検出するセルVセ
ンサCVが設けられている。これらのセンサV,A,C
Vの出力は、電池コントロールユニット20に送信され
る。電池コントロールユニット20では、得られた電圧
と電流に基づき、電池の蓄電量(SOC)を算出して、
算出した情報を制御CPU21に送信するように構成さ
れている。制御CPU21は、電池コントロールユニッ
ト20から送信された情報に基づきインバータINVに
制御信号を送信し、インバータINVを介してモータジ
ェネレータMGの駆動・回生状態を制御するように構成
されている。
【0041】また、電池コントロールユニット20は、
セルVセンサCVが検出した電圧が後述する図4の通常
使用範囲の上限値(請求項の「所定の電圧範囲の上限
値」に相当)を超えた場合は、上限値を超えた旨の情報
を制御CPU21に送信するように構成されている。一
方、制御CPU21はこの情報を受信すると、電気二重
層コンデンサ1(全体)への充電を制限するようにイン
バータINVを制御する制御信号を生成し、インバータ
INVに送信するように構成されている。これにより、
モータジェネレータMGによる回生充電が制限され、電
気二重層コンデンサ1が通常使用範囲内で使用される。
【0042】また、電池コントロールユニット20は、
セルVセンサCVが検出した電圧が設定値(後述する図
4の通常使用範囲の上限)を超えた場合は、設定値を超
えた旨の情報を制御CPU21に送信するように構成さ
れている。一方、制御CPU21はこの情報を受信する
と、電気二重層コンデンサ1(全体)への充電を制限す
るようにインバータINVを制御する制御信号を生成
し、インバータINVに送信するように構成されてい
る。これにより、モータジェネレータMGによる回生充
電が制限され、電気二重層コンデンサ1が過充電から保
護される。
【0043】本発明においては、このような構成を有
し、また充電される電気二重層コンデンサ1において、
過充電を防止するために電解液中の電解質のイオン濃度
を所定の範囲となるように調整する。すなわち、本発明
においては、電解液中の電解質の濃度を、電気二重層コ
ンデンサの充電電圧が通常使用範囲内の所定値で電解質
のイオン濃度が実質的に0となるように設定する。
【0044】以下、本発明の電解液中の電解質のイオン
濃度の設定方法について、図3〜図5を用いて詳細に説
明する。図3は、電気二重層コンデンサの充電電圧と電
解質液中のイオン濃度(モル濃度)との関係および充電
電圧と電解質中の抵抗値を示すグラフであり、図4は、
電気二重層コンデンサの充電電圧と電極膨張率の関係を
示すグラフであり、そして図5は、電気二重層コンデン
サの充電電圧と発生荷重との関係を示すグラフである。
なお、本発明において使用される用語「充電電圧」と
は、電気二重層コンデンサの有する電圧を意味し、電気
二重層コンデンサを充電するために印加する電圧ではな
いことに注意すべきである。
【0045】図3に示す通り、充電電圧と電解液中の電
解質のイオン濃度とは比例関係にある。すなわち、電気
二重層コンデンサにおける充電電圧が0(放電状態)に
おいて、電解質中の電解液のイオン濃度が初期値1であ
る。この状態で、電気二重層コンデンサに電圧を印加し
て充電を行うに従って電解液中の電解質(イオン)は、
電極に徐々に吸着される。そして、電気二重層コンデン
サの充電電圧が増加するのに比例して電解液中の電解質
のイオン濃度が減少して、そして最終的には電気二重層
コンデンサの電圧が所定値に到達した際に0となる。
【0046】一方、このような充電過程における電解質
の抵抗値は、徐々に増加していき、そして電気二重層コ
ンデンサの充電電圧がある一定の充電電圧に達すると電
解液の抵抗値は急激に上昇する。このように電解液の抵
抗値が上昇すると、電解液が絶縁体となり、電解液に通
電することが不能となる。そのため、電気二重層コンデ
ンサに電圧を印加しても、もはや電気二重層コンデンサ
の充電は行われなくなる。すなわち、図3における矢印
Aで示した範囲において、電解液中の電解質のイオン濃
度の範囲で電解液は絶縁体として作用することを示して
いる。
【0047】本発明は、このような原理に基づいてなさ
れたものであり、所定の充電電圧値において、電解液が
絶縁体となるように電解液における電解質のイオン濃度
を調整する。電解液が絶縁体となる範囲は、使用する特
定の電解液および特定電極を用いて図3に示す実験を予
め行うことによって決定することが可能である。
【0048】なお、電解液における電解質のイオン濃度
を調整するに当たって、下記式(1)を用いて、設定し
ようとする充電電圧における電解液のイオン濃度を定め
ることが好ましい。
【0049】 V = 96500×M×Ve/C ・・・(1) (式中、右辺のMは電解液における電解質のモル数であ
り、左辺のVは設定しようとする電圧(V)であり、V
eは電解液の量(L)であり、そしてCはコンデンサ容
量(F)である)。ちなみに、定数96500は、1モ
ルの電解液がイオン化する際に発生するクーロン量であ
る。
【0050】従って、例えば、電極としてメソフェーズ
ピッチをアルカリ賦活して得られた活性炭を2000F
の容量を有する図1に示す電気二重層コンデンサを使用
し、電解液を80mlを使用する場合において、設定電
圧を3.86Vとしたい場合、式1よりM=2,000
×3.86/(96500×0.08)=1モルとな
る。
【0051】(充電電圧の設定)本発明において、この
ような原理に基づいて、電解液における電解質のイオン
濃度を調整するが、その際の設定電圧は、適用する電気
二重層コンデンサの構成、特に分極電極の構成(選択し
た電極の素材の特性、特に膨張率、発生荷重)、ケース
の耐性(選択した素材の強度、ケースの質量)に応じ
て、設定される。
【0052】すなわち、前記メソフェーズピッチをアル
カリ賦活して得られた活性炭等の静電容量の大きい素材
を分極電極として使用すると、過充電による分極電極の
膨張を考慮する必要がある場合がある。また、一般分極
電極の膨張をそれほど考慮しない場合でも、過充電によ
る電解液の電気分解による容器の内圧の上昇を考慮する
必要がある場合がある。
【0053】本発明では、前者への対策として電気二重
層コンデンサにおける充電電圧と電極膨張率との関係に
より決定する方法および主として後者の対策として電気
二重層コンデンサにおける充電電圧と発生荷重との関係
により決定する方法によって、電解液により制御すべき
充電電圧の値を設定する。以下、本発明による電気二重
層コンデンサにおける電解液により制御すべき充電電圧
の値の設定方法を図4および図5を用いて説明する。
【0054】(第1法)分極電極の膨張を考慮する場
合、電気二重層コンデンサにおける充電電圧と電極膨張
率との関係から、電気二重層コンデンサにおける電解液
により制御すべき充電電圧の値を設定する。図4は、本
発明者等が先に開発した塩化ビニル系樹脂を焼成してア
ルカリ賦活した活性炭を分極電極に一定の荷重(1kg
f/cm2=100000N/m2)を負荷した際の電極
の厚さの変化を膨張率として示すものである。電解液を
注液すると、電極は約8%膨張する(初期膨張)。その
後、この電極を充電すると、ある充電電圧(図4におけ
るx(V):膨張開始点)から充電電圧に略比例して電
極の膨張が観察される(図4における線l1)。
【0055】この際に、例えばこの電極を矢印Bで示す
範囲で充放電を行い、b(V)を限界電圧とする電気二
重層コンデンサに使用する場合、図4におけるa(V)
で電解液が絶縁体となるように電解質のイオン濃度を設
定する。
【0056】電解液のイオン濃度の設定は、前述の図3
および式1で説明した通りである。このようにして電解
液のイオン濃度を、電極の充電電圧(=電気二重層コン
デンサの充電電圧)a(V)、で電解液が絶縁体となる
ように設定すると、電極は、電極の充電電圧a(V)以
上充電されることはなくなる。すなわち、この電極を用
いた電気二重層コンデンサは、a(V)以上充電される
ことはなくなる
【0057】すると、電極は、図4における点P2に示
す通り、点P2における膨張率(この場合、約30%)
以上膨張することはない。一方、従来技術では、過充電
を考慮して例えば図4におけるb(V)における膨張率
を見越して電極の充填率を決定していた。これに対し
て、本発明の方法で調製された電解液を使用した場合、
図4におけるa(V)における膨張率を考慮して電極の
充填率を決定することができる。
【0058】充填率を考慮して、電極の充填密度を少な
くするとエネルギ密度が低下する。従って、従来技術に
比して、本発明は、点P2における膨張率と点P1におけ
る膨張率との差である矢印Cの分だけ充填密度を高く設
定することが可能となる。そのため、本発明の電解液を
使用することによって、高い密度で電極を充填すること
が可能となるので、電極を構成する素材の特徴を最大限
に活かすことが可能となる。特に、メソフェーズピッチ
をアルカリ賦活して得られた活性炭等の静電容量が大き
くかつ充電により比較的膨張しやすい傾向にある素材を
電極として使用する場合、その効果は著しくなる。
【0059】なお、充填密度を高めるために電気二重層
コンデンサを構成するケースを強固なものとすることが
考えられる。例えばより肉厚ケースを使用して膨張に対
する耐性を高めることが考えられる。しかしながら、こ
のような構成によりケースを強固にすると、その分だけ
ケースの重量が増加することになる。また、全体の体積
を同じとして強度のある肉厚のケースを使用すると、電
気二重層コンデンサの内容量が減少し、その分、電極を
充填できる容量が減少してしまう。これに対して、本発
明の電解液を使用することにより、同一容量の電気二重
層コンデンサにおいて、電極の充填可能な容量を増加す
ることが可能となる。
【0060】(第2法)充電に伴って発生する荷重に着
目して、本発明においては、第1法の充電電圧値の設定
法に加え、あるいは第1法の充電電圧値の設定法とは別
に、本発明において発生荷重を考慮して充電電圧値の設
定を行うことが可能である。図5は、図4と同一の電極
の厚さを一定にして、充電電圧と電極に発生する荷重と
の関係について調査した結果を示すグラフである。な
お、図5における充電電圧0V時点の発生荷重は、電解
液を注液した際にかかる発生荷重である。
【0061】図5に示すように、曲線l2で示す充電電
圧と発生荷重との関係も図4における曲線l1で示す充
電電圧と電極膨張率の関係と同様に、充電電圧が増加す
るのに伴って増加する。
【0062】図4に示す例(第1法)と同様にして、図
5に示す例(第2法)においても、この電極を矢印Bで
示す範囲で充放電を行い(通常使用範囲)、b(V)を
限界電圧とする電気二重層コンデンサに使用する場合を
想定する。第1法と同様にして、第2法においても、図
5におけるa(V)で電解液が絶縁体となるように電解
質のイオン濃度を設定する。電解液のイオン濃度の設定
は、前述の図3および式1で説明した通りである。この
ようにして電解液のイオン濃度を、電極の充電電圧a
(V)で電解液が絶縁体となるように設定すると、電極
は、電極の充電電圧a(V)以上充電されることはなく
なる。
【0063】すると、電極は、図5における線P3に示
す通り、点P3における発生荷重(この場合、約3.2k
gf/cm2)以上荷重が発生することはない。一方、
従来の方法では、図5における点bにおける発生荷重を
見越して最大荷重(この場合、約4.2kgf/c
2)を考慮していた(図5における点P4)。
【0064】一般に、ケースは、発生応力の数倍、例え
ば1.5倍程度の強度を有するように設計されているの
で、本発明によると、従来技術と比較して、図5におけ
る充電電圧b(V)における発生荷重の量から充電電圧
a(V)における発生荷重の量との差(図5における矢
印D)の数倍、例えば1.5倍の荷重量の分だけケース
の強度を軽減することができる(この例においては、
(4.2−3.2)×1.5kgf/cm2=1.5k
gf/cm2(150000N/m2))。
【0065】すなわち、同一材料、例えばアルミニウム
(合金)でケースを構成する場合、その分だけ肉薄にケ
ースを設計することが可能である。従って、電気二重層
コンデンサ全体の重量を軽減することが可能となる。こ
のことは、特に複数個の電気二重層コンデンサを配置す
る場合に特に有利である。また、電気二重層コンデンサ
における内容量を増加させるのにも有利である。
【0066】また、従来技術において、何らかの理由で
電気二重層コンデンサが過充電された場合、発生荷重が
ケースの強度を超えた際に、電解液の液漏れ等の不具合
が生じることがある。これに対して、本発明の場合に
は、発生荷重は、設定電圧a(V)における発生荷重を
超えることはないので、このような液漏れ等の不具合を
回避することができる。
【0067】(充放電制御回路との併用)このようにし
て、電気二重層コンデンサの充電電圧を制御する場合に
も、本発明は非常に有効である。すなわち、例えば図4
および図5において、電気二重層コンデンサの充電電圧
を、図2に示すようなシステム側においてa(V)の充
電電圧で制御する場合、電解液の設定電圧をシステムの
設定電圧a(V)より高い電圧a’(V)に設定する。
このように構成すると、システムに何らかの不良が生じ
ても、電解液側の設定充電電圧値を超えて電気二重層コ
ンデンサが過充電されることがない。すなわち、システ
ムによる過充電の制御a(V)と本発明による電解液に
より過充電の制御a’(V)による二重の制御が行うこ
とが可能となる。
【0068】以上、本発明を実施の形態を用いて説明し
たが本発明はこれらの実施の形態に限定されるものでは
ない。例えば、実施の形態では有底筒形本体中に帯状電
極巻回体を収納した電気二重層コンデンサの例について
説明したが、セパレータを挟んで一対の電極を備えたボ
タン型電気二重層コンデンサに適用することも可能であ
る。
【0069】また例えば、メソフェーズピッチをアルカ
リ賦活して得られた活性炭を電極として使用した例を説
明したが、本発明は通常の活性炭を電極として使用した
場合も同様の作用効果を示すものである。さらに、電解
液について、有機溶剤系の電解液を用いて説明したが、
水溶液系のものについても同様の作用効果を示す。
【0070】
【発明の効果】本発明によると、以下の優れた効果を奏
する。請求項1によると、通常使用される電圧範囲を超
えて、電気二重層コンデンサが過充電された際に、限界
電圧以下で設定された電解液の設定電圧値で電解液中に
実質的にイオンが存在しなくなる。そのため、電解液が
絶縁体となり、電気二重層コンデンサへの充電は停止さ
れる。そのため、この設定電圧を超えて電気二重層コン
デンサが充電されることはない。
【0071】請求項2によると、電解液側の設定電圧と
充電制御側設定電圧の両方で電気二重層コンデンサの過
充電防止を図ることが可能となる。また、何らかの理由
で回路に故障が生じた場合も、電気二重層コンデンサの
過充電を防止することが可能となる。
【0072】請求項3によると、電解液のイオン濃度
を、充電電圧と電極膨張率との関係曲線により設定する
と、設定した充電電圧における電極の膨張率を考慮して
電極の充填率を定めることが可能となるので、電極のエ
ネルギ密度を増加させることが可能となる。また、電解
液のイオン濃度を、充電電圧と発生荷重との関係曲線に
より設定すると、電気二重層コンデンサを構成するケー
スの強度を最適化する、すなわち同一の材料において肉
薄にすることが可能となるので、電気二重層コンデンサ
全体の重量を軽量化することが可能となる。
【0073】請求項4によると、易黒鉛化材料を炭化し
た後アルカリ賦活して得られた活性炭、特にメソフェー
ズピッチをアルカリ賦活して得られた活性炭は単位体積
当たりの静電容量が大きく、これを電気二重層コンデン
サの分極性電極に使用すると、静電容量の大きい、すな
わち小さい大きさで大容量の電気二重層コンデンサを提
供することが可能となる。本発明の電気二重層コンデン
サ用電解液の調製方法を、メソフェーズピッチをアルカ
リ賦活して得られた活性炭を使用した電気二重層コンデ
ンサに適用することにより、メソフェーズピッチをアル
カリ賦活して得られた活性炭が膨張する膨張率や発生荷
重等の最大値を制御することが可能となるので、電気二
重層コンデンサにおけるケース等の耐性の軽減を図るこ
とが可能となる。
【0074】請求項5によると、本発明の電気二重層コ
ンデンサ用電解液を電気二重層コンデンサに使用する
と、通常使用される電圧範囲を超えて、電気二重層コン
デンサが過充電された際に、限界電圧以下で設定された
電解液の設定電圧値で電解液中に実質的にイオンが存在
しなくなる。そのため、電解液が絶縁体となり、電気二
重層コンデンサへの充電は停止される。したがって、こ
の設定電圧を超えて電気二重層コンデンサに充電される
ことがなくなる
【0075】請求項6によると、本発明の電気二重層コ
ンデンサ用電解液は、設定電圧値で電解液が絶縁体とな
り、電気二重層コンデンサへの充電が停止されるので、
この設定電圧を超えて電気二重層コンデンサに充電され
ることがなくなる
【0076】請求項7によると、易黒鉛化材料を炭化し
た後アルカリ賦活して得られた活性炭、特にメソフェー
ズピッチをアルカリ賦活して得られた活性炭の膨張率や
発生荷重等の最大値を制御することが可能となる。その
ため電気二重層コンデンサのケースの耐性と分極性電極
の充填量とのバランスがとれた大容量の電気二重層コン
デンサを提供することが可能となる。換言すると、小
型、軽量でかつ大容量の電気二重層コンデンサを提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気二重層コンデンサの一例を示す図面であ
る。
【図2】電気二重層コンデンサの充放電防止回路の一例
を示す回路図である。
【図3】電気二重層コンデンサの充電電圧と電解質液中
のイオン濃度(モル濃度)との関係および充電電圧と電
解質中の抵抗値を示すグラフである。
【図4】電気二重層コンデンサの充電電圧と電極膨張率
の関係を示すグラフである。
【図5】電気二重層コンデンサの充電電圧と発生中との
関係を示すグラフである。
【図6】電気二重層コンデンサの基本構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 電気二重層コンデンサ 2 容器 3 電極巻回体 4 有底筒形本体 5 端子板 6、7 端子 9 第1帯状電極体 10 第2帯状電極体 17 帯状セパレータ 18 帯状セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤野 健 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液、電極およびこれらを収納するケ
    ースから構成され、所定の電圧範囲内で充放電を繰り返
    す電気二重層コンデンサ用の電解液の調製方法であっ
    て、 前記電解液を、前記所定の電圧範囲の上限以上でかつ限
    界電圧以下で設定した電解液側の設定電圧値において、
    前記電解液が絶縁体となるようなイオン濃度に調整する
    ことを特徴とする、電気二重層コンデンサ用電解液の調
    製方法。
  2. 【請求項2】 前記電気二重層コンデンサは、所定の充
    電制御側設定電圧を有する充電制御回路に接続されて使
    用され、前記電解液側の設定電圧を充電制御側設定電圧
    以上でかつ前記限界電圧以下の範囲で設定することを特
    徴とする、請求項1に記載の電気二重層コンデンサ用電
    解液の調製方法。
  3. 【請求項3】 前記電解液のイオン濃度を、充電電圧と
    電極膨張率との関係曲線または充電電圧と発生荷重との
    関係曲線に基づいて設定することを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の電気二重層コンデンサ用電解液
    の調製方法。
  4. 【請求項4】 前記電極が易黒鉛化材料を炭化した後ア
    ルカリ賦活して得られた活性炭から構成されていること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記
    載の電気二重層コンデンサ用電解液の調製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載の電気二重層コンデンサ用電解液の調製方法により
    調製された電気二重層コンデンサ用電解液。
  6. 【請求項6】 電解液、電極およびこれらを収納するケ
    ースから構成され、所定の電圧範囲内で充放電を繰り返
    す電気二重層コンデンサであって、前記電解液が請求項
    5に記載の電気二重層コンデンサ用電解液から構成され
    たことを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  7. 【請求項7】 前記電極が易黒鉛化材料を炭化した後ア
    ルカリ賦活して得られた活性炭から構成されたことを特
    徴とする請求項6に記載の電気二重層コンデンサ。
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