JP2003257081A - 相変化光記録媒体 - Google Patents

相変化光記録媒体

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JP2003257081A
JP2003257081A JP2002054739A JP2002054739A JP2003257081A JP 2003257081 A JP2003257081 A JP 2003257081A JP 2002054739 A JP2002054739 A JP 2002054739A JP 2002054739 A JP2002054739 A JP 2002054739A JP 2003257081 A JP2003257081 A JP 2003257081A
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JP2002054739A
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Masahito Uchida
雅人 内田
Toshio Inao
俊雄 稲生
Masanori Kogo
雅則 向後
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高線速における消去率が高く、さらに、高記
録感度及び高い記録マーク安定性を有する相変化光記録
媒体を提供する。 【解決手段】 記録層の結晶相とアモルファス相との間
の可逆的な相変化を利用して、情報の記録・消去を行な
う相変化光記録媒体において、保護層を、酸化物のい
ずれか1種以上と、炭化物のいずれか1種以上とから
構成し、保護層を構成する前記酸化物の酸素ではない元
素のXPSピーク位置(n)が、化学量論組成のときの
ピーク位置を0、単体の時のピーク位置を1としたと
き、n=0.01〜0.7である膜により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は書き換えが可能な光
情報記録媒体のなかで、レーザービーム等によって情報
の記録、再生および消去を行なう相変化光記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】相変化型光ディスクは書き換え可能な光
記録ディスクの一種であり、記録層の可逆的な相変化
(多くは結晶−アモルファス間)によって情報を記録す
るものである。単一ヘッドにより単層記録膜で光変調オ
ーバーライトが可能であり、また、相変化に伴う反射率
の変化により信号を読み取るので、CD−ROM等の既
存の光記録ディスクとの互換性が高い等の特徴を有する
ことから、書き換え可能な光記録ディスクとして近年盛
んに研究開発がなされており、書き換え可能なDVDに
応用されている。
【0003】相変化型光記録ディスク等の相変化光記録
媒体は、一般に、記録層の結晶相(消去状態)上にレー
ザービームによってアモルファス相の記録マークを形成
することによって記録を行ない、結晶相とアモルファス
相との反射率の差を検出することによって再生信号を得
る。また、信号記録の際のレーザービームの強度をアモ
ルファス化の強度(ピークパワー)と結晶化の強度(バ
イアスパワー)との間で強度変調させることにより(図
1参照)、単一ビーム、単層記録膜の組み合わせで光変
調オーバーライト(ダイレクトオーバーライト:DO
W)が可能であり、大容量かつ高速転送レートの記録デ
ィスクを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】相変化光記録媒体では
上述のようにダイレクトオーバーライト(DOW)が可
能であり、酸化物を保護層とすることにより高線速での
消去率特性が良くなる。しかし、酸化物を保護層とする
と記録感度が低くなり、信号記録に高いパワーが必要で
ある。
【0005】本発明は、高線速において消去率が良く、
高感度で記録マーク安定性の良い相変化光記録媒体を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、基板上に保護
層、記録層を含む多層膜を形成し、この記録層の結晶相
とアモルファス相との間の可逆的な相変化を利用して、
情報の記録・消去を行なう相変化光記録媒体において、
保護層を特定の成分からなる膜とすることにより高記録
感度で、かつ、高線速における消去率が向上することを
見出し、さらに、保護層の成分比を特定の範囲とするこ
とによりさらに上記効果が向上することを見出し、また
さらに、成膜雰囲気を制御することで記録マーク安定性
が向上することを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、基板上に保護層、記
録層を含む多層膜を形成し、この記録層の結晶相とアモ
ルファス相との間の可逆的な相変化を利用して、情報の
記録・消去を行なう相変化光記録媒体において、前記保
護層が酸化物から選ばれる1種以上の物質、および炭化
物から選ばれる1種以上の物質から構成され、前記酸化
物の少なくとも1つの酸化物の酸素ではない元素をAと
したとき、保護層を構成する酸化物のAのX線光電子分
光スペクトル(XPS)のピーク位置をn、Aが化学量
論的に酸化物を形成したときのAのXPSのピーク位置
を0、Aの単体のXPSのピーク位置を1としたとき、
nが0.01〜0.7の範囲にあり、かつ、前記保護層
が前記記録層に接して形成されていることを特徴とする
相変化光記録媒体に関する。
【0008】なお、上記保護層は、下記A群の元素の酸
化物を少なくとも1種以上含むことが望ましい。
【0009】A群:Ta、Al、Nb、Si、Ti また、上記保護層は下記B群の元素の炭化物を少なくと
も1種以上含むことが望ましい。
【0010】B群:Ta、Al、Nb、Si、Ti さらに、上記保護層中の炭化物の含有量が1〜40mo
l%であることが望ましく、より望ましくは1〜30m
ol%、さらに望ましくは1〜25mol%である。
【0011】また、上記記録層はGe、Sb及びTeの
合金、あるいはこの合金を主成分とする材料により構成
されていることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。
【0013】図2は本発明の相変化光記録媒体の一例の
構造を示す部分断面図である。図2の相変化光記録媒体
は、基板21上に、第一保護層22、記録層23、第二
保護層24、反射層25が積層されている。
【0014】基板21としては使用するレーザーの波長
領域において十分透明であり、機械特性などの媒体基板
としての特性を満たすものであれば特に限定されず、ガ
ラス、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン
等を用いることができる。
【0015】第一保護層22、および、第二保護層24
は、酸化物から選ばれる1種以上の物質、および炭化物
から選ばれる1種以上の物質から構成され、前記酸化物
の少なくとも1つの酸化物の酸素ではない元素をAとし
たとき、保護層を構成する酸化物のAのX線光電子分光
スペクトル(XPS)のピーク位置をn、Aが化学量論
的に酸化物を形成したときのAのXPSのピーク位置を
0、Aの単体のXPSのピーク位置を1としたとき、n
が0.01〜0.7の範囲にある物質から構成される膜
からなる。
【0016】例えば、図8に示す酸化タンタルの場合で
は、Taが化学量論的に酸化物を形成したTa25のT
aのXPSのピーク位置を0、金属タンタルのXPSの
ピーク位置を1として、保護層を構成する酸化物のTa
のXPSのピーク位置nを算出する。
【0017】後述のように、保護層を、このnが0.0
1〜0.7の範囲にある物質により構成することによ
り、記録感度と消去率のバランスが優れ、かつ、記録マ
ークの安定性が良好な相変化光記録媒体を得ることがで
きる。このnのより好ましい範囲は0.1〜0.7であ
り、さらに好ましい範囲は0.2〜0.6である。
【0018】上記nの値は、成膜時のスパッタリングガ
スを酸化性雰囲気、還元性雰囲気などと変化させること
により制御することが可能である。
【0019】保護層に炭化物を加えることにより、消去
率特性を悪化させずに高感度を得ることが出来るが、こ
れは低熱伝導性が関与していることが考えられる。
【0020】上記nの値が0.7〜1の範囲にのみXP
Sのピークが存在するような膜では光透過性が小さくな
り光記録媒体の保護層としての使用は望ましくない。
【0021】上記の保護層は、下記A群の元素の酸化物
を少なくとも1種以上含むことが望ましく、また、下記
B群の元素の炭化物を少なくとも1種以上含むことが望
ましい。
【0022】 A群:Ta、Al、Nb、Si、Ti B群:Ta、Al、Nb、Si、Ti 上記保護層に含まれる炭化物の総含有量は1〜40mo
l%が好ましく、より好ましくは、1〜30mol%、
さらに好ましくは1〜25mol%の範囲である。含有
量が40mol%を超えると膜の消衰係数(k)が大き
くなる場合が有り、透明度が悪くなって相変化光記録媒
体として現実的ではなくなる。
【0023】記録層23には、GeSbTe系薄膜、I
nSbTe系薄膜等の可逆的相変化を有する膜を使用す
ることができるが、Ge、SbおよびTeの合金、ある
いはこの合金を主成分とする材料を使用することが好ま
しい。記録層と、少なくとも一方の保護層は接するよう
に形成する。記録層と上記保護層を接して形成すること
により、接触面(界面)において結晶核生成が促進さ
れ、結晶化がより早く進行する。記録層としてGeSb
Te系薄膜、InSbTe系薄膜等を使用することが出
来るが、GeSbTe系薄膜の結晶化は核生成が主体と
なって起きるため上記保護層を有する本発明の相変化光
記録媒体の記録層として特に好ましい。
【0024】反射層25はAl合金やAg合金等の使用
するレーザーの波長域において反射率の高い膜から構成
される。
【0025】上記第一保護層、第二保護層は記録層を保
護する役割のほかに記録層への光吸収効率を高めたり、
また、記録前後の反射光の変化量を大きくする役割も有
するためこれらの厚さは使用するレーザー波長や、記録
層の膜厚などを考慮して最適になるように設計する。
【0026】なお、本発明の相変化光記録媒体は、上述
の構造の他、第一保護層、あるいは、第二保護層のみに
上記保護層を使用し、他方は別の物質からなる保護層を
形成したものであっても良く、また、膜形成順序を逆に
した、いわゆる、表面再生型光記録媒体であっても良
い。
【0027】以上の第一保護層、第二保護層、記録層、
反射層はDCスパッタリング法、RFスパッタリング
法、真空蒸着法等の真空成膜技術により成膜することが
できる。
【0028】さらに、これらの層を形成した後、その上
に、必要に応じて合成樹脂等からなる保護コート層を形
成しても良い。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0030】(実施例1)以下に示すようにして、図3
に示すような構造の相変化光記録媒体を製造した。0.
7μmの幅の溝を1.4μmピッチで形成したポリカー
ボネート製のディスク状の基板31上に第一保護層32
(膜厚:100nm)をTa25ターゲット(4インチ
φ)上にTaC材料(10mmφ)を3個及びSiC材
料(10mm角)を3個のせて、スパッタリングガスと
してアルゴンと酸素の混合ガスを用いてRFスパッタリ
ングすることにより形成した。この後、Ge2Sb2Te
5からなる記録層33(膜厚:20nm)をGe2Sb2
Te5合金ターゲットのDCスパッタリングにより形成
した。さらに第二保護層34(膜厚:20nm)を第一
保護層と同条件でRFスパッタリングすることにより形
成した。この後、反射層35(膜厚:100nm)をA
l−3wt%CrターゲットをDCスパッタリングする
ことにより形成した。この上に、保護コート層36とし
て紫外線硬化樹脂を10μmの厚みに形成して相変化光
記録媒体を完成させた。
【0031】以上のような構造で保護層形成の際のアル
ゴンと酸素の混合ガス雰囲気の混合比(体積比)を変化
させて相変化光記録媒体を作製した(実施例1サンプル
1〜7)。
【0032】また、実施例1で作製された保護層を同条
件で0.5μm成膜したサンプルをXPSで測定したと
ころ、Ta25とTaCとSiOxの存在が確認され
た。
【0033】(比較例1)スパッタリングガスとしてア
ルゴン対酸素が65対35(体積比)の混合ガスを用い
たこと以外は、実施例1と同様の方法で相変化光記録媒
体を作製した。
【0034】(比較例2)スパッタリングガスとしてア
ルゴンと水素の混合ガスを用いたこと以外は、実施例1
と同様の方法で相変化光記録媒体を作製した。
【0035】(比較例3)第一保護層、および第二保護
層形成時にTa25ターゲットのみを使用し、スパッタ
リングガスとしてアルゴン対酸素が98対2(体積比)
の混合ガスを用いて形成したこと以外は、実施例1と同
様の方法で相変化光記録媒体を作製した。
【0036】(実施例2)第一保護層、および第二保護
層形成時のTa25ターゲットの代わりにAl23ター
ゲット(実施例2サンプル1)、Nb25ターゲット
(実施例2サンプル2)、SiO2ターゲット(実施例
2サンプル3)、TiO2ターゲット(実施例2サンプ
ル4)、In23ターゲット(実施例2サンプル5)、
MgOターゲット(実施例2サンプル6)、ZrO2
ーゲット(実施例2サンプル7)、ZnOターゲット
(実施例2サンプル8)を使用し、前記保護層をスパッ
タリングガスとしてアルゴン対酸素が98対2(体積
比)の混合ガスを用いて形成したこと以外は、実施例1
と同様の方法で相変化光記録媒体を作製した。
【0037】(実施例3)第一保護層、および第二保護
層形成時のTaC材料をSiC材料(実施例3サンプル
1)、Al43材料(実施例3サンプル2)、TiC材
料(実施例3サンプル3)、NbC材料(実施例3サン
プル4)、ZrC材料(実施例3サンプル5)とし、前
記保護層をスパッタリングガスとしてアルゴン対酸素が
98対2(体積比)の混合ガスを用いて形成したこと以
外は、実施例1と同様の方法で相変化光記録媒体を作製
した。
【0038】(実施例4)第一保護層、および第二保護
層形成時のTaC材料とSiC材料をSiC材料のみに
し、SiC材料の個数を変化させ、スパッタリングガス
としてアルゴン対酸素が98対2(体積比)の混合ガス
を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で相変化光
記録媒体を作製した(実施例4サンプル1〜8)。
【0039】(実施例5)記録層をGe2Sb2Te5
かわりにGe1Sb2Te4(実施例5サンプル1)、G
1Sb4Te7(実施例5サンプル2)、AgInSb
Te合金(Ag:4atom%、In:6atom%、
Sb:61atom%、Te:29atom%)(実施
例5サンプル3)とし、第一保護層、および第二保護層
をスパッタリングガスとしてアルゴン対酸素が98対2
(体積比)の混合ガスを用いて形成したこと以外は、実
施例1と同様の方法で相変化光記録媒体を作製した。
【0040】(実施例6)第二保護層34(膜厚:20
nm)をZnS−20mol%SiO2ターゲットを使
用し、スパッタリングガスとしてArのみを用いRFス
パッタリングで形成し、第一保護層32(膜厚:100
nm)をTa25ターゲット(4インチφ)上にTaC
材料(10mmφ)を3個及びSiC材料(10mm
角)を3個のせ、アルゴン対酸素が98対2(体積比)
の混合ガスを用いてRFスパッタリングしたこと以外
は、実施例1と同様の方法で相変化光記録媒体を作製し
た。
【0041】(実施例7)第一保護層32(膜厚:10
0nm)をZnS−20mol%SiO2ターゲットを
使用し、スパッタリングガスとしてArのみを用いRF
スパッタリングで形成し、第二保護層34(膜厚:20
nm)をTa25ターゲット(4インチφ)上にTaC
材料(10mmφ)を3個及びSiC材料(10mm
角)を3個のせ、アルゴン対酸素が98対2(体積比)
の混合ガスを用いてRFスパッタリングしたこと以外
は、実施例1と同様の方法で相変化光記録媒体を作製し
た。
【0042】(実施例8)基板上の膜形成順を反射層
(膜厚:100nm)、第一保護層(膜厚:20n
m)、記録層(膜厚:20nm)、第二保護層(膜厚:
100nm)とし、この上に0.1mmの保護コート層
を形成した以外は、実施例1と同様の方法で逆構成の表
面再生型相変化光記録媒体を作製した。
【0043】(比較例4)第一保護層32(膜厚:10
0nm)及び、第二保護層34(膜厚:20nm)をZ
nS−20mol%SiO2ターゲットを使用し、スパ
ッタリングガスとしてアルゴンのみを用いRFスパッタ
リングで形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で
相変化光記録媒体を作製した。
【0044】実施例1〜7及び比較例1〜4の相変化光
記録媒体を初期化装置を使用して記録層の初期結晶化を
行なった。
【0045】次に、記録層を結晶化させた領域のトラッ
ク上に、線速度6m/sで0.6μmの長さのアモルフ
ァスマークを記録した(記録ピッチ:1.2μm、レー
ザー波長:680nm、NA:0.55)。この記録の
際、図4に示すようなオフパルスを付加したレーザー変
調パターンを使用し、オフパルスパワー(Poff)お
よび再生パワー(Pr)を1mW、また、ピークパワー
の幅を50ns、オフパルスの幅は33nsとした。バ
イアスパワー(Pb)を5mWとしてピークパワー(P
p)を変化させアモルファスマークを記録し、CNRが
最大となるPpを最適Pp(Pp0)とした。次に、P
b=5mW、Pp=Pp0としてアモルファスマークを
記録し、種々のパワーのレーザービームを照射してアモ
ルファスマークを消去した。この時、消去前後でのキャ
リアレベルの差を消去率として測定し、消去率が最大と
なるレーザーパワーを最適Pb(Pb0)とした。次
に、Ppを(Pp0−1)mW、Pbを(Pb0−1)m
Wとしてアモルファスマーク(マーク長:0.6μm)
を記録し、(Pb0−1)mWのレーザーで消去する。
この記録−消去を1トラック当たり20回行なった(以
下、この工程を初期化処理と呼ぶ)。
【0046】初期化処理したトラックに対して、Pb=
Pb0mWとして、線速度6m/sでアモルファスマー
ク(マーク長:0.6μm)を記録した。また、初期化
処理したトラックに対して、線速度6m/sで0.6μ
mの長さのアモルファスマークをPr=1mW、Pof
f=1mW、Pp=Pp0、Pb=Pb0のレーザーパワ
ーで記録し(記録ピッチ:1.2μm)、この記録マー
クを消去パワーで消去し、消去前後でのキャリアレベル
の差を消去率として測定した。
【0047】スパッタリングガスのアルゴン:酸素を9
5:5としたサンプル(実施例1サンプル4)のCNR
の記録パワー(Pp)依存性(以下パワーカーブと呼
ぶ)を図5に示す。パワーカーブがCNR=30dBと
交わる交点を各々のサンプルの記録感度(Pth)とし
て定義した。
【0048】実施例1においてスパッタリングガスのア
ルゴンと酸素の比を100:0〜65:35まで変化さ
せたときのTaとSiのXPSピーク位置(n)と記録
感度(Pth)、及び線速12m/sでの消去率を表1
に示す。消去率は25dB以上あれば実用の面で問題な
く、28dB以上であればさらに好ましい。
【0049】
【表1】 表1から本発明の保護層では、比較例に比べて記録感度
と消去率のバランスの面で良好な特性が得られている。
SiのXPSピーク位置が0.2〜0.6の範囲であれ
ばさらに良い特性が得られている。また、比較例1に示
したようにXPSのピーク位置が0.7を越えるような
ものは記録感度が低く、消去率も小さい。
【0050】また、実施例1−7サンプルを80℃の温
度に保った恒温槽に投入し、CNRが投入前の初期の値
から2dB減少する時間(T-2dB)を測定した。同様の
測定を90℃、70℃でも行い、横軸に温度、縦軸にT
-2dBの対数値を用いて作成したものを図6に示す。図6
において、外挿により室温(25℃)でのT-2dBを求め
た。実施例1のその他のサンプル、比較例1及び、比較
例2のサンプルについても同様の測定を行い、横軸にS
iのXPS測定で求めたnの値、縦軸に25℃でのT
-2dBの対数値を用いて作成したものを図7に示す。
【0051】図7より、記録マーク安定性の観点から、
nが0.01以上でT-2dBが実用上問題ない値となって
いることが分かる。また、0.7以上でもT-2dBは良い
値を示しているが、表1に示したように記録感度、消去
率の点で劣っているため、nの値の範囲としては0.0
1〜0.7が有効であることが分かる。
【0052】また、実施例2、3についても、Pth及
び消去率及びSiのXPS測定を行った。この結果をそ
れぞれ表2、3に示す。また、比較のため実施例1サン
プル3、比較例3及び、比較例4のサンプルの測定結果
もあわせて示している。
【0053】
【表2】
【表3】 表2、3から本発明の保護層は、比較例より消去率が高
いことが分かる。またTa、Al、Nb、Si又はTi
のいずれかの酸化物が含まれていたり、Ta、Al、N
b、Si又はTiのいずれかの炭化物が含まれると消去
率特性と記録感度のバランスが良くなり特に良好である
ことがわかる。
【0054】また、実施例4および比較例3についてP
th及び消去率測定を行った。この結果を表4に示す。
また、比較のため比較例3のサンプルの測定結果もあわ
せて示している。
【0055】
【表4】 SiCの組成は同条件で形成した保護層のEPMAある
いは蛍光X線分析から求めた。また、実施例4のサンプ
ルについて、SiのXPS測定を行ったところ、nの値
は0.4〜0.6の範囲であった。表4から、SiCの
量が1〜40mol%の範囲で消去特性、記録感度のバ
ランスの点で良好な特性となっており、1〜25mol
%の範囲では特に良好である。
【0056】また、実施例5について消去率を測定した
結果を表5に示す。表5には、比較のため実施例1サン
プル3及び、比較例4のサンプルの測定結果もあわせて
示している。
【0057】
【表5】 この結果からAgInSbTe系記録層に比べてGeS
bTe系記録層の方が消去率が高いことが分かる。
【0058】また、実施例6および実施例7について消
去率を測定した結果を表6に示す。表6には、比較のた
め比較例4のサンプルの測定結果もあわせて示してい
る。
【0059】
【表6】 この結果から第一保護層と第二保護層のいずれか一方に
本発明で規定する保護層があれば、良好な消去率特性が
得られることが分かる。
【0060】また、実施例8のサンプルについて、記録
再生テストを行ったところ、良好なCNR、および消去
率が得られ、表面再生型光記録媒体として使用可能であ
ることが確認された。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、高記録感度で、かつ、
高線速において消し残りが少なく、消去率特性が良く、
記録マーク安定性に優れた相変化光記録媒体を得ること
ができ、高転送レートで記録マーク安定性のよい相変化
型光ディスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録再生装置のレーザーパワーの関係を示す図
である。
【図2】本発明の相変化光記録媒体の一例の構造を示す
部分断面図である。
【図3】本発明の実施例および比較例の相変化光記録媒
体の構造を示す部分断面図である。
【図4】0.6μmのマーク記録に使用したレーザーパ
ワーの関係を示す図である。
【図5】実施例1のサンプルのCNRのピークパワー依
存性を示す図である。
【図6】実施例1のサンプルのCNRが2dB減少する
時間の温度依存性を示す図である。
【図7】実施例1、比較例1、2の各サンプルの25℃
でのCNRが2dB減少する時間をnに対してプロット
した図である。
【図8】保護層を構成するTa酸化物、Ta25及びT
aメタルのXPSのピーク位置の関係を示す図である。
【符号の説明】
21、31:基板 22、32:第一保護層 23、33:記録層 24、34:第二保護層 25、35:反射層 36:保護コート層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に保護層、記録層を含む多層膜を
    形成し、光学的に情報の記録・消去・再生を行なう相変
    化光記録媒体において、前記保護層が酸化物から選ばれ
    る1種以上の物質と、炭化物から選ばれる1種以上の物
    質とから構成される膜からなり、前記酸化物の少なくと
    も1つの酸化物の酸素ではない元素をAとしたとき、保
    護層を構成する酸化物のAのX線光電子分光スペクトル
    (XPS)のピーク位置をnとし、Aが化学量論的に酸
    化物を形成したときのAのXPSのピーク位置を0と
    し、Aの単体のXPSのピーク位置を1としたとき、n
    が0.01〜0.7の範囲にあり、かつ、前記保護層が
    前記記録層に接して形成されていることを特徴とする相
    変化光記録媒体。
  2. 【請求項2】 保護層が、下記A群の元素の酸化物を少
    なくとも1種以上含むことを特徴とする請求項1に記載
    の相変化光記録媒体。 A群:Ta、Al、Nb、Si、Ti
  3. 【請求項3】 保護層が、下記B群の元素の炭化物を少
    なくとも1種以上含むことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の相変化光記録媒体。 B群:Ta、Al、Nb、Si、Ti
  4. 【請求項4】 保護層中の炭化物の総含有量が1〜40
    mol%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の相変化光記録媒体。
  5. 【請求項5】 記録層がGe、Sb及びTeの合金、あ
    るいはこの合金を主成分とする材料により構成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の相変化光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006043625A1 (ja) * 2004-10-20 2006-04-27 Fujifilm Corporation 光記録媒体

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