JP2003254918A - 単結晶体の方位測定装置、この装置におけるガイド部材の角度誤差の検出方法及び単結晶体の方位測定方法 - Google Patents

単結晶体の方位測定装置、この装置におけるガイド部材の角度誤差の検出方法及び単結晶体の方位測定方法

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JP2003254918A
JP2003254918A JP2002056948A JP2002056948A JP2003254918A JP 2003254918 A JP2003254918 A JP 2003254918A JP 2002056948 A JP2002056948 A JP 2002056948A JP 2002056948 A JP2002056948 A JP 2002056948A JP 2003254918 A JP2003254918 A JP 2003254918A
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JP2002056948A
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Hikari Echizenya
光 越前屋
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カット面測定のようにX線を端面に照射して
行う方位測定と、オリフラ面の方位測定のようにX線を
外周面に照射して行う方位測定とを、共通の測定装置に
よって、しかも測定物の着け変えを行う必要なく、実行
できるようにする。 【解決手段】 ω軸線を中心として回転可能であり単結
晶体Sに照射するX線を発生するX線源Fと、ω軸線を
中心として回転可能なX線検出器9と、X線源F、X線
検出器9及びω軸線を、そのω軸線と略直角なχ軸線を
中心として一体に回転移動させる回転駆動機構と18,
19,20とを有する装置である。この回転駆動機構
は、ω軸線が単結晶体Sの軸線X0に対して略直角にな
る位置と、ω軸線が軸線X0に対して略平行になる位置
との間で、X線源F、X線検出器9及びω軸線を一体に
回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶体の結晶方
位を測定する単結晶体の方位測定装置及びその測定方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶体を種々の方向に切って機械的性
質、光学的性質、電気的性質及び磁気的性質の各性質を
比較すると、それらの性質が切断方向によって種々に異
なることが知られている。最近の工業分野では、このよ
うな結晶の特性を積極的に利用して、様々な機能を有す
る素子を得ている。これらの素子を安定して動作させ、
品質の揃ったものにするためには、出発材料の結晶を一
定の方位で切り出す必要があり、方位測定が工学的に重
要である。
【0003】一般に、方位測定とは、結晶を含む物質の
外形を代表する座標に対して主要な結晶がどう取り付い
ているかを調べることである。より具体的には、上記の
座標における基準位置に対する格子面法線の方位を、例
えば角度のずれとして測定することである。このような
方位測定が必要となる場合として、例えば、単結晶イン
ゴットや単結晶ウエハに関する方位測定がある。
【0004】例えば、半導体ICの基礎材料となる単結
晶ウエハを製造する場合を考えると、このウエハは単結
晶インゴットを軸線に対してほぼ直角方向にスライス、
すなわち切断することによって形成される。この単結晶
インゴットは、ルツボから引き上げられた状態では、図
18(a)に符号100で示すようにほぼ円筒状をして
おり、両端がとがっている。この未加工のインゴット1
00は両端を切断されて図18(b)に示すように端面
101と未加工の外周面102とを有する両端カットイ
ンゴット103となる。
【0005】その後、図18(c)に示すように、切削
加工によってオリエンテーションフラット面(以下、オ
リフラ面という)105を形成すると共に、研削加工に
よって外周面104を形成することにより、加工済みイ
ンゴット106となる。なお、オリフラ面に代えて、溝
であるオリエンテーションノッチが形成されることもあ
る。加工済みインゴット106を、オリフラ面105及
び外周面104を基準として支持しながら、軸線X0に
対してほぼ直角方向に薄く切断することにより、円盤形
状のウエハを作製することができる。
【0006】図18(a)の未加工インゴット100か
ら図18(c)の加工済みインゴット106を作製する
場合には、例えば図19に示すような一連の処理が実行
される。すなわち、まず未加工インゴット100の両端
面を切り落として両端カットインゴット103を形成す
る(工程P1)。次に、図20(a)のように、両端カ
ットインゴット103の外周側面102を一対のローラ
108に載せてインゴット103を矢印A方向へ連続的
又は間欠的に外周面基準で回転させながら入射X線R0
を外周面に入射させ、回折X線R1が出たときにはそれ
を検出して格子面Lを特定する(工程P2)。そして、
この状態で、マーキング治具を用いてインゴット103
の適所、例えば端面にマーキング、例えば直線のマーキ
ングを行う。これにより、格子面Lの方向をマーキング
によって付けられたマークによって表示することができ
る(工程P3)。
【0007】次に、マーキング後のインゴット103を
切断機等といった加工機に持ち運び、さらにそのインゴ
ット103の端面に付けられたマークを基準にして加工
位置に装着する。そして、例えば切削加工を行ってオリ
フラ面105を形成し、さらに、例えば研削加工を行っ
て外周面104を形成する(工程P4)。これにより、
加工済みインゴット106が形成され、結果的に、格子
面に対して特定の位置関係でオリフラ面105及び外周
面104が形成される。
【0008】次に、図20(b)に示すように、オリフ
ラ面105を基準面109に合せてインゴット106を
支持した状態で入射X線R0を外周面に照射し、回折X
線R1が出たときにはそれを検出して、オリフラ面10
5に対する結晶方位のずれ、すなわち格子面Lのずれを
測定する(工程P5)。
【0009】さらに、図21の(a)から(d)に示す
ように、加工済みインゴット106をローラ108によ
って外周面基準で支持した上で、インゴット106を軸
線X0の周りに0°、90°、180°、270°の間
で間欠的に回転させながら、その各々の状態においてイ
ンゴット106の端面に入射X線R0を入射して、回折
X線R1が出るときにはそれを検出する。これにより、
結晶方位に対するカット面の角度が規定通りに正確にな
っているかどうかの検査、いわゆるカット面検査を行っ
ている(工程P6)。
【0010】より、具体的には、図21に示す(a)、
(b)、(c)、(d)の4つの状態において、回折を
起こす入射角をそれぞれω0,ω90,ω180,ω2
70とすると、0°位置と180°位置とを直線で結ぶ
方向に関しての格子面の傾きδ1は δ1=(ω0−ω180)/2 によって求められる。また、90°位置と270°位置
とを直線で結ぶ方向に関しての、すなわちδ1に関する
方向と直角方向の格子面の傾きδ2は δ2=(ω90−ω270)/2 によって求められる。
【0011】こうして求められたδ1及びδ2により、
インゴット106の外周面104を基準とした場合の格
子面の結晶方位のずれが特定される。なお、互いに直角
の位置関係にある4つの位置に関するX線入射角度ω
0,ω90,ω180,ω270に基づいて互いに直交
する2方向の傾きδ1、δ2を求めることによって結晶
方位のずれを測定するようにしたのは次の理由による。
【0012】仮に、入射X線と格子面法線と回折X線と
が作る「回折平面」と、入射X線R0の回転の中心であ
るω軸線に垂直で入射X線R0とインゴット103の端
面の法線とを含む「装置面」すなわち「赤道面」とが互
いに平行であれば、1回の測定だけで正確な格子面の傾
きを求めることができる。しかしながら、実際は、回折
平面と赤道面とは平行でないのが一般的であり、それ
故、1回の測定だけでは正確な格子面の傾きを求めるこ
とができないからである。
【0013】以上のように、図18(c)に示す加工済
みインゴット106に関しては、図20(a)に示すよう
にして、インゴット103の外周面102を基準とした
結晶方位のずれが測定されたり、図20(b)に示すよ
うにして、オリフラ面105を基準とした結晶方位のず
れが測定されたりする。これにより、単結晶インゴット
106に関する格子面の結晶方位の情報が、ある程度十
分に求められることになる。しかしながら、インゴット
106からウエハを切り出すにあたっては、上記のよう
にX線を外周面に照射して行う方位測定に加えて、X線
を端面、すなわちカット面に照射して行う方位測定によ
って得られる情報があることが望ましい。
【0014】以上のように、単結晶インゴットに関して
格子面の方位を測定する場合には、インゴットの外周面
にX線を照射して行う方位測定と、インゴットの端面、
すなわちカット面にX線を照射して行う方位測定との両
方が必要である。そして、従来、それら種類の異なった
方位測定を行うにあたっては、それぞれの測定に適した
構成の専用のX線回折装置を用意していた。また、1つ
のX線回折装置に対して、外周面をX線照射面とするた
めのアタッチメントと端面をX線照射面とするためのア
タッチメントとをそれぞれに準備しておき、必要に応じ
てそれぞれのアタッチメントの中から1つを選択して使
用するという方法もあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、異なる
構造のX線回折装置を複数設けたり、あるいは、異なる
構造のアタッチメントを複数設けたりする従来の方位測
定装置は、経費が非常に高くなるという問題があった。
また、それらの従来の方位測定装置を用いる場合には、
測定対象である単結晶体を測定方法を変えるたびに着け
変えなければならず、それ故、作業が非常に面倒である
という問題もあった。
【0016】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、カット面測定のようにX線を端面に照射
して行う方位測定と、オリフラ面の方位測定のようにX
線を外周面に照射して行う方位測定とを、共通の測定装
置によって、しかも測定物の着け変えを行う必要なく、
実行できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1)上記の目的を達成
するため、本発明に係る単結晶体の方位測定装置は、ω
軸線を中心として回転可能であり単結晶体に照射するX
線を発生するX線源と、前記ω軸線を中心として回転可
能なX線検出手段と、前記X線源、前記X線検出手段及
び前記ω軸線を、該ω軸線と略直角なχ軸線を中心とし
て一体に回転移動させるχ(カイ)移動手段とを有し、
前記χ移動手段は、前記ω軸線が前記単結晶体の軸線に
対して略直角になる位置と前記ω軸線が前記単結晶体の
軸線に対して略平行になる位置との間で、前記X線源、
前記X線検出手段及び前記ω軸線を一体に回転させるこ
とを特徴とする。
【0018】ここで、「略直角」又は「略平行」とは、
厳密に直角や厳密に平行の場合はもとより、直角や平行
からわずかにずれる場合でも機能的には違いがないよう
な場合をも含む意味である。
【0019】また、上記構成中、「前記X線源、前記X
線検出手段及び前記ω軸線を一体に回転させる」とは、
X線源、X線検出手段をω軸線を中心として回転可能な
関係を保った状態でχ軸線を中心として一体に回転移動
させることである。
【0020】この測定装置よれば、χ移動手段の働きに
より、X線源及びX線検出手段を有するX線光学系を測
定対象である単結晶体に対して、互いに略直角な2面間
で移動させることができるので、カット面測定のように
単結晶体の端面にX線を照射して行う方位測定と、オリ
フラ面の方位測定のように単結晶体の外周面にX線を照
射して行う方位測定とを、共通の測定装置によって、し
かも測定物の着け変えを行う必要なく、実行できる。
【0021】(2)なお、上記構成の単結晶体の方位測
定装置は、前記単結晶体を前記χ軸線に対して平行に移
動させる手段を有することが望ましい。この構成によれ
ば、単結晶体の平面内の任意の点をX線照射点、すなわ
ち測定点に持ち運ぶことができる。
【0022】(3)また、上記構成の単結晶体の方位測
定装置は、前記単結晶体を前記X線源によるX線の照射
点に近付き又は遠ざかる方向へ移動させる手段を有する
ことが望ましい。この構成によれば、単結晶体の軸線方
向の任意の点をX線照射点、すなわち測定点に持ち運ぶ
ことができる。
【0023】(4)また、上記構成の単結晶体の方位測
定装置は、前記単結晶体を面内回転させるφ回転手段を
有することが望ましい。この構成によれば、単結晶体の
測定面の入射X線に対する向きを変えることができるの
で、方位測定をより一層高精度に行うことができる。ま
た、特に、入射X線に対する面角度をφ=0°、90
°、180°、270°に変化させながら測定を行うカ
ット面測定を行うことができる。
【0024】(5)また、上記構成の単結晶体の方位測
定装置は、前記X線源と前記X線検出手段とを前記ω軸
線を中心として一体に回転させるω回転手段を有するこ
とが望ましい。この構成によれば、回折角度が分かって
いる単結晶体を測定対象にする場合であって、その測定
対象から回折X線を発生させてそれを検出する測定を迅
速且つ確実に行うことができる。
【0025】(6)上記構成の方位測定装置において、
前記ω回転手段は、前記X線源を前記ω軸線を中心とし
て回転させるX線源回転手段と、前記X線検出手段を前
記ω軸線を中心として回転させる検出器回転手段と、前
記ω軸線を中心とする前記X線源と前記X線検出手段と
の間の角度を一定に維持しながら前記X線源回転手段及
び前記検出器回転手段の動作を制御する制御手段とを有
することができる。
【0026】(7)また、上記構成の単結晶体の方位測
定装置は、前記単結晶体が測定位置、すなわちX線照射
位置に置かれたことを検知する検知手段を有することが
望ましい。この検知手段は、例えば、単結晶体が置かれ
る位置を挟んで配置される発光素子及び受光素子によっ
て構成できる。この構成によれば、単結晶体を常に一定
の位置に置いた状態で測定を行うことができるので、測
定の信頼性が向上する。
【0027】(8)また、上記構成の単結晶体の方位測
定装置は、前記単結晶体の側面に設けられたマークを検
出する手段を有することが望ましい。そしてこの場合、
前記マークはオリエンテーションフラット面又はオリエ
ンテーションノッチとすることができる。
【0028】マークを検出する手段を用いた上記構成に
よれば、単結晶体の側面を正確に測定位置、すなわちX
線照射点に置くことができるので、単結晶体の側面に関
する測定を正確に行うことができる。
【0029】(9)上記構成の単結晶体の方位測定装置
において、前記単結晶体を前記χ軸線に対して平行に移
動させる第1移動手段と、前記単結晶体を前記X線源に
よるX線の照射点に近付き又は遠ざかる方向へ移動させ
る第2移動手段と、前記単結晶体を面内回転させるφ回
転手段とを有する方位測定装置に関しては、前記X線
源、前記X線検出手段及び前記χ(カイ)移動手段によ
って構成されるユニットは、前記第1移動手段、前記第
2移動手段及び前記φ回転手段によって構成されるユニ
ットの上方に配置することができる。
【0030】この構成の方位測定装置は、単結晶体を支
持することになる前記第1移動手段、前記第2移動手段
及び前記φ回転手段から成るユニットがX線光学ユニッ
トの下方に位置することになるので、単結晶体の重量が
重い場合でもその単結晶体を安定して支持できる。
【0031】(10)また、上記構成の単結晶体の方位
測定装置は、前記単結晶体を支持する支持部材を有する
ことができ、前記単結晶体はその支持部材に固着するこ
とができる。この場合には、単結晶体のうち支持部材に
固着された面が基準面となり、この基準面を基準として
カット面測定やオリフラ面測定が行われる。
【0032】(11)また、上記構成の単結晶体の方位
測定装置は、前記単結晶体に固着される可動アタッチメ
ントと、該可動アタッチメントを着脱可能に支持する支
持部材とを有し、前記可動アタッチメントは固着した単
結晶体を異なる2方向へ移動できることが望ましい。
【0033】単結晶体の方位測定装置によって方位が測
定された単結晶体は、一般にその後、その方位測定装置
から取り外され、さらに、カット装置等といった加工機
に移されて加工を受ける。この際、上記構成のように、
可動アタッチメントによって単結晶体の姿勢を上記2方
向に関して自由に調節できるようにしておけば、単結晶
体を可動アタッチメントと共に加工機に装着した後に、
可動アタッチメントの調節により、単結晶体の姿勢を測
定された方位に基づいて簡単に加工機に適合させること
ができる。
【0034】(12)また、上記構成の単結晶体の方位
測定装置は、前記単結晶体を支持する支持部材を有する
ことができ、該支持部材は前記単結晶体の側面を支持す
ることができる。この場合には、単結晶体の側面が基準
面となり、この基準側面を基準としてカット面測定やオ
リフラ面測定が行われる。
【0035】(13)また、上記構成の単結晶体の方位
測定装置は、前記単結晶体に取り付けられる固定具と、
該固定具を支持することにより前記単結晶体を支持する
支持部材とを有することができる。この場合には、固定
具が測定の基準面になる。
【0036】この構成によれば、方位測定装置の側に前
記固定具を支持する機構を設けることに併せて、カット
装置等といった加工機の側にも上記固定具を支持する機
構を設けておくことにより、固定具基準で方位測定を行
った単結晶体を、固定具と共にそのまま加工機に装着し
て、方位測定結果を反映した加工を単結晶体に対して簡
単に行うことが可能となる。
【0037】(14)また、上記構成の単結晶体の方位
測定装置は、前記単結晶体を支持する支持部材を有し、
該支持部材は空気吸引によって前記単結晶体を支持する
ことができる。この場合には、前記単結晶体の吸着面が
方位測定の基準面となる。空気吸引を用いた支持方法に
よれば、空気吸引の設定及び解除により単結晶体の着脱
を非常に容易に行うことができる。
【0038】(15)また、上記構成の単結晶体の方位
測定装置は、前記X線検出手段の出力信号に基づいて前
記単結晶体の結晶方位を演算する制御手段を有すること
ができる。そして、この制御手段は、前記χ移動手段の
作用により前記ω軸線が前記単結晶体の軸線に対して直
角になる位置に置かれたときに、前記単結晶体の端面に
X線を照射して行う測定、例えばカット面測定を行うこ
とができる。また、この制御手段は、前記χ移動手段の
作用により前記ω軸線が前記単結晶体の軸線に対して平
行になる位置に置かれたときに、前記単結晶体の側面に
X線を照射して行う測定、例えばオリフラ面測定を行う
ことができる。
【0039】(16)また、上記構成の単結晶体の方位
測定装置において、前記制御手段は、単結晶体の端面に
X線を照射して行う前記測定と、前記単結晶体の側面に
X線を照射して行う前記測定とを連続して行うように制
御を行うことができる。この構成によれば、2種類の測
定を迅速に行うことができる。
【0040】(17)次に、単結晶体の側面を支持する
ようにした上記構成の単結晶体の方位測定装置において
は、前記支持部材における前記単結晶体の支持面に突出
部材を設けることが望ましい。こうすれば、単結晶体の
端面を前記突出部材の働きによって支持部材から浮かせ
た状態で支持することができるので、単結晶体の端面が
支持部材に接触することによって損傷することを防止で
きる。
【0041】(18)上記構成の単結晶体の方位測定装
置においては、前記単結晶体の試料名と該単結晶体の回
折角度との関係を記憶したデータテーブルを設けること
が望ましい。こうすれば、測定者は試料名を入力するだ
けで、測定対象となる回折角度を装置に認識させること
ができる。
【0042】(19)次に、本発明に係るガイド部材の
角度誤差の検出方法は、ω軸線を中心として回転可能で
あり単結晶体に照射するX線を発生するX線源と、前記
ω軸線を中心として回転可能なX線検出手段と、前記X
線源、前記X線検出手段及び前記ω軸線を、該ω軸線と
略直角なχ軸線を中心として一体に回転移動させるχ移
動手段と、前記単結晶体を面内回転させるφ回転手段
と、前記面内回転方向に関する前記単結晶体の角度位置
を規定するガイド部材とを有し、前記χ移動手段は、前
記ω軸線が前記単結晶体の軸線に対して略直角になる位
置と前記ω軸線が前記単結晶体の軸線に対して略平行に
なる位置との間で、前記X線源、前記X線検出手段及び
前記ω軸線を一体に回転させる単結晶体の方位測定装置
における前記ガイド部材の角度誤差の検出方法であっ
て、円筒状のダミーインゴットに結晶を貼り付けて形成
されたセッティング治具の一方の端面を下向きに置いた
場合の測定値をδbとし、他方の端面を下向きに置いた
場合の測定値をδaとするとき、 δ=(δb −δa )/2 で示されるδを前記ガイド部材の角度誤差とすることを
特徴とする。
【0043】(20)次に、本発明に係る単結晶体の方
位測定方法は、上記構成のガイド部材の角度誤差の検出
方法を含む単結晶体の方位測定方法において、得られた
方位測定結果を前記δの値によって補正することを特徴
とする。
【0044】(21)次に、本発明に係る単結晶体の方
位測定方法は、ω軸線を中心として回転可能であり単結
晶体に照射するX線を発生するX線源と、前記ω軸線を
中心として回転可能なX線検出手段と、前記X線源、前
記X線検出手段及び前記ω軸線を、該ω軸線と略直角な
χ軸線を中心として一体に回転移動させるχ移動手段と
を有し、前記χ移動手段は、前記ω軸線が前記単結晶体
の軸線に対して略直角になる位置と前記ω軸線が前記単
結晶体の軸線に対して略平行になる位置との間で、前記
X線源、前記X線検出手段及び前記ω軸線を一体に回転
させる単結晶体の方位測定装置を用いた方位測定方法で
あって、基準試料に関するカット面と結晶面との間の表
記偏差角度と実際の偏差角度とのずれ量を測定し、試料
に関して得られた測定結果を前記ずれ量によって補正す
ることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】まず、図1及び図1のII−II
線に従った断面図である図2を用いて本実施形態に係る
単結晶体の方位測定装置の構成を説明する。
【0046】ここに示す方位測定装置1は、X線測定装
置2及び試料支持装置3を有する。本実施形態では、X
線測定装置2が上方で試料支持装置3がその下方に配設
されている。しかしながら、これに代えて、X線測定装
置2と試料支持装置3を同一の水平面上に配設すること
もできる。
【0047】X線測定装置2は、図1の紙面垂直方向に
延びるω軸線を中心として回転可能なθs回転台4と、
同じくω軸線を中心として回転可能なθd回転台6と、
θs回転台4から延びるアーム7に固定されたX線管8
と、θd回転台6から延びるアーム5に固定されたX線
検出器9とを有する。θs回転台4及びθd回転台6は、
X線管8及びX線検出器9のそれぞれのω軸線に対する
角度を測定するための、いわゆる測角器、すなわちゴニ
オメータを構成する。
【0048】X線管8は、例えば、通電によって発熱し
て熱電子を放出するフィラメント(図示せず)と、その
熱電子が衝突するターゲット(図示せず)とによって構
成でき、この場合には、ターゲット上において熱電子が
衝突した領域がX線源Fとなって、該X線源FからX線
が発生する。このX線は、必要に応じてフィルタ、モノ
クロメータ等によって単色化され、さらに、スリット、
コリメータ等によってω軸線へ向けられる。また、X線
管8のX線出射口にはX線通路を開放及び遮蔽するため
のX線シャッタ13が設けられる。
【0049】X線検出器9は、例えば、SC(Scintill
ation Counter:シンチレーションカウンタ)、PC(P
roportional Counter:比例計数管)等といった、0次
元カウンタ、すなわち、直線状や平面状ではなくてX線
をある程度の面積を持った点状に取り込む構造のカウン
タを用いて構成される。
【0050】θs回転台4は微小角度で回転角度制御が
可能なモータ、例えばステッピングモータによって構成
されたθsモータ11によって駆動されてω軸線を中心
として回転する。これにより、X線源Fから出てω軸線
へ向かうX線R0の基準線、すなわちχ(カイ)軸線に
対する角度θsを変化させることができる。χ軸線は、
X線が照射される点である測定点Pにおいてω軸線に直
交する軸線である。
【0051】また、θd回転台6は、同じく微小角度で
回転角度制御が可能なモータ、例えばステッピングモー
タによって構成されたθdモータ12によって駆動され
て、同じくω軸線を中心として回転する。これにより、
ω軸線からX線検出器9へ向かうX線R1のχ軸線に対
する角度θdを変化させることができる。一般に、入射
X線R0と回折X線R1を含み、さらにω軸線に直角な
平面は回折平面と呼ばれている。
【0052】ゴニオメータ基台14の内部には、θsモ
ータ11の回転出力をθs回転台4へ伝達してそれを回
転させる動力伝達機構及びθdモータ12の回転出力を
θd回転台6へ伝達してそれを回転させる動力伝達機構
が格納されている。これらの動力伝達機構は、例えば、
ウオームとウオームホイールとから成る動力伝達機構を
用いて構成できる。
【0053】方位測定装置1の側板16の上部にはゴニ
オメータ用の一対の側板17が設けられ、それらの側板
17に揺動ブラケット18がχ軸線を中心として矢印C
で示すように揺動可能、すなわち回転移動可能に支持さ
れている。そして、その揺動ブラケット18上にゴニオ
メータ、すなわちゴニオメータ基台14、θs回転台
4、θd回転台6等が設けられている。この構成によ
り、X線源F、X線検出器9及びω軸線はそれらが全体
として一体になって回転できる。つまり、本実施形態で
は、X線源F及びX線検出器9がω軸線を中心として回
転可能な関係を保った状態で、それらのX線源F、X線
検出器9及びω軸線をχ軸線を中心として一体に回転移
動させることができる。
【0054】ゴニオメータ用の側板17の一方には減速
機19が設けられ、その減速機19の出力軸が揺動ブラ
ケット18に接続されている。また、減速機19の入力
部にはχ軸用モータ20が接続されている。χ軸用モー
タ20が作動してその出力軸が回転すると、その回転が
揺動ブラケット18へ伝えられてその揺動ブラケット1
8が回転する。本実施形態では、揺動ブラケット18
は、図2に示すようにその底面18aが上下方向を向く
第1位置と、図6に示すようにその底面18aが上部へ
回転して左右方向を向く第2位置との間で、矢印Cで示
すように、90°の回転角度で揺動する。
【0055】図1において、X線照射点すなわち測定点
Pを通るχ軸線上には、発光素子37及び受光素子38
から成る測定位置検出センサ39が設けられる。また、
ゴニオメータ基台14上の適所には、例えばレーザ光の
発光器と受光器とを有するオリフラ位置検出センサ41
が設けられる。
【0056】X線測定装置2の下方に設けられた試料支
持装置3は、上下方向に延びるガイドレール21と、該
ガイドレール21によってガイドされて上下移動可能に
配設されたフレーム22と、該フレーム22上に固定さ
れた固定ベース23と、該固定ベース23上に滑り移動
可能に設けられた可動ベース24と、該可動ベース24
上に固定された支持部材26とを有する。可動ベース2
4は図1の紙面垂直方向に平行移動できる。
【0057】支持部材26上には、図14(a)に示す
ように、溝27に沿って矢印Bのように支持部材26の
半径方向へ移動可能な一対のチャック28が設けられ、
これらのチャック28によって、測定対象である単結晶
体、本実施形態では単結晶インゴットSがその側面を締
め付けられて支持される。支持された状態の単結晶イン
ゴットSの中心軸線X0は図1において測定点Pを通る
ようになっている。なお、この支持方法によれば、単結
晶インゴットSはその側面を基準として支持される。
【0058】図1において、固定ベース23にはX軸用
モータ29が設けられる。このX軸用モータ29は、そ
の回転角度が微小角度で制御可能なモータ、例えばステ
ッピングモータによって構成され、このX軸用モータ2
9が作動すると、図2において、可動ベース24が固定
ベース23上で矢印X方向へ往復滑り移動、すなわち往
復スライド移動する。つまり、可動ベース24及びそれ
を駆動するX軸用モータ29等を含む構造は、インゴッ
トSをχ軸線に対して平行に移動させる手段を構成す
る。
【0059】また、図1において、可動ベース24には
φ軸用モータ31が設けられる。このφ軸用モータ31
は、その回転角度が微小角度で制御可能なモータ、例え
ばステッピングモータによって構成され、このφ軸用モ
ータ31が作動すると、支持部材26上に支持された単
結晶インゴットSが中心軸線X0を中心として面内回
転、いわゆるφ回転する。
【0060】図1において、フレーム22の下方位置に
Z軸用モータ32が設けられ、このZ軸用モータ32の
出力軸に減速機33が接続され、さらにその減速機33
にネジ軸34が接続される。ネジ軸34は上下方向へ延
びており、フレーム22に固定されたネジ36がそのネ
ジ軸34にネジ嵌合している。ネジ軸34及びそれに嵌
合するネジ36は、減速機33の出力である回転運動を
フレーム22の上下方向への直線運動に変換する動力変
換手段として機能する。
【0061】つまり、ネジ軸34及びそれに嵌合するネ
ジ36等を含む上記の構造は、インゴットSを測定点、
すなわちX線照射点Pに近付き又は遠ざかる方向へ移動
させるための手段を構成する。
【0062】図9は、本発明に係る方位測定装置で用い
ることのできる制御系のブロック図を示している。ここ
に示す制御系は、主制御部51とコントローラ52とを
有する。主制御部51は、CPU(Central Processing
Unit)53と、ROM54と、RAM56と、情報記
憶媒体57と、通信ボード58とを有する。通信ボード
58にはホストコンピュータ59が接続される。
【0063】一方、コントローラ52は、CPU61
と、ROM62と、RAM63と、通信ボード64とを
有する。主制御部51とコントローラ52とは、それぞ
れに内蔵された通信ボード58及び64を介して互いに
データ転送可能に接続されている。
【0064】主制御部51のバス66には、映像表示手
段としてのディスプレイ67が接続され、さらに入力装
置としてのタッチパネル68が接続される。このタッチ
パネル68は操作者が操作し易い場所、例えば、ディス
プレイ67の画面の前に配置される。バス66には、さ
らに、印字手段としてのプリンタ69が接続される。ま
た、図1に示したX線源Fを内蔵したX線管8がX線発
生部としてバス66に接続され、さらに、測定位置検出
センサ39及びオリフラ位置検出センサ41がバス66
に接続される。
【0065】他方、コントローラ52のバス71には、
3軸モータ制御回路72が接続され、その回路72に、
図1に示したθsモータ11、θdモータ12及びχ軸用
モータ20が接続される。また、図9のバス71には、
3軸モータ制御回路73が接続され、その回路73に、
図1に示したφ軸用モータ31、X軸用モータ29及び
Z軸用モータ32が接続される。
【0066】また、バス71には、データ収集回路74
が接続され、図1に示したX線検出器9の出力端子がこ
のデータ収集回路74に接続される。X線検出器9は、
そのX線取込み口にX線が入ったときにその出力端子に
信号を出力する。そして、データ収集回路74はX線検
出器9の出力信号を受け取って、その信号に基づいてX
線強度を計算によって求め、その計算結果をCPU61
で処理できる信号に変換して出力する。
【0067】バス71には、さらに、シャッタ制御回路
76が接続され、そのシャッタ制御回路76にシャッタ
制御駆動部77が接続される。シャッタ制御駆動部77
は、例えば電磁ソレノイドやモータ等といったアクチュ
エータを用いて構成され、その駆動部77に図1のX線
シャッタ13が機械的に接続される。
【0068】以下、上記構成より成る単結晶体の方位測
定装置に関してその動作を説明する。なお、本実施形態
の方位測定装置は、図14(a)における単結晶インゴ
ットSのカット面S0に対する測定、単結晶インゴット
Sの側面S1に対する測定、さらに単結晶インゴットS
にオリフラ面105が形成されている場合にはそのオリ
フラ面105に対する測定等といった各種の測定が行わ
れる。以下の説明では、それらの各種の測定を個別に説
明する。
【0069】なお、オリフラ面105は、結晶格子面の
方位を外部から視覚によって確認できるようにするため
のマークとして機能するものであるが、このようなマー
クとしては、オリフラ面105以外に、単結晶インゴッ
トSの側面S1に軸線X0と平行に形成される溝である
オリエンテーションノッチ(以下、単にノッチという)
もある。本明細書でオリフラ面に関する説明はノッチに
関しても全く同様に通用する。
【0070】(カット面に対する結晶面の方位測定)以
下、カット面に対する方位測定について説明する。この
測定は、X線をカット面に照射したときに発生する回折
X線に基づいて行われる測定であり、多くの場合は、カ
ット面が結晶面に対して角度的にどの程度ずれているか
を検査するために行われる。
【0071】まず、図10のステップS1において、試
料の取り付けを行う。具体的には、図14(a)に示す
ように、チャック28の締め付けによって単結晶インゴ
ットSを支持部材26に固着する。これにより、測定の
基準となる単結晶インゴットSの基準面はインゴットS
の側面S1に設定される。次に、ステップS2におい
て、試料名、測定結晶面指数の選択、試料No、測定者
名等といった測定条件を操作入力装置であるタッチパネ
ル68を用いて入力する。本実施形態では、試料名とそ
の試料の回折角度との関係が予めデータテーブル内に格
納されており、従って、試料名等の入力により測定対象
となる回折角度が装置に自動的に認識される。
【0072】次に、図1においてχ軸用モータ20を作
動して揺動ブラケット18を図1及び図2に示す第1位
置にセットする(ステップS3)。次に、図1のθsモ
ータ11及びθdモータ12を作動してθs回転台4及び
θd回転台6を回転させて、X線源とX線検出器9との
成す角度が試料に固有の回折角度θとなるように、角度
θs及び角度θdを調節する(ステップS4)。
【0073】次に、図2において、X軸用モータ29を
作動して可動ベース24をX方向へスライド移動させて
インゴットSを測定点Pの下方位置へ運んでそこに停止
させる(ステップS5)。さらに、Z軸用モータ32を
作動してフレーム22を上昇させてインゴットSの上端
面、すなわちカット面を測定点Pへ運ぶ。インゴットS
のカット面が測定点Pに達すると、図1において測定位
置検出センサ39がそれを検知し、CPU53(図9参
照)はZ軸用モータ32を停止させる。これにより、図
3及び図4に示すように、インゴットSのカット面が測
定点Pにセットされる(ステップS6)。
【0074】次に、図23に示すように回折X線のピー
クP0を求めるためのプロファイルGはある程度の幅W
を持っているので、その回折X線のピークが得られるよ
うにするために、θs回転台4及びθd回転台6を偏差角
度αよりも少し大きい角度だけ回転させる。但し、X線
源FとX線検出器9との成す角度は回折角度θを維持さ
せる。(ステップS7)。次に、図3においてX線シャ
ッタ13を開き(ステップS8)、さらに、インゴット
Sの中心軸線X0を中心とした面内角度φを、オリフラ
面105(図14(a)参照)を基準として図21
(a)に示すφ=0°位置にセットする(ステップS
9)。
【0075】次に、図3のθsモータ11及びθdモータ
12を作動して、角度θs及び角度θdを、例えば5°/
min程度の回転速度で連続的又は間欠的に変化させなが
ら(ステップS10)、X線検出器9によって回折X線
を受光して、さらにデータ収集回路74(図9参照)で
カウントする(ステップS11)。
【0076】CPU53(図9参照)は、データ収集回
路74によってカウントされたデータをディスプレイ6
7にグラフとして表示する(ステップS12)と共に、
そのグラフ上の頂点、すなわちピークトップを演算によ
って求め、さらにφ=0°の位置における入射X線角度
ω0を求める(ステップS13)。そして、適宜のタイ
ミング、例えばピークが判明した時点、で角度θs及び
角度θsの移動を停止すると共にX線シャッタを閉じ
(ステップS14)、さらに、上記のω0をRAM56
に記憶、すなわち保存する(ステップS15)。
【0077】その後、図3においてφ軸用モータ31を
作動してインゴットSを中心軸線X0を中心として回転
させて図21(b)に示すφ=90°の位置にセットす
る(ステップS16)。そして、ステップS7からステ
ップS15を繰り返して実行して、φ=90°の位置に
おける入射X線角度ω90を求め、それをRAM56に
記憶、すなわち保存する(ステップS17)。
【0078】さらに、図21(c)に示すφ=180°
の位置及び図21(d)に示すφ=270°の位置に関
して同様の処理を行って、ω180及びω270を求
め、それらをRAM56に保存する(ステップS18〜
ステップS21)。次に、図3のX線シャッタ13が閉
じられた後、データω0、ω90、ω180、ω270
に基づいて、カット面に対する0°から180°方向に
関する結晶方位の傾きδ1を δ1=(ω0−ω180)/2 によって求める。また、カット面に対する90°から2
70°方向に関する結晶方位の傾きδ2を、 δ2=(ω90−ω270)/2 によって求める(ステップS22)。
【0079】なお、これらのδ1及びδ2の値は、図1
4(a)においてインゴットSの側面S1がチャック2
8によって支持されている関係上、この側面S1を基準
面とした場合の値である。
【0080】その後、求められた演算結果を図9のプリ
ンタ69や、ディスプレイ67に表示し、さらにネット
ワークを介してホストコンピュータ59へ伝送する(ス
テップS23)。そして、全ての作業が終了した後、図
3においてインゴットSの中心軸線X0に関する面内角
度φを初期位置へ戻し、インゴットSのZ軸方向の位置
を図3の測定位置から図1の初期位置へ戻し、さらにイ
ンゴットSのX軸方向の位置を図2に示す初期位置へ戻
す(ステップS24)。
【0081】以上により、図14(a)に示すインゴッ
トSの支持面である側面S1を基準とした場合の、イン
ゴットSのカット面S0に対する格子面方位を測定する
ことができた。
【0082】(オリフラ面に対する結晶面の方位測定
I:オリフラガイド有り)次に、図14(a)のオリフ
ラ面105をガイドした状態で、オリフラ面105に対
して結晶面が角度的にどの程度ずれているかを知るため
の測定を行う場合について説明する。
【0083】まず、図11のステップS1において、試
料の取り付けを行う。具体的には、図14(a)におい
てインゴットSをチャック28によって支持部材26へ
固定する際に、支持部材26の上の適所に設けたガイド
部材(図示せず)をオリフラ面105に当てることによ
り、オリフラ面105を一定の位置に位置決めする。こ
れにより、インゴットSの基準面はそのインゴットSの
側面S1に設定される。
【0084】なお、ガイド部材の角度位置は装置の絶対
0°基準位置に合っていることが理想である。ところ
が、実際には、装置の絶対0°基準位置とガイド部材が
設けられた位置とは装置ごとにバラツキがある。このバ
ラツキを補正するため、装置の絶対0°基準位置とガイ
ド部材の位置との誤差を求めておくことが望ましい。
【0085】この誤差を求めるためには、例えば図22
に示すように、円筒状のダミーインゴット201の側面
に結晶202を貼り付けて形成されたセッティング治具
203を用意する。まず、セッティング治具203の一
方の端面bを下向きに置いてオリフラ測定した場合の測
定値をδbとし、他方の端面aを下向きに置いてオリフ
ラ測定した場合の測定値をδaとすると、ガイド部材2
04と装置の絶対0°基準位置との間の誤差δは、 δ=(δb −δa )/2 で示される。この誤差δを補正値としてコンピュータの
所定記憶場所に記憶しておき、測定で得られた値をその
補正値で補正すれば、客観的に正しい測定値を算出する
ことができる。
【0086】次に、ステップS2において、試料名、測
定結晶面指数の選択、試料No、測定者名等といった測
定条件を操作入力装置であるタッチパネル68(図9参
照)を用いて入力する。次に、図5においてχ軸用モー
タ20を作動して揺動ブラケット18を図6に矢印Cで
示す方向へ回転移動させて、その揺動ブラケット18を
図5及び図6に示す第2位置にセットする(ステップS
3)。
【0087】次に、図5のθsモータ11及びθdモータ
12を作動してθs回転台4及びθd回転台6を回転させ
て、X線源とX線検出器9との成す角度が試料に固有の
回折角度θとなるように、角度θs及び角度θd(図1参
照)を調節する(ステップS4)。次に、図6におい
て、X軸用モータ29を作動して可動ベース24をX方
向へスライド移動させてインゴットSの側面S1が測定
点Pの下方位置となるように、インゴットSを測定点P
の下方へ運んでそこに停止させる(ステップS5)。
【0088】さらに、Z軸用モータ32を作動してフレ
ーム22を上昇させて、図7及び図8に示すように、イ
ンゴットSの側面S1の所定位置を測定点Pへ運ぶ。こ
の際には、例えば、インゴットSの端面が測定位置検出
センサ39によって検出された位置でインゴットSの上
昇を一旦停止し、次に、適宜の高さ、例えば5mm〜1
0mm程度、さらに上昇させる(ステップS6)。
【0089】次に、図7においてX線シャッタ13を開
き(ステップS7)、さらに、図7のφ軸用モータ31
を作動して、例えば5°/min程度の回転速度でインゴ
ットSを図7において中心軸線X0を中心として連続的
又は間欠的にφ回転させながら(ステップS8)、図7
のX線検出器によって回折X線を受光して、さらに図9
のデータ収集回路74でカウントする(ステップS
9)。
【0090】図9のCPU53は、データ収集回路74
によるカウントデータをディスプレイ67にグラフとし
て表示する(ステップS10)と共に、そのグラフ上の
頂点、すなわちピークトップを演算によって求め、その
ピークトップに対応するφ角度をRAM56に保存する
(ステップS11)。そして、インゴットSの中心軸線
X0の周りの回転を停止し(ステップS12)、さらに
X線シャッタ13を閉じる(ステップS13)。
【0091】その後、求められた演算結果を図9のプリ
ンタ69や、ディスプレイ67に表示し、さらにネット
ワークを介してホストコンピュータ59へ伝送する(ス
テップS17)。そして、全ての作業が終了した後、図
7においてインゴットSの中心軸線X0に関する面内角
度φを初期位置へ戻し、インゴットSのZ軸方向の位置
を図7の測定位置から図5の初期位置へ戻し、さらにイ
ンゴットSのX軸方向の位置を図6に示す初期位置へ戻
す(ステップS18)。
【0092】以上により、図14(a)に示すインゴッ
トSの支持面である側面S1を基準とした場合の、イン
ゴットSの外周面S1に対する格子面方位を測定するこ
とができた。また、本実施形態では、図14(a)で説
明したように、オリフラ面105をガイド部材に突き当
てた状態で測定を行ったので、格子面に対するオリフラ
面105の角度を容易に知ることができる。
【0093】また、オリフラ面105を位置決めするた
めのガイド部材については、それを設けてある場所の角
度位置は予め分かっているので、このガイド部材にオリ
フラ面105を突き当てた後、そのオリフラ面105を
測定点Pへ運ぶことは容易に行うことができる。このよ
うにオリフラ面105を測定点Pに置いた状態で測定を
行えば、オリフラ面105に対する結晶面方位を直接に
測定することができる。
【0094】なお、装置の絶対0°基準位置とガイド部
材の位置との間の誤差を求めてある場合には、その誤差
を補正値として記憶しておき、得られた方位測定の結果
をその補正値によって補正することもできる。
【0095】また、上記のオリフラ面に対する測定と、
図10に関連して説明したカット面測定、すなわちX線
をカット面に照射して行う方位測定とを連続して行う場
合には、図11のステップS15でYESと判断されて
ステップS15へ進み、インゴットSの角度基準位置を
演算によって求めたピークトップ位置へ移動する。そし
て、インゴットSのZ軸方向の位置及びX軸方向の位置
を、一旦、初期位置へ退避させた後、図10に示したカ
ット面に対する方位測定の処理へと移行する(ステップ
S16)。
【0096】さらに、本方位測定装置のユーザによって
は、予め基準となる試料を持っていて、測定対象である
試料がその基準試料に比べてどの程度、角度ズレをして
いるかを知りたい場合がある。この場合、基準試料に関
しては必ずしも客観的に正確な偏差角度が分かっていな
いときが多い。例えば、ユーザとしては、基準試料にお
けるカット面と結晶面との間の偏差角度δが1°の表記
偏差角度であると認識していても、本来の偏差角度δは
1°からずれている場合がある。つまり、基準試料の表
記偏差角度は実際の偏差角度との間にずれが生じている
場合がある。
【0097】このような場合には、基準試料に関する偏
差角度δのずれ量を予め測定して補正値としてメモリ等
に記憶しておき、測定によって得られた角度値をその補
正値によって補正するように設定しておくこともでき
る。これにより、基準試料に対する相対的な測定を行う
ことができる。
【0098】(オリフラ面に対する結晶面の方位測定I
I:オリフラガイド無し)次に、図14(a)のオリフ
ラ面105をガイドせず、オリフラ面検知センサによっ
てオリフラ面10を検知した上で、オリフラ面105に
対して結晶面が角度的にどの程度ずれているかを知るた
めの測定を行う場合について説明する。
【0099】まず、図12のステップS1において、試
料の取り付けを行う。具体的には、図14(a)におい
て、インゴットSをチャック28によって締め付けて支
持部材26に固着する。これにより、測定の基準となる
インゴットSの基準面はインゴットSの側面S1に設定
される。なお、この測定においては、オリフラ面105
はガイド部材に突き当てられることなく、よって、オリ
フラ面105の軸線X0の周りの角度位置は制限を受け
ないように設定される。
【0100】次に、ステップS2において、試料名、測
定結晶面指数の選択、試料No、測定者名等といった測
定条件を操作入力装置であるタッチパネル68(図9参
照)を用いて入力する。次に、図5においてχ軸用モー
タ20を作動して揺動ブラケット18を図6に矢印Cで
示す方向へ回転移動させて、その揺動ブラケット18を
図5及び図6に示す第2位置にセットする(ステップS
3)。
【0101】次に、図5のθsモータ11及びθdモータ
12を作動してθs回転台4及びθd回転台6を回転させ
て、X線源とX線検出器9との成す角度が試料に固有の
回折角度θとなるように、角度θs及び角度θd(図1参
照)を調節する(ステップS4)。次に、図6におい
て、X軸用モータ29を作動して可動ベース24をX方
向へスライド移動させてインゴットSの側面S1が測定
点Pの下方位置となるように、インゴットSを測定点P
の下方へ運んでそこに停止させる(ステップS5)。
【0102】さらに、Z軸用モータ32を作動してフレ
ーム22を上昇させて、図7及び図8に示すように、イ
ンゴットSの側面S1の所定位置を測定点Pへ運ぶ。こ
の際には、例えば、インゴットSの端面が測定位置検出
センサ39によって検出された位置でインゴットSの上
昇を一旦停止し、次に、適宜の高さ、例えば5mm〜1
0mm程度、さらに上昇させる(ステップS6)。
【0103】次に、図8においてオリフラ位置検出セン
サ41を作動して、インゴットSの外周側面にレーザ光
を照射し、さらにその反射光を受光することによって距
離を測定する(ステップS7)と共に、インゴットSを
中心軸線X0を中心として、例えば5°/min程度の回
転速度で連続的又は間欠的に回転、いわゆるφ回転させ
る(ステップS8)。
【0104】このとき、インゴットSの外周側面に関す
るデータはRAM56に保存され(ステップS9)、さ
らに、CPU53は伝送された上記の距離データをグラ
フ化し、このグラフ化されたデータに基づいてオリフラ
面の角度位置を演算し、さらにその角度位置をRAM5
6に保存する(ステップS10)。
【0105】次に、ステップS11においてX線シャッ
タ13を開き、さらに、図7のφ軸用モータ31を作動
して、例えば5°/min程度の回転速度でインゴットS
を軸線X0を中心として連続的又は間欠的に変化させな
がら(ステップS12)、図7のX線検出器9によって
回折X線を受光して、さらにデータ収集回路74(図9
参照)でカウントする(ステップS13)。
【0106】CPU53は、データ収集回路74によっ
て求められたカウントデータをディスプレイ67にグラ
フとして表示する(ステップS14)と共に、そのグラ
フ上の頂点、すなわちピークトップを演算によって求
め、そのピークトップに対応するφ角度をRAM56に
保存する(ステップS15)。そして、インゴットSの
軸線X0の周りのφ回転を停止し(ステップS16)、
さらにX線シャッタ13を閉じる(ステップS17)。
【0107】次に、RAM56に保存されたオリフラ面
の角度位置とX線のピークトップ位置とを差し引き演算
して、X線のピークトップ位置の絶対的な角度位置を求
めて、これをRAM56に保存する(ステップS1
8)。これにより、オリフラ面105に対する結晶面の
方位が測定される。
【0108】その後、求められた演算結果を図9のプリ
ンタ69や、ディスプレイ67に表示し、さらにネット
ワークを介してホストコンピュータ59へ伝達する(ス
テップS19)。そして、全ての作業が終了した後、図
7においてインゴットSの軸線X0に関する面内角度φ
を初期位置へ戻し、インゴットSのZ軸方向の位置を図
7の測定位置から図5の初期位置へ戻し、さらにインゴ
ットSのX軸方向の位置を図6に示す初期位置へ戻す
(ステップS20)。
【0109】(外周面に対する結晶面の方位測定)次
に、図14(a)に示すオリフラ面105やノッチ等と
いったマークが付けられていないインゴットに対して、
オリフラ面105等を付けるべき位置を見つけるために
結晶面を探す測定を行う場合について説明する。
【0110】まず、図13のステップS1において、試
料の取り付けを行う。具体的には、図14(a)におい
て、インゴットSをチャック28によって締め付けて支
持部材26に固着する。これにより、測定の基準となる
インゴットSの基準面はインゴットSの側面S1に設定
される。なお、この測定においては、インゴットSの側
面S1にはオリフラ面105は付けられていない。
【0111】これ以降、ステップS2からステップS1
8へ至る一連の処理が実行されるが、この一連の処理は
図11に示した処理、すなわちオリフラ面をガイドしな
がらそのオリフラ面に対する方位測定を行う場合と同じ
であるので、この処理についての説明は省略する。
【0112】今説明している測定によれば、ステップS
11における演算によってピークトップが求められるこ
とにより、結晶面の方位が求められる。従って、その求
められた結晶面の方位を基準にしてオリフラ面105を
形成することができる。
【0113】また、オリフラ面105を形成することな
く、ステップS14で“YES”、ステップS16、そ
してステップS17の処理を行うことにより、オリフラ
面105を形成することなく、ステップS12で求めら
れた結晶面方位に対するカット面S0の角度ずれの程度
を測定することができる。
【0114】(インゴットの支持の仕方)さて、以上に
説明した実施形態では、図14(a)に示したように、
単結晶インゴットSをチャック28によって支持部材2
6に固着して支持し、これにより、インゴットSの側面
S1を基準面とした。しかしながら、インゴットSの支
持方法はこれ以外にも種々考えられ、それに応じて基準
面も種々に設定される。
【0115】例えば、図14(b)に示すように、イン
ゴットSの端面S3を矢印Dに示すように接着剤によっ
て介在部材49に直接に接着し、この介在部材49を金
具やネジによって支持部材26に固定することができ
る。この場合には、介在部材49に接着された端面S3
が基準面となる。
【0116】次に、図15(c)に示すように、インゴ
ットSにその軸線方向に沿って固定具48を接着等によ
って固着し、一方、支持部材26に固定具48をがたつ
き無く支持するガイド部材47を設けることができる。
固定具48をガイド部材47へ挿入することにより、イ
ンゴットSをがたつき無く支持部材26に固着すること
ができる。
【0117】この場合は、インゴットSと一体な固定具
48、換言すれば固定具48が固着されたインゴットS
の軸線方向部分が基準面となる。また、インゴットSに
切断等といった加工を加えるための加工機にガイド部材
47と同じ形状のガイド部材を設けておくことにより、
インゴットSに関する結晶方位の測定結果を加工機にお
ける加工の際の寸法設定にそのまま適用できる。
【0118】次に、図15(d)に示すように、インゴ
ットSの端面S3に固定具48を接着等によって固着
し、一方、支持部材26に固定具48をがたつき無く支
持するガイド部材47を設けることができる。固定具4
8をガイド部材47へ挿入することにより、インゴット
をがたつき無く支持部材26に固着することができる。
【0119】この場合は、インゴットSと一体な固定具
48、換言すれば固定具48が固着されたインゴットS
の端面部分が基準面となる。またこの場合は、インゴッ
トSに切断等といった加工を加えるための加工機にガイ
ド部材47と同じ形状のガイド部材を設けておくことに
より、インゴットSに関する結晶方位の測定結果を加工
機における加工の際の寸法設定にそのまま適用できる。
【0120】次に、図16(e)に示すように、支持部
材26の支持面に複数又は1つの穴46を設け、これら
の穴46にエアー吸引装置44をつなげることができ
る。エアー吸引装置44は、例えばエアーポンプによっ
て構成される。穴46を通してエアー吸引装置44によ
ってエアーを吸引すれば、支持部材26の支持面に測定
対象である単結晶インゴットS又は単結晶ウエハUを吸
着によって支持できる。
【0121】この構造では、柱状のインゴットSより
も、むしろ円盤状の単結晶体、例えば単結晶ウエハUを
測定対象とする場合に適している。この構造の場合は、
支持部材26による吸着面が基準面になる。
【0122】次に、図16(f)に示すように、インゴ
ットSを可動アタッチメント86を介して支持部材26
に装着することもできる。この可動アタッチメント86
は、インゴットSの端面S0を通るω軸線に対して直角
なY軸線と平行なY’方向へ平行移動可能な第1スライ
ダ87と、その第1スライダ87上に載っていてY軸線
を中心として矢印E−E’で示すように旋回移動可能な
第2スライダ88とを有する。
【0123】この構造の支持機構によれば、本発明に係
る方位測定装置を用いてインゴットSに関して方位測定
を行った後、そのインゴットSを可動アタッチメント8
6ごと支持部材26から取り外し、さらに切断装置等と
いった加工機へ可動アタッチメント86ごと取り付けて
インゴットSへ加工を加える。これにより、加工機に取
り付けたインゴットSに対して第1スライダ87及び第
2スライダ88によって規定される2方向のうちの少な
くとも一方を希望に応じて希望の距離だけ移動させるこ
とにより、インゴットSの姿勢を加工機に対して適切な
状態に設定できる。
【0124】次に、図17(a)に示すように、インゴ
ットSの外周側面S1を支持の基準とする場合、インゴ
ットSのうち支持部材26に設置される側の端面が傾い
ているとすると、インゴットSの端面のエッジ部が支持
部材26に接触して欠けるおそれがある。これを解消す
るため、図17(b)に示すように、支持部材26の表
面に突出部材85を設けることができる。
【0125】この構造によれば、インゴットSはその端
面が突出部材85に載ることにより支持部材26から浮
いた状態になり、この状態でインゴットSの外周側面S
1が支持される。これにより、インゴットSの端面に負
担をかけることなく、無理なく外周側面S1を基準にす
ることができる。
【0126】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0127】例えば、図1等では測定対象である単結晶
体としてSi等といった単結晶インゴットSを考えた
が、測定対象はこれに限定されるものでなく、例えば、
半導体の製造に供出される半導体ウエハを測定対象とす
ることもできる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
χ移動手段の働きにより、X線源及びX線検出手段を有
するX線光学系を測定対象である単結晶体に対して、互
いに略直角な2面間で移動させることができるので、カ
ット面測定のように単結晶体の端面にX線を照射して行
う方位測定と、オリフラ面の方位測定のように単結晶体
の外周面にX線を照射して行う方位測定とを、共通の測
定装置によって、しかも測定物の着け変えを行う必要な
く、実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶体の方位測定装置の一実施
形態によってカット面測定を行うときの初期状態を示す
正面図である。
【図2】図1のII−II線に従った側面断面図であ
る。
【図3】図1の実施形態によってカット面測定を行うと
きの測定時の状態を示す正面図である。
【図4】図3のIV−IV線に従った側面断面図であ
る。
【図5】図1の実施形態によってオリフラ面測定を行う
ときの初期状態を示す正面図である。
【図6】図5のVI−VI線に従った側面断面図であ
る。
【図7】図1の実施形態によってオリフラ面測定を行う
ときの測定時の状態を示す正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に従った側面断面
図である。
【図9】本発明に係る単結晶体の方位測定装置の制御系
の一実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9に示す制御系によって実行される測定の
1つであるカット面測定の流れを示すフローチャートで
ある。
【図11】図9に示す制御系によって実行される測定の
他の1つであるオリフラ面測定の流れを示すフローチャ
ートである。
【図12】図9に示す制御系によって実行される測定の
さらに他の1つであるオリフラ面測定の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図13】図9に示す制御系によって実行される測定の
さらに他の1つである外周面に対する測定の流れを示す
フローチャートである。
【図14】測定対象である単結晶体の支持方法の一例を
示す斜視図である。
【図15】測定対象である単結晶体の支持方法の他の一
例を示す斜視図である。
【図16】測定対象である単結晶体の支持方法のさらに
他の一例を示す斜視図である。
【図17】測定対象である単結晶体の支持方法のさらに
他の一例を示す斜視図である。
【図18】測定対象である単結晶体の一実施形態を示す
斜視図である。
【図19】単結晶インゴットに対して施される一般的な
処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】(a)は外周面基準で行われる測定を示す斜
視図であり、(b)はオリフラ面基準で行われる測定を
示す斜視図である。
【図21】カット面にX線を照射して行われる測定の一
般的な処理方法を示す斜視図である。
【図22】セッティング用治具の一例を示す斜視図であ
る。
【図23】測定対象であるX線プロファイルの一例を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 方位測定装置 2 X線測定装置 3 試料支持装置 4 θs回転台 6 θd回転台 8 X線管 9 X線検出器 11 θsモータ 12 θdモータ 13 X線シャッタ 14 ゴニオメータ基台 18 揺動ブラケット 20 χ軸用モータ 23 固定ベース 24 可動ベース 26 支持部材 29 X軸用モータ 31 φ軸用モータ 32 Z軸用モータ 34 ネジ軸 36 ネジ 39 測定位置検出センサ 41 オリフラ位置検出センサ 46 穴 47 ガイド部材 48 固定具 85 突出部材 86 可動アタッチメント L 格子面 P 測定点 R0,R1 X線 S 単結晶インゴット(単結晶体) S0,S3 カット面 S1 側面 X0 インゴットの軸線

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ω軸線を中心として回転可能であり単結
    晶体に照射するX線を発生するX線源と、 前記ω軸線を中心として回転可能なX線検出手段と、 前記X線源、前記X線検出手段及び前記ω軸線を、該ω
    軸線と略直角なχ軸線を中心として一体に回転移動させ
    るχ移動手段とを有し、 前記χ移動手段は、前記ω軸線が前記単結晶体の軸線に
    対して略直角になる位置と前記ω軸線が前記単結晶体の
    軸線に対して略平行になる位置との間で、前記X線源、
    前記X線検出手段及び前記ω軸線を一体に回転させるこ
    とを特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記単結晶体を前記
    χ軸線に対して平行移動させる手段を有することを特徴
    とする単結晶体の方位測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記単
    結晶体を前記X線源によるX線の照射点に近付き又は遠
    ざかる方向へ移動させる手段を有することを特徴とする
    単結晶体の方位測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記単結晶体を面内回転させるφ回
    転手段を有することを特徴とする単結晶体の方位測定装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記X線源と前記X線検出手段とを
    前記ω軸線を中心として一体に回転させるω回転手段を
    有することを特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ω回転手段は、 前記X線源を前記ω軸線を中心として回転させるX線源
    回転手段と、 前記X線検出手段を前記ω軸線を中心として回転させる
    検出器回転手段と、 前記ω軸線を中心とする前記X線源と前記X線検出手段
    との間の角度を一定に維持しながら前記X線源回転手段
    及び前記検出器回転手段の動作を制御する制御手段とを
    有することを特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記単結晶体が測定位置に置かれた
    ことを検知する検知手段を有することを特徴とする単結
    晶体の方位測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記単結晶体の側面に設けられたマ
    ークを検出する手段を有することを特徴とする単結晶体
    の方位測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 前記単結晶体を前記χ軸線に対して平行に移動させる第
    1移動手段と、 前記単結晶体を前記X線源によるX線の照射点に近付き
    又は遠ざかる方向へ移動させる第2移動手段と、 前記単結晶体を面内回転させるφ回転手段とを有し、 前記X線源、前記X線検出手段及び前記χ移動手段によ
    って構成されるユニットは、前記第1移動手段、前記第
    2移動手段及び前記φ回転手段によって構成されるユニ
    ットの上方に配置されることを特徴とする単結晶体の方
    位測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9の少なくともい
    ずれか1つにおいて、前記単結晶体を支持する支持部材
    を有し、前記単結晶体は前記支持部材に固着されること
    を特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項9の少なくともい
    ずれか1つにおいて、 前記単結晶体に固着される可動アタッチメントと、 該可動アタッチメントを着脱可能に支持する支持部材と
    を有し、 前記可動アタッチメントは固着した単結晶体を異なる2
    方向へ移動できることを特徴とする単結晶体の方位測定
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項9の少なくともい
    ずれか1つにおいて、前記単結晶体を支持する支持部材
    を有し、該支持部材は前記単結晶体の側面を支持するこ
    とを特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項9の少なくともい
    ずれか1つにおいて、前記単結晶体に取り付けられる固
    定具と、該固定具を支持することにより前記単結晶体を
    支持する支持部材とを有することを特徴とする単結晶体
    の方位測定装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項9の少なくともい
    ずれか1つにおいて、前記単結晶体を支持する支持部材
    を有し、該支持部材は空気吸引によって前記単結晶体を
    支持することを特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  15. 【請求項15】 請求項1において、 前記X線検出手段の出力信号に基づいて前記単結晶体の
    結晶方位を演算する制御手段を有し、 該制御手段は、前記χ移動手段の作用により前記ω軸線
    が前記単結晶体の軸線に対して直角になる位置に置かれ
    たときに、前記単結晶体の端面にX線を照射して行う測
    定を行い、 前記制御手段は、前記χ移動手段の作用により前記ω軸
    線が前記単結晶体の軸線に対して平行になる位置に置か
    れたときに、前記単結晶体の側面にX線を照射して行う
    測定を行うことを特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記制御手段
    は、単結晶体の端面にX線を照射して行う前記測定と、
    前記単結晶体の側面にX線を照射して行う前記測定とを
    連続して行うことを特徴とする単結晶体の方位測定装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項12において、前記支持部材に
    おける前記単結晶体の支持面に突出部材を設けたことを
    特徴とする単結晶体の方位測定装置。
  18. 【請求項18】 請求項1において、前記単結晶体の試
    料名と該単結晶体の回折角度との関係を記憶したデータ
    テーブルを有することを特徴とする単結晶体の方位測定
    装置。
  19. 【請求項19】 ω軸線を中心として回転可能であり単
    結晶体に照射するX線を発生するX線源と、 前記ω軸線を中心として回転可能なX線検出手段と、 前記X線源、前記X線検出手段及び前記ω軸線を、該ω
    軸線と略直角なχ軸線を中心として一体に回転移動させ
    るχ移動手段と、 前記単結晶体を面内回転させるφ回転手段と、 前記面内回転方向に関する前記単結晶体の角度位置を規
    定するガイド部材とを有し、 前記χ移動手段は、前記ω軸線が前記単結晶体の軸線に
    対して略直角になる位置と前記ω軸線が前記単結晶体の
    軸線に対して略平行になる位置との間で、前記X線源、
    前記X線検出手段及び前記ω軸線を一体に回転させる単
    結晶体の方位測定装置における前記ガイド部材の角度誤
    差の検出方法であって、 円筒状のダミーインゴットに結晶を貼り付けて形成され
    たセッティング治具の一方の端面を下向きに置いた場合
    の測定値をδbとし、他方の端面を下向きに置いた場合
    の測定値をδaとするとき、 δ=(δb −δa )/2 で示されるδを前記ガイド部材の角度誤差とすることを
    特徴とするガイド部材の角度誤差の検出方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載したガイド部材の角
    度誤差の検出方法を含む単結晶体の方位測定方法におい
    て、得られた方位測定結果を前記δの値によって補正す
    ることを特徴とする単結晶体の方位測定方法。
  21. 【請求項21】 ω軸線を中心として回転可能であり単
    結晶体に照射するX線を発生するX線源と、 前記ω軸線を中心として回転可能なX線検出手段と、 前記X線源、前記X線検出手段及び前記ω軸線を、該ω
    軸線と略直角なχ軸線を中心として一体に回転移動させ
    るχ移動手段とを有し、 前記χ移動手段は、前記ω軸線が前記単結晶体の軸線に
    対して略直角になる位置と前記ω軸線が前記単結晶体の
    軸線に対して略平行になる位置との間で、前記X線源、
    前記X線検出手段及び前記ω軸線を一体に回転させる単
    結晶体の方位測定装置を用いた方位測定方法であって、 基準試料に関するカット面と結晶面との間の表記偏差角
    度と実際の偏差角度とのずれ量を測定し、 試料に関して得られた測定結果を前記ずれ量によって補
    正することを特徴とする単結晶体の方位測定方法。
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