JP2003253368A - 半凝固成形用アルミニウム合金 - Google Patents

半凝固成形用アルミニウム合金

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JP2003253368A
JP2003253368A JP2002052581A JP2002052581A JP2003253368A JP 2003253368 A JP2003253368 A JP 2003253368A JP 2002052581 A JP2002052581 A JP 2002052581A JP 2002052581 A JP2002052581 A JP 2002052581A JP 2003253368 A JP2003253368 A JP 2003253368A
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aluminum alloy
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temperature
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Mitsuru Adachi
充 安達
Satoshi Sato
智 佐藤
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Ube Machinery Corp Ltd
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Ube Machinery Corp Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い衝撃値と強度を示すとともに鋳造性に優
れた半凝固成形用のアルミニウムを提供する。 【解決手段】 結晶核を有する融点直上、直下の合金を
冷却した後、固液共存状態において金型成形を施すアル
ミニウム合金であって、質量比で、Si:3.0〜5.
5%、Mg:0.40〜0.70%、Ti:0.03〜
0.20%、Sb:0.05〜0.20%、Fe:0.
05〜0.20%、残部Alおよび不可避不純物よりな
る構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い衝撃値と強度
を示すとともに、鋳造性に優れた半凝固成形用のアルミ
ニウム合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋳造製品を高品質化する方法の一つとし
て、高圧で鋳造する方法および一旦固化した金属の温度
を目標温度まで上げて得られる固液共存状態の金属を成
形する半溶融成形法が知られている。しかし、これらの
うち、前者は凝固時間が長くコストが必ずしも安くな
く、後者は材料コストが高く実用上問題がある。そこ
で、鋳物製品のコストを安くしかも高品質鋳物を得る方
法として、液体から直接温度を低下させて目標温度に到
達せしめた球状結晶を有する半凝固金属を金型内で加圧
成形する半凝固成形法が注目されている。
【0003】この半凝固成形法において高延性の鋳物を
製造する場合、通常、JIS鋳物用合金であればAC4
CH合金が通常用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来合
金にはいくつかの課題がある。AC4CH合金は、30
0MPa程度の強度と15%程度の伸びを示すが、衝撃
値は高くても10J/cm2程度である。この衝撃値を
改善する方法として、Siを下げることが考えられる
が、単にそれだけでは強度を低下させてしまい解決にな
らない。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、高い強度、伸びおよび衝撃強度が得
られる半凝固成形用アルミニウム合金を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、第1
の発明では、Siの含有量を低減し、かつ、その低減に
合せて、他の元素の含有量を調整し、結晶核を有する融
点直上、直下の合金を冷却した後、固液共存状態におい
て金型成形を施すアルミニウム合金であって、質量比
で、Si:3.0〜5.5%、Mg:0.40〜0.7
0%、Ti:0.03〜0.20%、Sb:0.05〜
0.20%、Fe:0.05〜0.20%、残部Alお
よび不可避不純物よりなることを特徴とする半凝固成形
用アルミニウム合金とした。
【0007】そして、アルミニウム合金の固液共存状態
に関して、第1の発明を主体とする第2の発明では、前
記結晶核を有する融点直上、直下の合金を冷却した後得
られる固液共存状態のアルミニウム合金は、結晶核を有
する液相線温度以上の液体状態のアルミニウム合金、ま
たは、結晶核を有する液相線温度より低く成形温度以上
の固液共存状態のアルミニウム合金を、保持容器内で成
形温度まで0.01〜1℃/sの平均冷却速度で冷却し
て得られることを特徴とした。
【0008】第1、2の発明を主体とする第3の発明で
は、アルミニウム合金の液相線温度に対する過熱度が5
0℃未満の溶湯を、治具を使用せず、直接、保持容器に
注湯して、前記結晶核を生成することを特徴とした。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に、溶湯から、直接、半凝固
状態のアルミニウム合金を成形するプロセスを示す。
【0010】このプロセスによれば、保持容器2にラド
ル1からアルミニウム合金溶湯3を注湯した後、保持容
器上部、下部を断熱材4で保温しながら、保持容器2の
外周部をエアー5で冷却することで、保持容器内合金の
温度の均一化を図り、さらに、最終的に、保持容器2か
らの該合金の排出を容易にするために、高周波誘導コイ
ル7で、さらに温度の均一化を図った後、半凝固状態の
アルミニウム合金6を保持容器2から、スリーブに排出
し、次いで、成形金型中で成形する。
【0011】そこで、アルミニウム合金を、結晶核を有
する融点直上、直下の合金を冷却した後、固液共存状態
において金型成形を行なうに際し、成分組成が、質量比
でSi:3.0〜5.5%、Mg:0.40〜0.70
%、Ti:0.03〜0.20%、Sb:0.05〜
0.20%、Fe:0.05〜0.20%、残部Alお
よび不可避不純物残部よりなるアルミニウム合金を用い
れば、300MPa程度の強度と15%程度の伸びと1
5J/cm2程度の衝撃値を示すことが可能となる。
【0012】球状結晶を有する固液共存状態のアルミニ
ウム合金を得るには、結晶核を有する液相線温度以上の
液体状態のアルミニウム合金、または、結晶核を有する
液相線温度より低く成形温度以上の固液共存状態のアル
ミニウム合金を、保持容器内で成形温度まで冷却する。
この冷却の際、平均冷却速度を0.01〜1℃/sとす
ることが好ましい。
【0013】結晶核生成のために、治具を用いずに、直
接、保持容器に注ぐ場合の溶湯の液相線温度に対する過
熱度は50℃未満を標準とするが、初晶の球状化をより
確実なものにするために、過熱度を30℃未満とするこ
とがより好ましい。
【0014】また、結晶核の発生を目的として、保持容
器に注湯する前に冷却板を使用したり、注湯後あるいは
注湯中に、加振棒に溶湯を接触させたりする方法も、本
発明合金に適用することができる。
【0015】さらに、結晶核の発生を目的として、アル
ミニウム合金に0.005%以下のBを添加したりする
方法も、本発明合金に適用することができる。
【0016】成形は、金型内で行なうが、成形の方法
は、半凝固アルミニウム合金を、一旦、スリーブに移
し、その後、金型内に充填して加圧成形する方法以外
に、型内に、直接半凝固アルミニウム合金を載置して、
その後加圧成形するプレスする方法あるいは鍛造する方
法、さらに押し出し成形法にも適用できる。
【0017】ここで、本発明アルミ合金を構成する各種
元素の含有量の限定理由および添加効果について詳述す
る。なお、以下、「%」は質量比を意味する。
【0018】Siは、合金の鋳造性、引張強さを向上さ
せるのに重要な成分であるが、その含有量が3.0%未
満では、引張強さが低い。一方、5.5%0を超える
と、衝撃値が低くなる。このため、Siの含有量は3.
0〜.5.5%とした。
【0019】Mgは、Siと共存することでMg2Si
の析出硬化により強度を向上させるのに必要な成分であ
るが、その含有量が0.40%未満では、強度向上の効
果が十分に得られない。一方、0.70%を超えると、
Mgが偏析してMgSiの粗大化合物が晶出し、熱処
理しても固溶できず、機械的性質が向上せずむしろ衝撃
値が低下することになる。このため、Mgの含有量は
0.40〜0.70%とした。
【0020】Tiは、球状結晶を有する半凝固金属を製
造するのに重要な成分であるが、合金の液相線温度に対
する過熱度が30℃未満の溶湯を、治具を使用せずに、
直接、保持容器に注湯する場合、その含有量が0.03
%未満では、微細球状結晶を有する半凝固金属が得られ
ない。一方、0.20%を超えると、粗大なTi化合物
が形成されて機械的性質が低下することになる。このた
め、Ti量は0.03〜0.20%とした。
【0021】Feは、半凝固成形品では、冷却速度が速
いために微細な化合物を形成するが、0.20%を超え
ると高い衝撃値が得られない。一方、0.05%未満に
することは、製造時の純アルミの鉄含有量を著しく抑え
る必要があり合金製造コストを高くすることから実用的
でない。
【0022】Sbは衝撃値を向上させるのに重要な成分
である。0.05%未満ではその効果は得られない。一
方、0.20%を超えるとMgSb化合物が多く発
生して引張強さに寄与するMg量を減少させるために引
張強さを低下させる。このため、Sb量は0.05%〜
0.20%とした。
【0023】以下、本発明の実施例について説明する
が、実施例で用いる諸条件は一例であり、本発明アルミ
合金は、これら条件に限定されるものではない。
【0024】(実施例)第1表に示す化学成分の合金を
溶製し、各合金について530℃×3hrの溶体化処理
後、160℃でT6処理を行い、引張試験を行った。得
られた結果を、表1に併せて示す。
【0025】
【表1】
【0026】比較例に示す合金6および合金7はSbと
同様の 共晶Si微細化剤が添加されているが、本発明
合金と異なり衝撃値が低い。比較例に示す合金8はSi
が多いために衝撃値が低い。比較例に示す合金9はSi
が少ないために鋳造性が良くないことから、衝撃値は低
い。比較例に示す合金10はAC4CH合金であるが、
伸び値の低下は比較的少ないが衝撃値の低下は大きい。
【0027】比較例の合金11は、Mg量が多いために
強度は高いが衝撃値が低い。比較例の合金12はMg量
が少ないために衝撃値が高いが強度が低い。比較例の合
金13はFe量が多いために衝撃値が低い。比較例の合
金14はTi量が多いために、衝撃値が低い。比較例の
合金15はSb量が少ないために、衝撃値が低い。比較
例の合金16はSb量が多いために、強度、衝撃値が低
い。
【0028】一方、本発明の合金1〜5では、いずれも
300MPa程度の引張強さと15J/cm2以上の高
い衝撃値を示している。これは、Sb添加合金特有の現
象、すなわち低温で保持している場合の溶湯を鋳造した
ときに鋳物製品中に発生する糸状の粗大化合物が発生し
ていないためである。
【0029】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明のアルミニウム合金を用いて半凝固成形すれば、
300MPa程度の強度と15%以上の伸び、15J/
cm2以上の衝撃値が得られる。そのために、高靭性を
要求される自動車部品、例えばロアアーム、アッパーア
ームなどに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム合金溶湯から、直接、半凝固金属
を製造するまでのプロセスを示す説明図である。
【符号の説明】
1…ラドル 2…保持容器 3…アルミニウム合金溶湯 4…断熱材 5…エアー 6…半凝固アルミニウム合金 7…高周波誘導コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶核を有する融点直上、直下の合金を
    冷却した後、固液共存状態において金型成形を施すアル
    ミニウム合金であって、質量比で、Si:3.0〜5.
    5%、Mg:0.40〜0.70%、Ti:0.03〜
    0.20%、Sb:0.05〜0.20%、Fe:0.
    05〜0.20%、残部Alおよび不可避不純物よりな
    ることを特徴とする半凝固成形用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 前記結晶核を有する融点直上、直下の合
    金を冷却した後得られる固液共存状態のアルミニウム合
    金は、結晶核を有する液相線温度以上の液体状態のアル
    ミニウム合金、または、結晶核を有する液相線温度より
    低く成形温度以上の固液共存状態のアルミニウム合金
    を、保持容器内で成形温度まで0.01〜1℃/sの平
    均冷却速度で冷却して得られることを特徴とする請求項
    1記載の半凝固成形用アルミニウム合金。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金の液相線温度に対する
    過熱度が50℃未満の溶湯を、治具を使用せず、直接、
    保持容器に注湯して、前記結晶核を生成することを特徴
    とする請求項1または2記載の半凝固成形用アルミニウ
    ム合金。
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