JP2003253312A - 銀粉末の製造方法及び銀粉末 - Google Patents

銀粉末の製造方法及び銀粉末

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JP2003253312A
JP2003253312A JP2002056216A JP2002056216A JP2003253312A JP 2003253312 A JP2003253312 A JP 2003253312A JP 2002056216 A JP2002056216 A JP 2002056216A JP 2002056216 A JP2002056216 A JP 2002056216A JP 2003253312 A JP2003253312 A JP 2003253312A
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Kazuhiro Yoshii
和弘 吉井
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒径のばらつきが少なく、均一な銀粉末及び
フレーク状銀粉末、及びそれらを効率よく製造すること
が可能な銀粉末の製造方法を提供する。 【解決手段】 銀塩が水と水溶性アルコールを含有する
溶媒に溶解した銀塩溶液を用意し、銀塩と水酸化アルカ
リとを反応させて酸化銀を生成させた後、酸化銀をホル
マリンで還元する。さらに、得られた銀粉末を、粉砕メ
ディアを用いて物理的にフレーク化する。また、水溶性
アルコールを銀塩溶液中の銀100重量部に対して3重
量部以下の割合で含有させる。また、水溶性アルコール
として、メタノール、エタノール、エチレングリコー
ル、グリセリンからなる群より選ばれる少なくとも1種
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、銀粉末の製造方
法及び銀粉末に関し、詳しくは、電極や電気回路の形成
に広く用いられている厚膜電極ペーストを構成する導電
性粉末として用いるのに適した銀粉末の製造方法及び銀
粉末に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、導電性に優れた銀粉末は、電子部品の端子電極や回
路パターンなどを形成するのに用いられている厚膜電極
ペースト(導電ペースト)の導電性材料などとして広く
用いられている。
【0003】この導電ペーストに用いられる銀粉末とし
ては、通常、球状のものと、フレーク状のものが用いら
れている。なお、一般的には、球状銀粉末は液相還元法
や気相還元法によって製造されている。また、フレーク
状銀粉末は、通常、液相還元法によって得られる銀粉末
をメディア(玉石)を用いて粉砕処理する方法又はバル
クの切削による方法により製造されている。
【0004】また、液相還元法による銀粉末の製造方法
としては、銀塩溶液にアルカリを加えて酸化銀を形成
し、さらに還元剤を加えて銀粉末を得る方法や、銀塩溶
液に錯化剤を加えることにより銀錯体を形成し、さらに
還元剤を加えて銀粉末を得る方法などが知られている。
【0005】ところで、フレーク状銀粉末は、導電ペー
ストの流動特性(チクソ性等)や電極ペーストの塗布形
状に大きく寄与することから、チクソ性や塗布形状を制
御して所望の特性を有する導電ペーストを得るために
は、粒径が均一で、高品質のフレーク状銀粉末を使用す
ることが不可欠となる。
【0006】また、メディア(玉石)を使用して銀粉末
の粉砕する方法により製造されるフレーク状銀粉末にお
いては、未粉砕粒子が混在していないことが望ましく、
未粉砕粒子の粒径が大きくなるにつれて、導電ペースト
の流動特性や塗布形状への影響が大きくなり、また未粉
砕粒子の割合が多くなると、所望の流動特性を確保する
ことができなくなるという問題点がある。
【0007】このように、流動特性や塗布形状などに関
し、所望の特性を備えた導電ペーストを得ようとする
と、凝集や粒径のばらつきの少ない、均一なフレーク状
銀粉末が必要となるが、従来の液相還元法で製造した銀
粉末は、凝集や粒径のばらつきが甚だしく、メディアを
用いた粉砕方法でフレーク化した場合、銀粉末を全体的
に均一に粉砕することは困難で、フレーク化しない未粉
砕の粒子の残留や、破断による微小粒子の発生などによ
り、要求されているような、凝集や粒径のばらつきが少
なく、均一なフレーク状銀粉末を得ることはできなかっ
た。
【0008】そこで、種々の改善が行われ、例えば特開
昭49−113754号公報や特開昭63−27690
4号公報には、酸化銀生成後に界面活性剤を添加するこ
とにより均一な銀粉末を得るようにした方法が開示さ
れ、また、特開昭54−121270号号公報には脂肪
酸を添加して銀粉末を得る方法が開示されている。
【0009】しかしながら、これら従来の方法には、界
面活性剤等の種類が限定されるため、プロセスの自由度
が低い、分散剤の添加量により還元反応が阻害されて一
部が未還元状態となり、銀粉末の収率が低下するという
ような問題点がある。また、酸化銀生成後の反応途中で
分散剤などを添加する必要があることから、分散剤の添
加方法などを工夫しなければならず、製造工程が複雑化
するという問題点がある。さらには、これら銀粉末を使
用してフレーク状銀粉末を製造した場合、未還元反応粉
末の影響により、フレーク状銀粉末の特性を制御するこ
とが困難になるという問題点がある。なお、フレーク状
銀粉末の粒径がばらつく場合は、分級処理を施すことに
より粒径を安定させることが可能であるが、さらなる収
率の低下や製造工程の増加を招き、生産性が低下すると
いう問題点がある。
【0010】本願発明は、上記実情に鑑みてなされたも
のであり、粒径のばらつきが少なく、均一な銀粉末及び
フレーク状銀粉末、及びそれらを効率よく製造すること
が可能な銀粉末の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明(請求項1)の銀粉末の製造方法は、銀塩
が水と水溶性アルコールを含有する溶媒に溶解した銀塩
溶液を調製する工程と、前記銀塩溶液中の銀塩と水酸化
アルカリとを反応させて酸化銀を生成させる工程と、酸
化銀をホルマリンで還元して銀粉末を生成させる工程と
を具備することを特徴としている。
【0012】銀塩が水と水溶性アルコールを含有する溶
媒に溶解した銀塩溶液を調製し、銀塩と水酸化アルカリ
とを反応させて酸化銀を生成させた後、酸化銀をホルマ
リンで還元することにより、効率よく還元反応を行わせ
て、凝集がなく、粒径の均一な銀粉末を確実に生成させ
ることが可能になる。また、水溶性アルコールの添加量
を調整することにより、得られる銀粉末の粒径を制御す
ることが可能になり、所望の粒径を有する銀粉末を製造
することが可能になる。また、本願発明(請求項1)の
銀粉末の製造方法によれば、銀塩溶液が含有する水溶性
アルコールが、分散剤としての機能も果たすため、工程
途中において分散剤を添加することを必要とせず、製造
工程を簡略化して、生産性を向上させることが可能にな
る。なお、本願発明においては、水溶性アルコールとし
て、1価アルコール、2価以上の多価アルコールなど種
々のアルコールを用いることが可能である。但し、高級
アルコールは水に不溶のものが多いので、通常は低級ア
ルコールが用いられることになる。
【0013】また、請求項2の銀粉末の製造方法は、請
求項1記載の銀粉末の製造方法により得た銀粉末を、粉
砕メディアを用いて物理的にフレーク化する工程を具備
することを特徴としている。
【0014】酸化銀を還元することにより生成させた銀
粉末を、粉砕メディアを用いて物理的にフレーク化する
ようにした場合、凝集がなく、粒径の均一な銀粉末を確
実にフレーク化することが可能になり、未粉砕の粒子の
残留や、破断による微小粒子の発生などを招くことな
く、凝集や粒径のばらつきが少なく、均一なフレーク状
銀粉末を得ることができるようになる。
【0015】また、請求項3の銀粉末の製造方法は、前
記水溶性アルコールを、銀塩溶液中の銀100重量部に
対して3重量部以下の割合で含有させることを特徴とし
ている。
【0016】水溶性アルコールを、銀塩溶液中の銀10
0重量部に対して3重量部以下の割合で含有させること
により、酸化銀をホルマリンで還元して、凝集がなく、
粒径の均一な銀粉末を確実に生成させることが可能にな
る。
【0017】また、請求項4の銀粉末の製造方法は、前
記水溶性アルコールが、メタノール、エタノール、エチ
レングリコール、及びグリセリンからなる群より選ばれ
る少なくとも1種であることを特徴としている。
【0018】水溶性アルコールとして、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール、及びグリセリンからな
る群より選ばれる少なくとも1種を用いることにより、
酸化銀をホルマリンで還元して、凝集がなく、粒径の均
一な銀粉末を確実に生成させることが可能になる。な
お、水溶性アルコールとして、メタノール、エタノー
ル、エチレングリコール、及びグリセリンの少なくとも
1種を用いた場合、その添加量を調整することにより、
得られる銀粉末の粒径を効率よく制御することが可能に
なり、所望の粒径を有する銀粉末を製造することが可能
になる。また、メタノール、エタノール、エチレングリ
コール、及びグリセリンなどは、分散剤としての機能も
果たすため、工程途中において分散剤を添加することを
必要とせず、製造工程を簡略化して、生産性を向上させ
ることが可能になる。
【0019】また、本願発明(請求項5)の銀粉末は、
請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造された
銀粉末であって、フレーク状で、かつ、二軸平均粒子径
が30μm以下であることを特徴としている。
【0020】本願発明の銀粉末は、請求項1〜4のいず
れかに記載の方法により製造された銀粉末であり、凝集
がなく、フレーク状で、二軸平均粒子径が30μm以下
であることから、積層セラミックコンデンサの外部電極
や、電気回路を形成するための導電ペースト(厚膜電極
ペースト)用の導電性粉末などに好適に用いることが可
能な銀粉末を提供することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0022】[実施形態1] (1)水酸化アルカリとして水酸化ナトリウム35gを純
水に溶解して、濃度が17重量%の水酸化ナトリウム水
溶液を調製した。 (2)また、硝酸銀80gを濃度が25重量%になるよう
に純水に溶解した後、水溶性アルコールとしてエチレン
グリコールを、銀100重量部に対して1重量部の割合
で添加することにより銀塩溶液を調製した。 (3)それから、水酸化ナトリウム水溶液に、上記の銀塩
溶液を130ml/分の速度で撹拌しながら滴下して酸化
銀を沈殿させた後、還元剤としてホルマリン26gを純
水と配合して濃度を5重量%に調整したホルマリン水溶
液を、5ml/分の速度で撹拌しながら投入し、酸化銀を
還元することにより銀粉末の沈殿を得た。 (4)得られた銀粉末を、純水を用いて電気伝導度が20
0μs/cm以下になるまで洗浄を繰り返し行った後、直
ちに脱水処理を行い、真空乾燥装置により2kPa以下
の真空下で1時間乾燥を行って乾燥銀粉未を得た。 (5)この乾燥銀粉末について#30のフルイ通しを行っ
た。 (6)それから、脂肪酸系の粉砕助剤としてオレイン酸を
銀粉末を0、5重量%の割合で添加し、直径3mmのスチ
ールメディアを用いたポット粉砕を24時間行い、フレ
ーク状銀粉末を得た。
【0023】上述のようにして得た、#30のフルイ通
しを行った後の乾燥銀粉末(粉砕前の銀粉末)と、ポッ
ト粉砕を行った後のフレーク状銀粉末を、走査型電子顕
微鏡で観察した。その結果を図1及び図2に示す。
【0024】図1より、この実施形態1の方法により得
た乾燥銀粉末(粉砕前の銀粉末)は、凝集が少なく、粒
径の均一な銀粉末であることがわかる。
【0025】また、図2より、この実施形態1の方法に
より得られた、粉砕後のフレーク状銀粉末は、粒径の均
一な銀粉末をフレーク化したものであり、未粉砕の粒子
の残留や、破断による微小粒子の発生などがなく、均一
なフレーク状銀粉末であることがわかる。また、粉砕を
行った後のフレーク状銀粉末の、n数10における二軸
平均径(長軸径と短軸径の平均値)の平均値は19.2
μm(CV値0.30)であった。
【0026】また、ストローク5mm/タッピング回数3
00におけるタップ密度を測定したところ、タップ密度
は5.0g/cm3であった。
【0027】[実施形態2] (1)水酸化アルカリとして水酸化ナトリウム35gを純
水に溶解して、濃度が17重量%の水酸化ナトリウム水
溶液を調製した。 (2)また、硝酸銀80gを濃度が25重量%になるよう
に純水に溶解した後、水溶性アルコールとして、エタノ
ールを銀100重量部に対して、3重量部の割合で添加
することにより銀塩溶液を調製した。 (3)それから、水酸化ナトリウム水溶液中に、上記の銀
塩溶液を130ml/分の速度で撹拌しながら滴下して酸
化銀を沈殿させた後、還元剤としてホルマリン26gを
純水と配合して濃度を5重量%に調整したホルマリン水
溶液を、5ml/分の速度で撹拌しながら投入し、酸化銀
を還元することにより、銀粉末の沈殿を得た。 (4)得られた銀粉末を、純水を用いて電気伝導度が20
0μs/cm以下になるまで洗浄を繰り返し行った後、直
ちに脱水処理を行い、真空乾燥装置により真空度2kP
a以下の真空下で1時間乾燥を行って乾燥銀粉未を得
た。 (5)この乾燥銀粉末について#30のフルイ通しを行っ
た。 (6)それから、脂肪酸系の粉砕助剤としてオレイン酸を
銀粉末の0、5重量%の割合で添加し、直径3mmのスチ
ールメディアを用いたポット粉砕を24時間行い、フレ
ーク状銀粉末を得た。
【0028】上述のようにして得た、乾燥銀粉末(粉砕
前の銀粉末)と、ポット粉砕を行った後のフレーク状銀
粉末を、走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図3
及び図4に示す。
【0029】図3より、この実施形態2の方法により得
た、乾燥銀粉末(粉砕前の銀粉末)は凝集が少なく、粒
径の均一な銀粉末であることがわかる。
【0030】また、図4より、この実施形態2の方法に
より得られた、粉砕後のフレーク状銀粉末は、粒径の均
一な銀粉末をフレーク化したものであり、未粉砕の粒子
の残留や、破断による微小粒子の発生などがなく、均一
なフレーク状銀粉末であることがわかる。また、粉砕を
行った後のフレーク状銀粉末の、n数10における二軸
平均径(長軸径と短軸径の平均値)の平均値は18.9
μm(CV値0.28)であった。
【0031】また、ストローク5mm/タッピング回数3
00におけるタップ密度を測定したところ、タップ密度
は4.8g/cm3であった。
【0032】[比較例]硝酸銀80gを濃度が25重量
%になるように純水に溶解して、水溶性アルコールを含
まない銀塩溶液を調製した。そして、この銀塩溶液を用
いて、上記実施形態1と同様の方法により、沈殿反応及
び還元反応を行わせて銀粉末の沈殿を得た。得られた銀
粉末を、純水を用いて電気伝導度が200μs/cm以下
になるまで洗浄した後、脱水処理を行い、真空乾燥装置
により真空度2kPa以下の真空下で1時間乾燥を行っ
て乾燥銀粉未を得た。そして、#30のフルイ通しを行
った後の乾燥銀粉末に、脂肪酸系の粉砕助剤としてオレ
イン酸を銀粉末の0.5重量%の割合で添加し、直径3
mmのスチールメディアを用いたポット粉砕を24時間行
い、フレーク状銀粉末を得た。
【0033】上述のようにして得た、乾燥銀粉末(粉砕
前の銀粉末)と、粉砕を行った後のフレーク状銀粉末
を、走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図5及び
図6に示す。
【0034】図5より、この比較例(従来例)の方法に
より得られた、乾燥銀粉末(粉砕前の銀粉末)は凝集が
多く、粒径も不均一であることがわかる。
【0035】また、図6より、この比較例(従来例)の
方法により得られたフレーク状銀粉末は、未粉砕の粒子
の残留や、破断による微小粒子の発生があり、均一なフ
レーク状銀粉末が得られていないことがわかる。また、
粉砕を行った後のフレーク状銀粉末の、n数10におけ
る二軸平均径(長軸径と短軸径の平均値)の平均値は
8.0μm(CV値0.51)であった。
【0036】また、ストローク5mm/タッピング回数3
00におけるタップ密度を測定した結果、タップ密度は
3.9g/cm3であった。
【0037】この比較例と上述の実施形態1及び2を対
比すると、本願発明の実施形態1及び2の方法によれ
ば、未粉砕の粒子の残留や、破断による微小粒子の発生
などを抑制して、凝集や粒径のばらつきが少なく、均一
なフレーク状銀粉末が得られることがわかる。
【0038】なお、上記実施形態1及び2では、水溶性
アルコールとして、エチレングリコール(実施形態
1)、及びエタノール(実施形態2)を用いたが、本願
発明においては、例えば、メタノール、グリセリンな
ど、さらに他のアルコールを用いることも可能である。
また、上記実施形態では、銀塩として、硝酸銀を用いて
いるが、他の種類の銀塩を用いることも可能である。ま
た、上記実施形態では、水酸化アルカリとして水酸化ナ
トリウムを用いているが、水酸化カリウムなどの他の水
酸化アルカリを用いることも可能である。
【0039】本願発明はさらにその他の点においても上
記実施形態に限定されるものではなく、反応条件などに
関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加え
ることが可能である。
【0040】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
銀粉末の製造方法は、銀塩が水と水溶性アルコールを含
有する溶媒に溶解した銀塩溶液を用意し、銀塩と水酸化
アルカリとを反応させて酸化銀を生成させた後、酸化銀
をホルマリンで還元するようにしているので、効率よく
還元反応を行わせて、凝集がなく、粒径の均一な銀粉末
を確実に生成させることが可能になる。なお、水溶性ア
ルコールの添加量を調整することにより、得られる銀粉
末の粒径を制御することが可能になり、所望の粒径を有
する銀粉末を製造することができる。また、本願発明
(請求項1)の銀粉末の製造方法によれば、銀塩溶液が
含有する水溶性アルコールが、分散剤としての機能も果
たすため、工程途中において分散剤を添加することを必
要とせず、製造工程を簡略化して、生産性を向上させる
ことができる。
【0041】また、請求項2の銀粉末の製造方法のよう
に、酸化銀を還元することにより生成させた銀粉末を、
粉砕メディアを用いて物理的にフレーク化するようにし
た場合、凝集がなく、粒径の均一な銀粉末を確実にフレ
ーク化することが可能になり、未粉砕の粒子の残留や、
破断による微小粒子の発生などを招くことなく、凝集や
粒径のばらつきが少なく、均一なフレーク状銀粉末を得
ることができるようになる。
【0042】また、請求項3の銀粉末の製造方法のよう
に、水溶性アルコールを、銀塩溶液中の銀100重量部
に対して3重量部以下の割合で含有させるようにした場
合、酸化銀をホルマリンで還元して、凝集がなく、粒径
の均一な銀粉末を確実に生成させることが可能になる。
【0043】また、請求項4の銀粉末の製造方法のよう
に、水溶性アルコールとして、メタノール、エタノー
ル、エチレングリコール、及びグリセリンからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種を用いることにより、酸化銀
をホルマリンで還元して、凝集がなく、粒径の均一な銀
粉末を確実に生成させることができるようになる。な
お、水溶性アルコールとして、メタノール、エタノー
ル、エチレングリコール、及びグリセリンの少なくとも
1種を用いた場合、その添加量を調整することにより、
得られる銀粉末の粒径を効率よく制御することが可能に
なり、所望の粒径を有する銀粉末を製造することができ
る。また、メタノール、エタノール、エチレングリコー
ル、及びグリセリンなどは、分散剤としての機能も果た
すため、工程途中において分散剤を添加することを必要
とせず、製造工程を簡略化して、生産性を向上させるこ
とができる。
【0044】また、本願発明(請求項5)の銀粉末は、
請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造された
銀粉末であり、凝集がなく、フレーク状で、二軸平均粒
子径が30μm以下であることから、積層セラミックコ
ンデンサの外部電極や、電気回路を形成するための導電
ペースト(厚膜電極ペースト)用の導電性粉末などに好
適に用いることが可能な銀粉末を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態(実施形態1)において
得られた乾燥銀粉末(粉砕前の銀粉末)の走査型電子顕
微鏡による撮影像を示す図である。
【図2】本願発明の一実施形態(実施形態1)において
得られたフレーク状銀粉末の走査型電子顕微鏡による撮
影像を示す図である。
【図3】本願発明の他の実施形態(実施形態2)におい
て得られた乾燥銀粉末(粉砕前の銀粉末)の走査型電子
顕微鏡による撮影像を示す図である。
【図4】本願発明の他の実施形態(実施形態2)におい
て得られたフレーク状銀粉末の走査型電子顕微鏡による
撮影像を示す図である。
【図5】比較例(従来法)において得られた乾燥銀粉末
(粉砕前の銀粉末)の走査型電子顕微鏡による撮影像を
示す図である。
【図6】比較例(従来法)において得られたフレーク状
銀粉末の走査型電子顕微鏡による撮影像を示す図であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀塩が水と水溶性アルコールを含有する溶
    媒に溶解した銀塩溶液を調製する工程と、 前記銀塩溶液中の銀塩と水酸化アルカリとを反応させて
    酸化銀を生成させる工程と、 酸化銀をホルマリンで還元して銀粉末を生成させる工程
    とを具備することを特徴とする銀粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の銀粉末の製造方法により得
    た銀粉末を、粉砕メディアを用いて物理的にフレーク化
    する工程を具備することを特徴とする銀粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記水溶性アルコールを、銀塩溶液中の銀
    100重量部に対して3重量部以下の割合で含有させる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の銀粉末の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記水溶性アルコールが、メタノール、エ
    タノール、エチレングリコール及びグリセリンからなる
    群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の銀粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の方法によ
    り製造された銀粉末であって、フレーク状で、二軸平均
    粒子径が30μm以下であることを特徴とする銀粉末。
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