JP2003251568A - 砥石車 - Google Patents

砥石車

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JP2003251568A
JP2003251568A JP2002054436A JP2002054436A JP2003251568A JP 2003251568 A JP2003251568 A JP 2003251568A JP 2002054436 A JP2002054436 A JP 2002054436A JP 2002054436 A JP2002054436 A JP 2002054436A JP 2003251568 A JP2003251568 A JP 2003251568A
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Japan
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grindstone
grinding wheel
abrasive grains
dressing
workpiece
Prior art date
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JP2002054436A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Sakuma
隆一 佐久間
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Sanwa Kenma Ltd
Original Assignee
Sanwa Kenma Ltd
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Publication date
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より効果的に砥石のドレッシングを行うこと
ができる砥石車を提供する。 【解決手段】 円盤状の基板40の一方側の面に、その
周縁部に沿って複数の砥石チップ46をほぼ連続的に配
列し、その内側に、遊離砥粒を加工面に供給するドレッ
シング部材48を設けた。このドレッシング部材48
は、砥粒100重量部に対して樹脂固形成分が0.3〜
5重量部の割合で含有されるように水系ポリウレタン樹
脂からなる結合剤により砥粒を保持させた成形体から構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面研削盤、研磨
装置等に使用される砥石車に関するものであり、より詳
しくは、セルフドレッシング機能(自己目立て機能)を
備えた砥石車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ダイヤモンドや立方晶窒化硼
素(CBN)等の超砥粒を含む砥石(超砥粒砥石とい
う)を円盤状の基盤に固定した砥石車は一般に知られて
いる。
【0003】砥石車は、砥石に目詰まりや目つぶれが生
じると著しく研削機能が低下する。そのため、研削機能
を維持するために必要に応じて砥石の目立て(ドレッシ
ング)を行うことが要求される。そこで、例えば、特開
昭61−226260号公報には、A砥粒(酸化アルミ
ナ(Al23)を主成分とする砥粒)やC砥粒(炭化珪
素(SiC)を主成分とする砥粒)等の遊離砥粒を混入
したドレッシング液を必要に応じて砥石と加工物との間
に供給することにより、作業中に砥石をドレッシングで
きるように構成された研削盤が提案されている。
【0004】この研削盤によると、加工中、多くの遊離
砥粒を砥石に供給することが可能であり、砥石をドレッ
シングする上で有効である。ところが、研削盤に研削液
とは別にドレッシング液を供給するための設備が必要と
なるため装置の大型化、高コスト化を助長するという欠
点がある。
【0005】そこで、より簡単な構成として、例えば特
開2000−42930号公報に、A砥粒等の一般砥粒
を含む砥石(一般砥粒砥石)と超砥粒砥石とを周方向に
交互に配列し、加工中に一般砥粒砥石から脱落した砥粒
(遊離砥粒)によって超砥粒砥石をドレッシングし得る
ようにしたセルフドレッシング機能(自己目立て機能)
を備えた砥石車が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、遊離砥粒は
砥石車の回転による遠心力により外側に運ばれるため、
上記のような砥石車の構成では、超砥粒砥石のうち砥石
車の中心に近い部分では殆どドレッシング効果が期待で
きなかった。また、加工に伴い発生する遊離砥粒は決し
てドレッシング効果を満足し得る量ではなく、しかも、
上記のように一般砥粒砥石と超砥粒砥石とが周方向に交
互に配列されているので、砥石から脱落した遊離砥粒の
うち超砥粒砥石のドレッシングに寄与することなく遠心
力で砥石車の外側に運ばれる遊離砥粒も多く、結局、こ
の特開2000−42930号公報の砥石車では、要求
されるドレッシング機能を満足させることはできなかっ
た。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、セルフドレッシング機能(自己目立て機能)
を備えた砥石車に関し、より効果的に砥石のドレッシン
グを行うことができる砥石車を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、砥石配設面をもつベース部材と、このベ
ース部材の砥石配設面に配設される砥石とを備え、前記
砥石配設面と略直交する方向の軸回りに回転駆動される
砥石車において、前記砥石は、前記ベース部材の回転中
心部を包囲する配置で設けられ、この砥石よりも回転半
径方向内側の領域に、砥粒を保持して加工物との接触に
より該砥粒を脱落させるドレッシング部材が設けられて
いるものである(請求項1)。
【0009】この構成によると、加工中、ドレッシング
部材から砥粒が脱落し、この砥粒(遊離砥粒)が砥石部
分に運ばれることにより砥石のドレッシングが行われ
る。この際、上記のように砥石よりも回転半径方向内側
の領域にドレッシング部材が設けられていることによ
り、遊離砥粒が遠心力によって砥石面全体に斑なく供給
され、これにより砥石全体が均一にドレッシングされ
る。
【0010】なお、請求項の記載中、「砥石は、前記ベ
ース部材の回転中心部を包囲する配置で設けられ」と
は、基板全周に連続して砥石が設けられている場合、小
片状の複数の砥石が連なって設けられている場合、断続
的に複数の砥石が設けられている場合を含む。
【0011】この構成において、前記ドレッシング部材
の加工物に対向する面は、前記砥石の砥石面と略面一に
設けておくのが好ましい(請求項2)。
【0012】この構成によれば、砥石車の使用開始当初
から砥石およびドレッシング部材の双方を加工物に対し
て摺動させることができる。そのため、砥石による研削
を良好に行う一方で、砥石に対するドレッシング効果も
良好に発揮される。
【0013】なお、前記ドレッシング部材は、砥粒10
0重量部に対して樹脂固形成分が0.3〜5重量部の割
合で含有されるように樹脂成分を有する結合剤により砥
粒を保持させた成形体からなるものであるのが好ましい
(請求項4)。
【0014】このようなドレッシング部材の構成によれ
ば、加工中、可及的に多くの砥粒を容易に脱落させ得る
状態で砥石車に保持させることが可能となる。すなわ
ち、結合剤が樹脂固形成分換算値で0.3重量部未満の
割合の場合にはドレッシング部材の定型性が保持され
ず、砥粒を砥石車に保持させることが困難となる一方、
結合剤が樹脂固形成分換算値で5重量部を超えると、砥
粒が脱落し難くくなるためである。従って、可及的に多
くの遊離砥粒を砥石に供給しながら効果的に砥石のドレ
ッシングを行うことが可能となる。
【0015】なお、ドレッシング用成形体において、前
記結合剤は熱硬化性水系樹脂であるのが好ましく(請求
項4)、望ましくは水系ウレタン樹脂であれば好適であ
る(請求項5)。
【0016】このような樹脂を結合剤とするドレッシン
グ部材によれば、樹脂成分を均一に分散させることがで
き、特に水系ウレタン樹脂によれば砥粒との密着性にも
優れているので、上記のような特性を有するドレッシン
グ部材を良好に得ることができる。
【0017】また、研削や研磨作業では、通常、研削液
や研磨液を加工物表面に供給しながら作業を行うが、上
記の砥石車においては、そのような加工用の液体を供給
するための供給口を回転中心に備えているのが好ましい
(請求項6)。
【0018】この構成によると、供給される加工用の液
体が遠心力により外側に運ばれるので、その圧力を利用
してドレッシング部材から砥粒を脱落させることができ
る。そのため、砥石に対する遊離砥粒の供給を促進させ
ることができる。
【0019】また、前記砥石には、砥石面を外側から包
囲するように側面部分に樹脂からなる保護層が設けられ
ているのが好ましい(請求項7)。
【0020】この構成によると、砥石車を加工物に接触
させる際に砥石と加工物とが直接衝突して加工物が損傷
を受けたり、砥石が欠損する等のトラブルを回避するこ
とが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
【0022】図1は本発明に係る砥石車が適用される研
削装置を概略的に示している。この図において符号10
は、研削装置のヘッドを示している。このヘッド10
は、図外の移動機構に連結されており、支持台上に固定
された加工物、具体的には硬質脆性材料(例えば、セラ
ミック、石材又はガラス等)からなる加工物Wに対して
水平方向および上下方向に移動可能に設けられている。
【0023】ヘッド10には、その下端部に垂直な駆動
軸12が設けられている。この駆動軸12は、減速機構
等を介してヘッド10内に搭載された図外のモータに連
結されており、このモータの作動により回転駆動される
ように構成されている。なお、駆動軸12の外側には、
同図に示すようにカバー22が密接した状態で設けられ
ており、駆動時には、このカバー22に対して駆動軸1
2が摺接しながら相対的に回転するように構成されてい
る。
【0024】駆動軸12の下端部には、砥石車40の組
付部14が一体に設けられており、段付き円柱状のホル
ダー30を介して砥石車40がこの組付部14に組み付
け固定されている。
【0025】砥石車40は、前記加工物Wを粗・中研削
するための砥石車であって、同図および図2に示すよう
に、中心に開口部50を備えた円盤状の基板42(ベー
ス部材)の一方側の面(砥石配設面)に砥石チップ46
およびドレッシング部材48を備えた構成となってお
り、該砥石チップ46等を下向きにした状態で前記ホル
ダー30の下端部に固定され、前記駆動軸12の駆動に
よりその中心軸(図中符号Oを付して示す)回りに回転
駆動されるようになっている。
【0026】駆動軸12に対する砥石車40の組み付け
は、ホルダー30の下端部に砥石車40が重ね合わされ
た状態で、ホルダー30の反対側(図1では上側)から
砥石車40にボルト32が螺合装着されることによりホ
ルダー30の下端部に砥石車40が引き込み固着され、
さらに、前記ホルダー30の上部に設けられたフック3
4が組付部14の係止穴16に挿入、係止されることに
より行われている。なお、この係止穴16は、中心軸O
と同心で回転方向に若干の円弧をもつ蟻溝から構成され
ている。
【0027】前記砥石車40の構成についてより詳しく
説明すると、砥石車40は上記のように円盤状の基板4
2を有しており、この基板42の周縁部に沿って複数の
前記砥石チップ46が一列に、かつ微小間隔を隔ててほ
ぼ連続した状態で固定されるとともに、これら砥石チッ
プ46の内側(砥石チップ46と前記開口部50との
間)に複数の前記ドレッシング部材48が固定された構
成となっている。
【0028】各砥石チップ46は、加工物Wを加工する
もので、例えば粒度♯50の超砥粒(当実施形態ではダ
イヤモンド)を含む柱状のメタルボンド砥石46a(以
下砥石46aと略す)を有し、これをエポキシ系接着剤
でチップ支持台46cに固定し、さらに砥石面を包囲す
るように砥石46aの周囲(側面)にエポキシ樹脂から
なる保護層46bを形成した構成となっている。そし
て、前記チップ支持台46cが前記基板42に接着され
ることにより砥石チップ46が基板42に固定されてい
る。
【0029】一方、各ドレッシング部材48は、加工中
に前記砥石46aの目立てを行うためのドレッシング用
砥粒を保持した成形体である。このドレッシング部材4
8は、結合剤により砥粒を極めて低い結合度で結合させ
た脆性を有する成形体、より具体的には、砥粒100重
量部に対して樹脂固形成分が1.5重量部の割合で含有
されるように水系ポリウレタン樹脂からなる結合剤によ
り粒度♯60のC砥粒(当実施形態ではGC;緑色炭化
珪素質砥粒)を保持させた成形体であることが好まし
い。この成形体は、定型性を有する一方、加工物Wとの
接触により容易に砥粒を脱落させ得るように構成されて
いる。
【0030】ドレッシング部材48は、当実施形態では
4つ設けられており、各ドレッシング部材48は、図2
に示すようにそれぞれ扇形の板状に成形され、前記開口
部50を中心としてその周囲に均等に並べられた状態で
基板42に接着、固定されている。
【0031】なお、各砥石チップ46の砥石面(図1で
は下面)と各ドレッシング部材48の下面とは略面一に
設けられており、砥石車40を加工物Wに接触させると
各砥石チップ46の砥石面および各ドレッシング部材4
8の下面が隙間無く加工物Wに接触し得るように構成さ
れている。
【0032】上記ヘッド10は、さらに前記駆動軸12
等の内部を通じて加工物Wに研削水(加工用の液体)を
供給し得るように構成されている。
【0033】すなわち、前記駆動軸12の中心にその軸
方向に延びて下向きに開口する通路18が形成されると
ともに、駆動軸12の外周面にその全周に亘って溝20
が形成され、この溝20と前記通路18とが連通路21
を介して連通接続されている。また、前記カバー22の
うち前記溝20に対応する部分に研削水の供給ポート2
4が設けられ、図外の研削水供給源に通じる供給管26
の先端がこの供給ポート24に連通接続されている。そ
して、前記ホルダー30の中心軸上に貫通穴36が形成
され、砥石車40を駆動軸12に組み付けると、図1に
示すように駆動軸12の前記通路18と砥石車40の前
記開口部50とがホルダー30の貫通穴36を介して連
通接続され、これにより前記供給管26、供給ポート2
4、溝20および連通路21を通じて駆動軸12の内部
に研削水が導入されつつ、前記通路18および貫通穴3
6を通じて砥石車40の前記開口部50から加工物Wの
加工面に噴出されるように構成されている。
【0034】次に、以上のように構成された研削装置の
作用効果について説明する。
【0035】上記の研削装置により加工物Wを研削する
には、前記駆動軸12の作動により砥石車40を回転駆
動させ、前記開口部50から研削水を噴出させながら前
記砥石車40を加工物Wの表面に圧接するとともに、ヘ
ッド10を移動させて砥石車40と加工物Wとを相対的
に水平方向に移動させる。
【0036】このようにすると、砥石車40の回転およ
びヘッド10の移動に伴い前記各砥石チップ46が加工
物Wに沿って摺動し、これにより加工物Wが砥石46a
により研削されることとなる。なお、この装置では、上
記のように砥石46aの周囲(側面)に保護層46bを
形成した砥石チップ46を使用しているため、砥石車4
0を加工物Wに接触させる際に砥石46aのエッジ部分
が直接加工物Wに衝突することがなく、これにより加工
物Wが損傷を受けたり、砥石46aが欠損する等のトラ
ブルが有効に防止される。
【0037】そして、上記のように各砥石チップ46に
より加工物Wの研削が行われる一方、ドレッシング部材
48が加工物Wに沿って摺動することによりドレッシン
グ部材48に含まれる砥粒(GC)が脱落し、この遊離
砥粒により砥石チップ46(砥石46a)に対するドレ
ッシング効果が発揮されることとなる。この際、上記の
砥石車40においては、ドレッシング部材48が上述し
たような構成、および配置で設けられていることによ
り、全ての砥石チップ46が均一に、しかも効果的にド
レッシングされることとなる。
【0038】すなわち、上記のように砥石チップ46の
内側にドレッシング部材48が設けられているので、遊
離砥粒が遠心力によって各砥石チップ46の砥石面に斑
なく供給され、その結果、全ての砥石チップ46が均一
にドレッシングされることとなる。しかも、ドレッシン
グ部材48は、上記のように砥粒を結合剤により極めて
低い結合度で結合させた脆性を有する成形体であるた
め、後述する試験結果に示されるように加工物Wとの摺
動や研削水の液圧が作用することにより容易に砥粒が脱
落することとなる。そのため、加工中には、極めて多く
の遊離砥粒が砥石チップ46に供給されることとなり、
その結果、砥石チップ46のドレッシングが効果的に行
われる。特に、この砥石車40では、基板42の周縁部
にほぼ連続的に砥石チップ46が設けられ、その内側に
ドレッシング部材48が設けられているので、ドレッシ
ング部材48から脱落する遊離砥粒の殆ど全てが砥石チ
ップ46のドレッシングに有効に寄与することとなり、
これによりドレッシング効果が更に高められる。
【0039】従って、砥石チップ46の目詰まりや目つ
ぶれをより良好に解消しながら加工物Wの加工を行うこ
とができることとなる。
【0040】なお、上記砥石車40に取付けられている
ドレッシング部材48は以下のような製法により制作す
ることができる。
【0041】まず、砥粒(GC)に対して水系ポリウレ
タン樹脂を混合、撹拌する。この際、必要に応じて水や
アセトン等の溶媒や、架橋剤(例えば水系ポリイソシア
ネート系架橋剤)を添加してもよい。
【0042】次いで、混合物を成形型に注入し、室温
(25°C)で12〜24時間自然乾燥させた後、熱風
循環式加熱機等により加熱処理を施して前記混合物を硬
化させる。加熱処理は、まず20°C〜100°Cの温
度で2〜12時間予備加熱し、離型後、100°C〜2
00°Cの温度で10分〜12時間加熱する。
【0043】そして、最終的に前記成形体のバリ処理や
寸法等の微調整を行うことにより前記ドレッシング部材
48を得ることができる。
【0044】なお、当実施形態では、♯60の砥粒(G
C)100重量部に対して水系ポリウレタン樹脂を樹脂
固形成分換算値で1.5重量部の割合で混合し、この混
合物を成形型に注入して室温(25°C)で12時間自
然乾燥させ、50°Cで4時間予備加熱した後に離型
し、さらに150°Cで40分加熱処理を施すことによ
り、以下の通り、加工物との接触に伴い砥粒を容易に脱
落させることができる良好なドレッシング部材48を得
ることができた。
【0045】以下の表は、上記のようにして製作したド
レッシング部材48と一般的な石材研削用砥石(青砥)
との砥粒の離脱性能を比較した試験結果である(石材研
削用砥石の構成は下記表内の記載の通りである)。な
お、離脱性能の試験は、下記の条件に基づきドレッシン
グ部材48および砥石を加工物に摺動(回転)させたと
きの摩耗速度を比較することにより行った。
【0046】・摺動面積 ;30cm2 ・加工対象物;黒御影石 ・回転速度 ;400rpm ・荷重 ;30kgf ・研削液 ;水
【0047】
【表1】
【0048】この表に示す通り、前記ドレッシング部材
48は一般的な砥石(青砥)に比べて摩耗速度が著しく
速く、ドレッシング部材48における砥粒の離脱性が砥
石(青砥)に比べて遙かに良い(砥粒が離脱し易い)こ
とが考察できる。
【0049】ところで、以上説明した研削装置は、本発
明に係る砥石車が適用される研削装置の一例であってそ
の具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適
宜変更可能であり、例えば、以下のような構成を採用す
ることもできる。
【0050】 砥石車40は、図3に示すように、小
片状の多数のドレッシング部材48を砥石チップ46の
内側に特定の配列で固定したものであってもよい。この
ような小片状のドレッシング部材48を適用すれば、ド
レッシング部材48の成形自体が容易になり、ドレッシ
ング部材48の生産性が向上する。
【0051】 砥石車40は、図4に示すように、基
板42の周縁部に沿って砥石52を配列し、基板42の
砥石固定面のうち該砥石52以外の部分全体にドレッシ
ング部材54を設けたものであってもよい。この砥石車
40によれば、より多くのドレッシング部材48を砥石
車40に設けることができるため、加工中、砥石52に
対してより多くの遊離砥粒を供給することができ、これ
によりドレッシング効果を高めることができる。また、
ドレッシング機能をより長く持続させることが可能にな
るという効果もある。
【0052】 砥石チップ46に適用される砥石46
aは、必ずしもメタルボンド砥石である必要はなく、ビ
ドリファイドボンド砥石、レジンボンド砥石等の砥石で
あっても構わない。
【0053】 実施形態のドレッシング部材48は、
粒度♯60のC砥粒(GC)100重量部に対して水系
ポリウレタン樹脂からなる結合剤を樹脂固形成分換算値
で1.5重量部の割合で含有させた構成であるが、結合
剤の割合は必ずしも樹脂固形成分換算値で1.5重量部
の範囲内に限らず、加工物との接触により容易に砥粒を
脱落させるように砥粒を結合させることができればよ
い。但し、ドレッシング部材48の成形性および定型性
を確保する上では、以下の試験結果に示すように、結合
剤を樹脂固形成分換算値で0.3〜5重量部の範囲内で
混合するのが好ましい。
【0054】
【表2】
【0055】すなわち、結合剤の含有量が0.3重量部
に満たない場合には、樹脂成分の不足によりドレッシン
グ部材48の成形性が困難となり、また、成形できた場
合でもその構造が脆過ぎるために形状維持が困難にな
る。一方、結合剤が概ね5重量部を超えると、含有水分
の増加に伴い加熱処理工程での十分な除湿が困難とな
り、この場合も成形性や定型性が損なわれることとな
る。なお、この表からは明らかでないが、結合剤が5重
量部を超える場合でも加熱処理方法によっては成形性や
定型性を確保することが可能である。但し、この場合に
は、砥粒の結合力が強くなり過ぎ、砥粒の離脱性(砥粒
の離脱し易さ)が損なわれ易くなる。従って、成形性お
よび定型性を確保し、さらに加工物との接触により可及
的に多くの砥粒を脱落させるには、C砥粒(GC)10
0重量部に対して結合剤を樹脂固形成分換算値で0.3
〜5重量部の範囲内で混合するのが好ましいと考えられ
る。なお、この傾向は結合剤として水系ポリウレタン樹
脂を使用した場合に限らず、他の樹脂成分を有する結合
剤を使用した場合も同様である。
【0056】 実施形態では、ドレッシング部材48
の砥粒として粒度♯60の砥粒を使用しているが、ドレ
ッシング部材48の砥粒の粒度は、砥石46aに含まれ
る砥粒の粒度に応じてドレッシング機能が効果的に発揮
され得るように適宜選定すればよい。なお、上記のよう
な硬質脆性材料(例えば、セラミック、石材又はガラス
等)からなる加工物Wを粗・中研削する際の砥石車で
は、一般に粒度♯46〜♯400の砥粒を含んだ砥石が
使用されるため、この種の砥石車に使用するドレッシン
グ部材48としては、粒度が♯46〜♯400程度の砥
粒を含んだものが好適である。
【0057】 ドレッシング部材48に含まれる砥粒
や結合剤は、必ずしも実施形態と同一である必要なは
い。例えば、砥粒は粒度♯60のGC以外の一般砥粒
(例えばA砥粒)、あるいはダイヤモンドやCBN等の
超砥粒を用いたものであってもよい。また、結合剤も、
必ずしも水系ポリウレタン樹脂である必要はなく、その
他の樹脂であってもよい。例えば、実施形態の水系ポリ
ウレタン樹脂のような熱硬化性樹脂(エポキシ、フェノ
ール等)の他、適用可能な場合には熱可塑性樹脂(アク
リル、PVA等)を用いることもできる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、砥石配
設面をもつベース部材と、このベース部材の砥石配設面
に配設される砥石とを備え、前記砥石配設面と略直交す
る方向の軸回りに回転駆動される砥石車において、前記
砥石をベース部材の回転中心部を包囲する配置で設ける
とともに、この砥石よりも回転半径方向内側の領域に、
砥粒を保持して加工物との接触により該砥粒を脱落させ
るドレッシング部材を設け、これにより加工中、ドレッ
シング部材から脱落する遊離砥粒を遠心力によって砥石
面全体に斑なく供給するようにしたので、砥石を極めて
効果的に、しかも均一にドレッシングすることができる
ようになる。
【0059】特に、ドレッシング部材として、砥粒10
0重量部に対して樹脂固形成分が0.3〜5重量部の割
合で含有されるように樹脂成分を有する結合剤により砥
粒を保持させた成形体を設けるようにすれば、加工中、
多くの遊離砥粒を砥石に供給することが可能となり、そ
の結果、より効果的に砥石のドレッシングを行うことが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る砥石車が適用される研削装置を示
す断面略図である。
【図2】本発明に係る砥石車を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る砥石車の別の例を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明に係る砥石車の別の例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 ヘッド 12 駆動軸 40 砥石車 42 基板(ベース部材) 46 砥石チップ 46a 砥石 48 ドレッシング部材 50 開口部(供給口) W 加工物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石配設面をもつベース部材と、このベ
    ース部材の砥石配設面に配設される砥石とを備え、前記
    砥石配設面と略直交する方向の軸回りに回転駆動される
    砥石車において、 前記砥石は、前記ベース部材の回転中心部を包囲する配
    置で設けられ、この砥石よりも回転半径方向内側の領域
    に、砥粒を保持して加工物との接触により該砥粒を脱落
    させるドレッシング部材が設けられていることを特徴と
    する砥石車。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の砥石車において、 前記ドレッシング部材の加工物に対向する面が前記砥石
    の砥石面と略面一に設けられていることを特徴とする砥
    石車。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の砥石車におい
    て、 前記ドレッシング部材は、砥粒100重量部に対して樹
    脂固形成分が0.3〜5重量部の割合で含有されるよう
    に樹脂成分を有する結合剤により砥粒を保持させた成形
    体からなることを特徴とする砥石車。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の砥石車において、 前記結合剤は熱硬化性水系樹脂であることを特徴とする
    砥石車。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のドレッシング用成形体
    において、 前記熱硬化性水系樹脂は水系ウレタン樹脂であることを
    特徴とする砥石車。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載の砥石車
    において、 回転中心に加工用の液体を供給するための供給口を備え
    ていることを特徴とする砥石車。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載の砥石車
    において、 前記砥石には、砥石面を外側から包囲するように側面部
    分に樹脂からなる保護層が設けられていることを特徴と
    する砥石車。
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