JP2003251431A - ユニバーサルジョイントヨークの製造方法、鍛造用金型および素形材 - Google Patents

ユニバーサルジョイントヨークの製造方法、鍛造用金型および素形材

Info

Publication number
JP2003251431A
JP2003251431A JP2002373353A JP2002373353A JP2003251431A JP 2003251431 A JP2003251431 A JP 2003251431A JP 2002373353 A JP2002373353 A JP 2002373353A JP 2002373353 A JP2002373353 A JP 2002373353A JP 2003251431 A JP2003251431 A JP 2003251431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cup
universal joint
joint yoke
mold
back pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002373353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4355140B2 (ja
Inventor
Masahiro Sato
正広 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2002373353A priority Critical patent/JP4355140B2/ja
Publication of JP2003251431A publication Critical patent/JP2003251431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4355140B2 publication Critical patent/JP4355140B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forging (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 完成品形状に近い、切削余肉の少ないカップ
形状部の高さが均一なユニバーサルジョイントヨーク素
形材を得て、原材料歩留まりの良いユニバーサルジョイ
ントヨークを製造する方法を提供する。 【解決手段】 閉塞した空間を形成する上金型103、
下金型65からなる金型内に素材6を投入した後にユニ
バーサルジョイントヨークの素形材を成形する際に、ユ
ニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部4
1の先端にリングノック67を介して単位面積当り0.
5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態でカップ状成
形部の反対側に形成されるピンボス成形部への素材の充
満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設され
ている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノッ
クを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始さ
せる鍛造工程を含むユニバーサルジョイントのヨークの
製造方法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄肉のカップ形状を
有するユニバーサルジョイントのヨークの製造方法に関
し、更に、詳しくは、ヨーク製造方法及び上記製造方法
に用いる鍛造用金型並びに上記金型で鍛造された素形材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パワートレインシステムのプロペラシャ
フトに用いられるユニバーサルジョイントのヨークは、
通常薄肉カップ形状をしている。図12にプロペラシャ
フトの概略図を示す。動力伝達装置におけるトランスミ
ッション(111)の出口とファイナルドライブ(11
9)の間をつなぐのがプロペラシャフトであり、プロペ
ラシャフトのシャフトの接続部にユニバーサルジョイン
トが用いられている。ユニバーサルジョイントはヨーク
(112a、112b、112c)と十文軸(113
a、113b、113c)からなり、シャフト間の回転
を接続するシャフト(114a、114b)へ動力とし
て伝達している。尚、116はプロペラシャフトを車体
117へ取付けるための金具を示し、115は角度変更
用のベアリングを示している。
【0003】ユニバーサルジョイントヨークは押出され
たアルミニウム合金を素材として冷間鍛造により製造さ
れている。図13に従来の冷間鍛造工法で用いられるヨ
ークの金型構成図の一例を示した。また、図16に従来
工法のバリ出し鍛造によるバリ出し鍛造素形材(図16
(a))とバリをトリミングしたヨーク(図16
(b))の一例を示した。
【0004】図13では上ボルスターに支持された上金
型2にはシャフトへ接続するカップ形状を、下ボルスタ
ー5上の下金型4は十字軸と接続するピンボス形状に各
々形成する構成となっている。下金型4に向かって上金
型2が下降し、アルミニウム素材6を挟み込み、上金型
と下金型によって形成される空間より上下金型の形状を
転写して成形するものである。下金型に投入されたアル
ミニウム素材は予備潤滑した予加熱していない素材であ
る。図14に従来の冷間鍛造工法で用いられる金型構成
図を鍛造成形完了する上金型2の下死点における状態を
示している。鍛造品7の上金型側に形成されるカップ形
状は上金型によって拘束されない自由端鍛造となってい
る。尚、3はストリッパーを示す。
【0005】従って、この工法により成形された鍛造品
7は、図16(a)に示すように、カップ形状部41は
自由端鍛造されるためピンボス部43へ素材がより多く
塑性流動するためにピンボス部の反対側のカップ形状部
41への素材塑性流動が少なくなり、余肉の耳の高さが
そろわず後工程の機械加工で形状を整えることが必要と
なり、その結果、切削加工代が多く材料歩留まりが低下
していた。
【0006】また、図14に示すように従来の鍛造工法
では、素材に上金型が接触して成形を開始し、成形が完
了する時点まで上金型外径部と下金型の内径部が嵌合し
ておらず、ピンボス部の形状が下金型のキャビティへの
素材流動量の差により不均一であり、上金型のフラレを
生じ、上金型により形成されるカップ部内径部と下金型
により形成されるカップ部外径部との間の同軸度が1m
m程度となり、その為その後の機械加工においてカップ
部の肉厚に偏りが発生し、得られたヨークのシャフトと
の接続強度が不足するといった問題を生じることもあっ
た。
【0007】また、従来鍛造工法ではカップ部に発生す
る引け欠肉を防止するためにカップ肉厚を厚くした形状
としたり、余肉高さが不均一でも切削代が確保できるよ
うに余分な余肉を付加した形状としていたため、材料歩
留まりが悪かった。その結果得られた鍛造品の耳の高さ
のバラツキは好ましい値である10mmを超えて25m
m以上の不均一さを生じていた。
【0008】その後、カップ部の高さを均一にして切削
代を低減させる手法として密閉鍛造による製造方法が考
えられた。しかし、ピンボス部の体積が製品全体に対し
て大きく偏った形状を有しているために、その成形の途
中において、ピンボス部位への素材が塑性流動した際
に、ピンボス部の反対側となるシャフトへの接続部位で
あるカップ形状部への素材の塑性流動が起こらず、ピン
ボス部の反対側に相当するカップ形状部に欠肉を生じる
問題が起こることがあった。また、ピンボスのない部位
では、カップ部への素材の塑性流動が優先して生じるた
め、その箇所の金型への充満が早期に完了し偏った状態
になる。そのために金型の負荷が大きくなり、金型のこ
の部位の寿命が短くなり実用的でなかった。
【0009】上記欠点を解決するために、まずピンボス
側を成形し、続いてカップ部の形状を成形する複数工程
の鍛造により成形する方法が提案された。図15は、こ
の複数工程の成形に用いられる金型を示し、図15
(a)において、上ボルスター1に支持された予備成形
の上金型31と下ボルスター5上に設置された予備成形
の下金型32により素材のピンボス部の形状と成形した
予備成形製品34を成形し、続いて図15(b)の上金
型2と下金型4とによりカップ部を成形し、鍛造用素材
5となる。尚、33はノックアウトピン、3はストリッ
パーを示す。この製造方法では各工程それぞれに金型が
必要となり、鍛造工程自身も複数回実施するため生産性
が低く、コスト高であった。また、素材に黄銅を用いた
カップ形状を成形する鋳造方法として特許文献1に示す
ようなものが知られている。
【0010】
【特許文献1】特開2000−263178号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】こうした複数回の工程
を有する鍛造成形では、金型も複数個必要で金型費がか
さみ、複数回の工程のため生産性が低く、実用的ではな
かった。また1工程による成形では、前述したように、
成形荷重が大きくなるので、成形能力の大きい鍛造機が
必要なだけでなく、金型への負荷も増すため金型寿命が
短くなり、生産効率をより高めた方法が望まれていた。
【0012】従来例の鍛造方法では1工程目にヨークの
ピンボス部粗形状を成形する。続いて2工程目に本成形
型によりピンボス部詳細形状および反対側のカップ形状
を成形する。2組の金型は同一のプレス機に設置した
り、別々のプレス機を準備して成形する必要があった。
また、同一のプレス機を用いる場合は、1工程目を実施
後に、金型を交換して2工程目を実施する必要があっ
た。いずれにせよ段取り換えなどの手間と、複数回の工
程が必要であった。
【0013】別の製造方法として、直接、一工程により
ヨークピンボス部と反対側のカップ形状を成形する方法
も考えられるが、ピンボス部およびピンボス部の反対側
以外のカップ形状部が成形されてからの残りのピンボス
部の真反対位置の欠肉を充満させるためには、大きな成
形荷重が必要となり、大型のプレス機が必要となる。ま
た、大きな成形荷重により金型の寿命も短く、生産性が
悪く生産コストが高いものとなっていた。
【0014】特許文献1には素材として黄銅を用いたカ
ップ形状を均一な高さに成形する方法が開示されてい
る。この方法では、まずカップ形状を成形し、その後ア
ンダーカット形状の成形のために上部より別駆動のラム
を用いて加圧して成形している。ここで用いている素材
は黄銅であり、塑性流動が容易に起こるため、開示され
た内容で成形可能であるが、高温での変形抵抗が大きい
アルミニウム合金は黄銅に比べて塑性流動が起こりにく
く、開示された条件では成形できない。
【0015】本発明は、上記実情に鑑みなされたもの
で、その主目的は、切削加工代が少なく、材料歩留まり
を向上させ、工程数を低減したヨークの製造方法を提供
することにある。本発明の他の目的は、カップ形状部の
高さのバラツキが小さく、バリの発生がないヨーク用素
形材及び上記ヨーク用素材を鍛造する金型を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鍛造成形性
と製品形状の関係について鋭意研究をおこないその知見
に基づいて本発明を完成するに至った。 1)上記課題を解決するための第1の発明は、閉塞した
空間を形成する上金型103、下金型65からなる金型
内に素材6を投入した後にユニバーサルジョイントヨー
クの素形材を成形する際に、ユニバーサルジョイントヨ
ークの有するカップ状成形部の先端にリングノック67
を介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力を
荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形成されるピ
ンボス成形部への素材の充満率を75%以上とさせた
後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と
相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成
形部への素材の流動を開始させる鍛造工程を含むことを
特徴とするユニバーサルジョイントヨークの製造方法で
ある。 2)上記課題を解決するための第2の発明は、背圧力
が、リングノックが逆方向に可動するにつれて大きくな
り最終値が初期値の1.2〜2.2倍であることを特徴
とする1)に記載のユニバーサルジョイントヨークの製
造方法である。 3)上記課題を解決するための第3の発明は、背圧力
が、ガスクッション又はバネによるものであることを特
徴とする1)または2)に記載のユニバーサルジョイン
トヨークの製造方法である。 4)上記課題を解決するための第4の発明は、背圧力
が、初期値を1.5〜25kg/mm2とし、その後初期
値より低い値で0.5〜20kg/mm2に保持した状態
でピンボス成形部への素材の充満率を90%以上とさせ
た後にリングノックを可動させることを特徴とする1)
乃至3)の何れか1項に記載のユニバーサルジョイント
ヨークの製造方法である。 5)上記課題を解決するための第5の発明は、背圧力
が、油圧クッションによるものであることを特徴とする
1)乃至4)の何れか1項に記載のユニバーサルジョイ
ントヨークの製造方法である。 6)上記課題を解決するための第6の発明は、背圧力
が、ガスクッション、バネ、油圧クッションから選ばれ
る2種以上の組合せによるものであることを特徴とする
1)乃至5)の何れか1項に記載のユニバーサルジョイ
ントヨークの製造方法である。 7)上記課題を解決するための第7の発明は、素材がA
6061、A6082、A2014、A2017、A4
032、A7075から選ばれる何れか1種のアルミニ
ウム合金であることを特徴とする1)乃至6)の何れか
1項に記載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法
である。 8)上記課題を解決するための第8の発明は、素材がア
ルミニウム合金丸棒材を所定の長さに切断する工程と切
断した丸棒材を据え込む工程とにより得られたものを素
材として用いて、鍛造後の成形品に熱処理を施す工程と
機械加工工程とを含む1)乃至7)のいずれか1項に記
載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法である。 9)上記課題を解決するための第9の発明は、鍛造工程
後の機械加工工程において、鍛造済み品の型割り部をト
リミングする工程を有しないことを特徴とする8)に記
載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法である。 10)上記課題を解決するための第10の発明は、ユニ
バーサルジョイントヨークの素形材を鍛造するに用いる
金型であって、閉塞な空間を形成する上金型103、下
金型65と、リングノック67と、ノックアウトピン6
4と、金型ホルダーと、金型とリングノックに0.5k
g/mm2以上の背圧力を発生する手段とを配設する受圧
板とを含むユニバーサルジョイントヨークの鍛造用金型
である。 11)上記課題を解決するための第11の発明は、背圧
力発生手段が、ガスクッションまたは/および油圧クッ
ションであることを特徴とする10)に記載のユニバー
サルジョイントヨークの鍛造用金型である。 12)上記課題を解決するための第12の発明は、1)
乃至9)のいずれか1項に記載された製造方法で製造さ
れた、カップ形状部41の高さのバラツキが8mm以内
であることを特徴とするユニバーサルジョイントヨーク
の素形材である。 13)上記課題を解決するための第13の発明は、型割
り部にトリミング工程の痕がなく、カップ状成形部先端
において、他端側にピンボス部を有しないカップ状部
(A)と他端側にピンボス部を有するカップ状部(B)
との結晶粒平均長さの比(B/A)が0.5〜1.5と
なっていることを特徴とするユニバーサルジョイントヨ
ークである。 14)上記課題を解決するための第14の発明は、1
2)に記載の素形材を用いて製造された13)に記載の
ユニバーサルジョイントヨークである。本明細書中で1
kg/mm2=9.8MPa(単位系に換算)である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の一例を説明す
る。
【0018】図5に本発明のユニバーサルジョイントの
ヨーク(以降「ヨーク」ともいう。)素形材の一例を示
す。素形材は、少なくともシャフトへの接合部(カップ
形状部又はカップ状成形部)(41)、ピンボス部(4
3)、プレート部(42)とから構成されている。夫々
の部位は必要に応じて機械加工により最終形状に加工さ
れる。なお、素形材の場合はピンボス部(43)はピン
ボス成形部ともいう。
【0019】図6に図5の素形材を機械加工して得られ
た、ユニバーサルジョイントのヨークの一例を示す。本
発明で製造されるユニバーサルジョイントヨークは、少
なくともカップ状部に形成されたシャフトへの接合部
(91)、ピンボス部(43)、ピン孔(94a、94
b)、プレート部(42)とから構成されている。本発
明のユニバーサルジョイントヨークは、型割り部にバリ
をトリミングした痕を有していないのが特徴である。バ
リをトリミングした痕がないので、バリ方向への塑性流
動が起きていないので、その部分での機械強度が高まる
ので好ましい。またバリ除去による材料歩留まりの低下
が無いので好ましい。本発明のユニバーサルジョイント
ヨークは、カップ形状端部を縦方向(カップ状成形部先
端部からカップ状成形部根本部に向かった方向。)に見
た断面に観察される塑性流動の跡は、反対側にピンボス
部を有しない箇所(A)と反対側にピンボス部を有する
箇所(B)を比較して結晶粒平均長さの比が0.5〜
1.5となっている状態である。機械強度が均一であり
機械加工上、製品実用上で好ましい。
【0020】図6の本発明のユニバーサルジョントのヨ
ークを組み込んだパワートレインシステムの構成の一例
を図12に基づいて具体的に説明する。符号112はヨ
ークで、ピンボス部(符号43)に機械加工により設け
た十字軸との接続部となるピン穴(94a、94b)を
有している。図では一部省略しているが、ヨーク112
は2個を1組として使用され、各ヨークはピン穴に嵌め
こまれた十字軸(113)を介して対となるヨークへと
接続される。一方、カップ状に形成された部位(91)
は機械加工によりシャフト(114)の内径に合せてカ
ップの内側の形状が仕上げられ、シャフトへミグ溶接
(MIG:Metal Inert Gas arc
welding)、ティグ溶接(TIG:Tungst
Inert Gas arc welding)など
の溶接、摩擦圧接、摩擦攪拌接合などの接合方法によ
り、シャフト(114)へ固定されている。
【0021】本発明のユニバーサルジョイントのヨーク
の製造に用いる鍛造装置の構成の一例を図8をもとに説
明する。鍛造装置は、鍛造機(221)と、上金型(1
03)と、下金型(105)とを含むものである。上金
型103の上部には、背圧力発生手段の一例として空圧
シリンダー(231)を内蔵している。下金型105に
は、鍛造済み品を排出するためのノックアウトピン(1
07)が配置されている。符号108はスプレー移動装
置、符号109はスプレー回転装置、符号110はスプ
レーシャフトである。スプレーノズル(104)は、ス
プレーシャフトを介してスプレー回転装置、スプレー移
動装置により取り付けられており、潤滑材を噴霧状に吐
出して、金型に潤滑材を塗布する。
【0022】図8の鋳造装置の上金型103の一例を図
4に示す。上金型103はカップ形状部の内側を形成す
るセンターパンチ(66)と、背圧力をかけながらカッ
プ形状先端を形成するリングノック(67)と、背圧力
を発生する手段としてガスクッション(74)と、セン
ターパンチ66を支持する受圧板(70)と、センター
パンチ(66)などを支え上ボルスター(1)に固定す
るパンチホルダー(69)などから構成されている。ガ
スクッション(74)は、例えば、空圧シリンダー圧力
伝達軸(68)、空圧シリンダー(71)、空圧シリン
ダー気体封入部(72)から構成されるものを用いるこ
とができる。リングノック67は空圧シリンダー圧力伝
達軸68を介して空圧シリンダー71から発生する背圧
力を受けている。このため、リングノック67は、空圧
シリンダー圧力より大きい力を受けることにより上金型
とは相対的に後方に可動することができるようになって
いる。
【0023】空圧シリンダー71から発生する背圧力に
より、成形開始前は、リングノック67の先端はカップ
内径部を形成するセンターパンチ66先端部と同一面も
しくはそれよりも突出した位置にあるのが好ましい。リ
ングノック67の先端がセンターパンチ66に対して入
りこんだ状態では期待する背圧効果が充分に得られない
からである。同一面もしくはそれよりも突出した位置に
あることにより下金型とセンターパンチが嵌め合うこと
になり位置決め精度が向上するからである。
【0024】リングノックにかかる空圧シリンダーから
の背圧力が単位面積当り0.5〜20kg/mm2になる
ように、空圧シリンダーの気体封入部72の内圧または
シリンダーの本数を調整する。ピンボス形状部への素材
の充満率を75%以上となった後にリングノックが配設
されている金型の主成形方向と相対的に逆方向に、リン
グノックを可動させるように空圧シリンダー内圧または
シリンダーの本数を調整する。
【0025】背圧力を発生させる手段の一例であるガス
クッションは、図4の実施例では上金型内に内蔵されて
いる。さらに、本発明の金型構成では、ガスクッション
は上部ボルスターを固定端として配設され、圧力伝達軸
を介してリングノックに応力を伝える構成となってい
る。圧力伝達軸としては、空圧シリンダー圧力伝達軸の
他にノックピンやコマなどを挙げることができる。
【0026】背圧力を発生させる手段は、成形の際に金
型が移動するストロークの長さ全体に渡って圧力を生じ
させる機能を有していれば良く、ガスクッションの他
に、油圧クッション、バネ、コイルスプリング、ゴムを
挙げることができる。
【0027】ガスクッションを背圧力発生手段とした場
合は、外部からの圧力供給を受けずとも充分な背圧力を
得ることができるので、金型内に内蔵することができ
る。その結果、プレス機に付属させる発生装置が省略で
き、専用の圧力伝達配管を備えたダイセットが不要とな
るので、汎用プレスおよびダイセットにも簡便に取り付
けることが可能となり好ましい。背圧力発生手段として
バネ、コイルスプリング、ゴムを用いた場合も同様の効
果を得ることができる。
【0028】背圧力を発生させる装置としてガスクッシ
ョンを用いると伸縮の繰返しに対して耐久性に優れ、サ
イズやストローク長さのバラエティーが豊富で用途に応
じて選択できるので好ましい。
【0029】背圧力を発生させる機構がバネ、コイルス
プリング、ゴムである場合は、構成する部品の種類サイ
ズが豊富であるので金型構造の選択の幅が広くなり、経
済的である。
【0030】上述のリングノック67の材質はダイス
鋼、粉末ハイス鋼などを挙げることができる。その他金
型を構成する部材の材質はダイス鋼、粉末ハイス鋼、超
硬などを挙げることができる。リングノックと上金型、
下金型との間の摺動を確保するために、リングノックが
摺動する金型の各面、たとえば、カップ形状部の内径お
よび外径を成形する各金型の表面に窒化処理、モリブデ
ンコーティング処理などを施すのが良い。リングノック
と上金型、下金型との間の隙間の間隔は0.05〜0.
3mm程度が好ましい。0.05mm以下では摺動しに
くく、潤滑剤の塗布が困難となる。間隔が0.3mm以
上では摺動、潤滑剤塗布は良いが除去が必要となる隙間
バリが発生する。
【0031】図1、2、3に本発明の製造方法の一例の
成形工程の金型および動作の模式図を示した。各工程の
動作を説明する。
【0032】図2に示すように下金型65内部に鍛造用
素材6は投入される。図1に示すように上金型103が
下降してくる。ここで、上金型の一部を構成するリング
ノック67が下金型65に先ず最初に嵌合し上金型と下
金型の同軸の精度が確保される。
【0033】さらに上金型が下降して、素材は下金型と
上金型により形成される閉塞した空間にはさみこまれ
る。成形の初期状態においては主にピンボス部形成への
素材の塑性流動がおこり、上金型のリングノック67に
は空圧シリンダー71からの背圧力がかかっているため
カップ形成部への素材の塑性流動は抑制される。この
時、カップ状成形部の先端にリングノック67を介して
単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力がかかって
いる。ピンボス成形部への素材の充満率が75%以上と
なった後、リングノックが後方に可動する。この時空圧
シリンダーの圧力はシリンダーが押し込まれるほど高く
なっていく。成形荷重(上金型下降方向圧力)もプレス
機の下死点に近づくにつれて高くなるため、うまく圧力
をバランスしながら、リングノック67は背圧を素材に
負荷しながら上金型の移動方向と相対的に後退して行
く。図9に、リングノックのストロークと背圧力の関係
を示す。
【0034】空圧シリンダーによる背圧力の場合、素材
にリングノックが接触し負荷がかかり始めた時の初期圧
力が内部圧力により設定できる。その後、シリンダーの
収縮により内部圧力が上昇し、シリンダーのストローク
終端にかけて負荷圧力が上昇する。圧力の上昇に伴い、
カップ部端部の高さを均一に調整することができるため
好ましい。
【0035】バネによる背圧力の場合、素材にリングノ
ックが接触し、負荷がかかり始めた時点ではバネが伸び
た状態なので背圧力は最低値(例えば1Kg/mm2
となる。その後、バネの収縮により弾性力が上昇し、ス
トローク終端にかけて、負荷圧力が上昇し、ストローク
エンドでは、例えば約1.5Kg/mm2となる。圧力
の上昇に伴い、カップ部端部の高さを均一に調整するこ
とができるため好ましい。
【0036】ピンボス成形部への素材の充満率が75%
以上となった後にリングノックを可動させるタイミング
は、本実施例ではあらかじめ背圧力で調整しているが、
プレス機のストローク位置管理またはタイマー管理など
とすることもできる。
【0037】ピンボス成形部体積の75%以上に素材の
充満が完了した状態は、ピンボス先端部が金型に接触
し、ピンボス部先端の素材の成形形状の隅R(角の曲率
半径)がR=8〜15mmとなった状態である。金型に
完全に充満して金型形状が転写されたときは、例えばR
=5mmとなる。充満率とは、充満率=(ピンボスの成
形部の流入素材の体積/金型のピンボス部相当体積)×
100(%)で定義される。
【0038】成型工程が進みピンボス成形部への素材の
充満がほぼ完了した状態で、さらに上金型103は下降
を続けると共に、上金型リングノック67にかかる空圧
シリンダー71からの圧力より成形の圧力が大きくなる
ためにリングノックは上端まで後退し、図3に示したよ
うにカップ成形部へもメタルが充満した状態となる。ガ
スクッションによる背圧力の場合、リングノック67後
退が進むにつれて空圧シリンダー74からの背圧力は初
期背圧力の120〜220%にまで上昇し、この上昇分
によりカップ成形部へのメタルの充満をしながら、ピン
ボス成形部の未充満部へのメタルの充満が行なわれ、成
形が完了する。カップ形状部の成形とともにピンボス成
形部の未充満部の充満を促進するので好ましい。成形終
了時のカップ先端の背圧力が高いのでカップ先端高さの
バラツキが小さくなり好ましい。
【0039】好ましくは背圧力発生装置のシリンダーの
ストロークエンドの位置はプレス機の下死点よりも少し
手前に設定しておくのが好ましい。プレス機の下死点よ
りも手前の位置に設定しておくとシリンダーを痛めるお
それが無いからである。
【0040】本発明のヨークの製造方法は、上記金型を
用いているので、リングノックを介して単位面積当り
0.5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態(熱間鍛
造では好ましくは1〜5kg/mm2。冷間鍛造では好ま
しくは10〜15kg/mm2。)となる。
【0041】好ましくは背圧力を0.5〜20kg/m
2としたのは、0.5kg/mm2未満であると成形部
であるカップ状成形部の先端への面圧力が低く、不均一
な素材流動が発生しカップ状成形部への素材流動量が位
置によってバラツキが発生する。その結果、カップ状成
形部の先端部の高さが不揃いとなるからである。図11
に高さのバラツキ量と背圧力最低値の関係を示した。2
0kg/mm2を超えるとカップ状成形部への素材流動が
過剰に抑制され、目的とする高さまで素材が充満しない
上、成形したカップ状成形部が反力により変形(座屈)
してしまうおそれがある。
【0042】素材の充満が完了して成形が終了すると、
上金型が上昇するとその時同時に上金型に設けられた空
圧シリンダーからの圧力によりリングノック64を介し
て鍛造品カップ部上端が下に押され、上金型から鍛造済
み品がはずれる。背圧力を発生する機構を有したリング
ノックが成形済み品の排出機能をも有している。特にカ
ップ状成形部をパンチで成形した場合に起こりがちなパ
ンチへの成形済み品の付着を防止することができるので
好ましい。尚、62はノックコマである。
【0043】上金型が上昇した後、下金型下部からはノ
ックピンが上昇して、鍛造品は下金型上面まで押し上げ
られ、鍛造品は金型の外へ排出される。
【0044】初期背圧力を高くして、ピンボス部の充満
率を高めてから、初期圧力より低い背圧力にて成形する
実施形態を説明する。初期背圧力を高くして、ピンボス
部の充満率を高めてから、初期圧力より低い背圧力にて
成形するので、カップ部成形時の成形荷重が低くでき、
その結果金型寿命を向上させることができるので好まし
い。
【0045】この例として、背圧力発生手段として油圧
クッションを用いた実施形態について説明する。油圧ク
ッションは例えば、前述した空気シリンダーと同様な構
成とし、空気に変えて油を封入したものとすることがで
きる。
【0046】この場合、背圧力の初期値を1.5〜25
kg/mm2とし、その後初期値より低い値で0.5〜2
0kg/mm2になるのが好ましい。
【0047】油圧による背圧力である場合は、背圧力は
図10に示したように素材にリングノックが接触し負荷
がかかり始めたときの初期圧力(油圧シリンダーが縮み
始めた時。)が高く、その後油圧シリンダーのストロー
クの長さによって圧力は影響されないため、縮み始めか
ら成形終了まで0.5kg/mm2以上の一定圧力を荷重
することができるため、成形能力が高くなる。例えば、
ピンボス側の充満が完全に終了するまでリングノックが
下降しないような設定が可能(例えば好ましくは充満率
90%以上となるまで下降しない。)となり、ピンボス
側の欠肉がより起こらない。更に、一定圧力でリングノ
ックが下降するためカップ部の不揃いも起こらない。
【0048】製品毎に圧力設定を変えられることができ
るような油圧制御を付加するのが好ましい。例えば、外
部油圧ユニットを成形スライド信号により圧力制御す
る、または、単純に圧力の設定が同一油圧シリンダーを
用いて減圧弁などにより圧力調整することが可能であ
る。
【0049】この場合、背圧力の初期値を1.5〜25
kg/mm2とし、その後初期値より低い値で0.5〜2
0kg/mm2になるのが好ましい。例えば、プレス角度
90〜120°で5kg/mm2、120〜160°にか
けて圧力下げて3kg/mm2にして160〜180°に
かけて3kg/mm2を維持してノックアウト時の座屈を
防止する。5kg/mm2から3kg/mm2に圧力変化さ
せる場合、油圧回路を3kg/mm2と2kg/mm2とに
並列回路として、120°の信号により2kg/mm2
回路を開放して減圧させる。
【0050】前述した背圧力発生手段と組み合わせるこ
とにより、圧力パターンを変更でき、製品毎に要求され
る負荷パターンを選択できるので好ましい。例えば、空
圧シリンダーと油圧シリンダーとを組合せると初期背圧
力を高くして、その後、初期背圧力より低い背圧力と
し、成形終了時に再度、高い背圧力を得ることができ
る。この場合、初期にピンボス部の充満率を高めるの
で、成形荷重を低くでき、終了時の背圧力が高いのでカ
ップ形状部上部のバラツキを小さくできるので好まし
い。又、油圧シリンダーだけでは、成形完了後、鋳造済
品を取り出す際に押し出す圧力が小さいが、空圧シリン
ダーを組合せることにより、成形完了後に鋳造済品を押
し出す圧力が強く働く。その結果、鋳造済品の取り出し
スピードを上げることができ、生産性が向上する。
【0051】背圧力を発生させる装置として油圧クッシ
ョンを用いると油の流動抵抗により、油封入圧力以上の
初期圧力を発生させることができるので好ましい。ま
た、伸縮の繰返しに対して耐久性に優れ、サイズやクッ
ションのストローク長さのバラエティーが豊富で用途に
応じて選択できるので好ましい。小型で金型内への配置
が容易で好ましい。
【0052】上金型にカップ形状の薄肉の形状を形成す
るリングノックを内蔵しているものとしたものは、カッ
プ状成形部における素材流動の方向が上金型による加圧
方向と反対方向となり、素材と金型の摩擦抵抗が小さく
なり、成形荷重が低くなり好ましい。
【0053】本発明の金型は、ユニバーサルジョイント
ヨークの素形材を鍛造するに用いる金型であって、閉塞
な空間を形成する上金型、下金型と、リングノックと、
ノックアウトピンと、金型ホルダーと、金型とリングノ
ックに0.5kg/mm2以上の背圧力を発生する手段と
を配設する受圧板とを含む鍛造用金型であるので鍛造機
のストロークが短く、ダイセットの間隔が狭く、従来の
ような大規模な背圧装置が配置できない場合にも適用が
可能である。また小型の鍛造装置に適用できるので設備
費を安価にすることができる。
【0054】従来の背圧装置を配備した鍛造機構成を図
17に示した。鍛造機221には上金型227および下
金型226を備え付けたダイセットが取付けられてい
る。ダイセットは上プレート229と下プレート230
およびガイドポスト228からなっており、上プレート
229および下プレート230には、上下金型へ背圧力
を伝えるための油圧シリンダー222a、222bを含
んでいる。プレス動作を監視し、背圧力が必要とされる
タイミングで油圧発生を指示するための電気信号を発生
させるプレス動作監視機225、油圧発生装置224、
油圧配管223などが必要となり、鍛造機上ラム1と下
ボルスター5の間の空間を広くする必要がある。
【0055】本発明の金型は、背圧力発生機構が小型で
あり上金型または/および下金型に内蔵されているので
従来のダイセットをそのまま用いて、金型のみを本発明
の金型に交換することで、容易に主成形方向と反する応
力を負荷する機構によりカップ形状部の高さが均一であ
る鍛造品を得ることができる。
【0056】本発明の金型を用いたユニバーサルジョイ
ントヨーク素形材の製造方法は、ユニバーサルジョイン
トヨークの有するカップ状成形部の先端にリングノック
を介して単位面積当り0.5kg/mm2以上の背圧力を
荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形成されるピ
ンボス形状部への素材の充満率を75%以上とさせた
後、リングノックが配設されている金型の主成形方向と
相対的に逆方向にリングノックを可動させてカップ状成
形部への素材の流動を開始させる鍛造となる。
【0057】その結果、カップ状成形部への素材流動を
充分抑制でき、ピンボス部への素材の充満率を75%以
上に優先して高めることができ、その後、ピンボス部方
向への素材流動による影響が小さくなった時点でカップ
部への素材流動を開始することが可能でカップ部先端の
欠肉を小さく抑えることが可能となり好ましい。カップ
部への素材流動が過剰に抑制されることなく、均一な高
さのカップ形状であって目的のカップ高さまで成形で
き、カップ状成形部に座屈などの変形が起こらないので
好ましい。
【0058】従って、製造されたヨークの素形材のカッ
プ形状部の高さは最高高さと最低高さの差、すなわち高
さのバラツキが8mm以内となる。高さのばらつきの差
が好ましい値の10mmより充分に小さいので、鍛造工
程後に高さをそろえるための切削工程を不要とすること
ができるので好ましい。また、カップ形状部先端はその
後シャフトに接合させるために、シャフト穴と嵌合させ
シャフトを突き当てるための段差および穴径をシャフト
径に合わせた外径に仕上げるような切削加工の実施が必
要な場合においては、切削加工ではカップ状成形部の高
さのバラツキを考慮して切削代を設定することになる
が、本発明の素形材は高さのバラツキが8mm以内であ
るので切削代を減らすことが可能であるので好ましい。
カップ部の切削加工に要する時間も短くでき、生産性が
高くなり好ましい。
【0059】また、ヨークの素材形は、カップ形状端部
を縦方向(カップ状成形部先端部からカップ状成形部根
本部に向かった方向。)に見た断面に観察される塑性流
動の跡は、他端側にピンボス部を有しないカップ形状部
上部41aと他端側にピンボス部を有するカップ形状部
上部41bを比較して結晶平均粒長さの比が0.5〜
1.5となっている。従って、素形材の機械強度が均一
であり機械加工上、製品実用で好ましい。
【0060】更に、リングノックと上金型、下金型との
間の隙間の間隔を0.05〜0.3mmとしたので、得
られた素形材は、型割り部(図16の従来例に於いて符
号44に対応する箇所)にバリが発生していない。この
ようにバリが発生していないので、バリ方向への塑性流
動が起きていないので、その部分での機械強度が高まる
ので好ましい。またバリ除去の作業が不要であって、バ
リ形成による材料歩留まりの低下を回避することができ
る。
【0061】つぎに、図2の装置を用いた本発明のヨー
クの製造方法の一実施形態を説明する。本発明の製造方
法は、素材を投入する工程と、素材に潤滑剤を塗布する
工程と、素材を所定の温度に予備加熱する工程と、潤滑
剤を金型へ塗布する工程と、素材を鍛造成形する工程
と、ノックアウト機構により鍛造済み品(鍛造製品、ヨ
ーク素形材)を排出する工程と、を含む製造方法であ
る。好ましくは、鍛造工程の前にアルミニウム合金丸棒
材を所定の長さに切断する工程と、切断した丸棒材を据
え込み鍛造用素材を得る工程と、鍛造工程の後に熱処理
工程と、トリミング工程を含まずに鍛造製品を機械加工
する工程と、を含む製造工程である。
【0062】本発明の製造方法に用いるヨーク部品の材
料はアルミニウム合金であるのが好ましい。ヨーク部品
は自動車の軽量化ニーズもあり、鉄や真鍮や黄銅にくら
べ、比強度が高く、軽量化可能な材質となっておりアル
ミニウム合金をこの素材として用いることが望まれてい
るからである。しかし成形部位に対して遠くの部位から
素材を押して充満させる鍛造工法では、アルミニウム合
金を素材として用いた場合は高温においても素材の延展
性特性が低く変形抵抗が大きいので素材を充満させるこ
とが困難である。その結果、真鍮や黄銅のような高温で
の延性を利用しての塑性加工率を70%以上とした従来
の一工程鍛造工法では、充分に充満した欠肉のない良好
な品質を得ることが困難である。本発明は、ユニバーサ
ルジョイントヨークの有するカップ状成形部の先端にリ
ングノックを介して単位面積当り0.5kg/mm2以上
の背圧力を荷重した状態でカップ状成形部の反対側に形
成されるピンボス形状部への素材の充満率を75%以上
とさせた後、リングノックが配設されている金型の主成
形方向と相対的に逆方向にリングノックを可動させてカ
ップ状成形部への素材の流動を開始させる鍛造工程とし
ているので、充分に充満した欠肉のない良好な品質を得
ることができる。
【0063】耐食性、高温強度、高弾性が好ましい特性
を有する材料としてはJIS規格のA6061、A60
82、A2014、A2218、A4032、A707
5を挙げることができる。好ましい材料として、Al−
0.4〜0.8質量%Si−0.15〜0.40質量%
Cu−0.8〜1.2質量%Mg−0.04〜0.35
質量%Crで表されるアルミニウム合金を挙げることが
できる。A6061、A6082は耐食性、被アルマイ
ト性が優れた特性を有し中程度の強度を有するため、各
種特性をバランス良く満足するので好ましい。A201
4、A2218は高強度、高弾性の特性を有するので、
負荷の高いヨーク部品においては強度が向上するので好
ましい。A4032は耐摩耗性が優れ、高弾性である特
性を有するので、十字軸との摺動による耐摩耗性の必要
なヨーク部品においては耐摩耗性を向上させるので好ま
しい。A7075は実用のアルミ合金では最高強度持つ
ため、鉄並の強度必要なヨーク部品において高い強度を
得ることができるので好ましい。アルミニウム合金は実
用合金のうち、軽量かつ靭性に優れており、その中でも
中程度の強度を持ち、耐食性に優れるA6061はヨー
ク部品として適している。高強度が求められるヨーク部
品においてはAl−Cu系合金である2000系合金や
Al−Zn系合金である7000系合金が鉄並の強度が
あり、好ましい。他部品(十字軸など)との摩耗が問題
となる場合においてはAl−Si系合金である4000
系合金が耐摩耗性に優れ、好ましい。
【0064】アルミニウム合金を丸棒材に押出成形す
る。またはアルミニウム合金を連続鋳造することにより
丸棒材を得る。得られたアルミニウム合金丸棒材を所定
の長さに切断し、さらに切断した丸棒材を据え込んで鍛
造用素材を得る。
【0065】製品外径より小さな外径のアルミ丸棒を製
品体積に相当する体積となる長さで切断し、製品外径マ
イナス0.5〜5mmの外径まで据え込み成形してヨー
ク部品を鍛造成形すると、ノコ切断ではノコ刃の刃厚分
の切削切粉をロスするので細い径の棒を用いる方が材料
歩留まりがよく好ましい。さらに、据え込み工程により
素材の延性が高くなる。繰返し荷重がかかるヨーク部品
においては良好な靭性が求められるので、延性が向上す
ることにより靭性が向上されるので好ましい。切断時の
切断厚さバラツキは細い径の方が体積のバラツキへの影
響が小さく、鍛造時の金型への過負荷低減につながり、
好ましい。
【0066】図2に示したように、前述した金型を配置
した鍛造装置の下金型65の中に鍛造用素材を投入す
る。素材は例えば、連続鋳造棒を所定の長さに切断した
ものを用いることができる。素材は例えば、必要に応じ
て素材潤滑としてボンデ処理、黒鉛系水性潤滑剤への浸
漬による潤滑剤の塗布処理を施しておく。強く塑性加工
されて素材内部のアルミ地が表層に生じ銀色の金属光沢
を有する新生面が生じるような高い塑性加工率で成形す
る場合は、潤滑切れ防止の点からボンデ処理が好まし
い。製品外径がφ90mm以上に大きい場合において予
め据え込み成形によって太径化した予備成形素材を用い
ることもできる。
【0067】金型への投入時に、素材は所定の温度、例
えば370℃〜550℃に予備加熱しておく。
【0068】潤滑剤を金型へ塗布する。使用する潤滑剤
としては水性黒鉛潤滑剤、油性黒鉛潤滑剤を挙げること
ができる。上金型のリングノックが金型内部へ収納され
た状態で金型への潤滑剤塗布を行なうので、隙間への浸
透性のより油性黒鉛潤滑剤がより好ましい。金型への潤
滑剤塗布量は1g〜10g(濃度は0.5〜25質量
%。)とするのが好ましい。
【0069】次に鍛造工程を説明する。まず主鍛造が実
施される。上金型103が下降して、上下金型の間に拘
束され素材6は下金型に彫り込まれたピンボス成形部に
まず素材流動が生じ、ピンボス部の概略形状が成形され
る。この段階では素材流動は主にピンボス成形部へ起
り、上金型側のカップ部へは空圧シリンダーからの圧力
がリングノックにかかっているためカップ部への素材流
動はほとんど起こらない。この段階では、ピンボスの細
部にまで充満していない。
【0070】さらに、上金型は下金型内径部に嵌合後も
下降を続け、ピンボス成形部の細部にまで充満が完了す
る。この位置においては成形荷重が上金型に設けた空圧
シリンダーの圧力に勝り、リングノックは上昇し、カッ
プ部への素材流動が起こり、カップ部もメタルが充満す
る。
【0071】成形開始時から成形完了まで上金型外径は
下金型内径により嵌合されているため、カップ部内径と
外径の同軸度は上下金型のクリアランスの0.2mm以
下となる。上下金型が閉塞状態となるので製品外郭部に
トリミング工程を必要としない。
【0072】鍛造条件は、製品形状に応じて最適化する
ことができる。例えば、プレス速度は10〜40sp
m、リングノックへの背圧力は0.5〜20kg/m
2、素材温度は200℃〜(固相線温度−20℃)と
する。金型温度は予め100℃〜400℃に加熱する。
【0073】鍛造が終了した後にノックアウトピンによ
り鍛造製品を排出する。
【0074】鍛造製品は好ましくは熱処理を実施する。
熱処理は、鍛造素形材の機械強度を向上させることを目
的とし、条件は460〜560℃、1〜5時間保持し、
直後に水槽(水温10〜70℃)に浸漬させ、150〜
250℃にて1〜10時間保持とすることで所望の鍛造
素形材強度とすることができる。
【0075】得られた鍛造製品は、ヨークの有するカッ
プ状成形部の先端にリングノックを介して単位面積当り
0.5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態で、カッ
プ状成形部の反対側に形成されるピンボス形状部への素
材の充満率を75%以上とさせた後、リングノックが配
設されている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリン
グノックを可動させてカップ状成形部への素材の流動を
開始させて製造したユニバーサルジョイントヨーク用素
形材である。得られた鍛造製品は主成形方向と反する応
力を負荷する機構によりカップ形状部の高さのばらつき
が8mm以下であるユニバーサルジョイントヨーク用素
形材である。
【0076】熱処理工程が終了した鍛造製品は、ピン穴
部をマシニングセンターを用いたドリル加工により、シ
ャフトへの取り付け部はNC旋盤機により機械加工を実
施して最終製品のヨークに仕上る。
【0077】カップ部の高さはばらつきが8mm以下に
なっているので、不揃いの耳高さをそろえる機械加工は
実施する必要が無い。よって、得られたヨークはカップ
形状端部に耳高さをそろえるための切削工程を有しない
ユニバーサルジョイントヨーク素形材となる。カップ部
の高さはばらつきが8mm以下になっているのでカップ
形状端部を縦方向(カップ状成形部先端部からカップ状
成形部根本部に向かった方向。)に見た断面に観察され
る塑性流動の跡は、他端側にピンボス部を有しないカッ
プ形状部上部41a(A)と他端側にピンボス部を有す
るカップ形状部上部41b(B)を比較して鏡面研磨後
に酸によるエッチングを施して約100倍の顕微鏡観察
によって見られる結晶粒平均長さの比(B/A)が0.
5〜1.5となっている状態である。その結果、カップ
状成形部の一周上において結晶粒長さが均一であるヨー
クとなる。従来の鍛造方法で得られたヨーク部品におい
ては他端側にピンボス部を有しないカップ形状部上部4
1c(C)と他端側にピンボス部を有するカップ形状部
上部41d(D)の結晶粒平均長さは、他端側にピンボ
ス部を有しているカップ状部では小さくなる。その比
(C/D)は0.5以下となっており、カップ形状部の
結晶粒長さが不均一なヨークとなっている。
【0078】本発明の製造方法によれば、多数段の鍛造
工程に分けて成形する従来の方法が1回の密閉鍛造によ
る成形方法となるので、多数段の各鍛造にそれぞれ必要
な金型が不要となる。
【0079】本発明の製造方法によれば、上下金型を密
閉状態として成形しているため製品外部へのバリがな
く、トリミング工程を省略することができる。そのた
め、本発明の製造方法によればトリミング痕がないヨー
ク部品を製造することができる。また本発明の製造方法
によれば材料歩留まりも向上して製造することができ
る。結果、製造されたヨーク部品は、製品外周部にトリ
ミング痕を有しないことを特徴とするヨーク部品とな
り、製品外周部にトリミング痕がないため、製品強度、
外観の点で好ましいものとなる。
【0080】
【実施例】次に本発明の実施例を説明するが、本発明は
実施例に限定されるものではない。図2に示した装置を
用いて図6に示したヨーク素形材を作製した。用いた金
型は上金型に円筒状のカップの形状を形成するリングノ
ックを内臓し、リングノックに負荷した背圧力は表1、
表2に示すように、背圧力の発生手段、背圧力の値を変
えて実施例、比較例を作製した。表1ではガスクッショ
ンを用いた。作製の結果は、表1および表2に示した。
成形の評価は充満率についてはカップ部への充満が開始
される位置まで下死点位置を上昇させて成形途中の製品
を得て、得られた製品のピンボス部の体積を金型のピン
ボス部成形部相当体積で除したものをピンボス部充満率
とした。カップ部のダレ(高さの差、高さのバラツ
キ。)はカップ部の円周上で最も高い位置と最も低い位
置の差とした。
【0081】A6061材のアルミニウム合金からなる
連続鋳造棒を直径75mm長さ85mmに丸のこぎりで
切断した。切断した素材を450℃に加熱して据え込み
用のφ115mmの金型を用いてφ114.3mm厚さ
40mmの鍛造用据え込み品に成形した。成形した素材
に黒鉛系の潤滑剤を塗布して450℃に予加熱した。予
加熱した素材を下金型成形部に投入した。上金型を下降
させ、まず主軸方向に荷重して成形を開始した。上金型
は下金型成形部内径に勘合されながら下降し、主にピン
ボス部を成形する。その後、成形荷重の上昇に伴って、
リングノックが上昇し、カップ部を成形する。成形が完
了後、製品を下金型のノックアウト機構により金型の外
へ排出した。
【0082】鍛造条件は、プレス速度は25spm(ス
トローク回数/分)、背圧力発生機構の背圧力は表1、
2に示すように0〜26kg/mm2とした。
【0083】各実施例では、ダレの小さいカップ形状を
有するヨーク素形材としての鍛造品が成形できた。型割
り部にバリが発生しない金型構造であったのでトリミン
グ工程を省略し、トリミング痕を有しないヨーク部品を
得ることが出来た。カップ部内径と外径の同軸度は0.
11mmであった。各実施例において、カップ状成形部
先端から取り出した試験片を鏡面研磨後に酸によるエッ
チングを施して約100倍の顕微鏡観察によって観察し
たところ、他端側にピンボス部を有しないカップ状部
(A)と他端側にピンボス部を有するカップ状部(B)
との結晶粒平均長さの比(B/A)を求めたら、0.5
〜1.5となっていた。
【0084】各実施例で、成形されたヨーク部品のピン
ボス部から切出した試験片をもちいて引っ張り荷重試験
をした。結果は引張り強度400MPa、縦弾性係数が
75kN/mm2であった。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【発明の効果】本発明の製造方法は、閉塞した空間を形
成する上金型、下金型からなる金型内に素材を投入した
後にユニバーサルジョイントヨークの素形材を成形する
際に、ユニバーサルジョイントヨークの有するカップ状
成形部の先端にリングノックを介して単位面積当り0.
5kg/mm2以上の背圧力を荷重した状態でカップ状成
形部の反対側に形成されるピンボス形状部への素材の充
満率を75%以上とさせた後、リングノックが配設され
ている金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノッ
クを可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始さ
せる鍛造工程を含むことを特徴とする製造方法であるの
で、カップ部余肉高さを均一にし、欠肉または未充満な
箇所を抑えて成形することができるので、切削加工代の
少ないヨークを、材料歩留まりを向上させ工数低減した
高い生産性のもとに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヨーク部品鍛造工程成形途中断面図で
ある。
【図2】本発明のヨーク部品鍛造工程上死点断面図であ
る。
【図3】本発明のヨーク部品鍛造工程下死点図である。
【図4】本発明のヨーク部品成形用上金型の構成図であ
る。
【図5】本発明のヨーク部品鍛造品見取り図である。
【図6】ヨーク部品の機械加工完成品見取り図である。
【図7】本発明の下金型に可動式のラムを配置した金型
構成断面図である。
【図8】本発明に用いる鍛造装置の概略構成図である。
【図9】本発明に用いる背圧力発生手段の一例の説明図
である。
【図10】本発明に用いる背圧力発生手段の別の例の説
明図である。
【図11】本発明に用いる背圧力発生手段とカップ形状
部の高さのバラツキの関係の説明図である。
【図12】プロペラシャフトの概略構成図である。
【図13】従来の鍛造工法の金型構成図(上死点)の概
略断面図である。
【図14】従来の鍛造工法の金型構成図(下死点)の概
略断面図である。
【図15】従来の2工程工法の概略工程図を示し、
(a)はピンボス部成形の金型構成図を示し、(b)は
カップ部成形の金型構成図を示す。
【図16】(a)は従来のバリ出し鍛造工法での鍛造品
の斜視図を示し、(b)は(a)の鍛造品のトリム後製
品の斜視図を示す。
【図17】従来の背圧装置を配備した鍛造機およびダイ
セット構成図である。
【符号の説明】
1:上ボルスター 2:従来鍛造工法の上金型 3:ストリッパー 4:従来鍛造工法の下金型 5:下ボルスター 6:鍛造用素材 7:鍛造品 31:予備成形の上金型 32:予備成形の下金型 33:ノックアウトピン 34:予備成形製品 41:カップ形状部 41a,41b,41c,41d:カップ形状部上部 42:プレート部 43:ピンボス部 44:バリ 45:トリム跡 61:ノックアウトバー 62:ノックコマ 63:受圧板 64:ノックアウトピン 65:本発明の下金型 66:センターパンチ 67:リングノック(可動ラム) 68:空圧シリンダー圧力伝達軸 69:パンチホルダー 70:空圧シリンダー支持受圧板 71:空圧シリンダー 72:空圧シリンダー気体封入部 73:成形途中製品 74:ガスクッション 91:シャフト接続部 94a、94b:ピン穴 103:上金型 104:スプレーノズル 105:下金型 107:ノックアウトピン 108:スプレー移動装置 109:スプレー回転装置 110:スプレーシャフト 111:トランスミッション後端 112a、112b、112c:ヨーク部品 113a、113b、113c:十字軸 114:シャフト 115:センターベアリング 116:マウントインシュレーター 117:ボディー(車体) 118:溶接部 119:ファイナルドライブ 201:下金型 202:上金型 203:センターブッシュ 204:受圧板 221:鍛造機 222a、222b:油圧シリンダー 223:油圧配管 224:油圧発生装置 225:プレス動作監視装置 226:下金型 227:上金型 228:ガイドポスト 229:上ダイセットプレート 230:下ダイセットプレート 231:空圧シリンダー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉塞した空間を形成する上金型103、
    下金型65からなる金型内に素材6を投入した後にユニ
    バーサルジョイントヨークの素形材を成形する際に、ユ
    ニバーサルジョイントヨークの有するカップ状成形部の
    先端にリングノック67を介して単位面積当り0.5k
    g/mm2以上の背圧力を荷重した状態でカップ状成形部
    の反対側に形成されるピンボス成形部への素材の充満率
    を75%以上とさせた後、リングノックが配設されてい
    る金型の主成形方向と相対的に逆方向にリングノックを
    可動させてカップ状成形部への素材の流動を開始させる
    鍛造工程を含むことを特徴とするユニバーサルジョイン
    トヨークの製造方法。
  2. 【請求項2】 背圧力が、リングノックが逆方向に可動
    するにつれて大きくなり最終値が初期値の1.2〜2.
    2倍であることを特徴とする請求項1に記載のユニバー
    サルジョイントヨークの製造方法。
  3. 【請求項3】 背圧力が、ガスクッション又はバネによ
    るものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    のユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  4. 【請求項4】 背圧力が、初期値を1.5〜25kg/
    mm2とし、その後初期値より低い値で0.5〜20k
    g/mm2に保持した状態でピンボス成形部への素材の充
    満率を90%以上とさせた後にリングノックを可動させ
    ることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載
    のユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  5. 【請求項5】 背圧力が、油圧クッションによるもので
    あることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記
    載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  6. 【請求項6】 背圧力が、ガスクッション、バネ、油圧
    クッションから選ばれる2種以上の組合せによるもので
    あることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記
    載のユニバーサルジョイントヨークの製造方法。
  7. 【請求項7】 素材がA6061、A6082、A20
    14、A2017、A4032、A7075から選ばれ
    る何れか1種のアルミニウム合金であることを特徴とす
    る請求項1乃至6の何れか1項に記載のユニバーサルジ
    ョイントヨークの製造方法。
  8. 【請求項8】 素材がアルミニウム合金丸棒材を所定の
    長さに切断する工程と切断した丸棒材を据え込む工程と
    により得られたものを素材として用いて、鍛造後の成形
    品に熱処理を施す工程と機械加工工程とを含む請求項1
    乃至7のいずれか1項に記載のユニバーサルジョイント
    ヨークの製造方法。
  9. 【請求項9】 鍛造工程後の機械加工工程において、鍛
    造済み品の型割り部をトリミングする工程を有しないこ
    とを特徴とする請求項8に記載のユニバーサルジョイン
    トヨークの製造方法。
  10. 【請求項10】 ユニバーサルジョイントヨークの素形
    材を鍛造するに用いる金型であって、閉塞な空間を形成
    する上金型103、下金型65と、リングノック67
    と、ノックアウトピン64と、金型ホルダーと、金型と
    リングノックに0.5kg/mm2以上の背圧力を発生す
    る手段とを配設する受圧板とを含むユニバーサルジョイ
    ントヨークの鍛造用金型。
  11. 【請求項11】 背圧力発生手段が、ガスクッションま
    たは/および油圧クッションであることを特徴とする請
    求項10に記載のユニバーサルジョイントヨークの鍛造
    用金型。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至9のいずれか1項に記載
    された製造方法で製造された、カップ形状部41の高さ
    のバラツキが8mm以内であることを特徴とするユニバ
    ーサルジョイントヨークの素形材。
  13. 【請求項13】 型割り部にトリミング工程の痕がな
    く、カップ状成形部先端において、他端側にピンボス部
    を有しないカップ状部(A)と他端側にピンボス部を有
    するカップ状部(B)との結晶粒平均長さの比(B/
    A)が0.5〜1.5となっていることを特徴とするユ
    ニバーサルジョイントヨーク。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の素形材を用いて製
    造された請求項13に記載のユニバーサルジョイントヨ
    ーク。
JP2002373353A 2001-12-26 2002-12-25 ユニバーサルジョイントヨークの製造方法及び鍛造用金型 Expired - Fee Related JP4355140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002373353A JP4355140B2 (ja) 2001-12-26 2002-12-25 ユニバーサルジョイントヨークの製造方法及び鍛造用金型

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-395510 2001-12-26
JP2001395510 2001-12-26
JP2002373353A JP4355140B2 (ja) 2001-12-26 2002-12-25 ユニバーサルジョイントヨークの製造方法及び鍛造用金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003251431A true JP2003251431A (ja) 2003-09-09
JP4355140B2 JP4355140B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=28677209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002373353A Expired - Fee Related JP4355140B2 (ja) 2001-12-26 2002-12-25 ユニバーサルジョイントヨークの製造方法及び鍛造用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4355140B2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005153017A (ja) * 2003-10-30 2005-06-16 Showa Denko Kk 鍛造用金型、鍛造製品の製造方法、および鍛造生産システム
JP2007152375A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Showa Denko Kk 内燃機関ピストンの製造方法、鍛造装置および内燃機関ピストン鍛造品
WO2008066477A1 (en) * 2006-12-01 2008-06-05 Scania Cv Ab (Publ) Driver and a method and arrangement to produce it
JP2008297632A (ja) * 2003-11-10 2008-12-11 Showa Denko Kk 成形品の製造方法
JP2009255130A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Nsk Ltd 金属製部材の塑性加工方法及び塑性加工装置
JP2010042451A (ja) * 2003-10-30 2010-02-25 Showa Denko Kk 鍛造用金型
KR101023402B1 (ko) 2010-10-06 2011-03-21 주식회사 신일 길이가 긴 요크샤프트의 요크부를 단조용 업셋터 금형 장치내에서 한번의 공정으로 성형할 수 있는 업셋터 장치용 금형
KR101029220B1 (ko) * 2010-10-06 2011-04-14 주식회사 신일 업셋터 장비내에서 길이가 긴 요크샤프트의 요크부를 한번에 성형할 수 있는 단조방법
KR101046643B1 (ko) * 2008-09-24 2011-07-05 주식회사 코우 요크의 성형방법 및 장치
JP2011143436A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Showa Denko Kk 鍛造加工方法および鍛造加工装置
JP2011161457A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Nsk Ltd 自在継手のヨークの製造方法
JP2011189365A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Nsk Ltd 自在継手のヨークの製造方法
JP2015182099A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 鹿児島県 鍛造パンチの設計方法及び鍛造パンチ並びにヨークの製造方法
CN110883295A (zh) * 2019-12-12 2020-03-17 金马工业集团股份有限公司 一种热模锻压力机的模具顶料装置
CN112792224A (zh) * 2020-12-18 2021-05-14 长沙金鸿顺汽车部件有限公司 安全气囊充气机前支架的成型模具
CN114850375A (zh) * 2022-04-11 2022-08-05 贵州振华华联电子有限公司 一种冲压墩扁模具
CN115401410A (zh) * 2022-08-16 2022-11-29 洛阳中重铸锻有限责任公司 一种大型铝合金薄壁方环锻件的近净成形方法

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010042451A (ja) * 2003-10-30 2010-02-25 Showa Denko Kk 鍛造用金型
JP4683900B2 (ja) * 2003-10-30 2011-05-18 昭和電工株式会社 鍛造製品の製造方法
JP2005153017A (ja) * 2003-10-30 2005-06-16 Showa Denko Kk 鍛造用金型、鍛造製品の製造方法、および鍛造生産システム
JP2008297632A (ja) * 2003-11-10 2008-12-11 Showa Denko Kk 成形品の製造方法
JP2009084698A (ja) * 2003-11-10 2009-04-23 Showa Denko Kk 成形品の製造方法
JP4553323B2 (ja) * 2003-11-10 2010-09-29 昭和電工株式会社 成形品の製造方法
JP2010255122A (ja) * 2003-11-10 2010-11-11 Showa Denko Kk 成形品の製造方法
JP2013151754A (ja) * 2003-11-10 2013-08-08 Showa Denko Kk 成形品の製造方法
JP2007152375A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Showa Denko Kk 内燃機関ピストンの製造方法、鍛造装置および内燃機関ピストン鍛造品
WO2008066477A1 (en) * 2006-12-01 2008-06-05 Scania Cv Ab (Publ) Driver and a method and arrangement to produce it
JP2009255130A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Nsk Ltd 金属製部材の塑性加工方法及び塑性加工装置
KR101046643B1 (ko) * 2008-09-24 2011-07-05 주식회사 코우 요크의 성형방법 및 장치
JP2011143436A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Showa Denko Kk 鍛造加工方法および鍛造加工装置
JP2011161457A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Nsk Ltd 自在継手のヨークの製造方法
JP2011189365A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Nsk Ltd 自在継手のヨークの製造方法
KR101029220B1 (ko) * 2010-10-06 2011-04-14 주식회사 신일 업셋터 장비내에서 길이가 긴 요크샤프트의 요크부를 한번에 성형할 수 있는 단조방법
KR101023402B1 (ko) 2010-10-06 2011-03-21 주식회사 신일 길이가 긴 요크샤프트의 요크부를 단조용 업셋터 금형 장치내에서 한번의 공정으로 성형할 수 있는 업셋터 장치용 금형
JP2015182099A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 鹿児島県 鍛造パンチの設計方法及び鍛造パンチ並びにヨークの製造方法
CN110883295A (zh) * 2019-12-12 2020-03-17 金马工业集团股份有限公司 一种热模锻压力机的模具顶料装置
CN112792224A (zh) * 2020-12-18 2021-05-14 长沙金鸿顺汽车部件有限公司 安全气囊充气机前支架的成型模具
CN114850375A (zh) * 2022-04-11 2022-08-05 贵州振华华联电子有限公司 一种冲压墩扁模具
CN115401410A (zh) * 2022-08-16 2022-11-29 洛阳中重铸锻有限责任公司 一种大型铝合金薄壁方环锻件的近净成形方法
CN115401410B (zh) * 2022-08-16 2023-08-11 洛阳中重铸锻有限责任公司 一种大型铝合金薄壁方环锻件的近净成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4355140B2 (ja) 2009-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003251431A (ja) ユニバーサルジョイントヨークの製造方法、鍛造用金型および素形材
US7213434B2 (en) Method for manufacturing universal joint yoke, forging die and preform
JP4819329B2 (ja) 鍛造方法、鍛造品及び鍛造装置
CA2554662A1 (en) Ring gear and manufacturing method for such a ring gear
KR101627878B1 (ko) 로터 소재 단조용 금형 및 로터 소재의 단조 방법
JPH08103841A (ja) 半割り機械部品の製造方法
JP5553291B2 (ja) 成形品の製造方法
US20060185416A1 (en) Metal forged product, upper or lower arm, preform of the arm, production method for the metal forged product, forging die, and metal forged product production system
JP3875879B2 (ja) 鍛造製品の製造方法、鍛造金型および鍛造製品製造装置
JP2006043770A (ja) 成形品製造方法、鍛造用金型、成形品、および鍛造生産システム
JP4136485B2 (ja) 鍛造方法、鍛造用金型および鍛造成形品
JP3846785B2 (ja) 閉塞鍛造方法、金型及び閉塞鍛造生産システム
CN114985500A (zh) 连续挤锻复合成形装置及方法
JP5483292B2 (ja) 金属鍛造製品の製造方法
JP2004074281A (ja) 密閉鍛造方法、密閉鍛造装置及び鍛造成形品
JP4699645B2 (ja) ブレーキキャリパーボディーおよびその製造方法
JP4703961B2 (ja) 金属鍛造製品の製造方法
JP3674399B2 (ja) 段付きシャフトの製造方法及び段付きシャフトの製造装置
JP4298633B2 (ja) 成形品の製造方法およびその生産ライン
JP4683900B2 (ja) 鍛造製品の製造方法
JP2005163179A5 (ja)
JP2020131217A (ja) スクロール部材用鍛造品
JPH05123809A (ja) 穴を有する精密アルミニウム製品の加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4355140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150807

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees