JP2003247061A - 材料供給装置 - Google Patents

材料供給装置

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JP2003247061A
JP2003247061A JP2002236415A JP2002236415A JP2003247061A JP 2003247061 A JP2003247061 A JP 2003247061A JP 2002236415 A JP2002236415 A JP 2002236415A JP 2002236415 A JP2002236415 A JP 2002236415A JP 2003247061 A JP2003247061 A JP 2003247061A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多数のタブレットを連続的に供給でき、200
μmを超えるような厚さの成膜を行う際にも、十分な量
の成膜材料を供給するできる、真空蒸着用の材料供給装
置を提供する。 【解決手段】回転可能なターレットと、ターレットに装
填された成膜材料をターレットの回転軸方向に移動する
ことにより、成膜材料を所定の蒸発位置に移動する移動
部材を有する移動手段と、ターレットの回転手段とを有
すると共に、ターレットは、成膜材料の装填位置に対応
して、移動部材が通過する複数の移動用貫通孔を有し、
ターレットの回転中心を中心とする同サイズの円周上
に、移動部材および移動用貫通孔が位置することによ
り、前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空蒸着の技術分
野に属し、詳しくは、真空蒸着装置において、蒸発位置
に成膜材料を供給する材料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線(X線、α線、β線、γ線、電子
線、紫外線等)の照射を受けると、この放射線エネルギ
ーの一部を蓄積し、その後、可視光等の励起光の照射を
受けると、蓄積されたエネルギーに応じた輝尽発光を示
す蛍光体が知られている。この蛍光体は、蓄積性蛍光体
(輝尽性蛍光体)と呼ばれ、医療用途などの各種の用途
に利用されている。
【0003】一例として、この蓄積性蛍光体を含有する
層(以下、蛍光体層とする)を有するシート(以下、蛍
光体シートとする(放射線像変換シートとも呼ばれてい
る)を利用する、放射線画像情報記録再生システムが知
られており、例えば、FCR(Fuji Computed Radiogra
phy)等として実用化されている。このシステムでは、蛍
光体シート(蛍光体層)に人体などの被写体の放射線画
像情報を記録し、記録後に、蛍光体シートをレーザ光等
の励起光で2次元的に走査して輝尽発光光を生ぜしめ、
この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、こ
の画像信号に基づいて再生した画像を、写真感光材料等
の記録材料、CRT等の表示装置に被写体の放射線画像
を可視像として出力する。
【0004】このような蛍光体シートは、通常、蓄積性
蛍光体の粉末をバインダ等を含む溶媒に分散してなる塗
料を調製して、この塗料をガラスや樹脂製のシート状の
支持体に塗布し、乾燥して、蛍光体層を形成することに
よって、作製される。これに対し、真空蒸着やスパッタ
リング等の物理蒸着法(気相成膜法)によって、支持体
に蛍光体層を形成してなる蛍光体シートも知られている
(特許第2789194号、特開平5−249299号
等の各公報参照)。蒸着によって作製される蛍光体層
は、真空中で形成されるので不純物が少なく、また、バ
インダなどの蓄積性蛍光体以外の成分が殆ど含まれない
ので、性能のバラツキが少なく、しかも発光効率が非常
に良好であるという、優れた特性を有している。
【0005】一般的に、真空蒸着は、光学部品のコーテ
ィング、磁気記録媒体や電子ディスプレイの製造等の各
種の分野における薄膜の成膜方法として利用されてい
る。これらにおける蒸着による成膜では、ほとんどの場
合は、形成する膜の厚さは1μm以下で、厚くても3μ
m程度である。これに対し、真空蒸着で形成される蛍光
体シートの蛍光体層は、薄くても200μm以上、通常
で500μm程度、厚い場合で1000μmもの厚さが
必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常の真空蒸着装置で
は、このような厚さの膜は1つの材料で成膜することは
不可能であるので、蛍光体層の成膜中に成膜材料を追加
する必要があり、それに応じて、材料供給装置を備える
真空蒸着装置も各種、知られている。
【0007】ここで、蓄積成膜蛍光体、特に、好適な蛍
光特性を有するために、各種の蛍光体シートで利用され
るアルカリハライド系の蓄積性蛍光体の成膜材料は、一
般的に、吸湿性が高い。そのため、真空蒸着による成膜
中に水分を放出して、蛍光体層の品質を低下させてしま
う場合がある。蓄積性蛍光体の成膜材料は、通常、粉末
状やワイヤー状で提供されるが、前記吸湿による不都合
を低減するためには、表面積を小さくする必要があり、
従って、真空蒸着では、成膜材料は、ある程度の大きさ
のタブレット(錠剤状)やインゴット(柱状)等に成形
して使用するのが好ましい。
【0008】従って、真空蒸着用の材料供給装置は、あ
る程度の大きさを有するタブレットやインゴットに成形
された成膜材料を供給できるのが好ましく、さらに、成
膜材料を取得あるいは成形する際の選択性や自由度を考
慮すれば、タブレットとインゴットの両方を使用できる
のが、特に好ましい。ところが、成膜材料として、多数
のタブレットを連続的に供給でき、好ましくは、タブレ
ットとインゴットの両方を使用でき、前述のような膜厚
に対応できる量の材料を安定して供給できる真空蒸着用
の材料供給装置は、今だ、実現されていない。
【0009】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、真空蒸着装置に装着されて、蒸発
位置に成膜材料を供給する材料供給装置であって、多数
のタブレットを連続的に供給でき、さらに、タブレット
およびインゴットの両者の使用も可能にでき、蛍光体シ
ートに蓄積性蛍光体層を成膜する場合のように、200
μmを超えるような厚さの成膜を行う際にも、十分な量
の成膜材料を供給することができる、真空蒸着用の材料
供給装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、真空蒸着装置に装着され、所定の蒸発位
置に成膜材料を供給する材料供給装置であって、成膜材
料を装填される回転可能なターレットと、前記ターレッ
トに装填された成膜材料を、前記ターレットの回転軸の
延在方向に移動することにより、成膜材料を所定の蒸発
位置に移動する移動部材を有する移動手段と、前記ター
レットを回転する回転手段とを有すると共に、前記ター
レットは、成膜材料の装填位置に対応して、前記移動部
材が通過するための複数の移動用貫通孔を有し、さら
に、前記ターレットの回転中心を中心とする同サイズの
円周に対応する位置に、前記移動部材および移動用貫通
孔が位置することを特徴とする材料供給装置を提供す
る。
【0011】このような本発明の材料供給装置におい
て、成膜材料を収容する収容容器を有し、この収容容器
を前記移動用貫通孔に装着するのが好ましく、また、前
記収容容器は、成形された成膜材料を収容するものであ
り、かつ、成膜材料を収容した状態において、少なくと
も前記収容容器の上端部近傍は、成膜材料と収容容器内
壁との間に成膜材料の溶融液が流れ込めるだけの間隙を
有するのが好ましい。また、本発明の材料供給装置にお
いて、前記ターレットを複数有し、かつ、各ターレット
は、同じ回転中心を有し、互いに独立に回転可能な、回
転軸の延在方向に離間して配置されるものであり、ま
た、前記回転手段は各ターレットを独立に回転するもの
であり、さらに、少なくとも成膜基板から最も遠いター
レット以外は、前記円周に対応する位置に成膜材料が通
過するための供給用貫通孔を有し、また、成膜基板に最
も近いターレットは前記移動用貫通孔を有さなくてもよ
いのが好ましく、また、成膜基板側の幾つかの前記ター
レットが、着脱自在に構成されるのが好ましく、さら
に、錠剤状もしくは柱状に成形された成膜材料を供給す
るものであり、柱状の成膜材料を供給する際には、前記
成膜基板側の幾つかのターレットを取り外すのが好まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の材料供給装置につ
いて、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に
説明する。
【0013】図1に、本発明の材料供給装置を装着し
た、真空蒸着装置の一例の概念図を示す。図示例の真空
蒸着装置(以下、蒸着装置10とする)は、二元の真空
蒸着によって、シート状の基板Sの表面に、蓄積性蛍光
体を含有する層((蓄積性)蛍光体層)を形成して、蓄
積性蛍光体シート(以下、蛍光体シートとする)を作製
するものであり、基本的に、真空チャンバ12と、基板
回転機構14と、加熱蒸発部16とを有して構成され
る、いわゆる基板回転型の真空蒸着装置である。この加
熱蒸発部16には、本発明の材料供給装置18が装着さ
れている。また、真空チャンバ12には、系内を排気し
て所定の真空度にするための、図示しない真空ポンプ
(真空排気手段)が接続される。
【0014】図示例の蒸着装置10は、一例として、臭
化セシウム(CsBr)および臭化ユーロピウム(Eu
Brx (xは、通常、2〜3))を成膜材料とした二元
の真空蒸着を行って、基板にCsBr:Euを蓄積性蛍
光体とする蛍光体層を成膜して、蛍光体シートを作製す
る。この蛍光体層の成膜においては、蛍光体の成膜材料
が臭化セシウムで、付活剤の成膜材料が臭化ユーロピウ
ムである。
【0015】真空チャンバ12は、鉄、ステンレス、ア
ルミニウム等で形成される、真空蒸着装置で利用される
公知の真空チャンバ(ベルジャー、真空槽)である。前
述のように、真空チャンバ12には、図示しない真空ポ
ンプが接続される。真空ポンプにも、特に限定はなく、
必要な到達真空度を達成できるものであれば、真空蒸着
装置で利用されている各種のものが利用可能である。一
例として、油拡散ポンプ、クライオポンプ、ターボモレ
キュラポンプ等を利用すればよく、また、補助として、
クライオコイル等を併用してもよい。なお、前述の蛍光
体層を成膜する蒸着装置10においては、真空チャンバ
12内の到達真空度は、6.7×10-3Pa以下、特に
4.0×10-4Pa以下であるのが好ましい。
【0016】基板回転機構14は、基板Sを保持して回
転するもので、回転駆動源20と、ターンテーブル22
とから構成される。ターンテーブル22は、上側の本体
24と下側(加熱蒸発部16側)のシースヒータ26と
からなる円板で、その中心に、回転駆動源20と係合す
る回転軸28が固定される。ターンテーブル22は、後
述する加熱蒸発部16(成膜材料の蒸発位置)に対応す
る所定位置において、下面(シースヒータ26の下面)
に基板Sを保持して、回転駆動源20によって所定速度
で回転される。また、シースヒータ26は、成膜される
基板Sを裏面(成膜面と逆面)から加熱する。なお、基
板Sは、マスクを兼ねるホルダや治具等を用いた公知の
方法で、成膜面を下方に向けてターンテーブル22に保
持すればよい。
【0017】真空チャンバ12の下方には、加熱蒸発部
16が配置される。前述のように、蒸着装置10は、臭
化セシウムおよび臭化ユーロピウムを成膜材料として用
い、これらを個々に加熱蒸発する二元の真空蒸着を行う
ものであり、加熱蒸発部16は、セシウム蒸発部30
(以下、Cs蒸発部30とする)と、ユーロピウム蒸発
部32(以下、Eu蒸発部32とする)と、本発明の材
料供給装置18とを有する。
【0018】Eu蒸発部32は、抵抗加熱装置34によ
って、蒸発位置(ルツボ)に収容した臭化ユーロピウム
(付活剤の成膜材料)を抵抗加熱して蒸発する部位あ
る。図示例の蒸着装置10において、抵抗加熱装置34
は、公知のものである。具体的には、加熱装置(蒸発
源)としては、ボートタイプ、フィラメントタイプ、ク
ルーシブルタイプ、チムニータイプ、Kセル(クヌーセ
ンセル)等、抵抗加熱装置で用いられる各種の装置が、
また、電源(加熱制御手段)としては、サイリスタ方
式、DC方式、熱電対フィードバック方式等、抵抗加熱
装置で用いられる各種の方式が、それぞれ、使用され
る。抵抗加熱を行う際の出力にも特に限定はなく、付活
剤材料等に応じて適宜設定すればよいが、図示例におい
ては、ヒータの抵抗値によっても異なるが、1A〜10
00A程度とすればよい。
【0019】一方、Cs蒸発部30は、電子銃36から
出射した電子線(エレクトロンビーム=EB)を所定の
蒸発位置に照射することにより、本発明の材料供給装置
18によって蒸発位置に供給された、蛍光体の成膜材料
である臭化セシウムを加熱蒸発する、公知の電子線加熱
装置である。
【0020】従って、電子銃36としては、電子線を1
80°偏向して蒸発位置に入射する180°偏向銃、同
270°偏向銃、90°偏向直進銃等、真空蒸着におい
て利用されている各種の電子銃が利用可能である。図示
例においては、電子銃36は、一例として、270°偏
向銃を利用している。電子銃36のエミッション電流や
EBの加速電圧にも限定はなく、成膜材料や成膜する膜
厚に応じた十分なものであればよい。図示例において
は、一例として、EBの加速電圧は−1kV〜−30k
V、エミッション電流は、50mA〜2Aとするのが好
ましい。また、成膜速度にも特に限定はないが、図示例
においては、10nm/sec〜5000nm/sec
が好ましい。
【0021】ここで、前述のように、蛍光体シートに成
膜される蛍光体層は、通常の真空蒸着膜に比して非常に
厚く、薄くても200μm程度、通常500μm程度、
厚い場合には、1000μmを超える場合も有る。図示
例においては、膜厚は、50μm〜1000μm、特
に、200μm〜500μmが好ましい。さらに、付活
剤と蛍光体とは、例えば、モル濃度比で0.0005/
1〜0.01/1程度と、蛍光体層の大部分が蛍光体で
ある。そのため、図示例の蒸着装置10において、加熱
蒸発部16には、本発明の材料供給装置18(以下、供
給装置18とする)が装着されており、蛍光体の成膜材
料である臭化セシウムは、この供給装置18によって、
Cs蒸発部30の所定の蒸発位置に供給される。
【0022】図2に、本発明の供給装置18の概略図を
示す。なお、図2において、(A)は、供給装置18を
基板S側から見た図(上面図)であり、(B)は、図1
と同方向から見た図(正面図)である。供給装置18
は、図3に示されるような、タブレット(錠剤状)に成
形された成膜材料(図示例では臭化セシウム 以下、タ
ブレットTbとする)と、インゴット(柱状)に成形さ
れた成膜材料(同前 以下、インゴットInとする)
を、所定の蒸発位置、すなわち電子銃36からのEBの
照射位置に供給するものである。このような供給装置1
8は、基本的に、3つのターレット50(第1ターレッ
ト50a、第2ターレット50b、および第3ターレッ
ト50c)と、昇降手段52と、各ターレット50を回
転する回転手段(図示省略)とを有して構成される。
【0023】なお、タブレットTbやインゴットInの
成形方法には、特に限定はなく、用いる成膜材料に応じ
た方法が、各種、利用可能である。例えば、粉末状の成
膜材料を成形用のダイスに投入して、粉末金型プレス成
形機で成形した後、真空乾燥処理を行う成形方法等が例
示される。また、図示例においては、成膜材料は、共に
円柱状に成形されているが、成膜材料の形状は、円柱以
外にも、角柱状であってもよい。
【0024】ターレット50は、下面の中心に回転軸5
4(各ターレット50では、54a、54bおよび54
c)有する円盤で、タブレットTbもしくはインゴット
Inを収容した容器56(図3参照)を装着する装填孔
58(移動用貫通孔)、および、容器56を通過させる
ための供給孔60(供給用貫通孔)が形成される(図2
(B)では、供給孔60のみを示す)。図示例において
は、ターレット50には、6つの装填孔58と1つの供
給孔60との、計7つの孔が、ターレット50の回転と
中心を一致する円周上に、同じ回転角間隔で形成されて
いる。
【0025】なお、本発明において、装填孔58(供給
用貫通孔)の数は、これに限定はされず、5個以下でも
7個以上でもよい。また、後に明らかになるが、最も下
(基板Sと最も離れた)の第3ターレット50cは、容
器56を通過させる必要が無いので、供給孔60を形成
せずに、全ての孔を装填孔58としてもよい。さらに、
各ターレット50は、回転中心が一致しており、かつ、
各貫通孔が、ターレットの回転と中心を一致する同じ円
周上に形成されていれば、個々の形状やサイズが異なっ
ていてもよい。
【0026】前述のように、第1ターレット50aの下
面には回転軸54aが、第2ターレット50bの下面に
は回転軸54bが、第3ターレット50cの下面には回
転軸54cが、それぞれ、固定される。図示例におい
て、回転軸54は中空の円柱で、下方のターレット50
ほど、大きな径を有する。3つのターレット50は、回
転軸54aを回転軸54bに挿入し、さらに、この回転
軸54bを回転軸54cに挿入した状態で、回転軸方向
にタブレットTbのサイズ(高さ)に応じた所定の間隔
離間して、自身の回転軸54によって、同じ回転中心で
個々に回転可能に支持される。また、各回転軸54は、
公知の方法で、真空チャンバ12に固定されるハウジン
グ62に軸支され(図1参照)、かつ、上方の2段の第
1ターレット50aおよび第2ターレット50bは、着
脱可能に構成される。なお、各ターレット50を所定間
隔で保持する方法は、リブやフランジ等で支持する方
法、各種の保持部材を用いる方法等、公知の方法を利用
すればよい。
【0027】各ターレット50は、図示しない回転手段
によって、それぞれ、独立して回転される。ターレット
50を独立して回転にする方法には、特に限定はなく、
公知の各種の方法が利用可能である。例えば、回転軸5
4bは回転軸54cよりも下方に突出し、回転軸54a
は回転軸54bよりも下方に突出するようにすると共
に、各回転軸54の下端部にギヤ等の伝達手段を装着し
て、各回転軸54のギヤにモータを係合して、独立して
回転する方法等が例示される(最長の回転軸54aは、
モータの回転軸と直結でも可)。
【0028】前述のように、タブレットTbおよびイン
ゴットInは、共に、容器56に収容される。この容器
56は、図3(A)に示されるように、下端が閉塞する
円筒状の円筒部57aと、この円筒部57aの上端外周
に固定される平板リング状の鍔部57bとを有するもの
で、円筒部57aの外径は、装填孔58の内径よりも若
干小さい。さらに、鍔部57bの外径は、装填孔58の
内径よりも大きく、かつ、供給孔60の内径よりも、若
干小さい。図示例の供給装置18においては、タブレッ
トTbもしくはインゴットInを容器56に収容して、
この容器56の円筒部57aを装填孔58に挿入して鍔
部57bをターレット50に載置することにより、タブ
レットTb等(成膜材料)が装填される。また、容器5
6の鍔部57bは、供給孔60よりも小さいので、容器
56は供給孔60を通過することができる。
【0029】ここで、EBによる加熱を行うCs蒸発部
30においては、各種の要因によってEBの揺らぎ等を
生じることがあり、これに起因して、タブレットTbも
しくはインゴットIn(成膜材料)へのEBの入射角度
が変動したり、入射位置が不適性になってしまう場合が
ある。このような入射角度の変動等が起こると、EBに
よる加熱位置の変動等が生じて、溶融した成膜材料(臭
化セシウム)がタブレットTb等から流れ落ちてしま
う、いわゆる液垂れを生じてしまうことがある。また、
液垂れは、蒸着レートを高くするために、高出力なEB
を使用した場合等にも発生し易い。当然のことである
が、液垂れした成膜材料が、後述する昇降手段52の本
体64やピストン66に付着すると、供給装置18の誤
動作の原因になる。
【0030】このような不都合を回避するために、本発
明の供給装置18においては、ターレット50に成膜材
料を装填する際にタブレットTbやインゴットInを収
容する容器は、例えば、図3(B)に示される容器56
bや、図3(C)に示される容器56cのように、タブ
レットTbやインゴットInを収容した状態において、
少なくとも上端部近傍は、材料と収容容器内壁との間に
成膜材料の溶融液が流れ込めるだけの間隙を有する形状
とするのが好ましい。すなわち、タブレットTb等を収
容する容器は、成膜材料を収容してターレット50への
装填を補助すると共に、成膜材料の液垂れを生じた場合
に、液溜めとしても作用するような形状とするのが好ま
しい。
【0031】このような構成とすることにより、EBの
入射角度の変動や、高出力なEBの使用により液垂れを
生じた場合にも、溶融した成膜材料が昇降手段52等に
付着することを防いで、液垂れによる供給装置18の誤
動作を確実に防止でき、安定した蒸着を行うことが可能
になる。
【0032】なお、このような容器の液溜めの大きさ
は、収容する成膜材料の量、蒸着レート等に応じて、液
垂れした成膜材料を溢れることなく収容でき、装置の安
定動作を確保できる大きさを、適宜、決定すればよい。
【0033】また、容器が液溜めを有する際には、供給
孔60は、このような液溜めを有する容器56bや容器
56cが通過できるサイズにする必要があるのは、もち
ろんである。さらに、容器56bや容器56cのよう
な、液溜めを有する容器のターレット50の装填孔58
への装填は、例えば、容器56bのように成膜材料の液
溜めとなる幅広部に、前記鍔部57aのような作用を持
たせて行ってもよく、また、容器56cのように、下面
に装填孔58への装填のための凸部を形成して行っても
よく、容器の形状に応じた各種の方法で行えばよい。
【0034】図4に、供給装置18にタブレットTbを
装填した状態を示す。前述のように、各ターレット50
には、6つの装填孔58が形成されるので、1つのター
レット50にタブレットTbを収容した容器56を6つ
載置して、合計で18個のタブレットTbを装填するこ
とができる。なお、図4に示される状態では、第1ター
レット50aは後述する図6(A)に示される状態で、
第2ターレット50bおよび第3ターレット50cは、
同図6(B)に示される状態となっている。
【0035】また、前述のように、1段目と2段目の第
1ターレット50aおよび第2ターレット50bは、共
に、着脱可能に構成される。供給装置18にインゴット
Inを装填する際には、図5に示すように、第1ターレ
ット50aおよび第2ターレット50bを取り外して、
インゴットInを収容した容器56を1番下の第3ター
レット50cの装填孔60に挿入して、載置する。これ
により、合計で6つのインゴットInを供給装置18に
装填することができる。図5に示される例では、第3タ
ーレット50cは、図6(A)に示される状態となって
いる。
【0036】なお、図示例の供給装置18は、好ましい
態様として、第1ターレット50aおよび第2ターレッ
ト50bを着脱自在として、インゴットInとタブレッ
トTbの両方を使用可能にしているが、本発明は、これ
に限定はされず、全ターレットを取り外し不可能とし
て、タブレットTbのみに対応するものでもよい。
【0037】図示例において、昇降手段52は、真空チ
ャンバ12に固定される本体64と、ピストン(ピスト
ンロッド)66と、ピストン66の先端に配置される、
装填孔58の内径よりも若干小さい外径を有する円盤状
の載置部材68とを有して構成される。また、昇降手段
52は、ピストン66の移動(上昇)方向をターレット
50の回転方向と一致し、かつ、載置部材68の中心
が、前記装填孔58が配列される円周と一致するように
配置される。このような昇降手段52は、例えば、空気
圧シリンダや油圧シリンダ等のアクチュエータを利用し
て構成すればよい。
【0038】昇降手段52は、ピストン66を上昇(本
体64から突出)することにより、載置部材68を上昇
し、ターレット50に装着された容器56を載置部材6
8に載置して、さらに持ち上げて、タブレットTbやイ
ンゴットIn(成膜材料)の上面(蒸発面)を所定の蒸
発位置に供給する。さらに、容器56に収容されるタブ
レットTb等が空になったら、ピストン66を下降(本
体64に収納)して載置部材68を降下し、空になった
容器56を下ろして、ターレット50に戻す。
【0039】ここで、昇降手段52は、好ましくは(イ
ンゴットInの場合は、ある程度までは必須)、成膜の
進行に伴うタブレットTbなどの消費による、成膜材料
の蒸発面の降下に応じて、載置部材68すなわち成膜材
料を持ち上げて、蒸発面を所定の蒸発位置に保つ。
【0040】安定した真空蒸着を行うためには、蒸発面
が一定位置であるのが好ましいのは、もちろんである
が、本発明者らの検討によれば、特に、図示例のような
EB加熱を行う場合には、良好な真空蒸着を行って、高
品質な膜を安定して成膜するためには、EBを成膜材料
の蒸発面に対して垂直に入射(90°入射)するのが好
ましい。
【0041】ここで、偏向銃を用いるEB加熱では、蒸
発面の位置によってEBの入射角度が異なり、さらに、
成膜の進行によって蒸発面が降下するため、EBの入射
角度は変動する。これに対し、昇降手段52(移動手
段)を有し、昇降手段52によって成膜材料(タブレッ
トTbやインゴットIn)を蒸発位置に供給する本発明
の供給装置18によれば、使用する電子銃等に応じて、
蒸発位置をEBが垂直に入射する位置に、適宜、設定
し、此処に蒸発面を持ってくることができる。さらに、
成膜の進行による蒸発面の降下に応じて、昇降手段52
によって成膜材料を上昇することにより、蒸発面を所定
の蒸発位置に保つことができる。従って、これにより、
蒸発面の安定のみならず、常時、EBを垂直入射するこ
とを可能にして、安定して、高品質な成膜を行うことが
できる。
【0042】本発明において、昇降手段は、図示例のよ
うな空気圧シリンダや油圧シリンダを利用するものに限
定はされず、ターレット50に載置された容器56(成
膜材料)を蒸発位置に供給するのに十分な移動ストロー
クを実現できるものであれば、各種のものが利用可能で
あり、例えば、カムを利用するアクチュエータ、リンク
を利用するアクチュエータ、ギヤを利用するアクチュエ
ータ等、公知の手段が各種利用可能である。また、図示
例においては、載置部材68は、容器56を載置するの
みであるが、これで不安定な場合には、載置部材が容器
の円筒部56aを収納するような構成としてもよい。
【0043】以下、本発明の供給装置18の作用につい
て説明する。前述のように、成膜材料としてタブレット
Tbを用いる場合には、真空チャンバ12を開放して、
図4に示すように、タブレットTbを収容した容器56
を、各ターレット50の装填孔58に挿入し、載置す
る。
【0044】必要数のタブレットTbの装填(容器56
の載置)が終了したら、最上段の第1ターレット50a
を、1つの装填孔58が、昇降手段52(載置部材6
8)に対応する位置(以下、昇降位置とする)となるよ
うに回転する。一例として、図6(A)に示される状態
とする。他方、第2ターレット50bおよび第3ターレ
ット50cは、供給孔60が昇降位置となるように回転
する。すなわち、両ターレット50は、図6(B)に示
される状態とする。
【0045】供給装置18は、成膜開始に先立ち、この
状態から、昇降手段52の載置部材68を上昇する。前
述のように、第2ターレット50bおよび第3ターレッ
ト50cは、供給孔60が昇降位置に有り、第1ターレ
ット50aは1つの装填孔58が昇降位置に有る。従っ
て、載置部材68は、下方2つのターレット50の供給
孔60を通過して、第1ターレット50aの昇降位置に
位置する容器56(図4に点線で示す)を載置して、持
ち上げる。この載置部材68の上昇は、図4に示される
ように、蒸発面(タブレットTbの上面)が、所定の蒸
発位置となった時点で停止する(容器56を蒸発位置に
上昇)。
【0046】この状態で、電子銃36が駆動してEBを
蒸発位置に照射し、かつ、加熱抵抗装置34が駆動し
て、蓄積性蛍光体層の真空蒸着が開始される。なお、蒸
着によってタブレットTb(臭化セシウム)が消費さ
れ、蒸発面が降下するが、好ましくは、昇降手段52
は、それに応じて載置部材68を上昇し、タブレットT
bの蒸発面を、所定の蒸発位置に保つ。
【0047】蒸着に供されている容器56に収容される
タブレットTbが無くなる(残量が所定量となる)と、
蒸着を一時停止し、昇降手段52が載置部材68を第1
ターレット50aの下まで降下して、空になった容器5
6を第1ターレット50aに載置する(容器56をター
レット50に戻す)。次いで、第1ターレット50aの
みを、反時計方向に所定角度(本例では、約51.4
°)回転して、隣の装填孔58を昇降位置に移動する
(容器56の切り換え)。さらに、昇降手段52が載置
部材68を上昇して、この位置の容器56を蒸発位置ま
で上昇し、先と同様に、タブレットTbが無くなるまで
真空蒸着を行い、タブレットTbが無くなるまで蒸着を
行う。以下、同様に、空になった容器56を第1ターレ
ット50aに戻し、第1ターレット50aを回転による
容器56の切り換えを行い、容器56を蒸着位置に上昇
し、蒸着を行い、容器56を第1ターレット50に戻す
ことを繰り返す。
【0048】このようにして、第1ターレット50aに
載置される全てのタブレットTbが空になったら、昇降
手段52は、載置部材68を2段目の第2ターレット5
0bよりも下方に降下する。その後、第1ターレット5
0aを反時計方向に所定角度回転して、昇降位置に供給
孔60を位置し(すなわち、図6(B)に示される状
態)、また、第2ターレット50bも反時計方向に所定
角度回転して、昇降位置に、供給孔60の隣の装填孔5
8を位置する(すなわち、図6(A)に示される状
態)。
【0049】次いで、昇降手段52が載置部材68を上
昇する。この状態では、第2ターレット50bは昇降位
置に装填孔58が位置し、第1ターレット50aは昇降
位置に供給孔60が位置するので、載置部材68は、第
2ターレット50bの昇降位置に位置する容器56を載
置して、持ち上げ、また、この容器56は、ターレット
50aの供給孔60をする。昇降手段52が、この容器
56を蒸発位置まで上昇したら、次いで、同様に蒸着が
行われる。
【0050】タブレットTbが無くなったら、蒸着を停
止し、昇降手段52が載置部材68を降下し、空になっ
た容器56を第2ターレット50bに戻す。次いで、第
2ターレット50bが反時計方向に所定回度回転して容
器56を切り換え、再度、昇降手段52が載置部材68
を上昇して、昇降位置に位置する容器56を蒸発位置ま
で持ち上げ、以下、第1ターレット50aに準じて、各
装填孔58の容器56に収納されるタブレットTbを、
順次、蒸発位置に供給して、真空蒸着を行う。
【0051】第2ターレット50bに装填されるタブレ
ットTbが全て無くなったら、昇降手段52は、載置部
材68を最下段の第3ターレット50bよりも下方に降
下する。その後、先に準じて、第2ターレット50bを
反時計方向に所定角度回転して、昇降位置に供給孔60
を位置し(図6(B)の状態)、また、第3ターレット
50cも反時計方向に所定角度回転して、昇降位置に装
填孔58を位置する(図6(A)の状態)。以下、前記
第1ターレット50aおよび第2ターレット50bの場
合に準じて、「昇降手段52による容器56(タブレッ
トTb)の蒸発位置への上昇→真空蒸着→第3ターレッ
ト50cに空の容器56を戻す→第3ターレット50c
の回転による容器56の切り換え」を繰り返し行い、第
3ターレット50cに装填されたタブレットTbを用い
た真空蒸着を行う。
【0052】他方、インゴットInを用いて真空蒸着を
行う場合には、まず、図5に示されるように、供給装置
18から第1ターレット50aおよび第2ターレット5
0bを取り外し、第3ターレット50cのみとする。次
いで、インゴットInを収容した容器56を、第3ター
レット50cの装填孔58に挿入して、第3ターレット
50cにインゴットInを装填する。次いで、必要に応
じて、第3ターレット50cを回転して、1つの装填孔
58を昇降位置に位置させる。図5においては、一例と
して、第3ターレット50cは、図6(A)に示される
状態となっている。
【0053】次いで、昇降手段52が載置部材68を上
昇して、容器56を載置して上昇し、図5に点線で示す
ように、蒸発面(インゴットInの上面)を蒸発位置に
位置する(容器56を蒸発位置に上昇する)。この状態
で、EB加熱による真空蒸着が行われる。ここで、イン
ゴットInを用いて蒸着を行う場合には、蒸着によるイ
ンゴットInの消費、および、それによる蒸発面の降下
に応じて、昇降手段52が容器56を上昇して、インゴ
ットInの蒸発面を所定の蒸発位置に保つようにする。
なお、本発明においては、容器56が、インゴットIn
の上面降下が蒸着で問題にならない程度の高さに来た時
点で、それ以上の上昇を行わないようにしてもよい。
【0054】このようにして、蒸着に供されているイン
ゴットInが無くなったら、蒸着を停止して、昇降手段
52が第3ターレット50cよりも下方に載置部材68
を降下し、空になった容器56を第3ターレット50c
に戻す。次いで、第3ターレット50cを反時計方向に
所定角度回転して、隣の装填孔58を昇降位置に位置し
(容器56の切り換え)、同様に、昇降手段52が容器
56を蒸発位置まで上昇し、真空蒸着を行う。
【0055】この容器56に収容されるインゴットIn
が無くなったら、以下、同様に、昇降手段52が空にな
った容器56を降下してターレット50cに戻し、ター
レット50cを回転して容器56を切り換え、容器56
を蒸発位置まで上昇して真空蒸着を行うことを、繰り返
し行い、第3ターレット50cに装填されたインゴット
Inによる真空蒸着を行う。
【0056】以上の説明から明らかなように、本発明に
よれば、成膜材料として、前述の材料の吸湿性に起因す
る膜品質低下を低減できるタブレットTbやインゴット
Inを用いることができる。しかも、このような成膜材
料を連続的に供給することができるので、厚さが200
μmを超えるような厚膜も容易に成膜でき、前述の蛍光
体シートの蛍光体層の成膜等にも、好適に対応できる。
また、本発明によれば、EBの行路等に応じて蒸発位置
を設定し、此処に蒸発面を位置することができ、さら
に、成膜中も蒸着面を此処に維持することができるの
で、常時、EBを蒸発面に垂直入射することができ、高
品位な成膜を安定して行うことができる。
【0057】なお、以上の例は、ターレット50を反時
計方向に回転して容器56の切り換えを行ったが、時計
方向に回転してもよいのは、もちろんである。また、図
示例においては、好ましい態様として、容器56にはタ
ブレットやインゴットを収容したが、本発明において
は、容器に粉末状や顆粒状等の成膜材料を収容して、材
料供給を行ってもよい。さらに、図示例においては、好
ましい態様として、タブレットTbやインゴットInを
容器56(容器52bや容器56c)に収容して装填し
たが、本発明はこれに限定はされず、例えば、図7に示
されるように、ターレット70の装填孔72を段付きに
して、この段にタブレットTbやインゴットInを載置
してもよい。あるいは、段付きではなく、装填孔をテー
パ状にして、同様にタブレットTb等を載置してもよ
く、安定性に問題が無ければ、平板状のターレットに直
接載置してもよい。
【0058】また、本発明の供給装置18によって供給
された成膜材料の加熱蒸発手段も、図示例の電子銃(電
子線加熱)に限定はされず、装置構成上可能で、かつ、
十分な蒸着レートを確保できるものであれば、チムニ型
のルツボなどを用いる高周波誘導加熱、アークプラズマ
加熱等の各種の手段が利用可能である。この際において
も、成膜の進行による蒸発面の降下に応じて、昇降手段
52によって成膜材料を上昇して、蒸発面を一定に保つ
のが好ましい。このようにすることにより、例えば、チ
ムニ型のルツボを用いる場合には、ルツボ内壁への不要
な成膜材料の付着を防止することができる。
【0059】前述のように、蒸着装置10は、回転型の
真空蒸着装置を利用するもので、蛍光体シートを製造す
る際には、まず、真空チャンバ12を開放して、前述の
ように、ターレット50にタブレットTbやインゴット
Inを装填し、また、ターンテーブル22下面の所定位
置に成膜面を下方に向けて基板Sを装着する。その後、
真空チャンバ12を閉塞して減圧すると共に、シースヒ
ータ26を駆動して、基板Sを裏面から加熱する。平行
して、Cs蒸発部30において、本発明の供給装置18
のターレット50を回転して容器56を上昇可能な状態
とし、次いで、昇降装置52によって、容器56を蒸発
位置まで上昇する。
【0060】真空チャンバ12の内部が所定の真空度に
なったら、回転駆動源20によってターンテーブル22
を所定速度で回転しつつ、加熱蒸発部16において、E
u蒸発部32の抵抗加熱装置34を駆動して蒸発位置
(ルツボ)に収容された臭化ユーロピウムを蒸発させ、
かつ、Cs蒸発部30の電子銃36を駆動して、蒸発位
置に上昇された容器56に収容される臭化セシウム(タ
ブレットTbもしくはインゴットIn)を蒸発させ、基
板SへのCsBr:Euの蒸着すなわち蛍光体層の成膜
が開始される。成膜中に、容器56に収容されたタブレ
ットTbやインゴットInが無くなった場合は、加熱を
停止し、先のようにして、空になった容器56をターレ
ット50に戻し、容器56を切り換え、タブレットTb
等を収容する容器56を蒸発位置に上昇する。
【0061】成膜を終了したら、ターンテーブル22の
回転を停止し、真空チャンバ12を開放して、蛍光体層
の成膜を終了した基板Sを取り出し、再度、成膜を行う
際には、基板Sの装填、必要に応じたタブレットTbや
インゴットInの装填等を行って、以下、同様にして、
成膜を行えばよい。
【0062】以上の例は、本発明の材料供給装置を、臭
化セシウムと臭化ユーロピウムとを別々に蒸発させる2
元の真空蒸着に利用したものであるが、本発明はこれに
限定されず、成膜材料の材料供給を必要とする各種の真
空蒸着装置に、全て、利用可能である。例えば、本発明
は、1つの成膜材料を蒸発して成膜を行う一元の真空蒸
着装置に利用するものであってもよく、あるいは、図示
例のような2元の加熱蒸発部を2以上有する多元の真空
蒸着装置に利用するものであってもよく、一元の加熱蒸
発部を複数有する多元の真空蒸着装置利用するものであ
ってもよく、さらに、多元の加熱蒸発部の適宜選択され
た1以上の位置のみに本発明の材料供給装置を利用する
ものであってもよい。
【0063】また、本発明の材料供給装置は、図示例の
ような基板回転型の真空蒸着装置に利用されるのにも限
定はされず、例えば、真空チャンバに連結するロード室
とアンロード室とを有し、基板をロード室に装填し、ロ
ード室→真空チャンバ→アンロード室と基板を搬送しつ
つ成膜を行い、アンロード室から取り出す、いわゆるロ
ードロックタイプの真空蒸着装置に利用されてもよく、
あるいは、基板を所定位置に固定して蒸着を行うタイプ
の真空蒸着装置を利用されてもよい。
【0064】以上、本発明の材料供給装置について詳細
に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や
変更を行ってもよいのは、もちろんである。
【0065】例えば、図示例の材料供給装置は、3つの
ターレットを有するものであるが、本発明は、これに限
定はされず、ターレットは1つであってもよく、2つの
ターレットを有するものであってもよく、あるいは、4
つ以上のターレットを有するものであってもよい。当然
のことであるが、ターレットが1つの場合には、成膜材
料が通過するための供給用貫通孔(供給孔)は不要であ
る。また、図示例では、好ましい態様として、ターレッ
トから成膜材料を持ち上げた位置に蒸発位置を設定して
いるが、本発明は、これに限定はされず、複数のターレ
ットを有する場合には、ターレット上に載置した位置の
材料上面を蒸発面としてもよい。従って、この場合に
は、タブレットを装填する最上段のターレットは、装填
孔(移動用貫通孔)を設けなくてもよい。さらに、図示
例の材料供給装置では、インゴットを装填する場合に
は、最下段以外のターレットを外しているが、本発明
は、これに限定はされず、インゴットのサイズや、ター
レットから蒸発位置までの距離等に応じて、下方の複数
のターレットを残して、その最上段のターレットにイン
ゴットを装填してもよい。
【0066】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、真空蒸着による成膜において、タブレットやイ
ンゴットに成形した成膜材料を使用することができるの
で、成膜材料もの吸湿に伴う膜品質低下を防止でき、し
かも、このような材料を連続的に供給することができる
ので、厚さが200μmを超えるような、蛍光体シート
の蓄積性蛍光体層の成膜にも、好適に対応できる。ま
た、本発明によれば、常時、成膜材料の蒸発面を所定の
蒸発位置に保持することができるので、例えば、EBに
よる加熱であれば、常に、EBを蒸発面に垂直入射する
ことができ、高品位な成膜を安定して行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の材料供給装置を利用する真空蒸着装
置の一例の概念図である。
【図2】 本発明の材料供給装置の一例の概念図であっ
て、(A)は上面図、(B)は正面図である。
【図3】 (A)は、図2に示される材料供給装置の使
用方法を説明するための概略斜視図、(B)および
(C)は、図2に示される材料供給装置における成膜材
料収容容器の別の例の概略図である。
【図4】 図2に示される材料供給装置の1つの使用態
様を説明するための概念図である。
【図5】 図2に示される材料供給装置の別の使用態様
を説明するための概念図である。
【図6】 (A)および(B)は、図2に示される材料
供給装置の使用方法を説明するための概念図である。
【図7】 本発明の材料供給装置の別の例のターレット
の一部断面の部分拡大図である。
【符号の説明】
10 真空蒸着装置 12 真空チャンバ 14 基板回転機構 16 加熱蒸発部 18 (材料)供給装置 20 回転駆動源 22 ターンテーブル 24 本体 26 シースヒータ 28 回転軸 30 Cs蒸発部 32 Eu蒸発部 34 抵抗加熱装置 36 電子銃 50,70 ターレット 52 昇降手段 54 回転軸 56 容器 58,72 装填孔 60 供給孔 62 ハウジング 64 本体 66 ピストン 68 載置部材
フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC02 CC10 DD11 DD16 DD17 4K029 BA64 BC07 BD00 CA01 DB08 DB10 DB14 DB15 DB21 DB23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空蒸着装置に装着され、所定の蒸発位置
    に成膜材料を供給する材料供給装置であって、 成膜材料を装填される回転可能なターレットと、前記タ
    ーレットに装填された成膜材料を、前記ターレットの回
    転軸の延在方向に移動することにより、成膜材料を所定
    の蒸発位置に移動する移動部材を有する移動手段と、前
    記ターレットを回転する回転手段とを有すると共に、 前記ターレットは、成膜材料の装填位置に対応して、前
    記移動部材が通過するための複数の移動用貫通孔を有
    し、さらに、前記ターレットの回転中心を中心とする同
    サイズの円周に対応する位置に、前記移動部材および移
    動用貫通孔が位置することを特徴とする材料供給装置。
  2. 【請求項2】成膜材料を収容する収容容器を有し、この
    収容容器を前記移動用貫通孔に装着する請求項1に記載
    の材料供給装置。
  3. 【請求項3】前記収容容器は、成形された成膜材料を収
    容するものであり、かつ、成膜材料を収容した状態にお
    いて、少なくとも前記収容容器の上端部近傍は、成膜材
    料と収容容器内壁との間に成膜材料の溶融液が流れ込め
    るだけの間隙を有する請求項2に記載の材料供給装置。
  4. 【請求項4】前記ターレットを複数有し、かつ、各ター
    レットは、同じ回転中心を有し、互いに独立に回転可能
    な、回転軸の延在方向に離間して配置されるものであ
    り、また、前記回転手段は各ターレットを独立に回転す
    るものであり、 さらに、少なくとも成膜基板から最も遠いターレット以
    外は、前記円周に対応する位置に成膜材料が通過するた
    めの供給用貫通孔を有し、また、成膜基板に最も近いタ
    ーレットは前記移動用貫通孔を有さなくてもよい請求項
    1〜3のいずれかに記載の材料供給装置。
  5. 【請求項5】成膜基板側の幾つかの前記ターレットが、
    着脱自在に構成される請求項4に記載の材料供給装置。
  6. 【請求項6】錠剤状もしくは柱状に成形された成膜材料
    を供給するものであり、柱状の成膜材料を供給する際に
    は、前記成膜基板側の幾つかのターレットを取り外す請
    求項5に記載の材料供給装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167448A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 全固体薄膜電池、正極および薄膜形成方法
JP2009191310A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Eiko Engineering Co Ltd マルチターゲットスパッタリング装置
KR101539624B1 (ko) * 2013-08-08 2015-07-27 바코스 주식회사 증착 물질 연속 공급장치 및 이를 이용한 하향식 내지문 코팅 증착 장치와 인라인 설비

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KR101539624B1 (ko) * 2013-08-08 2015-07-27 바코스 주식회사 증착 물질 연속 공급장치 및 이를 이용한 하향식 내지문 코팅 증착 장치와 인라인 설비

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