JP2003246905A - 熱可塑性樹脂組成物の相溶性改質剤 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物の相溶性改質剤Info
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Abstract
く親和し均一な分散状態を形成しうる官能基含有含フッ
素ポリマーからなる熱可塑性樹脂組成物用の相溶性改質
剤を提供する。 【解決手段】 (a)ポリマーの主鎖および側鎖の末端
の少なくとも1つにヒドロキシ基またはエポキシ基を含
む数平均分子量2,000〜1,000,000の含フ
ッ素ポリマー0.1〜99重量%と(b)150℃以上
の結晶融点またはガラス転移温度を有するポリアミドや
芳香族ポリエステルアミドなどの耐熱性熱可塑性樹脂1
〜99.9重量%を混合してえられるブレンド物からな
る熱可塑性樹脂組成物用の相溶性改質剤。
Description
定の含フッ素ポリマーと150℃以上の結晶融点または
ガラス転移温度を有するポリアミドからなるブレンド物
であって、熱可塑性樹脂組成物の機械的特性と化学的特
性を改善することができる相溶性改質剤に関する。
リエステル、ポリアリーレンサルファイド、ポリケトン
類およびポリエーテルケトン類、ポリアミドイミド、ポ
リエーテルニトリルなど結晶性の耐熱性熱可塑性樹脂
(これらは、150℃以上の結晶融点をもつ)は機械的
特性にすぐれ、しかも成形性がよいため、自動車、産業
機械、OA機器、電気・電子機器などの分野における機
能性部品に用いられているが、耐薬品性、摺動性などに
おいてより高度な市場要求があり、しかもこれらの樹脂
は一般に脆性であるため特に耐衝撃性の向上が望まれて
いる。また、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリアリレート、ポリサルホンおよびポリエーテル
サルホン、ポリエーテルイミドなど非晶性の耐熱性熱可
塑性樹脂(これらは150℃以上のガラス転移温度をも
つ)は透明性、寸法安定性、耐衝撃性などを活かす用途
に広く用いられているが、一般的に耐薬品性、耐溶剤
性、成形性に問題がある。
FE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、エチ
レン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)な
どのフッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐候
性、摺動性、柔軟性、電気的性質などにすぐれ、自動
車、産業機械、OA機器、電気・電子機器などの分野で
広く用いられている。しかし、結晶性の耐熱性熱可塑性
樹脂に比べて機械的特性や荷重たわみ温度で示されるよ
うな物理的な耐熱性に劣るばあいが多く、また非晶性の
耐熱性熱可塑性樹脂に比べて寸法安定性が劣るため使用
範囲が限定されている。
欠点を含フッ素ポリマー(樹脂状とエラストマー状のも
のを含む)との複合で改質したり、逆に、主として樹脂
状の含フッ素ポリマーを非フッ素系の耐熱性熱可塑性樹
脂との複合で改質し、新規な材料をうる試みが盛んに行
なわれている。
例として、たとえば特許文献1にはポリアリーレンサル
ファイドの特徴である耐熱性、耐薬品性などを損なわず
に耐衝撃性、耐クラック性、熱衝撃強度を改善する目的
で市販の含フッ素エラストマーを添加することが開示さ
れている。また、特許文献2、特許文献3では、PVD
Fなどの含フッ素ポリマーの耐候性、耐薬品性、耐摩耗
性、耐汚染性を損なわずに線膨脹係数を低減し、さらに
機械的物性、成形加工性を改良する目的で、異方性溶融
相を形成するポリマーすなわち液晶性ポリマー(芳香族
ポリエステルなど)の添加が行なわれている。液晶性ポ
リマーとPTFEのブレンドの例としては特許文献4お
よび特許文献5がある。特許文献6ではポリアミドの吸
水性、吸湿性の改善にPVDFのブレンドが効果的であ
ることが開示されている。
どの繊維状強化剤やタルク、ガラスビーズなどの無機充
填材を配合して成形収縮率を低減した芳香族ポリサルホ
ン組成物に、フッ素系重合体を配合することで金型から
の離型性を改良した例が、特許文献7に記載されてい
る。
粉末を配合し、摺動特性を改良する試みは広く一般的に
行なわれている。
ーが小さいため、一般に他材料との親和性が乏しいとい
う問題がある。そのため、含フッ素ポリマーと他材料と
を溶融ブレンドすると相分離を生じるが、その界面接着
力は実質的にないに等しく、界面の剥離が起きやすいと
ともにブレンド中にも含フッ素ポリマーが他材料中で分
散しにくく、凝集を起こして添加効果を充分に発揮する
ことが困難であった。
和性を向上させるため、第3成分としていわゆる相溶化
剤を添加することがしばしば行なわれている。特許文献
8では、ポリアリーレンサルファイドの流動性を損なわ
ずにその耐衝撃性を改良するため熱可塑性含フッ素エラ
ストマーをブレンドした組成物が開示されており、該公
報中で親和性改良のためフルオロ脂肪族基含有ポリマー
を添加するとより効果的であることが述べられている。
また特許文献9ではポリアリーレンサルファイドと、P
VDFを含む熱可塑性樹脂をブレンドする際、エポキシ
基を有するビニル重合体とメチルメタクリレート重合体
またはアクリロニトリル/スチレン共重合体からなるグ
ラフトポリマーを相溶化剤として添加する方法が開示さ
れている。
献10および特許文献11などではPVDFと異方性溶
融相形成性ポリマーのブレンドに対して、それぞれアク
リルポリマー、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルメチル
ケトンの添加が単純ブレンドよりも効果的であることが
述べられている。
またはメチル(メタ)アクリレートとのいずれか一方
と、エチレン系不飽和モノマーまたは重縮合モノマーま
たはラクタムのいずれか一種とから構成されるブロック
ポリマーを、ポリアミドとPVDFのブレンドに対する
相溶化剤として用いる例が記載されている。
ポリフェニレンエーテルとPVDFのような含フッ素ポ
リマーのブレンドに際し、ポリフェニレンエーテルとポ
リスチレン、PVDFとアクリル系ポリマーが各々相溶
性に優れることを利用してポリスチレンとアクリル系ポ
リマーからなる共重合体を相溶化剤として使用すること
が開示されている。
フルオロ脂肪族基は炭素数が20以下の低重合度のもの
であるためか親和性改良の効果は不充分なものである。
またその他の公報では実質的にすべて、PVDFとアク
リルポリマーのようなカルボニル基含有ポリマーとの親
和性が優れることを利用して合成された非フッ素系相溶
化剤を用いる例であり、含フッ素ポリマーがPVDFに
限定される。またこのような相溶化剤を用いた親和性改
良方法では、相溶化剤自身の耐薬品性や耐熱性が主成分
のポリマーよりも劣るため、成形品の物性が低下すると
いう問題がある。
ポリマーと熱可塑性樹脂からなる組成物の分散性を改良
する試みもある。特許文献15では、橋かけ可能な含フ
ッ素エラストマーと150℃以上の結晶融点またはガラ
ス転移温度を有する熱可塑性ポリマーのブレンドに際し
て、溶融ブレンド中に含フッ素エラストマーの加硫を行
なうことによって、含フッ素エラストマーの分散性が向
上し熱可塑性エラストマーがえられることが開示されて
いる。特許文献16でも、ポリフェニレンサルファイド
の含フッ素エラストマーによる耐衝撃性の改良に動的加
硫法を利用し、フッ素ゴムの微分散を達成している。
エラストマーの加硫が他材料との溶融ブレンド中で行な
われ経済的に有利な面があるが、通常の加硫手法で使用
される加硫剤その他の添加剤に基づく不純物が組成物中
に残り、成形品の耐薬品性などの性質が低下するという
問題がある。
を利用した組成物の報告もある。特許文献17、特許文
献18、特許文献19には、末端に官能基を導入したフ
ルオロポリエーテルや、官能基および炭素数2〜20の
ポリフルオロアルキル基を含有したポリマー、官能基含
有含フッ素エラストマーなどとマトリックスポリマーと
のブレンド例がある。しかし、これらはいずれも2種類
の官能基含有ポリマーがマトリックスポリマー中に分散
しながら相互に反応して網目構造を形成し、該網目構造
とマトリックスポリマーとを物理的に結合させる仕組み
であり、マトリックスポリマーとの化学的な親和性や反
応性を直接利用するものではない。
の官能基の組み合わせが必要であり、かつそれらが網目
構造を形成する条件を整えなければならない。またフル
オロポリエーテルは通常、オイル状物質としてえられ、
高価でもあり、しかも添加効果はマトリックスポリマー
の潤滑性改良といった限定されたものでしかない。さら
にポリフルオロアルキル基を含有したポリマーもポリマ
ーと規定しがたい低分子量のものが例示されているにす
ぎない。
素ポリマーと熱可塑性樹脂をブレンドする際、含フッ素
ポリマーは一般に親和性が乏しいために特性の安定した
ブレンドをうることは困難であり、それを用いた成形物
の物性を低下させる。また親和性改良のために種々の添
加剤の検討もなされているが、組成物の耐熱性や耐薬品
性などを低下させないような含フッ素ポリマーと熱可塑
性樹脂の組成物はえられていないのが現状である。
樹脂およびそれとよく親和し均一な分散状態を形成しう
る官能基含有含フッ素ポリマーからなる熱可塑性樹脂組
成物用の相溶性改質剤を提供することにある。
成物用の相溶性改質剤は、(a)官能基含有含フッ素ポ
リマー0.1〜99%(重量%、以下同様)と(b)1
50℃以上の結晶融点またはガラス転移温度を有する耐
熱性熱可塑性樹脂1〜99.9%を混合してえられるブ
レンド物からなるものであって、該官能基含有含フッ素
ポリマー(a)として、式(I):
り、いずれも水素原子、フッ素原子、
または炭素数1〜20の2価のフッ素置換有機基、B1
は水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基またはエポキシ
基、pは0または1、qは0または1)、−OCO−R
−B1(RおよびB1は前記と同じ)または−COO−R
−B1(RおよびB1は前記と同じ)で表わされる構造単
位);Yは式:
り、いずれも水素原子、フッ素原子、塩素原子、
換有機基、B2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基、エポキシ基またはグリシジルオキシ基、rは0また
は1、sは0または1、tは0または1、uは1〜3の
整数)または
原子、vは1〜10の整数)で表わされる構造単位);
A1およびA2はいずれも主鎖の末端部分;ただし、Xお
よびYはそれぞれ2種以上の構造単位からなっていても
よく、XがCH2=CHF、CH2=CF2またはフルオ
ロアルキル−α−置換アクリレート(置換基は水素原
子、フッ素原子またはメチル基)に基づく構造単位を含
むばあいYは存在させなくてもよく、YがCF2=CF2
またはCF2=CFClに基づく構造単位を含むばあい
Xは存在させなくてもよく、XおよびYのいずれもヒド
ロキシ基、エポキシ基またはグリシジル基を含まないば
あいA1およびA2の少なくとも一方はヒドロキシ基、エ
ポキシ基またはグリシジル基を含む]で表わされ、官能
基濃度が主鎖の末端部分および側鎖部分を合わせて含フ
ッ素ポリマー全体の重量に対して2〜2000μmol
/gである官能基含有含フッ素ポリマーから選ばれた少
なくとも1種であり、該耐熱性熱可塑性樹脂がポリアミ
ドおよび/または芳香族ポリエステルアミドであるもの
が用いられる。
有含フッ素ポリマー(a)とポリアミドおよび/または
芳香族ポリエステルアミド(b)との単なる混合物、
(2)官能基含有含フッ素ポリマー(a)とポリアミド
および/または芳香族ポリエステルアミド(b)との反
応生成物、または(3)これら(1)と(2)との混合
物の形態が好ましい。
しては、官能基含有含フッ素ポリマー(a)とポリアミ
ドおよび/または芳香族ポリエステルアミド(b)とか
らなる組成物、官能基を有しない含フッ素ポリマーとポ
リアミドおよび/または芳香族ポリエステルアミド
(b)とからなる組成物が好ましく例示できる。
官能基としては、エポキシ基および/またはグリシジル
基が好ましい。
がエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体であっ
て、官能基含有含フッ素ポリマー(a)がエポキシ基お
よび/またはグリシジル基を有するエチレン/テトラフ
ルオロエチレン共重合体である組合せ、官能基を有しな
い含フッ素ポリマーがエチレン/クロロトリフルオロエ
チレン共重合体であって、官能基含有含フッ素ポリマー
(a)がエポキシ基および/またはグリシジル基を有す
るエチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体であ
る組合せ、官能基を有しない含フッ素ポリマーがポリビ
ニリデンフルオライドであって、官能基含有含フッ素ポ
リマー(a)がエポキシ基および/またはグリシジル基
を有するポリビニリデンフルオライドである組合せ、官
能基を有しない含フッ素ポリマーがビニリデンフルオラ
イド系共重合体であって、官能基含有含フッ素ポリマー
(a)がエポキシ基および/またはグリシジル基を有す
るビニリデンフルオライド系共重合体またはポリビニリ
デンフルオライドである組合せが好ましくあげられる。
法でしか均一な成形品をうることができなかった耐熱性
熱可塑性樹脂と含フッ素ポリマーとの樹脂組成物におい
て、特定の相溶性改質剤を存在させることにより、容易
に均質な成形品を与えることができる組成物が提供でき
る。
(I)で表わされるものであり、主鎖の末端部分およ
び、存在すれば側鎖の末端部分のうちの少なくとも1つ
にヒドロキシ基またはエポキシ基(グリシジル基を含
む)を含むこと、ならびに含フッ素ポリマー(I)また
は、(I)をうるための官能基導入前の前駆体ポリマー
がラジカル重合によって製造されることに特徴を有する
ものである。以下、詳述する。
ーは、その基本構造単位として前記
とえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレ
ンなどのオレフィン類;たとえばCH2=CHF、CH2
=CF2、CH2=C(CF3)2、CH2=CZ(CF2)
wZ(Zは水素原子またはフッ素原子、wは1〜8の整
数。たとえばCH2=CHCF2CF2CF2CF3、CH2
=CHCF2CF2CF2CF2CF2CF3、CH2=CF
CF3、CH2=CFCF2CF3、CH2=CFCF2CF
2CF2H、CH2=CFCF2CF2CF2CF2CF2Hな
ど)などのフルオロアルケン類;たとえばCH2=CH
OCH2CH3、CH2=CHOCH2CH2CH2CH3、
ばCH2=CHOCH2CF2CF2H、CH2=CHOC
H2CF2CF2CF2CF2H、CH2=CHOCH2CH2
CF2CF2CF2CF2CF2CF3などのフルオロアルキ
ルビニルエーテル類;たとえばCH2=CHOCH2CH
2CH2CH2OHなどのヒドロキシアルキルビニルエー
テル類;たとえばCH2=CHCH2OCH2CH2CF2
CF3などのフルオロアルキルアリルエーテル類;たと
えばCH2=CHCH2OCH2CH2OHなどのヒドロキ
シアルキルアリルエーテル類;たとえばCH2=CHO
COCH3、CH2=CHOCOC(CH3)3、
テル類;たとえばCH2=CHCOOCH3、CH2=C
(CH3)COOCH3、CH2=CFCOOCH3など
の置換基が水素原子、フッ素原子またはメチル基である
アルキル−α−置換アクリレート類;たとえばCH2=
CHCOOCH2CF2CF2CF3、CH2=C(CH3)
COOCH2CF2CF3、CH2=C(CH3)COOC
H2CF2CF2H、CH2=CFCOOCH2CF2CF3
などの置換基が水素原子、フッ素原子またはメチル基で
あるフルオロアルキル−α−置換アクリレート類;たと
えばCH2=CHCOOCH2CH2OH、CH2=C(C
H3)COOCH2CH2OH、CH2=C(CH3)CO
OCH2CF2CF2CH2OHなどの置換基が水素原子、
フッ素原子またはメチル基であるヒドロキシ(フルオ
ロ)アルキル−α−置換アクリレート類;CH2=CH
CH2C(CF3)2OH;CH2=CHCH2OH;
とえばCF2=CFH、CF2=CF 2、CF2=CFC
l、CF2=CZ(CF2)wZ(Zおよびwは前記と同
じ。たとえばCF2=CHCF3、CF2=CFCF3、C
F2=CFCF2CF3、CF2=CFCF2CF2Hなど)
などのフルオロアルケン類;たとえばCF2=CFCH2
CH2OH、CF2=CFCF2CH2OH、CF2=CF
CF2CF2CH2CH2OH、
の整数)で表わされる化合物;たとえばCF2=CFO
CF3、CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)yCF2
CF2CF3(yは0または1〜3の整数)、CF2=C
FOCF2CF2CF2CF3などのパーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)類;たとえばCF2=CFOCF2C
F 2CH2OH、CF2=CFOCF2CF2CF2CH2O
H、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2C
F2CH2OH、CF2=CFOCF2CF2CH2Br、C
F2=CFOCF2CF2CH2OCF2CF2CH2F、C
F2=CFOCF2CF2CH2I、CF2=CFOCF2C
F(CF3)OCF2CF2CH2Iなどの式:CF2=C
F−O−Rf−(CH2)z−B2(RfおよびB2は前記と
同じ、zは1〜3の整数)で表わされる化合物;たとえ
ばCF2=CFCF2OCF2CF2CF 3などのパーフル
オロ(アルキルアリルエーテル)類などがあげられる。
構造単位からなっていてもよい。また、XがCH2=C
HF、CH2=CF2またはフルオロアルキル−α−置換
アクリレート類(置換基は水素原子、フッ素原子または
メチル基)に基づく構造単位を含むばあいはYを存在さ
せなくてもよく、YがCF2=CF2またはCF2=CF
Clに基づく構造単位を含むばあいはXを存在させなく
てもよい。
よびA2は、たとえば−OCOR1、−OR1、−R1、C
OOH、水素原子、ハロゲン原子(R1は炭素数1〜1
0のアルキル基またはフルオロアルキル基)などの開始
剤または連鎖移動剤の切片であるが、これらに限られる
ものではない。ただし、構造単位XおよびYのいずれに
もヒドロキシ基、エポキシ基またはグリシジル基を含む
構造単位が含まれていないばあいは、A1およびA2の少
なくとも一方はヒドロキシ基、エポキシ基またはグリシ
ジル基を含んでいなければならない。
成分は、式(I)に示す構造を有するものであり、ラジ
カル重合により形成される。式(I)から明らかなよう
に、主鎖部分にエーテル結合をもたない。主鎖の結合部
分にエーテル結合、たとえばパーフルオロオキシアルキ
レン単位をもつ含フッ素ポリマーは前記特開昭63−1
05062号公報、特開昭63−254155号公報お
よび特開昭63−264672号公報のほか特公平3−
42446号公報にも記載されているが、このフルオロ
ポリエーテルは通常イオン重合で製造され、高価である
うえ、高分子量のものをえにくく室温または高温時にグ
リース状かオイル状となり、これ単独で熱可塑性樹脂と
均一なブレンド物を形成することは難しく、えられたブ
レンド物の物性を低下させる結果となる。また、フルオ
ロポリエーテルに側鎖を導入することは困難である。
リマー中の官能基(ヒドロキシ基またはエポキシ基(グ
リシジル基もこれに含む。以下同様))は前記の官能基
含有モノマーを使用することによっても製造できるが、
たとえばつぎに示す方法によっても導入できる。
カル重合開始剤を用いて基本成分の重合を行なう方法
(開始剤法)である。たとえば、ハイドロパーオキシド
を開始剤として用いると、主鎖末端にヒドロキシ基を導
入できる。
を含有させることもできる(連鎖移動剤法)。たとえ
ば、メタノールやメルカプトエタノールを連鎖移動剤と
して用いると主鎖末端にヒドロキシ基が導入される。
子反応によってポリマー末端ないし側鎖に官能基を導入
する方法(高分子反応法)である。高分子反応法には、
重合後にポリマー末端の開始剤切片が容易に目的とする
官能基に変換できるようなラジカル重合開始剤を用いて
重合を行なったり、同様に、重合後にポリマー主鎖や側
鎖の末端を目的とする官能基に容易に変換できるような
連鎖移動剤やコモノマーを用いて重合を行なったりする
ことも含まれる。
含む含フッ素エラストマーや熱可塑性含フッ素エラスト
マーのような、ヨウ素化化合物を連鎖移動剤に用いて重
合したポリマーの末端ヨウ素を目的とする官能基に変換
する例があげられる。具体的には、特開昭52−405
43号公報に示される、ポリマー鎖末端に0.001〜
10重量%好ましくは0.01〜5重量%のヨウ素を結
合し、VDFとこれと共重合しうる少なくとも1種の他
の含フッ素モノマーからなる共重合体を主組成とする含
フッ素エラストマー、また、特公昭57−4728号公
報に示される、ハードセグメントとしてのフッ素樹脂の
ブロックを少なくとも1個とソフトセグメントとして含
フッ素エラストマーのブロックを少なくとも1個有す
る、フッ素樹脂/含フッ素エラストマーの重量比が5/
95〜60/40である直鎖状、分岐状あるいは放射状
のブロック共重合体である熱可塑性含フッ素エラストマ
ーなどが好適である。末端ヨウ素化含フッ素ポリマーの
ヨウ素は反応性に富み、エポキシ基やヒドロキシ基、カ
ルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基などの官能
基に公知の有機化学的手法により変換することができ
る。アリルアルコールを付加した後、アルカリにより脱
HIすると末端エポキシ基となり、あるいはエチレンを
付加し、さらにジメチルスルフォキサイドと反応させる
と末端ヒドロキシ基となる。
載されているように、式:
の整数、bは0〜2の整数、R3はハロゲン原子)で示
されるハロゲン含有モノマーのうちR3がCl、Br、
Iから選ばれるもの0.05〜20モル%と、構造単位
Xおよび、要すれば構造単位Yを生ずるモノマー80〜
99.95モル%とを共重合することによって側鎖にハ
ロゲンを含有させ、末端ヨウ素化含フッ素ポリマーの例
と同様に官能基に変換すれば、側鎖型の官能基含有含フ
ッ素ポリマーが製造できる。
する方法としては、たとえばPolym.Mater.
Sci.Eng.,49,518(1983)のよう
に、ビニリデンフルオライドを含むフッ素エラストマー
を塩基で脱フッ化水素して生成した二重結合に求核性の
官能基を付加させる方法も採用できるが、定量的に官能
基を導入しにくい欠点がある。
ッ素ポリマーは、慣用の有機化学的手法を高分子反応に
適用して所望の官能基へさらに変換することは当然可能
である。たとえば末端および/または側鎖ヨウ素化含フ
ッ素ポリマーのヨウ素をヒドロキシ基に変換した後、さ
らにエピクロルヒドリンを反応させるとグリシジルオキ
シ基にも変換することができる。
高分子反応法などの官能基導入方法は互いに組み合わせ
ることも可能である。また、官能基導入のための反応
は、ポリマーの一般的な重合反応槽に限らず、押出機の
ような溶融混練装置中でも行なうことができる。
組合せで主鎖にCH2単位を含むポリマーは熱可塑性樹
脂との混練温度が広範囲に選択でき、熱可塑性樹脂との
相溶性が含フッ素ポリマーのなかでも比較的優れるため
好ましい。
ぶ)、式(I)におけるXの少なくとも1成分としてC
H2=CF2(フッ化ビニリデン:VDF)を使用したポ
リマー(その他は式(I)と同じ)であり、他の1つは
(ポリマーP2と呼ぶ)、Xが炭化水素系オレフィンの
少なくとも1種を含み(VDFは含まない)、Yとして
CF2=CF2(テトラフルオロエチレン:TFE)、C
F2=CFCl(クロロトリフルオロエチレン:CTF
E)またはCF2=CFCF3(ヘキサフルオロプロペ
ン:HFP)の少なくとも1種を含む共重合体であって
(その他は式(I)と同じ)、いずれもその主鎖および
側鎖の末端の少なくとも1つがヒドロキシ基またはエポ
キシ基を有するものである。
のうち、さらに好ましいものは、熱可塑性樹脂との混練
時の熱安定性(耐熱性)が高いものである。官能基を有
する主鎖や側鎖の末端は、通常その他の部分に比べ耐熱
性が劣り、混練時にある程度分解しても効果が認められ
る限りやむをえないが、少なくとも、該官能基含有フッ
素ポリマーの主鎖や側鎖の主要部分に関しては低くても
170℃、好ましくは250℃以上の耐熱性を有するべ
きである。耐熱性は主として、使用するモノマーの種類
とその組成比に依存する。ポリマーP1およびポリマー
P2では、Xとして炭化水素系オレフィンを使用するば
あい、CH2=CH2、CH2=CHCH3、CH2=C
(CH3)2を除くその他のアルキルビニルエーテル、ア
ルキルビニルエステルなどの炭化水素系オレフィンのポ
リマー中における割合を20モル%以下にとどめること
が推奨される。それらは、本発明における官能基含有フ
ッ素ポリマーを与えるモノマーのうち、最も熱的に不安
定な部分となりうるからである。
ける熱天秤の測定(10℃/分昇温)で1%重量減の温
度を意味する。
も、前述のように耐熱性が充分であっても、さらにフッ
素系ポリマー特有の耐油性や耐薬品性の特徴を本発明の
相溶性改質剤に与えるために、特に好ましい官能基含有
含フッ素ポリマーを以下にあげる。
ビニリデン(PVDF)、およびVDFを必須とし、T
FE、CTFE、パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(アルキルアリルエーテル)、CH
2=C(CF3)2、CF2=CZ(CF2)wZ(Zおよ
びwは前記と同じ)、CH2=CZ(CF2)wZ(Zお
よびwは前記と同じ)、CF2=CFRf(CH2)x−
B2、およびCF2=CFORf(CH2)z−B2(R
f、B2およびx、zは前記と同じ)で示されるフルオ
ロアルケンなどの含フッ素オレフィンから選ばれた少な
くとも1種、および、場合によってはさらにCH2=C
H2、CH2=CHCH3、CH2=C(CH3) 2から選ば
れる少なくとも1種の炭化水素系オレフィンを共重合し
てえられるポリマーについて、その主鎖および側鎖の末
端の少なくとも1つがヒドロキシ基またはエポキシ基を
有するものである。
CHCH3、CH2=C(CH3)2から選ばれた少なくと
も1種の炭化水素系オレフィンを含み、TFEまたはC
TFE、CF2=CFCF3(ヘキサフルオロプロペン:
HFP)の少なくとも1種を含み、および、場合によっ
てはさらにパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、
パーフルオロ(アルキルアリルエーテル)、CH2=C
(CF3)2、CF2=CZ(CF2)wZ(Zおよびwは
前記と同じ)、CH2=CZ(CF2)wZ(Zおよびw
は前記と同じ)、フルオロアルキルビニルエーテル、C
F2=CFRf(CH2)x−B2、CF2=CFORf(C
H2)z−B2(Rf、B2およびx、zは前記と同じ)で
示されるフルオロアルケンなどの含フッ素オレフィンか
ら選ばれた少なくとも1種を含むポリマーについて、そ
の主鎖と側鎖の末端の少なくとも1つがヒドロキシ基ま
たはエポキシ基を有するものである。
ーの分子量は、通常数百万以上の高分子量といわれるP
TFEを除く一般的な含フッ素樹脂や含フッ素エラスト
マーと同程度であり、数平均分子量で2,000〜1,
000,000である。低すぎる分子量は耐熱性、耐薬
品性を損なうため、組成物中の官能基含有含フッ素ポリ
マー成分を少なくする必要が生じる。高すぎる分子量は
成形性を損なう。好ましい数平均分子量は、熱可塑性樹
脂の種類や組成物の目的によって異なるが10000〜
500000程度である。本発明における含フッ素ポリ
マー中の官能基濃度は、熱可塑性樹脂とブレンドする際
に分散状態を改良するために最小限必要な量を含んでい
ればよいが、分子末端のみに官能基を有するばあい、比
較的低分子量の含フッ素ポリマーでないと官能基濃度が
少なすぎ効果が不充分となる。官能基含有コモノマー
で、あるいは高分子反応で側鎖に官能基を配したばあい
は分子量によらず比較的官能基濃度を自由に選ぶことが
できる。しかし、製造上の制限や、組成物の耐熱性・耐
薬品性などの特性上の理由により過剰な官能基濃度は望
ましくない。分子末端と側鎖を合わせ、官能基濃度は含
フッ素ポリマー全体の重量に対して2〜2000μmo
l/gのものが使用できるが、特に2〜1000μmo
l/gのものが好ましい。
ー(a)は、使用するモノマーの種類とその組成比によ
って樹脂、エラストマーのいずれの性状でもありうる。
樹脂、エラストマーの区別は後者が室温より低いガラス
転移温度を有する程度の意味であり、ブレンドの目的に
よっていずれかが選択できる。熱可塑性樹脂の耐衝撃性
改良やエラストマー性状のブレンド物をうる目的のばあ
い、エラストマー性の官能基含有含フッ素ポリマーを用
いる。
マー(a)は結晶融点またはガラス転移温度が150℃
以上の熱可塑性樹脂(b)とブレンドされる。熱可塑性
樹脂(b)としては、たとえばポリアセタール、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、芳
香族ポリエステル、芳香族ポリエステルアミド、芳香族
アゾメチン、ポリアリーレンサルファイド、ポリサルホ
ンおよびポリエーテルサルホン、ポリケトンおよびポリ
エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリメチルペンテン、ポリエーテルニトリルなどが
ある。なかでも熱可塑性樹脂単体でも耐熱性が高く、官
能基含有含フッ素ポリマー(a)との混合後の組成物の
耐熱性を低下させないような樹脂、または、耐衝撃性や
耐薬品性を改良するための通常の耐衝撃性改良剤や耐薬
品性改質剤は耐熱性低下のために使用できないような樹
脂、たとえば芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリア
ミドイミド、ポリアリーレンサルファイド、ポリケト
ン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリイミドなどは本発明の好ましい対象である。
わずに耐衝撃性の改良が強く望まれているポリアリーレ
ンサルファイドや、自動車部品用材料として使用される
際に、耐溶剤性、特に耐ガソホール性などの改良が望ま
れているポリアミドおよび添加により含フッ素ポリマー
の成形性、機械的物性の向上が期待できる芳香族ポリエ
ステル、そのなかでも特に高弾性率で成形加工性や寸法
安定性に優れているため、含フッ素ポリマーとの相溶性
を向上させることによって、含フッ素ポリマーの機械的
物性、成形性、寸法安定性、荷重たわみ温度の大幅なる
向上を期待できる異方性溶融相を形成する液晶ポリエス
テルが特に好ましい対象としてあげることができる。
ポリマー(a)と熱可塑性樹脂(b)との反応性を考慮
したばあい、ポリフェニレンサルファイドはメルカプト
基を、ポリアミドはカルボキシル基、アミノ基を、芳香
族ポリエステルはヒドロキシ基、カルボキシル基、エス
テル基を含み、本発明における官能基含有含フッ素ポリ
マー中のヒドロキシ基あるいはエポキシ基(グリシジル
基も含む)との反応の可能性が高くその意味でも好まし
い対象である。
ーにおける官能基は、エポキシ基(グリシジル基も含
む)、ヒドロキシ基である。これら官能基は、耐熱性熱
可塑性樹脂(b)が芳香族ポリエステルのばあいは主鎖
のエステル結合や末端のヒドロキシ基、カルボキシル
基、ポリアミド(PA)のばあいは主鎖のアミド結合や
末端のカルボキシル基、アミノ基、ポリアリーレンサル
ファイドのばあいは、末端のメルカプト基との反応性が
高い。つまり、これらの反応性に富む官能基が含フッ素
ポリマーに導入され、部分的にでも熱可塑性樹脂の主鎖
または末端と反応し、相溶性が改善されるか、あるいは
官能基の導入が含フッ素ポリマーの極性を高め、特に化
学反応を起こさずとも熱可塑性樹脂との界面親和性が向
上し、分散性を向上させると考えられる。また、熱可塑
性樹脂の一部が含フッ素ポリマーと化学反応を起こし、
反応生成物がいわゆる相溶化剤として作用することも考
えられる。
て、官能基含有含フッ素ポリマー(a)と熱可塑性樹脂
(b)のブレンド物は、 (1)官能基含有含フッ素ポリマー(a)と熱可塑性樹
脂(b)との単なる混合物 (2)官能基含有含フッ素ポリマー(a)と熱可塑性樹
脂(b)との反応生成物 (3)これら(1)と(2)との混合物 の形で存在しうるものと推定される。このように、ブレ
ンドのメカニズムは明瞭でないが、このことによって本
発明が限定されるものではない。
ーとの親和性あるいは反応性を高めるため、熱可塑性樹
脂(b)を常法に従い変性することも本発明から排除さ
れるものではない。
性樹脂(b)と官能基含有含フッ素ポリマー(a)以外
のポリマー成分を含むことができる。
よび側鎖の末端にヒドロキシ基、エポキシ基を含まない
含フッ素ポリマーである。特に好ましいものとしては、 (1)PTFE(TFEと共重合可能な含フッ素オレフ
ィンを1重量%未満含む共重合体を含む)や、TFE/
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(通
称PFA)、TFE/HFP共重合体(通称FEP)、
TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/H
FP三元共重合体のようなパーフルオロ系フッ素樹脂ま
たはエラストマー、 (2)通称ETFEやECTFEの名で知られるエチレ
ン対TFEおよび/またはCTFEのモル組成比が2対
3〜3対2であり、かつそれらと共重合しうる第3の含
フッ素モノマーがエチレンとTFEおよび/またはCT
FEモノマー全量に対して0〜15モル%含まれる樹脂
状共重合体、あるいはエチレンが約40〜90モル%、
TFEおよび/またはCTFEが約0.1〜20モル
%、第3の含フッ素モノマーが約10〜60モル%の組
成のエラストマー状共重合体。第3の含フッ素モノマー
としては、CH2=CZ(CF2)wZ、CF2=CZ
(CF2)wZ、CF2=CFO(CF2)wZ(Zおよ
びwは前記と同じ)、CH2=C(CF3)2で示される
少なくとも1種が用いられる。
(VDFとTFE、CTFE、HFP、CH2=C(C
F3)2または(CF3)2C=Oなどの含フッ素オレフィ
ンから選ばれた少なくとも1種の含フッ素オレフィンと
の樹脂状あるいはエラストマー状共重合体)。なお、V
DF/HFP共重合体、VDF/CTFE共重合体、V
DF/TFE/HFPまたはCTFEの三元共重合体
は、通常VDFが約20〜80モル%、かつTFEが約
40モル%未満、HFPが約10〜60モル%、CTF
Eが約15〜40モル%の範囲でエラストマーとなる。
オロエチレン(PCTFE)、ポリ(フルオロアルキル
−α−置換アクリレート)(置換基は水素原子またはメ
チル基、フッ素原子、塩素原子)などの含フッ素樹脂ま
たはエラストマーがあげられる。
ー(a)、熱可塑性樹脂(b)および官能基を含まない
含フッ素ポリマーの3成分の組成物においては、その組
成物中の熱可塑性樹脂(b)の一部分と官能基含有含フ
ッ素ポリマー(a)との混合物が相溶性改質剤として作
用し、分散性を向上させると考えられ、単なる官能基を
含まない含フッ素ポリマーと熱可塑性樹脂(b)とのブ
レンド物ではえられない機械的物性、耐薬品性などの向
上がえられる。
能基含有含フッ素ポリマー(a)と官能基を含まない含
フッ素ポリマーは互いに相溶性の高いものが好ましい。
素樹脂またはエラストマーや(2)のETFE、ECT
FEなどのポリマーを熱可塑性樹脂と混合するばあい、
その混合する含フッ素ポリマーそれぞれの構造とよく類
似する構造の末端または側鎖に官能基を導入した構造の
官能基含有含フッ素ポリマーを混合するのが分散性の向
上に最も好ましい。
系共重合体を熱可塑性樹脂と混合するばあい、PVd
F、VdF系共重合体のうちから選ばれた重合体の末端
または側鎖に官能基を導入した官能基含有含フッ素ポリ
マーを混合するのが最も好ましい。
ポリマー(a)とのブレンドまたは、前記組成にさらに
官能基を含まない含フッ素ポリマーを加えた3成分での
ブレンドは少なくとも熱可塑性樹脂の結晶融点またはガ
ラス転移温度以上の溶融・流動状態で行なうことが必要
である。ブレンド中、官能基含有含フッ素ポリマーも溶
融状態であることが望ましいが、溶融粘度が高いか架橋
性である理由で非溶融性を保持していてもよい。
/または側鎖上に官能基を有し、分子量2,000〜
1,000,000である含フッ素ポリマー(a)と1
50℃以上の結晶融点またはガラス転移温度を有する熱
可塑性樹脂(b)を混合してなるものであって、その組
成は(a)0.1〜99重量%、(b)1〜99.9重
量%である。
(b)60〜99.9重量%とするばあいには、多くの
熱可塑性樹脂の欠点である耐衝撃性、摺動性、耐薬品
性、成形性などの性質がフッ素ポリマーによって改質で
きる。また、(a)40〜99重量%、(b)1〜60
重量%とするばあいには、フッ素ポリマーの強度、荷重
たわみ温度、成形性、寸法安定性が熱可塑性樹脂によっ
て改質できる。樹脂組成物の重量比で、(a)が0.1
重量%未満のばあいおよび(b)が1重量%未満のばあ
いには、前記改質効果は不満足なものになる。
の含量およびその種類は官能基の種類、位置、濃度、基
本成分、分子量などで異なるので、一様に決定できるも
のでなく、前記の範囲内でブレンドする熱可塑性樹脂の
種類やブレンドの目的に応じて選択する。
成物は、主鎖末端または側鎖上にヒドロキシ基またはエ
ポキシ基を含有する含フッ素ポリマーとポリアリーレン
サルファイド、ポリアミドまたは芳香族ポリエステルも
しくはポリカーボネートからなる組成物である。
薬品性、機械的特性に優れているが耐衝撃性が劣る性質
がある。
有含フッ素ポリマー(a)のうち特に数平均分子量が
2,000〜200,000の含フッ素エラストマーを
混合することによって耐衝撃性が改良された組成物をう
ることができる。
としてはヒドロキシ基、エポキシ基(グリシジル基も含
む)があげられる。いずれも分散性、耐衝撃性を向上さ
せる。
やポリアリーレンサルファイドの種類および混合組成比
などによっても異なるが含フッ素エラストマー全体に対
し2〜2000μmol/g、特に2〜1000μmo
l/gあれば充分効果的である。
ては、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン系共重合
体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プ
ロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン−三フッ化塩化
エチレン系共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチ
レン−三フッ化塩化エチレン系共重合体、プロピレン−
四フッ化エチレン系共重合体、四フッ化エチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル系共重合体、四フッ化
エチレン−フッ化ビニリデン−プロピレン系共重合体、
エチレン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン系共
重合体、エチレン−六フッ化プロピレン系共重合体、お
よびパーフルオロアルキルアクリレート系エラストマ
ー、四フッ化エチレン−アルキルビニルエーテル系共重
合体、四フッ化エチレン−アルキルビニルエステル系共
重合体のそれぞれの末端または側鎖に官能基を導入した
ものが使用できるが、なかでもフッ化ビニリデン−六フ
ッ化プロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン系共重合体、プロピレ
ン−四フッ化エチレン系共重合体にヒドロキシ基または
エポキシ基(グリシジル基も含む)を導入したものが特
に好ましい。
リーレンサルファイドの組成は、官能基含有含フッ素エ
ラストマー0.1〜40重量%とポリアリーレンサルフ
ァイド60〜99.9重量%の範囲で使用できるが特に
好ましくは官能基含有含フッ素エラストマー5〜30重
量%、ポリアリーレンサルファイド70〜90重量%で
ある。
%未満のばあいでは充分な耐衝撃性の改良が行なえず、
逆に30重量%を超えると機械的強度の低下が著しくな
る。
EP、PFAなど)やETFE、ECTFE、PVd
F、VDF系共重合体樹脂は耐熱性、耐薬品性、耐候
性、電気特性などに優れているが、結晶性の耐熱性熱可
塑性樹脂(b)に比べて機械的特性や荷重たわみ温度で
示される物理的耐熱性に劣るばあいが多い。
用する末端または側鎖に官能基を導入した官能基含有含
フッ素樹脂に芳香族ポリエステルまたはポリカーボネー
トをブレンドすることによって、あるいは、前記含フッ
素樹脂と芳香族ポリエステルまたはポリカーボネートの
ブレンド物に本発明の相溶性改質剤を用いることによっ
てフッ素樹脂単体がもつ機械的特性や荷重たわみ温度を
改良することができる。
ボネートをブレンドするばあい、使用する官能基含有含
フッ素ポリマーの官能基はヒドロキシ基、エポキシ基
(グリシジル基も含む)の両方が用いることができる
が、芳香族ポリエステルやポリカーボネートの主鎖のエ
ステル結合やカーボネート結合とのエステル交換反応が
より起こりやすいと考えられるヒドロキシ基を末端また
は側鎖にもつ含フッ素ポリマーがより好ましい。
種類や芳香族ポリエステル、ポリカーボネートの種類、
組成比などによって異なるが官能基含有含フッ素ポリマ
ー全体に対し2〜2000μmol/g、特に2〜10
00μmol/gあれば充分効果的である。
テルまたはポリカーボネートの2成分ブレンドのばあ
い、官能基含有含フッ素樹脂として種々のものを選ぶこ
とができるがPTFE、FEP、PFA、ETFE、E
CTFE、PVdF、VDF−TFE共重合体などの末
端または側鎖にヒドロキシ基をもつものが好ましく、そ
れぞれ相当するフッ素樹脂単体がもつ機械的特性や、荷
重たわみ温度を改良することができる。
ポリカーボネートのブレンド物に本発明の相溶性改質剤
をブレンドする3成分ブレンド組成物のばあい種々の組
み合わせを用いることができるが、パーフルオロ系フッ
素樹脂(PTFE、FEP、PFAなど)と芳香族ポリ
エステルまたはポリカーボネートとの混合物には、それ
ぞれ相当するパーフルオロ系フッ素樹脂の末端または側
鎖にヒドロキシ基を導入したものを相溶性改質剤として
ブレンドした組成物、ETFE(またはECTFE)と
芳香族ポリエステルまたはポリカーボネートとの混合物
にエチレン/四フッ化エチレン系共重合体(またはエチ
レン/クロロトリフルオロエチレン系共重合体)の末端
または側鎖にヒドロキシ基を導入したものをブレンドし
た組成物、PVDFと芳香族ポリエステルまたはポリカ
ーボネートのブレンド物にPVDFまたはVDF系共重
合体より選ばれる含フッ素ポリマーの末端または側鎖に
ヒドロキシ基を導入したものをブレンドした組成物など
が最も好ましい。
性改質剤としての官能基含有含フッ素ポリマーの含有量
は、組成物全体の量に対して0.5〜30重量%、好ま
しくは1〜15重量%である。
特にヒドロキシ基含有含フッ素エラストマーに芳香族ポ
リエステルを溶融ブレンドすることによって部分的に化
学反応(エステル交換反応など)が生じ、熱可塑性エラ
ストマー組成物をうることができる。また、ヒドロキシ
基含有含フッ素エラストマーと芳香族ポリエステルの組
成比を適当に選択し溶融ブレンドすることによって様々
の硬度の熱可塑性エラストマーをうることができる。良
好な官能基濃度は含フッ素エラストマーや芳香族ポリエ
ステルまたはポリカーボネートの種類や組成比などによ
っても異なるが含フッ素エラストマー全体に対し2〜2
000μmol/g、特に好ましくは2〜1000μm
ol/gである。
ラストマーとしてはフッ化ビニリデン−六フッ化プロピ
レン系共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン
−六フッ化プロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン−
三フッ化塩化エチレン系共重合体、フッ化ビニリデン−
四フッ化エチレン−三フッ化塩化エチレン系共重合体、
プロピレン−四フッ化エチレン系共重合体、四フッ化エ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合
体、四フッ化エチレン−フッ化ビニリデン−プロピレン
系共重合体、エチレン−四フッ化エチレン−六フッ化プ
ロピレン系共重合体、エチレン−六フッ化プロピレン系
共重合体、およびパーフルオロアルキルアクリレート系
エラストマー、四フッ化エチレン−アルキルビニルエー
テル系共重合体、四フッ化エチレン−アルキルビニルエ
ステル系共重合体のそれぞれの末端または側鎖にヒドロ
キシ基を導入したものが使用できるが、なかでもフッ化
ビニリデン−六フッ化プロピレン系共重合体、フッ化ビ
ニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン系共
重合体、プロピレン−四フッ化エチレン系共重合体のそ
れぞれの末端または側鎖にヒドロキシ基を導入したもの
が特に好ましい。
かかるヒドロキシ基含有含フッ素エラストマーと芳香族
ポリエステルまたはポリカーボネートの組成はヒドロキ
シ基含有フッ素エラストマー50〜99.9重量%、芳
香族ポリエステルまたはポリカーボネート0.1〜50
重量%とすることができるが、熱可塑性樹脂としての高
温流動性と、エラストマーとしての弾性をかねそなえる
ために、特に好ましくは、ヒドロキシ基含有含フッ素エ
ラストマー70〜98重量%、芳香族ポリエステルまた
はポリカーボネート2〜30重量%とされる。
び熱可塑性エラストマー組成物などが使用できる。
ジピン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの2塩基
酸とエチレングリコール、トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールAなどの2価アルコールと
の縮合物(たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート、ポリ[2,2−プロパンビ
ス(4−フェニルテレ/イソフタレート)]など);お
よび異方性溶融相を形成する芳香族ポリエステル(液晶
コポリエステル)などがあげられる。
溶融時には高流動性を示す液晶コポリエステルを用いる
ことが好ましい。液晶コポリエステルとしては、たとえ
ば芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸の1種以
上;芳香族ジオール、脂環式ジオール、脂肪族ジオール
の1種以上;芳香族ヒドロキシカルボン酸の1種以上よ
り選ばれた成分より構成される液晶コポリエステルがあ
げられる。代表的な組合わせとしては、たとえばパラヒ
ドロキシ安息香酸、ビフェニルジオール、テレフタル酸
を主成分とするもの(たとえば、住友化学工業(株)製
のエコノールE2000・E6000、日本石油化学
(株)製のXydar RC/FC400・300、ポ
リプラスチックス(株)製のベクトラ Cシリーズ、上
野製薬(株)製のUENO LCP2000、出光石油
化学(株)の出光LCP300);パラヒドロキシ安息
香酸、6−ヒドロキシナフトエ酸を主成分とするもの
(たとえば、アイ・シー・アイ・ジャパン(株)製のV
ICTREX SRP、上野製薬(株)製のUENO
LCP1000、ポリプラスチックス(株)製のベクト
ラAシリーズ、三菱化成(株)製のノバキュレートE3
24、出光石油化学(株)製の出光LCP300、ユニ
チカ(株)製のロッドランLC−5000);パラヒド
ロキシ安息香酸、テレフタル酸、脂肪族ジオールを主成
分とするもの(たとえば、三菱化成(株)製のノバキュ
レートE310、出光石油化学(株)製の出光LCP1
00、ユニチカ(株)製のロッドランLC−3000、
イーストマンコダック(株)製のX7G)などがあげら
れる。
トマーとこれらの液晶コポリエステルをブレンドするば
あい、官能基含有含フッ素エラストマーの耐熱性を考慮
して、比較的溶融温度の低いパラヒドロキシ安息香酸、
6−ヒドロキシナフトエ酸を主成分とするもの、あるい
はパラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、脂肪族ジオ
ールを主成分とするものが好ましい。
に優れホース、チューブ、パイプなどに広く用いられて
いる。一方、一般に耐油性にも優れているがアルコール
系の溶剤に対して弱く特に低級アルコールを含むガソリ
ンを用いたばあいの耐油性(耐ガソホール性)が悪くな
り、体積膨潤や燃料透過が大きくなり強度低下などの材
料劣化を起こす。
ーをポリアミドにブレンドすることによって、また含フ
ッ素ポリマーとポリアミドのブレンド物に官能基含有含
フッ素ポリマーを相溶性改質剤として用いることにより
前記のポリアミドの耐溶剤性や耐ガソホール性を改良す
ることができる。
の官能基はヒドロキシ基、エポキシ基(グリシジル基も
含む)の両方が使用できるが、ポリアミド樹脂の末端の
カルボキシル基およびアミノ基の両方に良好な反応性を
もつと考えられるエポキシ基(グリシジル基も含む)を
末端または側鎖にもつものが特に好ましい。
との2成分のブレンドのばあい、官能基含有含フッ素ポ
リマーとしては目的や用途によって種々選ぶことができ
るがETFE、ECTFE、PVDE、VDF系共重合
体樹脂および含フッ素エラストマーのそれぞれの末端ま
たは側鎖に官能基をもつものが特に好ましい。
ブレンド物に本発明の相溶化剤をブレンドする3成分ブ
レンド物のばあい、種々の組合せを用いることができる
が、ETFE(またはECTFE)とポリアミドとのブ
レンド物にエチレン/四フッ化エチレン(またはエチレ
ン/三フッ化塩化エチレン)系共重合体の末端または側
鎖にエポキシ基(グリシジル基も含む)を導入したもの
を相溶性改質剤としてブレンドした組成物、およびPV
DFとポリアミドとのブレンド物にPVDF、VDF系
共重合体のうちから選ばれる含フッ素ポリマーの末端ま
たは側鎖にエポキシ基(グリシジル基を含む)を導入し
たものを相溶性改質剤としてブレンドした組成物、VD
F系共重合体とポリアミド樹脂のブレンド物にPVD
F、VDF系共重合体から選ばれる含フッ素ポリマーの
末端または側鎖にエポキシ基(グリシジル基も含む)を
導入したものをブレンドした組成物などが最も好まし
い。
改質剤としての官能基含有フッ素ポリマーの含有量は組
成物全体に対し0.5〜30重量%、好ましくは2〜1
5重量%である。
イロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン610、ナイロン46、およびナイロンM
CX−A、ナイロンMXD6などが使用できる。
発明の効果を損なわない範囲でガラス繊維、カーボン繊
維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、アラミド
繊維などの繊維状の強化材、炭酸カルシウム、タルク、
マイカ、クレイ、カーボン粉末、グラファイト、ガラス
ビーズなどの無機充填材、ポリイミドなどの耐熱性樹
脂、着色剤、難燃剤など通常使用される無機または有機
の充填材を含んでいてもよく、その配合量は組成物の通
常1〜70重量%である。このとき、樹脂組成物に含ま
れる未反応の官能基が存在することによってこれらの充
填効果が一層向上するばあいもある。
て本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例
によって本発明は限定されるものではない。
ー、および実施例、比較例でえられた樹脂組成物は以下
の試験方法によって評価した。
チッ素(30ml/min)中、昇温速度10℃/mi
nで1%重量減の温度を測定した。
D256に従ってノッチ付アイゾット衝撃強度を測定
した。
を走査式電子顕微鏡で観察した。さらに電子顕微鏡写真
(150μm×200μm)より含フッ素ポリマー粒子
100個を任意に選び、これより平均粒子径を求めた。
ASTM D638に従い、type5ダンベルを用い
て引張強度を測定した。
0℃、荷重20kgf/cm2、予熱300秒間でメル
トフローレートを測定した。
ー(No.148 HD−500−PC型)を用いてN
2気流下、荷重18.5kgf/cm2、昇温速度2℃/
minの条件で測定した。
メタノール=40/40/20容量%混合溶媒を用い、
100℃、70hr浸漬後、体積変化率を測定した。
された方法によって、連鎖移動法により末端にヨウ素の
導入されたビニリデンフルオライド/テトラフルオロエ
チレン/ヘキサフルオロプロピレンの50/20/30
mol%共重合体を固形分で25wt%含む白色水性ラ
テックスをえた。このラテックスの一部を凍結凝析およ
び水洗、乾燥して無色透明なエラストマーをえた。GP
C(溶媒;THF、カラム温度;40℃)によって求め
たこのポリマーの数平均分子量はポリスチレン換算で約
14万であり、元素分析によるヨウ素含有量は0.22
重量%であった。またこのポリマーの耐熱性は401℃
であった。
ール4.2gを撹拌機、冷却管、温度計、チッ素吹き込
み管を備えた2000ml四つ口フラスコに仕込み、約
0.2ml/minの流量のチッ素気流下で撹拌しなが
ら水浴上で70℃に加温した。フラスコに過硫酸アンモ
ニウム20mgを溶解した水溶液10mlを添加し反応
を開始した。7時間後に加熱、撹拌を停止し冷却した。
このラテックスを凍結凝析後、水洗、乾燥して無色透明
なエラストマーをえた。つぎに撹拌機、冷却管、温度計
を備えた2000ml四つ口フラスコにこのエラストマ
ー250gと酢酸エチル1リットルを仕込み、加熱撹拌
してポリマーを溶解させた。フラスコ内温を70℃に保
持して、水酸化カリウムの10wt%水溶液200gを
添加し7時間反応を行なった。反応溶液を多量のメタノ
ールに注いでポリマーを再沈殿して回収し、水洗、乾燥
を行なった。元素分析による末端ヨウ素の含有量は0.
14重量%であり、このエポキシ化反応で減少したヨウ
素量より求めたエポキシ化率は36%であった。またこ
のポリマーの耐熱性は356℃であり、ガラス転移点は
−9℃であった。なお、このポリマーに含まれるエポキ
シ基の濃度を数平均分子量より計算すると5μmol/
gである。
ーのラテックス500gを内容積1リットルの撹拌機付
きの耐圧容器に入れ、内部をチッ素ガスで充分置換した
後、撹拌下に70℃に保ちながらエチレンガスで0.8
MPaに加圧した。APS50mgを圧入すると直ちに
圧力降下が始まり、14時間後もはや圧力降下が見られ
なくなった段階で温度を室温に戻し、残圧を放出して反
応を終了した。えられたラテックスを凍結凝析後、水
洗、乾燥して無色透明なエラストマーをえた。このポリ
マーの赤外吸収スペクトルには、末端ヨウ素に挿入され
たエチレンのCH結合に基づく特性吸収が3024cm
-1に認められた。
ォオキシド3.0g、酢酸ブチル400g、水2gを撹
拌機、冷却管、温度計、チッ素吹き込み管を備えた10
00ml四つ口フラスコに仕込み、約0.2ml/mi
nの流量のチッ素気流下で撹拌しながら110℃に加温
した。5時間後に加熱撹拌を停止し、黄色に着色したポ
リマー溶液をえた。この溶液を多量のメタノールに注い
でポリマーを回収し、さらにメタノール中で洗浄、乾燥
を繰り返して淡黄色のエラストマーをえた。このポリマ
ーの赤外吸収スペクトルには、末端反応によって生じた
ヒドロキシ基に基づく特性吸収が3400cm-1に認め
られた。
10重量%であり、このヒドロキシ化反応で減少したヨ
ウ素量より求めたヒドロキシ化率は55%であった。ま
たこのポリマーの耐熱性は453℃であり、ガラス転移
点は−9℃であった。なお、このポリマーに含まれるヒ
ドロキシ基の濃度を数平均分子量より計算すると、8μ
mol/gである。
容量が3リットルのステンレス製オートクレーブに脱イ
オン水1425mlおよび乳化剤(パーフルオロオクタ
ン酸アンモニウム)0.75gを仕込み、チッ素ガスで
3回系内を置換して酸素を除いた後、CF2=CFCF2
CH2OH8.1gを仕込み、ビニリデンフルオライド
/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン
(3/1/1、モル比)混合単量体78gを圧入した。
撹拌を400rpm、内温を40℃に保つと内圧は1.
2MPaとなった。つぎに過硫酸アンモニウム水溶液
(6g/25ml)、亜硫酸ナトリウム水溶液(3.1
8g/25ml)、硫酸第二鉄水溶液(3.66g/2
5ml)を順次、前記混合単量体で圧入した。反応中、
温度は40℃、撹拌は400rpmに保ち、内圧は1.
1MPaを保つように前記混合単量体を連続的に供給し
た。また、過硫酸アンモニウムをさらに反応開始時の半
分量を4時間後に追加した。
ニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン(3/1/1、モル比)混合単量
体が400gに達した時点(約15時間後)で直ちに撹
拌と混合単量体の供給を停止し、オートクレーブ内に残
ったガスを常圧まで放出し反応を終了した。えられた含
フッ素共重合体を洗浄し、70℃で減圧下24時間乾燥
させた。えられた乾燥粉末は全部で430gであった。
収スペクトルには3420cm-1にCF2=CFCF2C
H2OHのヒドロキシ基に帰属される吸収ピークが認め
られた。元素分析と19F核磁気共鳴分析(NMR)か
らえられた含フッ素ポリマーの組成はビニリデンフルオ
ライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン/CF2=CFCF2CH2OH(57.4/2
5.6/16.8/0.2)であった。GPC(溶媒;
THF、カラム温度:40℃)によって求めたこのポリ
マーの数平均分子量はポリスチレン換算で約6万であっ
た。またこのポリマーの耐熱性は401℃であり、ガラ
ス転移点は−18℃であった。なおこのポリマー中に含
まれるヒドロキシ基の濃度は18μmol/gと計算さ
れる。
容積3リットルのステンレス製オートクレーブに脱イオ
ン水1425mlおよび乳化剤(パーフルオロオクタン
酸アンモニウム)0.75gを仕込み、チッ素ガスで3
回系内を置換して酸素を除いた後、CF2=CFCF2C
H2OHを3g仕込み、ビニリデンフルオライド/テト
ラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン(3/
1/1、モル比)混合単量体78gを圧入した。撹拌を
400rpm、内温を40℃に保つと内圧は1.2MP
aとなった。つぎに過硫酸アンモニウム水溶液(6g/
25ml)、亜硫酸ナトリウム水溶液(3.18g/2
5ml)、硫酸第二鉄水溶液(3.66g/25ml)
を順次、前記混合単量体で圧入した。反応中、温度は4
0℃、撹拌は400rpmに保ち、内圧は1.1MPa
を保つように前記混合単量体を連続的に供給した。ま
た、過硫酸アンモニウムをさらに反応開始から10時間
の間、連続的に合計3g追加した。
ニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン(3/1/1、モル比)混合単量
体が400gに達した時点(約22時間後)で直ちに撹
拌と混合単量体の供給を停止し、オートクレーブ内に残
ったガスを常圧まで放出し反応を終了した。えられた含
フッ素共重合体を凝析、水洗した後、70℃で常圧下2
4時間乾燥させた。えられた乾燥粉末は全部で380g
であった。
MR)からえられた含フッ素ポリマーの組成は、ビニリ
デンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフ
ルオロプロピレン/CF2=CFCF2CH2OH(6
2.8/23.8/13.3/0.08、モル比)であ
った。GPC(溶媒:THF、カラム温度:40℃)に
よって求めたこのポリマーの数平均分子量はポリスチレ
ン換算で約21万であった。またこのポリマーの耐熱性
は445℃であり、ガラス転移点は−19℃であった。
なおこのポリマー中に含まれるOH基の濃度は12μm
ol/gと計算される。
て、側鎖および末端にヨウ素の導入されたビニリデンフ
ルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン/CF2=CFOCF2CF2CH2l(49.
7/19.9/29.8/0.6:モル比)共重合体を
固形分で21重量%含む白色水性ラテックスをえた。こ
のラテックスの一部を凝析したのち、水洗、乾燥して無
色透明なエラストマーをえた。GPC(溶媒:THF、
カラム温度:40℃)によって求めたこのポリマーの数
平均分子量はポリスチレン換算で約14万であった。元
素分析によるヨウ素含有量は0.72重量%であった。
またこのポリマーの耐熱性は403℃であった。
ング製撹拌翼と温度調節用ジャケットを備え、内容積6
リットルのガラス製オートクレーブに仕込み、チッ素ガ
スで3回系内を置換して酸素を除いた後、撹拌を305
rpm、内温70℃に保ちエチレンガスで内圧0.9M
paになるまで加圧した。つぎに過硫酸アンモニウム水
溶液(30mg/2ml)をチッ素ガスで圧入した。反
応中、温度70℃、撹拌305rpmに保った。
3.5時間後)で、オートクレーブ内に残ったガスを常
圧まで放出し反応を終了した。えられた含フッ素共重合
体を凝析、水洗した後、80℃で常圧下48時間乾燥さ
せ無色透明なエラストマーをえた。えられた乾燥ポリマ
ーは全部で690gであった。
CH2l結合に由来する4.0ppmのピークが消失
し、エチレンの付加が確認された。元素分析からヨウ素
含有量は0.57重量%で、GPC(溶媒:THF、カ
ラム温度:40℃)によって求めたこのポリマーの数平
均分子量はポリスチレン換算で約14万であった。ま
た、このポリマーの耐熱性は427℃であった。
ストマー100gとジメチルスルホキシド(DMSO)
400g、水2gを攪拌機、冷却管、温度計、チッ素ガ
ス吹き込み管を備えた1000ml4つ口フラスコに仕
込み、約0.2ml/minの流量のチッ素バブリング
下で撹拌しながら、100℃に加熱した。5時間後に加
熱撹拌を停止し、黄色に着色したポリマーをえた。この
ポリマーをアセトンに溶解し、黄色に着色したポリマー
溶液をえた。この溶液を多量のメタノールに注いで回収
し、さらに水洗を行なった後、100℃常圧下で24時
間乾燥し、淡黄色のポリマーをえた。
量%であり、ヒドロキシ化反応で減少したヨウ素量より
求めたヒドロキシ化率は80.7%であった。このポリ
マーの耐熱性は452℃であった。なお、このポリマー
に含まれるヒドロキシ基濃度を数平均分子量より計算す
ると57μmol/gである。
レンT4)50.4gを300℃に設定した内容積60
cm3のブラベンダーミキサーに投入し、回転数50r
pmで4分間溶融させた後、参考例1でえたポリマー
7.6gを加え回転数100rpmで6分間混練した。
このばあい、後述する比較例1に比べて混練時のトルク
上昇の度合は大きかった。えられた組成物を300℃で
圧縮成形し試験片を作製した。試験結果を表1に示す。
1、2、3でえたポリマー各15.2gを用い実施例1
と同様にして混練、成形し、試験片を作製した。試験結
果を表1に示す。
でえたポリマー3.2gおよびビニリデンフルオライド
/ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる含フッ素
エラストマー(ダイキン工業(株)製のダイエルG70
1)15.2gを用い、実施例1と同様にして混練、成
形し試験片を作製した。試験結果を表1に示す。
デンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体
からなる含フッ素エラストマー(ダイキン工業(株)製
のダイエルG701)15.2gを用い実施例1と同様
にして混練成形し試験片を作製した。試験結果を表1に
示す。
定した内容積60cm 3のブラベンダーミキサーに投入
し、回転数50rpmで4分間さらに回転数100rp
mで6分間溶融させたものを用い、実施例1と同様にし
て試験片を作製した。試験結果を表1に示す。
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(参
考例1、2の未反応分に等しい) (2) ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(ダイキン工業(株)製のダイエルG70
1)と参考例1の未反応分との混合物 (3) 上記(2)のダイエルG701単独
および2でそれぞれえられた成形品を電子顕微鏡観察し
たときの成形品の切断表面の写真(×500)をそれぞ
れ図1、図2、図3および図4に示す。
入した含フッ素エラストマー(参考例1、2)をポリフ
ェニレンサルファイドにブレンドしたもの(それぞれ実
施例2(図1)、実施例3(図2))は従来の含フッ素
エラストマーをブレンドしたもの(比較例1(図3))
に比して含フッ素エラストマーの分散性が良好であり、
機械的性質(アイゾット衝撃強度)の改良が効果的に行
なわれていることを示す形態が観察される。
トE310)8.3gを200℃に設定した内容積60
cm3のブラベンダーミキサーに投入し、回転数10r
pmで1分30秒間溶融させた後、回転数50rpmで
参考例3でえたポリマー73.8gを加え、回転数10
0rpmで5分間混練した。えられた組成物を200℃
で圧縮成形し試験片を作製した。試験結果を表2に示
す。
同様にして液晶コポリエステル(ノバキュレートE31
0)8.3gと混練、成形し、試験片を作製した。試験
結果を表2に示す。
同様にして液晶コポリエステル(ノバキュレートE31
0)8.3gと混練、成形し、試験片を作製した。試験
結果を表2に示す。
考例3と同様の方法で、官能基を含まない含フッ素ポリ
マー420gをえた。
MR)からえられた含フッ素ポリマーの組成はビニリデ
ンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン(61.3/18.9/19.8、モル
比)であった。GPC(溶媒:THF、カラム温度:4
0℃)によって求めたこのポリマーの数平均分子量はポ
リスチレン換算で約21万であった。またこのポリマー
の耐熱性は456℃であり、ガラス転移点は−17℃で
あった。
3.8gを用い、実施例6と同様にして液晶コポリエス
テル(ノバキュレートE310)8.3gと混練、成形
し、試験片を作製した。試験結果を表2に示す。
析、水洗、乾燥した含フッ素エラストマー73.9gを
用い、実施例6と同様にして液晶コポリエステル(ノバ
キュレートE310)8.2gと混練、成形し、試験片
を作製した。試験結果を表2に示す。
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/CF2=C
FOCF2CF2CH2CH2CH2I共重合体(参考例7
の未反応分に等しい) (2) ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(比較例3で合成
したもの)未反応分との混合物 (3) ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン/CF2=CFOCF2CF
2CH2I共重合体(参考例5で合成したエチレン付加前
のラテックスを凝析、水洗、乾燥したもの)
例3および4でえられた応力−歪曲線を図5に示す。
能基を導入した含フッ素エラストマー(参考例3、4、
5で合成したもの)と液晶コポリエステルをブレンドし
たもの(実施例6、7、8と同じもの)は、伸長に対し
て高い応力を示し、架橋ゴム的な物性を有している。ま
た、官能基を導入した含フッ素エラストマーと液晶コポ
リエステルをブレンドしたものは高温流動性を示すこと
から、熱可塑性エラストマー的な性質を有している。官
能基を含まない含フッ素エラストマーをブレンドしたも
の(比較例3、4と同じもの)は、未加硫ゴムと液晶コ
ポリエステルの単なるブレンド物であるので、高温にお
ける流動性は有しているが、伸長に対して低応力しか示
さない。
5WP)8.0g、参考例4でえられたポリマー72.
4gを用いて285℃に設定したブラベンダーミキサー
にて実施例6と同様に混練した。えられた組成物を28
5℃で圧縮成形し試験片を作製した。試験結果を表3に
示す。
lox310)8.1g、参考例4でえられたポリマー
73.3gを用いて240℃に設定したブラベンダーミ
キサーにて実施例6と同様に混練した。えられた組成物
を240℃で圧縮成形し試験片を作製した。試験結果を
表3に示す。
用い実施例9と同様に混練、成形し、試験片を作製し
た。試験結果を表3に示す。
用い実施例10と同様に混練成形し、試験片をえた。試
験結果を表3に示す。
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(比
較例3で合成したもの)
たばあい(実施例9)やポリブチレンテレフタレートを
用いたばあい(実施例10)も、官能基含有含フッ素エ
ラストマー(参考例4で合成したもの)とブレンドする
ことによって伸長に対して強い応力を示し、さらに高温
流動性を示すことより熱可塑性エラストマー的性質を示
している。それに対し比較例5および比較例6の組成物
は未加硫ゴム的に伸長に対して低い応力しか示さない。
VP−800)と液晶ポリエステル(ポリプラスチック
(株)製、ベクトラA950−非強化)および参考例4
で示した官能基含有含フッ素ポリマーを表4に示す組成
で均一にブレンドしたのち、2軸押出機にて280〜3
00℃にて混練および押出しをしてペレットを作製し
た。このペレットを用いて射出成形機にてシリンダー温
度240〜290℃、金型温度50℃で試験片を作製し
た。試験結果を表4に示す。
(実施例11と同じもの)を用い、実施例11と同様に
混練・押出しを行ない、射出成形にて試験片を作製し
た。試験結果を表4に示す。
11と同じ条件で射出成形を行ない、試験片をえた。試
験結果を表4に示す。
とのブレンドの際に官能基含有含フッ素ポリマー(参考
例4で合成したもの)をブレンドすることによって含フ
ッ素樹脂と液晶ポリマーのみのブレンド(比較例7)に
比べて、荷重たわみ温度をさらに大幅に改良できること
がわかる。
0.4gを190℃に設定した内容積60cm3のブラ
ベンダーミキサーに投入し回転数10rpmで1分30
秒間溶融させたのち、回転数50rpmで参考例1でえ
たポリマー10.1gを加え、回転数80rpmで7分
間混練した。えられた組成物を200℃で圧縮成形し試
験片を作製した。試験結果を表5に示す。
PVdF(実施例11と同じもの)13.4gを190
℃に設定した内容積60cm3のブラベンダーミキサー
に投入し回転数10rpmで2分間溶融させたのち、回
転数50rpmで参考例1でえたポリマー2.5gを加
え、回転数80rpmで7分間混練した。えられた組成
物を200℃で圧縮成形し試験片を作製した。試験結果
を表5に示す。
フッ素エラストマー(ダイキン工業(株)製のダイエル
G902)を用いた以外は実施例12と同様に混練、成
形を行ない試験片をえた。試験結果を表5に示す。
PVdF(実施例11と同じもの)10.0gを190
℃に設定した内容積60cm3のブラベンダーミキサー
に投入し回転数10rpmで2分間、さらに回転数80
rpmで7分間混練した。えられた組成物を200℃で
圧縮成形し試験片を作製した。試験結果を表5に示す。
圧縮成形し試験片を作製した。試験結果を表5に示す。
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(ダ
イキン工業製のダイエルG902)
ッ素ポリマーとポリアミドをブレンドしたもの(実施例
12と同じもの)およびPVDFとポリアミドを混合し
たものに官能基含有含フッ素ポリマーをブレンドしたも
の(実施例13と同じもの)は耐薬品性(耐ガソホール
性)の改良に良好な効果を示している。
品を電子顕微鏡観察したときの成形品の切断表面の写真
(×5000)をそれぞれ図6、図7に示す。
基を導入した含フッ素ポリマー(参考例1で合成したも
の)とポリアミドをブレンドしたもの(実施例12と同
じもの)は、官能基を含まない含フッ素ポリマーとポリ
アミドをブレンドしたもの(比較例9と同じもの)に比
べて含フッ素ポリマーの分散性が良好であり、機械的性
質(アイゾット衝撃強度)の改良が効果的に行なわれて
いることを示す形態が観察される。
に官能基を導入することにより、熱可塑性樹脂界面の親
和性が改善され、熱可塑性樹脂の優れた機械的特性や成
形性と、含フッ素ポリマーの優れた耐薬品性、耐衝撃性
を合わせもった各種機能部品としての用途に好適な材料
を提供するものである。
ー(a)は結晶融点またはガラス転移温度が150℃以
上の熱可塑性樹脂(b)とブレンドされる。熱可塑性樹
脂としては、たとえばポリアセタール、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリ
エステル、芳香族ポリエステルアミド、芳香族アゾメチ
ン、ポリアリーレンサルファイド、ポリサルホンおよび
ポリエーテルサルホン、ポリケトンおよびポリエーテル
ケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリ
メチルペンテン、ポリエーテルニトリルなどがあり、ま
たこれらを主体としたポリマーアロイもある。なかで
も、溶融混練温度が200℃以上となり、一般的な耐衝
撃性や耐薬品性改質剤が耐熱性不足のため使用できない
ような樹脂、たとえば芳香族ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド、ポリアリーレンサルファイド、
ポリケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエー
テルイミド、ポリイミドなどは本発明の好ましい対象で
ある。
微鏡写真である。
微鏡写真である。
微鏡写真である。
微鏡写真である。
4でえられた成形品の応力−歪曲線である。
顕微鏡写真である。
微鏡写真である。
Claims (9)
- 【請求項1】 (a)数平均分子量2,000〜1,000,000の
官能基含有含フッ素ポリマー0.1〜99重量%と(b)150
℃以上の結晶融点またはガラス転移温度を有する耐熱性
熱可塑性樹脂1〜99.9重量%を混合してえられるブレン
ド物からなり、該官能基含有含フッ素ポリマー(a)
が、式(I): 【化1】 [式中、Xは式: 【化2】 (式中、X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれも
水素原子、フッ素原子、 【化3】 (Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基または炭素数
1〜20の2価のフッ素置換有機基、B1は水素原子、
フッ素原子、ヒドロキシ基またはエポキシ基、pは0ま
たは1、qは0または1)、−OCO−R−B1(Rお
よびB1は前記と同じ)または−COO−R−B1(Rお
よびB1は前記と同じ)で表わされる構造単位);Yは
式: 【化4】 (式中、Y1およびY2は同じかまたは異なり、いずれも
水素原子、フッ素原子、塩素原子、 【化5】 (Rfは炭素数1〜14の2価のフッ素置換有機基、B2
は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、エポキシ基
またはグリシジルオキシ基、rは0または1、sは0ま
たは1、tは0または1、uは1〜3の整数)または 【化6】 (B3は水素原子、フッ素原子または塩素原子、vは1
〜10の整数)で表わされる構造単位);A1およびA2
はいずれも主鎖の末端部分;ただし、XおよびYはそれ
ぞれ2種以上の構造単位からなっていてもよく、XがC
H2=CHF、CH2=CF2またはフルオロアルキル−
α−置換アクリレート(置換基は水素原子、フッ素原子
またはメチル基)に基づく構造単位を含むばあいYは存
在させなくてもよく、YがCF2=CF2またはCF2=
CFClに基づく構造単位を含むばあいXは存在させな
くてもよく、XおよびYのいずれもヒドロキシ基、エポ
キシ基またはグリシジル基を含まないばあいA1および
A2の少なくとも一方はヒドロキシ基、エポキシ基また
はグリシジル基を含む]で表わされ、官能基濃度が主鎖
の末端部分および側鎖部分を合わせて含フッ素ポリマー
全体の重量に対して2〜2000μmol/gである官
能基含有含フッ素ポリマーから選ばれた少なくとも1種
であり、該耐熱性熱可塑性樹脂(b)がポリアミドおよ
び/または芳香族ポリエステルアミドである熱可塑性樹
脂組成物の相溶性改質剤。 - 【請求項2】 前記ブレンド物が、(1)官能基含有含
フッ素ポリマー(a)とポリアミドおよび/または芳香
族ポリエステルアミド(b)との単なる混合物、(2)
官能基含有含フッ素ポリマー(a)とポリアミドおよび
/または芳香族ポリエステルアミド(b)との反応生成
物、または(3)これら(1)と(2)との混合物の形
態である請求項1記載の相溶性改質剤。 - 【請求項3】 前記改質される熱可塑性樹脂組成物が、
官能基含有含フッ素ポリマー(a)とポリアミドおよび
/または芳香族ポリエステルアミド(b)とからなる組
成物である請求項1または2記載の相溶性改質剤。 - 【請求項4】 前記改質される熱可塑性樹脂組成物が、
官能基を有しない含フッ素ポリマーとポリアミドおよび
/または芳香族ポリエステルアミド(b)とからなる組
成物である請求項1または2記載の相溶性改質剤。 - 【請求項5】 前記官能基含有含フッ素ポリマー(a)
の官能基がエポキシ基および/またはグリシジル基であ
る請求項1〜4のいずれかに記載の相溶性改質剤。 - 【請求項6】 官能基を有しない含フッ素ポリマーがエ
チレン/テトラフルオロエチレン共重合体であって、官
能基含有含フッ素ポリマー(a)がエポキシ基および/
またはグリシジル基を有するエチレン/テトラフルオロ
エチレン共重合体である請求項4または5記載の相溶性
改質剤。 - 【請求項7】 官能基を有しない含フッ素ポリマーがエ
チレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体であっ
て、官能基含有含フッ素ポリマー(a)がエポキシ基お
よび/またはグリシジル基を有するエチレン/クロロト
リフルオロエチレン共重合体である請求項4または5記
載の相溶性改質剤。 - 【請求項8】 官能基を有しない含フッ素ポリマーがポ
リビニリデンフルオライドであって、官能基含有含フッ
素ポリマー(a)がエポキシ基および/またはグリシジ
ル基を有するポリビニリデンフルオライドである請求項
4または5記載の相溶性改質剤。 - 【請求項9】 官能基を有しない含フッ素ポリマーがビ
ニリデンフルオライド系共重合体であって、官能基含有
含フッ素ポリマー(a)がエポキシ基および/またはグ
リシジル基を有するビニリデンフルオライド系共重合体
またはポリビニリデンフルオライドである請求項4また
は5記載の相溶性改質剤。
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2003
- 2003-02-13 JP JP2003034922A patent/JP4077332B2/ja not_active Expired - Fee Related
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