JP2003246071A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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JP2003246071A
JP2003246071A JP2002048753A JP2002048753A JP2003246071A JP 2003246071 A JP2003246071 A JP 2003246071A JP 2002048753 A JP2002048753 A JP 2002048753A JP 2002048753 A JP2002048753 A JP 2002048753A JP 2003246071 A JP2003246071 A JP 2003246071A
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Takeshi Ito
健 伊藤
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Konica Minolta Inc
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】接着剤を特定の条件にすることにより、金属電
極表面に接着剤が流れ出すことを防止し、全チャネルに
亘ってカバー基板を均一にかつ安定して貼り付けること
が出来るインクジェットヘッドの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】分極した圧電素子を用い隔壁13により区
切られるインク流路を備えたチャネル基板1と、前記チ
ャネル基板1を覆うカバー基板2とを有し、前記隔壁1
3をせん断変形させてノズルよりインクを吐出させるイ
ンクジェットヘッドの製造方法において、前記チャネル
基板1の隔壁13表面に金属電極を設けた後に、前記カ
バー基板2又はチャネル基板1に下記接着剤特性を有す
る接着剤を塗設し、前記カバー基板2とチャネル基板1
を貼り合わせる。 (接着剤特性) 接着剤粘度:20,000cP以上(25℃) 接着剤液体成分粘度:10,000cP以上(25℃) 接着剤の硬化温度でのゲル化時間:30分以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの製造方法に関し、詳しくは、接着剤が完全に硬化
し、かつインクに悪影響を与えることがないインクジェ
ットヘッド組み立て用の硬化型接着剤を用いたインクジ
ェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シェヤーモードタイプのインクジェット
ヘッドは、分極した圧電素子を用い、隔壁により区切ら
れるインク流路を備えたチャネル基板と、該チャネル基
板に固着されたカバー基板とを備えており、前記隔壁を
せん断変形させてインク流路に繋がるノズルよりインク
液滴を吐出させて、紙やフィルムなどの記録媒体に記録
を行う。
【0003】チャネル基板とカバー基板を固着する手段
としては、従来、ヘッド本体の隔壁表面に金属電極を設
けた後に、カバー基板に接着剤を塗布し、そのまま貼り
合わせ、その後に加熱して接着剤を硬化させてチャネル
基板とカバー基板を固着し、ヘッドを製造していた。
【0004】しかし、この方法では、チャネル基板の隔
壁表面に金属電極を設け、接着剤を塗布したカバー基板
と、そのまま貼り合わせると、隔壁表面の金属電極を伝
って、接着剤が流れ出し、接着界面の接着剤が不足し、
貼り合わせが十分に行えない問題がある。なお、隔壁表
面の金属電極は製膜方法により差は見られるが、清浄な
金属が露出しているため、非常に濡れやすい状態である
ことが起因していると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、接
着剤を特定の条件にすることにより、金属電極表面に接
着剤が流れ出すことを防止し、全チャネルに亘ってカバ
ー基板を均一にかつ安定して貼り付けることが出来るイ
ンクジェットヘッドの製造方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、分極した圧
電素子を用い隔壁により区切られるインク流路を備えた
チャネル基板と、前記チャネル基板を覆うカバー基板と
を有し、前記隔壁をせん断変形させてノズルよりインク
を吐出させるインクジェットヘッドの製造方法におい
て、前記チャネル基板の隔壁表面に金属電極を設けた後
に、前記カバー基板又はチャネル基板に下記接着剤を塗
設し、前記カバー基板とチャネル基板を貼り合わせるこ
とを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法によっ
て解決される。
【0007】(接着剤) 接着剤粘度:20,000cP以上(25℃) 接着剤液体成分粘度:10,000cP以上(25℃) 接着剤の硬化温度でのゲル化時間:30分以下
【0008】本発明の好ましい態様は、(1)前記接着
剤が、複数液混合型接着剤であること、(2)前記接着
剤が、硬化剤若しくは硬化促進剤の個数平均粒子径が2
0μm以下である硬化型接着剤であることである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0010】本発明においてチャネル基板とカバー基板
との接合に用いられる接着剤は、接着剤粘度が20,0
00cP以上(25℃)、接着剤液体成分粘度が10,
000cP以上(25℃)、接着剤の硬化温度でのゲル
化時間が30分以下のものである。この条件を一つでも
満足しない場合には、貼り合わせ時に接着剤の一部がチ
ャネル基板の隔壁表面に設けられている金属電極を伝っ
て流れ出し、未硬化物が出来て、本発明の効果を発揮し
得ない。
【0011】接着剤粘度の好ましい範囲は、10,00
0cP以上、100,000cP以下であり、より好ま
しい範囲は20,000cP以上、80,000cP以
下の範囲である。
【0012】また、接着剤液体成分粘度の好ましい範囲
は、5,000cP以上、100,000cP以下であ
り、より好ましい範囲は、10,000cP以上、8
0,000cP以下である。
【0013】更に、接着剤の硬化温度でのゲル化時間の
好ましい範囲は、20分以下であり、より好ましい範囲
は、10分以下である。
【0014】本発明においてゲル化時間とは、粘弾性測
定機(Rheometric Scientric社製)により測定した硬化
温度条件での硬さが105dyne/cm2以上になる時間をい
う。
【0015】本発明で使用できる接着剤は、上記の条件
を満足すれば、エポキシ系、ウレタン系等の一般的に用
いられている接着剤を使用できる。
【0016】本発明で規定する粘度は、通常知られてい
るB型粘度計で測定した値である。
【0017】また、本発明において、前記接着剤が複数
液混合型の硬化型接着剤であること、あるいは前記接着
剤が、硬化剤若しくは硬化促進剤の個数平均粒子径が2
0μm以下である硬化型接着剤であることが好ましい。
硬化による体積の収縮が小さく、また接着剤層の強度が
強く、種々のインクに対して耐性を持つからである。ま
た潜在硬化型の場合は、取り扱いが容易であり好まし
い。
【0018】複数液混合型の接着剤とは、接着剤には大
きく分けて接着剤成分の高分子成分を溶剤に溶解し、そ
の溶剤を乾燥することにより接着層を形成するものと、
接着剤成分自体が硬化反応を起こして、より高分子の接
着層を形成するものがあるが、後者の硬化型接着剤の場
合、硬化物の主な骨格になる成分と、それをつなぎ合わ
せる成分もしくは骨格成分同士が反応を起こす引き金に
なる成分を混ぜ合わせることが多く、そのようなものを
複数液混合型の接着剤と呼ぶ。
【0019】このような複数液混合型の硬化型接着剤と
しては、例えばエポキシ接着剤の場合、エポキシ樹脂の
主剤、硬化剤(硬化促進剤)、反応性希釈剤等を混合し
て用いることができる。主剤、硬化剤(硬化促進剤)及
び反応性希釈剤は任意の混合比で混合して用いることが
できる。
【0020】主剤としては、2官能性樹脂〔ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル(DGEBA)、ビスフェ
ノールFジグリシジルエーテル(DGEBF)、ビスフ
ェノールSジグリシジルエーテル(DGEBS)、レゾ
ルシノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル(DGEHHBA)、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(DG
EPPG)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル(DGENPG)、フタル酸ジグリシジルエステル
(DGEsFA)、ダイマー酸ジグリシジルエステル
等〕、多官能性樹脂〔トリグリシジルイソシアヌレート
(TGIC)、テトラグリシジルジアミノジフェニルメ
タン(TGDDM)、テトラグリシジルメタキシレンジ
アミン(TGXDA)、クレゾールノボラックポリグリ
シジルエーテル(ECN)等〕、ハロゲン化樹脂〔テト
ラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(DG
ETBBA)、ビスフェノールヘキサフロロアセトンジ
グリシジルエーテル(DGEHFBA)等〕が挙げられ
る。
【0021】硬化剤としては、脂肪族ポリアミン類〔ジ
エチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラ
ミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEP
A)、ジエチルアミンプロピルアミン(DEPA)
等〕、ポリアミド・ポリアミン類〔ポリアミドポリアミ
ン等〕、脂環族ポリアミン類〔メンセンジアミン(MD
A)、イソホロンジアミン(IPDA)、N−アミノエ
チルピペラジン(N−AEP)、3,9−ビス(3−ア
ミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ(5,5)ウンデカンアダクト(ATUアダクト)、
ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン
(ラロミンC−260、BASF商品名)、ビス(4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン(ワンダミンンHM、新日本
理化商品名)等〕、芳香族ポリアミン類〔メタキシレン
ジアミン(m−XDA)、ジアミノジフェニルメタン
(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、
m−フェニレンジアミン (m−PDA)等〕、その他
〔ジシアンジアミド(DICY)、アジピン酸ジヒラジ
ド(AADH)等〕のポリアミン系硬化剤、あるいはベ
ンジルジメチルアミン(BDMA)、2−(ジメチルア
ミノメチル)フェノール(DMP−10)、2,4,6
−トリス(ジアミノメチル)フェノール(DMP−3
0)、DMP−30のトリ−2−エチルヘキシル酸塩等
の芳香族第三アミン化合物、2−メチルイミダゾール
(2MZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2
E4MZ) 2−ウンデシルイミダゾール(C11Z)、2−ヘプタデ
シルイミダゾール(C17Z)、2−フェニルイミダゾー
ル(2PZ)、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール
(1B2MZ)、1−シアノエチル−2−メチルイミダ
ゾール(2MZ−CM)、2,4−ジアミノ−6−(2
−メチルイミダゾリル−(I))−エチルS−トリアジ
ン(2MZ−AZINE)等のイミダゾール類が挙げら
れる。
【0022】反応性希釈剤としては、n−ブチルグリシ
ジルエーテル(BGE)、アリルグリシジルエーテル
(AGE)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
(EHGE)、スチレンオキサイド(SO)、フェニル
グリシジルエーテル(PGE)、クレジルグリシジルエ
ーテル(CGE)、p−sec−ブチルフェニルグリシ
ジルエーテル(BPGE)、グリシジルメタクリレート
(GMA)、3級カルボン酸グリシジルエステル(カー
ジュラE)、ジグリシジルエーテル(DGE)、(ポ
リ)エチレングリコールジグリシジルエーテル(PEG
GE)、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル(PPGGE)、ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル(BDGE)、ジグリシジルアニリン(DG
A)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
(TMPGE)、グリセリントリグリシジルエーテル
(GGE)等が挙げられる。
【0023】次に、硬化剤若しくは硬化促進剤の個数平
均粒子径が20μm以下である硬化型接着剤について説
明する。
【0024】かかる硬化型接着剤は、潜在硬化型の接着
剤と称されるもので、保存および塗設時には硬化せず
に、外部より熱や紫外線、可視光等の光、圧力、湿気な
どの刺激(何らかの外部エネルギー)を与えることによ
り、硬化反応が始まる接着剤のことをいう。
【0025】潜在硬化型接着剤では、保存および塗設時
に硬化に寄与する成分が、硬化しない状態あるいは硬化
しにくい状態(例えばカプセル等)になっている。この
ような潜在硬化型接着剤は、例えば熱で硬化剤が溶け出
して主剤中を拡散して広がり硬化していく。
【0026】主剤と硬化剤は、通常ある比率で硬化する
ことが多く、硬化剤が大きいと硬化剤の分散状態が疎に
なり十分に拡散せずに島状に硬化が終了して未硬化部分
ができてしまう。そのため、硬化剤の個数平均粒子径は
20μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下
である。下限は混合の容易さの観点から2μmが好まし
い。
【0027】本発明において、個数平均粒子径は、接着
剤として主剤に混合する前に、粉体の状態又は適当な分
散剤に分散させた状態で、レーザー回折/散乱式粒度分
布測定装置等により測定して求めることができる。
【0028】潜在型硬化剤としては、BF3−MEA、
イミダゾール誘導体(2MZ−Azine)、ジシアン
ジアミド、アジピン酸ヒドラジド、ジアミノマレオニト
リル、ジアリルメラミン、ポリ(ピペリジン−セバチン
酸)アミド等が挙げられる。
【0029】なお、接着剤には常温で液体のもの(1液
接着剤および2液接着剤等)の他に常温で固体の接着
剤、硬化成分が固体として混入している潜在型接着剤等
があるが、本発明における接着剤液体成分とは、潜在硬
化型接着剤の場合では、液体成分と固体成分に分けた場
合の液体成分のことを意味する。
【0030】次に、本発明の製造方法を適用できるイン
クジェットヘッドの一例について、図1及び図2に基づ
いて説明する。図1はインクジェットヘッドの概要を示
す部分破断斜視図であり、図2は同ヘッドの縦断面図で
ある。図1において、1はチャネル基板、2はカバー基
板、3はノズルプレート、4はバックプレート、5はイ
ンクマニホールドである。
【0031】チャネル基板1に用いられる圧電材料とし
ては、電界を加えることにより変形を生じる公知の圧電
材料を用いることができ、有機材料からなる基板、非金
属製の基板等がある。特に、非金属製の圧電材料基板が
好ましく、成形、焼成等の工程を経て形成される圧電セ
ラミックス基板、又は成形、焼成を必要としないで形成
される基板等がある。有機材料からなる基板に用いられ
る有機材料としては、ポリフッ化ビニリデン等の有機ポ
リマーや、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料
等が挙げられる。非金属製の圧電材料基板において、成
形、焼成等の工程を経て形成される圧電セラミックス基
板としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が好まし
い。さらにBaTiO3、ZnO、LiNbO3、LiT
aO3等を用いてもよい。PZTとしては、PZT(P
bZrO3−PbTiO3)と、第三成分添加PZTがあ
る。添加する第三成分としてはPb(Mg1/2Nb2/3
3、Pb(Mn1/3Sb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb
2/3)O3等がある。また、非金属製の圧電材料基板にお
いて、成形、焼成を必要としないで形成される基板とし
て、例えば、ゾル−ゲル法、積層基板コーティング法等
で形成することができる。
【0032】チャネル基板1は、2枚の圧電材料基板1
a、1bを分極方向を互いに反対に向けて上下に接合し
てなる。2枚の圧電材料基板1a、1bを接合する手段
としては、前述のように潜在硬化型接着剤であるエポキ
シ系接着剤等を用いて接合する。接着剤層の硬化後の膜
厚は、1〜10μmの範囲が好ましい。
【0033】このチャネル基板1に、円盤状の砥石(ダ
イシングブレード)等の公知の研削機を用いて所定ピッ
チで互いに平行な複数列の溝を加工することにより、イ
ンクが貯溜されるインクチャネル11とインクが貯溜さ
れない空気チャネル12とからなるチャネル溝10と、
それら各チャネル溝10間の隔壁13とを交互に形成す
る。
【0034】この溝加工後に、各隔壁13の壁面に金属
電極6をめっきや蒸着、スパッタ等の方法により形成す
る。隔壁13は分極方向の異なる2枚の圧電材料基板1
a、1bからなるため、各金属電極6は、それら両基板
1a、1bを駆動させるべく、少なくとも各隔壁13を
構成している圧電材料基板1a及び1bに亘る側面の全
面に形成するが、必ずしも底面には形成しなくてもよ
い。金属電極6を形成し得る金属としては、Ni(ニッ
ケル)、Co(コバルト)、Cu(銅)、Al(アルミ
ニウム)等があるが、NiやCuが好ましく、特に好ま
しくはNiである。金属電極6を形成するめっきは、特
に、無電解めっきであることが好ましい。無電解めっき
によれば、より均一且つピンホールフリーの金属皮膜を
簡易に形成することができる。無電解めっきによる電極
形成においては、Ni−Pめっき又はNi−Bめっきを
単独で使用してもよいし、あるいはNi−PとNi−B
を重層してもよい。Ni−PめっきはP含量が高くなる
と電気抵抗が増大するので、P含量は1〜数%程度がよ
い。Ni−BめっきのB含量は普通1%以下なので、N
i−PよりNi含量が多く、電気抵抗が低く、且つ外部
配線との接続性が良いため、Ni−PよりNi−Bの方
が好ましいが、Ni−Bは高価なのでNi−PとNi−
Bを組み合わせることも好ましい。Ni−P又はNi−
Bからなる無電解めっき法により形成された金属電極6
は、析出が均一に行われ、その結果平滑な表面性を有し
ている。めっき膜の厚みは0.5〜5μmの範囲が好ま
しい。
【0035】なお、金属電極6は、隔壁13に例えばN
i−Bからなる無電解めっきによりめっき膜を形成した
上に、更にNi−Pからなる無電解めっき処理を施すよ
うにして形成することもできる。この場合、更にそれぞ
れのめっき金属を異ならせるようにすることもできる。
また、隔壁13に無電解めっきによりめっき膜を形成し
た後、そのめっき膜上に金めっき等の電解めっき処理を
行うようにしてもよい。更に、隔壁13に蒸着法により
金属皮膜を形成した後に、該金属皮膜上に電解めっき処
理を行ってめっき膜を形成することにより金属電極6を
形成するようにしてもよい。
【0036】次いで、図1に示すように、チャネル基板
1の上面もしくはカバー基板2の裏面に、上述したよう
に接着剤を塗設し、両者を接合する。
【0037】このカバー基板2としては、チャネル基板
1と同じものを使用すると、貼り合せた時にソリ、変
形、熱膨張係数の差による剥離等が起こらないために好
ましい。また、チャネル基板1と同じ程度の熱膨張係数
を持つ非圧電性基板であってもよい。非圧電性基板とし
ては、例えば成形、焼成等の工程を経て形成されるセラ
ミックス基板、または成形、焼成を必要としないで形成
される基板等があり、焼成等の工程を経て形成されるセ
ラミックス基板として、例えばAl23、SiO 2、そ
れらの混合、混融体、さらにZrO2、BeO、Ae
N、SiC等を用いることができる。その他、有機材料
からなる基板であってもよく、有機ポリマーや有機ポリ
マーと無機物のハイブリッド材料等を用いてもよい。
【0038】このようにしてチャネル基板1とカバー基
板2を接合した後は、図2に示すように、各チャネル溝
10内に絶縁膜としてパリレン膜7を形成することが好
ましい。パリレン膜7を形成すると水系インクを使用す
ることが可能となる。
【0039】このパリレン膜7の形成法としては、固体
のジパラキシリレンダイマーを蒸着源とするCVD法
(Chemical Vapour Deposition:気相合成法)による公
知の方法を用いることができる。即ち、ジパラキシリレ
ンダイマーが気化、熱分解して発生したジラジカルパラ
キシリレンが、基板上に吸着し重合反応して被膜を形成
する。
【0040】パリレン膜7の膜厚は、1.0μmよりも
薄いと十分な絶縁性を維持することが困難となる。ま
た、膜厚が増加するに従って、膜自体の剛性により隔壁
13の動きを規制するようになるため、パリレン膜7の
膜厚は1.0〜10μmとすることが望まれるが、特に
1.0〜5.0μmの範囲にあるときは、パリレン膜7
は十分に薄い膜としてチャネル溝10内に形成されるた
め、チャネル溝10内の有効断面積を減少させることが
なく、十分なインク吐出感度及びインク吐出特性を得る
ことができる。より好ましい膜厚の範囲は、1.0〜
3.0μmである。
【0041】かかるパリレン膜7を形成したチャンネル
部10内に気泡が混入すると、パリレン膜7に付着して
こびりつき、抜けにくい。このためパリレン膜7の表面
を酸素プラズマ処理して、親水化することが好ましい。
【0042】次いで、チャネル基板1の前端面に、イン
クを吐出するためのノズル孔31を有するノズルプレー
ト3を上述した硬化型接着剤を用いて接合する。またチ
ャネル基板1の後端面には、インク導入孔41を有する
バックプレート4を介して、インクチャネル11内にイ
ンクを供給するインクマニホールド5を、上述した硬化
型接着剤を用いて接合し、インクジェットヘッドを構成
する。
【0043】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例に基づいて例証
する。
【0044】PZT基板に複数列の溝を平行に加工して
チャネル基板を形成し、その隔壁表面にNiからなる金
属電極及び各金属電極と接続する配線パターンを無電解
めっきにより形成した。
【0045】その後、PZT基板を脱分極して形成した
カバー基板の裏面に下記接着剤を塗布し、チャネル基板
と表1に記載の接着条件で貼り合わせて接合した。
【0046】(接着剤) エポキシ接着剤 主剤(液体成分):DGEBA+DGEBF 硬化剤:エポキシアダクトアミン 主剤粘度:10,000cP 接着剤粘度:20,000cP 80℃ゲル化時間:20分
【0047】エポキシ接着剤 主剤(液体成分):DGEBA 硬化剤:エポキシアダクトアミン 主剤粘度:15,000cP 接着剤粘度:25,000cP 80℃ゲル化時間:10分
【0048】エポキシ接着剤 主剤(液体成分):DGEBA 硬化剤:エポキシアダクトアミン 主剤粘度:15,000cP 接着剤粘度:40,000cP 80℃ゲル化時間:5分
【0049】エポキシ接着剤 主剤(液体成分):フェノールノボラック系エポキシ 硬化剤(液体成分):脂肪族ポリアミン 主剤粘度:30,000cP 接着剤粘度:20,000cP80℃ゲル化時間:5分
【0050】エポキシ接着剤 主剤(液体成分):DGEBF 硬化剤:エポキシアダクトアミン 主剤粘度:3,000cP 接着剤粘度:20,000cP 80℃ゲル化時間:10分
【0051】エポキシ接着剤 主剤(液体成分):DGEBA 硬化剤:エポキシアダクトアミン、DICY 主剤粘度:15,000cP 接着剤粘度:30,000cP 80℃ゲル化時間:40分
【0052】エポキシ接着剤 主剤(液体成分):フェノールノボラック系 硬化剤:ジメチルイミダゾール 主剤粘度:10,000cP 接着剤粘度:4,000cP 80℃ゲル化時間:30分
【0053】エポキシ接着剤 主剤(液体成分):DGEBA 硬化剤:エポキシアダクトアミン 主剤粘度:15,000cP 接着剤粘度:100,000cP 80℃ゲル化時間:10分
【0054】(注)DGEBA:ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル DGEBF:ビスフェノールFジグリシジルエーテル DICY:ジシアンジアミド
【0055】貼り付け後、アセトンで洗浄しその前後の
重量を測定して未硬化分の有無を確認した。
【0056】その後、保護膜としてパリレン膜を設け、
前壁側にノズルプレートを、後壁側にマニホールドを各
々接合して、所定の配線を行ってインクジェットヘッド
を作成した。
【0057】確実に接着されているかどうかの確認は、
インクジェットヘッドの共振周波数の測定と、実際にイ
ンクを射出し、その射出状況とにより判断した。インク
ジェットヘッドの駆動壁に電圧を印可し駆動することに
よりカバー基板との接着の有無で共振周波数が違うこと
を利用し、特定の共振周波数の有無を見て接着の状態を
調べる方法である。
【0058】インク射出テストはインク滴速度が7m/
secになる射出電圧を測定し、また各チャネル間での
ばらつきを比較した。
【0059】以上の評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、金属電極表面に接着剤
が流れ出すことがなく、全チャネルに亘ってカバー基板
を均一にかつ安定して貼り付けることが出来るインクジ
ェットヘッドの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドの部分破断斜視図
【図2】インクジェットヘッドの部分断面図
【符号の説明】
1:チャネル基板 10:チャネル溝 11:インクチャネル 12:空気チャネル 13:隔壁 2:カバー基板 3:ノズルプレート 4:バックプレート 5:インクマニホールド 6:駆動電極 7:パリレン膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分極した圧電素子を用い隔壁により区切ら
    れるインク流路を備えたチャネル基板と、前記チャネル
    基板を覆うカバー基板とを有し、前記隔壁をせん断変形
    させてノズルよりインクを吐出させるインクジェットヘ
    ッドの製造方法において、前記チャネル基板の隔壁表面
    に金属電極を設けた後に、前記カバー基板又はチャネル
    基板に下記接着剤特性を有する接着剤を塗設し、前記カ
    バー基板とチャネル基板を貼り合わせることを特徴とす
    るインクジェットヘッドの製造方法。 (接着剤特性) 接着剤粘度:20,000cP以上(25℃) 接着剤液体成分粘度:10,000cP以上(25℃) 接着剤の硬化温度でのゲル化時間:30分以下
  2. 【請求項2】前記接着剤が、複数液混合型接着剤である
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記接着剤が、硬化剤若しくは硬化促進剤
    の個数平均粒子径が20μm以下である硬化型接着剤で
    あることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006188047A (ja) * 2004-12-06 2006-07-20 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットヘッドの製造方法
JP2012030399A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッド

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