JP2003243092A - メモリカード用ソケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メモリカードの装着方向が誤りにくいものに
して、メモリカードが円滑に装着されるようにしたメモ
リカード用ソケットを提供すること。 【解決手段】 メモリカード用ソケット１は、メモリカ
ード２がスライドして挿抜されるハウジング３と、スラ
イダー５と、を備えたメモリカード用ソケット１におい
て、前記ハウジング３の内側の所定位置に係止凹部を設
け、前記スライダー５は、弾性変形可能な弾性変形部５
３を備え、弾性変形部５３の先端側の一部に傾斜面５３
ｂ及び延伸方向における傾斜面の反対側に係止突部５３
ｃを設け、メモリカード２の角部２２がスライダー５に
当接する方向から挿入されて前記傾斜面５３ｂに当接し
て乗り上げる押圧力を受けて弾性変形部５３が弾性変形
し、前記係止突部５３ｃが前記係止凹部に係止すること
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、メモリカードと回
路基板とを接続するメモリカード用ソケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のメモリカード用ソケットとし
て、図４乃至図６に示すような携帯電話等の小型の電子
機器に実装されるものがある。図４はメモリカードとメ
モリカード用ソケットとの関係を示す斜視図、図５はシ
ェルを取り外した状態を示す平面図、図６はメモリカー
ド用ソケットを示す分解斜視図である。

【０００３】このメモリカード用ソケット１は、例えば
ＳＤ（Ｓｅｃｕｒｅ Ｄｉｇｉｔａｌ）メモリたるメモ
リカード２に用いるものであって、メモリカード２がス
ライドして挿抜されると共にメモリカード２に設けた接
続端子に接触する複数のコンタクト４を保持したハウジ
ング３と、メモリカード２の挿抜に伴ってハウジング３
に対してスライドするスライダー５と、を備え、ハウジ
ング３はボディ６とシェル７とからなり、ボディ６とシ
ェル７との間にメモリカード２が挿入される。

【０００４】メモリカード２は、図４に示すように外周
形状が矩形状になっており、図４における右上角部を切
り欠いて形成される傾斜面部２１が形成されている。ま
た、メモリカード２には、複数のコンタクト４と接続す
る複数個の接続端子が裏面に設けられている。

【０００５】ボディ６は、合成樹脂成形品からなり、メ
モリカード２の裏面の一部に対向する矩形平板状のベー
ス板６２を有する。ベース板６２の長手方向両端の側縁
に沿って一方に延びる一対のアーム６１ａ，６１ｂがベ
ース板６２と一体に設けられており、ベース板６２とア
ーム６１ａ，６１ｂとは全体としてコ字状に形成されて
いる。アーム６１ａ，６１ｂとベース板６２とは１つの
側縁を共有しており、この側縁にはベース板の図５にお
ける紙面表側（以下、上面側）に後面板６３が立設され
ている。図５における右側のアーム６１ａの右側の側縁
には側面板６４ａが立設され、図５における左側のアー
ム６１ｂの左側の側縁には側面板６４ｂが立設されてい
る。

【０００６】シェル７は、断面コ字状に形成され、側面
板６４ａ，６４ｂに外側から重なる形でボディ６と結合
される。アーム６１ａの左側の側縁部及びアーム６１ｂ
の右側の側縁部には、メモリカード２の図５における左
右方向への移動を規制するカードガイド６５ａ，６５ｂ
が設けられており、メモリカード２はカードガイド６５
ａ，６５ｂに沿ってスライドする。各カードガイド６５
ａ，６５ｂの前端部（図５の下方向を前方向とする）に
は前面に向かって両カードガイド６５ａ，６５ｂ間の左
右幅とシェル７に対する距離とを共に広げるように傾斜
したカード導入部６６ａ，６６ｂが設けられている。ボ
ディ６とシェル７との間にメモリカード２を挿入する際
にはカード導入部６６ａ，６６ｂによってメモリカード
２が案内されるから、メモリカード２の挿入作業が容易
になる。

【０００７】ベース板６２には、メモリカード２に設け
た複数個の接続端子にそれぞれ接触する複数本（９本）
のコンタクト４が保持されている。各コンタクト４の一
端部はベース板６２と重複しない位置までアーム６１
ａ，６１ｂに沿って延長されている。

【０００８】アーム６１ａ上には、スライダー５が載置
されており、スライダー５は、カードガイド６５ａと側
面板６４ａとの間で前後方向に移動可能なものであっ
て、スライダー本体部５１とメモリカード２の前面に当
接する当接部５２とを有する。スライダー５はカードガ
イド６５ａと側面板６４ａとシェル７とアーム６１ａと
によって移動方向が規制され、メモリカード２がハウジ
ング内に挿入されてメモリカード２の接続端子がコンタ
クト４に接触する位置とメモリカード２がハウジング３
から取り外し可能になる位置との間でスライダー５はス
ライドする。後面板６３のアーム６１ａ側の端部の前面
側にはスライダー５を前方向に付勢するコイルスプリン
グ８が載置されている。

【０００９】このメモリカード用ソケット１は、以下の
ようにメモリカード２が装着される。メモリカード２
は、図４において、メモリカード２の傾斜面部２１を右
上にしてハウジング３の左下側からハウジング３に徐々
に挿入する。そして、図７（ａ）に示すように、傾斜面
部２１が当接部５２に当接すると、当接部５２が傾斜面
部２１に押されて、スライダー５がハウジング３に対し
てスライドする。そして、メモリカード２が装着位置に
至ると、接続端子が複数のコンタクト４と接続する。か
くして、メモリカード２の情報は、その接続端子からメ
モリカード用ソケット１に中継されて電子機器に送られ
るのである。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上述したメモリカード
用ソケット１は、図７（ａ）に示すように、傾斜面部２
１が当接部５２に当接して押されることによって、スラ
イダー５がスライドして、メモリカード２が装着される
ようになっている。

【００１１】しかしながら、メモリカード２の装着方向
を誤って、上下を逆にして挿入した場合、図６（ｂ）に
示すように、メモリカード２の角部２２が当接部５２に
当接すると、当接部５２が角部２２に押されて、スライ
ダー５がハウジング３に対してスライドするため、装着
方向が誤り易いものであった。その結果、メモリカード
２が円滑に装着できないことが懸念されていた。

【００１２】本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、メモリカード２の装着方
向が誤りにくいものにして、メモリカード２が円滑に装
着されるようにしたメモリカード用ソケットを提供する
ことにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明のメ
モリカード用ソケットは、略平板状をなし一端縁の角部
を切り欠いて形成される傾斜面部を有したメモリカード
がスライドして挿抜されると共にメモリカードに設けた
接続端子に接触する複数本のコンタクトを保持したハウ
ジングと、メモリカードの傾斜面部に当接する当接部を
有しメモリカードの当接に伴ってハウジングに対してス
ライドするスライダーと、を備えたメモリカード用ソケ
ットにおいて、前記ハウジングの内側の所定位置に係止
凹部を設け、前記スライダーは、スライダー本体部から
一体的に連設され所定の長さを有する弾性変形可能な弾
性変形部を備え、弾性変形部の基端側に連結部を設け、
連結部が存在しない部分は所定の空間を存在させると共
に、弾性変形部の先端側の一部に傾斜面及び延伸方向に
おける傾斜面の反対側に係止突部を設け、メモリカード
の角部がスライダーに当接する方向から挿入されて前記
傾斜面に当接して乗り上げる押圧力を受けて弾性変形部
が弾性変形し、前記係止突部が前記係止凹部に係止する
ことを特徴としている。

【００１４】請求項２に係る発明のメモリカード用ソケ
ットは、請求項１の構成において、弾性変形部は、前記
スライダーと別体のものとし、連結部においてスライダ
ー本体部に固着している。

【００１５】請求項３に係る発明のメモリカード用ソケ
ットは、請求項１又は２の構成において、弾性変形部
は、金属製であることを特徴としている。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態
の基本的な構成は従来の技術において説明したものと同
様であるから、基本的機能が実質的に同様の部分には同
一の符号を付し、共通する部分についてはその詳細な説
明を省略する。

【００１７】本発明のメモリカード用ソケット１は、略
平板状をなし一端縁の角部２２を切り欠いて形成される
傾斜面部２１を有したメモリカード２がスライドして挿
抜されると共にメモリカード２に設けた接続端子に接触
する複数本のコンタクト４を保持したハウジング３と、
メモリカード２の傾斜面部に当接する当接部を有しメモ
リカード２の当接に伴ってハウジング３に対してスライ
ドするスライダー５と、を備えている。

【００１８】図１は本発明に係るメモリカード用ソケッ
ト１の特徴部分であるスライダー５の要部斜視図であ
る。スライダー５は、メモリカード２の傾斜面部２１に
当接する当接部５２を有しメモリカード２の当接に伴っ
てハウジング３に対してスライドするものであって、ス
ライダー本体部５１から一体的に連設され所定の長さを
有する弾性変形可能な弾性変形部５３を備えている。

【００１９】弾性変形部５３は、傾斜面部２１が当接部
５２に当接したときには後述する傾斜面５３ｂに当接し
ないが、角部２２がスライダー５に当接する方向から挿
入されたときには前記傾斜面５３ｂに当接する程度の長
さのものにする。そして、スライダー５は、角部２２が
スライダー５に当接する方向から挿入されたときには、
角部２２が当接部５２に当接しないようにするため、当
接部５２はその一部を切り欠いて弾性変形部５３の延伸
方向にほぼ直交する面５５を設けてある。また、弾性変
形部５３は、その基端側に連結部５３ａを設けて、この
部分でスライダー本体部５１と連結させている。そし
て、連結部５３ａが存在しない部分には、弾性変形部５
３の延伸方向に略平行的に形成した所定の空間５４ａ，
５４ｂを、弾性変形部５３の両側に存在させている。さ
らに、弾性変形部５３の先端側の一部には、傾斜面５３
ｂ及び延伸方向における傾斜面５３ｂの反対側に係止突
部５３ｃを設けている。

【００２０】次に、図２に沿って、メモリカード２を装
着するときのスライダー５の動作について説明する。図
２（ａ）及び（ｂ）は、それぞれ角部２２が弾性変形部
５３に当接する直前の状態を示す要部上面図及び要部略
断面図、同図（ｃ）及び（ｄ）は、それぞれ角部２２が
弾性変形部５３に当接した後の状態を示す要部上面図及
び要部略断面図である。

【００２１】図２に示すように、メモリカード２は、そ
の装着方向を誤って上下を逆にして挿入したときは、角
部２２が傾斜面５３ｂに当接する。さらにメモリカード
２を挿入すると、角部２２が傾斜面５３ｂに徐々に乗り
上げるので、弾性変形部５３が押圧力を受けて弾性変形
して、同図（ｄ）における下方向に撓む。すると、係止
突部５３ｃがボディ６の内側の所定位置に設けた係止凹
部６１に係止してスライダーがスライドしないようにす
るので、メモリカード２がそれ以上、挿入できないよう
になる。

【００２２】一方、図３に示すように、メモリカード２
は、その装着方向が正しいときは、傾斜面部２１が当接
部５２に当接して弾性変形部５３には当接しない。する
と、係止突部５３ｃが係止凹部６１に係止しないため、
スライダー５がスライドして、メモリカード２がメモリ
カード用ソケット１に滞りなく装着されることとなる。

【００２３】上記構成によれば、メモリカード２の装着
方向が誤っているときには、メモリカード２がスライダ
ーに当接してもスライドしないようにしているので、メ
モリカード２の装着方向が誤りにくいものとなる。その
結果、メモリカード２が円滑に装着できるものとなる。
また、弾性変形部５３は、合成樹脂成形品によってスラ
イダー５と一体的に形成しているので、部品点数が増加
することがない。

【００２４】なお、上述した実施の形態では、係止突部
５３ｃが係止する係止凹部は、ボディ６の内側の所定位
置に設けて、弾性変形部５３が図２（ｄ）における下方
向に撓んで係止凹部６１に係止するようにしているが、
係止凹部は、シェル７の内側の所定位置に設けて、弾性
変形部５３が図２（ｄ）における下方向に撓んで係止す
るようにしてもよい。この場合、傾斜面５３ｂは図１に
おける下側に設けるとともに、係止突部５３ｃは同図に
おける上側に設けるようにすればよい。

【００２５】また、上述した実施の形態では、弾性変形
部５３は、スライダー５と一体的に形成しているが、ス
ライダー５と別体のものとし、連結部５３ａにおいてス
ライダー本体部５１に圧入して固着してもよい。この場
合、弾性変形部５３は、スライダー５と別個に製造する
ことができるので、所定の形状に加工するのが容易にな
る。

【００２６】また、弾性変形部５３は、スライダー５と
一体的に形成した金属製のもの、或いはスライダー５と
別体の金属製のものにすることもできる。こうすると、
メモリカード２を繰り返して抜き差ししても、弾性変形
部５３が摩耗しにくいものとなる。

【００２７】

【発明の効果】請求項１に係る発明のメモリカード用ソ
ケットは、スライダーが弾性変形部を備え、その弾性変
形部の先端側に傾斜面及び係止突部を設けて、メモリカ
ードの装着方向を誤って挿入したときに、角部が傾斜面
に当接して乗り上げ、弾性変形部が押圧力を受けて弾性
変形して撓んで、係止突部がハウジングの内側の所定位
置に設けた係止凹部に係止してスライダーがスライドし
ないようにして、メモリカードがそれ以上、挿入できな
いようにしているため、メモリカードの装着方向が誤り
にくいものとなるので、メモリカードが円滑に装着でき
るものとなる。。

【００２８】請求項２に係る発明のメモリカード用ソケ
ットは、請求項１の構成において、弾性変形部は、スラ
イダーと別体のものとし、連結部においてスライダー本
体部に固着しているので、弾性変形部が、スライダーと
別個に製造することができて所定の形状に加工するのが
容易になる。

【００２９】請求項３に係る発明のメモリカード用ソケ
ットは、請求項１又は２の構成において、弾性変形部を
金属製のものにしているので、メモリカード２を繰り返
して抜き差ししても、弾性変形部が摩耗しにくいものと
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るメモリカード用ソケットの特徴部
分であるスライダーの要部斜視図である。

【図２】同上のスライダーにメモリカードの角部が当接
するときの状態を示した要部上面図及び要部略断面図で
ある。

【図３】同上のスライダーにメモリカードの傾斜面部が
当接するときの状態を示した要部上面図である。

【図４】メモリカードとメモリカード用ソケットとの関
係を示す斜視図である。

【図５】メモリカード用ソケットのシェルを取り外した
状態を示す平面図である。

【図６】メモリカード用ソケットを示す分解斜視図であ
る。

【図７】従来のスライダーにメモリカードが当接すると
きの状態を示した要部上面図である。

【符号の説明】

１ メモリカード用ソケット ２ メモリカード ２１ メモリカードの傾斜面部 ２２ メモリカードの角部 ３ ハウジング ４ コンタクト ５ スライダー ５１ スライダー本体部 ５２ スライダーの当接部 ５３ 弾性変形部 ５３ａ 連結部 ５３ｂ 傾斜面 ５３ｃ 係止突部 ５４ａ，５４ｂ 連結部が存在しない部分に設けた所
定の空間 ６１ 係止凹部

フロントページの続き Ｆターム(参考） 5B058 CA03 CA13 KA12 KA24 5E021 FB05 FB18 FC09 FC30 FC31 FC36 FC38 HC09 HC36 HC37 KA05 5E023 AA21 BB19 DD19 GG07 GG09 HH19 HH24

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略平板状をなし一端縁の角部を切り欠い
   て形成される傾斜面部を有したメモリカードがスライド
   して挿抜されると共にメモリカードに設けた接続端子に
   接触する複数本のコンタクトを保持したハウジングと、
   メモリカードの傾斜面部に当接する当接部を有しメモリ
   カードの当接に伴ってハウジングに対してスライドする
   スライダーと、を備えたメモリカード用ソケットにおい
   て、 前記ハウジングの内側の所定位置に係止凹部を設け、前
   記スライダーは、スライダー本体部から一体的に連設さ
   れ所定の長さを有する弾性変形可能な弾性変形部を備
   え、弾性変形部の基端側に連結部を設け、連結部が存在
   しない部分は所定の空間を存在させると共に、弾性変形
   部の先端側の一部に傾斜面及び延伸方向における傾斜面
   の反対側に係止突部を設け、メモリカードの角部がスラ
   イダーに当接する方向から挿入されて前記傾斜面に当接
   して乗り上げる押圧力を受けて弾性変形部が弾性変形
   し、前記係止突部が前記係止凹部に係止することを特徴
   とするメモリカード用ソケット。
2. 【請求項２】 前記弾性変形部は、前記スライダーと別
   体のものとし、連結部においてスライダー本体部に固着
   した請求項１記載のメモリカード用ソケット。
3. 【請求項３】 前記弾性変形部は、金属製であることを
   特徴とする請求項１又は２記載のメモリカード用ソケッ
   ト。