JP2003240115A - ギヤ段判定装置 - Google Patents

ギヤ段判定装置

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JP2003240115A JP2002039119A JP2002039119A JP2003240115A JP 2003240115 A JP2003240115 A JP 2003240115A JP 2002039119 A JP2002039119 A JP 2002039119A JP 2002039119 A JP2002039119 A JP 2002039119A JP 2003240115 A JP2003240115 A JP 2003240115A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギヤ段を判定する前に、メータギヤ比に基づ
く変速機のデータを自動的に学習することができるギヤ
段判定装置を提供する。 【解決手段】 変速機T/Mの出力軸9にメータギヤ3
2を介して連結された車速センサ21と、上記変速機T
/Mの入力軸の回転を検出する変速機回転センサ20
と、これらセンサ21,20からのパルスが入力される
共に、センサ21が単位数パルス入力されたときのセン
サ20のパルス数をカウントして現在のギヤ段を決定す
るECU16とを備え、そのECU16に、上記変速機
T/Mの各ギヤ段のギヤ比と複数のメータギヤ32のギ
ヤ比とに基づく上記センサ20のパルス数のデータを予
めマップとして記憶させ、そのマップからメータギヤ3
2のギヤ比を特定した後、その特定したメータギヤ比に
対応した上記カウント値のデータのマップから現ギヤ段
を判定するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の変速機のギ
ヤ段ないしギヤ位置をギヤポジションセンサによらずに
間接的に検出するギヤ段判定装置に係り、特に変速機の
種類やドリブンギヤに応じたマップを予め記憶させ、そ
のマップからメータギヤ比を学習してギヤ段を検出でき
るギヤ段判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、エンジンと変速機との間
にロックアップ可能な流体継手(トルクコンバータを含
む)と摩擦型変速クラッチとを直列に設け、変速時に変
速クラッチを自動的に断接する車両の動力伝達装置を新
たに開発した。この場合、変速時にあって、ギヤ抜き開
始と同時にクラッチが自動断され、ギヤインと同時にク
ラッチが自動接される。
【0003】このように、変速機の変速操作あるいはギ
ヤ段位置に応じてクラッチの制御が行われるため、また
クラッチ断接制御方法(具体的には断接速度、断接量
等)がギヤ段毎に変えられることがあるため、変速機に
はそのギヤ段を検出するギヤポジションセンサが設けら
れる。しかし、ギヤポジションセンサのみでギヤ段を検
出すると、このセンサの故障時にクラッチ制御が不可能
となるなどの不具合があり、フェールセーフ上問題とな
る。そこでこのバックアップとして、特開平4−171
353号公報に示されるように、車速センサとインプッ
トシャフト回転センサとの出力を利用して現在のギヤ段
を割り出す方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、当該公報の技
術だと、各々のセンサの出力を単位時間当たりの回転数
即ち回転速度に換算して所定の演算を行うため、図13
に示すように、比較的高い車速のときの領域(B)での
ギヤ位置判定には問題ないものの、比較的低い車速のと
きの領域(A)でのギヤ位置判定には、変速機回転数が
近い値となり、ギヤ段の誤判定を起こす虞がある。
【0005】そこで、詳細は後述するが、本発明者等
は、車速センサの所要回転当たりのTM回転センサのパ
ルス数をカウントすることにより、精度よくギヤ段を推
定する方法を新たに創案した。
【0006】しかしながら、このギヤ段推定には、変速
機の各段のT/Mギヤ比の他に、車速センサで回転を検
出するためのスピードメータドライブギヤとスピードメ
ータドリブンギヤのギヤ比も予め分かっていなければな
らないため、車両や変速機が複数あり、これに応じてス
ピードメータドライブギヤとスピードメータドリブンギ
ヤのギヤ比が複数ある場合は、実際のメータギヤ比に対
応した全てのデータを、予め工場出荷時等にコントロー
ラに入力する必要があり、その種類毎の入力に多大な労
力を必要とする問題がある。
【0007】そこで、以上の問題に鑑みて本発明は創案
され、その目的は、ギヤ段を判定する前に、メータギヤ
比に基づく変速機のデータを自動的に学習することがで
きるギヤ段判定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、変速機の出力軸にメータギヤを
介して回転駆動され、その出力軸の回転位相に応じた数
のパルスを発生させる車速センサと、上記変速機の入力
軸の回転位相に応じた数のパルスを発生させる変速機回
転センサと、これらセンサからそれぞれ発生されたパル
スが入力されると共に、一方のパルスを単位数カウント
したときの他方のパルス数をカウントし、そのカウント
された他方のパルス数から現在のギヤ段を決定するギヤ
段決定手段とを備え、そのギヤ段決定手段に、上記変速
機の各ギヤ段のギヤ比と複数のメータギヤのギヤ比とに
基づく上記他方のパルス数のカウント値のデータを予め
マップとして記憶させ、そのマップから変速機に組み込
まれたメータギヤのギヤ比を特定した後、その特定した
メータギヤ比に対応した上記カウント値のデータのマッ
プから現ギヤ段を判定するようにしたギヤ段判定装置で
ある。
【0009】請求項2の発明は、マップには、車速セン
サが単位数パルスを発生したときの変速機回転センサの
変速機パルス数が、変速機のギヤ段毎に記憶されると共
に、その各変速機パルス数が、メータギヤのギヤ比に応
じて、変速機パルス数を変速機のギヤ比を割った値(N
d)ごとに記憶される請求項1記載のギヤ段判定装置で
ある。
【0010】請求項3の発明は、変速機回転センサから
入力される変速機パルス数を、現在のギヤ段のギヤ比で
割ってNd値を求め、そのNd値からメータギヤ比を判
定し、その判定したメータギヤ比に対応したマップから
現ギヤ段を判定する請求項2記載のギヤ段判定装置であ
る。
【0011】請求項4の発明は、車速センサと上記ギヤ
段決定手段間には、タイヤ動半径、ファイナルギヤ比等
の相違に基づいて車速センサの信号を補正するパルス整
合器が接続され、ギヤ決定手段にはそのパルス整合器で
補正された車速センサと補正係数(α)が入力され、メ
ータギヤ比と現ギヤ段の判定は、変速機パルス数に補正
係数(α)を乗算してマップからメータギヤ比と現ギヤ
段を判定する請求項3記載のギヤ段判定装置である。
【0012】請求項5の発明は、マップには、変速機の
ギヤ比が所定の段で相違し、他の段が一致する、種類が
複数の変速機の変速機パルス数データが記憶され、先ず
他の段にギヤがあるときのメータギヤ比を判定し、その
後、所定の段での変速機パルス数から変速機のタイプを
判定し、その判定したタイプのマップを用いて現ギヤ段
を判定する請求項3記載のギヤ段判定装置である。
【0013】請求項6の発明は、マップからメータギヤ
比を判定した後、ギヤ段決定手段は、そのメータギヤ比
に基づくマップを学習したことをあらわすフラッグを立
て、フラッグが立っているときにのみギヤポジションセ
ンサの故障判定を行う請求項1〜5いずれかに記載のギ
ヤ段判定装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態を添
付図面に基いて説明する。
【0015】図1は本発明が適用される車両の動力伝達
装置を示す。図示するように、エンジンEと変速機T/
Mとの間にクラッチ機構1が設けられ、クラッチ機構1
は動力伝達方向上流側に設けられた流体継手(フルード
カップリング)2と、その下流側に直列に設けられた摩
擦型クラッチ、本実施形態では湿式多板クラッチからな
る変速クラッチ3とからなっている。なおここでいう流
体継手とはトルクコンバータを含む広い概念であり、現
に本実施形態においてもトルクコンバータを用いてい
る。本装置が適用される車両はトラック等の比較的大型
の車両である。エンジンEはディーゼルエンジンであ
る。
【0016】流体継手2は、エンジンの出力軸(クラン
ク軸)に接続されたポンプ4と、ポンプ4に対向されク
ラッチ3の入力側に接続されたタービン5と、タービン
5とポンプ4との間に介設されたステータ6とを有す
る。そして流体継手2と並列してロックアップクラッチ
7が設けられ、これはポンプ4とタービン5との断接を
行って流体継手2をロックアップ可能とする。変速クラ
ッチ3は、その入力側が入力軸3aを介してタービン5
に接続され、出力側が変速機T/Mのインプットシャフ
ト8に接続され、流体継手2と変速機T/Mとの間を断
接する。
【0017】変速機T/Mは、インプットシャフト(入
力軸)8と、これと同軸に配置されたアウトプットシャ
フト(出力軸)9と、これらに平行に配置されたカウン
タシャフト(副軸)10とを有する。インプットシャフ
ト8には、入力主ギヤ11が設けられている。アウトプ
ットシャフト9には、1速主ギヤM1と、2速主ギヤM
2と、3速主ギヤM3と、4速主ギヤM4と、リバース
主ギヤMRとが夫々軸支されていると共に、6速主ギヤ
M6が固設されている。カウンタシャフト10には、入
力主ギヤ11に噛合する入力副ギヤ12と、1速主ギヤ
M1に噛合する1速副ギヤC1と、2速主ギヤM2に噛
合する2速副ギヤC2と、3速主ギヤM3に噛合する3
速副ギヤC3と、4速主ギヤM4に噛合する4速副ギヤ
C4と、リバース主ギヤMRにアイドルギヤIRを介し
て噛合するリバース副ギヤCRとが固設されていると共
に、6速主ギヤM6に噛合する6速副ギヤC6が軸支さ
れている。
【0018】この変速機T/Mによれば、アウトプット
シャフト9に固定されたハブH/R1にスプライン噛合
されたスリーブS/R1を、リバース主ギヤMRのドグ
DRにスプライン噛合すると、アウトプットシャフト9
がリバース回転し、上記スリーブS/R1を1速主ギヤ
M1のドグD1にスプライン噛合すると、アウトプット
シャフト9が1速相当で回転する。そして、アウトプッ
トシャフト9に固定されたハブH/23にスプライン噛
合されたスリーブS/23を、2速主ギヤM2のドグD
2にスプライン噛合すると、アウトプットシャフト9が
2速相当で回転し、上記スリーブS/23を3速主ギヤ
M3のドグD3にスプライン噛合すると、アウトプット
シャフト9が3速相当で回転する。
【0019】そして、アウトプットシャフト9に固定さ
れたハブH/45にスプライン噛合されたスリーブS/
45を、4速主ギヤM4のドグD4にスプライン噛合す
ると、アウトプットシャフト9が4速相当で回転し、上
記スリーブS/45を入力主ギヤ11のドグD5にスプ
ライン噛合すると、アウトプットシャフト9が5速相当
(直結)で回転する。そして、カウンタシャフト10に
固定されたハブH6にスプライン噛合されたスリーブS
6を、6速副ギヤC6のドグD6にスプライン噛合する
と、アウトプットシャフト9が6速相当で回転する。上
記各スリーブは、図示しないシフトフォークおよびシフ
トロッドを介して、運転室内のシフトレバーによってド
ライバによりマニュアル操作される。つまり変速機T/
Mはマニュアル式である。
【0020】変速クラッチ3は通常の湿式多板クラッチ
の構成である。即ち、図示省略するが、オイルが満たさ
れたクラッチケーシング内で、入力側と出力側とにそれ
ぞれ複数枚ずつ互い違いにクラッチプレートがスプライ
ン噛合され、これらクラッチプレート同士をクラッチピ
ストンにより押し付け合い、或いは解放して、クラッチ
の接続・分断を行うものである。図2を参照して、クラ
ッチピストン27はクラッチスプリング28により常に
断側に付勢されると共に、これを上回る油圧がクラッチ
ピストン27に付加されたときクラッチ3が締結され
る。クラッチ締結力ないしクラッチのトルク容量は与え
られる油圧に応じて増大される。
【0021】次に、変速クラッチ3に作動油圧を供給す
るための油圧供給装置について説明する。図2に示すよ
うに、オイルタンク13のオイルがろ過器14を介して
油圧ポンプOPにより吸引吐出されると共に、その吐出
圧がリリーフバルブ15により調整され、一定のライン
圧PLが作られる。このライン圧PLのオイルを圧力制
御ないし減圧制御してクラッチ3に送り込むわけだが、
このためクラッチコントロールバルブCCVとクラッチ
ソレノイドバルブCSVという二つのバルブを用いてい
る。即ち、メインの油圧ラインに接続されたクラッチコ
ントロールバルブCCVを、クラッチソレノイドバルブ
CSVから送られてくるパイロット油圧Ppに応じて開
閉させるという、パイロット操作型油圧制御方式を採用
している。そしてパイロット油圧Ppの大きさが、電子
コントロールユニット(以下ECUという)16から出
力されるディーティパルスに応じて変化される。
【0022】即ち、クラッチソレノイドバルブCSVは
電磁ソレノイドを有した電磁弁であり、ECU16から
出力されるディーティパルス信号のON/OFFに応じ
て開閉すると共に、常にライン圧PLが供給されてい
る。そしてディーティパルスのデューティ(デューティ
比)Dに応じたパイロット油圧Ppを出力する。
【0023】クラッチコントロールバルブCCVは、パ
イロット油圧Ppに基づき無段階で制御されるスプール
弁であり、これ自体は電子制御されない。即ちパイロッ
ト油圧Ppの大きさに応じて内蔵スプールを開放側にス
トロークさせ、これによりライン圧PLを適宜調整しク
ラッチ圧Pcとしてクラッチ3に送り込む。こうして、
結果的に、クラッチ3に供給される油圧がECU16に
よりデューティ制御されることとなる。
【0024】なお、クラッチソレノイドバルブCSVと
クラッチコントロールバルブCCVとを結ぶ経路の途中
にアキュムレータ17が設けられる。
【0025】また、本実施形態にはロックアップクラッ
チ7の制御系も存在するが、ここでは本発明に直接関係
ないため説明を省略する。その油圧制御系の構成は変速
クラッチ3の油圧制御系と大略同様である。
【0026】次に、動力伝達装置を電子制御するための
電子制御装置を図3を用いて説明する。
【0027】前述のECU16にはクラッチソレノイド
バルブCSVの他、本装置を電子制御するために様々な
スイッチやセンサが接続されている。
【0028】これにはエンジン回転速度(具体的には回
転数、以下同様)を検出するためのエンジン回転センサ
18、クラッチ3の入力側の回転速度即ちタービン5の
回転速度を検出するためのタービン回転センサ19、変
速機T/Mの回転速度、代表的には入力副ギヤ12の回
転速度を検出するための変速機回転センサ20、及び車
速を検出するための車速センサ21が含まれる。これら
のセンサは図1にも示される。特にECU16は変速機
回転センサ20の出力と、入力主ギヤ11及び入力副ギ
ヤ12のギヤ比とから、インプットシャフト8の回転速
度を計算し、これをクラッチ3の出力側回転速度及び変
速機T/Mの入力軸側回転速度とする。また、ECU1
6には、パーキングブレーキが作動中か否かを検出する
ためのパーキングブレーキスイッチ22、フットブレー
キが作動中か否かを検出するためのフットブレーキスイ
ッチ23、及び変速機のギヤポジションを検出するため
のギヤポジションセンサ24も接続される。
【0029】そしてECU16にはノブスイッチ25も
接続されている。即ち、本実施形態ではドライバーによ
る変速操作の開始時期を検出するため、或いはクラッチ
断を開始するタイミングを決定するため、運転室のシフ
トレバーにおいて、レバーに対しシフトノブが僅かにシ
フト方向に揺動可能に取り付けられており、これらレバ
ーとシフトノブとの間にノブスイッチ25が設けられて
いる。そしてドライバーによる変速操作時、レバーの動
作に先立ってシフトノブが揺動すると、ノブスイッチ2
5がONとなり、これを合図にクラッチ断を開始するよう
になっている。具体的構成は特開平11−236931
号公報に示されたものと同様である。
【0030】また、本実施形態の動力伝達装置には、同
公報に示されたような坂道発進補助装置(HSA;Hill Star
t Aid)が設けられており、その装置の手動ON/OFFを行う
ため運転室にHSAスイッチ26が設けられ、HSAス
イッチ26がECU16に接続されている。
【0031】次に、本実施形態に係る動力伝達装置の作
動及び制御方法を説明する。
【0032】この動力伝達装置では、エンジンEの動力
を流体継手2、変速クラッチ3、変速機T/Mという順
で伝達する。ロックアップクラッチ7は原則として発進
後は常にON(接)され、停車時及び発進時にOFF(断)
される。従って発進時はAT車のように流体継手2のク
リープを利用でき、摩擦クラッチを電子的に発進制御す
るものに比べ制御が簡単になると共に、走行中は流体継
手2がロックアップされるのでスリップによるロスを防
止できる。変速クラッチ3は変速の度毎に自動で断接さ
れる。これは通常のMT車と同様である。
【0033】ここでロックアップクラッチ7の断接制御
について詳しく述べると、ロックアップクラッチ7は比
較的低車速である所定速度(本実施形態では約10km/h)
以上で接とされる。正確には、ロックアップクラッチ接
は、各ギヤ段においてインプットシャフト回転数が所定
回転数(本実施形態では一律900rpm)以上に達すると接
とされる。発進段(例えば多用される発進段である2
速)で発進し、インプットシャフト回転数がその所定回
転数(900rpm)に達すると、ロックアップクラッチが接
とされ、このときの車速が低車速(約10km/h)である。
【0034】まず、車両発進時の作動、即ちガレージシ
フトの場合を説明する。車両がギヤニュートラル且つブ
レーキ(フットブレーキ及びパーキングブレーキのいず
れをも含む)作動状態で停止中、ドライバーが発進しよ
うとしてシフトレバーを発進段に操作しようとしたとす
る。するとシフトレバーにおいて、レバーの動作に先立
ってシフトノブが揺動することによりノブスイッチ25
がONされ、これを合図にクラッチ3が自動で分断され
る。そして引き続きシフトレバーが操作されることによ
って変速機T/Mが発進段にギヤインされ、これがギヤ
ポジションセンサ24によって検出されるとクラッチ3
が自動で接続される。この接続によってタービン5が駆
動輪側から止められるので、タービン5に対しポンプ4
が滑動し、クリープ力が発生するようになる。従って後
はブレーキを離したりアクセルを踏み込んだりすれば車
両が動き出すのである。
【0035】次に、車両走行中の変速時の作動、即ちシ
フトアップ又はダウンの場合を説明する。車両が所定ギ
ヤ段で走行中、ドライバーが変速しようとしてシフトレ
バーを次の変速段に操作しようとしたとする。するとレ
バーの動作に先立ってシフトノブが揺動し、ノブスイッ
チ25がONされ、これを合図にクラッチ3が自動で分断
される。そして引き続きシフトレバーが操作されること
によって変速機T/Mが次の変速段にギヤインされ、こ
れがギヤポジションセンサ24によって検出されるとク
ラッチ3が自動で接続される。これによって変速が完了
する。この変速中ロックアップクラッチ7はONのまま
で、エンジン動力がそのままクラッチ3に伝達される。
【0036】次に、このような車両の動力伝達装置に適
用された、本発明に関わるギヤ段検出装置を説明する。
【0037】上記動力伝達装置では、ギヤインと同時に
クラッチ接を開始したり、シフトアップ・シフトダウン
の判別を行ったりするので、変速機のギヤ段ないしギヤ
位置を常時検出するようになっている。そしてこの検出
は原則として上記ギヤポジションセンサ24(図3参
照)によって行われる。
【0038】図12にギヤポジションセンサ24の詳細
を示す。R,1,2・・・はリバース、1速、2速・・
・を意味し、シフトレバーが図示の如きHパターンに沿
って移動される。ギヤポジションセンサ24は、シフト
レバーに連動する部材のシフト方向のストロークを検出
するシフトストロークセンサ31と、当該部材のセレク
ト方向の位置を検出する二つのセレクトスイッチSW
1,SW2とから構成される。一方のセレクトスイッチ
SW1はリバース及び1速相当のセレクト位置に設けら
れ、その位置でONとなる。他方のセレクトスイッチS
W2は4速及び5速相当のセレクト位置に設けられ、そ
の位置でONとなるが、この他6速相当のセレクト位置
でもONとなる。例えば、シフトストロークセンサ31
がシフト方向最前列の位置(リバース、2速、4速又は
6速相当の位置)を示す場合において、セレクトスイッ
チSW1がOFF、セレクトスイッチSW2がOFFな
ら現在のギヤ段は2速であると判定できる。なお4速か
6速かどうかはセレクトスイッチSW2によって判別で
きないので、後述のギヤ段検出装置により判別すること
になる。なお、ギヤポジションセンサ24の形態は上記
以外にも様々なものが可能である。
【0039】ところで、ギヤポジションセンサ24に断
線やショート等の故障が発生すると、ギヤが現在どの位
置に入っているかが判別できなくなり、クラッチ制御等
に支障をきたしてしまう。
【0040】そこで、このバックアップとして、本実施
形態ではギヤポジションセンサ24によらずとも変速機
のギヤ段を間接的に検出ないし推定する装置が設けられ
ている。以下これについて詳細に説明する。
【0041】かかるギヤ段検出装置は、変速機の回転作
動中に、車速センサ21と変速機回転センサ20とから
それぞれ発生する回転パルスを利用して現在のギヤ段を
判別するものである。その構成を図4に示し、前記と同
一の要素については同一の符号を付す。
【0042】図示するように、本装置は、前記変速機T
/M、車速センサ21、変速機回転センサ22及びギヤ
段決定手段としてのECU16から主に構成される。車
速センサ21は、その回転軸31が、メータギヤ32を
介してアウトプットシャフト9により回転駆動される。
メータギヤ32は、図1では簡略化されているが、詳細
には図4に示される如くアウトプットシャフト9に固定
されたメータドライブギヤ33と、これに噛合され回転
軸31に固定されるメータドリブンギヤ34とからな
る。車速センサ21は、回転軸31の等位相間隔毎にパ
ルス信号を発生し、回転軸31の1回転当たりに所定数
(本実施形態では25個)のパルス信号を発生する。こ
のパルス信号はECU16に直接入力される。回転軸3
1がアウトプットシャフト9に連動するので、結局車速
センサ21は、アウトプットシャフト(出力軸)9の回
転位相に応じた数のパルス信号を発生させる出力軸側パ
ルス発生手段を構成する。
【0043】一方、変速機回転センサ20は、これに対
向する入力副ギヤ12の歯が通過する毎にパルス信号を
発生し、このパルス信号をECU16に直接入力する。
入力副ギヤ12がインプットシャフト8に連動するの
で、結局変速機回転センサ20は、インプットシャフト
(入力軸)8の回転位相に応じた数のパルス信号を発生
させる入力軸側パルス発生手段を構成する。
【0044】この図4においては、車速が60Km/h
のときに637rpmで回転に相当するような車速パル
スが車速センサ21からECU16に入力されるよう
に、メータギヤ32のギヤ比が予め定められている。具
体的には、タイヤ動半径や種々のバリエーションに応じ
てメータドリブンギヤ34の組み替えが工場出荷時等に
行われる。
【0045】以上の場合が、車速センサ21のパルスが
ダイレクトにECU16に入力されるタイプAである
が、この他に、図5に示すタイプBの場合には、タイヤ
動半径とファイナルギヤ比等に応じて車速信号を補正す
るために、車速センサ21の下流にパルス整合器35を
接続し、60km/h=637rpm相当のパルスがE
CUに入力される共にその補正係数αがECU16に入
力される。この場合、メータギヤのギヤ比は、一定に固
定され、工場出荷時等にパルス整合器35が適宜調整さ
れ、αが決定される。
【0046】次に、図4、図5における変速機回転セン
サ20の出力信号から現ギヤ段を推定する方法を説明す
る。
【0047】先ず、車速センサ21と変速機回転センサ
20の信号出力からギヤ段を推定する例を、図4のタイ
プAで、かつスピードメータギヤ比(Zd2/Zd1=10
/4)の場合で説明する。
【0048】さて、図4は、実際にギヤが4速に入って
いる場合の例を示す。この変速機では、5速のときに、
減速比が1で、入力主ギヤ11の歯数がZM5、入力副
ギヤ12の歯数がZC5、4速主ギヤM4の歯数ZM
4、4速副ギヤC4の歯数ZC4である。
【0049】この図4で、車速センサ21の回転軸31
が1回転するときのインプットシャフト回転数Niは次
式(1)により求められる。
【0050】
【数1】
【0051】なおメータギヤ32のギヤ比GR(m)を
【0052】
【数2】
【0053】とし、4速のギヤ比即ち減速比GR(4)
を下記(4)式、
【0054】
【数3】
【0055】とする。
【0056】今、(1)式の両辺に入力主ギヤ11の歯
数ZM5を乗じると、車速センサ21の回転軸31が1
回転する間即ち車速センサ21が25パルス発生する間
に、変速機回転センサ20から発生する変速機パルス数
PTMが算出できる(入力主ギヤ11の通過歯数=入力
副ギヤ12の通過歯数なので)。即ち、
【0057】
【数4】
【0058】基本的にはこの(2)式に従えばギヤ段を
判定できる。即ち、(2)式における各ギヤ段のギヤ比
GR(1),GR(2),GR(3),・・・と、メー
タギヤ32のギヤ比GR(m)と、入力主ギヤ11の歯
数ZM5と、車速センサ21からの25個のパルスをカ
ウントしたときの変速機回転センサ20から発生された
変速機パルス数PTMをカウント値(変速機パルス数P
TM)と、上記メータギヤのギヤ比GR(m)及び入力
主ギヤ11の歯数ZM5とを(2)式に代入し、その上
で(2)式に各ギヤ段のギヤ比GR(1),GR
(2),GR(3),・・・を順次代入していく。そし
て(2)式がほぼ成立したギヤ段が現在のギヤ段とな
る。
【0059】しかしながら、本実施形態ではECU16
における内部処理を簡単化するため、以下のような処理
を行っている。(2)式の両辺をギヤ比GR(4)で割
ると、
【0060】
【数5】
【0061】となる。
【0062】つまり、変速機パルス数PTMをギヤ比で
割った値はギヤ段に拘わらず一定値Ndとなるのであ
る。そこで、ECU16にはこの一定値Ndと、各ギヤ
段のギヤ比GR(1),GR(2),GR(3),・・
・のみを予め記憶しておく。そしてギヤ段の検出に際し
ては、ECU16において、車速センサ21からの25
個のパルスをカウントする間の変速機回転センサ20か
らの変速機パルス数PTMをカウントし、このカウント
された変速機パルス数PTMと上記一定値Ndとを
(3)式に代入し、その上で(3)式に各ギヤ段のギヤ
比GR(1),GR(2),GR(3),・・・を順次
代入していき、(3)式がほぼ成立したギヤ段を現在の
ギヤ段として決定できる。
【0063】なお、実測値としての変速機パルス数PT
Mを現在のギヤ段のギヤ比で割っても理論上の一定値N
dには正確に一致しないことがある。よってその除算に
よって得られた値が一定値Ndに略一致したとき、例え
ば一定値Ndに対しその数%以内に入っているとき
(3)式成立とする。これが「ほぼ成立」の意味であ
る。また、逆に(3)式を基にNdが既知であり、他の
変速段を推定するには、カウントされた変速機パルス数
PTMを一定値Ndで割ってギヤ比を算出し、このギヤ
比から、他のギヤ段が推定できる。尚、この計算でも前
記同様に除算によって得られた値が現在のギヤ段のギヤ
比に正確に一致しないことがあるので、そのギヤ比に略
一致、例えばそのギヤ比に対し数%以内に入っていると
き、そのギヤ比に対応したギヤ段を現在のギヤ段として
もよい。
【0064】ここで、図4を基に、具体値を挙げて説明
する。
【0065】図4で、例えばメータドライブギヤ33の
歯数Zd1=4、メータドリブンギヤ34の歯数Zd2
=10、入力主ギヤ11の歯数ZM5=28、4速主ギ
ヤM4の歯数ZM4=30、4速副ギヤの歯数ZC4=
38とする。
【0066】この場合、4速の減速比は、(4)式よ
り、GR(4)=30/38 × 46/28 ≒1.
297となる。
【0067】このとき(3)式の左辺=10/4×28
=70となる。そこでこの70という値を一定値Ndと
してECU16に記憶しておく。
【0068】そこで、実測された変速機回転センサ20
のパルス数PTM(4速の場合70パルス)をNdで割
り、その値にほぼ一致するギヤ比を検索する。この例で
はGR(4)=1.297にほぼ一致するはずなので、
現ギヤ段は4速と判定できる。
【0069】次に、変速機T/Mが、タイプBの場合を
図5により説明する。
【0070】このタイプBはパルス整合器35が車速セ
ンサ21の下流側に接続され、車速センサ21のパルス
が補正係数αで補正されてECU16に入力される他
は、図4のEタイプと基本的には同じであるが、変速機
回転センサ20と車速センサ21との関係で見れば、補
正係数αがある分、ECU16に入力されるパルス数は
違ってくる。
【0071】このパルス整合器35は、タイヤ動半径や
ファイナルギヤ比等のバリエーションが比較的多い車型
については、工場出荷時のメータドリブンギヤ34の組
み替え数が膨大になり大変となるため、この組み替えを
行わない或いは少なくするためにパルス整合器35を調
整し、これにより車速パルスの時間間隔を調整し、EC
U16には車速60km/hのとき637rpmに相当
する車速パルスが入力されるようにしている。
【0072】補正係数αは通常0.8〜1.2の範囲で
可変であるが、パルス整合器35が調整された後は一定
値に固定される。パルス整合器35への1の入力に対し
その出力はαとなり、入力が25パルスだとするとその
出力は25αパルスとなる。設定後のαの値はECU1
6に送られて記憶される。
【0073】この場合(2)式は以下のように変形でき
る。
【0074】
【数6】
【0075】従って、両辺をギヤ比GR(4)で割った
値も一定値となり、この一定値をNdとすると(3)式
は以下のように改められる。
【0076】
【数7】
【0077】従って、前記同様、(2)’式を用いて第
一の方法によりギヤ段を決定でき、(3)’式を用いる
ことでギヤ段を決定できる。
【0078】以上、現ギヤ段の推定方法を説明したが、
タイプAではメータギヤ32のギヤ比は、種々のものが
あり、具体的には工場出荷時等にメータドリブンギヤ3
4の組み替えが行われる。上記ギヤ段推定方法では、ド
リブンギヤ34の歯数Zd2が判らないと、ギヤ段検出
できないため、工場出荷時等に、ドリブンギヤ歯数の学
習、ひいてはメータギヤ比の学習を行う必要がある。本
発明においては、ギヤ段を推定するに当たって、ECU
16に変速機のタイプ毎のギヤ比と、そのタイプにおけ
るスピードメータギヤ比における車速センサ21と変速
機回転センサ20の信号出力を予めマップ化して記憶し
ておき、工場出荷時等に車速センサ21と変速機回転セ
ンサ20の信号出力からマップ中の変速機のタイプとス
ピードメータギヤ比に適合するものを学習しながら決定
すると共にそのマップから決定したデータを基にギヤ段
を推定するようにしたものである。
【0079】以下これを説明する。
【0080】図8は、ギヤ段Rev,1st〜6thに
おけるギヤ段の減速比と、メータギヤ比(本例の場合に
は、メータドライブギヤ33の歯数Zd1は、4枚と固
定しているので、ドリブンギヤの歯数(枚数)で、10
〜17枚を示している)における、PTMパルス数(E
CU16に入力された値)とNd値を示している。
【0081】この図8のマップは、(3)式によるNd
値が記憶されており、メータドリブンギヤ34の歯数1
0枚のときには、(3)式より、10/4×28=7
0、11枚のときには、Nd=11/4×28=77、
12枚のときには、Nd=12/4×28=84とな
り、またECU16に記憶されているPTM数も、
(2)式から計算できる。
【0082】そこで、工場出荷時に仮走行を行い、先ず
変速機回転センサ20のカウント値(PTM)を例え
ば、現ギヤ段が4速であれば、その4速の減速比(1.
297)で割ることで、Nd値が求まる。
【0083】このNd値が、70であった場合には、図
8のマップより、ドリブンギヤ枚数10のNd値が70
であるため、ドリブンギヤ枚数10であることが分か
り、また、4速におけるECU16でのPTM値と実際
の変速機回転センサ20のパルス数が一致していれば、
変速機回転センサ20等の故障がなく、ドリブンギヤ1
0枚は正しいことが確認でき、以後はこの選択したマッ
プでギヤ段の推定が行える。
【0084】また、Nd値が77であれば、ドリブンギ
ヤの枚数が11枚であることが分かり、その場合には、
ドリブンギヤ11枚のマップを参照してギヤ段の判定を
行う。
【0085】以下同様にして、Nd値を求め、ドリブン
ギヤの枚数を判定し、その判定に基づいたドリブンギヤ
の枚数に相当するマップを参照することで、メータギヤ
比(ドリブンギヤ枚数)が種々あっても簡単にギヤ段の
判定が行える。
【0086】この図8のマップは、5速の減速比が1.
000の場合のマップであるが、変速機T/Mの変速比
が4速で、1.000の場合には、図9のマップを用い
て行えばよく、要は変速機T/Mの各ギヤ比に応じたマ
ップをECU16に記憶させ、その中から変速機T/M
のタイプに合致するマップを選び、その後ドリブンギア
レシオを求めて使用するマップを決定すればよい。
【0087】また、図8(図9も同様)のマップ中、
「FAIL]で示したのは、ギヤポジションセンサ24
の故障判定を正確に行うために用いるデータである。
【0088】図12に示したギヤポジションセンサ24
のスイッチSW1が断線故障したときには、スイッチS
W1で検出されるRevと1stの検出が不可となり、
シフトストロークセンサ31のデータのみになり、変速
機回転センサのパルス数の演算値と、実際に検出される
変速機回転センサ20からのパルス数と相違する。
【0089】この場合、ギヤポジションセンサ24のギ
ヤ位置判定で得られるギヤ段における変速機回転センサ
におけるパルスの値(入力値)は、Rev、4TH、6
THは、2nd相当、1STと5THは3rd相当のP
TM値となるため、実際に入力される変速機回転センサ
のパルスから求めたNd値が相違するため、この相違し
たNd値を予めマップに入力しておくことで、スイッチ
SW1,SW2の故障が正確に判断できると共に、いず
れのスイッチSW1,W2が故障したのかが診断でき
る。
【0090】次に、図5に示したタイプBの変速機の場
合を説明する。
【0091】この場合のマップは、ECU16に予め補
正係数αの値が入力されるため、ドリブンギヤレシオの
判定は(3)’式のNdにαを乗算した値からメータギ
ヤ比を求め、その求めたメータギヤ比に基づくドリブン
ギヤ枚数に相当するマップを選択すればよい。
【0092】また、ギヤ段の推定は、変速機パルス数P
TMにαを乗算した値と選択したマップからギヤ位置を
判定すればよい。
【0093】さて、図6、図7は、上述したメータギヤ
比の学習とその学習したメータギヤ比を基にギヤ位置を
推定するフローチャートを示したものである。
【0094】先ず、図6のメータギヤ比(本実施の形態
の場合は、ドリブンギヤ枚数)の決定のフローを説明す
ると、制御が開始40され、step1で、メータギヤ
比未学習の有無を判断し、未学習であれば(yes)、
step2で、車速センサパルスから25パルス入力が
完了したかどうかを判断し、25パルスカウントしたな
らば(yes)、step3で、変速機回転センサのパ
ルスカウント数を収得したかどうかを判断し、収得した
ならば(yes)、図8、図9に示したマップ値と変速
機回転センサのTMパルスカウント値より、メータギヤ
比を求める、即ち、ドリブンギヤの枚数を決定42す
る。
【0095】またstep1の判断で、メータギヤ比の
未学習でない、即ち学習が終えたとき(no)は、制御
を終了43する。この際、セレクトスイッチSW1,S
W2の故障診断のときのために、学習済みとして、図
8,図9のいずれかのドリブンギヤの枚数に基づくマッ
プを収得したならば、ECU16に学習済みであるとの
フラッグを立てておく。
【0096】次に、ギヤ段の推定のフローを図7により
説明する。
【0097】制御が開始50され、step4で、メー
タギヤ比の学習済みかどうかを判断し、上述のようにフ
ラッグが立っていれば学習済み(yes)とし、次にs
tep5で、車速センサパルスから25パルス入力が完
了したかどうかを判断し、25パルスカウンとしたなら
ば(yes)、step6で、変速機回転センサのパル
スカウント数を収得したかどうかを判断し、収得したな
らば(yes)、マップ検索+既知のメータギヤ比よ
り、図8,図9で選択したマップからギヤ位置を推定す
る。
【0098】この図7のフローは、走行時、常時行い、
ポジションセンサ24が、故障した場合のギヤ段判定を
行うことが可能となる。
【0099】また、step4で、未学習のとき(n
o)、即ちフラッグが立っていない場合には、セレクト
スイッチのオープン診断とギヤ位置推定を中止53す
る。
【0100】このように、ECU16に予めマップを記
憶させ、車速センサ21から25パルス入力される間の
変速機T/M回転センサ20のパルス数を収得すること
で、その変速機のタイプに応じたマップを選択すること
で、ギヤ段の判定が可能となる。
【0101】上述のメータギヤ比の学習に基づくギヤ段
の推定は、各変速段(Rev,1〜5th、或いは1〜
6th)のギヤ比に対して複数の各メータギヤ比がある
場合の例であるが、変速機自体のバリエーションが複数
あり、所定変速段のギヤ比のみが互いに異なる場合があ
る。例えば、3rdと6thのギヤ比が相違し、その他
のギヤ段のギヤ比が一致している場合の変速機では、上
述の図8、図9に示したフローではマップを学習するこ
とはできない。
【0102】図10は、Cタイプ及びDタイプの2種の
変速機の1〜6thとRevの主ギヤと副ギヤの歯数を
示したもので、Dri(5th、減速比1)、4th、
2nd、1st、Revの主ギヤと副ギヤの歯数は一致
するものの、3rdと6thでは相違するため、2nd
のギヤ位置にあるときにメータドリブンギヤを算出して
も、タイプCとタイプDのいずれかの判別はつかないこ
とになる。
【0103】そこで、この場合、ECU16に、Cタイ
プとDタイプの個々に対応する図8に示したようなマッ
プを2種記憶させ、ギヤ比の相違するギヤ位置3rdの
変速機回転センサのパルス数を判断し、タイプCとタイ
プDのいずれかを判断して、対応するマップを選定する
ようにする。
【0104】この判定のフローチャートを図11により
説明する。
【0105】制御が開始60され、step10で、タ
イプCとタイプDで共通のギヤ比のギヤ段かどうか、例
えばギヤ位置2ndであれば(yes)、step11
で、マップよりメータドリブンギヤ枚数を算出したかど
うかを判断し、算出したならば(yes)、step1
2で、ギヤ位置がギヤ比の異なるギヤ段例えば、3rd
かどうかを判断し、ギヤ位置が3rdであれば、ste
p13で、メータドリブンギヤ枚数を算出し選択したマ
ップ(この場合、例えばタイプCのマップを優先的に選
択するものとする)で、3rdのデータがそのマップの
値と一致するかどうかを判断し、一致していた場合、T
MタイプをタイプCとして確定61し、step13で
一致していない場合(no)には、step14で、タ
イプDのマップを参照し、そのタイプDのマップで合致
するかどうかを判断し、一致していれば(yes)、T
MタイプをDとして確定62し、そのタイプDのマップ
を選択する。
【0106】このフローにおいては、6thのギヤ位置
での判定は示していないが、6thで行ってもよい。
【0107】以上、本発明によれば、センサの出力を時
間要素で割って速度換算した値を用いるのではなく、セ
ンサから出力されるパルスの数自体(所謂パルスの生
値)を用いてギヤ段を推定する際に、ECU16に予め
変速機のギヤ段推定のためのマップを記憶させておき、
工場出荷時等に、先ずメータギヤ比を学習し、本実施の
形態では、ドリブンギヤの枚数を決定し、その後ドリブ
ンギヤの枚数に基づくマップから変速機回転センサのパ
ルス数を基にギヤ位置を判定するので、従来のように、
メータギヤ比毎にECU16に変速機データを入力する
煩雑な作業を無くすことが可能であり、またパルス整合
器を介設する際の補正係数αによる調整も不要となる。
【0108】また、本発明においては、メータギヤ比を
学習し、使用するマップを選択した後は、ECU16内
にフラッグを立て、このフラッグが立っていることを確
認の上、故障診断を行うことで、ギヤポジションセンサ
24の故障時にもギヤ段の検出が正確におこなえる。
【0109】なお、本発明の実施形態は上述のものに限
られない。上記実施形態では自動クラッチとマニュアル
変速機の組合せであったが、クラッチはマニュアルでも
構わないし、変速機も自動であっても構わない。要は、
変速機のギヤ段検出を要するあらゆる装置に本発明は適
用できる。また車両の動力伝達装置以外にも適用できる
ものである。
【0110】上記実施形態では車速パルスの単位数を1
回転(360°位相)相当の25パルスに設定したが、
これは例えば2回転(720°位相)相当、半回転(1
80°位相)相当のように適宜変更できるものである。
【0111】上記実施形態では変速機の出力軸側パルス
(車速パルス)を基準とし、出力軸側パルスが単位数
(25パルス)をカウントしたときの入力軸側パルス数
によりギヤ段を特定したが、これは逆でも良く、入力軸
側パルス(変速機パルス)を基準としてもよい。
【0112】上記実施の形態では入力軸側パルス発生手
段を副軸側に設けた変速機回転センサ20とし、入力副
ギヤ12の通過歯数をカウントしているが、これは入力
軸側に設けたセンサで構成してもよく、入力主ギヤ11
の通過歯数をカウントするようにしてもよい。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ギ
ヤ段判定装置に、予め各ギヤ段のギヤ比と、複数のメー
タギヤ比とに基づく変速機回転センサの変速機パルス数
を記憶させたマップを備えさせておくことで、メータギ
ヤの組み替えの都度、ギヤ段判定装置にデータを入力す
る必要がなく、その後の学習で実際のメータギヤ比を特
定して必要なデータを選択できると共にこれを用いてギ
ヤ段の判定ができるという優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の動力伝達装置を示すスケル
トン図である。
【図2】本発明に係る油圧供給装置を示す油圧回路図で
ある。
【図3】本発明に係る電子制御装置を示す構成図であ
る。
【図4】本発明に係るタイプAの変速機の変速ギヤ段判
定の具体例を示す構成図である。
【図5】本発明に係るタイプBの変速機の変速ギヤ段判
定の具体例を示す構成図である。
【図6】本発明において、メータギヤ比を学習するフロ
ーチャートを示す図である
【図7】本発明において、ギヤ段を判定するフローチャ
ートを示す図である。
【図8】本発明において、ECUに記憶されるマップの
一例を示す詳細図である。
【図9】本発明において、ECUに記憶されるマップの
他の例を示す詳細図である。
【図10】本発明において、特定ギヤ段が相違する変速
機の変速段と歯数の関係を例示した図である。
【図11】図10における変速機のタイプを判定するた
めのフローチャートを示す図である。
【図12】本発明において、ギヤポジションセンサの構
成を示す図である。
【図13】1st〜3rdにおける一般的な車速と変速
機回転速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
8 インプットシャフト 9 アウトプットシャフト 11 入力主ギヤ 16 電子コントロールユニット(ECU) 20 変速機回転センサ 21 車速センサ 32 メータギヤ 35 パルス整合器 GR ギヤ段のギヤ比 GR(m) メータギヤのギヤ比 Nd 一定値 PTM 車速パルス数 T/M 変速機 ZM5 入力主ギヤの歯数 α 補正係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野原 康宏 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 株式会社トランストロン内 (72)発明者 小林 一彦 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 株式会社トランストロン内 Fターム(参考) 3J552 MA04 MA12 NA01 NB01 PB03 QC07 SB22 TA11 VA32W VA37Y VA62W VB01W VC01Z VD11Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機の出力軸にメータギヤを介して回
    転駆動され、その出力軸の回転位相に応じた数のパルス
    を発生させる車速センサと、上記変速機の入力軸の回転
    位相に応じた数のパルスを発生させる変速機回転センサ
    と、これらセンサからそれぞれ発生されたパルスが入力
    されると共に、一方のパルスを単位数カウントしたとき
    の他方のパルス数をカウントし、そのカウントされた他
    方のパルス数から現在のギヤ段を決定するギヤ段決定手
    段とを備え、そのギヤ段決定手段に、上記変速機の各ギ
    ヤ段のギヤ比と複数のメータギヤのギヤ比とに基づく上
    記他方のパルス数のカウント値のデータを予めマップと
    して記憶させ、そのマップから変速機に組み込まれたメ
    ータギヤのギヤ比を特定した後、その特定したメータギ
    ヤ比に対応した上記カウント値のデータのマップから現
    ギヤ段を判定することを特徴とするギヤ段判定装置。
  2. 【請求項2】 マップには、車速センサが単位数パルス
    を発生したときの変速機回転センサの変速機パルス数
    が、変速機のギヤ段毎に記憶されると共に、その各変速
    機パルス数が、メータギヤのギヤ比に応じて、変速機パ
    ルス数を変速機のギヤ比を割った値(Nd)ごとに記憶
    される請求項1記載のギヤ段判定装置。
  3. 【請求項3】 変速機回転センサから入力される変速機
    パルス数を、現在のギヤ段のギヤ比で割ってNd値を求
    め、そのNd値からメータギヤ比を判定し、その判定し
    たメータギヤ比に対応したマップから現ギヤ段を判定す
    る請求項2記載のギヤ段判定装置。
  4. 【請求項4】 車速センサと上記ギヤ段決定手段間に
    は、タイヤ動半径、ファイナルギヤ比等の相違に基づい
    て車速センサの信号を補正するパルス整合器が接続さ
    れ、ギヤ決定手段にはそのパルス整合器で補正された車
    速センサと補正係数(α)が入力され、メータギヤ比と
    現ギヤ段の判定は、変速機パルス数に補正係数(α)を
    乗算してマップからメータギヤ比と現ギヤ段を判定する
    請求項3記載のギヤ段判定装置。
  5. 【請求項5】 マップには、変速機のギヤ比が所定の段
    で相違し、他の段が一致する、種類が複数の変速機の変
    速機パルス数データが記憶され、先ず他の段にギヤがあ
    るときのメータギヤ比を判定し、その後、所定の段での
    変速機パルス数から変速機のタイプを判定し、その判定
    したタイプのマップを用いて現ギヤ段を判定する請求項
    3記載のギヤ段判定装置。
  6. 【請求項6】 マップからメータギヤ比を判定した後、
    ギヤ段決定手段は、そのメータギヤ比に基づくマップを
    学習したことをあらわすフラッグを立て、フラッグが立
    っているときにのみギヤポジションセンサの故障判定を
    行う請求項1〜5いずれかに記載のギヤ段判定装置。
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