JP2003238790A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2003238790A
JP2003238790A JP2002039759A JP2002039759A JP2003238790A JP 2003238790 A JP2003238790 A JP 2003238790A JP 2002039759 A JP2002039759 A JP 2002039759A JP 2002039759 A JP2002039759 A JP 2002039759A JP 2003238790 A JP2003238790 A JP 2003238790A
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JP2002039759A
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Toshio Isozaki
敏夫 磯崎
Yasuhiro Ishikawa
康弘 石川
Tetsuya Inoue
哲也 井上
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明で、高流動且つ流動性と耐衝撃性と
のバランスが優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 末端がモノアルキルフェノールであり、
アルキル基の平均炭素数が18〜30である直鎖状ポリ
カーボネート樹脂及び末端がp−tert−ブチルフェ
ノーエルである直鎖状ポリカーボネート樹脂よりなるポ
リカーボネート樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端がp−ter
t−ブチルフェノール(PTBP)であるポリカーボネ
ート樹脂と耐衝撃性等の物性及び透明性が同等であり、
PTBP末端ポリカーボネート樹脂に比べて流動性(S
FL)と耐衝撃性とのバランスが優れている直鎖状ポリ
カーボネート樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、機械物性(特
に、耐衝撃特性),電気的特性,透明性等に優れている
ことから、エンジニアリングプラスチックとして、OA
機器や電気・電子機器分野,建築分野等の様々な分野に
おいて幅広く利用されている。
【0003】近年、成形品の薄肉化、大型化や成形サイ
クルの向上といった要望に対し、更に流動性の向上が必
要となった。その流動性を改良するために、長鎖アルキ
ルフェノールを末端停止剤として使用することが知られ
ている。例えば、特公昭52−50078号公報の特許
請求の範囲には、アルキル基の炭素数が8〜20のアル
キルフェノール、カルボン酸又は酸ハロゲン化物を末端
停止剤として使用する旨の記載がある。しかしながら、
実施例には、アルキル基の炭素数が9〜17の酸クロラ
イドの記載しかなく、又炭素数が20を超えると、重合
液を水洗する場合、系が乳化して洗浄が困難となるほ
か、得られたポリカーボネート樹脂の熱変形温度が著し
く低下するという問題がある。又、特公平7−2587
1号公報には、炭素数が8〜30のアルキルフェノール
末端ポリカーボネート樹脂の記載がある。しかし、この
アルキルフェノール末端変性ポリカーボネート樹脂は透
明性および流動性は優れているものの、耐衝撃性は著し
く低い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下でなされたもので、透明で、高流動且つ流動性
(SFL)と耐衝撃性とのバランスが優れている直鎖状
ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、末端が長鎖モノ
アルキルフェノールである直鎖状ポリカーボネート樹脂
と末端がPTBPである直鎖状ポリカーボネート樹脂を
ブレンドすると、透明で、高流動且つ流動性(SFL)
と耐衝撃性とのバランスが優れたポリカーボネート樹脂
組成物が得られることを見出した。本発明は、かかる知
見に基づいて完成したものである。
【0006】即ち、本発明は、末端がモノアルキルフェ
ノールであり、アルキル基の平均炭素数が18〜30で
ある直鎖状ポリカーボネート樹脂及び末端がp−ter
t−ブチルフェノーエルである直鎖状ポリカーボネート
樹脂よりなるポリカーボネート樹脂組成物に関するもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明のポリカーボネート樹脂組成物におい
て、末端がアルキル基の平均炭素数が18〜30のモノ
アルキルフェノールである直鎖状ポリカーボネート樹脂
の含有量は好ましくは20〜50質量%であり、より好
ましくは25〜45質量%である。さらに、好ましくは
30〜40質量%である。末端がアルキル基の平均炭素
数が18〜30のモノアルキルフェノールである直鎖状
ポリカーボネート樹脂の含有量が20質量%未満では、
耐衝撃性は保持するが、流動性が向上しない。末端が末
端がアルキル基の平均炭素数が18〜30のモノアルキ
ルフェノールである直鎖状ポリカーボネート樹脂の含有
量が50質量%を超えると、流動性は向上するが、0℃
の耐衝撃性が脆性破壊領域まで低下する。また、本発明
のポリカーボネート樹脂組成物の末端がp−tert−
ブチルフェノーエルである直鎖状ポリカーボネート樹脂
の含有量は80〜50質量%であり、好ましくは75〜
50質量%である。さらに、好ましくは70〜50質量
%である。末端がp−tert−ブチルフェノーエルで
ある直鎖状ポリカーボネート樹脂の含有量が50質量%
未満では、流動性は向上するが、0℃の耐衝撃性が脆性
破壊領域まで低下する。末端がp−tert−ブチルフ
ェノーエルである直鎖状ポリカーボネート樹脂の含有量
が80質量%を超えると、耐衝撃性は保持するが、流動
性が向上しない。
【0008】本発明の直鎖状ポリカーボネート樹脂とし
ては、種々のものが挙げられるが、一般式(I)
【0009】
【化1】
【0010】で表される構造の繰り返し単位を有する重
合体が好適である。上記一般式(I)において、X1
びX2 は、それぞれ炭素数1〜6の直鎖状,分岐状又は
環状のアルキル基を示し、具体例としては、メチル基,
エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチ
ル基,イソブチル基,tert−ブチル基,n−アミル
基,イソアミル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基,
シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等を挙げること
ができる。このX1 及びX2 は互いに同一であっても異
なっていてもよい。a及びbは、それぞれX1 及びX2
の置換数を示し、0〜4の整数である。X 1 が複数ある
場合、複数のX1 は互いに同一でも異なっていてもよ
く、X2 が複数ある場合、複数のX2 は互いに同一でも
異なっていてもよい。
【0011】Yは単結合,炭素数1〜8のアルキレン基
(例えばメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチ
レン基,ペンチリレン基及びヘキシレン基等),炭素数
2〜8のアルキリデン基(例えば、エチリデン基及びイ
ソプロピリデン基等),炭素数5〜15のシクロアルキ
レン基(例えば、シクロペンチレン基及びシクロヘキシ
レン基等),炭素数5〜15のシクロアルキリデン基
(例えば、シクロペンチリデン基及びシクロヘキシリデ
ン基等),−S−,−SO−,−SO2 −,−O−,−
CO−結合、式(II−1)又は式(II−2)
【0012】
【化2】
【0013】で表される結合を示す。上記重合体は、通
常一般式(III)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、X1 ,X2 ,a,b及びYは、前
記に同じである。)で表される二価フェノールと、ホス
ゲンや炭酸エステル化合物等のカーボネート前駆体とを
反応させることによって製造することができる。即ち、
例えば、塩化メチレン等の溶媒中において、公知の酸受
容体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲ
ン等のカーボネート前駆体との反応により、又は溶媒の
存在下又は不存在下、二価フェノールと炭酸エステル化
合物等のカーボネート前駆体とのエステル交換反応等に
よって製造することができる。
【0016】前記一般式(III)で表される二価フェノー
ルとしては様々なものを挙げることができる。特に、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通
称、ビスフェノールA〕が好ましい。ビスフェノールA
以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタンなどのビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロデカン等のビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロアルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン
等を挙げることができる。この他、二価フェノールとし
ては、ハイドロキノン等を挙げることができる。これら
の二価フ ェノールは、それぞれ単独で用いてもよく、
二種以上を混合して用いてもよい。
【0017】炭酸エステルとしては、例えば、ジフェニ
ルカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチル
カーボネート,ジエチルカーボネート等のジアルキルカ
ーボネート等を挙げることができる。
【0018】本発明においては、前記二価フェノールと
カーボネート前駆体とを反応させて直鎖状ポリカーボネ
ート樹脂を製造する際に、末端停止剤(分子量調節剤と
もいう。)として、アルキル基の平均炭素数が18〜3
0であるモノアルキルフェノールおよびp−tert−
ブチルフェノール(PTBP)を用いる。アルキル基の
平均炭素数が18〜30であるモノアルキルフェノール
を用いた場合は、末端がモノアルキルフェノールであ
り、アルキル基の平均炭素数が18〜30である直鎖状
ポリカーボネート樹脂を得ることができる。また、PT
BPを用いた場合は、末端がPTBPである直鎖状ポリ
カーボネート樹脂を得ることができる。さらに、末端停
止剤として、アルキル基の平均炭素数が18〜30であ
るモノアルキルフェノールとPTBPの所定量の混合物
を用いた場合には、直鎖状ポリカーボネート樹脂の製造
と同時に本発明のポリカーボネート樹脂組成物を得るこ
とができる。ここで、アルキル基の平均炭素数が18未
満であると、流動性の改良が不十分であり、30を超え
ると、反応性が劣り、モノアルキルフェノールのロスが
多くなる。より好ましくは、18〜24の平均炭素数を
有するものであり、更に好ましくは、20〜24の平均
炭素数を有するものである。尚、上記のアルキル基の平
均炭素数とは、〔(アルキル基の炭素数)と(そのモル
分率)の積〕の和である。上記のモノアルキルフェノー
ルは単独でも、二種以上組み合わせて用いてもよい。二
種以上組み合わせて用いる場合には、アルキル基の炭素
数は平均炭素数で表わすこととなる。
【0019】更に、上記のモノアルキルフェノールは異
性体として、オルト体、メタ体及びパラ体があるが、い
ずれでもよい。又、アルキル基は直鎖状、分岐状のいず
れでもよい。本発明の直鎖状ポリカーボネートは、機械
的強度及び成形性等の点から、粘度平均分子量が15,
000〜29,000の範囲にある必要がある。好まし
くは、17,000〜27,000、より好ましくは1
7,000〜25,000の範囲である。尚、この粘度
平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、
20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これ
より極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10-5
Mv0.83の式により算出した値である。
【0020】又、本発明の直鎖状ポリカーボネートの未
反応のモノアルキルフェノールを300ppm以下にす
る必要がある。300ppm以下にする方法として特に
限定されないが、例えば溶液法においては、貧溶媒で生
じたポリカーボネートの沈殿を濾過して分別すればよ
い。300ppmを超えると、射出成形の金型に付着物
が見られ、また成形品の外観も良好でなく、好ましくな
い。
【0021】本発明の直鎖状ポリカーボネートには、本
発明の目的が損なわれない範囲で、所望により各種添加
剤、例えば、酸化防止剤,紫外線吸収剤、明度向上剤,
滑剤(離型剤),難燃剤,ドリップ防止剤及び他の無機
充填剤等を適宜含有させてもよい。本発明のポリカーボ
ネートに各種添加剤を配合し、混練することにより組成
物を調製することができる。該配合及び混練方法として
は、通常の樹脂組成物に適用される方法がそのまま適用
でき、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバ
リーミキサー、ドラムタンブラー、単軸又は2以上の多
軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法が好適で
ある。尚、混練温度は特に限定されないが、通常240
〜340℃の範囲から好適に選ばれる。
【0022】このようにして得られた樹脂組成物を、通
常の成形方法、例えば、射出成形法や圧縮成形法等を用
いて成形し、成形品を得ることができる。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明は、これらの例によってなんら限定される
ものではない。 製造例1 モノアルキルフェノール(AP2024)の合成 攪拌装置を備えた260リットル反応槽に、1−エイコ
セン、1−ドコセン及び1−テトラコセンの混合物[組
成比(モル%);53.3:40.2:6.5]57.
3kg、フェノール70kg及び触媒としてガレオナイ
ト♯136[水沢科学工業(株)製]7kgとして、反
応原料及び触媒を仕込み、窒素気流中、145℃におい
て、攪拌下に80分間反応を行なった。反応終了後、触
媒をろ別した後に、減圧蒸留により、フェノール及びジ
アルキルフェノール等の重質分から分離し、モノアルキ
ルフェノール(AP2024)を精製した。精製したA
P2024をガスクロマトグラフィーにより分析した結
果、フェノールを500ppm含有し、ジアルキルフェ
ノールのピークは全く検出されなかった。得られたAP
2024のオルト、パラ及びメタ異性体の組成比(%)
は、50:48:2(モル%)であり、APHAは10
であった。尚、AP2024の平均炭素数は21であ
る。
【0024】実施例1 1.ポリカーボネートの製造 ポリカーボネートオリゴマーの合成 5.6質量%の水酸化ナトリウム水溶液にビスフェノー
ルA濃度が13.5質量%になるようにビスフェノール
Aを溶解させ、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水
溶液を調製した。このビスフェノールAの水酸化ナトリ
ウム水溶液40リットル/hr、塩化メチレン15リッ
トル/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流
量で内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に供
給した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジ
ャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に
保った。管型反応器を出た反応液を後退翼を備えた内容
積40リットルのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導
入し、ここに、更に、ビスフェノールAの水酸化ナトリ
ウム水溶液2.8リットル/hr、25質量%水酸化ナ
トリウム水溶液0.07リットル/hr、水17リット
ル/hr及び1質量%トリエチルアミン水溶液0.64
リットル/hr、上記AP2024の10.3質量塩化
メチレン溶液2.15リットル/hrを供給して反応を
行なった。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜
き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレ
ン相を採取した。このようにして得られたポリカーボネ
ートオリゴマーの濃度は323g/リットル、クロロホ
ーメート基濃度は0.69モル/リットルであった。
【0025】ポリカーボネートの合成 邪魔板、パドル型攪拌翼2枚及び冷却用ジャケットを備
えた50リットル槽型反応器に上記オリゴマー溶液10
リットル、塩化メチレン6.15リットル、末端停止剤
として上記AP2024を133.6g、トリエチルア
ミン3.84ミリリットルを仕込み、ここに、亜二チオ
ン酸ナトリウム226mgを溶解した6.4質量%の水
酸化ナトリウム水溶液1720gを攪拌下で添加し20
分間反応を行なった。この反応工程においては、反応温
度が20℃以上にならないように冷却により制御した。
次いで、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液
(NaOH331g、亜二チオン酸ナトリウム1.32
gを水4.84リットルに溶解した水溶液にビスフェノ
ールA660gを溶解させたもの)を添加し300rp
mで撹拝しながら40分間重合反応を行なった。
【0026】洗浄工程 希釈のため塩化メチレン10リットルを加えて、20分
間攪拌静置させることによりポリカーボネートを含む有
機相と過剰のビスフェノールA及び水酸化ナトリウムを
含む水相に分離し、有機相を反応器下部より抜出し単離
した。こうして得られたポリカーボネートの塩化メチレ
ン溶液を、その溶液に対して順次15容積%の0.03
モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、0.2モル
/リットルの塩酸で洗浄し、次いで純水で2回洗浄し、
洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下に
なったことを確認した。
【0027】フレーク化工程 洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶
液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下100℃
で乾燥した。 2.ポリカーボネート樹脂組成物の製造 この様にして得られたAP2024末端ポリカーボネー
ト樹脂とPTBP末端ポリカーボネート樹脂(FN17
00A、出光石油化学社製)を30/70(質量比)の
割合でブレンドしたものに、安定化剤としてトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
(チバ・スペシャリティー社製:lrgafos16
8)を0.1質量%配合し、ベント式二軸押出成形機
(東芝機械社製:TEM35)に供給し、280℃で溶
融混練し、ストランド状に押出した後に切断して、ポリ
カーボネート樹脂組成物のペレットを得た。次に得られ
たペレットを、120℃で12時間乾燥した後、成形温
度270℃、金型温度80℃において射出成形し、各種
試験片とした。評価結果を表1に示す。
【0028】実施例2 実施例1の1.ポリカーボネートの合成において、A
P2024を113gに変更し、AP2024末端ポリ
カーボネート樹脂を得た。このAP2024末端ポリカ
ーボネート樹脂とPTBP末端ポリカーボネート樹脂
(FN1700A、出光石油化学社製)およびPTBP
末端ポリカーボネート樹脂(FN1900A、出光石油
化学社製)を30/35/35(質量比)の割合でブレ
ンドし、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットより、
実施例1と同様にして各種試験片を作成した。評価結果
を表1に示す。
【0029】実施例3 実施例1の1.のオリゴマー合成において、AP20
24の10.3質量%塩化メチレン溶液の代わりにPT
BPの4.0質量%塩化メチレン溶液を用い、 ポリカーボネートの合成において、末端停止剤として
PTBP17.7gおよびAP202468.6gを用
いた以外は、実施例1と同様にして直鎖状ポリカーボネ
ート樹脂を製造後、ポリカーボネート樹脂組成物のペレ
ットより各種試験片を作成した。評価結果を表1に示
す。
【0030】実施例4 実施例1の1.オリゴマーの合成において、AP20
24の10.3質量%塩化メチレン溶液の代わりに、P
TBTの4.0質量%塩化メチレン溶液を用い、ポリ
カーボネートの合成において、末端停止剤として、PT
BP12.6gおよびAP2024を63.2g用いた
以外は、実施例1と同様にして直鎖状ポリカーボネート
樹脂を製造後、ポリカーボネート樹脂組成物のペレット
より各種試験片を作成した。評価結果を表1に示す。
【0031】比較例1 実施例1の1.フレーク化工程で得られたAP202
4末端ポリカーボネート樹脂のみを用いて、実施例1と
同様に樹脂組成物を調製し、ポリカーボネート樹脂組成
物のペレットより各種試験片を作成した。評価結果を表
2に示す。
【0032】比較例2 出光石油化学社製のポリカーボネート(末端がPTBP
基、タフロンFN1700A)のみを用いて、実施例1
と同様に樹脂組成物を調製し、ポリカーボネート樹脂組
成物のペレットより各種試験片を作成した。評価結果を
表2に示す。
【0033】比較例3 実施例1の2.フレーク化工程で得られたAP202
4末端ポリカーボネート樹脂と出光石油化学社製のポリ
カーボネート(末端がPTBP基、タフロンFN170
0A)を、10/90(質量比)の割合でブレンドし、
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットより、実施例1
と同様にして各種試験片を作成した。評価結果を表2に
示す。
【0034】比較例4 実施例1の2.フレーク化工程で得られたAP202
4末端ポリカーボネート樹脂と出光石油化学社製のポリ
カーボネート(末端がPTBP基、タフロンFN170
0A)を、90/10(質量比)の割合でブレンドし、
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットより、実施例1
と同様にして各種試験片を作成した。評価結果を表2に
示す。
【0035】尚、上記モノアルキルフェノール(AP2
024)のAPHA及び分析は、下記のようにして測定
した。 [モノアルキルフェノール(AP2024)のAPH
A]ハ一ゼン標準比色液番号(APHA)5〜50を調
製し、目視により色調を評価した。 [モノアルキルフェノール(AP2024)のガスクロ
マト分析] 試料調製:AP2024の0.1gをクロロホルム50
mlに溶解させた。 カラム:J&W SCIENTIFIC社製、HP−1
(15m×0.53mmφ×0.15μm) 温度パターン:50℃/0分保持→5℃/分昇温→40
0℃/20分保持 キャリアガス:ヘリウム(21kPa) 注入口:スプリットレス(200℃) 検出器:350℃ 注入量1.0μL
【0036】又、上記直鎖状ポリカーボネート樹脂組成
物は下記のようにして評価した。 (ポリカーボネート樹脂組成物の評価) 1.耐薬品性(限界歪み) 耐薬品性評価法(1/4楕円による限界歪み)に準拠し
て測定した。即ち、試験片(成形温度280℃、金型温
度80℃、試験片の大きさ:127×12.7×3m
m)を図1(斜視図)に示す冶具の1/4楕円の面に固
定し、試験片には1−メトキシプロパノール(広島和光
純薬工業社製)を染み込ませたガーゼを被せて、10分
間保持した。そして、クラックが発生する最小長さ
(X)を読み取り、下記の式(1)により限界歪みY
(%)を求めた。 限界歪み(%)=(b/2a2)[1−[1/a2−(b2
/a4)]X2]-3/2・t(t:試験片肉厚) 2.流動性(SFL) 射出圧80kg/cm2(7.84MPa)、成形温度2
80℃、金型温度80℃、幅10mm、肉厚2mmの条
件で測定した。 3.光学特性 イエローインデックス JIS K7103に準拠して、日本電色工業社製の試
験機により測定した。試験片としては、80×80m
m、肉厚3mmの角板を用いた。 Haze JIS K7105に準拠して、日本電色工業社製の試
験機により、平行光線透過率を測定した。試験片として
は、肉厚3.2mm、25×35mmの角板を用いた。 4.Izod衝撃強度 ASTM D256に準拠して、23℃、0℃および−
23℃において測定した。試験片としては、肉厚3.1
8mmのものを用いた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、透明で、高流動且つ流
動性と耐衝撃性とのバランスが優れたポリカーボネート
樹脂組成物を得ることができる。また、本発明のポリカ
ーボネート樹脂組成物は、光情報記録媒体、採光を目的
とするグレージング材、ハードコート基材等として適し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直鎖状ポリカーボネート樹脂の耐薬品
性(限界歪み)を評価するための試験片取り付け治具の
斜視図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端がモノアルキルフェノールであり、
    アルキル基の平均炭素数が18〜30である直鎖状ポリ
    カーボネート樹脂及び末端がp−tert−ブチルフェ
    ノーエルである直鎖状ポリカーボネート樹脂よりなるポ
    リカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 末端がモノアルキルフェノールであり、
    アルキル基の平均炭素数が18〜30である直鎖状ポリ
    カーボネート樹脂20〜50質量%及び末端がp−te
    rt−ブチルフェノーエルである直鎖状ポリカーボネー
    ト樹脂80〜50質量%よりなるポリカーボネート樹脂
    組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100846371B1 (ko) * 2005-11-18 2008-07-15 주식회사 삼양사 고유동성 폴리카보네이트 수지 조성물 및 그 제조방법
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