JP2003237070A - 液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッド

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JP2003237070A JP2002039242A JP2002039242A JP2003237070A JP 2003237070 A JP2003237070 A JP 2003237070A JP 2002039242 A JP2002039242 A JP 2002039242A JP 2002039242 A JP2002039242 A JP 2002039242A JP 2003237070 A JP2003237070 A JP 2003237070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体噴射記録ヘッドの小型化を図り、生産性
を向上を実現する。 【解決手段】 複数の記録素子が設けられた記録素子基
板1と、記録素子基板1の周囲を覆う位置に設けられて
記録素子基板1に記録信号を伝達するための配線シート
3と、配線シート3の一端部に電気的に接続されて外部
から記録信号を入力するための配線基板4と、記録素子
基板1に記録液を供給するための流路形成部材6とを備
える。配線基板4は、流路形成部材6に一端部が支持さ
れている。そして、共通液室17を有する枠体16に流
路形成部材6を結合する際に、配線基板4は、一端部が
流路形成部6に支持された状態で、枠体16に設けられ
た一組の係合溝26に、配線基板4の他端部の対向する
両側端がそれぞれ挿入されて係合されることにより保持
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液等の液体を
吐出口(オリフィス)から噴射して液滴を形成する液体
噴射記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプ
ロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーション
の出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基
づいて記録用紙やプラスチック薄板等の記録媒体に画像
を記録するように構成されている。この種の記録装置
は、記録方式により、インクジェット方式、ワイヤドッ
ト方式、サーマル方式、レーザービーム方式等に分類す
ることができる。
【0003】記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差
する方向を主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、記録媒体を所定の記録位置にセッ
トした後、記録媒体に沿って移動するキャリッジ上に搭
載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行
分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)
を行い、その後に次の行の画像を記録(主走査)するとい
う動作を繰り返すことにより、記録媒体上に画像全体の
記録が行なわれる。
【0004】一方で、記録媒体の搬送方向の副走査のみ
で記録するラインタイプの記録装置においては、記録媒
体を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録
を行った後、所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、さ
らに、次の行の記録を一括して行うという動作を順次繰
り返すことにより、記録媒体上に画像全体の記録が行な
われる。
【0005】このようなシリアルタイプおよびラインタ
イプで液体噴射方式を採用した記録装置の代表的なもの
としては、液体噴射記録ヘッドを搭載した記録装置が挙
げられる。このような記録装置は、いわゆるノンインパ
クト記録方式の記録装置であり、高速記録と、各種記録
媒体に対する記録とを行うことが可能であり、記録時に
おける騒音が実質的に生じないといった諸特徴がある。
【0006】このような液体噴射記録ヘッドの中で、特
に熱エネルギーを利用して記録液を吐出する液体噴射記
録ヘッドは、エッチング、蒸着、スパッタリング等の半
導体プロセスを経て、基板上に成膜された電気熱変換
体、電極、流路壁、天板、オリフィスプレート等を形成
することにより、流路を高密度に形成することが可能で
あり、更にコンパクト化を図ることができる。
【0007】この種の液体噴射記録ヘッドは、代表的な
噴射方法として電気熱変換素子を用いた噴射方法が知ら
れており、微小な吐出口から液滴を吐出させて、記録媒
体に対して記録を行うものがある。
【0008】以下、従来の液体噴射記録ヘッドの一例を
図面を参照して説明する。一般に、液体噴射記録ヘッド
は、液滴を形成するための記録ユニットと、この記録ユ
ニットに対して記録液を供給する記録液供給部とを備え
て構成されている。
【0009】図21に従来の液体噴射記録ヘッドの外観
の斜視図を示し、図22に従来の液体噴射記録ヘッドの
分解斜視図を示す。
【0010】図21および図22に示すように、従来の
液体噴射記録ヘッドは、液滴を吐出する記録素子基板2
01と、この記録素子基板201を支持する支持基板2
02と、記録素子基板201に記録信号を供給するため
の配線シート203および端子配線基板205と、記録
素子基板201に記録液を供給するための流路を有する
流路形成部材206とを備えている。
【0011】記録素子基板201は、エネルギー発生体
である不図示の電気熱変換素子(ヒータ)と、この電気
熱変換素子に対向する位置に設けられる吐出口201a
とを有している。そして、この記録素子基板201は、
例えばアルミニウムやセラミックスからなる支持基板2
02上に積層されて接合されている。
【0012】また、支持基板202上には、記録素子基
板201に電気パルス信号を送るためのTAB(Tape A
utomated Bonding)、FPC(Flexible Printed Circu
it)等からなる配線シート203が接着されている。記
録素子基板201と配線シート203は、ワイヤボンデ
ィングまたはリードボンディング等によって電気的に接
続されている。
【0013】また、配線シート203の一端は、記録装
置が備える駆動制御部(不図示)に電気的に接続するた
めの端子配線基板205に電気的に接続されている。こ
の端子配線基板205は、PWB(Printed Wiring Boa
rd)、TAB、FPCなどからなり、駆動制御部が電気
的に接続される接触式の接続端子204が主面上に設け
られている。
【0014】そして、流路形成部材206と端子配線基
板205は、図示しないが、端子配線基板205の穴
に、流路形成部材206に設けられたボスを挿入して、
加熱溶着や接着剤等によって接合されて固定されてい
る。また、流路形成部材206は、記録素子基板201
に記録液を供給するための記録液供給路206aを有し
ている。
【0015】さらに、支持基板202は、流路形成部材
206に接合されて固定されることによって、不図示の
記録液タンク内に貯蔵された記録液が流路形成部材20
6の記録液供給路206aを介して記録素子基板201
側に供給される。
【0016】上述した液体噴射記録ヘッドは、複数の記
録素子基板201が単一の支持基板202上に積層され
て設けられた構成であるが、その他の構成として、単一
の記録素子基板201が支持基板202上に積層されて
設けられた液体噴射記録ヘッドもある。
【0017】上述したように、単一の記録素子基板20
1を実装した液体噴射記録ヘッドを記録装置に搭載する
場合には、単一の液体噴射記録ヘッドを搭載する形態
と、複数の液体噴射記録ヘッドを搭載する形態とがあ
る。
【0018】支持基板202上に複数の記録素子基板2
01が積層されて構成される液体噴射記録ヘッドは、個
々の記録素子基板201が半導体実装技術によって積層
されるため、支持基板上に各記録素子基板間の相対位置
が高精度に配設される。一方、単一の記録素子基板が支
持基板上に積層された液体噴射記録ヘッドが記録装置に
複数個搭載されるような形態では、記録装置のキャリッ
ジ(または液体噴射記録ヘッドの収容部)上で複数の液
体噴射記録ヘッドが個別にそれぞれ位置決めされる。こ
のため、記録素子基板間の相対位置精度は、各記録素子
基板の位置精度と、各液体噴射記録ヘッドをキャリッジ
に対して搭載する位置精度とが合算された値となる。
【0019】上述したように、電気熱変換素子を用いた
液体噴射記録ヘッドは、電気熱変換素子が設けられた加
圧室を有しており、この加圧室に記録信号となる電気パ
ルスを与えることにより、記録液に熱エネルギーを与え
て、その時の記録液の相変化によって生じる記録液の発
泡時(膜沸騰時)の気泡圧力を記録液滴の吐出に利用し
たものである。
【0020】さらに、電気熱変換方式を用いた液体噴射
記録ヘッドの場合には、電気熱変換素子が配列された基
板に対して平行に記録液を吐出させる方法(以下、エッ
ジシュータと称する。)と、電気熱変換素子が配列され
た基板に対して垂直に記録液を吐出させる方法(以下、
サイドシュータと称する。)がある。
【0021】このような液体噴射記録ヘッドにおいて
は、記録中に記録素子基板が過度に昇温された場合、記
録信号となる電気パルスや記録液の発泡状態等に異常が
生じて、記録状態が悪化する虞がある。このため、液体
噴射記録ヘッドは、内部に何等かの放熱対策を施すこと
が一般的である。
【0022】放熱対策として、エッジシュータタイプの
液体噴射記録ヘッドの場合には、上述したように、Si
材料からなる記録素子基板の裏面上に、例えばアルミニ
ウム、アルミニウム合金、セラミックス等の材料からな
る支持基板を放熱部材として接着させる場合が多い。
【0023】他方、サイドシュータタイプの液体噴射記
録ヘッドの場合には、簡素な放熱対策として、記録液貯
蔵媒体から記録素子基板の裏面を介して吐出される記録
液により放熱を行う方法がある。さらに他の放熱対策と
して、記録素子が高密度化されることで昇温し易いサイ
ドシュータタイプの液体噴射記録ヘッドにおいては、記
録素子基板との接触面積が比較的大きく確保される放熱
部材としての支持基板を設けて、記録素子基板を支持基
板上に接合して固定する方法等がある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、単一
の記録素子基板を実装した液体噴射記録ヘッドをキャリ
ッジ上に複数個並べて搭載する形態の記録装置の場合に
は、液体噴射記録ヘッド全体の幅が大きくなる不都合が
ある。
【0025】さらに、一方で、キャリッジ上では各液体
噴射記録ヘッド間を間仕切するスペースが形成されるた
め、複数個の記録液素子基板を実装した液体噴射記録ヘ
ッドが搭載される記録装置に比べて、キャリッジの幅が
大きくなり、記録装置全体を大型化させる要因となって
いた。
【0026】また、複数個の記録液素子基板を実装する
液体噴射記録ヘッドでは、一部の電気配線経路を共通化
することにより、液体噴射記録ヘッド上の接続端子の総
数を減らすことができる。これに対して、単一の記録素
子基板を実装する液体噴射記録ヘッドでは、接続端子を
共通化することが困難であるため、単一の記録素子基板
を実装する液体噴射記録ヘッドに比べて接続端子の総数
が多くなり、これら接続端子のレイアウトによって、液
体噴射記録ヘッド全体がキャリッジ上に占める搭載スペ
ースを大型化させていた。
【0027】またさらに、従来の液体噴射記録ヘッド
は、流路形成部材に、接続端子を有する端子配線基板を
保持する保持領域を確保する必要があるため、流路形成
部材が大型化していた。流路形成部材の大型化に伴っ
て、液体噴射記録ヘッドの製造工程において、流路形成
部材の製造ラインが占める仕掛かりスペースが大きくな
り、生産性を悪化させていた。
【0028】そこで、本発明は、液体噴射記録ヘッドの
小型化を図り、生産性を向上することができる液体噴射
記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明における液体噴射記録ヘッドは、記録液を
吐出するための複数の記録素子が設けられた記録素子基
板と、記録素子基板の周囲を覆うように設けられて記録
素子基板に記録信号を伝達するための可撓性を有する配
線シートと、配線シートの一端部に電気的に接続されて
外部から記録信号を入力するための端子部を有する配線
基板と、記録素子基板に記録液を供給するための記録液
供給通路が設けられた流路形成部材とを備える。配線基
板は、流路形成部材に一端部が支持されている。そし
て、内部に記録液を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、また
は記録液を貯蔵する記録液貯蔵タンクを着脱可能に保持
するホルダ部材に流路形成部材を結合する際に、配線基
板は、一端部が流路形成部に支持された状態で、記録液
貯蔵ユニットまたはホルダ部材に設けられた一組の係合
溝に、配線基板の他端部の対向する両側端がそれぞれ挿
入されて係合されることにより保持される。
【0030】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録液を吐出するための複数の記録素子が設けられ
た記録素子基板と、記録素子基板の周囲を覆うように設
けられて記録素子基板に外部から記録信号を与えるため
の可撓性を有する配線シートと、配線シートの一端部に
電気的に接続されて外部からの記録信号を受容するため
の端子部を有する配線基板と、記録素子基板に記録液を
供給するための記録液供給通路が設けられた流路形成部
材と、記録液を濾過するための多孔質部材とを備えて記
録媒体に情報を記録する記録ユニットに対して、内部に
記録液を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、または記録液を
貯蔵する記録液貯蔵タンクを着脱可能に保持するホルダ
部材が結合されてなる。記録液貯蔵ユニットまたはホル
ダ部材には、配線基板の一端部の対向する両側端がそれ
ぞれ挿入されて係合される一組の係合溝が設けられる。
そして、配線基板は、他端部が記録ユニットに支持され
るとともに、一端部が一組の係合溝に係合されることに
よって保持される。
【0031】以上のように構成された本発明に係る液体
噴射記録ヘッドによれば、配線基板が流路形成部材に対
して例えば加熱圧着によって固定されるような構成に比
較して、配線基板上に加熱溶着用の穴を形成するための
スペースを設ける必要がなく、配線基板の幅が小さくす
ることが可能になる。これによって、配線基板の幅に対
応する液体噴射記録ヘッド全体の幅のコンパクト化が図
られる。
【0032】また、この液体噴射記録ヘッドによれば、
流路形成部材と記録液貯蔵ユニットあるいはホルダ部材
を組付ける際に、配線基板の一端部を係合溝内に挿入さ
せて保持されるため、配線基板を固定するための製造工
程を削減することが可能になり、生産性の向上が図られ
る。さらに、配線基板は、記録液貯蔵ユニットまたはホ
ルダ部材から容易に取り外すことができるため、液体噴
射記録ヘッドを記録ユニットと記録液貯蔵ユニットまた
はホルダ部材とに分解する分解作業を容易に行うことが
可能になり、リサイクル性も向上することができる。
【0033】また、本発明に係る液体噴射記録装置は、
配線基板が、記録ユニットと記録液貯蔵ユニットまたは
ホルダ部材とに跨って保持される。これによって、流路
形成部材に配線基板の他端部側のみが保持される。すな
わち、流路形成部材に、従来の液体噴射記録ヘッドの構
成のように、端子配線基板の全域に亘って受けるスペー
スを設けることが不要になる。その結果、流路形成部材
は、設計の自由度が向上され、部材形状の最適化を図る
ことが可能になり小型化することが可能になる。このた
め、流路形成部材の仕掛かりスペースが狭小化されて、
生産性が格段に向上される。
【0034】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録ユニットに、配線基板を3軸方向に対してそれ
ぞれ位置決めする位置決め手段が設けられる。これによ
って、液体噴射記録ヘッドの吐出性能および機械的精度
に影響を与える部分が、記録ユニットに集約することが
可能になる。したがって、記録液貯蔵ユニットには、記
録液を貯蔵するために必要な最低限の機能を設ければ良
いため、安価な材料を選定して形成することが可能にな
る。また同様に、ホルダ部材にも、記録液貯蔵タンクを
着脱可能に保持する機能を設ければ良いため、安価な材
料を選定して形成することが可能になる。すなわち、こ
のように機能および部品精度を分離して、機能および部
品精度が要求される個所を記録ユニットに集約させるこ
とにより、生産性が格段に向上して、結果的に高性能な
液体噴射記録ヘッドを安価に製造することが可能にな
る。
【0035】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッドに
よれば、記録ユニットと記録液貯蔵ユニットまたはホル
ダ部材との一方に、弾性を有する結合片が設けられると
ともに、他方に結合片が結合する結合部が設けられる。
これによって、記録ユニットと記録液貯蔵ユニットまた
はホルダ部材は、ビス、接着剤等によって結合される構
成に比較して、容易に分解することが可能とされてリサ
イクル性も向上される。また、生産性の向上が図られる
ため、液体噴射記録ヘッドを安価に製造することが可能
になる。
【0036】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録ユニットに、多孔質部材を間に挟んで対向する
位置に突出部がそれぞれ形成されて、多孔質部材の厚み
方向に対する突出部の先端が、多孔質部材の端面より突
出して形成される。これによって、液体噴射記録ヘッド
の製造工程において、流路形成部材に設けられた多孔質
部材が、各突出部によって保護されるため、流路形成部
材を容易に取り扱うことが可能になり、液体噴射記録ヘ
ッドの生産性が向上される。
【0037】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録液を吐出するための複数の記録素子が設けられ
た記録素子基板と、記録素子基板の周囲を覆うように設
けられて記録素子基板に記録信号を伝達するための可撓
性を有する配線シートと、配線シートの一端部が電気的
に接続されて外部から記録信号を入力するための端子部
を有する配線基板と、記録素子基板に記録液を供給する
ための記録液供給通路が形成される流路形成部材とを備
える。また、この液体噴射記録ヘッドは、配線基板の一
端部を、該一端部の対向する両側に亘って湾曲させた状
態で保持する保持手段を備える。そして、内部に記録液
を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、または記録液を貯蔵す
る記録液貯蔵タンクを着脱可能に保持するホルダ部材に
対して流路形成部材が結合される際に、配線基板は、一
端部が保持手段に保持された状態で、記録液貯蔵ユニッ
トまたはホルダ部材に設けられた一組の係合溝に、配線
基板の他端部の対向する両側端がそれぞれ挿入されて係
合されることによって保持される。
【0038】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録液を吐出するための複数の記録素子が設けられ
た記録素子基板と、記録素子基板の周囲を覆うように設
けられて記録素子基板に記録信号を伝達するための可撓
性を有する配線シートと、配線シートの一端部が電気的
に接続されて外部から記録信号を入力するための端子部
を有する配線基板と、記録素子基板に記録液を供給する
ための記録液供給通路が形成される流路形成部材とを備
える。また、この液体噴射記録ヘッドは、配線基板の一
端部を位置決めするため位置決め手段と、配線基板の一
端部の対向する両側端にそれぞれ係合する一組の係合部
とを備える。そして、内部に記録液を貯蔵する記録液貯
蔵ユニット、または記録液を貯蔵する記録液貯蔵タンク
を着脱可能に保持するホルダ部材に対して流路形成部材
を結合する際に、配線基板は、一端部が位置決め手段お
よび一組の係合部によって保持された状態で、記録貯蔵
ユニットまたはホルダ部材に設けられた一組の係合溝
に、配線基板の他端部の対向する両側端がそれぞれ挿入
されて係合されることによって保持される。
【0039】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録液を吐出するための複数の記録素子が設けられ
た記録素子基板と、記録素子基板の周囲を覆うように設
けられて記録素子基板に記録信号を伝達するための可撓
性を有する配線シートと、配線シートの一端部が電気的
に接続されて外部から記録信号を入力するための端子部
を有する配線基板と、記録素子基板に記録液を供給する
ための記録液供給通路が形成される流路形成部材と、記
録液を濾過する多孔質部材とを備えて記録媒体に情報を
記録する記録ユニットに対して、内部に記録液を貯蔵す
る記録液貯蔵ユニット、または記録液を貯蔵する記録液
貯蔵タンクを着脱可能に保持するホルダ部材が結合され
てなる。記録液貯蔵ユニットまたはホルダ部材には、配
線基板の一端部の対向する両側端がそれぞれ挿入されて
係合される一組の係合溝が設けられる。また、記録ユニ
ットには、配線基板の他端部を、該他端部の対向する両
側に亘って湾曲させた状態で保持する保持手段が設けら
れる。そして、配線基板は、他端部が保持手段に保持さ
れた状態で、一端部が一組の係合溝に係合されることに
よって保持される。
【0040】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録液を吐出するための複数の記録素子が設けられ
た記録素子基板と、記録素子基板の周囲を覆うように設
けられて記録素子基板に記録信号を伝達するための可撓
性を有する配線シートと、配線シートの一端部が電気的
に接続されて外部から記録信号を入力するための端子部
を有する配線基板と、記録素子基板に記録液を供給する
ための記録液供給通路が形成される流路形成部材と、記
録液を濾過する多孔質部材とを備えて記録媒体に情報を
記録する記録ユニットに対して、内部に記録液を貯蔵す
る記録液貯蔵ユニット、または記録液を貯蔵する記録液
貯蔵タンクを着脱可能に保持するホルダ部材が結合され
てなる。記録液貯蔵ユニットまたはホルダ部材には、配
線基板の一端部の対向する両側端がそれぞれ挿入されて
係合される一組の係合溝が設けられる。また、記録ユニ
ットは、配線基板の他端部を位置決めするため位置決め
手段と、配線基板の他端部の対向する両側端にそれぞれ
係合する一組の係合部とを有する。そして、配線基板
は、他端部が位置決め手段および一組の係合部によって
保持された状態で、一端部が一組の係合溝に係合される
ことによって保持される。
【0041】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、記録ユニットに、一組の係合部を結ぶ直線上の略中
央に位置して、配線基板の他端部の裏面に当接する突起
が設けられる。これによって、配線基板を湾曲された状
態で保持することが可能になる。このため、この液体噴
射記録ヘッドは、配線基板が湾曲された状態で保持され
ることにより、液体噴射記録ヘッドの製造工程で、配線
基板の一端部側(記録ユニットに保持されている他端部
側と反対側の端部)に曲げ方向の外力が負荷された場
合、係合部による係合状態が容易に解除されるため、配
線基板や記録ユニットが破損することが防止されてい
る。
【0042】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッド
は、係合部が配線基板に係合する係合面と、突起が配線
基板に当接する当接面との配線基板の厚み方向の距離が
配線基板の厚みより小さい。これによって、配線基板を
良好に湾曲させて保持することが可能とされる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について図面を参照して説明する。
【0044】まず、本実施形態の液体噴射記録ヘッド
は、インクジェット記録方式であり、その中でも特に、
液体のインクを吐出するために利用されるエネルギーと
して熱エネルギーを発生する手段を備え、その熱エネル
ギーによってインクの状態変化を生起させる方式が採用
された記録ヘッドである。この方式が用いられることに
より、記録される文字や画像等の高密度化および高精細
化を達成している。特に本実施形態では、熱エネルギー
を発生する手段として発熱抵抗素子を用い、この発熱抵
抗素子によりインクを加熱して膜沸騰させたときに生じ
る気泡による圧力を利用してインクを吐出しているが、
インクを吐出させる方式としては、発熱抵抗素子による
方式に限定されることなく、例えばピエゾ素子等の電気
機械変換素子を用いて、インクに機械的な振動を与え、
この振動による圧力を利用してインクを吐出する方式が
採用されてもよい。
【0045】図1および図2に第1の実施形態の液体噴
射記録ヘッドの外観の斜視図を示し、図3に液体噴射記
録ヘッドの分解斜視図を示す。図4および図5に記録ユ
ニットの斜視図を示し、図6に記録素子基板の接合状態
の斜視図を示し、図7に記録素子基板の分解状態の斜視
図を示す。図8に枠体の外観の斜視図を示す。図9に流
路形成部材の要部を説明するための斜視図を示す。図1
0に流路形成部材の係合爪および突起を説明するための
模式図を示し、図11に係合爪および突起に端子配線基
板が保持されている状態を示す。図12および図13に
突起が無い場合に端子配線基板が倒れた状態を示す。図
14に液体噴射記録ヘッドがキャリッジに搭載される状
態の斜視図を示し、図15に液体噴射記録ヘッドがキャ
リッジに搭載された状態の斜視図を示す。図16にジョ
イントゴムの斜視図を示し、図17にブレードのワイピ
ング動作を説明するための模式図を示す。
【0046】(第1の実施形態)以下、第1の実施形態
の液体噴射記録ヘッドについて図面を参照して説明す
る。
【0047】本実施形態の液体噴射記録ヘッド51は、
図1、図2および図3に示すように、記録液を吐出して
記録媒体に情報を記録する記録ユニット15と、この記
録ユニット15に供給する記録液を収容するとともに記
録ユニット15を保持する枠体16とを備えている。
【0048】詳しくは後述するが、記録ユニット15
は、概略、液滴を吐出する吐出口(ノズル)が列をなし
て形成されたノズル列から記録信号に基づいて液滴を吐
出する液滴吐出部と、記録装置が備える駆動制御部(不
図示)との間を伝送される記録信号の受け渡しを行う電
気配線をなすフレキシブルケーブルやTAB等の配線シ
ートとを有している。枠体16は、概略、記録ユニット
15に供給される記録液等を収容する記録液貯蔵室(共
通液室)を有する記録液貯蔵ユニットの役割と、記録ユ
ニット15を保持するための筐体の役割とを担うように
構成されている。そして、この液体噴射記録ヘッド51
は、記録装置が備えるキャリッジに対して着脱可能に搭
載される、いわゆるカートリッジ方式が採用されてい
る。
【0049】まず、記録ユニット15の構成の一例につ
いて図面を参照して説明する。
【0050】図1ないし図7に示すように、記録ユニッ
ト15は、記録液を吐出する記録素子基板1と、この記
録素子基板1を支持する支持基板である第1のプレート
2と、記録素子基板1に記録信号を伝達する配線シート
3と、この配線シート3の一端が電気的に接続されて記
録信号が供給される端子配線基板4と、第2のプレート
5と、記録素子基板1に記録液を供給する記録液供給路
を有する流路形成部材6と、記録液中の塵埃等を除去す
る多孔質部材7とを備えている。
【0051】記録素子基板1には、Si基板の片面に記
録液を吐出するための複数の記録素子と、これら各記録
素子に電力を供給するAl等の配線とが成膜処理により
形成され、この記録素子に対応した複数の記録液流路と
複数の吐出口(不図示)とがフォトリソグラフィ処理に
より形成されるとともに吐出口と連通される複数の記録
液流路に記録液を供給するための記録液供給口1aが裏
面側に開口して形成されている。
【0052】図3、図6および図7に示すように、第1
のプレート2には、長辺方向の側面の両端に、円筒面部
2a、2bがそれぞれ設けられている。また、第1のプ
レート2には、短辺方向の側面の中央に、円筒溝2cが
設けられている。そして、2箇所の円筒面部2a、2b
の頂点部を結ぶ平面(以下、第1の基準平面と称す
る。)および円筒溝2cを基準として、記録素子基板1
の記録素子配列平面の相対位置および傾きをそれぞれ調
整した後に、記録素子基板1を第1のプレート2の主面
上に載置して接合する。このように、記録素子基板1と
第1のプレート2との相対位置は、半導体実装技術によ
って高精度に設定されるため、記録素子基板1から記録
素子配列平面までの傾き量を小さくして実装することが
できる。
【0053】また、第1のプレート2は、板状に形成さ
れているため、記録素子基板1の実装面およびその対向
面における平面幾何精度と、さらに、記録素子基板1の
実装面とその対向面との平行度を高精度に製作すること
ができる。その結果、図示しないが、記録素子基板の接
合装置(不図示)においては、第1のプレート2を載置
する基台の構造を簡素化することができ、第1のプレー
ト2を基台上に対して高精度に載置することができる。
これによって、第1のプレート2に対する記録素子基板
1の調整精度がさらに向上するため、第1のプレート2
の第1の基準平面と記録素子基板1との相対的な傾き精
度がより良好となり、液体噴射記録ヘッドの生産性の向
上が図られる。
【0054】また、第1のプレート2の側面の第1の基
準平面は、記録素子基板1の長辺方向の側面と平行であ
るため、これら双方の面が直交するように配設される場
合と比較して、記録素子基板1の接合装置におけるワー
クの観察領域が狭小化されるため、第1のプレート2と
記録素子基板1との調整作業が容易となり作業時間の短
縮が可能となる。その上、ワークを載置するスペースも
小さくできるため、接合装置を安価に製造することがで
きる。
【0055】さらに、第1のプレート2は、円筒面部2
a、2bの頂点間の距離が、記録素子基板1の記録素子
配列長さよりも大きく設定される。このため、第1のプ
レート2によれば、調整作業をする際に、第1の基準平
面に対する記録素子基板1の傾きを容易に調整すること
が可能になり、調整精度が向上し、安定して生産できる
ようになる。
【0056】また、第1のプレート2には、図3および
図7に示すように、記録素子基板1に記録液を供給する
ための記録液供給路2dが形成されている。
【0057】また、第1のプレート2には、第2のプレ
ート5が接着されて固定されている。この第2のプレー
ト5の主面上の中央には、記録素子基板1の実装時の干
渉を避けるための開口部5aが設けられている。
【0058】一方、配線シート3は、一端部が第2のプ
レート5の主面上に接合されて保持されており、記録素
子基板1に電気的に接続されている。さらに、配線シー
ト3の他端部と端子配線基板4は、例えば、ACF(異
方性導電膜)、リードボンディング、ワイヤボンディン
グ、コネクタ等の接続手段を介して電気的に接続されて
いる。
【0059】なお、本実施形態では、記録素子基板1に
記録信号を供給する電気配線手段として、配線シート3
と端子配線基板4とを別部材に構成しているが、配線シ
ート3と端子配線基板4とを同一部材で一体的に形成し
た構成にしてもよい。
【0060】上述した電気配線手段は、配線シート3と
端子配線基板4とを電気的に接続した一連の配線部であ
り、記録素子基板1に記録液を吐出するための電気信号
を印加する。
【0061】端子配線基板4は、略長方形をなす平板状
に形成されており、記録素子基板1に対応する電気配線
(不図示)が設けられている。図5に示すように、端子
配線基板4の長手方向の一端部には、電気配線の一端と
配線シート3の一端とが電気的に接続される接続部が設
けられている。また、端子配線基板4の主面には、電気
配線の他端が接続されて、記録装置の駆動制御部(不図
示)からの記録信号が入力される外部信号入力端子4a
が設けられている。
【0062】また、端子配線基板4には、流路形成部材
6に対して位置決めするための位置決め穴4b、4cが
それぞれ設けられている。そして、この端子配線基板4
は、流路形成部材6の一側面に位置決め穴4b、4cに
よって位置決めされて固定されている。
【0063】また、第1のプレート2は、図4および図
5に示すように、流路形成部材6に例えば接着剤、ビス
等の接合手段によって接合されて固定されている。第1
のプレート2と流路形成部材6は、互いに接合されるこ
とにより、第1のプレート2側の記録液流路と流路形成
部材6側の記録液流路とが連通されている。また、流路
形成部材6には、液体噴射記録ヘッド51を後述するキ
ャリッジに対して位置決めするための球状の位置決めボ
ス6a、6bが突出して設けられている。液体噴射記録
ヘッド51は、位置決めボス6aによって図4中矢印B
方向に対して位置決めされ、位置決めボス6bによって
図4中矢印C方向に対して位置決めされる。
【0064】さらに、流路形成部材6には、第1のプレ
ート2が接合された側の反対側の上面6k側に、記録液
を濾過する多孔質部材7が接合されている。液体噴射記
録ヘッド51は、この多孔質部材7によって、記録液供
給経路の上流側から塵埃が侵入することが防止されてい
る。
【0065】また、流路形成部材6には、第1のプレー
ト2が接合された側の反対側の上面6k上に、流路形成
部材6の長辺方向の両端に位置して、枠体16に係合さ
れる係合突部9a、9bがそれぞれ形成されている。し
たがって、流路形成部材6には、係合突部9a、9bの
対向間に多孔質部材7が位置されている。
【0066】そして、流路形成部材6には、上面6k側
に多孔質部材7が組み付けられた状態で、上面6kに略
直交する方向(多孔質部材7の厚み方向)に対する各係
合突部9a、9bの上端面の位置(以下、単に高さと称
する。)が、多孔質部材7の高さよりやや大きく形成さ
れている。
【0067】ところで、流路形成部材の製造ラインで
は、流路形成部材に多孔質部材が組み付けられた後に、
流路形成部材に対して加工作業が行われている。このと
き、流路形成部材は、記録液吐出側を鉛直上方側に向け
て、すなわち多孔質部材7を鉛直下方側に向けて作業台
等に載置された場合、多孔質部材が作業台に当接してし
まうため、加工作業時に多孔質部材を損傷させてしまう
虞があった。そのため、従来の流路形成部材の製造ライ
ンでは、多孔質部材を鉛直下方側に向けて作業台に載置
する場合、流路形成部材の多孔質部材を受ける治具等を
用いていた。
【0068】上述したように、流路形成部材6は、係合
突部9a、9bの高さが多孔質部材7の高さより大きく
形成されることにより、流路形成部材6の製造ラインに
おいて多孔質部材7を鉛直下方側に向けて作業台に載置
する場合に、各係合突部9a、9bによって保護されて
多孔質部材7を作業台に当接させることなく載置するこ
とが可能になる。したがって、この流路形成部材6によ
れば、従来の流路形成部材6の製造ラインで用いられて
いる治工具等が不要になり、作業性を向上することがで
きる。
【0069】また、流路形成部材6は、各係合突部9
a、9bの高さと多孔質部材7の高さの差が5mm以下
程度に設定されており、各係合突部9a、9bが、多孔
質部材7を保護することができる高さに形成されること
によって、流路形成部材6全体が不必要に大型化される
ことがない。このため、流路形成部材6は、非常にコン
パクトな形状となり、液体噴射記録ヘッドの製造工程に
おける流路形成部材6の製造ラインが占めるスペースが
狭小化されて、生産性の格段なる向上を図ることができ
る。
【0070】さらに、流路形成部材6の係合突部9aに
は、図9に示すように、端子配線基板4の下端部4eを
保持するための保持凹部38が設けられている。この保
持凹部38には、図10および図11に示すように、端
子配線基板4の位置決め穴4b、4cに係合される位置
決めピン6p、6qがそれぞれ一体に突出して形成され
ている。また、保持凹部38には、位置決めピン6p、
6qの近傍に位置して、端子配線基板4の下端部4eの
対向する両側端に係合する一組の係合爪6r、6sがそ
れぞれ一体に突出して形成されている。
【0071】さらに、保持凹部38には、各係合爪6
r、6sを結ぶ直線の略中央に位置して、端子配線基板
4の下端部4eの裏面に当接する突起35が一体に突出
して形成されている。そして、図10に示すように、端
子配線基板4の厚みをtとしたときに、端子配線基板4
の厚み方向と平行な方向に対して、突起35の先端面と
係合爪6r、6sの係合面との間の距離xが、端子配線
基板4の厚みtよりやや小さく形成されている。
【0072】以下、端子配線基板4について、流路形成
部材6の係合突部9aに保持される状態を図面を参照し
て詳細に説明する。
【0073】図10および図11に示すように、端子配
線基板4は、配線シート3が電気的に接合された後(図
9に示す状態)、配線シート3を折曲部3bで折り曲げ
て、端子配線基板4の下端部4e側の位置決め穴4b、
4cに、流路形成部材6の位置決めピン6p、6qに挿
入することによって位置決めされる。さらに、端子配線
基板4は、下端部4eの対向する両側端が、流路形成部
材6の係合爪6r、6sにそれぞれ係合されて抱え込ま
れることにより、端子配線基板4の下端部4eが流路形
成部材6に保持される。
【0074】また、端子配線基板4の下端部4eは、距
離xが端子配線基板4の厚みtよりやや小さく形成され
ているため、位置決めピン6p、6qおよび係合爪6
r、6sによって保持凹部38内に保持された状態で、
裏面に突起35が当接されることによって、対向する両
側に亘って、図10中に破線で示すように湾曲された状
態で、寸法公差のバラツキによるガタツキが生じること
なく良好に保持されている。
【0075】上述したように、端子配線基板4は、流路
形成部材6に下端部4eのみが保持された状態で、流路
形成部材6に上端部4dが保持されていないため、外力
が負荷されたときに曲げ変形が生じる状態で保持されて
いる。すなわち、端子配線基板4は、下端部4eのみが
一時的に保持されている状態である。ただし、端子配線
基板4は、流路形成部材6に保持されることによって、
X軸、Y軸、Z軸の3軸方向に対してそれぞれ位置決め
されている。
【0076】そして、端子配線基板4は、湾曲された状
態で保持されることにより、上端部4d側に曲げ方向の
外力が負荷された場合に、係合爪6r、6sによる係合
状態が容易に解除されるため、端子配線基板4や記録ユ
ニット15が破損するが確実に防止される。
【0077】一方で、端子配線基板4は、係合状態が解
除されたとき、湾曲変形時に作用する応力から開放され
て、直ちに弾性回復力によって元の平板状態に復帰す
る。すなわち、端子配線基板4は、係合爪6r、6sに
よる係合状態が解除された際に、この端子配線基板4に
永久ひずみが生じないような湾曲変形が付与されて保持
されている。
【0078】したがって、端子配線基板4は、記録ユニ
ット15に安定的に保持されるが、強固に保持されてい
ないため、外力が負荷された場合でもこれらの構成部材
の破損を回避することができる。
【0079】なお、上述した流路形成部材6には、突起
35が設けられる構成としたが、係合突起が設けられな
い他の流路形成部材について説明する。なお、他の流路
形成部材において、便宜上、上述した流路形成部材6と
同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】液体噴射記録ヘッドの製造工程における取
り扱い時に、流路形成部材に下端部4eが保持された端
子配線基板4は、上端部4d側に外力が負荷されること
がある。
【0081】このような外力が負荷されたとき、図12
に示すように、端子配線基板4は、図12中矢印R1
向に傾斜して倒れる場合がある。この場合には、端子配
線基板4の下端部4eは、R1方向に傾斜された状態
で、係合爪6r、6sに対向する保持凹部38の対向面
1と、位置決めピン6p、6qの外周面G2とによって
それぞれ支持されるため、保持凹部38から脱落するこ
となく保持される。
【0082】また同様に、外力が負荷されたとき、図1
3に示すように、端子配線基板4は、図13中矢印R2
方向に傾斜して倒れる場合がある。この場合には、端子
配線基板4の下端部4eは、R2方向に傾斜された状態
で、端子配線基板4に対向する係合爪6r、6sの係合
面G3と、端子配線基板4の下端に対応する保持凹部3
8の下端面G4とによってそれぞれ支持されるため、保
持凹部38から脱落することなく保持される。
【0083】すなわち、流路形成部材は、突起35が設
けられない構成であっても、外力が負荷されたときに、
端子配線基板4の保持状態を維持することが可能である
が、突起35によって端子配線基板4の下端部4eを湾
曲された状態で保持されることにより、R1およびR2
向に傾斜して倒れることが防止されるため、好ましい。
【0084】以上のように、流路形成部材6は、端子配
線基板4に外力が負荷されたときに、端子配線基板4が
弾性変位可能な状態で保持されているため、端子配線基
板4を確実に保持するとともに、端子配線基板4が破損
することを防止することができる。
【0085】また、流路形成部材6には、係合突部9b
の近傍に位置して、枠体16に対して位置決めするため
の位置決め穴6cが設けられている。さらに、係合突部
9aには、枠体16に対向する上端面に、枠体16に対
して位置決めするための位置決め穴6dが設けられてい
る。
【0086】さらに、流路形成部材6の係合突部9aに
は、記録素子基板1の短辺方向の両端に、枠体16が係
合される第1の受け部6h、6gが切り欠かれてそれぞ
れ形成されている。また、流路形成部材6の係合突部9
bには、記録素子基板1の短辺方向の両端に、枠体16
が係合される第2の受け部6e、6fが切り欠かれてそ
れぞれ形成されている。
【0087】次に、枠体16の構成の一例について図面
を参照して説明する。
【0088】図8に示すように、枠体16は、例えば樹
脂材料によって形成されており、液体噴射記録ヘッド5
1の筐体としての役割を担っている。この枠体16の内
部には、所定量の記録液を収容して、収容された記録液
を一時的もしくは使い切るまで貯蔵するための共通液室
17が設けられている。
【0089】また、枠体16には、液体噴射記録ヘッド
51を図4中矢印C方向に対して位置決めする位置決め
部である突出部16dが設けられている。したがって、
本実施形態の液体噴射記録装置51においては、矢印C
方向に対する位置決めする場合、上述した流路形成部材
6側の突出部6bと、枠体16側の突出部16dのいず
れか一方が任意に選択されて、位置決めされている。
【0090】また、枠体16には、端子配線基板4の上
端部4dの対向する両側端がそれぞれ係合される一組の
係合溝26が形成されている。これら係合溝26は、枠
体16に対して記録ユニット15を結合する方向と平行
な直線状に形成されており、記録ユニット15に隣接す
る側が開口されている。したがって、端子配線基板4
は、枠体16と記録ユニット15を結合する際に、上端
部4d側から係合溝26に挿入されて、これら係合溝2
6に上端部4dの対向する両側端が係合されることによ
り、枠体16に保持される。
【0091】また、枠体16には、流路形成部材6に隣
接する一端部に、流路形成部材6の位置決め穴6c、6
dに挿入されるボス16a、16bがそれぞれ一体に突
出して形成されている。
【0092】また、枠体16には、流路形成部材6に隣
接する一端部に、流路形成部材6の係合突部9a、9b
に相対係合される第1のスナップフィット18a、18
bおよび第2のスナップフィット19a、19bが弾性
変位可能にそれぞれ形成されている。
【0093】また、枠体16には、図1および図8に示
すように、第2のスナップフィット19a、19bの近
傍に位置して、流路形成部材6の係合突部9bに係合さ
れる延長片31が一体に形成されている。この延長片3
1は、記録ユニット15側の第1のプレート2の短辺方
向の一側面に対応する位置に、記録ユニット15側に向
かって延長されている。この延長片31の先端部31c
は、記録ユニット15の配線シート3の側端3cを覆う
位置まで延長されて設けられており、枠体16と流路形
成部6とが結合された状態で、配線シート3のフェイス
面3aからこのフェイス面3aに略直交する方向である
記録液の吐出方向に僅かに突出されている。換言すれ
ば、延長片31の先端部31cは、枠体16と流路形成
部6とが結合された状態で、内壁面31eが、フェイス
面3aの外周に臨む配線シート3の側端3cに隣接され
ており、側端3cを保護壁として作用している。
【0094】また、この延長片31は、略T字状をなす
平板状に形成されており、基端部側に厚み方向に弾性変
位可能な弾性変位部31dを有している。さらに、延長
片31には、第1のプレート2の短辺方向に平行な幅方
向の両側に、流路形成部材6の係合突部9bに係合され
るフック31a、31bが切り欠かれて形成されてい
る。また、流路形成部材6の係合突部9bには、外方に
臨む側面上に、延長片31が係合される係合凹部37が
設けられている。この係合凹部37の側壁には、延長片
31のフック31a、31bが係合される第3の受部6
m、6nがそれぞれ形成されている。
【0095】さらに、枠体16には、記録ユニット15
が設けられた側の反対側の外周部に、液体噴射記録ヘッ
ド51を保持するための把手24が一体に突出して形成
されている。この把手24は、液体噴射記録ヘッド51
を記録装置が備えるキャリッジに対して着脱操作する際
の手掛かりとなる。
【0096】そして、この枠体16は、ボス16a、1
6bが、流路形成部材6の位置決め穴6c、6dに挿入
されることにより、流路形成部材6に対して位置決めさ
れる。さらに、枠体16は、第1のスナップフィット1
8a、18bおよび第2のスナップフィット19a,1
9bが、流路形成部材6の係合突部9a、9bの第1の
受部6g,6hおよび第2の受部6e,6fにそれぞれ
係合されるとともに、枠体16の延長片31のフック3
1a、31bが第3の受部6m、6nに係合されること
によって、枠体16と流路形成部材6とが結合されて固
定されている。
【0097】このように、延長片31は、フック31
a,31bを、流路形成部材6の第3の受部6m、6n
に係合させる構成とすることによって、仮に、延長片3
1に配線シート3から離間する方向の外力が作用したと
きであっても、フック31a,31bと第3の受け部6
m、6nとの係合状態における摩擦抵抗により、延長片
31の弾性変位部31dが係合状態を解除する方向に曲
げ変形を起こそうとすることを防止することができる。
【0098】したがって、延長片31が枠体16に配設
されることにより、延長片31の弾性変位部31dの長
さが長くなり、弾性変位部31dの曲げ剛性が小さくな
るが、弾性変位部31dの厚みが小さく形成されても係
合状態が容易に解除されない構成であるため、液体噴射
記録ヘッド51全体の小型化を図ることができる。
【0099】なお、上述した延長片31は、枠体16側
に設けられる構成としたが、図示しないが、仮に、延長
片31が流路形成部材6側に設けられた場合には、配線
シート3を接着する工程において、配線シート3を流路
形成部材6側に寄せる際に、延長片31が障害となる。
したがって、この場合には、流路形成部材6を接合する
以前に、配線シート3を第2のプレート5上に接着する
必要が生じてしまう。このように、延長片31が流路形
成部材6側に設けられる構成は、工程設定の自由度を損
ない、生産性を悪化させるため、好ましくない。
【0100】さらにまた、延長片31は、先端部31c
が、フェイス面3aよりも突出しているため、記録装置
において、例えば、巻き癖が比較的大きな記録用紙が通
過したり、記録用紙の紙詰まり処理の際等に、記録用紙
が吐出口に接触しようとしても、延長片31の先端部3
1cが記録用紙に当接することで、記録用紙と吐出口と
の接触が妨げられる。このため、この延長片31によれ
ば、記録用紙によって吐出口周辺やフェイス面3aが損
傷することなく、記録用紙への記録品質を低下させる等
の不都合を回避することができる。
【0101】また、枠体16には、端子配線基板4の両
側端がそれぞれ係合される一組のレール状の係合溝26
が形成されている。これら係合溝26は、枠体16と流
路形成部材6とを接合する際に、端子配線基板4の上端
部4dがこの係合溝26に進入し、所定位置まで嵌め込
まれることにより、端子配線基板4は完全に保持され
る。すなわち、端子配線基板4の下端部4eは流路形成
部材6によって保持され、端子配線基板4の上端部4d
は枠体16の係合溝26によって保持されることにな
る。
【0102】このように、端子配線基板4が流路形成部
材6に対して加熱溶着によって固定されるような構成に
比較して、端子配線基板4上に熱加締め用の穴を形成す
るためのスペースを設ける必要がなく、端子配線基板4
の幅を小さくすることができる。これによって、液体噴
射記録ヘッド51全体の幅をコンパクトにすることがで
きる。
【0103】また、流路形成部材6と枠体16とを組付
ける際に、端子配線基板4の上端部4dが係合溝26内
へ挿入されるような構成のため、端子配線基板4を固定
するための生産工程を削減することができ、生産性向上
を図ることができる。その上、端子配線基板4は容易に
取り外せるため、液体噴射記録ヘッド51の分解作業が
容易であり、リサイクル性のおいても優れた構成であ
る。
【0104】また、端子配線基板4は、流路形成部材6
と枠体16とに跨って保持されている。このため、流路
形成部材6においては従来構成のように、端子配線基板
4の全域を受容するためのスペースを設ける必要がない
ため、流路形成部材6は効率良く形状形成することがで
きてコンパクトになる。さらに、前述したように流路形
成部材6は仕掛用の治工具等に頼らなくても多孔質部材
を保護して下面に置くことができるため、仕掛かりスペ
ースが狭小化されて、生産性の向上を格段に図ることが
できる。
【0105】また、液体噴射記録ヘッド51は、枠体1
6と流路形成部材6との記録液流路の連結箇所を気密に
閉塞するためのシール部材20を備えている。このシー
ル部材20は、例えばゴム、エラストマー等の弾性材に
よって枠状に形成されており、図4および図5に示すよ
うに、枠体16に対向する上面および流路形成部材6に
対向する下面に、外周に沿って上リブ21および下リブ
22がそれぞれ***されて一体に設けられている。
【0106】また、シール部材20には、流路形成部材
6の上面6kに対向する下面上の各角部に、上面6k上
に位置決めされて係合される位置決めボス20aがそれ
ぞれ設けられている。また、流路形成部材6の上面6k
には、多孔質部材7の外周に沿って、シール部材20の
各位置決めボス20aが係合される位置決め穴6jがそ
れぞれ設けられている。
【0107】そして、このシール部材20は、各位置決
めボス20aが流路形成部材6の各位置決め穴6jに挿
入されて位置決めされた後、枠体16と流路形成部材6
とが組み付けられることにより、上面側の上リブ21と
下面側の下リブ22とが枠体16の下面16cと流路形
成部材6の上面6kによって挟持圧縮を受けて潰される
ため、共通液室17の内部が完全に密封されている。
【0108】このようにして、液体噴射記録ヘッド51
は、枠体16の共通液室17内に貯蔵された記録液が記
録ユニット15に供給され、多孔質部材7から流路形成
部材6と第1のプレート2の記録液流路を経て、記録素
子基板1の記録液供給口1aを介して記録素子基板1の
吐出口に供給される。
【0109】さらに、枠体16には、共通液室17に記
録液を供給するための記録液供給口となるジョイントゴ
ム23が設けられている。図11に示すように、ジョイ
ントゴム23の端面の中央には、Y字をなすスリット状
の亀裂穴23bが設けられている。そして、このジョイ
ントゴム23は、図3に示すように、ジョイントゴム2
3の外径寸法に比して内径寸法が小さく形成される枠体
16の円筒穴部16a内に圧入されて設けられている。
また、ジョイントゴム23には、枠体16に対する圧入
方向の先端部23cは、円筒穴部16a内への挿入性を
良好に確保するために、先端に向かって縮径されたテー
パ形状に形成されている。
【0110】このように、ジョイントゴム23に亀裂穴
23bを形成することにより、記録装置が備える記録液
供給機構の記録液供給用のニードル(不図示)が挿入さ
れる際、このニードルの先端は、亀裂穴23bを裂い
て、枠体16の内部の共通液室17内に円滑に挿入され
る。また、亀裂穴23bは、ニードルの非挿入時に、ジ
ョイントゴム23の外周部から圧縮荷重を受けて閉塞さ
れるため、共通液室17の内部を密閉状態に保つことが
できる。
【0111】一方で、ジョイントゴム23は、亀裂穴2
3bにニードルが挿入されたとき、外周側からの圧縮力
によって、ニードルに対してグリップ力が作用するた
め、ニードルの外周側のジョイント部(不図示)を完全
に密閉することができる。
【0112】また、ジョイントゴム23は、枠体16の
側面の上下2箇所に隣接して配設されている。下方のジ
ョイントゴム23は、記録装置が備える記録液貯蔵タン
ク(不図示)から記録液を供給するための供給通路とさ
れており、記録液が下方のニードルを通じて共通液室1
7内へ供給される。
【0113】また、上方のジョイントゴム23は、共通
液室17内に蓄えられた空気を共通液室17の外部へ放
出して、共通液室17内を負圧力にするための吸気通路
とされている。したがって、ポンプ等の吸気用駆動手段
(不図示)によって、共通液室17内の空気を上方のジ
ョイントゴム23に挿入されたニードルから共通液室1
7の外部へ排気することにより、共通液室17内の負圧
力が制御されている。
【0114】つまり、この吸気通路による共通液室17
内の負圧力を増大させることで、共通液室17内に補給
される記録液の供給量を制御することができる。
【0115】次に、記録ユニット15の流路形成部材6
と枠体16との結合状態についてさらに詳しく説明す
る。
【0116】枠体16のボス16aが流路形成部材6の
位置決め穴6cに挿入され、枠体16のボス16bが流
路形成部材6の位置決め穴6dに挿入され、枠体16の
第1のスナップフィット18a、18bが流路形成部材
6の第1の受部6g、6hに係合され、枠体16の第2
のスナップフィット19a,19bが流路形成部材6の
第2の受部6e,6fに係合され、枠体16の延長片3
1のフック31a、31bが流路形成部材6の第3の受
部6m、6nに係合され、さらに、枠体16と流路形成
部材6がシール部材20を対向間に挟持して圧接するこ
とによって、枠体16と流路形成部材6の各記録液流路
が密閉されて両者が完全に連通されて固定される。
【0117】したがって、本実施形態の液体噴射記録ヘ
ッド51は、記録ユニット15と枠体16がビスや接着
剤等によって結合される形態や、両者の結合箇所が封止
剤等を介して密閉されるような形態と比較して、記録ユ
ニット15と枠体16との組立作業や分解作業が容易で
あるため、リサイクル性に適した構成であり、液体噴射
記録ヘッド51を安価に製造することができる。
【0118】また、第1のスナップフィット18a、1
8bおよび第2のスナップフィット19a,19bは、
各々対向する各フックが、第1の受け部6g、6hおよ
び第2の受け部6e、6fに係合する方向に対向された
位置に一対に設けられているため、各フックによる係合
状態が強固に保持される。
【0119】さらに、第1のスナップフィット18a、
18bは、弾性変位部の長手方向が、枠体16と流路形
成部材6とを結合させる結合方向に一致するように形成
されている。また、第2のスナップフィット19a,1
9bは、弾性変位部の長手方向が、枠体16と流路形成
部材6との結合方向に対して直角に交差する方向に形成
されている。すなわち、第1のスナップフィットおよび
第2のスナップフィットには、枠体16と流路形成部材
6とを結合させる際に、各弾性変位部が弾性変位する方
向が互いに直交するように形成されている。
【0120】これによって、液体噴射記録ヘッド51を
誤って落下させる等によって、枠体16と流路形成部材
6との結合状態を解除して分離させる方向に衝撃力が加
えられた場合には、第1のスナップフィット18a、1
8bの弾性変位部の長手方向に引張応力が作用するが、
第1のスナップフィット18a、18bがこのような引
張応力に対して十分に耐え得る剛性を有している。この
ため、第1のスナップフィット18a、18bは、弾性
変位部の長手方向に作用する衝撃荷重によって、フック
と第1の受部6g、6hとの係合状態が解除されること
はない。
【0121】また、枠体16と流路形成部材6は、対向
間にシール部材20を圧縮して挟持する状態で結合され
ているため、シール部材20の弾性力によって、両者枠
体16と流路形成部材6とを離間する方向の反発力が常
時作用している。このため、第1のスナップフィット1
8a、18bの弾性変位部は、このようなシール部材2
0による反発力に対しても十分に耐え得るような引張り
強さを有する機械的強度に設定されている。また同様
に、延長片31においても、弾性変位部31dがシール
部材20の反発力に耐え得る引張り強さを有する機械的
強度に設定されている。
【0122】さらに、第1のスナップフィット18a、
18bは、フックの係合面と第1の受部6g、6hとが
ほぼ水平(平行)に当接して係合されている。このた
め、枠体16と流路形成部材6との結合位置は、フック
が第1の受け部6g、6hに当接することによって、高
精度に位置決めされる。
【0123】一方、第2のスナップフィット19a,1
9bと第2の受部6e,6fが係合された個所では、枠
体16と流路形成部材6との結合を分離する方向の衝撃
力を受けた場合、第2のスナップフィット19a,19
bの弾性変位部に曲げ応力が作用することになる。第2
のスナップフィット19a,19bは、このような曲げ
応力によって第2のスナップフィット19a、19bの
係合状態が解除されることはないが、曲げ応力に対する
剛性が比較的小さいため、大きな荷重が負荷された場合
に曲げ変形を起こすことになる。
【0124】その上、上述したように、枠体16と流路
形成部材6との結合箇所には、シール部材20による反
発力が常に作用しているため、このような曲げ変形によ
る塑性変位が生じることによって、枠体16と流路形成
部材6とが分離する方向に移動する虞があり、枠体16
と流路形成部材6の相対位置の位置決め精度の低下を招
くことになる。
【0125】すなわち、このようなシール部材20の弾
性による反発力に対しては、第2のスナップフィット1
9a,19bの耐荷重よりも、第1のスナップフィット
18a,18bや延長片31の耐荷重の方が大きく確保
されている。したがって、シール部材20による反発荷
重に対しては、第1のスナップフィット18a,18b
のフックおよび延長片31のフック31a、31bが主
体となって抗しており、枠体16と記録ユニット15と
の結合状態を維持している。
【0126】したがって、延長片31は、第2のスナッ
プフィット19a,19bの近傍に位置して設けられる
ことによって、フック31a、31bと第3の受け部6
m、6nの係合強度が、第2のスナップフィット19
a,19bにおける記録ユニット15と枠体16を分離
する方向に対する係合強度の弱点を補うように作用させ
ることができる。
【0127】次に、第1のスナップフィット18a、1
8bおよび第2のスナップフィット19a,19bの弾
性変位方向に衝撃力を受けた場合について説明する。
【0128】この弾性変位方向に衝撃力が加えられた場
合には、第1のスナップフィット18a、18bの弾性
変位部に曲げ応力が作用して、第1のスナップフィット
18a、18bが容易に曲げ変形を起こすことになる。
そして、仮に、第1のスナップフィット18a、18b
は、第1の受け部6g、6hからフックが外れかけてし
まったとき、フックの係合面が第1の受部6g、6hの
角部に対して傾斜して当接することになり、このような
当接状態での摩擦抵抗が大きくなる。このため、第1の
スナップフィット18a、18bは、所定の係合位置に
復帰するために、第1のスナップフィット18a、18
bの弾性回復力がこの摩擦抵抗に抗する大きな荷重を有
している必要があり、第1のスナップフィット18a、
18bが所定の係合位置に復帰することが困難となる。
そして、第1のスナップフィット18a、18bは、こ
のような状態からさらに衝撃荷重が付加されたとき、フ
ックの係合面が第1の受部6g、6hからさらに離間す
る方向に退避し、第1の受部6g、6hとの係合状態が
解除されてしまうことになる。
【0129】一方、第2のスナップフィット19a,1
9bと第2の受部6e,6fが係合された係合個所で
は、第1のスナップフィット18a、18bと第1の受
部6g、6hの係合箇所と同様に、第2のスナップフィ
ット19a,19bの弾性変位部が曲げ変形を起こすこ
とになる。しかしながら、このとき、第2のスナップフ
ィット19a,19bのフックの係合面は、第2の受部
6e,6fに対してほぼ水平(平行)に当接しており、
第2のスナップフィット19a,19bが曲げ変形を起
こしても、両者の当接する角度がほとんど変化しない。
このため、第2のスナップフィット19a,19bは、
曲げ変形によって、フックの係合面が移動する際でも、
この係合面に作用する摩擦抵抗が比較的小さく、第2の
スナップフィット19a,19bは直ちに所定の係合位
置に復帰することができる。
【0130】すなわち、以上説明したように、液体噴射
記録ヘッド51は、弾性変位部の延長方向が異なる第1
のスナップフィット18a、18bと第2のスナップフ
ィット19a,19bによって枠体16と流路形成部材
6が係合することにより、液体噴射記録ヘッド51が枠
体16と流路形成部材6の結合方向に作用する衝撃荷重
を受けた場合に、第1のスナップフィット18a、18
bおよび延長片31が係合状態を保持するように働き、
第1のスナップフィットのフック進退方向に作用する衝
撃荷重を受けた場合には、第2のスナップフィット19
a,19bが係合状態を保持するように働くように構成
されている。
【0131】また、枠体16と流路形成部材6の結合位
置の精度は、主として両者の離間方向に作用する荷重に
耐え得るような引張強度を有した第1のスナップフィッ
ト18a、18bと、これら第1のスナップフィット1
8a、18bに対応する第1の受部6g、6hとが係合
によって決定され、両者の相対位置が高精度に保たれて
いる。
【0132】一方、第1のスナップフィット18a、1
8bのフックが弾性変位する方向に作用する衝撃荷重を
受けた場合には、第2のスナップフィット19a,19
bと第2の受部6e,6fとの係合状態が容易に解除さ
れないため、第2のスナップフィット19a,19bと
第2の受け部6e,6fとの係合状態が、第1のスナッ
プフィット18a、18bと第1の受部6g、6hの係
合状態を維持させるように補っている。
【0133】なお、上述した落下衝撃力やシール部材2
0による反発力に対する耐性を向上させる他の手段とし
ては、スナップフィットの弾性変位部の厚みを増加させ
ることにより、弾性変位部の曲げ剛性を強化する方法も
ある。しかしながら、このような方法の場合には、スナ
ップフィットが大型化してしまい、この大型化に伴っ
て、枠体16と流路形成部材6との結合するめのスペー
スが大きくなる。その上、このような方法の場合には、
スナップフィットの曲げ剛性が増加することにより、組
立時に結合させるために要する負荷が増してしまい、組
立性が悪化してしまうことになる。
【0134】したがって、本実施形態では、第1および
第2のスナップフィット18a、18b、19a、19
bの弾性変位部の厚みを増すことなく、枠体16と流路
形成部材6との結合状態を強固に固定することができる
ため、液体噴射記録ヘッド51を比較的低い製造コスト
で、コンパクトに製造することができる。その上、本実
施形態は、枠体16と流路形成部材6とを結合する際に
掛かる負荷が小さいため、生産性に優れている。
【0135】次に、以上のように構成された液体噴射記
録ヘッド51を清掃するワイピング動作について説明を
する。なお、上述した液体噴射記録ヘッド51を備える
本実施形態に係る記録装置については後述する。
【0136】記録装置においては、液体噴射記録ヘッド
51から記録液を吐出する時に発生するミストやサテラ
イト等により、記録素子基板1の吐出口や記録液吐出面
1bさらには配線シート3のフェイス面3aに記録液が
濡れて付着することがある。また、記録装置は、後述す
る回復ユニットのキャップによって吐出口から記録液を
キャッピングして吸引する等の吸引処理時にも、記録液
吐出面1bやフェイス面3aに吸引残りの記録液が付着
することがある。
【0137】そこで、記録装置は、このような記録液吐
出面1bやフェイス面3aに付着した残留記録液を取り
除くために、ワイピング処理を行うための回復ユニット
(図示せず)を備えている。
【0138】回復ユニットは、液体噴射記録ヘッド51
の記録液吐出面1bおよびフェイス面3a上を摺接して
記録液を拭き取るブレード41と、このブレード41を
移送する移送機構(不図示)とを有している。また、回
復ユニットは、液体噴射記録ヘッド51の記録液吐出面
1bおよびフェイス面3aを覆うためのキャップと、こ
のキャップを記録ユニット15に対して移動する移動機
構と、キャップを介して記録液を吸引するための吸引機
構とを備えている。
【0139】ブレード41は、例えばゴム、エラストマ
ー等の弾性材料によって略平板状に形成されており、先
端側が弾性変形したときに弾性力によって形状を復元さ
せる弾性復元力を有している。
【0140】また、ブレード41は、幅が配線シート3
の短辺方向の幅よりも大きい場合、ブレード41が摺擦
できない領域が発生しないため、ワイピング動作を効果
的に行うことができる。したがって、ブレード41の幅
は、配線シート3の幅よりも大きく形成されることが好
ましい。
【0141】図17において、ブレード41の各状態m
1,m2,m3、m4は、ワイピング動作開始、延長片31
の先端部31cの通過中、ワイピング動作中(フェイス
面3aへの進入開始)、ワイピング動作終了の状態をそ
れぞれ示している。
【0142】ブレード41は、ワイピング動作開始位置
(状態m1)から図17中矢印T方向に移動して、ブレ
ード41の先端側が延長片31の外壁面に接触したと
き、ブレード41の先端側が延長片31の先端部31c
に沿うように大きく湾曲して弾性変形しながら、先端部
31cに摺擦して移動する(状態m2)。
【0143】そして、ブレード41は、矢印T方向にさ
らに進行したとき、先端側が配線シート3のフェイス面
3a上へ進入する。(状態m3)配線シート3のフェイ
ス面3aは、延長片31の先端部31cよりも、流路形
成部材6側に位置が後退しているため、ブレード先端側
が延長片31の先端部31cを通過したとき、ただち
に、自身の弾性復元力により、段差(延長片31の先端
部31cとフェイス面3aとの相対位置の差)に沿っ
て、湾曲形状の変形量を縮小させて、フェイス面3a上
を摺擦する。
【0144】このように、ブレード41は、先端側の摺
接面が、延長片31の先端部31cからフェイス面3a
へ移行する際、先端側がブレード41自身の弾性復元力
によって平板状の直立状態に復帰しようとするため、先
端側がブレード41の移送方向に勢い良く移動する。
【0145】そして、このとき、ブレード41の先端側
は、配線シート3の側端3cに接触することなく、この
側端3cを飛び越えて通過するため、配線シート3の側
端3cに引っ掛かるようなことが確実に防止されてい
る。すなわち、本実施形態の液体噴射記録ヘッド51に
よれば、ブレード41のワイピング動作によって、配線
シート3が側端3cから剥離される不都合がなく、配線
シート3の破損を防止することができる。
【0146】なお、上述したように、ブレード41が側
端3cを飛び越える領域の長さは、ブレード41の材質
(弾性回復力)、ブレード41の移動速度、延長片31
の先端部31cと配線シート3のフェイス面3aとの相
対位置の差(段差)等によって決まる。
【0147】また、本実施形態の液体噴射記録ヘッド5
1は、延長片31の先端部31cとフェイス面3aとの
段差が1mm程度以下に設定されているため、ブレード
41の先端側が無理なく良好に弾性変形して、先端側の
弾性変形による変化が円滑かつ短時間に行われる。
【0148】以上のように構成された液体噴射記録ヘッ
ド51は、ブレード41が配線シート3のフェイス面3
a上へ進入する際に、ブレード41が延長片31の内壁
面31eおよび配線シート3の側端3cを飛び越える
が、飛び越えた後もブレード41の先端側が湾曲形状を
維持する。このため、ブレード41は、先端側の着地地
点から直ちに配線シート3のフェイス面3a上に押圧さ
れるため、ワイピング動作を迅速に開始することができ
る。
【0149】したがって、液体噴射記録ヘッド51は、
吐出口の周辺に付着した塵埃や記録液も、ブレード41
の先端側によって確実に掻き取ることが可能にされてい
る。そして、ブレード41が配線シート3のフェイス面
3aを完全に通過したとき、ブレード41は、自身の弾
性回復力により元の直立状態の形状に復帰する(状態m
4)。
【0150】記録装置は、上述した一連のワイピング動
作によって、配線シート3のフェイス面3aおよび吐出
口の周辺を清掃することで、記録液の吐出動作を安定さ
せて、良好な画像を得ることができる。
【0151】また、延長片31の内壁面31eは、ワイ
ピング動作の開始地点よりも上流側に位置するため、ブ
レード41の先端側よって運ばれてきた記録液が内壁面
31e近傍に溜まるようなことはない。
【0152】なお、当然のことながら、ワイピング動作
の際に、ブレード41の幅方向に流れ出して除去しきれ
なかった残留記録液や1回のワイピング動作で除去しき
れなかった残留記録液等が、ブレード41の摺接領域か
ら外れた領域に停滞してしまうことを防ぐため、配線シ
ート3の周辺には、延長片31の先端部31cを除いて
フェイス面3aよりも突出する壁や突起等が設けられて
いない。
【0153】また、ブレード41の先端側が延長片31
に接触して湾曲する際に、ブレード41の幅方向の全域
に亘って、均一に湾曲形状に弾性変形させるため、延長
片31の幅はブレード41の幅よりも大きくし、かつブ
レード41の幅の全域が延長片31に接触するように構
成されていることが好ましい。
【0154】次に、記録装置が備えるキャリッジに対し
て液体噴射記録ヘッド51を位置決めする位置決め方法
について、図14および図15を参照して説明する。
【0155】図14および図15には、説明の便宜上、
キャリッジ全体を示さずにキャリッジの底面部の一部の
みを模式的に示している。
【0156】キャリッジの底面部には、液体噴射記録ヘ
ッド51を挿通させるための開口部61aが設けられて
いる。この開口部61aの内壁面には、液体噴射記録ヘ
ッド51側の円筒面部2a、2bを受けるための受部6
1b、61cが設けられており、上面には液体噴射記録
ヘッド51の挿入方向を支持するための受面61d,6
1eが設けられている。
【0157】液体噴射記録ヘッド51がキャリッジの底
面部61に対して下降されて挿入されたとき、液体噴射
記録ヘッド51は、キャリッジ側に配設された押圧手段
(不図示)によって図9中矢印A、B、C方向にそれぞ
れ押圧される。このため、液体噴射記録ヘッド51の位
置決めボス6aがキャリッジの支持面61d、61e上
に当接し、液体噴射記録ヘッド51の円筒面部2a、2
bがキャリッジの受部61b、61cに当接して、さら
に液体噴射記録ヘッド51の位置決めボス6bがキャリ
ッジ側の所定の受部(不図示)に当接することにより、
キャリッジに対して液体噴射記録ヘッド51が高精度に
位置決めされる。
【0158】なお、記録装置は、キャリッジに設けられ
た押圧手段によって矢印A,B、C方向に作用する各押
圧力を全て枠体16が受けるように構成することによ
り、液体噴射記録ヘッド51の大容量貯蔵化(共通液室
17の大容積化)等が図られて、枠体16が大型化する
ような記録ヘッドの形態であっても、記録ユニット15
あるいは流路形成部材6を大型化させる必要がなく、液
体噴射記録ヘッド51を安価に製造することができる。
【0159】なお、液体噴射記録装置51において、上
述した矢印C方向に対する位置決めは、枠体16の突出
部16dと流路形成部材6の突出部6bとのどちらを当
接させるような構成にしても良い。すなわち、液体噴射
記録ヘッド51をキャリッジに搭載した際、液体噴射記
録ヘッド51の上方が矢印C方向側に傾斜する(液体噴
射記録ヘッド51の上方が矢印C方向へお辞儀する)よ
うな荷重をキャリッジから受けるような構成の場合に
は、枠体16の突出部16dをキャリッジに当接させる
構成が好ましく、矢印C方向の位置決め精度を重視する
場合には、組立誤差が少なくなる流路形成部材6の突出
部6bを当接させる構成が好ましい。
【0160】また、記録素子基板1の実装基準である第
2のプレート5の円筒面部2a,2b(第1基準平面)
が、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジに対して位置
決めする搭載位置決め基準部として転用されるため、液
体噴射記録ヘッド51をキャリッジに搭載した後におけ
る記録素子基板1(吐出口列)の傾き量は、第1のプレ
ート2の第1基準平面を基準とした記録素子基板1の調
整精度と、この第1基準平面とキャリッジの突起部61
b、61cとの当接精度とを合算した値のみで決定され
ることになり、キャリッジに対する液体噴射記録ヘッド
51の搭載位置の精度が極めて良好となる。
【0161】さらに、第1のプレート2をセラミックス
等の剛体材料で形成することによって、第1のプレート
2の寸法精度や幾何精度がさらに向上し、記録素子基板
1の実装精度を格段に向上することができる。
【0162】また、第1のプレート2を剛体材料で形成
することによって、液体噴射記録ヘッド51をキャリッ
ジに搭載するときに、第1のプレート2の第1基準平面
が荷重を受けて変形することがないため、当接位置決め
精度が極めて良好となる。その上、液体噴射記録ヘッド
51がキャリッジに対して頻繁に着脱操作されるような
場合であっても、第1のプレート2の基準面が耐磨耗性
に優れるため、液体噴射記録ヘッド搭載時の吐出口配列
部の傾き精度が再現性良く確実に位置決めされるように
なり、記録装置全体の信頼性の向上が図られることにな
る。
【0163】また、第1のプレート2をアルミナで形成
することによって、記録素子を高密度化した昇温し易い
液体噴射記録ヘッド形態において、アルミナの放熱特性
を利用することができ、液体噴射記録ヘッド全体の温度
特性が向上する。さらに、アルミナは、耐薬品性に優
れ、剛性も大きく、高い寸法精度の加工が可能なため、
第1のプレート2に必要とされる各種特性に適応してお
り、第1のプレート2に用いられて好適である。
【0164】以上のように、液体噴射記録ヘッド51を
キャリッジ搭載する際に各A、B、C方向、すなわち3
軸方向全ての方向に対して位置決めするための位置決め
基準部が、全て記録ユニット15に設けられることによ
り、記録素子基板1から第1のプレート2あるいは流路
形成部材6に配設された位置決め基準部までの部材積み
上げ誤差および寸法積み上げ誤差を軽減させることがで
きるため、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジ上に搭
載した後の吐出口の位置決め精度が格段に向上する。
【0165】そして、このように、記録ユニット15に
は液体噴射記録ヘッド51に要求される機能が集約され
るため、高精度で高い機械的強度が得られるような材料
選定と機械的構造を採用することによって、液体噴射記
録ヘッド51における寸法基準部の信頼性が非常に高ま
ることになる。
【0166】一方、枠体16に関しては、第1のスナッ
プフィット18a、18bと第2のスナップフィット1
9a,19bおよび延長片31が所望の特性を有する範
囲で安価な材料を選定できるため、記録ユニット15は
必要な機能を最小限の大きさに集約して形成し、枠体1
6が他に必要な全ての部分を安価な材料によって形成す
ることにより、高性能な液体噴射記録ヘッド51を安価
に製造することができる。
【0167】また、液体噴射記録ヘッド51の位置決め
において最も重要である吐出口の配列方向の傾きは、記
録素子基板1の実装基準と液体噴射記録ヘッド51のキ
ャリッジへの搭載基準とが同一条件で設定される。この
ため、液体噴射記録ヘッド51がキャリッジに対して繰
り返し着脱されるような記録装置であっても、吐出口が
常時高精度に維持される。
【0168】さらにまた、液体噴射記録ヘッド51を構
成する全ての部材がキャリッジ搭載時の位置決め基準部
を基準として組み付けられるようにすることで、液体噴
射記録ヘッド51を更に高精度に製造することができ
る。
【0169】以上が本発明の液体噴射記録ヘッドおよび
記録装置の一形態であるが、当然のことながら、本発明
は、キャリッジに対して単一の液体噴射記録ヘッド51
のみが搭載される記録装置と、キャリッジに対して複数
の液体噴射記録ヘッド51が搭載される記録装置とのど
ちらの構成にも適用できる。
【0170】また、液体噴射記録ヘッド51をキャリッ
ジ上に搭載する際の3次元全ての方向(3軸方向)に対
して位置決めするための位置決め基準部が、流路形成部
材6に配設されるような構成にしても良い。すなわち、
液体噴射記録ヘッド51は、位置決め基準部を一部材に
集約させることによって、高精度部材と低精度部材とを
明確に分別して、生産性を向上させることができる。
【0171】また、本実施形態では、第2のスナップフ
ィット19a,19bの弾性変位部が、枠体16と流路
形成部材6の結合方向に対して直角方向に延長されてい
るが、第2のスナップフィット19a,19bの弾性変
位部が、枠体16と流路形成部材6の結合方向に対して
45°以上傾斜する方向に延長されるような構成にして
も同様の効果が得られる。
【0172】また、本実施形態の液体噴射記録ヘッド
は、記録ユニット15と枠体16は、対向間にシール部
材20を挟持した状態で結合される構成としたが、対向
間にシール部材20を設けないような他の構成、例えば
封止材等によって記録ユニット15側および枠体16側
の各記録液流路を気密に閉塞するような構成としてもよ
い。
【0173】(第2の実施形態)図18に第2の実施形
態の液体噴射記録ヘッドの外観の斜視図を示す。図19
および図20に液体噴射記録ヘッドの分解斜視図を示
す。
【0174】本実施例は着脱可能なカートリッジ方式の
インクタンクを保持固定する機能を有したホルダ部材を
記録ユニットに接合する形態の液体噴射記録ヘッド構成
について適応するものである。
【0175】本実施形態の液体噴射記録ヘッドは、カー
トリッジ方式のインクタンクを着脱可能に保持して固定
するホルダ部材に、記録ユニットを結合した構成とされ
ている。なお、第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドに
ついて、上述した第1の実施形態の液体噴射記録ヘッド
51と同一部分には同一符号を付して説明する。また、
上述した液体噴射記録ヘッド51の枠体16と同一部分
についても、便宜上、同一符号を付して説明を省略す
る。
【0176】液体噴射記録ヘッド53は、上述した記録
ユニット15と、カートリッジ方式のインクタンク64
を着脱可能に保持するホルダ部材62とを備えている。
【0177】ホルダ部材62には、インクタンク64が
装填される装填部66が開口して設けられている。イン
クタンク64の外周部には、装填部66に設けられた係
合部(図示せず)に係合される係合片64aが設けられ
ており、この係合片64aが係合することにより、装填
部66内から脱落することが防止されている。
【0178】また、ホルダ部材62には、上述した枠体
16と同様に、第1のスナップフィット18a,18b
と第2のスナップフィット19a、19bが配設されて
いる。そして、これら第1のスナップフィット18a、
18bと第2のスナップフィット19が、記録ユニット
15の第1の受部6e、6fおよび第2の受部6g、6
hに係合されるとともに、端子配線基板4の上端部4d
がホルダ部材62の係合溝26に挿入されて係合される
ことにより、ホルダ部材62と記録ユニット15が結合
されて固定されている。
【0179】最後に、上述した記録液噴射ヘッド51を
備える実施形態の記録装置について簡単に説明する。
【0180】図示しないが、この記録装置は、記録用紙
に画像等の情報を記録する上述した液体噴射記録ヘッド
51を有する記録部と、この記録部に対して記録用紙を
搬送する搬送部と、記録部によって情報が記録された記
録用紙を装置外部に排出するための排出部と、上述した
回復ユニットとを備えている。
【0181】搬送部は、記録用紙を搬送するための搬送
ローラと、この搬送ローラを回転駆動する搬送機構とを
有している。同様に、排出部は、記録用紙を排出するた
めの排出ローラと、この排出ローラを回転駆動する排出
機構とを有している。
【0182】以上のように構成された記録装置は、搬送
部の搬送ローラによって記録用紙が記録部側に搬送され
て、液体噴射記録ヘッド51によって記録液が吐出され
ることにより、記録用紙に所望の画像等の情報が記録さ
れる。そして、排出部は、情報が記録された記録用紙
を、排出ローラによって搬送されて記録装置の外方に排
出させる。
【0183】なお、回復ユニットのブレードによる液体
噴射記録ヘッド51のワイピング動作は、上述した第1
の実施形態の液体噴射記録ヘッド51に関連して述べた
ため説明を省略する。また、記録装置は、上述した液体
噴射記録ヘッド53を備える構成としてもよいことは勿
論である。
【0184】上述したように、本実施形態の液体噴射記
録ヘッド51,53によれば、端子配線基板4が、枠体
16またはホルダ部材62に設けられた係合溝26に係
合されて保持されることによって、例えば端子配線基板
4が流路形成部材6に対して加熱溶着されて固定される
構成に比較して、端子配線基板4上に溶着用のピンが係
合される複数の溶着用の穴を設けるスペースを確保する
必要がなく、端子配線基板4の幅を小さくすることがで
きる。これによって、端子配線基板4の幅に対応する液
体噴射記録ヘッド51,53の幅をコンパクトにするこ
とができる。
【0185】また、液体噴射記録ヘッド51、53によ
れば、流路形成部材6の係合突部9a、9bの高さが、
係合突部9a、9bの対向間に位置する多孔質部材7の
高さよりやや大きく形成されたことにより、多孔質部材
7の損傷を防止することが可能になるとともに、液体噴
射記録ヘッド51,53の製造工程における流路形成部
材7の取り扱いが容易になり、液体噴射記録ヘッドの生
産性を飛躍的に向上することができる。
【0186】また、液体噴射記録ヘッド51,53によ
れば、流路形成部材6と枠体16またはホルダ部材62
とを結合する際に、端子配線基板4の上端部4dの両側
が係合溝26内に挿入される構成であるため、従来の液
体噴射記録ヘッドの構成のような端子配線基板を固定す
るための加工工程(加熱溶着、ビス止め、接着等)を削
減することが可能になり、生産性の向上を図ることがで
きる。さらに、この液体噴射記録ヘッド51,53によ
れば、枠体16から端子配線基板4を容易に取り外せる
ため、液体噴射記録ヘッドの分解作業が容易になり、リ
サイクル性も向上することができる。
【0187】また、液体噴射記録ヘッド51,53によ
れば、3軸方向全てに対する位置決め手段と、端子配線
基板4の基本的な3軸方向に対する位置決め手段とが、
記録ユニット15側に設けられることによって、液体噴
射記録ヘッドの吐出性能および機械的精度に影響を与え
る部分が、記録ユニット15に集約される。したがっ
て、液体噴射記録ヘッド51,53によれば、枠体16
が記録液を貯蔵するために最低限必要な機能のみを有し
ていれば良く、枠体16に安価な材料を選定することが
可能になる。同様に、ホルダ部材62においても、カー
トリッジ方式のインクタンク64を着脱可能に保持する
ように形成すれば良く、安価な材料選定が可能である。
すなわち、このように液体噴射記録ヘッドに必要な機能
および部品精度を記録ユニット15と、枠体16または
ホルダ部材62との2つに完全に分割することにより、
生産性が格段に向上するとともに、結果的に安価な液体
噴射記録ヘッドを製造することができる。
【0188】さらに、液体噴射記録ヘッド51、53に
よれば、記録ユニット15と枠体16またはホルダ部材
62に、相対係合する第1および第2のスナップフィッ
ト18a、18b、19a、19bおよび第1および第
2の受部6e、6f、6g、6hを設けることによっ
て、記録ユニット15と枠体16またはホルダ部材62
が、ビス、接着剤等を介して結合される構成に比較し
て,生産性が非常に優れ、液体噴射記録ヘッドを安価に
製造することができる。さらに、この液体噴射記録ヘッ
ド51,53によれば、第1および第2のスナップフィ
ット18a、18b、19a、19bと、第1および第
2の受部6e、6f、6g、6hとの係合状態を比較的
容易に解除することが可能になるため、液体噴射記録ヘ
ッドの分解作業が容易になり、リサイクル性も向上する
ことができる。
【0189】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液体
噴射記録ヘッドによれば、端子配線基板が、液体貯蔵ユ
ニットまたはホルダ部材に設けられた係合溝に係合され
て保持されることによって、端子配線基板の幅を小さく
することができる。これによって、端子配線基板の幅に
対応する液体噴射記録ヘッドの幅を小さくすることが可
能になり、液体噴射記録装置の小型化を図ることができ
る。
【0190】また、本発明に係る液体噴射記録ヘッドに
よれば、配線基板の一端部を、該一端部の対向する両側
に亘って湾曲させた状態で保持する保持手段を備えるこ
とにより、配線基板に曲げ方向の外力が負荷された場合
に、保持手段による保持状態が容易に解除されるため、
配線基板や液体噴射記録ヘッドが破損することを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の液体噴射記録ヘ
ッドの外観を示す斜視図である。
【図2】前記液体噴射記録ヘッドの外観を端子配線基板
側から示す斜視図である。
【図3】前記液体噴射記録ヘッドを示す分解斜視図であ
る。
【図4】流路形成部材を上方から示す斜視図である。
【図5】前記流路形成部材を下方から示す斜視図であ
る。
【図6】記録素子基板、第1および第2のプレートの接
合状態を示す斜視図である。
【図7】記録素子基板、第1および第2のプレートを示
す分解斜視図である。
【図8】枠体の外観を下方から示す斜視図である。
【図9】流路形成部材の要部を説明するために示す斜視
図である。
【図10】前記流路形成部材の係合爪および突起を説明
するために示す模式図である。
【図11】前記係合爪および突起に端子配線基板が保持
されている状態を示す側面図である。
【図12】突起が無い場合に、端子配線基板が保持凹部
側に倒れた状態を示す側面図である。
【図13】突起が無い場合に、端子配線基板が保持凹部
の外側に倒れた状態を示す側面図である。
【図14】前記液体噴射記録ヘッドがキャリッジに搭載
される状態を示す斜視図である。
【図15】前記液体噴射記録ヘッドがキャリッジに搭載
された状態を示す斜視図である。
【図16】ジョイントゴムを示す斜視図である。
【図17】ブレードによるフェイス面のワイピング動作
を説明するために示す模式図である。
【図18】カートリッジ方式のインクタンクを搭載する
第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドの外観を示す斜視
図である。
【図19】第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドを端子
配線基板側から示す分解斜視図である。
【図20】第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドを背面
側から示す分解斜視図である。
【図21】従来の液体噴射記録ヘッドの外観を示す斜視
図である。
【図22】従来の液体噴射記録ヘッドを示す分解斜視図
である。
【符号の説明】
1 記録素子基板 2 第1のプレート 2a,2b 円筒面部 2c 円筒溝 3 配線シート 3a フェイス面 3b 折曲部 3c 側端 4 端子配線基板 4b,4c 位置決め穴 4d 上端部 4e 下端部 5 第2のプレート 6 流路形成部材 6a、6b 位置決めボス 6c、6d 位置決め穴 6e、6f 第1の受部 6g、6h 第2の受部 6m、6n 第3の受部 6k 上面 6p,6q 位置決めピン 6r,6s 係合爪 9a、9b 係合突部 5 多孔質部材 15 記録ユニット 16 枠体 16d 突出部 17 共通液室 18a,18b 第1のスナップフィット 19a,19b 第2のスナップフィット 26 係合溝 31 延長片 31a,31b フック 31c 先端部 33,34 フック 35 突起 38 保持凹部 41 ブレード 51 液体噴射記録ヘッド 61 キャリッジの底面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山久保 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小泉 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF93 AG84 AP71 AP77

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液を吐出するための複数の記録素子
    が設けられた記録素子基板と、前記記録素子基板の周囲
    を覆うように設けられて前記記録素子基板に記録信号を
    伝達するための可撓性を有する配線シートと、前記配線
    シートの一端部に電気的に接続されて外部から記録信号
    を入力するための端子部を有する配線基板と、前記記録
    素子基板に記録液を供給するための記録液供給通路が設
    けられた流路形成部材とを備え、記録媒体に情報を記録
    する液体噴射記録ヘッドにおいて、 前記配線基板は、前記流路形成部材に一端部が支持され
    て、 内部に記録液を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、または記
    録液を貯蔵する記録液貯蔵タンクを着脱可能に保持する
    ホルダ部材に前記流路形成部材を結合する際に、前記配
    線基板は、一端部が前記流路形成部に支持された状態
    で、前記記録液貯蔵ユニットまたは前記ホルダ部材に設
    けられた一組の係合溝に、前記配線基板の他端部の対向
    する両側端がそれぞれ挿入されて係合されることにより
    保持されることを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 記録液を吐出するための複数の記録素子
    が設けられた記録素子基板と、前記記録素子基板の周囲
    を覆うように設けられて前記記録素子基板に外部から記
    録信号を与えるための可撓性を有する配線シートと、前
    記配線シートの一端部に電気的に接続されて外部からの
    記録信号を受容するための端子部を有する配線基板と、
    前記記録素子基板に記録液を供給するための記録液供給
    通路が設けられた流路形成部材と、記録液を濾過するた
    めの多孔質部材とを備えて記録媒体に情報を記録する記
    録ユニットに対して、内部に記録液を貯蔵する記録液貯
    蔵ユニット、または記録液を貯蔵する記録液貯蔵タンク
    を着脱可能に保持するホルダ部材が結合されてなる液体
    噴射記録ヘッドにおいて、 前記記録液貯蔵ユニットまたはホルダ部材には、前記配
    線基板の一端部の対向する両側端がそれぞれ挿入されて
    係合される一組の係合溝が設けられて、 前記配線基板は、他端部が前記記録ユニットに支持され
    るとともに、一端部が前記一組の係合溝に係合されるこ
    とによって保持されていることを特徴とする液体噴射記
    録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記配線基板は、主面が、前記記録素子
    基板の記録液吐出面に直交されて配設されている請求項
    1または2に記載の液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記配線基板は、前記記録ユニットと、
    前記記録液貯蔵ユニットまたは前記ホルダ部材とに跨っ
    て保持されている請求項2または3に記載の液体噴射記
    録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記記録ユニットには、前記配線基板を
    3軸方向に対してそれぞれ位置決めする位置決め手段が
    設けられている請求項2ないし4のいずれか1項に記載
    の液体噴射記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記記録ユニットと、前記記録液貯蔵ユ
    ニットまたは前記ホルダ部材には、一方に弾性を有する
    結合片が設けられるとともに、他方に前記結合片が結合
    する結合部が設けられている請求項2ないし5のいずれ
    か1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記記録ユニットには、前記多孔質部材
    を間に挟んで対向する位置に突出部がそれぞれ形成され
    て、 前記多孔質部材の厚み方向に対する前記突出部の先端
    が、前記多孔質部材の端面より突出して形成されている
    請求項2ないし6のいずれか1項に記載の液体噴射記録
    ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記記録ユニットと、前記記録液貯蔵ユ
    ニットまたは前記ホルダ部材には、一方に弾性を有する
    結合片が設けられるとともに、他方に前記結合片が結合
    する結合部が設けられて、 前記突出部は、前記結合片または結合部の少なくとも一
    部分によって形成されている請求項7に記載の液体噴射
    記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 記録液を吐出するための複数の記録素子
    が設けられた記録素子基板と、前記記録素子基板の周囲
    を覆うように設けられて前記記録素子基板に記録信号を
    伝達するための可撓性を有する配線シートと、前記配線
    シートの一端部が電気的に接続されて外部から記録信号
    を入力するための端子部を有する配線基板と、前記記録
    素子基板に記録液を供給するための記録液供給通路が形
    成される流路形成部材とを備え、記録媒体に情報を記録
    する液体噴射記録ヘッドにおいて、 前記配線基板の一端部を、該一端部の対向する両側に亘
    って湾曲させた状態で保持する保持手段を備え、 内部に記録液を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、または記
    録液を貯蔵する記録液貯蔵タンクを着脱可能に保持する
    ホルダ部材に対して前記流路形成部材が結合される際
    に、前記配線基板は、一端部が前記保持手段に保持され
    た状態で、前記記録液貯蔵ユニットまたは前記ホルダ部
    材に設けられた一組の係合溝に、前記配線基板の他端部
    の対向する両側端がそれぞれ挿入されて係合されること
    によって保持されることを特徴とする液体噴射記録ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 記録液を吐出するための複数の記録素
    子が設けられた記録素子基板と、前記記録素子基板の周
    囲を覆うように設けられて前記記録素子基板に記録信号
    を伝達するための可撓性を有する配線シートと、前記配
    線シートの一端部が電気的に接続されて外部から記録信
    号を入力するための端子部を有する配線基板と、前記記
    録素子基板に記録液を供給するための記録液供給通路が
    形成される流路形成部材とを備え、記録媒体に情報を記
    録する液体噴射記録ヘッドにおいて、 前記配線基板の一端部を位置決めするため位置決め手段
    と、 前記配線基板の一端部の対向する両側端にそれぞれ係合
    する一組の係合部とを備え、 内部に記録液を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、または記
    録液を貯蔵する記録液貯蔵タンクを着脱可能に保持する
    ホルダ部材に対して前記流路形成部材を結合する際に、
    前記配線基板は、一端部が前記位置決め手段および前記
    一組の係合部によって保持された状態で、前記記録貯蔵
    ユニットまたは前記ホルダ部材に設けられた一組の係合
    溝に、前記配線基板の他端部の対向する両側端がそれぞ
    れ挿入されて係合されることによって保持されることを
    特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 記録液を吐出するための複数の記録素
    子が設けられた記録素子基板と、前記記録素子基板の周
    囲を覆うように設けられて前記記録素子基板に記録信号
    を伝達するための可撓性を有する配線シートと、前記配
    線シートの一端部が電気的に接続されて外部から記録信
    号を入力するための端子部を有する配線基板と、前記記
    録素子基板に記録液を供給するための記録液供給通路が
    形成される流路形成部材と、記録液を濾過する多孔質部
    材とを備えて記録媒体に情報を記録する記録ユニットに
    対して、内部に記録液を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、
    または記録液を貯蔵する記録液貯蔵タンクを着脱可能に
    保持するホルダ部材が結合されてなる液体噴射記録ヘッ
    ドにおいて、 前記記録液貯蔵ユニットまたは前記ホルダ部材には、前
    記配線基板の一端部の対向する両側端がそれぞれ挿入さ
    れて係合される一組の係合溝が設けられ、 前記記録ユニットには、前記配線基板の他端部を、該他
    端部の対向する両側に亘って湾曲させた状態で保持する
    保持手段が設けられて、 前記配線基板は、他端部が前記保持手段に保持された状
    態で、一端部が前記一組の係合溝に係合されることによ
    って保持されることを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記保持手段は、前記配線基板の他端
    部を位置決めするため位置決め手段と、前記配線基板の
    他端部の対向する両側端にそれぞれ係合する一組の係合
    部と、前記一組の係合部を結ぶ直線上の略中央に位置し
    て設けられて前記配線基板の他端部の裏面に当接する突
    起とを有する請求項11に記載の液体噴射記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 記録液を吐出するための複数の記録素
    子が設けられた記録素子基板と、前記記録素子基板の周
    囲を覆うように設けられて前記記録素子基板に記録信号
    を伝達するための可撓性を有する配線シートと、前記配
    線シートの一端部が電気的に接続されて外部から記録信
    号を入力するための端子部を有する配線基板と、前記記
    録素子基板に記録液を供給するための記録液供給通路が
    形成される流路形成部材と、記録液を濾過する多孔質部
    材とを備えて記録媒体に情報を記録する記録ユニットに
    対して、内部に記録液を貯蔵する記録液貯蔵ユニット、
    または記録液を貯蔵する記録液貯蔵タンクを着脱可能に
    保持するホルダ部材が結合されてなる液体噴射記録ヘッ
    ドにおいて、 前記記録液貯蔵ユニットまたは前記ホルダ部材には、前
    記配線基板の一端部の対向する両側端がそれぞれ挿入さ
    れて係合される一組の係合溝が設けられ、 前記記録ユニットは、前記配線基板の他端部を位置決め
    するため位置決め手段と、前記配線基板の他端部の対向
    する両側端にそれぞれ係合する一組の係合部とを有し、 前記配線基板は、他端部が前記位置決め手段および前記
    一組の係合部によって保持された状態で、一端部が前記
    一組の係合溝に係合されることによって保持されること
    を特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記記録ユニットには、前記一組の係
    合部を結ぶ直線上の略中央に位置して、前記配線基板の
    他端部の裏面に当接する突起が設けられている請求項1
    3に記載の液体噴射記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記係合部が前記配線基板に係合する
    係合面と、前記突起が前記配線基板に当接する当接面と
    の前記配線基板の厚み方向の距離は、前記配線基板の厚
    みより小さい請求項14に記載の液体噴射記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記一組の係合部および前記突起は、
    前記記録ユニットの外周部近傍に位置して設けられてい
    る請求項14または15に記載の液体噴射記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 前記記録ユニットと、前記記録液貯蔵
    ユニットまたは前記ホルダ部材には、一方に弾性を有す
    る結合片が設けられるとともに、他方に前記結合片が結
    合する結合部が設けられている請求項11ないし16の
    いずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 前記記録ユニットには、前記多孔質部
    材を間に挟むように対向する位置に突出部がそれぞれ形
    成されて、 前記多孔質部材の厚み方向に対する前記突出部の先端
    が、前記多孔質部材の端面より突出して形成されている
    請求項11ないし17のいずれか1項に記載の液体噴射
    記録ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記記録ユニットと、前記記録液貯蔵
    ユニットまたは前記ホルダ部材には、一方に弾性を有す
    る結合片が設けられるとともに、他方に前記結合片が結
    合する結合部が設けられて、 前記突出部は、前記結合片または結合部の少なくとも一
    部分によって形成されている請求項18に記載の液体噴
    射記録ヘッド。
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