JP2003237065A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2003237065A
JP2003237065A JP2002035569A JP2002035569A JP2003237065A JP 2003237065 A JP2003237065 A JP 2003237065A JP 2002035569 A JP2002035569 A JP 2002035569A JP 2002035569 A JP2002035569 A JP 2002035569A JP 2003237065 A JP2003237065 A JP 2003237065A
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ink
pressure chamber
ink supply
nozzle
supply path
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JP2002035569A
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Kiyoshi Yamaguchi
清 山口
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 規則性をもって配列された複数のノズルを有
するインクジェットヘッドにおいて、インク供給路の流
体抵抗値のばらつきをなくし、安定したインク滴吐出特
性とする。 【解決手段】 シリコン流路板には、インク供給路5お
よび圧力室6が連続したパターンで形成されている。シ
リコン流路板と接合された振動板は、PZT14によっ
て駆動され、圧力室6内のインクに圧力を加えノズル2
からインク滴を吐出する。インク供給路5及び圧力室6
は同一基板上に異方性エッチングにより形成され、深さ
は90μmである。圧力室6及びインク供給路5のパタ
ーン幅はそれぞれWlc=140μm、Wrf=28μ
mである。インク供給路幅Wrfをインク供給路深さの
1/3以下とすることにより、インク供給路5の流体抵
抗値のばらつきを小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド及びインクジェット記録装置に関し、さらに詳しく
は、何らかの規則性をもって整列された複数のノズルに
連通する複数のインク供給路の深さを均一に形成し、イ
ンクジェットヘッドにおける個々のインク供給路の流体
抵抗値のバラツキをなくし、特性が均一なインクジェッ
トヘッド及び該インクジェットヘッドを用いたインクジ
ェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタなどの記録装置
において、高画質化および高速化を達成するためには、
ノズル配列を高密度化することが重要である。この高密
度化の達成手段として、圧力室の材料にシリコンを用い
る方法が多く採られている。これは、シリコン基板とし
て(110)の面方位を持つものを用いることにより、
異方性エッチングによって隣接チャネル間の隔壁をほぼ
垂直に形成できるためで、これによりノズル密度を高密
度化することができる。
【0003】図1は、一般的なインクジェットヘッドの
ノズル板と流路板からなる部分を示す図で、図1(A)
はノズル板を透視して示す上面透視図、図1(B)は図
1(A)のA−A断面図である。図1に示すインクジェ
ットヘッドは、ノズル板1、シリコン流路板3、振動板
8等からなり、ノズル板1には複数のノズル2が等間隔
等、何らかの規則性をもって形成されている。シリコン
流路板3はシリコン基板からなり、共通液室17、イン
ク供給路5、圧力室6、連通管7などが異方性エッチン
グによって形成されている。図1(A)において、実線
はレイアウトパターンを、点線はインク供給口11の位
置を、破線はノズル2の位置をそれぞれ示したものであ
る。振動板8は、圧力室6と対向する面の裏面側にPZ
T(チタン酸ジルコン酸鉛)を接合し、PZTを印字信
号に応じて駆動し、振動板8を変形させて圧力室6内の
インクに圧力を加え、連通管7を介してノズル2からイ
ンク滴を吐出する。
【0004】ノズル2に連通する圧力室6は、インク供
給路5を介して共通液室17に連通している。インクは
共通液室17の一部に開口したインク供給口11から共
通液室17に供給され、共通液室17からインク供給路
5を介して各個別の圧力室6に供給される。インク供給
路5は一部分が狭窄された形状になっており、圧力室6
へのインク流入量を制御している。インク吐出後の圧力
室6内の残留圧力は、主にこのインク供給路5の流体抵
抗によって吸収される。このため、このインク供給路5
の流体抵抗値が低い場合、残留圧力が収束せず、特に高
周波側で噴射特性が不安定になる。また、逆にこのイン
ク供給路5の流体抵抗値が高い場合、吐出後のインク供
給(リフィル)が必要以上に抑制されるため、高周波吐
出時に供給量不足が生じ、吐出滴体積が減少する。この
ため、インクジェットヘッドを製造するに当たり、この
インク供給路5の流体抵抗値は高精度に製造される必要
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図1に示すインクジェ
ットヘッドのように、基板途中でエッチング終了するよ
うなエッチングを行う場合、異方性エッチング用いるこ
とによってパターン幅は高精度に制御できるものの、エ
ッチング深さの制御は非常に難しい。これは、エッチン
グ深さはエッチング条件の影響を受けやすいため、同一
基板内での均一性を始め、ロット内、ロット間での均一
性を高めるには限界がある。このため、この深さのばら
つきが、インク供給路5の流体抵抗値のばらつきとな
り、このことがヘッド特性のばらつきの原因となってい
た。
【0006】一般に直管の流体抵抗値は以下の関係式で
表される。 R=128μL/πd4[Pa・s/m3] d=4S/l S=wh l=2(w+h) ここで、R:流体抵抗 μ:流体の粘度 L:長さ d:等価管径 S:断面積 l:断面の周囲長 w:パターン幅 h:エッチング深さ 工業的な見地から量産工程でのエッチング深さhのばら
つきは10%程度と見るのが妥当と思われる。また、流
体抵抗値は10%以下のばらつきに押さえる必要があ
る。
【0007】図2は、前記関係式を基に、深さが10%
変動した時の流体抵抗値Rのばらつきとパターン深さ
(エッチング深さ)h/パターン幅wの比との関係を求
めたグラフである。ここで、流体抵抗値の変動幅を10
%以下に押さえる場合、図2に示すグラフからパターン
深さ/パターン幅を3以上とすることで得られることが
わかる。つまり、流体抵抗を形成する場合、エッチング
深さhに対して、幅wを1/3以下とすることによっ
て、流体抵抗のばらつきを低減することが可能となる。
しかし、このような寸法比で構成する場合、ヘッド設計
の自由度が低下し、必要以上にインク供給路が狭窄され
る場合がある。このような場合、インク供給路を複数配
置し、各々のインク供給路の幅を深さの1/3以下とす
ることによって、必要な流量を確保したうえで、かつ流
体抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するためになされたもので、請求項1の発明は、イン
ク滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通し一部が変形
することによってインクに圧力を発生させる圧力室と、
該圧力室に連通し該圧力室にインクを供給するインク供
給路と、前記圧力室の一部を変形させるための手段をそ
れぞれ複数有し、複数の前記インク供給路に連通し前記
インク供給路にインクを供給する共通液室を有するイン
クジェットヘッドであって、複数の前記ノズルは規則性
をもって整列され、前記圧力室とインク前記供給路は同
一基板上に異方性エッチングによって形成され、前記イ
ンク供給路の前記基板上でのパターン幅は深さの1/3
以下であることを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、インク滴を吐出するノ
ズルと、該ノズルに連通し一部が変形することによって
インクに圧力を発生させる圧力室と、該圧力室に連通し
該圧力室にインクを供給するインク供給路と、前記圧力
室の一部を変形させるための手段をそれぞれ複数有し、
複数の前記インク供給路に連通し前記インク供給路にイ
ンクを供給する共通液室を有するインクジェットヘッド
であって、複数の前記ノズルは規則性をもって整列さ
れ、前記圧力室と前記インク供給路は主平面を有する単
結晶シリコン基板上に異方性エッチングによって形成さ
れ、前記インク供給路の前記単結晶シリコン基板上での
パターン幅は深さの1/3以下であることを特徴とす
る。
【0010】請求項3の発明は、インク滴を吐出するノ
ズルと、該ノズルに連通し一部が変形することによって
インクに圧力を発生させる圧力室と、該圧力室に連通し
該圧力室にインクを供給する複数の供給分路からなるイ
ンク供給路と、前記圧力室の一部を変形させるための手
段をそれぞれ複数有し、複数の前記インク供給路に連通
し前記インク供給路にインクを供給する共通液室を有す
るインクジェットヘッドであって、複数の前記ノズルは
規則性をもって整列され、前記圧力室とインク前記供給
路は同一基板上に異方性エッチングによって形成され、
前記供給分路の前記基板上でのパターン幅は深さの1/
3以下であることを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、インク滴を吐出するノ
ズルと、該ノズルに連通し一部が変形することによって
インクに圧力を発生させる圧力室と、該圧力室に連通し
該圧力室にインクを供給するインク供給路と、前記圧力
室の一部を変形させるための手段をそれぞれ複数有し、
複数の前記インク供給路に連通し前記インク供給路にイ
ンクを供給する共通液室を有するインクジェットヘッド
であって、複数の前記ノズルは規則性をもって整列さ
れ、前記圧力室は(110)の面方位を有するシリコン
基板を異方性エッチングして得た流路板に、変形部とな
る振動板を接合することによって形成され、前記ノズル
は前記流路板の振動板と対抗する側に接合されており、
前記圧力室と前記ノズルは前記流路板を貫通する連通管
によって連通され、前記インク供給路の前記シリコン基
板上でのパターン幅は深さの1/3以下であることを特
徴とする。
【0012】請求項5の発明は、インク滴を吐出するノ
ズルと、該ノズルに連通し一部が変形することによって
インクに圧力を発生させる圧力室と、該圧力室に連通し
該圧力室にインクを供給するインク供給路と、前記圧力
室の一部を変形させるための手段をそれぞれ複数有し、
複数の前記インク供給路に連通し前記インク供給路にイ
ンクを供給する共通液室を有し、複数の前記ノズルは規
則性をもって整列され、前記圧力室とインク前記供給路
は同一基板上に異方性エッチングによって形成されてお
り、前記インク供給路の前記基板上でのパターン幅は深
さの1/3以下であるインクジェットヘッドを搭載した
ことを特徴とする。
【0013】請求項6の発明は、インク滴を吐出するノ
ズルと、該ノズルに連通し一部が変形することによって
インクに圧力を発生させる圧力室と、該圧力室に連通し
該圧力室にインクを供給するインク供給路と、前記圧力
室の一部を変形させるための手段をそれぞれ複数有し、
複数の前記インク供給路に連通し前記インク供給路にイ
ンクを供給する共通液室を有し、複数の前記ノズルは規
則性をもって整列され、前記圧力室は(110)の面方
位を有するシリコン基板を異方性エッチングして得た流
路板に、変形部となる振動板を接合することによって形
成され、前記ノズルは前記流路板の振動板と対抗する側
に接合されており、前記圧力室と前記ノズルは前記流路
板を貫通する連通管によって連通され、前記インク供給
路の前記シリコン基板上でのパターン幅は深さの1/3
以下であるインクジェットヘッドを搭載したことを特徴
とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図3
〜図11に示す実施例に基づいて説明する。 (実施例1)図3は、実施例1のインクジェットヘッド
の圧力室とインク供給路の部分を示す上面透視図を示
し、図4は、図3のインクジェットヘッドのB−B断面
図である。なお、図1に示すインクジェットヘッドと共
通の構成または機能の部材については同様の符号及び用
語を用いて説明する。実施例1のインクジェットヘッド
においては、金属基板13上にPZT14が接合され、
各ノズル2に対応するように溝加工が施されている。さ
らに溝加工によって分離された電極はFPC15によっ
て電気的に実装されている。シリコン流路板3にはイン
ク供給路5および圧力室6が連続したパターンで形成さ
れ、連通管7を介してノズル2に連通している。共通液
室17は樹脂製のフレーム部材16で構成され、シリコ
ン流路板3に対して、ノズル面と対抗する方向から接合
されている。インクは共通液室17から振動板8に開口
したインク供給口11を介してインク供給路5に供給さ
れる。振動板8にはPZT14が接着層12によってP
ZT連結部10に接合されており、PZT連結部10の
周囲は環状の薄肉部9が形成されている。
【0015】インク供給路5および圧力室6は同一のプ
ロセスで形成されているため、深さhは同一であり90
μmとなっている。また圧力室6のパターン幅はWlc
=140μm、インク供給路5のパターン幅はWrf=
28μmである。ここで、インク供給路幅Wrfはイン
ク供給路深さhの1/3以下となっており、インク供給
路5部分の流体抵抗値は深さhのプロセス上生じるばら
つきの影響を小さくすることができ、均一な品質のヘッ
ドを安定して製造することが可能となる。
【0016】次に、実施例1のインクジェットヘッドに
よるシリコン流路板の製作プロセスについて説明する。
図5は、シリコン流路板3の製作プロセスを経時的に示
す平面図、図6は、図5のC−C断面図である。シリコ
ン基板21にはp型にドープされた(110)の面方位
を持つシリコン基板が用いられ、まず全面にLP−CV
Dを用いてシリコン窒化膜23を両面に成膜し、圧力室
面側のパターニングをし、インク流路および圧力室のパ
ターン22を形成する。次に、ノズル面側にマグネトロ
ンスパッタ法を用いてAl膜24を成膜し、Al膜24
とシリコン窒化膜23を連続的にパターニングを行い、
連通管パターン25を形成する(図5(A)、図6
(A))。次に、ICPドライエッチングによって連通
管パターン25のエッチングを行い、ウェットエッチン
グ法によって、Al膜24のみ選択的剥離する(図5
(B)、図6(B))。次に、KOH系のウェットエッ
チャントを用いて異方性エッチングを行い、インク供給
路5、圧力室6及びインク供給口11と隣接するインク
供給路端部4を形成する(図5(C)、図6(C))。
このような構成の場合、異方性エッチングを用いている
ので、パターン寸法は非常によい精度で形成でき、特に
実施例1のインクジェットヘッドのように幅が28μm
と10μm以上ある場合には、ばらつきはほぼ無視でき
る程度にまで管理できる。しかし、エッチング深さはエ
ッチャントの温度や撹拌の状態等の影響を受けるため、
精度を向上することが難しく、大量生産を前提とした場
合、10%程度のばらつきを生じる。このため、本発明
のように深さに対して幅を1/3以下とすることによっ
て、流体抵抗値のばらつきを10%以下にすることが可
能となる。
【0017】図7は、図3、図4に示す振動板8を示す
図で、図7(A)は上面図、図7(B)は、図7(A)
のD−D断面図である。図7において、点線28はイン
ク供給路及び圧力室のパターン22に対応したものであ
る。振動板8はNi電鋳によって製作され、圧力室6に
対応する部分には環状の薄肉部9が形成され、薄肉部9
の内方はPZT接合部10とされている。また、インク
供給路5に連続する共通液室17に対応する部分にはイ
ンク供給口11が形成されている。
【0018】(実施例2)次に、実施例2のインクジェ
ットヘッドについて説明する。図8は、実施例2のイン
クジェットヘッドの一部分のみを抜き出して示した上面
透視図であり、図9は、図8のインクジェットヘッドの
E−E断面図である。なお、図8は多数ノズルを有する
インクジェットヘッドの一部分のみを抜き出したもので
あり、他の部分は図3、図4に示した実施例1のインク
ジェットヘッドと同様である。金属基板13上にPZT
14が接合され、各ノズル2に対応するように溝加工が
施されている。さらに溝加工によって分離された電極は
FPC15によって電気的に実装されている。シリコン
流路板3にはインク供給路5および圧力室6が連続した
パターンで形成され、連通管7を介してノズル2に連通
している。
【0019】共通液室17は樹脂製のフレーム部材16
で構成され、シリコン流路板3に対して、ノズル面と対
抗する方向から接合されている。インクは共通液室17
から振動板8に開口したインク供給口11、インク供給
路端部4を介して、インク供給路5に供給される。振動
板8にはPZT連結部10が形成され、接着層12を介
してPZT14が接合されており、PZT連結部10の
周囲は薄肉部9が形成されている。インク供給路5およ
び圧力室6は同一のプロセスで形成されているため深さ
hは同一であり、90μmとなっている。圧力室6のパ
ターン幅は、Wlc=140μmである。また、インク
供給路5の全幅は圧力室6のパターン幅はWlcと同一
であるが、インク供給路5のパターン幅内にはシリコン
流路板3に形成された幅Waの隔壁18a,18bが配
置されていることにより、3つの供給分路5a,5b,
5cが形成され、それぞれの供給分路5a,5b,5c
のパターン幅は、Wrf=20μmである。ここで、イ
ンク供給路幅Wrfはインク供給路深さhの1/3以下
となっており、インク供給路5部分の流体抵抗値は深さ
hのプロセス上生じるばらつきの影響を小さくすること
ができ、均一な品質のヘッドを安定して製造することが
可能となる。
【0020】また、このようにインク供給路5を複数の
供給分路5a,5b,5cによって形成し、各々の供給
分路の幅を深さに対して1/3以下に押さえた上で、所
望の流体抵抗に設定することが可能となり、インクの粘
度などに対しての適応範囲を広げることができ、設計自
由度を保ったままで、特性ばらつきの少ないヘッドの製
造が可能となる。
【0021】次に、本発明の液滴吐出ヘッドである実施
例1,2のインクジェットヘッドを搭載したインクジェ
ット記録装置の一例について説明する。図10は、本発
明のインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記
録装置を示す斜視図、図11は、図10のインクジェッ
ト記録装置の機構部を示す側断面図である。このインク
ジェット記録装置は、記録装置本体111の内部に主走
査方向に移動可能なキャリッジ123、キャリッジ12
3に搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからな
る記録ヘッド124、記録ヘッド124へインクを供給
するインクカートリッジ125等で構成される印字機構
部112等を収納し、記録装置本体111の下方部には
前方側から多数枚の用紙113を積載可能な給紙カセッ
ト(或いは給紙トレイでもよい。)114を抜き差し自
在に装着することができ、また、用紙113を手差しで
給紙するための手差しトレイ115を開倒することがで
き、給紙カセット114或いは手差しトレイ115から
給送される用紙113を取り込み、印字機構部112に
よって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排
紙トレイ116に排紙する。
【0022】印字機構部112は、図示しない左右の側
板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と
従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方
向(図11で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、この
キャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、
マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を
吐出する実施例1,2の液滴吐出ヘッドであるインクジ
ェットヘッドからなる記録ヘッド124を複数のインク
吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴
吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッ
ジ123には記録ヘッド124に各色のインクを供給す
るための各インクカートリッジ125を交換可能に装着
している。インクカートリッジ125は上方に大気と連
通する大気口を、下方にはインクジェットヘッドへイン
クを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多
孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジ
ェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持
している。
【0023】また、記録ヘッド124として、ここでは
各色の記録ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐
出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。ここで、
キャリッジ123は後方側(用紙搬送方向下流側)を主
ガイドロッド121に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙
搬送方向上流側)を従ガイドロッド122に摺動自在に
載置している。そして、このキャリッジ123を主走査
方向に移動走査するため、主走査モータ127で回転駆
動される駆動プーリ128と従動プーリ129との間に
タイミングベルト130を張装し、このタイミングベル
ト130をキャリッジ123に固定しており、主走査モ
ータ127の正逆回転によりキャリッジ123が往復駆
動される。一方、給紙カセット114にセットした用紙
113を記録ヘッド124の下方側に搬送するために、
給紙カセット114から用紙113を分離給送する給紙
ローラ131及びフリクションパッド132と、用紙1
13を案内するガイド部材133と、給紙された用紙1
13を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬
送ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135
及び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度
を規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ
134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回
転駆動される。
【0024】キャリッジ123の主走査方向の移動範囲
に対応して搬送ローラ134から送り出された用紙11
3を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙ガイド部
材である印写受け部材139を設けている。この印写受
け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙113を
排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ14
1、拍車142を設け、さらに用紙113を排紙トレイ
116に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、
排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設
している。
【0025】記録時には、キャリッジ123を移動させ
ながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動するこ
とにより、停止している用紙113にインクを吐出して
1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記
録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記
録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を
終了させ用紙113を排紙する。この場合、記録ヘッド
124を構成する本発明に係るインクジェットヘッドは
インク滴噴射の制御性が向上し、特性変動が抑制されて
いるので、安定して高い画像品質の画像を記録すること
ができる。
【0026】また、キャリッジ123の移動方向右端側
の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良
を回復するための回復装置147を配置している。回復
装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手
段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこ
の回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘ
ッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
ることにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、
安定した吐出性能を維持する。吐出不良が発生した場合
等には、キャッピング手段でヘッド124の吐出口を密
封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクと
ともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクや
ゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回
復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置
された図示しない廃インク溜に排出され、廃インク溜内
部のインク吸収体に吸収保持される。このように本発明
に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭
載することによって、安定したインク滴吐出特性が得ら
れるので、高画質記録を行うことができる記録装置を得
ることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、多数ノズルを有するイ
ンクジェットヘッドにおいて、圧力室とインク供給路を
同一基板上に異方性エッチングによって形成する際、イ
ンク供給路の基板上でのパターン幅を深さの1/3以下
とすることにより、インク供給路毎の流体抵抗のばらつ
きを低減することができ、均一な品質のインクジェット
ヘッドを提供することができる。また、インク供給路毎
の流体抵抗のばらつきが少ないインクジェットヘッド
は、インク滴噴射の制御性が向上し、安定したインク滴
吐出特性が得られるので、安定して高い画像品質の画像
を記録することができるインクジェット記録装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ノズル板と流路板からなるインクジェットヘ
ッドの部分を示す図で、図1(A)はノズル板を透視し
て示す上面透視図、図1(B)は図1(A)のA−A断
面図である。
【図2】 インク供給路の深さが10%変動した時の流
体抵抗値Rのばらつきとパターン深さ(エッチング深
さ)h/パターン幅wの比との関係を示すグラフであ
る。
【図3】 実施例1のインクジェットヘッドの圧力室と
インク供給路の部分を示す上面透視図である。
【図4】 図3のインクジェットヘッドのB−B断面図
である。
【図5】 シリコン流路板の製作プロセスを経時的に示
す平面図である。
【図6】 図5のC−C断面図である。
【図7】 図3、図4の振動板を示す図で、図7(A)
は上面図、図7(B)は図7(A)のD−D断面図であ
る。
【図8】 実施例2のインクジェットヘッドの一部分の
みを抜き出して示した上面透視図である。
【図9】 図8のインクジェットヘッドのE−E断面図
である。
【図10】 本発明のインクジェットヘッドを搭載した
インクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図11】 図10のインクジェット記録装置の機構部
を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…ノズル板、2…ノズル、3…シリコン流路板、4…
インク供給路端部、5…インク供給路、5a,5b,5
c…供給分路、6…圧力室、7…連通管、8…振動板、
9…薄肉部、10…PZT連結部、11…インク供給
口、12…接着層、13…金属基板、14…PZT、1
5…FPC、16…フレーム部材、17…共通液室、1
8a,18b…隔壁、21…シリコン基板、22…イン
ク供給路及び圧力室のパターン、23…シリコン窒化
膜、24…Al膜、25…連通管パターン、111…記
録装置本体、112…印字機構部、113…用紙、11
4…給紙カセット、115…手差しトレイ、116…排
紙トレイ、121…主ガイドロッド、122…従ガイド
ロッド、123…キャリッジ、124…記録ヘッド、1
25…インクカートリッジ、127…主走査モータ、1
34…搬送ローラ、135,141…搬送コロ、142
…拍車、139…印写受け部材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、該ノズル
    に連通し一部が変形することによってインクに圧力を発
    生させる圧力室と、該圧力室に連通し該圧力室にインク
    を供給するインク供給路と、前記圧力室の一部を変形さ
    せるための手段をそれぞれ複数有し、複数の前記インク
    供給路に連通し前記インク供給路にインクを供給する共
    通液室を有するインクジェットヘッドであって、複数の
    前記ノズルは規則性をもって整列され、前記圧力室とイ
    ンク前記供給路は同一基板上に異方性エッチングによっ
    て形成され、前記インク供給路の前記基板上でのパター
    ン幅は深さの1/3以下であることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出するノズルと、該ノズル
    に連通し一部が変形することによってインクに圧力を発
    生させる圧力室と、該圧力室に連通し該圧力室にインク
    を供給するインク供給路と、前記圧力室の一部を変形さ
    せるための手段をそれぞれ複数有し、複数の前記インク
    供給路に連通し前記インク供給路にインクを供給する共
    通液室を有するインクジェットヘッドであって、複数の
    前記ノズルは規則性をもって整列され、前記圧力室と前
    記インク供給路は主平面を有する単結晶シリコン基板上
    に異方性エッチングによって形成され、前記インク供給
    路の前記単結晶シリコン基板上でのパターン幅は深さの
    1/3以下であることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 インク滴を吐出するノズルと、該ノズル
    に連通し一部が変形することによってインクに圧力を発
    生させる圧力室と、該圧力室に連通し該圧力室にインク
    を供給する複数の供給分路からなるインク供給路と、前
    記圧力室の一部を変形させるための手段をそれぞれ複数
    有し、複数の前記インク供給路に連通し前記インク供給
    路にインクを供給する共通液室を有するインクジェット
    ヘッドであって、複数の前記ノズルは規則性をもって整
    列され、前記圧力室とインク前記供給路は同一基板上に
    異方性エッチングによって形成され、前記供給分路の前
    記基板上でのパターン幅は深さの1/3以下であること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インク滴を吐出するノズルと、該ノズル
    に連通し一部が変形することによってインクに圧力を発
    生させる圧力室と、該圧力室に連通し該圧力室にインク
    を供給するインク供給路と、前記圧力室の一部を変形さ
    せるための手段をそれぞれ複数有し、複数の前記インク
    供給路に連通し前記インク供給路にインクを供給する共
    通液室を有するインクジェットヘッドであって、複数の
    前記ノズルは規則性をもって整列され、前記圧力室は
    (110)の面方位を有するシリコン基板を異方性エッ
    チングして得た流路板に、変形部となる振動板を接合す
    ることによって形成され、前記ノズルは前記流路板の振
    動板と対抗する側に接合されており、前記圧力室と前記
    ノズルは前記流路板を貫通する連通管によって連通さ
    れ、前記インク供給路の前記シリコン基板上でのパター
    ン幅は深さの1/3以下であることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 インク滴を吐出するノズルと、該ノズル
    に連通し一部が変形することによってインクに圧力を発
    生させる圧力室と、該圧力室に連通し該圧力室にインク
    を供給するインク供給路と、前記圧力室の一部を変形さ
    せるための手段をそれぞれ複数有し、複数の前記インク
    供給路に連通し前記インク供給路にインクを供給する共
    通液室を有し、複数の前記ノズルは規則性をもって整列
    され、前記圧力室とインク前記供給路は同一基板上に異
    方性エッチングによって形成されており、前記インク供
    給路の前記基板上でのパターン幅は深さの1/3以下で
    あるインクジェットヘッドを搭載したことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 インク滴を吐出するノズルと、該ノズル
    に連通し一部が変形することによってインクに圧力を発
    生させる圧力室と、該圧力室に連通し該圧力室にインク
    を供給するインク供給路と、前記圧力室の一部を変形さ
    せるための手段をそれぞれ複数有し、複数の前記インク
    供給路に連通し前記インク供給路にインクを供給する共
    通液室を有し、複数の前記ノズルは規則性をもって整列
    され、前記圧力室は(110)の面方位を有するシリコ
    ン基板を異方性エッチングして得た流路板に、変形部と
    なる振動板を接合することによって形成され、前記ノズ
    ルは前記流路板の振動板と対抗する側に接合されてお
    り、前記圧力室と前記ノズルは前記流路板を貫通する連
    通管によって連通され、前記インク供給路の前記シリコ
    ン基板上でのパターン幅は深さの1/3以下であるイン
    クジェットヘッドを搭載したことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010503555A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 流体噴射装置
JP2011140173A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2014237276A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 セイコーエプソン株式会社 流路ユニットおよび流路ユニットを搭載した液体噴射装置
JP2015054509A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 株式会社リコー 液体吐出ヘッド及び画像形成装置

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