JP2003228249A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

定着装置及びこれを備えた画像形成装置

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JP2003228249A
JP2003228249A JP2002027429A JP2002027429A JP2003228249A JP 2003228249 A JP2003228249 A JP 2003228249A JP 2002027429 A JP2002027429 A JP 2002027429A JP 2002027429 A JP2002027429 A JP 2002027429A JP 2003228249 A JP2003228249 A JP 2003228249A
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fixing
roller
heating
sheet
fixing device
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Toshinori Nakayama
敏則 中山
Mitsuhiro Ota
光弘 太田
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  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着ベルトの過昇温を防ぐことができると共
に、確実にトナー像の定着を行うことのできる定着装置
及びこれを備えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 定着ベルト1を、シートを加熱するため
の熱源となる加熱ローラ2と定着ローラ3との間に回転
可能に架設すると共に加熱ローラ2により加熱し、この
加熱された定着ベルト1により、定着ローラ2と加圧ロ
ーラ3との圧接部を通過するシートを加熱してトナー像
をシートに定着させる。さらに、加熱ローラ内に発熱分
布の異なる2つ以上の発熱源51,52を設けると共
に、この2つ以上の発熱源51,52を制御手段55に
より、シートのサイズに応じて独立して制御する。ま
た、定着ベルト1の加熱ローラ2との接触部分以外の所
定部分を加熱手段6により加熱するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着装置及びこれ
を備えた画像形成装置に関し、特に定着ベルトを用いて
トナー像をシートに定着するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真式の複写機、プリンタ及
びファクシミリ等の画像形成装置においては、記録媒体
である記録紙ないし転写材などのシート上に転写された
トナー像を加熱及び加圧してシートに定着させる定着装
置が設けられている。そして、このような定着装置とし
ては、例えばシート上のトナーを熱溶融させる加熱ロー
ラとも呼ばれる定着ローラと、定着ローラに圧接してシ
ートを挟持する加圧ローラとを有したものがある。
【0003】なお、この定着ローラは中空状に形成され
ると共に定着ローラの中心軸上には、例えばハロゲンラ
ンプなどの管状発熱ヒータより構成され、所定の電圧が
印加されることにより発熱する発熱体が保持手段により
保持されている。
【0004】ここで、この発熱体(ハロゲンランプ)は
定着ローラの中心軸に位置しているため、発熱体から発
せられた熱は定着ローラ内壁に均一に輻射され、この結
果、定着ローラの外周面の温度分布は円周方向において
均一となる。また、定着ローラは、外周面の温度が定着
に適した温度(例えば、150〜200℃)になるまで
加熱される。
【0005】そして、このように加熱された状態の定着
ローラと加圧ローラとは圧接しながら互いに逆方向へ回
転し、トナーが付着したシートを挟持する。これによ
り、定着ローラと加圧ローラとの圧接部(以下、ニップ
部という)において、シート上のトナーは定着ローラの
熱により溶解し、両ローラから作用する圧力によりシー
トに定着される。
【0006】ところで、特にカラートナーを定着する定
着装置においては、各色トナーを十分に融解混色し、か
つシートを定着ローラに巻きつくことなく排出する必要
がある。このため、定着ローラ及び加圧ローラに肉厚の
弾性層を設け、この弾性層の変形によって十分なニップ
幅と、良好な排紙性能を得るようにしている。
【0007】一方、ハロゲンランプなどから構成される
発熱体を備えた定着ローラにおいては、定着ローラ内部
に配置された発熱源からの輻射熱を利用して定着ローラ
芯金の内面を加熱し、芯金から弾性層を経て定着ローラ
表面に熱が伝えられるようになっている。
【0008】しかし、厚肉の弾性層は熱伝導性が悪いこ
とから、芯金から弾性層を経て定着ローラ表面に熱を伝
えるようにした場合、定着ローラ芯金と弾性層の界面の
温度は表面の温度に比べて高温になってしまう。このた
め、芯金界面の弾性層が高温状態で連続使用されると、
弾性体が硬化劣化や液状化を引き起こし寿命が短くなっ
てしまう。さらにこれらの現象は、高速定着を行う定着
装置においてはより顕著になる。
【0009】そこで、このような不具合を解決するため
の定着装置として、例えば特開平11−282293号
公報に示されるもののように、定着ベルトと、この定着
ベルトを加熱する加熱ローラとを備えたベルト定着装置
が提案されている。
【0010】図11は、このような従来のベルト定着装
置の構成を示す図であり、このベルト定着装置では薄肉
低熱容量の定着ベルト100を加熱ローラ101に巻き
つける事で加熱し、この加熱された定着ベルト100に
より、定着ローラ102と加圧ローラ103のニップ部
において、トナー像が転写されたシートを加熱し、トナ
ー像をシート上に定着するようにしている。
【0011】ここで、このような構成のベルト定着装置
においては、厚肉弾性層の内面から熱を伝えるのではな
く、表面近傍が加熱された状態の定着ベルト100をニ
ップ部に搬送してシートを加熱するようにしているの
で、定着ローラ弾性層の弾性体が硬化劣化したり、液状
化現象を起こしたりするのを防止することが可能とな
る。また定着ローラ102及び加圧ローラ103の弾性
層の厚み、硬度によってニップ形状を上凸形状とする事
が可能であるために良好な排紙性を得ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のベルト定着装置にあっても、例えば毎分40
枚以上の高速定着を行う場合や厚紙を高速連続定着する
場合には、定着ベルト100の回転速度が高速化するた
めに、定着ベルト100が加熱ローラ101の巻き付け
部(接触部)を通過する時間が短く、定着に必要な熱量
を供給する事が困難となる。この結果、適切なトナー像
の定着が行われなくなるという問題があった。
【0013】なお、このような問題を解決するため、例
えば加熱ローラ101の外形を大きくして加熱ローラ1
01の周長を長くし、定着ベルト100と加熱ローラ1
01との接触時間、或は接触部分の長さを長くするよう
にすれば良いが、このように外形を大きくすれば定着ベ
ルト100の外形も同様に大きくなり、放熱量の増加に
よるエネルギーロスや、本体内部温度の異常昇温を招く
恐れがある。さらに、大径ローラと大径ベルトを用いる
ようになるので、定着装置自身が大型化してしまう。
【0014】一方、定着ベルト100は薄肉低熱容量の
材料から成るために熱伝導性が極めて悪く、設定された
最大幅よりも小さいサイズのものを連続通紙すると、非
通紙域(加熱ローラの端部)はシートによって熱が奪わ
れないので過昇温してしまうという問題があった。な
お、これは高速で連続定着する場合には、より深刻とな
っていた。
【0015】そこで、本発明は、このような現状に鑑み
てなされたものであり、定着ベルトの過昇温を防ぐこと
ができると共に、確実にトナー像の定着を行うことので
きる定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、定着ローラ
と、前記定着ローラに圧接する加圧ローラとを備え、ト
ナー像が転写されたシートを、前記定着ローラと前記加
圧ローラとの圧接部を加熱しながら通過させて前記トナ
ー像を前記シートに定着させる定着装置において、前記
シートを加熱するための熱源となる加熱ローラと、前記
加熱ローラと前記定着ローラとの間に回転可能に架設さ
れると共に前記加熱ローラにより加熱され、前記定着ロ
ーラと加圧ローラとの圧接部を通過する前記シートを加
熱する定着ベルトと、前記加熱ローラ内に設けられた発
熱分布の異なる2つ以上の発熱源と、前記2つ以上の発
熱源を前記シートのサイズに応じて独立して制御する制
御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0017】また本発明は、前記定着ベルトの前記加熱
ローラとの接触部分以外の所定部分を加熱する加熱手段
を備えたことを特徴とするものである。
【0018】また本発明は、前記加熱手段は、誘導コイ
ルを備え、前記誘導コイルに印加した交番電流によって
誘導加熱を行う電磁誘導加熱部材であることを特徴とす
るものである。
【0019】また本発明は、前記加熱手段は、電気抵抗
によって発熱する抵抗発熱体を備えると共に、前記抵抗
発熱体を前記定着ベルトに接触させることにより該定着
ベルトを加熱するものであることを特徴とするものであ
る。
【0020】また本発明は、前記定着ベルトは、少なく
とも一部に導電層を含んでいることを特徴とするもので
ある。
【0021】また本発明は、前記定着ベルトは、ニッケ
ル、磁性SUS、鉄及びこれらの合金からなる金属層を
含んでいることを特徴とするものである。
【0022】また本発明は、前記定着ベルトは、基層の
上にシリコンゴム、フッ素ゴム等の弾性体からなる弾性
層を有することを特徴とするものである。
【0023】また本発明は、前記定着ベルトを前記加圧
ローラに押し付ける押し付けローラを備えたことを特徴
とするものである。
【0024】また本発明は、画像形成装置であって、ト
ナー像を形成する画像形成部と、画像形成部により形成
されたトナー像が転写されたシートを加熱及び加圧して
前記トナー像を前記シートに定着させる上記のいずれか
に記載の定着装置とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
定着装置の構成を示す図であり、50は定着ベルト1を
用いてトナー像をシートに定着させる定着装置である。
なお、この定着装置50は、例えば電子写真方式により
カラー画像を形成するカラー画像形成装置に用いられる
ものであり、作像プロセスを担当する不図示の画像形成
部の下流に設けられるものである。
【0027】ここで、この定着装置50は、定着ローラ
3と、定着ベルト1を介してシートを加熱するための熱
源となる加熱ローラ2と、これら定着ローラ3及び加熱
ローラ2に架設された定着ベルト1と、定着ローラ3に
圧接し、定着ローラ3と共に定着ベルト1を挟持する加
圧ローラ4とを備えている。
【0028】そして、不図示のカラー画像形成装置にお
いては、原稿画像を原稿読み取り部で読み取り、原稿画
像に応じたトナー像を画像形成部で形成した上で給紙部
より供給されたシートにトナー像を転写した後、この定
着装置50の定着ローラ3と加圧ローラ4とのニップ部
(以下、定着ニップ部という)においてトナー像をシー
トに加熱定着するようにしている。なお、このように定
着装置50にてトナー像が定着されたシートは、この
後、排紙部に排紙されるようになっている。
【0029】また、同図において、7は定着ニップ部の
シート出口側に、定着ベルト1及び加圧ローラ4の表面
に当接または近接するようにそれぞれ配置されたシート
分離爪、8はシートを定着ニップ部へ搬送する搬送ガイ
ド、9は不図示のオイルタンクに収納されている離型オ
イルを定着ベルト1上に塗布するオイル塗布機構、10
は定着ベルト1上のオフセットトナーの清掃を行うクリ
ーニングウェブである。
【0030】11は温度検知素子であり、定着装置50
の所定位置に設けられた制御手段55は、この温度検知
素子11の出力信号に基づいて定着ベルト1表面の温度
を検知し、温度制御回路をへて後述するメイン及びサブ
ヒータ51,52及び誘導加熱部材6の出力を制御する
ようになっている。
【0031】なお、本実施の形態において、定着ローラ
3と加熱ローラ2に架設された定着ベルト1は、少なく
とも一部に不図示の導電層及びニッケル、磁性SUS、
鉄及びこれらの合金からなる金属層、例えばニッケル製
の厚さ10〜100μmの薄いフィルム状体の基層とな
る金属層を含んでいる。また、定着ベルト1は基層表面
上にシリコンゴム、フッ素ゴム等の弾性体、例えば10
0〜700μmのシリコンゴムの離型層を有し、良熱応
答性と柔軟性と良離型性とを兼ね備えている。
【0032】また、加熱ローラ2は外径φ40、厚み3
tのアルミ製シリンダーからなり、定着ローラ3はアル
ミ芯金にスポンジや耐熱シリコンゴム等の弾性層を5〜
10mm有するφ50のローラで構成され、図示しない
駆動モータにより駆動される。
【0033】また、加圧ローラ4は外形φ50のローラ
であって、定着ローラ3と同様にアルミ製芯金上にシリ
コンゴムやスポンジ等の2〜10mmの弾性層を持ち、
最外層にはトナーの離型性がよく、オイルの親和性が良
いシリコンゴム離型層を持つ。
【0034】なお、この加圧ローラ4と定着ローラ3と
により形成される定着ニップ部は加圧ローラ4によっ
て、定着ベルト1を介して定着ローラ3を500N〜1
000Nの加圧加重で押圧し、定着ローラ3と加圧ロー
ラ4の弾性層を変形させることによって形成される。ま
た、定着ローラ3の硬度よりも加圧ローラ4の硬度の方
を高く設定する事によって、定着ニップの形状を平行〜
上凸にする事ができ、良好な排紙性を得ることができ
る。
【0035】ところで、加熱ローラ2の内部には、同図
に示すように互いに配光特性の異なるハロゲンヒータに
より構成される発熱源であるメインヒータ51及びサブ
ヒータ52が配置されている。
【0036】ここで、メインヒータ51の配光特性は、
図2の(a)に示すように、例えば加熱ローラ2の長手
方向(L)に対して光量が中央部で高く、端部で低くな
っている。また、サブヒータ52の配光特性は、図2の
(b)に示すように、中央部で低く、端部で高くなって
いる。
【0037】この結果、メインヒータ51を通電すると
加熱ローラ2の中央部が端部よりも高温に温められ、サ
ブヒータ52を通電すると加熱ローラ2の端部が中央部
よりも高温となるように温められる。つまり、これら2
つのヒータ51,52はそれぞれを補うように作用す
る。
【0038】そして、このようにそれぞれ補うように作
用する2つのヒータ51,52を制御手段55(図1参
照)により独立にON/OFF制御してメインヒータ5
1とサブヒータ52の点灯比を変更することにより、加
熱ローラ2の中央部と端部とをそれぞれ温度制御するこ
とが可能となる。
【0039】例えば、通常の最大シート幅を有するA3
用紙を連続通紙する場合には、メインヒータ51及びサ
ブヒータ52の点灯比を1:1とすることで、加熱ロー
ラ2の最大加熱幅を均一に加熱する事ができる。一方、
A4の縦通紙(A4R)では、メインヒータ51とサブ
ヒータ52の点灯比を4:1としている。
【0040】そして、メインヒータ51とサブヒータ5
2の点灯比をこのような比とすることにより、加熱ロー
ラ2の中心部が集中的に加熱されるようになり、この結
果、加熱ローラ2の非通紙部の異常昇温を防止すること
ができる。なお、その他、主なシートサイズに対するメ
インヒータ51とサブヒータ52の点灯比率を以下の表
1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】ところで、加熱ローラ2に定着ベルト1を
巻きつけ、加熱ローラ2と定着ベルト1の接触部のみで
定着ベルト1に熱を供給した場合では、定着ベルト1の
移動速度が高速となると十分な熱量を供給できなくな
る。例えば、定着ベルト1の移動速度が200mm/s
ec以上の速度となった場合では熱の供給が不足し、定
着ベルト1の温度が低下してしまい定温オフセット等の
不具合が発生する恐れがある。
【0043】そこで、本実施の形態においては、図1に
示すように定着ベルト1の近傍に加熱手段である誘導加
熱部材6を配置し、この誘導加熱部材6により定着ベル
ト1の加熱ローラ2との接触部分以外の所定部分を加熱
するようにしている。
【0044】ここで、この誘導加熱部材6は図3に示す
ように誘導コイル61と、励磁コア62と、この誘導コ
イル61及び励磁コア62を保持するコイルホルダー6
3とにより構成されるものである。
【0045】そして、この長円状に扁平巻きされたリッ
ツ線を用いた誘導コイル61を、コイルの中心と両脇に
突起した横E型の励磁コア62の中に配置することによ
り、図4のようなユニットが形成される。なお、励磁コ
ア62としてはフェライト、パーマロイといった高透磁
率で残留磁速密度の低いものを用いており、これにより
誘導コイル61や励磁コア62での損失を抑えられ、効
率的に定着ベルト1を加熱する事ができる。
【0046】また、コイルホルダー63は非磁性、非導
電性耐熱材料であるPPS,PEEK、フェノール樹脂
等の耐熱性樹脂によって形成されており、図示しない定
着ユニットフレームに定着ベルト1に接触しないように
固定されている。
【0047】ところで、図5は、誘導加熱部材6の発熱
原理を説明する図である。ここで、誘導コイル61に高
周波(数KHz〜百KHz)の電流を流すと、「アンペ
アの右ねじの法則」にしたがって定着ベルト1の走行方
向に対して垂直な磁束Aが生じる。さらに、この磁束A
を受けて定着ベルト1には「レンツの法則」にしたがっ
て磁束Aと逆方向に磁束が生じるような渦状の誘導電流
が発生する。そして、この誘導電流は、定着ベルト1の
固有抵抗によりジュール熱に変換され、これにより定着
ベルト1が発熱する。
【0048】なお、同図に示す構成では、特にコイル6
1の側面近傍に磁束が集中するため、図6に示すように
局所的な発熱分布を持つようになる。ここで、このよう
な電磁誘導により発生する電流は、その材料に応じて板
厚方向に分布を持ち、磁束の浸透深さδは、(κμf)
1/2の逆数に比例する。なお、κは導電率、μは比透
磁率、fは周波数である。
【0049】つまり高周波になるほど誘導電流は表面に
集まる。したがって、発熱部の厚みを磁束の浸透深さに
近い値に設定すれば、発生した磁束をその厚み内で有効
に殆んど使用できるので、周波数に応じて誘導渦電流を
発生させる部材を最適な厚さに設定することが望まし
い。
【0050】ここで、本実施の形態において、この誘導
加熱部材6は、図7の(a)に示すように所定部分であ
る定着ベルト1の外側の、加熱ローラ2と定着ローラ3
によって張られた定着ニップ部の上流の略平面部を加熱
するように配置される。
【0051】そして、このような位置に誘導加熱部材6
を配置することにより、図7の(b)に示す加熱ローラ
2と定着ベルト1の接触部のみで熱を供給する構成に比
べて、定着ベルト1を加熱する加熱幅が増加し、定着ベ
ルト1が高速で回転する高速定着時でも十分な熱量を定
着ベルト1に供給する事が可能となる。
【0052】なお、この誘導加熱部材6は最大紙幅に対
応する領域を均一加熱するように設けられているが、発
熱領域内での発熱分布を任意に制御することが難しい。
しかし、既述したように加熱ローラ内の発熱源を構成す
る、互いに発熱分布の異なるメインヒータ51とサブヒ
ータ52を独立制御することで、非通紙部の異常昇温を
防ぎつつ、加熱ローラ2と定着ベルト1の平面部誘導加
熱を用いて小型でありつつ高速定着性を維持することが
可能となった。
【0053】このように、互いに発熱分布の異なるメイ
ンヒータ51とサブヒータ52を独立制御することで、
非通紙部の異常昇温を防止することができると共に、誘
導加熱部材6によって加熱領域を拡大化することによ
り、高速定着で必要となる熱量を十分に供給する事が可
能となる。
【0054】これにより、確実にトナー像をシートに定
着させることができる。なお、誘導加熱部材6によって
加熱ローラ以外の所定部分を非接触加熱する事により、
定着ベルト1を傷つけることなく熱損失の少ない効率的
な加熱が可能となる。
【0055】次に、本発明の第2実施の形態について説
明する。
【0056】図8は、本実施の形態に係る定着装置の構
成を説明する図である。なお、同図において、図1と同
一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0057】同図において、31は定着ニップ部の上流
に配置され、定着ベルト1を加圧ローラ4に押し付ける
押し付けローラであり、このように定着ベルト1を加圧
ローラ4に押し付けることによってニップ部を広くして
いる。そして、このようにニップ幅を広くすることによ
り、高速定着、厚紙定着のように定着に多くの熱量を必
要とする場合でも良好な定着性を維持する事ができる。
【0058】例えば、このように巻きつけローラ31を
用いた拡大ニップと、加熱ローラ2と誘導加熱部材6を
用いて加熱幅を広くすることにより、250gの厚紙を
毎分50枚(A4幅)で連続定着する場合においても良
好な定着性を維持する事が可能となる。
【0059】なお、本実施の形態において、メインヒー
タ51とサブヒータ52共にピーク部の配光分布を高く
してあるため、このように高速定着に対応するためニッ
プ部を広くした場合でも、定着ベルト1に対して多量の
熱を供給することができるようになり、これにより連続
定着時の温度低下が抑えられ、装置の小型化も可能とな
る。
【0060】ところで、これまでの説明において、誘導
加熱部材6により定着ベルト1に十分な熱量を供給する
ようにした場合について述べてきたが、本発明はこれに
限らず、誘導加熱部材6の代わりに他の加熱手段を用い
るようにしても良い。
【0061】次に、このように誘導加熱部材6の代わり
に他の加熱手段を用いるようにした本発明の第3実施の
形態について説明する。
【0062】図9は、本実施の形態に係る定着装置の構
成を説明する図である。なお、図8と同一符号は、同一
又は相当部分を示している。
【0063】同図において、13は他の加熱手段である
面状発熱体であり、この面状発熱体13は、図10に示
すように基板132の一方側の面をフィルム摺動側の面
とし、その面の略中央部に面長手に沿ってTaN・
銀パラジウム等の電気抵抗材料を塗工(スクリーン印刷
等)して具備させた面状の低熱容量の抵抗発熱体層13
1を有する抵抗発熱体である。
【0064】なお、この面状発熱体13は、ベルト接触
摺動面側にガラス層133を設けており、このようなガ
ラス層133を設けることにより、面状発熱体13の定
着ベルト1との滑性を向上させることができ、これによ
りベルト内面の削れ、抵抗発熱体層131のパターン摩
耗を防止することができる。
【0065】さらに、このガラス層133は、定着ベル
ト1が破れた場合の加圧ローラ4と抵抗発熱体層131
との直接接触による電気的短絡・漏電を防止する絶縁材
層の役目を果たすようにもなっている。
【0066】ところで、これまでの説明においては、発
熱源として2つのヒータ51,52を用いた場合につい
て述べてきたが、本発明はこれに限らず、3つ以上のヒ
ータを用いても良い。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明のように、定
着ベルトを加熱する加熱ローラ内に発熱分布の異なる2
つ以上の発熱源を設けると共に、この2つ以上の発熱源
をシートのサイズに応じて独立して制御することによ
り、定着ベルトの過昇温を防ぐことができる。また、定
着ベルトの加熱ローラの接触部分以外の所定部分を加熱
手段により加熱することにより、高速定着及び厚紙定着
で必要となる熱量を十分に供給することができ、確実に
トナー像の定着を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の構
成を示す図。
【図2】上記定着装置の加熱ローラの内部に設けられた
メインヒータ及びサブヒータの配光特性を示す図。
【図3】上記定着装置に設けられた誘導加熱部材の分解
図。
【図4】上記誘導加熱部材の側面断面図。
【図5】上記誘導加熱部材の発熱原理を説明する図。
【図6】上記誘導加熱部材の発熱分布を示す図。
【図7】上記定着装置に設けられた定着ベルトの加熱域
を示す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る定着装置の構
成を示す図。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る定着装置の構
成を示す図。
【図10】上記定着装置に設けられた面状発熱体の構成
を示す側面断面図。
【図11】従来の定着装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1 定着ベルト 2 加熱ローラ 3 定着ローラ 4 加圧ローラ 6 誘導加熱部材 13 面状発熱体 31 押し付けローラ 50 定着装置 51 メインヒータ 52 サブヒータ 55 制御手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/14 H05B 6/14 Fターム(参考) 2H033 AA02 BA11 BA12 BA25 BA26 BA27 BB18 BE06 CA17 CA27 CA48 3K058 AA86 BA18 CA12 CA22 CB02 CB19 DA02 DA04 DA06 GA03 GA06 3K059 AB19 AB26 AD25 CD75

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着ローラと、前記定着ローラに圧接す
    る加圧ローラとを備え、トナー像が転写されたシート
    を、前記定着ローラと前記加圧ローラとの圧接部を加熱
    しながら通過させて前記トナー像を前記シートに定着さ
    せる定着装置において、 前記シートを加熱するための熱源となる加熱ローラと、 前記加熱ローラと前記定着ローラとの間に回転可能に架
    設されると共に前記加熱ローラにより加熱され、前記定
    着ローラと加圧ローラとの圧接部を通過する前記シート
    を加熱する定着ベルトと、 前記加熱ローラ内に設けられた発熱分布の異なる2つ以
    上の発熱源と、 前記2つ以上の発熱源を前記シートのサイズに応じて独
    立して制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記定着ベルトの前記加熱ローラとの接
    触部分以外の所定部分を加熱する加熱手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段は、誘導コイルを備え、前
    記誘導コイルに印加した交番電流によって誘導加熱を行
    う電磁誘導加熱部材であることを特徴とする請求項2記
    載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段は、電気抵抗によって発熱
    する抵抗発熱体を備えると共に、前記抵抗発熱体を前記
    定着ベルトに接触させることにより該定着ベルトを加熱
    するものであることを特徴とする請求項2記載の定着装
    置。
  5. 【請求項5】 前記定着ベルトは、少なくとも一部に導
    電層を含んでいることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記定着ベルトは、ニッケル、磁性SU
    S、鉄及びこれらの合金からなる金属層を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    定着装置。
  7. 【請求項7】 前記定着ベルトは、基層の上にシリコン
    ゴム、フッ素ゴム等の弾性体からなる弾性層を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    定着装置。
  8. 【請求項8】 前記定着ベルトを前記加圧ローラに押し
    付ける押し付けローラを備えたことを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 トナー像を形成する画像形成部と、前記
    画像形成部により形成されたトナー像が転写されたシー
    トを加熱及び加圧して前記トナー像を前記シートに定着
    させる前記請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着
    装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7333760B2 (en) 2004-06-24 2008-02-19 Ricoh Company, Ltd. Fixing device with temperature control
US7868272B2 (en) 2004-07-15 2011-01-11 Sharp Kabushiki Kaisha Induction heating device and image forming apparatus equipped with such induction heating device
US20110052237A1 (en) * 2009-09-03 2011-03-03 Masaaki Yoshikawa Fixing device and image forming apparatus incorporating same

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