JP2003227070A - 繊維構造物 - Google Patents

繊維構造物

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JP2003227070A JP2002347517A JP2002347517A JP2003227070A JP 2003227070 A JP2003227070 A JP 2003227070A JP 2002347517 A JP2002347517 A JP 2002347517A JP 2002347517 A JP2002347517 A JP 2002347517A JP 2003227070 A JP2003227070 A JP 2003227070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、浮遊する花粉が付着しにくい花粉付
着防止繊維構造物を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明明の花粉付着防止繊維構造物は、K
ES法による布帛表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)
のタテ方向、ヨコ方向の各々の値が0.04以下および
表面粗さの平均偏差(SMD)のタテ方向、ヨコ方向の
各々の値が4.0μm以下であめ花粉付着防止繊維構造
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、花粉症の原因であ
る花粉が付着しにくい花粉付着防止性に優れた繊維構造
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】花粉症は現代病であり、春先になると
鼻、目などに症状が起こり不快感を覚える人が多くなっ
ている。花粉症は発病するとなかなか完治しない病気
で、その治療も確立されておらず、予防策として皮膚、
目、鼻、口に花粉が触れないようさまざまな対策がとら
れている。
【0003】鼻や口に花粉が触れない対策としては、防
塵マスクなどがあり静電気を発生させてマスク内に花粉
を吸着し、鼻や口で花粉を吸引しない方法が一般的であ
る。
【0004】これらは、常にマスクをした状態でないと
効果はなく、日常生活的にマスクをすることは、息苦し
く負担になるものである。また、衣服に付着した花粉に
ついては付着したまま、家の中に持ち込まれマスクをは
ずせば、外の環境に近い状態となる。
【0005】花粉を防止するものとして、特開平6−1
58494には、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸
塩、塩基性基またはホルミル基を有する化合物を含有し
平行水分率が1%以上である花粉補足用繊維構造物が提
案されている。これらは花粉のアレルゲン物質を化学的
に吸着するするものであり、これらを衣料として用いた
場合、花粉を付着させたまま家の中に入ることになる。
要するに家の中に花粉を持ち込むことになり花粉症の人
にとっては返って好ましくないものである。
【0006】また花粉を付着させないものとしては、特
開平6−126093には有孔フィルム/シートにより
形成された洗濯物用花粉防止カバーが提案されている。
これらは花粉が通過せず、水蒸気が通過する範囲の大き
さの孔を有するフィルムを用いるものであるが、フィル
ムでるため一般衣料として用いた場合、ファッション性
に欠け、またカーテンなどのインテリア用品としてもド
レープ性がないなど汎用性に欠けるものであった。また
フィルムは静電気が発生しやすく、花粉を呼び寄せやす
くまた一旦付着した花粉はなかなか取れないという問題
があった。
【0007】
【特許文献1】特開平6−158494号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、浮遊する花粉が付着しにくく、且つ
落ちやすい花粉付着防止性に優れた繊維構造物を提供せ
んとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の繊維構造物は、KES法による
布帛表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)のタテ方向、
ヨコ方向の各々の値が0.04以下で、かつ表面粗さの
平均偏差(SMD)のタテ方向、ヨコ方向の各々の値が
4.0μm以下であって、かつ擬似花粉の繊維構造物表
面への付着数が、下記測定方法で250個以下である布
帛を用いてなることを特徴とする繊維構造物である。 (測定方法)7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×6
5%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉と共にポリ
エチレン袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、
約20リットルに膨らませ口を縛る。
【0010】かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度
で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛
を取り出し、繊維布帛表面を50倍に拡大し7.5×1
0cmの範囲の擬似花粉の個数を数える。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり花粉
が付着しにくという花粉付着防止性を向上させた花粉付
着防止繊維構造物について鋭意検討した結果、KES法
による布帛表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)のタテ
方向、ヨコ方向の各々の値が0.04以下で、かつ表面
粗さの平均偏差(SMD)のタテ方向、ヨコ方向の各々
の値が4.0μm以下である布帛、つまり布帛表面が平
滑である布帛が、擬似花粉の付着が少なく、つまり実際
の花粉付着も少なくなり、かかる課題を一挙に解決する
ことを究明したものである。
【0012】本発明でいう摩擦係数の平均偏差は、KE
S法による布帛表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)で
あり、タテ方向、ヨコ方向の各々の値が0.04以下で
あることが好ましい。本発明でいうタテ方向とは布帛の
長さ方向であり、ヨコ方向とは布帛の幅方向である。M
MDが大きいということは摩擦係数の変動が大きく布帛
表面を摩擦した時、粘着性が高く引っかかりやすいこと
を意味する。MMDが0.04より大きいと摩擦時のひ
っかかりが大きくなり、花粉が布帛表面に引っかかって
付着しやすく、落ちにくくなってしまうものである。
【0013】本発明のMMDは、カトーテック(株)K
ES−FB4を用い20℃×65%RHの環境下で測定
する。20gf/cmの張力をかけた布帛に、0.5m
mΦのピアノ線を10本並べ5×5mmに面上に巻いた
接触子を50gfの力で接触面を布帛に圧着させ、0.
1cm/秒の一定の速度で水平に2cm移動させた時の
摩擦係数の平均偏差である。
【0014】本発明でいう表面粗さの平均偏差(SM
D)は、KES法による布帛の表面粗さであり、タテ方
向、ヨコ方向の各々の値が4.0μm以下であることが
好ましい。SMDが大きいということは布帛表面の凹凸
が大きいことを意味する。SMDが4.0μmより大き
いと布帛表面の凹部に花粉は入り込み落ちにくくなって
しまうものである。
【0015】本発明のSMDは、カトーテック(株)K
ES−FB4を用い20℃×65%RHの環境下で測定
する。20gf/cmの張力をかけた布帛に、0.5m
mΦのピアノ線を5mm幅に1本折り曲げた接触子を1
0gfで試料に圧着する。この接触子はバネで圧着され
るが、バネの定数は25gfとする。圧着させた摩擦子
を0.1cm/秒の一定の速度で水平に2cm移動させ
た時の布帛表面粗さの平均偏差である。
【0016】本発明でいう擬似花粉とは、石松子
((有)津田商店 製)という花粉の粒径に近い天然物
であり、30〜40μmのシダ科のヒカゲノカズラの胞
子である。大気中に浮遊している埃などの粒子は、10
μm前後の非常に粒子の細かい無機物質が多く、また排
気ガスなどに含まれるカーボンブラックにおいては、
0.1μm前後とさらに細かい粒子であり、20〜60
μmである花粉とは布帛への付着状態が異なるが、擬似
花粉は花粉に近い粒径および形状の擬似花粉が布帛表面
に付着しにくいということは、花粉も付着しにくいもの
である。
【0017】本発明は、かかる擬似花粉をポリエチレン
袋に1g入れ、7cm×7cmの繊維布帛30枚と共に
1分間撹拌し、繊維表面に付着した擬似花粉の個数が、
繊維布帛表面を50倍に拡大し、7.5×10cmの範
囲で250個以下であるものである。擬似花粉の付着個
数が250個を越えると、生地表面を肉眼で見た時に明
らかに花粉の付着が確認でき、花粉が付着しにくいとは
言い難いものである。
【0018】本発明の繊維構造物は、布帛表面にシリコ
ーン系化合物、ポリエステル系化合物、ワックス系化合
物、パラフィン系化合物、メラミン系化合物、グリオキ
ザール系化合物、ウレタン系化合物、アクリル系化合
物、エポキシ系化合物、ポリアミド系化合物、無機系化
合物等が固着していてもよく、全く何も固着していない
ものであっても良い。
【0019】特に好ましくはフルオロアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸エステルを必須の重合単位とする
重合体が布帛表面に固着していることが好ましい。重合
体は、他の重合性モノマとの共重合体であっても良い。
【0020】本発明でいうフルオロアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸エステルとは、フルオロアルキル基
が(メタ)アクリル酸エステルのアルコール残基部分に
存在する化合物をいう。
【0021】フルオロアルキル基とは、アルキル基の水
素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。
フルオロアルキル基の炭素数は2〜20が好ましく、特
に6〜16が好ましい。また、フルオロアルキル基は、
直鎖状または分岐状の基が好ましい。分岐状の基である
場合には、分岐部分がフルオロアルキル基の末端部分に
存在し、かつ、炭素数1〜4程度の短鎖であるのが好ま
しい。 さらにフルオロアルキル基は、アルキル基の水
素原子の全てがフッ素原子に置換された基(すなわちパ
ーフルオロアルキル基)、またはパーフルオロアルキル
基を末端部分に有する基が好ましい。
【0022】パーフルオロアルキル基の場合、炭素数
は、1〜20が好ましく、4〜16が特に好ましい。炭
素数が4未満の場合には、加工剤組成物の撥水性能が低
下する傾向にあり、16より多い場合には、共重合体が
常温で固体となり、昇華性も大きく、取扱いが困難にな
る恐れがある。
【0023】本発明の重合体は、かかる重合単位を1種
または2種以上含んでいてもよい。かかる重合単位を2
種以上含む場合には、炭素数の異なるフルオロアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることが
好ましい。
【0024】また、本発明の重合体は、ポリアルキレン
グリコール(メタ)アクリル酸エステルを重合単位とし
て含むことが好ましい。かかるポリアルキレングリコー
ルは、ポリエチレングリコールおよび/またはポリプロ
ピレングリコールであることが好ましい。特に好ましく
は疎水性のポリプロピレングリコールであり、これを含
むことによりMMD、SMDの数値が低くなり、平滑性
が向上し、花粉付着防止性がさらに大きく向上するもの
である。
【0025】本発明の重合体は、アミノプラスト樹脂、
多官能性イソシアネート基含有ウレタン樹脂の少なくと
も1種とを含有してなる樹脂組成物を構成し、かかる樹
脂組成物の形で固着されているのが好ましい。かかる樹
脂組成物として用いることにより、該重合体の布帛表面
への固着の耐久性が向上するものである。
【0026】アミノプラスト樹脂としては、トリメチロ
ールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどのメラミ
ン樹脂、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールエ
チレン尿素、ジメチロールヒドロキシ尿素などの尿素系
樹脂、ジメチロールウロンなどのウロン樹脂などを用い
ることができる。中でもヘキサメチロールメラミン、ト
リメチロールメラミンが好適である。
【0027】多官能性イソシアネート基含有ウレタン樹
脂としては、分子中に2個以上のイソシアネート官能基
を含む有機化合物であれば特に限定されるものではな
い。具体例としてはトリレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソ
シアネート、水素添加ジフェニールメタンジイソシアネ
ート、トリフェニールトリイソシアネート、キシレジン
イソシアネート、ジクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート
アダクト、フリセリントリレンジイソシアネートアダク
トなどに70〜200℃の加熱時に解離して活性なイソ
シアネート基が再生できるようなブロッキング化化合物
として、フェノール、マロン酸ジエチルエステル、メチ
ルエチルケトオキシム、重亜硫酸ソーダ、ε−カプロラ
クタムなどを反応させた多官能ブロックイソシアネート
ウレタン樹脂を挙げることができる。ブロックイソシア
ネートの熱分離速度の向上と熱解離温度の低下とを促進
するために用いる解離触媒としてはジブチルスズジオレ
ート、ジブチルスズステアレート、ステアリル亜鉛、有
機アミン化合物が好ましい。
【0028】本発明の重合体におけるフルオロアルキル
基含有重合単位の含有割合は、布帛表面に付与された樹
脂成分中、30〜70wt%であることが好ましい。3
0wt%未満の場合は疎水性が低く粘着性が高くなり布
帛表面のMMDが高くなり花粉付着が多くなる場合があ
る。また70wt%を越えると撥水性が高くなるが布帛
表面のかさつき感が高くなり、布帛表面のMMD、SM
Dが高くなり花粉付着が多くなる傾向がある。
【0029】布帛への樹脂組成物の付与方法としては、
フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルを必須の重合単位とする重合体に、アミノプラスト樹
脂および/または、多官能性イソシアネート基含有ウレ
タン樹脂を加えた処理液を布帛に付着した後熱処理され
ることが好ましい。処理液を付与する方法は、かかる処
理液に布帛を浸漬後パッディング法で付与する方法、ま
たはスプレー法で付与することが好ましい。熱処理は、
乾熱処理または湿熱処理のいずれかであり、好ましくは
100〜200℃の乾熱処理が好ましい。100℃未満
であると洗濯耐久性が不十分であり、200℃を越える
と繊維の黄変、脆化が生じる傾向にある。
【0030】また、花粉は、大気汚染物質と比較して粒
径が大きく、30μm前後であるため、かかる重合体が
単繊維に均一に被膜として被覆されている必要はなく、
繊維束をかかる重合体が覆っていればよい。このことか
らかかる重合体が布帛にコーティングされ、布帛の片面
または両面にシート状に付着していても良い。
【0031】かかる繊維構造物を構成する布帛の繊維と
して、合成繊維、天然繊維、および再生繊維から選ばれ
た少なくとも1種を使用することができるが、かかる合
成繊維としてはポリエステル系繊維またはポリアミド系
繊維またはポリオレフィン系繊維等が好ましい。ポリエ
ステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートやこれらを主成分とした共重合ポリエステル系
繊維等が含まれ、また、ポリアミド系繊維としては、ナ
イロン6,ナイロン66および第3成分を共重合したも
の等である。ポリオレフィン系繊維としては、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン等が含まれる。また天然繊維とし
ては、絹等が好ましく、再生繊維としてはビスコースレ
ーヨン等が好ましい。
【0032】本発明においては、布帛を構成する繊維ま
たは繊維束が交錯してできる隙間が、30μm以下であ
ることが好ましい。花粉の粒径は30μm前後であるた
め隙間が30μmを越えると、隙間から花粉が繊維構造
物の内部に入り込む可能性があるためである。
【0033】また、布帛を構成する繊維としては、特に
好ましくは長繊維が用いられる。
【0034】本発明の繊維構造物に用いられる布帛は、
織物、編物、または不織布であることが好ましいが、布
帛表面の平滑性を高めるためには、織物であることが好
ましい。
【0035】本発明の繊維構造物は、花粉が付着しにく
いということから、コート、ウインドブレーカー、ブラ
ウス、ドレスシャツ、スカート、スラックス、手袋、帽
子または布団カバー、布団干しカバーなどの用途に好適
に使用されるものである。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の品質評価は次の方法に従っ
た。 (花粉付着防止性)7×7cmの繊維布帛30枚を20
℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉と共
にポリエチレン袋の中に入れ、20℃×65%RHの空
気で、約20リットルに膨らませ口を縛る。
【0037】かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度
で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛
を取り出し、繊維布帛表面を50倍に拡大し7.5×1
0cmの範囲の擬似花粉の個数を数える。 (摩擦係数平均偏差/MMD) 1.20×20cmの試験片を準備する。 2.カトーテック(株)KES−FB4を用い20℃×
65%RHの環境下で20gfの張力をかけ試験片を取
り付ける。 3.0.5mmΦのピアノ線を5×5mmに10本面上
に巻いた接触子に50gfで試料に圧着させ、0.1c
m/秒の一定速度で水平に移動させ測定する。4.上記
方法で布帛のタテ、ヨコ方法を測定する。 (布帛表面粗さの平均偏差/SMD) 1.20×20cmの試験片を準備する。 2.カトーテック(株)KES−FB4を用い20℃×
65%RHの環境下で20gfの張力をかけ試験片を取
り付ける。 3.0.5mmΦのピアノ線を5mm幅に1本折り曲げ
た接触子に10gfで試料に圧着させ0.1cm/秒の
一定速度で水平に移動させ測定する。 4.上記方法で布帛のタテ、ヨコ方法を測定する。
【0038】実施例1 タテ糸:ポリエステル 56dtex/72f 生糸 ヨコ糸:ポリエステル 84dtex/72f 生糸 密度 :174×109本/インチ 上記織物を通常条件で精練、染色、乾燥し160℃で仕
上げセットを行った。
【0039】得られた試験布について、花粉付着防止
性、MMD、SMDの評価を行った。結果を表1に示
す。
【0040】得られた試験布は、MMDはタテが0.0
231、ヨコが0.0105であり、SMDはタテが
1.836、ヨコが1.416μmであった。布帛表面
の粘着性が低く摩擦時の引っかかりが少なく、また布帛
表面の平滑であり、擬似花粉付着数は143個と優れた
花粉付着防止性を示した。
【0041】実施例2 タテ糸:ポリエステル 84dtex/72f 加工糸 ヨコ糸:ポリエステル 〃 加工糸 密度 :188×99本/インチ 上記織物を通常条件で精練、染色、乾燥した。
【0042】次いで、パーフルオロアルキルエチルアク
リレートおよび、ポリオキシエチレングリコールモノメ
タクリレートおよびポリオキシプロピレングリコールモ
ノメタクリレートの共重合体TKガード208(高松油
脂(株)製)、50g/lおよびアミノプラスト樹脂であ
るスミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)
3g/lおよび触媒として有機アミンからなる触媒ス
ミテックスレジンACX(住友化学工業(株)製) 2
g/l、ブロックイソシアネートであるスーパーフレッ
シュJB−7200((株)京絹化成 製) 3g/lからなる処理液に試験布を浸漬したのち絞り率
80%で絞り、130℃で乾燥後さらに175℃で45
秒間乾熱処理を行った。
【0043】得られた試験布について、花粉付着防止
性、MMD、SMDの評価を行った。結果を表1に示
す。
【0044】得られた試験布は、MMDタテ0.023
7,ヨコ0.0135であり、SMDはタテ0.99
6、ヨコ1.313μmであった。布帛表面の粘着性が
低く摩擦時の引っかかりがが少なくまた布帛表面が平滑
であり、擬似花粉付着数は179個と優れた花粉付着防
止性を示した。
【0045】比較例1 タテ糸:ポリエステル 167dtex/48f
加工糸 ヨコ糸:ポリエステル65%/綿35% 45番手 密度 :68×61本/インチ 上記織物を通常条件で精練、染色、乾燥し160℃で仕
上げセットを行った。
【0046】得られた試験布について、花粉付着防止
性、MMD、SMDの評価を行った。結果を表1に示
す。
【0047】得られた試験布は、MMDがタテ0.07
85、ヨコ0.0564であり、SMDがタテ5.60
8,ヨコ3.214であった。摩擦時の引っかかりが大
きく、布帛表面の平滑性に欠けるものであり、つまり花
粉の引っかかりが多く、擬似花粉付着数は684個と花
粉付着防止性が十分ではないものであった。
【0048】比較例2 実施例1と同様の織物を通常条件で精練、染色、乾燥し
た。
【0049】次いで、リン酸エステル系帯電防止剤であ
るエレナスタットEA−7(京浜化成(株)製)20g
/lからなる処理液に試験布を浸漬したのち絞り率80
%で絞り、160℃で乾燥/乾熱処理を行った。
【0050】得られた試験布について、花粉付着防止
性、MMD、SMDの評価を行った。結果を表1に示
す。
【0051】得られた試験布は、MMDがタテ0.05
64、ヨコ0.0355SMDがタテ4.404,ヨコ
2.112であった。帯電防止剤による布帛表面の粘着
性が高く、また布帛表面の平滑性に欠け、花粉が引っ付
きやすいものであった。擬似花粉付着数は756個と花
粉付着防止性が十分ではないものであった。
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、実施例1,2の
ものは、比較例のものに比して、5倍以上の花粉付着防
止性を有することがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、従来になかった優れた
花粉付着防止性防汚性を有する繊維構造物を提供するこ
とができ、特にコート、ウインドブレーカー、ブラウ
ス、帽子、布団干しカバーなど幅広い用途に好適な素材
を提供することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 3/02 A41D 3/02 Z 19/00 19/00 A A42B 1/00 A42B 1/00 Z D06M 15/27 D06M 15/27 15/423 15/423 15/564 15/564 Fターム(参考) 3B030 AA01 AA08 AA09 AB00 3B031 AA13 AB00 AE13 3B033 AA27 AB12 AC01 AC05 4L033 AA01 AA04 AB04 AC10 AC15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】KES法による布帛表面の摩擦係数の平均
    偏差(MMD)のタテ方向、ヨコ方向の各々の値が0.
    04以下で、かつ表面粗さの平均偏差(SMD)のタテ
    方向、ヨコ方向の各々の値が4.0μm以下であって、
    かつ擬似花粉の繊維構造物表面への付着数が、下記測定
    方法で250個以下である布帛を用いてなることを特徴
    とする繊維構造物。 (測定方法)7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×6
    5%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉と共にポリ
    エチレン袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、
    約20リットルに膨らませ口を縛る。かかるポリエチレ
    ン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100
    回振ったのち、繊維布帛を取り出し、繊維布帛表面を5
    0倍に拡大し7.5×10cmの範囲の擬似花粉の個数
    を数える。
  2. 【請求項2】該布帛表面に、フルオロアルキル基を有す
    る(メタ)アクリル酸エステルを必須の重合単位とする
    重合体が付与されていることを特徴とする請求項1記載
    の繊維構造物。
  3. 【請求項3】ポリアルキレングリコール(メタ)アクリ
    ル酸エステルを重合単位として含む重合体が布帛表面に
    付与されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の繊維構造物。
  4. 【請求項4】該ポリアルキレングリコールが、ポリエチ
    レングリコールおよび/またはポリプロピレングリコー
    ルであることを特徴とする請求項3に記載の繊維構造
    物。
  5. 【請求項5】該重合体におけるフルオロアルキル基含有
    重合単位の割合が、布帛に付与される樹脂成分中、30
    〜70wt%であることを特徴とする請求項2〜4のい
    ずれかに記載の繊維構造物。
  6. 【請求項6】該重合体が、アミノプラスト樹脂および/
    または多官能性イソシアネート基含有ウレタン樹脂との
    樹脂組成物として、布帛に付与されているものであるこ
    とを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の繊維構
    造物。
  7. 【請求項7】該重合体または該樹脂組成物が、布帛の片
    面または両面にコーティングされシート状に付着してい
    るものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の繊維構造物。
  8. 【請求項8】該布帛を構成する繊維または繊維束が交錯
    してできる隙間が30μm以下である請求項1〜7のい
    ずれかに記載の繊維構造物。
  9. 【請求項9】該布帛を構成する繊維が、長繊維であるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防止繊
    維構造物。
  10. 【請求項10】該繊維構造物が、コート、ウインドブレ
    ーカー、ブラウス、ドレスシャツ、スカート、スラック
    ス、手袋、帽子または布団カバーおよび布団干しカバー
    である請求項1〜9のいずれかに記載の繊維構造物。
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