JP2008163471A - 繊維構造物 - Google Patents

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渡 阿部
Masao Seki
昌夫 関
Rumi Karasawa
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Abstract

【課題】制電性、撥水性を有し、且つ花粉付着防止性、泥防汚性という機能をも有する繊維構造物を提供する。
【解決手段】単繊維表面に、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは主鎖の側鎖として2個以上のアクリル基および/またはメタクリル基を有する重合性単量体を重合成分として含有してなる樹脂皮膜を有し、該皮膜中に、フッ素系撥水撥油剤が含有されてなり、撥水度が4級以上であって、さらに、該皮膜中に無機微粒子および/または有機微粒子が含有されていることを特徴とする繊維構造物。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来から両立が困難であった耐久性のある制電性と撥水性を両立し、且つ防汚性、具体的には花粉付着防止性、泥防汚性を兼ね備えた繊維構造物に関する。
繊維布帛に、縫製時はもとより衣服として着用した場合に求められる必須機能として制電性がある。かかる衣服がコート、ブルゾンなどの外衣であった場合には、雨や雪等により衣服が濡れる可能性があり、更に撥水性や防汚性という機能が要求される。また、これらの外衣は春先に着用されることが多く、ここ数年の花粉症患者の増加により花粉付着性能までもが要求されている。
しかしながら、繊維を親水化することによって得られる制電性や洗濯により汚れが落ちやすいといった性能と、繊維を疎水化することによって得られる撥水性や汚れが付きにくいという性能の両者を同時に満足することは非常に難しく、またかかる性能の他にさらに耐久性をもたせることは非常に困難である。その上に、さらに花粉付着防止性能をも併せ持つ繊維構造物を得ることはより一層困難であった。
繊維構造物の制電、撥水加工法としては、撥水剤が存在しない制電性重合体が固着されたポリエステル繊維から主として構成された布帛であって、該制電性重合体の少なくとも一部は撥水性重合体で被覆されている制電耐久性の改善された撥水性ポリエステル布帛(特許文献1参照)、また撥水剤およびグラフト重合体よりなる被膜を有する繊維布帛または、該重合被膜の上に、さらに撥水剤を含む溶剤系処理液で処理する繊維布帛の製造方法(特許文献2参照)等が知られている。
また、花粉付着防止については、繊維構造物生地をコロイダルシリカ類の微粒子を含有する加工剤で処理し、該生地の表面にコロイダルシリカ類の微粒子を均一に付着させる加工方法(特許文献3参照)などが提案されている。
しかしながら高い撥水性能を得るためには、特許文献1のごとく制電性重合体が固着された繊維布帛で、該制電性重合体の少なくとも一部は撥水性重合体で被覆されているものについては、親水性被膜と撥水性樹脂被膜という相反する特性の被膜であることから両被膜の接着性が悪く、耐久性を得ることは難しいものであった。
また、特許文献2のごとく撥水剤およびグラフト重合体よりなる被膜を有する繊維布帛という1つの被膜内に相反する特性を有する性能を両立させることは難しく、被膜の耐久性が劣るものである。また同じく、該重合被膜の上に、さらに撥水剤を含む溶剤系処理液で処理する繊維布帛の製造方法においては、やはり重合被膜の耐久性が劣るうえに、重合被膜自体が撥水性を有するため、さらに上に付与する撥水剤は溶剤系処理液で処理する必要があるなど、作業性が非常に悪く、また2層の接着性が悪く耐久性が得られにくいものであった。
また、花粉付着防止として提案されている特許文献3のごとく、生地の表面にコロイダルシリカ類の微粒子を均一に付着させたものについては、花粉が付きにくく落ちやすいという性能は有するものの、洗濯耐久性に欠けるとともに、制電性能はなく、静電気により花粉の吸着を起こしやすいものであった。
また、泥汚れ除去性に関するものとして、繊維表面のイオン性やゼータ電位に着目したものが提案されているが(特許文献4、5参照)、表面を親水化するものであり、撥水撥油性はなく用途が限定されるものであった。
特許第3133227号 特許第3615827号公報 特開2004−3046号公報 特開2003−227072 特開2004−137617
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、制電性、撥水性を有し、且つ花粉付着防止性、泥防汚性という機能をも有する繊維構造物を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1)単繊維表面に、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは主鎖の側鎖として2個以上のアクリル基および/またはメタクリル基を有する重合性単量体を重合成分として含有してなる樹脂皮膜を有し、該皮膜中に、フッ素系撥水撥油剤が含有されてなり、撥水度が4級以上であり、さらに、該皮膜中に無機微粒子および/または有機微粒子が含有されていることを特徴とする繊維構造物。
(2)洗濯10回後の摩擦帯電圧が2kv以下で、撥水度が3級以上である前記1記載の繊維構造物。
(3)該フッ素系撥水撥油剤が下記一般式で示される有機フッ素系化合物の少なくとも一種である前記1または2記載の繊維構造物。
Figure 2008163471
(4)該無機系微粒子酸化ケイ素である前記1〜3のいずかに記載の繊維構造物。
(5)該樹脂皮膜に、アミノプラスト樹脂または/およびイソシアネート系化合物が含有されている前記1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
(6)下記測定法により測定したときの繊維構造物表面への擬似花粉の付着数が250個以下の布帛である前記1〜5のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RH環境下に24時間放置後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、繊維布帛表面を50倍に拡大した写真を3カ所撮り、写真の7.5×10cmの擬似花粉の個数を数え、3カ所の平均を計算する。
(7)下記測定法により測定したときの泥防汚性が4級以上である前記1〜6のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
赤玉土/通常の土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、汚染剤を手で叩き落とし、JI S L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
(8)前記1〜7のいずれかに記載の繊維構造物を用いてなる衣料。
本発明によれば、洗濯耐久性のある制電性と撥水性を有すると繊維構造物を安定に供給することができる。さらには花粉付着防止性能、泥防止性能をも有する繊維構造物とすることも可能である。
本発明は、前記課題、つまり洗濯耐久性に優れた制電性および撥水性を兼ね備えた機能を付与することについて鋭意検討した結果、単繊維表面に、制電性重合体とフッ素系撥水撥油剤の混合された皮膜を形成することにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明のポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは主鎖の側鎖として2個以上のアクリル基および/またはメタクリル基を有する単量体としては、例えばポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート等を、単独あるいは2種以上の混合物として使用することができる。
本発明の撥水撥油剤としては、撥水度が4級以上となるものであれば用いることができる。例えば、下記一般式で表されるパーフルオロアルキル基を含有するアクリレート系化合物など、
Figure 2008163471
フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を必須の重合単位とする重合体や、共重合体が好ましく用いられる。フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を必須とする重合体とはフルオロアルキル基が(メタ)アクリル酸エステルのアルコール残基部分に存在する化合物である。かかるフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。フルオロアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。また、フルオロアルキル基は、直鎖状または分岐状の基が好ましい。分岐状の基である場合には、分岐部分がフルオロアルキル基の末端部分に存在し、かつ、炭素数1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。さらにフルオロアルキル基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基(すなわちパーフルオロアルキル基)、またはパーフルオロアルキル基を末端部分に有する基が好ましい。パーフルオロアルキル基の場合、炭素数は、1〜20が好ましく、4〜16が特に好ましい。炭素数が4未満の場合には、加工剤組成物の撥水性能が低下する傾向にあり、16より多い場合には、共重合体が常温で固体となり、昇華性も大きく、取扱いが困難になる恐れがある。かかるフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を必須とする重合体は、かかる重合単位を1種または2種以上含んでいてもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、分子中にOH基、COOH基、NH2基などの親水基を有するものや、ポリアルキレングリコールセグメントを有する化合物が含まれていても良い。
本発明の重合性単量体とフッ素系撥水撥油性樹脂の固形分重量配合比率は、10〜30/5〜30であり、繊維重量あたり0.1〜10重量%付着させるのが好ましい。
本発明の皮膜中に微粒子が混合されていても良い。該微粒子としては無機系微粒子または有機系微粒子であり、これらを混合して使用することができる。無機微粒子としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム等が例示され、これらを単独あるいは2種以上混合して、水分散体として使用するのが好ましい。中でも酸化ケイ素が好ましく使用できる。該粒子の平均粒子径としては好ましくは5〜500nmであり、より好ましくは10〜100nmである。
本発明の有機微粒子としては、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂またはウレタン系樹脂などからなる粒子であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・ビニルアセテート共重合体などが例示できる。該粒子の平均粒子径としては好ましくは0.05〜5μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。また、有機系微粒子の表面をシリカやアルミナでコーティングした複合粒子を使用することもできる。
かかる該粒子の添加により制電性樹脂皮膜の形成性が向上し、強靱な皮膜となり耐久性を高めることができる。更には、該粒子により樹脂皮膜の表面に微細な凹凸が形成されるので、花粉の付着防止性、脱落性をより一層、高めることができるものである。
本発明において、重合性単量体、フッ素系撥水撥油剤および無機微粒子の固形分重量配合比率は、10〜30/10〜30/1〜10であり、繊維重量あたり0.5〜5重量%付着させるのが好ましい。
本発明においては、重合性単量体、フッ素系撥水撥油剤または微粒子が配合された水系液に触媒を混合したものを繊維上に付与した後、重合皮膜化すべく熱処理を行う。かかる触媒としては、酢酸、蟻酸、アクリル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フタル酸、硫酸、過硫酸、塩酸、燐酸などの酸類およびこれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などであり、これらの一種以上を使用することができる。中でも、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムが好ましく使用できる。かかる触媒は、重合性単量体の使用量に対して0.1〜20重量%の割合で使用することが好ましい。
重合のための熱処理は、好ましくは50〜180℃の温度で0.1〜30分間の条件で乾熱処理または蒸熱処理するものであるが、蒸熱処理の方が繊維表面に均一な皮膜を形成しやすく、かつ皮膜強度も高く、風合いが柔軟である。蒸熱処理は、好ましくは80〜160℃の飽和水蒸気または過熱水蒸気が用いられる。より好ましい飽和水蒸気は90〜130℃であり、過熱水蒸気は110〜160℃であり、いずれも数秒から数分の処理を行う。かかる蒸熱処理を行った後、未反応の単量体や触媒の除去、また染色堅牢度の確保のために、50〜95℃の温度で湯洗いか、ノニオン界面活性剤や炭酸ソーダ、ハイドロサルファイトなどを使用した洗浄を行うことが好ましい。
本発明の樹脂皮膜としては、透過型電子顕微鏡(TEM)を100000倍の倍率として用いて観察した場合の厚みが5〜100nmであることが好ましい。
本発明の樹脂皮膜には、アミノプラスト樹脂、多官能性イソシアネート化合物のうちの少なくとも一種が含まれていることが好ましい。アミノプラスト樹脂としては、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどのメラミン樹脂、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールヒドロキシ尿素などの尿素系樹脂、ジメチロールウロンなどのウロン樹脂などであり、中でもヘキサメチロールメラミン、トリメチロールメラミンが好ましく使用される。多官能性イソシアネート系化合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート官能基を含む有機化合物であれば特に限定されるものではなく、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニールメタンジイソシアネート、トリフェニールトリイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、フリセリントリレンジイソシアネートアダクトなどにブロッキング化化合物(イソシアネートアダクトとともに70〜200℃に加熱することで、イソシアネート基を再生させる化合物)である、フェノール、マロン酸ジエチルエステル、メチルエチルケトオキシム、重亜硫酸ソーダ、ε−カプロラクタムなどを反応させた多官能ブロックイソシアネートウレタン樹脂を挙げることができる。ブロックイソシアネートの熱分離速度の向上と熱解離温度の低下とを促進するために用いる解離触媒としてはジブチルスズジオレート、ジブチルスズステアレート、ステアリル亜鉛、有機アミン化合物が好ましい。かかる混合剤の混合は、フッ素系撥水撥油剤の耐久性を高める効果があり、重合性単量体、フッ素系撥水撥
油剤および無機微粒子配合処理液に0.01〜1重量%の濃度で混合すればよい。
本発明の繊維構造物は、洗濯10回後の摩擦帯電圧が2kv以下で、撥水度が3級以上であることが好ましい。
また、本発明の繊維構造物は、次の測定法により測定したときの泥防汚性が4級以上であることが好ましい。
(測定方法)
赤玉土/黒土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、汚染剤を手で叩き落とし、JI S L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
本発明の繊維構造物は、耐久性ある制電性と撥水撥油性に加えて花粉付着防止性能をも有するものである。擬似花粉を用いた以下の花粉付着防止性能評価をした場合に、3カ所の平均値の個数が250個以下であるものであるのが好ましい。付着個数が250個を越えると、布帛表面を肉眼で見たときに明らかに花粉の付着が確認され、花粉が付着しにくいとは言い難いものである。
疑似花粉を用いた花粉付着防止性能評価について以下に説明する。
擬似花粉とは、石松子((有)津田商店 製)という花粉の粒径に近い天然物を指す。石松子は粒径30〜40μmのシダ科のヒカゲノカズラの胞子で花粉に近い粒径、形状を有するものであり、この石松子を擬似花粉として花粉の付着防止性を確認することが可能である。7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHの環境下に24時間放置後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、繊維布帛表面を50倍に拡大した写真を任意に3カ所撮り、写真の7.5×10cmの範囲内の擬似花粉の個数を数え、3カ所の平均を計算する。
本発明の繊維構造物は、耐久性ある制電性と撥水撥油性に加えて泥防汚性能をも有するものであることが好ましい。本発明の効果は、次の方法で評価した場合、以下の性能を有することが好ましい。赤玉土/通常の土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製し、10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、汚染剤を手で叩き落とし、JI S L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定し、3級以上であり、好ましくは4級以上である。3級を下回ると汚染防止性が良いとは言い難いものである。
本発明の繊維構造物に使用される繊維素材としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系繊維、芳香族ポリエステルの酸成分あるいは、アルコール成分として、例えば、イソフタル酸、イソフタル酸スルホネート、アジピン酸等を用いた共重合体からなる繊維、ポリエチレングリコールなどをブレンドした芳香族ポリエステル系繊維、L−乳酸を主成分とするもので代表される脂肪族ポリエステル系繊維、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリルを主成分とするアクリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などの合成繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維、木綿、麻、絹および羊毛などの天然繊維などが挙げられる。本発明ではこれらの繊維を単独または2種以上の混合物として使用することができるが、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維を主成分にした繊維が好ましく使用される。
本発明で用いられる繊維は、通常のフラットヤーン以外に、仮撚り加工糸、強撚糸、タスラン糸、太細糸および混繊糸などのフラットヤーンであってもよく、ステープルファイバーやトウ、あるいは紡績糸などの各種形態の繊維であってもよい。
本発明の繊維構造物には、前記繊維を使用してなる編物、織物または不織布などの布帛状物、あるいは紐状物などが含まれる。
本発明の繊維構造物は、制電性、撥水性、花粉付着防止性、泥付着防止性を有することから、特にアウターと呼ばれる衣服や寝装具、具体的には、コート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、ドレスシャツ、スカート、スラックスなどの衣料用途品、手袋、帽子、布団側地、布団干しカバー、カーテンまたはテント類などの非衣料用途品に、好適に使用されるものである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例中の品質評価は次の方法で実施した。
(制電性)
JIS L 1094B法(摩擦帯電圧測定法)に規定される方法で、20℃×40%RHの雰囲気中で、対象布を木綿として摩擦耐電圧を測定し、(kv)で表示した。
(撥水性)
JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法」(1998年)に規定される方法でスプレー法により評価を行い級判定を行った。
(花粉付着防止性)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHの環境下に24時間放置後1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットル に膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上 下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、繊維布帛表面を50倍に拡大した写真を任意に3カ所撮り、写真の7.5×10cmの範囲内の擬似花粉の個数を数え、3カ所の平均を計算する。
(泥防汚性)
赤玉土/通常の土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、汚染剤を手で叩き落とし、JI S L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
(洗濯耐久性)
自動反転渦巻き電気洗濯機に、JIS K 337に規定される弱アルカリ性合成洗剤を0.2重量%の濃度になるように溶解し、浴比1:50で、40±2℃の温度で、強条件で10分洗濯し、次いで排水しオーバーフロー水洗10分×2回をする工程を1回としてこれを10回繰り返した後、風乾した。
(実施例1〜11、比較例1〜4)
ポリエチレンテレフタレートからなる84dtex、72フィラメントの仮撚り加工糸をタテ糸、ヨコ糸に使用して平織物を製織したのち、該織物を95℃の温度で連続式精練機で常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。次いで、液流染色機を用いて130℃の温度で蛍光白色に染色し、湯水洗、乾燥し170℃でピンテンターセットしたものを泥防汚性評価用に用いた。一方、液流染色機を用いて130℃の温度で黒色に染色し、常法により還元洗浄、湯水洗、乾燥し170℃でピンテンターセットしたものを花粉防汚性評価用とした。白色および黒色織物共に織物密度はタテ/ヨコ密度140/88本/2.54cmのであった。
該白色および黒色織物を次に示す方法で処理し、被膜を形成し、性能を評価した結果を表1に示した。いずれも、耐久性のある制電性、撥水性、花粉付着防止性、泥防汚性を有し風合いも柔軟であった。
以下に、被膜形成方法を示す。
(重合性単量体)
A:ポリアルキレンオキサイドセグメントが分子量1000であるポリエチレングリコールジメタクリレート(固形分100%)。
(フッ素系撥水撥油剤)
B:F470((株)京絹化成製、フッ素系撥水撥油剤、固形分20%)
C:F200((株)京絹化成製、フッ素系撥水撥油剤、固形分20%)
(無機微粒子)
D:スノーテックスAK(日産化学工業(株)製、酸化ケイ素、固形分20%、粒径10〜20nm)
E:CLA−110(共栄社化学(株)製、酸化ケイ素、固形分10%、粒径100〜200nm)
(有機微粒子)
F:ケミパールS−120(住友化学(株)製、オレフィン樹脂、固形分30%、粒径20〜30nm)
G:ブライトン339((株)京絹化成製、アクリル樹脂、固形分20%、粒径0.7μm)
上記のうち、表1に記載のとおりの配合割合で混合することにより処理液を調整し、該処理液に織物を浸漬して、マングルで絞り、処理液の付着量が90重量%になるように調整した後、105℃の飽和水蒸気雰囲気中にて5分間の処理を行った。
次いで、非イオン界面活性剤1g/L、炭酸ナトリウム1g/Lとした60℃の水溶液中で1分洗浄し、水洗し、130℃で乾燥し、170℃でピンテンターセットした。
Figure 2008163471

Claims (8)

  1. 単繊維表面に、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは主鎖の側鎖として2個以上のアクリル基および/またはメタクリル基を有する重合性単量体を重合成分として含有してなる樹脂皮膜を有し、該皮膜中に、フッ素系撥水撥油剤が含有されてなり、撥水度が4級以上であって、さらに、該皮膜中に無機微粒子および/または有機微粒子が含有されていることを特徴とする繊維構造物。
  2. 洗濯10回後の摩擦帯電圧が2kv以下で、撥水度が3級以上である請求項1記載の繊維構造物。
  3. 該フッ素系撥水撥油剤が下記一般式で示される有機フッ素系化合物の少なくとも一種である請求項1または2記載の繊維構造物。
    Figure 2008163471
  4. 該無機系微粒子酸化ケイ素である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維構造物。
  5. 該樹脂皮膜に、アミノプラスト樹脂または/およびイソシアネート系化合物が含有されている請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
  6. 下記測定法により測定したときの繊維構造物表面への擬似花粉の付着数が250個以下の布帛である請求項1〜5のいずれかに記載の繊維構造物。
    (測定方法)
    7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RH環境下に24時間放置後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、繊維布帛表面を50倍に拡大した写真を3カ所撮り、写真の7.5×10cmの擬似花粉の個数を数え、3カ所の平均を計算する。
  7. 下記測定法により測定したときの泥防汚性が4級以上である請求項1〜6のいずれかに記載の繊維構造物。
    (測定方法)
    赤玉土/黒土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、汚染剤を手で叩き落とし、JI S L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の繊維構造物を用いてなる衣料。
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