JP2003225304A - 体液浄化カラム - Google Patents

体液浄化カラム

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JP2003225304A
JP2003225304A JP2002028442A JP2002028442A JP2003225304A JP 2003225304 A JP2003225304 A JP 2003225304A JP 2002028442 A JP2002028442 A JP 2002028442A JP 2002028442 A JP2002028442 A JP 2002028442A JP 2003225304 A JP2003225304 A JP 2003225304A
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purification column
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Hiroyuki Okuda
浩之 奥田
Naoto Hokari
直人 穂苅
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体液を低流量で体外循環するようにしなが
ら、十分な治療効果が得られる体液浄化カラムを提供す
る。 【解決手段】 流入口2と流出口3を設けた容器に、体
液浄化用の充填材11と該体液浄化用充填材に接触前又
は接触後の体液を誘導する流路9を有する体液浄化カラ
ムであって、前記流路9における体液の線速VL が20
〜6500cm/minの範囲に規定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は体液浄化カラムに関
し、さらに詳しくは、血液、血漿、腹水などの体液中に
含まれる有害物質を除去するための体液浄化カラムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、体液中の特定不純物を体液浄化カ
ラムを用いて体外循環することにより濾過・吸着除去な
どを行って体液浄化する治療が広く実施されている。し
かし、この体外循環法は体液を一旦体外に取り出して循
環処理するため、患者に与える負担が非常に大きい。す
なわち、体外に循環する体液流量が大きい場合や、体外
に取り出した体液量が多いため体内の体液量が大幅に減
少する場合などが、患者負担を大きくする主な要因にな
っており、この患者負担を軽減可能にすることが課題に
なっている。
【0003】しかし、従来の体外循環用カラムは、体液
をカラム内に保持する量が多く、かつ使用時の体液循環
速度も速かったため、体力のない患者や重篤な患者や、
体液量が少ない体重の軽い患者などの場合は、治療継続
が困難になる可能性があり、そのためこれらの患者には
体外循環の治療自体を見合わせる場合があった。
【0004】上記の対策として、体液浄化カラムを小型
化して、体液量の少ない患者に使用した例などがある。
しかし、単に体液浄化カラムを小型化しただけでは、十
分な治療効果を得るためには治療時間を延長する必要が
あり、循環する流量の最適化が行われていない場合には
体液成分が損傷し、治療の継続が困難になる可能性もあ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の課題を解決し、体液を低流量で体外循環
するようにしながら、十分な治療効果が得られるように
する体液浄化カラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の体液浄化カラムは、流入口と流出口を設けた容器
に、体液浄化用の充填材と該体液浄化用充填材に接触前
又は接触後の体液を誘導する流路を有する体液浄化カラ
ムであって、前記流路における体液の線速VL が20〜
6500cm/minの範囲に規定されていることを特徴とす
るものである。
【0007】このように流路における体液の線速VL
20〜6500cm/minの範囲に規定された体外循環カラ
ムにより体外循環法の治療を行うことにより、患者の体
内から体外に取り出す体液の単位時間当たりの循環流量
Q(以下、体液循環流量Qと略称する。)を低減するこ
とができ、これまで治療が困難とされてきた体液の少な
い患者や症状の重篤な患者に対しても治療を行うことが
可能になる。
【0008】また、本発明の体外循環カラムは、充填さ
れている吸着材に公知のものを適用可能であることか
ら、治療効果や副作用についての知見が十分になされて
いる上、開発する費用や時間を大幅に低減することもで
きる。
【0009】本発明は、上記構成に加えてさらに次のよ
うな構成を備えることにより上記作用効果を一層向上す
ることができる。
【0010】(1)前記容器の前記流入口の端部から流
出口の端部までの空間容積が、20〜100mlの範囲で
あること。
【0011】(2)前記流路における線速VL が100
〜3000cm/minの範囲に規定されていること。
【0012】(3)前記容器に流す体液循環流量Qが2
0〜200ml/minの範囲に規定されていること。
【0013】(4)前記容器に流す体液循環流量Qが2
0〜50ml/minの範囲に規定されていること。
【0014】(5)前記流路が多数の孔を有するパイプ
で形成されていること。
【0015】(6)前記パイプが一端を開口し、他端を
閉止するように構成されていること。
【0016】(7)前記充填材が体液浄化成分を固定化
した布帛からなり、該布帛が前記パイプの外周に巻回さ
れていること。
【0017】(8)前記布帛が編地であること。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の体液浄化カラムは、流入
口と流出口を有する容器からなり、その容器内に体液浄
化用の充填材と該体液浄化用充填材に接触前又は接触後
の体液を誘導する流路を有するように構成されている。
流路は流入口および流出口のいずれにも連通しており、
流入口から流入した体液が流路を経由し、その前後のい
ずれかで体液浄化用充填材に接触し、流出口から流出す
るようになっている。
【0019】流入口と流出口とは、体液浄化カラムに体
液を流入・流出させる手段であり、体外循環の治療に使
用するとき循環系の回路に接続される部位になる。形状
は特に限定されるものではないが、体外循環用の回路を
形成するチューブに接続できる形態であることが望まし
い。さらに好ましくは、コネクター形状を有し、回路チ
ューブとの着脱が容易になっていることが望ましい。
【0020】流路は体液をカラムの内部に導くか、若し
くは、カラムに供給された体液をカラム外に導き出す作
用を行い、その誘導作用により体液を浄化用の充填材に
均一に供給し、接触させるようにする。この誘導用の流
路を有しないカラムの場合には、浄化用充填材の充填態
様によっては偏流を発生する場合ある。偏流を発生する
と、浄化用充填材に体液を均一に接触させることができ
なくなり、浄化能力を低下させる原因になる。
【0021】流路の形状は、体液の誘導作用を有するも
のであれば特に限定されるものではない。例えば、断面
形状が円形、四角形、三角形、その他の多角形の断面を
有するパイプやそれを組み合わせた形状のパイプ、細い
棒を井形に組んで積み上げた形状体、中空糸を束ねた集
束体、いちどパイプの周囲に塗り固めて流路を形成した
後、そのパイプを抜き取った後の空間などを挙げること
ができる。流路の長手方向の形状としては、体液の滞留
などを生じないようにするために直線状に真っ直ぐなも
のが好ましい。また、流動方向に沿って緩やかにテーパ
ーのついている形状が好ましい。
【0022】本発明の体液浄化カラムは、上記構成にお
いて流路における体液の線速VL が20〜6500cm/m
inの範囲に規定され、さらに好ましくは、100〜30
00cm/minに規定されるのがよい。流路における線速V
L が6500cm/minより大きい場合には、循環による体
液成分の損傷が大きくなり、患者に対する負担が大きく
なる。また、流路における線速VL が20cm/minより遅
くなった場合には、体液浄化カラム内で体液に偏流が発
生し易くなり、カラムの性能が十分に発揮できなくな
る。
【0023】ここで流路における線速VL (cm/min)と
は、体液浄化カラムに流す体液循環流量をQ(ml/mi
n)、流路の平均断面積をSav(cm2 )とするとき、次
式で与えられるものをいう。
【0024】VL =Q/Sav 流路の平均断面積をSav(cm2 )とは、浄化用充填材と
分離するように形成された流路において、その浄化用充
填材に囲まれた体積v(ml)を流路長手方向に延長する
長さL(cm)で割ったものであって、次式で定義され
る。
【0025】Sav=v/L 流路における線速VL は体液浄化カラムに流す体液の流
量Qと関係する。すなわち、体液浄化カラムに体液を流
すには、それぞれの体液浄化カラムに好適な体液循環流
量Qが存在する。従来の技術では、体液浄化カラムに流
す好適な体液循環流量Qは50〜200ml/minといわれ
ているが、しかし、実際には体液浄化カラムに体液を循
環するときの圧力損失などを勘案して決められていた。
【0026】本発明者らは、詳細を検討した結果、体液
循環流量Qが多い場合(循環流速が早い場合)であって
も、流路における線速VL を遅くすることによって、体
液に対する損傷を防ぐことが出来、また体液循環流量Q
が少ない場合(循環時の循環流速が遅い場合)であって
も、流路における線速VL を早くすることで、体液浄化
カラム内での体液の滞留を防げることを見出し、そのよ
うな流路における線速VL として、上述した20〜65
00cm/minの範囲を設定した。
【0027】このような範囲の流路における線速V
L は、流路の平均断面積Savを調整することにより設計
することができる。
【0028】本発明において、体液浄化カラムに流す体
液循環流量Qとしては、一般に使用される体液浄化カラ
ムに接続する回路の性能とも関係することから、20〜
200ml/minの範囲にすることが好ましい。さらに好ま
しくは、患者の負担を軽減する上では少ないほどよいの
で、20〜50ml/minの範囲にすることが好ましい。
【0029】また、本発明において、体液浄化カラムに
おける流入口の端部から流出口の端部までの容器内部の
空間容積は20〜100mlの範囲であることが好まし
い。
【0030】体液浄化カラムを使用する体外循環法は、
直接体液中の毒素成分を除去することが可能であること
から、薬剤の投与による治療方法に比べて素早い治療効
果が期待できる利点がある一方で、体液を大量に体外に
持ち出すため患者に対する負担が大きいという欠点があ
る。従来の体液浄化カラムでは、容器内部の空間容積
(すなわち、体液容量)が大きいため、負担の大きい治
療が困難な患者に対しては治療の継続が困難になり、治
療の中断を余儀なくされることがあった。
【0031】そのため空間容積が100mlよりも大きい
カラムは、患者が重篤であったり、体液量が少なかった
りした場合、治療法とした選択されないことがあった。
しかし、カラムの空間容積を20ml未満にすることは、
体液の処理量が少なくなり、治療時間を延ばす必要が出
てくる場合がある。そのため長時間の治療に耐えられな
い患者に対して、治療が困難であると判断されるため、
治療法として選択されない可能性が高い。したがって、
本発明において、容器内部の空間容積は20〜100ml
の範囲であることが好ましい。
【0032】ここで体液浄化カラムの流入口の端部から
流出口の端部までの容器内部の空間容積とは、体液浄化
カラムの内部で体液が接触する全ての空間の体積であっ
て、カラムの体液容量をあらわす。その測定方法は、以
下のように定義される。
【0033】まず、体液浄化カラムの流入口から脱気し
た水を供給し、気泡を抜きながらカラムの内部に水を充
填する。流出口から水が流出することを確認して、十分
に気泡が抜けたことを目視で確認した後、流入口、流出
口から水が漏れないように栓で封止し、水を充填したカ
ラムの重量W1 を(g)単位で測定する。次いで、カラ
ムから充填した水を取り除いた重量W0 を(g)単位で
測定し、水の比重は1であるため、その重量の差(W1
−W0 )を空間容積(ml)とする。
【0034】上記水を取り除いた重量W0 は、カラムに
充填した水を抜き出した後、内部の水が蒸発しやすい形
にカラムを分解し、70℃、4時間以上乾燥させ、その
後、1時間毎に重量を測定し、重量の減少がなくなるま
で乾燥を続行することによって完全除去したときの重量
とする。
【0035】本発明において、流路における線速VL
カラムの空間容積との関係は、以下のようになる。
【0036】カラムの空間容積が100ml以下であっ
て、体外に持ち出す体液量が少ない場合であっても、流
路における線速VL が6500cm/minよりも大きい場合
には、体液成分が受ける損傷が大きくなるため、治療に
おける患者への負担が増大し、結果として治療の継続が
困難になる。また、流路における線速VL が20cm/min
よりも小さい場合は、カラムの空間容積が100ml以下
であっても、体液浄化カラム内で体液に偏流が発生し易
くなるため、体液浄化カラムが性能を十分に発揮するこ
とができなくなる。
【0037】また、カラムの空間容積が20ml以上の場
合であっても、流路における線速VL が6500cm/min
より大きい場合には、体液成分が受ける損傷が大きくな
るため、治療における患者への負担が増大し、結果とし
て治療の継続が困難になる。また、流路における線速V
L が20cm/minより小さい場合には、カラムの空間容積
が20ml以上であっても、体液浄化カラム内で体液に偏
流が発生し易くなり、体液浄化カラムが性能を十分に発
揮することができなくなる。
【0038】本発明の体液浄化カラムにおいて、体液を
誘導する流路としては、壁面に多数の孔を有し、かつ片
側端部を閉止した形状のパイプで形成することが好まし
い。このパイプは流路を体液浄化用充填材と分けること
を目的としたもので、パイプの形状は特に規定するもの
ではないが、体液の濃度分布や血球成分などの損傷を少
なくするためには真っ直ぐか、もしくは緩やかなテーパ
ーのついた円筒状が好ましい。
【0039】側面に多数の孔を設け片側を閉止したパイ
プの形状は、体液を浄化用充填材に均一に供給するため
有効である。パイプに設ける孔の数は4コ以上200コ
以下、好ましくは20コ以上100コ以下とするのがよ
い。孔の形状は特に限定するものではないが、円形、楕
円形、スリット状などが好ましい。
【0040】パイプの材質は特に限定されないが、一般
的には合成樹脂が好ましい。合成樹脂としては、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ナイロン6、ナイロン1
2、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、フッ
ソ樹脂、ポリウレタン、ポリスルホンなどを好適に用い
ることができる。
【0041】上記体液誘導用の流路を形成するパイプの
周囲には、体液浄化用充填材が充填される。その充填材
には布帛が好ましく使用される。この布帛は、流路形成
用のパイプの周囲に巻き付けることが好ましく、さらに
好ましくは、布帛は編地であることがよい。
【0042】布帛の形状は特に限定するものではない
が、血液、血漿あるいは腹水などの体液からビリルビン
で代表される蛋白結合物質の効果的な除去や、グラム陰
性菌由来のエンドトキシンなど体液中の有害物質を吸
着、イオン交換、酵素反応などにより浄化し得る能力を
有する編物、織物または不織布などの繊維状物であれば
好ましい。
【0043】具体的に例示すると、ポリミキシンで代表
されるポリペプチドを実質上水に不溶性である繊維状成
形品に化学結合により固定化したものをあげることがで
きる。ポリペプチドとしてはポリミキシンの他、バンコ
マイシン、アクチノマイシン、バイオマイシンなどが挙
げられる。該ポリミキシンとは、Bacillus Polymixaに
より生産される抗生物質であり、ポリミキシンA、ポリ
ミキシンB、ポリミキシンD、ポリミキシンEなどのタ
イプがあり、グラム陰性菌に対する抗菌作用を有するも
のをいう。
【0044】布帛を構成する繊維の素材としては、ナイ
ロン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、セルロー
ス、ポロアクリロニトリルなどが挙げられる。中でも、
ポリオレフィン系化合物、特にポリプロピレンで補強さ
れたポリスチレン繊維が、高分子反応により官能基を導
入することが容易であり特に好ましい。
【0045】図1及び図2は、本発明の体液浄化カラム
の一例を示したものである。
【0046】1は容器本体であり、その長手方向の前端
と後端とに流入口2と流出口3とを設けている。流入口
2の内側には、フィルター4と円板状の仕切板5が設け
られ、また、流出口3の内側には、フィルター6と円板
状の仕切板7が設けられている。
【0047】2枚の仕切板5,7のうち、前側の仕切板
5には中心部に開口5aが設けられ、また後側の仕切板
7の中心部には支持突起7aが設けられている。また、
仕切板7の外周には、多数の透孔7bが周方向に間欠的
に設けられている。さらに仕切板5の開口5aと仕切板
7の支持突起7aとの間に、1本のパイプ8が掛け渡さ
れている。
【0048】上記パイプ8は体液を誘導する流路9を内
側に形成し、かつ周壁に多数の貫通孔10を設けてい
る。また、パイプ8は前端を仕切板5の開口5aに連通
させると共に、後端を仕切板7の支持突起7aにより閉
止されている。このパイプ8の外周に、布帛11が何重
にも複数層に巻き付けられている。布帛11には体液浄
化成分が固定化されており、この積層された布帛11に
より体液浄化用充填材が形成されている。
【0049】この体液浄化カラムを体外循環法の治療に
使用するときは、流入口2と流出口3に、人体との間に
循環回路を形成したチューブを連結し、その人体から取
り出される体液を流入口2に供給し、内部の布帛11
(体液浄化用充填材)で有害物質を除去して流出口3か
ら流出し、再び体内に戻すように循環させる。
【0050】体液浄化カラム内では、流入口2からフィ
ルター4を経て流路9に侵入した体液は、流路9を移動
しながら貫通孔10から順次布帛11(体液浄化用充填
材)に浸入し、半径方向へ移動しながら有害物質を除去
される。有害物質が除去された体液は、仕切板7の外周
の多数の透孔7bから流出し、フィルター6を経て流出
口3から流出する。
【0051】上記のように体液が開口5aからパイプ8
内の流路9を流動しながら貫通孔10から流出すると
き、その流路9における体液の線速度VL は20〜65
00cm/min、好ましくは100〜3000cm/minの範囲
に規定される。
【0052】また、このときに流す体液循環流量Qとし
ては20〜200ml/min、好ましくは20〜500ml/m
inの範囲で操作される。また、流入口の端部から流出口
の端部までの容器内部の空間容積としては、20〜10
0mlが好ましく設定される。
【0053】上記体液浄化カラムにおける体液の移動方
向は、上記とは逆にして、流出口3から体液を供給し、
流入口2から流出させるようにしてもよい。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本実施例に限定されるものではない。
【0055】はじめに、実施例中に用いた評価方法を、
以下の方法によって行った。
【0056】(1)空間容積(体液容量) 内部に水を充填したカラムの重量を(g)単位で測定し
て得られる数値から、カラムを開けて中に充填されてい
る充填材を70℃、4時間乾燥させた後の重量とカラム
に用いられている充填材以外の部分すべての重量とを
(g)単位で測定して得られる数値を引くことによって
算出した値を体液容量(ml)とした。
【0057】(2)灌流吸着能(エンドトキシン除去
率) まず、牛血3600rpm で60分間遠心分離し、上澄み
を採取して56℃下で60分間熱処理を行った。続いて
3600rpm で15分間遠心分離し、上澄みを採取して
市販エンドトキシンを10ng/ml の濃度で添加した。こ
の牛血漿を37℃下で120分間熱処理した。当該体液
浄化モジュールに市販の血液回路を接続し、生理食塩液
を100ml/minの流速で流し浄化を行った。洗浄後上記
で調製した牛血漿を37℃下で4時間灌流した。各所定
時間ごとに1mlずつサンプリングした検体を生理食塩液
にて10倍に希釈後70℃、10分間加熱処理し、トキ
シノメーター(和光純薬製)を用いてゲル化時間を測定
した。同様にして得た検量線からエンドトキシン濃度を
求めた。
【0058】エンドトキシン除去率は {(初期濃度−検体濃度)/初期濃度}×100(%) により算出した。
【0059】実施例 ポリプロピレン(三井東圧(株)製、“ノーブレン”J
3H−G)50部を島成分とし、ポリスチレン(旭化成
工業(株)製、“スタロイン”679)46部とポリプ
ロピレン三井東圧(株)製、“ノーブレン”J3H−
G)4部の混合物を海成分とする原料を用いて、285
℃で溶融紡糸した後、3.1倍に延伸して多芯海島型複
合繊維(島数16)を得た。この複合繊維を編地加工し
たもの(平編)400gを開孔ボビンに巻き取り、直径
200mm、高さ300mmのカラムに充填した。
【0060】ステンレス鋼製容器にてニトロベンゼン1
2kg、98%濃硫酸12kg、N−メチロール−α−クロ
ロアセトアミド660g、パラホルムアルデヒド24.
7gを混合した反応液を調製した。この反応液をポンプ
で開孔ボビン芯中空部に供給し、編地に反応液を流し
た。編地を通過してカラムより流出した反応液は再び循
環させた。
【0061】10〜20℃で2時間反応後、カラムおよ
びステンレス鋼製容器より反応液を抜き出した。室温下
でニトロベンゼン20kg、精製水20kgの順で用いて、
反応と同様の操作でカラム中の編地を洗浄した。残存硫
酸は24%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。残存す
るニトロベンゼンをメタノールで抽出除去し、さらに7
0℃熱水で洗浄して精製α−クロロアセトアミドメチル
化ポリスチレン繊維660gを得た。
【0062】ポリミキシンB硫酸塩13. 0gを精製水
20Lに溶解し、固定化反応液を調製し、上記アミドメ
チル化反応と同様の経路で編地に供給し循環させた。
0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を反応液に連続的
に滴下して、pH9.5に制御した。1時間反応させた
後、0.1規定塩酸および精製水で洗浄して、ポリミキ
シンB固定化繊維の編地を得た。
【0063】アミノ酸分析法によって求めたポリミキシ
ンBの固定化量は、繊維1gあたり5mgであった。該編
地35gをパイプにロール状に巻き両側から円板状物を
差込み容器に充填後、フィルターをセットし、ヘッダー
を超音波接着により装着した。このときの容器の内径は
36mm、長さは50mmであった。このあと水または人体
に無害な物質の水溶液で洗浄後、密栓して高圧蒸気滅菌
を行って本発明の体液浄化用モジュールを得た。このと
きの体液浄化カラムの空間容積は44mlであった。
【0064】該モジュールの灌流吸着能を測定するため
に、上記で示した方法で調整したエンドトキシン添加牛
血漿0.45Lに対して毎分30mlの流速で該カラムに
灌流したところ、パイプにおける線速は毎分150cm、
エンドトキシン除去率は92%であった。
【0065】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、流路に
おける体液の線速VL が20〜6500cm/minの範囲に
規定されているため、この体外循環カラムで体外循環法
の治療を行うことにより、患者の体内から体外に取り出
す体液循環流量Qを低減することができ、これまで治療
が困難とされてきた体液の少ない患者や症状の重篤な患
者に対しても治療を行うことが可能になる。
【0066】また、本発明の体外循環カラムは、充填さ
れている吸着剤に公知のものを適用可能であることか
ら、治療効果や副作用についての知見が十分になされて
いる上、開発する費用や時間を大幅に低減することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる体外循環カラムを例
示する縦断面図である。
【図2】同体外循環カラム内部で流路を形成するパイプ
の一部を例示する縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 流入口 3 流出口 8 パイプ 9 流路 10 貫通孔 11 布帛(体液浄化用充填材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C077 AA30 BB02 BB03 CC04 CC05 CC06 JJ03 JJ16 KK01 KK15 KK23 MM04 MM06 MM07 NN14 PP02 PP08 PP09 PP12 PP13 PP14 PP15 PP29

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入口と流出口を設けた容器に、体液浄
    化用の充填材と該体液浄化用充填材に接触前又は接触後
    の体液を誘導する流路を有する体液浄化カラムであっ
    て、前記流路における体液の線速VL が20〜6500
    cm/minの範囲に規定されている体液浄化カラム。
  2. 【請求項2】 前記容器の前記流入口の端部から流出口
    の端部までの空間容積が、20〜100mlの範囲である
    請求項1に記載の体液浄化カラム。
  3. 【請求項3】 前記流路における線速VL が100〜3
    000cm/minの範囲に規定されている請求項1または2
    に記載の体液浄化カラム。
  4. 【請求項4】 前記容器に流す体液循環流量Qが20〜
    200ml/minの範囲に規定されている請求項1,2また
    は3に記載の体液浄化カラム。
  5. 【請求項5】 前記容器に流す体液循環流量Qが20〜
    50ml/minの範囲に規定されている請求項4に記載の体
    液浄化カラム。
  6. 【請求項6】 前記流路が多数の孔を有するパイプで形
    成されている請求項1〜5のいずれかに記載の体液浄化
    カラム。
  7. 【請求項7】 前記パイプが一端を開口し、他端を閉止
    するように構成されている請求項6に記載の体液浄化カ
    ラム。
  8. 【請求項8】 前記充填材が体液浄化成分を固定化した
    布帛からなり、該布帛が前記パイプの外周に巻回されて
    いる請求項6または7に記載の体液浄化カラム。
  9. 【請求項9】 前記布帛が編地である請求項8に記載の
    体液浄化カラム。
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