JP2003223220A - 電磁サスペンション装置 - Google Patents

電磁サスペンション装置

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JP2003223220A
JP2003223220A JP2002024349A JP2002024349A JP2003223220A JP 2003223220 A JP2003223220 A JP 2003223220A JP 2002024349 A JP2002024349 A JP 2002024349A JP 2002024349 A JP2002024349 A JP 2002024349A JP 2003223220 A JP2003223220 A JP 2003223220A
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phase coil
coil
driver
control
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Yusuke Akami
裕介 赤見
Shoichi Tsuchiya
昭一 土屋
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブル断線などにより電磁サスペンション
装置の制御が不能の場合(無制御時)、モータで減衰力
の発生を可能とした電磁サスペンション装置を提供す
る。 【解決手段】 動力ケーブル81の断線を検知した場
合、リレー制御信号をOFFし第1、第2リレー65,
66を閉じさせ、第1、第2リレー65,66を介して
U相コイル、V相コイル及びW相コイルを短絡させる。
このため、サスペンションユニットがストロークした
際、サスペンションユニットに設けられたモータ3は発
電機として作動し、ストローク速度にほぼ比例した大き
さの抵抗すなわち減衰力を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力による振動
抑制用アクチュエータ、ダンパに係り、特に、自動車、
二輪車、鉄道車両、構造物及び建造物などに用いて好適
な電磁サスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁サスペンション装置の一例と
して、油圧ダンパのオリフィス等の減衰力発生機構に代
えて、回転型モータ及びこの回転型モータのロータの回
転動を直線動に変換する直動―回転動変換機構を用いた
り、あるいは直動型モータを用いた電磁サスペンション
装置がある。この電磁サスペンション装置は、通電する
ことにより可動部を変位させモータを本来のモータ(ア
クチュエータ)としてアクティブに動作させる一方、モ
ータを発電機として使用することにより(パッシブに)減
衰力を発生させるようにしている。
【0003】前記モータを発電機として使用する場合、
モータ(発電機)に発生する抵抗力、すなわち減衰力
は、コイルに流れる電流の大きさに比例するので、減衰
力を可変とするためには、コイルに流れる電流の大きさ
を調整すればよい。コイルに流れる電流を調整するに
は、回路内に可変抵抗を設けたり、回路をオン、オフ
(ON/OFF)するスイッチを設け、スイッチのオ
ン、オフ時間比を制御することなどで容易に実現でき
る。
【0004】そのため、電磁サスペンション装置の減衰
力をストローク速度やストローク位置に応じて可変制御
したり、制御対象の振動を抑制するようにリアルタイム
に可変制御する、いわゆるセミアクティブダンパとして
構成することは比較的容易である。また、このようにセ
ミアクティブダンパとして構成する(発電機として使用
する)場合、電磁サスペンション装置に電気エネルギー
を与える必要はなく、消費電力を非常に低く抑えること
ができる。
【0005】また、電磁サスペンション装置に電気エネ
ルギーを与えてモータとして使用すれば、容易に任意の
力を発生させることができるため、力を加えて減衰力を
大きくしたり、任意の制御力を発生させてアクティブサ
スペンションとして動作させ、振動抑制効果を高めるこ
とが可能であり、このようにして振動抑制効果を高める
方法も提案されている。前記電磁サスペンション装置で
モータとしては直流モータや同期モータが用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記電磁サ
スペンション装置においてセンサ部を除いた駆動系統
は、電源、モータ駆動回路及び推進力、減衰力を発生さ
せるモータから大略構成されている。現状では、電源と
モータは、一体化が困難であり分離されているため、電
源とモータ間には両者を接続するケーブルが必要とな
る。通常、電源部―モータ駆動回路間、及びモータ駆動
回路―モータ間はケーブルで接続されている。しかし、
これらのケーブルが断線したり、モータ駆動回路内で断
線が発生した場合(無制御時)、モータは推進力を発生
できないばかりか、減衰力も発生できず、モータが無減
衰の状態になってしまうという課題がある。また、イグ
ニッションキーがオン(ON)されていない場合、ある
いはバッテリ上がり等の場合(無制御時)、モータ駆動
回路やモータに電力が供給されず、上述と同様にモータ
が無減衰の状態になってしまうという課題がある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ケーブル断線などにより電磁サスペンション装置の
制御が不能の場合(無制御時)、モータで減衰力の発生
を可能とした電磁サスペンション装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
相対的に変位可能に一対の変位部材を設け、前記一対の
変位部材のいずれか一方に磁石部材を設け、いずれか他
方に前記磁石部材と共にモータを構成するコイル部材を
設け、前記コイル部材への通電により前記磁石部材との
間に生じる電磁力によって推進力を得、前記コイル部材
及び前記磁石部材の相対変位により前記コイル部材に生
じる起電力によって減衰力を得るサスペンションユニッ
トと、該サスペンションユニットへの通電を制御する制
御手段とを備えた電磁サスペンション装置において、制
御手段からサスペンションユニットへ供給される信号の
異常を検知する異常検知手段と、コイル部材が閉ループ
を構成するようにする短絡回路とを設けたことを特徴と
する。請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成にお
いて、前記制御手段を車体側に設けるとともに該制御手
段と前記サスペンションユニットとをケーブルで接続
し、さらに前記短絡回路をサスペンションユニットと一
体に設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施の形態に係る電
磁サスペンション装置を図1〜図6に基づいて説明す
る。
【0010】図1及び図2において、電磁サスペンショ
ン装置1は自動車に用いられるものであり、各車輪側部
材と車体との間に介装される4本のサスペンションユニ
ットを有している。右前輪側部材、左前輪側部材、右後
輪側部材及び左後輪側部材にそれぞれ対応するサスペン
ションユニットを、右前輪側、左前輪側、右後輪側及び
左後輪側サスペンションユニット2FR,2FL,2R
R,2RLという。右前輪側、左前輪側、右後輪側及び
左後輪側サスペンションユニット2FR,2FL,2R
R,2RLには、それぞれ、スター結線されたU相コイ
ル、V相コイル及びW相コイル(符号省略)からなる3
相同期形のモータ(それぞれ、右前輪側、左前輪側、右
後輪側及び左後輪側モータ3FR,3FL,3RR,3
RLという。)が備えられている。右前輪側、左前輪
側、右後輪側及び左後輪側サスペンションユニット2F
R,2FL,2RR,2RLは同等構成を成しており、
以下、適宜サスペンションユニット2と総称する。ま
た、右前輪側、左前輪側、右後輪側及び左後輪側モータ
3FR,3FL,3RR,3RLについても同様に、適
宜モータ3と総称する。
【0011】右前輪側、左前輪側、右後輪側及び左後輪
側モータ3FR,3FL,3RR,3RLにはそれぞれ
ドライバ(それぞれ、右前輪側、左前輪側、右後輪側及
び左後輪側ドライバ4FR,4FL,4RR,4RLと
いう。)が接続されており、モータ3を駆動するように
している。右前輪側、左前輪側、右後輪側及び左後輪側
ドライバ4FR,4FL,4RR,4RLは同等構成を
成しており、以下、適宜ドライバ4と総称する。ドライ
バ4は、各車輪に対応するサスペンションタワー部に設
けられている。ドライバ4にはDC36Vのモータ用電
源5が接続されている。
【0012】ドライバ4には、シリアル通信バス6を介
して制御手段としての制御装置7(振動、姿勢制御手
段)が接続されており、制御装置7からドライバ4への
動作指令や、ドライバ4から制御装置7への各種フィー
ドバックなどは全てシリアル通信〔例えばCAN(Cont
roller Area Network)仕様に準拠したシリアル通信〕
によって行われるようにしている。シリアル通信のプロ
トコルは、制御装置7からの「コマンド」とドライバ4
からの「レスポンス」がセットになったもので、一定間
隔(例えば5ms)〔制御装置7の制御周期〕毎に常に
「コマンド」と「レスポンス」が授受される。
【0013】また、例えば制御装置7からドライバ4へ
の「コマンド」が一定時間(例えば20ms)以上送信
されない、あるいはドライバ4から制御装置7への「レ
スポンス」が一定時間(例えば20ms)以上送信され
ない、といった場合は、制御装置7又はドライバ4はシ
ステム異常と判断し、「モータ用電源5の切断」、「エ
ラー表示」などの異常処理を行う。シリアル通信バス6
には、ABS(Anti-lock Break System)制御装置8及
びVDC(Vehicle Dynamics Control)制御装置9が接
続されている。ABS制御装置8及びVDC制御装置9
は、車両の走行安定性を確保するようにしたものであ
る。本電磁サスペンション装置1、ABS制御装置8及
びVDC制御装置9は協調して動作することができるよ
うになっている。
【0014】制御装置7は、モータ3への通電ひいては
モータ3による推進力発生制御を行うと共に、モータ3
の起電力発生(発電機としての使用)による減衰力制御
を行うようにしている。制御装置7には、車体の上下振
動を検出する3個の上下加速度センサ(以下、第1、第
2、第3上下加速度センサという。)10,11,1
2、車輪速センサ13、ハンドル角センサ14、ブレー
キセンサ15及びDC12Vの電源(以下、12V電源
という。)16が接続されている。制御装置7には更
に、システム診断などに用いる外部通信機器17が接続
されている。第1上下加速度センサ10は右前輪のサス
ペンションタワー部に設けられ、第2上下加速度センサ
11は左前輪のサスペンションタワー部に設けられ、第
3上下加速度センサ12は後部トランク部に設けられて
いる。
【0015】サスペンションユニット2は、図2に示す
ように、車両の車体側に保持される外筒部材20(一対
の変位部材のうち一方)と、外筒部材20に相対変位可
能に一端側が挿嵌され他端側が車両の車軸側に保持され
るロッド21(一対の変位部材のうち他方)とを備えて
いる。外筒部材20とロッド21との間になるようにし
て、外筒部材20の内側には複数のコイル22(コイル
部材)が軸方向に所定長さにわたって設けられ、ロッド
21の外側には永久磁石(磁石部材)23が軸方向に所
定長さにわたって設けられている。
【0016】コイル22とロッド21(永久磁石23)
との間になるようにして、コイル22の内側に筒状の案
内部材(以下、第1案内部材という。)24が設けら
れ、ロッド21の一端部には第1案内部材24に摺動す
る摺動部(以下、第1摺動部という。)25が設けられ
ている。外筒部材20の開口端には環状の案内部材(以
下、第2案内部材という。)26が装着されている。第
2案内部材26の内側には、ロッド21に摺動してその
動きを案内する摺動部(以下、第2摺動部という。)2
7が設けられている。ロッド21は、第1摺動部25及
び第2摺動部27によって外筒部材20に対して摺動可
能に支持されている。
【0017】前記コイル22は、U相、V相、W相が軸
方向に交互に並んだ構成になっている。永久磁石23
は、N極、S極が軸方向に交互に並んだ構成になってい
る。コイル22に通電するとコイル22と永久磁石23
との間に軸方向の推力が発生し外筒部材20とロッド2
1は相対変位(ストローク)する。推力の向きはコイル
22の通電方向に基づいて定まる。本実施の形態では、
コイル22、永久磁石23、コイル22を支持する外筒
部材20、及び永久磁石23を支持するロッド21など
から前記モータ3が構成されている。また、外筒部材2
0及びロッド21ひいてはコイル22及び永久磁石23
が相対変位すると、コイル22には起電力が生じ、モー
タ3は発電機の作用をなすようになっている。サスペン
ションユニット2のモータ3には位置センサ30(図4
参照)が設けられており、コイル22及び永久磁石23
ひいては外筒部材20とロッド21の相対変位(ストロ
ーク)を検出し得るようになっている。
【0018】制御装置7は、本電磁サスペンション装置
1の制御プログラムや定数などの固定的なデータを記憶
するROM31と、前記制御プログラムを実行し、本電
磁サスペンション装置1全体の制御を司るCPU32
と、CPU32の演算結果等を一時的に記憶するRAM
33と、サンプリング時間等を生成するタイマ34とを
備えている。制御装置7は、さらに、第1、第2、第3
上下加速度センサ10,11,12からのアナログ信号
をデジタル信号に変換するA/D変換器35と、車輪速
センサ13、ハンドル角センサ14及びブレーキセンサ
15からの信号を処理するセンサi/oインタフェース
(センサi/o i/f)36と、ドライバ4などとの
シリアル通信用のCANインターフェース37と、12
V電源16をCPU32などが必要とする5V、3.3
Vなどの電圧に変換するDC/DC電源ユニット38
と、外部通信機器17に対して信号を授受する外部通信
機器インターフェース39とを備えている。本実施の形
態では、消費電力制限手段はROM31に記憶されてい
る制御装置7の制御プログラムの中の1シーケンスとし
て構成される。
【0019】本電磁サスペンション装置1では、車両の
状態のうち車体の上下振動については上述したように第
1、第2、第3上下加速度センサが検出する。また、車
体のロール、ピッチング量については、前記位置センサ
30の検出信号、ひいては各車輪のサスペンションユニ
ット2のストロークに基づいて判断する。また、車両の
状態の検出は、前記第1、第2、第3上下加速度センサ
10,11,12及び位置センサ30に限らず、車輪速
センサ13、ハンドル角センサ14、ブレーキセンサ1
5によっても行うようにしている。
【0020】制御装置7は、前記第1、第2、第3上下
加速度センサ10,11,12、位置センサ30、車輪
速センサ13、ハンドル角センサ14、ブレーキセンサ
15からの信号に基づいて、車両の振動、姿勢の変化や
不安定な車両挙動を抑制するように、また、車速や運転
者のハンドル、アクセル、ブレーキ操作に対して車両が
より安定するように各輪のサスペンションユニット2の
制御量を決定し、ドライバ4に対してモータ3の駆動信
号を送るようにしている。
【0021】ドライバ4は、図4に示すように、モータ
駆動用制御プログラムや定数などの固定的なデータを記
憶するROM(以下、ドライバROMという。)40
と、前記モータ駆動用制御プログラムを実行し、制御装
置7との通信制御を行うと共にドライバ4の制御を司る
CPU(以下、ドライバCPUという。)41と、ドラ
イバCPU41の演算結果等を一時的に記憶するRAM
(以下、ドライバRAMという。)42と、車両及び運
転者などに固有とされ、書き換え可能なパラメータ等を
記憶するFLASHメモリ43と、サンプリング時間等
を生成するタイマ(以下、ドライバタイマという。)4
4とを備えている。
【0022】ドライバ4は、さらに、モータ3駆動用の
PWM信号生成器45と、モータ用電源5(DC36
V)にDCバス47を介して接続され、モータ用電源5
からの電流をモータ3の駆動に使用するように3相電流
に変換しこの電流をモータ接続線48を介してモータ3
に出力するFET49と、前記モータ接続線48に設け
られモータ3の駆動電流を検出する電流検出器51と、
モータ接続線48の出力側に設けられるラインフィルタ
53と、を備えている。又、ドライバ4は、電流検出器
51からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/
D変換器(以下、ドライバA/D変換器という。)54
と、前記位置センサ30からの信号をディジタル信号に
変換してドライバCPU41に入力する位置センサイン
ターフェース(位置センサi/f)55と、ドライバC
PU41からのリレー制御信号を第1、第2リレー6
5,66に入力するリレーインターフェース(リレーi
/f)60と、を備えている。
【0023】第1、第2リレー65,66は、リレー制
御信号を入力可能とした励磁コイル(図示省略)と、励磁
コイルに入力するリレー制御信号に応じて開閉する定常
時閉の接点部(図示省略)とを備えており、定常時閉形の
リレーとされている。そして、励磁コイルのリレー制御
信号がオン(ON)の場合に前記接点部〔ひいては第
1、第2リレー65,66は〕が開(OFF)とされる
ようになっている。この実施の形態では、電源の投入
〔イグニッションスイッチのオン作動〕によりリレー制
御信号がオン(ON)されて第1、第2リレー65,6
6は開(OFF)とされ、通常時、この状態〔第1、第
2リレー65,66は開(OFF)状態〕が維持され
る。なお、後述するように、各種ケーブルの断線等の故
障発生時〔無制御時〕には、リレー制御信号がオフ(O
FF)されて第1、第2リレー65,66は閉(ON)
とされることになる。
【0024】ドライバ4には、さらに、DCバス47の
電圧を監視する過電圧検出器56と、FET49の過熱
を検出する過熱検出器57と、制御装置7とのシリアル
通信インターフェースであるCANi/f(以下、ドラ
イバCANインターフェースという。)58と、モータ
用電源5をドライバCPU41など他の部材の動作に必
要な5V、12V、15Vなどの電圧に変換するDC/
DC電源ユニット(以下、ドライバDC/DC電源ユニ
ットという。)59とが備えられている。
【0025】ドライバ4は、シリアル通信バス6を介
し、制御装置7から「サーボON」などの制御コマンド
及び実際にモータ3を駆動させる制御量等を受け取る
と、サンプリング時間(ドライバ4の制御周期)毎に位
置センサ30の信号からモータ3内のU相、V相、W相
コイル22と永久磁石23の作る磁気回路との間の位相
角(電気角)、モータ3の動作速度、電流検出器51の
信号からコイル22の電流値、電圧値を取得し、制御装
置7からのモータ駆動指令通りのモータ動作となるよう
にPWM信号生成器45を調節する。前記ドライバ4の
制御周期は、制御装置7の制御周期(例えば5ms)よ
りも充分速く、例えば250μsに設定されている。
【0026】この電磁サスペンション装置1では、車体
の上下振動に伴いロッド21及び外筒部材20が相対的
に変位すれば、コイル22には起電力が発生する。すな
わち、モータ3は発電機として作用し、コイル22に電
流が流れることにより、サスペンションユニット2(モ
ータ3)はロッド21及び外筒部材20の相対速度に応
じた抵抗力、すなわち減衰力を発生することになる。ま
た、ロッド21と外筒部材20との相対的な位置関係
(電気角)、ひいては車体の上下振動状態に応じて、コ
イル22に電流を流せば、モータ3は本来のモータ(ア
クチュエータ)として作用して推進力を発揮することに
なり、サスペンションユニット2は振動抑制効果を向上
できるようにしている。
【0027】図5にケーブル断線時にコイル22を短絡
させる回路(短絡回路)80を示す。短絡回路80は、
U相コイルの一端(U相コイル、V相コイル及びW相コ
イルの共通接続端子C1に対して反対側の端子部)とV
相コイルの一端(共通接続端子C1に対して反対側の端
子部)との間に介装された前記第1リレー65と、V相
コイルの一端とW相コイルの一端(共通接続端子C1に
対して反対側の端子部)との間に介装された前記第2リ
レー66とを備え、後述するように、U相コイル、V相
コイル及びW相コイルを第1、第2リレー65,66を
介して短絡し得るようにしている。短絡回路80は、サ
スペンションユニット2に設けられている。
【0028】車体側に取付けられたドライバ4とサスペ
ンションユニット2(モータ3)とは、モータ3のU相
コイル、V相コイル及びW相コイルに接続される動力ケ
ーブル81と、位置センサ30から延びる位置信号用ケ
ーブル82と、第1、第2リレー65,66制御用のケ
ーブル(リレー制御用ケーブル)83と、グランドケー
ブル84とを介して接続されている。また、第1、第
2、第3上下加速度センサ10,11,12と制御装置
7とは加速度信号ケーブル85を介して接続されてい
る。この実施の形態では、前記各ケーブル〔動力ケーブ
ル81、位置信号用ケーブル82、リレー制御用ケーブ
ル83、加速度信号ケーブル85〕が断線された場合
や、バッテリ〔12V電源16、モータ用電源5〕から
電力が供給されていない(以下、適宜、電源断とい
う。)場合等の故障が発生したとき(無制御時)には、
ドライバ4は、リレー制御信号をオフ(OFF)して第
1、第2リレー65,66に出力するようにしている。
【0029】上述したように第1、第2リレー65,6
6は定常時閉形のリレーで、かつ通常時にはドライバ4
からリレー制御信号がONとされて出力されており、第
1、第2リレー65,66は開いた(OFFした)状態
にされている。この通常時には、第1、第2リレー6
5,66が開されていることから、U相コイル、V相コ
イル及びW相コイルは短絡されておらず、モータ3は正
常に制御され、推進力のの発生(本来のモータとして作
動)及び減衰力の発生(発電機としての作動)を行ない
得るようになっている。
【0030】ドライバ4からリレー制御信号が出力され
ない(リレー制御信号がOFFとされる)場合、第1、
第2リレー65,66は閉(ON)〔定常時と同等の状
態〕とされ、U相コイル、V相コイル及びW相コイル
は、第1、第2リレー65,66が閉じる(ONする)
ことから短絡された状態となる。すなわち、上述したよ
うに無制御時〔前記各ケーブルの断線時、電源断時〕に
は、ドライバ4は、リレー制御信号をオフ(OFF)し
て第1、第2リレー65,66に出力するので、第1、
第2リレー65,66は閉じられてU相コイル、V相コ
イル及びW相コイルは短絡された状態となる。
【0031】そして、U相コイル、V相コイル及びW相
コイルが短絡されていると、サスペンションユニット2
がストロークした際、モータ3は発電機として作動し、
ストローク速度にほぼ比例した大きさの抵抗すなわち減
衰力を発生する。以下、具体的な断線箇所を例にして断
線の検知方法(異常検知手段)及びその際の制御方法に
ついて説明する。動力ケーブル81(ドライバ4及びモ
ータ3間のケーブル)の断線検知は、次のようにして行
なう。
【0032】すなわち、ドライバ4には、電流検出器5
1が組み込まれており、ドライバCPU41の指令した
U相コイル、V相コイル及びW相コイルへの電流値が正
確に出力されているかどうかを出力される電流を検出す
ることによりチェックし、その検出値をドライバCPU
41へフィードバックしている。そして、動力ケーブル
81が断線した場合には、ドライバCPU41にフィー
ドバックされる電流値が異常な値(電流値がゼロまたは
極めて小さい値)を呈することとなる。ドライバCPU
41は、このことを利用して動力ケーブル81の断線の
有無を判定する。
【0033】ドライバCPU41は、動力ケーブル81
が断線有と判定した(動力ケーブル81の断線を検知し
た)場合、リレー制御信号をOFFし第1、第2リレー
65,66を閉じさせ、第1、第2リレー65,66を
介してU相コイル、V相コイル及びW相コイルを短絡さ
せた状態とすると共に、モータ制御を停止し、制御装置
7へ断線検知を通知する。
【0034】次に、位置信号用ケーブル82の断線判断
は、次のように行なう。位置センサ30が常時信号を出
力するタイプのセンサ(例えば、信号が1−5Vの間で
変化する)の場合は信号が出力されないときに断線と判
断できる。また、例えば、0−5VのA,B相パルスの
位置センサの場合等、出力信号が出力されない状態が存
在するセンサの場合は、制御装置7に接続される上下加
速度センサ等からの出力から当然位置センサ30の出力
が変化すべきであるのに出力が0Vや変化しない場合
に、位置信号用ケーブル82の断線または位置センサ3
0の故障と判断できる。位置信号用ケーブル82の断線
を検知した場合、制御装置7はドライバ4へモータ制御
停止を通知する。そして、ドライバCPU41は、上述
と同様にしてU相コイル、V相コイル及びW相コイルの
短絡、モータ制御の停止及び制御装置7へ断線検知の通
知を行なう。
【0035】リレー制御用ケーブル83の断線は次のよ
うに検知される。ここで、第1、第2リレー65,66
を開く(OFFする)には、リレー制御用ケーブル83
に励磁電流〔リレー制御信号の内容(又は信号レベル)
がONとされたリレー制御信号〕を流し、第1、第2リ
レー65,66に内蔵されている前記励磁コイルを励磁
する必要がある。そして、通常時リレー制御用ケーブル
83の断線は、ドライバ4内のリレーi/f60によっ
て励磁電流(リレー制御信号)を監視して検出するよう
にしている。リレー制御用ケーブル83の断線を検知し
た場合、第1、第2リレー65,66には、信号が供給
されないので自動的に閉じられ(定常時の状態に戻
る)、U相コイル、V相コイル及びW相コイルを短絡さ
せた状態となる。さらに、ドライバCPU41はリレー
制御信号をOFFにすると共に、モータ制御を停止し、
制御装置7へ断線検知を通知する。ここで、リレー制御
信号をOFFにする理由は、リレー制御用ケーブルが完
全に断線された場合は問題ないが、断線後、再び接続、
断線を繰り返すような場合、第1、第2リレー65,6
6が開閉を繰り返してしまうので、これを防止するため
に、リレー制御信号をOFFにしておく必要がある。
【0036】また、加速度信号ケーブル85の断線は次
のように検知される。この実施の形態では、第1、第
2、第3上下加速度センサ10,11,12からの加速
度信号は、例えば3Vを中心に1〜5Vの信号出力とし
ておき、第1、第2、第3上下加速度センサ10,1
1,12から信号が出力されないとき(例えば、第1、
第2、第3上下加速度センサ10,11,12の出力信
号が0Vのとき)は、加速度信号ケーブル85の断線で
あると判断できるように定めている。そして、ドライバ
CPU41は、第1、第2、第3上下加速度センサ1
0,11,12からの加速度信号に基づいて加速度信号
ケーブル85の断線検出を行う。そして、断線を検知し
た場合、ドライバCPU41は、上述と同様にしてU相
コイル、V相コイル及びW相コイルの短絡、モータ制御
の停止及び制御装置7へ断線検知の通知を行なう。
【0037】また、制御装置7やドライバ4が暴走など
によって正常に動作しなくなった場合も、ドライバCP
U41はモータ3への電力供給を停止すると共に、第
1、第2リレー65,66を閉じ、U相コイル、V相コ
イル及びW相コイルを短絡させた状態とする。この暴走
の有無の判断は、例えばリレーi/fとPWM信号生成
器とにCPUから定期的にアクセスするように設定し、
リレーi/fやPWM信号生成器に、この定期的アクセ
スの有無を判断し、無い場合に出力を停止する機能を設
けることにより、暴走した際には、定期的アクセスが行
なわれなくなるので、リレーi/fとPWM信号生成器
からの出力が停止して、モータ3への電力供給を中止
し、U相コイル、V相コイル及びW相コイルを短絡させ
た状態とする。また、モータ用電源5とドライバ4を接
続する電源用ケーブル86が断線し、ドライバ4への電
力供給が停止した場合、リレー制御信号はOFFされ、
第1、第2リレー65,66が閉じられ、U相コイル、
V相コイル及びW相コイルを短絡させた状態とする。
【0038】また、システムの正常動作中に第1、第2
リレー65,66が何らかの要因で閉じる(ONする)
等の異常動作をした場合、U相コイル、V相コイル及び
W相コイルの手前で短絡ループ(閉回路)が形成され、
U相コイル、V相コイル及びW相コイルへはドライバ4
から電流が供給されなくなる。この場合、コイル22の
抵抗が取り除かれた分だけ動力ケーブル81には過大な
電流が流れることになり、電流検出器51による電流値
フィードバックの異常(電流値過大)が検出されるた
め、ドライバCPU41は第1、第2リレー65,66
の異常を検出することができる。
【0039】そして、第1、第2リレー65,66の異
常を検知した場合、ドライバCPU41は、上述と同様
にしてU相コイル、V相コイル及びW相コイルの短絡、
モータ制御の停止及び制御装置7へ断線検知の通知を行
なう。
【0040】以上の動作を図6のフローチャートに基づ
いて要約的に説明する。ドライバCPU41は制御装置
7からの制御コマンドを取り込み(ステップS11)、制
御装置7からの異常処理要求があるか否かを判断する
(ステップS12)。ステップS12でNo(異常処理が
必要でない)と判断した場合は、ドライバCPU41は
モータ3の制御のために位置センサ30からの位置デー
タを読み込む(ステップS13)。
【0041】ステップS13の位置データの読み込みに
より位置信号用ケーブル82の断線の有無を判断する
(ステップS14)。次のステップ15で、モータ制御ロ
ジックを実行し、位置データからモータ3の磁石23と
コイル22の位置関係、電流値フィードバック(1サン
プリング前)からU相コイル、V相コイル及びW相コイ
ルの電流値等を把握し、必要とするトルクやモータ3の
速度などからモータ3への制御量を決定する。
【0042】次に、PWM信号生成器45を介してFE
T49をスイッチングしてU相コイル、V相コイル及び
W相コイルに印加する電圧を調整し、モータ3が所定の
トルクを発生しかつ所定の速度をとなるように制御する
(ステップS16)。その後、電流検出器51でU相コイ
ル、V相コイル及びW相コイルの電流値フィードバック
を取り込み(ステップS17)、断線の有無を判断する
(ステップS18)。
【0043】ステップS12でYes(異常処理が必要
である)と判断した場合、またはステップS14でYe
s(断線有り)と判断した場合は、モータ3の動力を断
つと共に、第1、第2リレー65,66の短絡、制御装
置7への異常処理ステータスの送信などの異常処理を行
なう(ステップS19)
【0044】上述したように、電源断、各種ケーブルの
断線、バッテリ上がり(電源断)、制御装置7やドライ
バ4の暴走、イグニッションスイッチのオフ等のいわゆ
る無制御時でもサスペンションユニット2は減衰力を発
生することができ、安全性が大幅に向上する。
【0045】なお、第1、第2リレー65,66は、大
電流の通電が可能なタイプを選択すれば、破損する虞が
小さくなる。そして、第1、第2リレー65,66とし
て大電流の通電が可能なタイプを用いることにより、無
制御時でも長時間に渡りサスペンションユニット2は安
定した減衰力を発生できるようになり、安全性がさらに
向上する。
【0046】次に、本発明の第2実施の形態を図7及び
図8に基づいて説明する。第2実施の形態の電磁サスペ
ンション装置は、図7及び図8に示すように、前記FE
T49に代えるFET回路49Aを有している。FET
回路49Aは、6個のFET(以下、第1〜第6FET
という。)541〜546を有している。第1FET5
41のソース〔S〕は第2FET542のドレイン
〔D〕と接続されており、その接続部はU相コイルに接
続されている。第3FET543のソース〔S〕は第4
FET544のドレイン〔D〕と接続されており、その
接続部はV相コイルに接続されている。第5FET54
5のソース〔S〕は第6FET546のドレイン〔D〕
と接続されており、その接続部はW相コイルに接続され
ている。
【0047】PWM信号生成器45からFET回路49
Aに6本の制御線90が延ばされており、そのうち3本
の信号線90が第1、第3、第5FET541,54
3,545(以下、適宜、上側アームのFETとい
う。)のゲート〔G〕に接続されている。前記6本の制
御線90うち他の3本の信号線90が第2、第4、第6
FET542,544,546のゲート〔G〕にそれぞ
れ短絡補助回路(以下、短絡補助第1回路という。)8
0Aを介して接続されている。この第2実施の形態で
は、短絡補助第1回路80A及び第2、第4、第6FE
T542,544,546により短絡回路が形成されて
いる。
【0048】第1FET541は、ソース〔S〕及びド
レイン〔D〕を接続するフリーホイールダイオード91
を内蔵しており、フリーホイールダイオード91を通し
てソース〔S〕からドレイン〔D〕への通電を許容する
ようにしている。第2〜第6FET542〜546の各
ソース及びドレイン間についても第1FET541と同
様にフリーホイールダイオード91が接続されている。
【0049】第1、第3、第5FET541,543,
545(上側アームのFET)のドレイン〔D〕は、モ
ータ用電源5のプラス(+)端子に接続されている。ま
た、第2、第4、第6FET542,544,546
(下側アームのFET)のソース〔S〕は、モータ用電
源5のマイナス(−)端子に接続されている。
【0050】前記短絡補助第1回路80Aは、npn形
のトランジスタ(以下、第1トランジスタという。)7
0と、pnp形のトランジスタ(以下、第2トランジス
タという。)71とを備えている。第1トランジスタ7
0のエミッタ(E)と第2トランジスタのエミッタ
(E)とが接続されており、この接続部が第2、第4、
第6FET542,544,546(下側アームのFE
T)の各ゲート(G)〔図8では第2FET542のみ
を励磁している。〕に接続されている。第1トランジス
タ70のベース(B)と第2トランジスタのベース
(B)とが接続されており、この接続部がPWM信号生
成器45の制御線90に接続されている。第1トランジ
スタ70のコレクタ(C)は15VのFETゲート駆動
用電源92に接続されている。第2トランジスタ71の
コレクタ(C)は接地されている。
【0051】第2、第4、第6FET542,544,
546(下側アームのFET)の各ドレイン(D)とゲ
ート(G)とには、直列接続されたダイオード67及び
抵抗68が並列に接続されている。第2、第4、第6F
ET542,544,546の各ゲート(G)には、接
地されたツェナーダイオード69が接続されており、前
記各ゲート(G)に高電圧が印加されないようにしてい
る。各ツェナーダイオード69には、コンデンサ93が
並列に接続されている。
【0052】この第2実施の形態は、後述するように短
絡補助第1回路80AによりU相コイル、V相コイル及
びW相コイルの短絡を図るようにしており、前記第1実
施の形態で用いた第1、第2リレー65,66(短絡回
路80)を廃止したものになっている。この第2実施の
形態では、例えば第2FET542に対する制御線90
が断線した場合、第1、第2トランジスタ70,71
は、そのベース(B)に電圧が印加されないことから、
動作しない。この際、サスペンションユニット2のスト
ロークによりモータ3が発電機として動作し、U−V相
間に逆起電圧が生じ、U相の電圧が高い場合は、第2F
ET542のドレイン〔D〕にU相の逆起電圧が加わ
る。
【0053】そして、ダイオード67及び抵抗68を通
して第2FET542のゲート〔G〕に電圧が印加さ
れ、第2FET542を導通(ON)させることができ
る。この結果、第2FET542のドレイン〔D〕側か
らソースへ電流が流れ、V相コイルに対応する第4FE
T544に内蔵されたフリーホイールダイオード91を
介してV相コイル及びW相コイルに電流が流れ(すなわ
ち、U相コイル、V相コイル及びW相コイルが短絡され
た状態となり)、サスペンションユニット2は減衰力を
発生することになる。
【0054】なお、正常動作時にもダイオード67を通
じて逆起電圧が第2FET542のゲート〔G〕に印加
されるが、第1、第2トランジスタ70,71が動作す
ることから、抵抗68の抵抗値を大きくすれば第2FE
T542のスイッチング動作には影響を与えない。すな
わち、モータ3に接続される動力ケーブル81が断線し
た場合、サスペンションユニット2がストロークしたこ
とにより、モータ3が発電機として動作し、逆起電圧に
よって自動的に第2FET542が導通して(ONし
て)各相のコイルが短絡され、電流が流れることによ
り、サスペンションユニット2は減衰力を発生すること
になる。
【0055】この第2実施の形態では、ドライバ4の第
2FET542のゲート制御信号が断線しても、モータ
3の逆起電圧を利用し、第2FET542を導通する
(ONする)ことにより、断線時でも減衰力が発生する
ことができる。なお、モータ3の逆起電圧を使用してい
るため、サスペンションユニット2がストロークしてい
ない場合はもちろん、ストローク速度が低く、逆起電圧
が低い場合も第2FET542を導通させる(ONさせ
る)ことができない。このため、ストローク速度が低い
場合は減衰力を発生することができないことになる。
【0056】次に、本発明の第3実施の形態を図9及び
図10に基づいて説明する。第3実施の形態の電磁サス
ペンション装置は、図9及び図10に示すように、第2
実施の形態のFETゲート駆動用電源92を廃止し、か
つサスペンションユニット2のストローク速度が低く、
逆起電圧が低い場合でも下側アームのFETの第2、第
4、第6FET542,544,546(以下、便宜
上、第2FET542を例にして説明する。)を導通で
き(ONすることができ)、ストローク速度が低い領域
でも減衰力を発生できるようにしている。
【0057】第3実施の形態は、第2実施の形態のFE
T回路49Aに代えるFET回路49Bを有している。
FET回路49Bは、FET回路49Aの短絡補助第1
回路80Aに代えて、短絡補助第2回路80Bを有して
いる。短絡補助第2回路80Bは短絡補助第1回路80
Aの第1、第2トランジスタ70,71に代えて第3、
第4トランジスタ72,73を有している。第3、第4
トランジスタ72,73の各エミッタは接続されてお
り,この接続部は第2FET542のゲートに接続され
ている。第3、第4トランジスタ72,73の各ベース
は接続されており,この接続部にはエミッタが接地され
たnpn形の第5トランジスタ95のコレクタが接続さ
れている。第5トランジスタ95のベース(B)には、
制御線90が接続されている。
【0058】第3トランジスタ72のコレクタと第2F
ET542のドレインとは、直列接続されたダイオード
74及び抵抗75を介して接続されている。第3トラン
ジスタ72のコレクタとエミッタとは抵抗78を介して
接続されている。抵抗78と抵抗75の接続部分には、
一端が接地されたコンデンサ76の他端が接続されてい
る。コンデンサ76にはツェナーダイオード77が並列
に接続されている。また、第3トランジスタ72のコレ
クタと第5トランジスタ95のコレクタとは抵抗96を
介して接続されている。
【0059】この第3実施の形態では、第2FET54
2のドレイン電圧が高いとき、すなわち、モータ3の逆
起電圧により第2FET542のドレインに電圧が加わ
っているとき、または上アーム側の第1FET541が
ONしているとき、ダイオード74及び抵抗75を通し
てコンデンサ76に電荷が蓄えられる。この電圧は第2
FET542のゲートを十分駆動できる電圧とし、ツェ
ナーダイオード77により一定電圧に保たれるようにす
る。
【0060】コンデンサ76に蓄えられた電圧は、ゲー
ト駆動用の電源となり、第3、第4トランジスタ72,
73により第2FET542のゲートを駆動する。ゲー
ト制御信号は負論理となり、ゲート制御信号がローレベ
ルの場合、第2FET542のゲートはONし、ハイレ
ベルのときOFFとなる。ゲート信号が断線などにより
発生しなくなると、コンデンサ76に蓄えられた電圧が
抵抗78を介して第2FET542のゲートに印加さ
れ、第2FET542をONし、減衰力を発生すること
になる。そして、この場合、仮にサスペンションユニッ
ト2のストローク速度が低く、逆起電圧が低い場合でも
下側アームのFETの第2、第4、第6FET542,
544,546(以下、便宜上、第2FET542を例
にして説明する。)を導通でき(ONすることがで
き)、ストローク速度が低い領域でも減衰力を発生でき
る。
【0061】上記第1〜第3実施の形態では、サスペン
ションユニット2が円筒形リニアモータ構造である場合
を例にしたが、これに代えて、図11に示すサスペンシ
ョンユニット2Aを用いてもよい。図11に示すサスペ
ンションユニット2Aは、外筒部材20Aと、外筒部材
20Aに一端側が挿入され他端側が外筒部材20Aから
突出する筒状のロッド21Aと、ロッド21Aの一端側
に固定されたボールナット165と、ボールナット16
5に螺合し、ベアリング166を介して外筒部材20A
に回動可能に支持されたボールねじ167とを備えてい
る。サスペンションユニット2Aは、さらに、ボールね
じ167と同軸のシャフト168に固定された永久磁石
23Aと、外筒部材20Aに固定されたコイル22A
と、コイル22A内に設けられた図示しないコア材とを
備えている。外筒部材20Aの開口端には、環状の案内
部材69が装着され、案内部材169の内側にはロッド
21Aに摺動してこのロッド21Aを案内する摺動部1
70が設けられている。
【0062】このサスペンションユニット2Aでは、コ
イル22Aへの通電によりコイル22Aと永久磁石23
Aとの間に電磁力を発生し、永久磁石23A(シャフト
68)ひいてはボールねじ167が回転し、これにより
ボールナット165を介してロッド21Aが外筒部材2
0Aに対して軸方向に相対変位し、推進力を発生し、振
動抑制効果を向上できる また、車体の上下振動に伴いロッド21A及び外筒部材
20Aが軸方向に相対的に変位すれば、軸方向の動きが
ボールナット165及びボールねじ167により回転運
動に変換され、永久磁石23A(シャフト168)が回
転しコイル22Aに起電力が発生し、ロッド21A及び
外筒部材20Aの相対速度に応じた抵抗力、すなわち減
衰力を発生することになる。
【0063】上記第1ないし第3実施の形態では、無制
御時にU相コイル、V相コイル及びW相コイルを短絡す
る場合を例にしたが、この短絡に際し、抵抗を挿入し、
モータ3が発電機として動作した際に生じる電力を消費
するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ケーブ
ル断線等サスペンションユニットへ供給される信号の異
常時にコイル部材が閉ループを構成するように短絡回路
を設けたので、サスペンションユニットのストロークに
よりコイル部材に生じる起電力によって減衰力を得るこ
とができ、従来技術で故障時に起こり得た無減衰力状態
を回避することができる。また、請求項2に記載の発明
によれば、前記短絡回路をサスペンションユニットと一
体に設けたことにより、制御手段やケーブルに故障があ
った場合も、短絡回路を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る電磁サスペンシ
ョン装置を模式的に示す図である。
【図2】図1のサスペンションユニットを示す断面図で
ある。
【図3】図1の制御装置を模式的に示すブロック図であ
る。
【図4】図1のドライバを模式的に示すブロック図であ
る。
【図5】図1の電磁サスペンション装置のリレーを用い
た短絡回路を示す図である。
【図6】図1の電磁サスペンション装置の作用を示すた
めのフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施の形態を模式的に示す図であ
る。
【図8】図7の短絡補助第1回路を示す図である。
【図9】本発明の第3実施の形態を模式的に示す図であ
る。
【図10】図8の短絡補助第2回路を示す図である。
【図11】図2のサスペンションユニットに代る他のサ
スペンションユニットを示す断面図である。
【符号の説明】
1 電磁サスペンション装置 2 サスペンションユニット 3 モータ 22 コイル(コイル部材) 23 永久磁石(磁石部材) 65 第1リレー(短絡回路) 66 第2リレー(短絡回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D001 AA02 DA17 EA02 EA07 EA08 EA22 EA34 ED06 3J048 AA06 AB11 AC08 AD01 DA01 EA16 5H223 AA10 BB08 CC01 CC08 DD01 DD03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に変位可能に一対の変位部材を設
    け、前記一対の変位部材のいずれか一方に磁石部材を設
    け、いずれか他方に前記磁石部材と共にモータを構成す
    るコイル部材を設け、前記コイル部材への通電により前
    記磁石部材との間に生じる電磁力によって推進力を得、
    前記コイル部材及び前記磁石部材の相対変位により前記
    コイル部材に生じる起電力によって減衰力を得るサスペ
    ンションユニットと、該サスペンションユニットへの通
    電を制御する制御手段とを備えた電磁サスペンション装
    置において、制御手段からサスペンションユニットへ供
    給される信号の異常を検知する異常検知手段と、コイル
    部材が閉ループを構成するようにする短絡回路とを設け
    たことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段を車体側に設けるとともに
    該制御手段と前記サスペンションユニットとをケーブル
    で接続し、さらに前記短絡回路をサスペンションユニッ
    トと一体に設けたことを特徴とする請求項1記載の電磁
    サスペンション装置。
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