JP2003104025A - 電磁サスペンション装置 - Google Patents

電磁サスペンション装置

Info

Publication number
JP2003104025A
JP2003104025A JP2001301168A JP2001301168A JP2003104025A JP 2003104025 A JP2003104025 A JP 2003104025A JP 2001301168 A JP2001301168 A JP 2001301168A JP 2001301168 A JP2001301168 A JP 2001301168A JP 2003104025 A JP2003104025 A JP 2003104025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
force
control
motor
vehicle
suspension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001301168A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Akami
裕介 赤見
Noriyuki Uchiumi
典之 内海
Hiroshi Chikuma
寛 筑間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP2001301168A priority Critical patent/JP2003104025A/ja
Publication of JP2003104025A publication Critical patent/JP2003104025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力の抑制を図ることができる電磁サス
ペンション装置を提供する。 【解決手段】 位置センサの検出信号に基づくサスペン
ション速度、変位により関数補正処理部80の関数が補
正され、これによりサスペンションユニット2の制御力
(推進力又は減衰力)が調整される。制御力発生領域の
調整をサスペンション速度、変位に応じて行えることか
ら、制御力−ストローク速度特性が一律である従来技術
に比して、制御力の発生を精度高くかつ広範囲に果たす
ことができる。さらに、制御力の発生を走行状態に応じ
て発生できることから、回生領域の範囲を広げることが
可能であり、これにより消費電力の低減を容易に実行で
きる。さらに、車両全体の消費電力を一定値以下に抑制
することを容易に行え、バッテリ上がり、動力ケーブル
の発熱を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力による振動
抑制用アクチュエータ、ダンパに係り、特に、自動車、
二輪車などに用いて好適な電磁サスペンション装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁サスペンション装置の一例と
して、油圧ダンパのオリフィス等の減衰力発生機構に代
えて、回転型モータ及びこの回転型モータのロータの回
転動を直線動に変換する直動―回転動変換機構を用いた
り、あるいは直動型モータを用いた電磁サスペンション
装置がある。この電磁サスペンション装置は、通電する
ことにより可動部を変位させ、モータを本来のモータ
(アクチュエータ)としてアクティブに動作させる一
方、モータを発電機として使用することにより(パッシ
ブに)減衰力を発生させるようにしている。
【0003】前記モータを発電機として使用する場合、
モータ(発電機)に発生する抵抗力、すなわち減衰力
は、コイルに流れる電流の大きさに比例するので、減衰
力を可変とするためには、コイルに流れる電流の大きさ
を調整すればよい。コイルに流れる電流を調整するに
は、回路内に可変抵抗を設けたり、回路をオン、オフ
(ON/OFF)するスイッチを設け、スイッチのオ
ン、オフ時間比を制御することなどで容易に実現でき
る。
【0004】そのため、電磁サスペンション装置の減衰
力をストローク速度やストローク位置に応じて可変制御
したり、制御対象の振動を抑制するようにリアルタイム
に可変制御する、いわゆるセミアクティブダンパとして
構成することは比較的容易である。また、このようにセ
ミアクティブダンパとして構成する(発電機として使用
する)場合、電磁サスペンション装置に電気エネルギー
を与える必要はなく、消費電力を非常に低く抑えること
ができる。
【0005】また、電磁サスペンション装置に電気エネ
ルギーを与えてモータとして使用すれば、容易に任意の
力を発生させることができるため、力を加えて減衰力を
大きくしたり、任意の推進力を発生させてアクティブサ
スペンションとして動作させ、振動抑制効果を高めるこ
とが可能であり、このようにして振動抑制効果を高める
方法も提案されている。前記電磁サスペンション装置で
モータとしては直流モータや同期モータが用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記電磁サ
スペンション装置のモータとして用いられる直流モータ
や同期モータは、その推力がコイルに流れる電流の大き
さで決まる。このため、制御効果を高めるために大きな
推力を発生しようとする場合、コイルに流す電流を大き
くしなければならず、ひいては消費電力の増加を招くこ
とになる。また、コイルに流れる電流が大きくなるとコ
イルの電気抵抗によるコイル発熱が大きくなる。一方、
前記電磁サスペンション装置では、減衰力及び推進力
(制御力)を発生する場合、予め定めた特性によって制
御するが、この特性は例えば走行状態に対応して一律の
ものとされている。このため、前記消費電力の低減化を
容易には行えないというのが実情である。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、消費電力の抑制を図ることができる電磁サスペンシ
ョン装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車両の車体側と車輪側の一方側に磁石部材を設け、他方
側にコイル部材を設け、前記コイル部材への通電駆動に
より前記磁石部材との間に生じる電磁力によって推進力
を得、前記コイル部材と前記磁石部材との相対的変位に
より生じる起電力によって減衰力を得るサスペンション
ユニットと、前記車両の走行状態により前記サスペンシ
ョンユニットへの通電を制御する制御手段とからなる電
磁サスペンション装置において、前記車両の車速を検出
する車速検出手段と、該車速検出手段により検出された
車速が所定値以上のとき、所定値未満のときより消費電
力が少なくなるように前記制御量を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする。また、請求項2の発明は、
車両の姿勢変化を検出する姿勢状態検出手段を設け、車
体の姿勢の変化が所定以上となる場合に、前記補正手段
による補正を小さくする、または、中止することを特徴
とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態に係る電磁
サスペンション装置を図1〜図16に基づいて説明す
る。
【0010】図1及び図2において、電磁サスペンショ
ン装置1は自動車に用いられるものであり、各車輪側部
材と車体との間に介装される4本のサスペンションユニ
ットを有している。右前輪側部材、左前輪側部材、右後
輪側部材及び左後輪側部材にそれぞれ対応するサスペン
ションユニットを、右前輪側、左前輪側、右後輪側及び
左後輪側サスペンションユニット2FR,2FL,2R
R,2RLという。右前輪側、左前輪側、右後輪側及び
左後輪側サスペンションユニット2FR,2FL,2R
R,2RLには、それぞれ3相同期形のモータ(それぞ
れ、右前輪側、左前輪側、右後輪側及び左後輪側モータ
3FR,3FL,3RR,3RLという。)が備えられ
ている。右前輪側、左前輪側、右後輪側及び左後輪側サ
スペンションユニット2FR,2FL,2RR,2RL
は同等構成を成しており、以下、適宜サスペンションユ
ニット2と総称する。また、右前輪側、左前輪側、右後
輪側及び左後輪側モータ3FR,3FL,3RR,3R
Lについても同様に、適宜モータ3と総称する。
【0011】右前輪側、左前輪側、右後輪側及び左後輪
側モータ3FR,3FL,3RR,3RLにはそれぞれ
ドライバ(それぞれ、右前輪側、左前輪側、右後輪側及
び左後輪側ドライバ4FR,4FL,4RR,4RLと
いう。)が接続されており、モータ3を駆動するように
している。右前輪側、左前輪側、右後輪側及び左後輪側
ドライバ4FR,4FL,4RR,4RLは同等構成を
成しており、以下、適宜ドライバ4と総称する。ドライ
バ4は、各車輪に対応するサスペンションタワー部に設
けられている。ドライバ4にはDC36Vのモータ用電
源5が接続されている。
【0012】ドライバ4には、シリアル通信バス6を介
して制御装置7(制御力発生領域調整手段)が接続され
ており、制御装置7からドライバ4への動作指令や、ド
ライバ4から制御装置7への各種フィードバックなどは
全てシリアル通信〔例えばCAN(Controller Area Ne
twork)仕様に準拠したシリアル通信〕によって行われ
るようにしている。シリアル通信のプロトコルは、制御
装置7からの「コマンド」とドライバ4からの「レスポ
ンス」がセットになったもので、一定間隔(例えば5m
s)〔制御装置7の制御周期〕毎に常に「コマンド」と
「レスポンス」が授受される。
【0013】また、例えば制御装置7からドライバ4へ
の「コマンド」が一定時間(例えば20ms)以上送信
されない、あるいはドライバ4から制御装置7への「レ
スポンス」が一定時間(例えば20ms)以上送信され
ない、といった場合は、制御装置7又はドライバ4はシ
ステム異常と判断し、「モータ用電源5の切断」、「エ
ラー表示」などの異常処理を行う。シリアル通信バス6
には、ABS(Anti-lock Break System)制御装置8及
びVDC(Vehicle Dynamics Control)制御装置9が接
続されている。ABS制御装置8及びVDC制御装置9
は、車両の走行安定性を確保するようにしたものであ
る。本電磁サスペンション装置1、ABS制御装置8及
びVDC制御装置9は協調して動作することができるよ
うになっている。
【0014】制御装置7は、モータ3への通電ひいては
サスペンションユニット2による推進力発生制御を行う
と共に、モータ3の起電力発生(発電機としての使用)
による減衰力発生制御を行うようにしている。制御装置
7には、車体の上下振動を検出する3個の上下加速度セ
ンサ(以下、第1、第2、第3上下加速度センサとい
う。)10,11,12、ロールレートセンサ75、ピ
ッチレートセンサ76、車輪速センサ13、ハンドル角
センサ14、ブレーキセンサ15及びDC12Vの電源
(以下、12V電源という。)16が接続されている。
制御装置7には更に、システム診断などに用いる外部通
信機器17が接続されている。第1上下加速度センサ1
0は右前輪のサスペンションタワー部に設けられ、第2
上下加速度センサ11は左前輪のサスペンションタワー
部に設けられ、第3上下加速度センサ12は後部トラン
ク部に設けられている。
【0015】サスペンションユニット2は、図2に示す
ように、車両の車体側に保持される外筒部材20(一対
の長手状部材のうち一方)と、外筒部材20に相対変位
可能に一端側が挿嵌され他端側が車両の車軸側に保持さ
れるロッド21(一対の長手状部材のうち他方)とを備
えている。外筒部材20とロッド21との間になるよう
にして、外筒部材20の内側には複数のコイル22(コ
イル部材)が軸方向に所定長さにわたって設けられ、ロ
ッド21の外側には永久磁石(磁石部材)23が軸方向
に所定長さにわたって設けられている。
【0016】コイル22とロッド21(永久磁石23)
との間になるようにして、コイル22の内側に筒状の案
内部材(以下、第1案内部材という。)24が設けら
れ、ロッド21の一端部には第1案内部材24に摺動す
る摺動部(以下、第1摺動部という。)25が設けられ
ている。外筒部材20の開口端には環状の案内部材(以
下、第2案内部材という。)26が装着されている。第
2案内部材26の内側には、ロッド21に摺動してその
動きを案内する摺動部(以下、第2摺動部という。)2
7が設けられている。ロッド21は、第1摺動部25及
び第2摺動部27によって外筒部材20に対して摺動可
能に支持されている。
【0017】前記コイル22は、U相、V相、W相が軸
方向に交互に並んだ構成になっている。永久磁石23
は、N極、S極が軸方向に交互に並んだ構成になってい
る。コイル22に通電するとコイル22と永久磁石23
との間に軸方向の推力が発生し外筒部材20とロッド2
1は相対変位(ストローク)する。推力の向きはコイル
22の通電方向に基づいて定まる。本実施の形態では、
コイル22、永久磁石23及びコイル22、永久磁石2
3を支持する部材などから前記モータ3が構成されてい
る。また、外筒部材20及びロッド21ひいてはコイル
22及び永久磁石23が相対変位すると、コイル22に
は起電力が生じ、モータ3は発電機の作用をなすように
なっている。サスペンションユニット2のモータ3には
位置センサ(車両動作状態検出手段)30〔図4参照〕
が設けられており、コイル22及び永久磁石23ひいて
は外筒部材20とロッド21の相対変位(ストローク)
を検出すると共に、外筒部材20とロッド21の相対速
度(サスペンションユニット2のストローク速度)を得
られるようになっている。
【0018】制御装置7は、図3に示すように、本電磁
サスペンション装置1の制御プログラムや定数などの固
定的なデータを記憶するROM31と、前記制御プログ
ラムを実行し、本電磁サスペンション装置1全体の制御
を司るCPU32と、CPU32の演算結果等を一時的
に記憶するRAM33と、サンプリング時間等を生成す
るタイマ34とを備えている。制御装置7は、さらに、
第1、第2、第3上下加速度センサ10,11,12か
らのアナログ信号をA/D変換するA/D変換器35
と、車輪速センサ13、ハンドル角センサ14及びブレ
ーキセンサ15からの信号を処理するセンサi/oイン
タフェース(センサi/o i/f)36と、ドライバ
4などとのシリアル通信用のCANインターフェース3
7と、12V電源16をCPU32などが必要とする5
V、3.3Vなどの電圧に変換するDC/DC電源ユニ
ット38と、外部通信機器17に対して信号を授受する
外部通信機器インターフェース39とを備えている。
【0019】本電磁サスペンション装置1では、車両の
挙動状態のうち車体の上下振動については上述したよう
に第1、第2、第3上下加速度センサ10,11,12
が検出する。車体のロール、ピッチング量については、
ロールレートセンサ75、ピッチレートセンサ76によ
って検出する。サスペンションユニット2の速度及び変
位については位置センサ30の検出信号に基づいて把握
できるようにしている。さらに、車両の走行状態(車
速)は車輪速センサ13が検出する。また、車両の挙動
状態の検出は、第1、第2、第3上下加速度センサ1
0,11,12、ロールレートセンサ75、ピッチレー
トセンサ76及び位置センサ30に限らず、車輪速セン
サ13、ハンドル角センサ14、ブレーキセンサ15に
よっても行うようにしている。
【0020】制御装置7は、第1、第2、第3上下加速
度センサ10,11,12、位置センサ30、車輪速セ
ンサ13、ハンドル角センサ14、ブレーキセンサ15
からの信号に基づいて、車両の振動、姿勢の変化や不安
定な車両挙動を抑制するように、また、車速や運転者の
ハンドル、アクセル、ブレーキ操作に対して車両がより
安定するように各輪のサスペンションユニット2の制御
量を決定し、ドライバ4に対してモータ3の駆動信号を
送るようにしている。
【0021】ドライバ4は、図4に示すように、モータ
駆動用制御プログラムや定数などの固定的なデータを記
憶するROM(以下、ドライバROMという。)40
と、前記モータ駆動用制御プログラムを実行し、制御装
置7との通信制御を行うと共にドライバ4の制御を司る
CPU(以下、ドライバCPUという。)41〔消費電
力検出手段〕と、ドライバCPU41の演算結果等を一
時的に記憶するRAM(以下、ドライバRAMとい
う。)42と、車両及び運転者などに固有とされ、書き
換え可能なパラメータ等を記憶するFLASHメモリ4
3と、サンプリング時間等を生成するタイマ(以下、ド
ライバタイマという。)44とを備えている。
【0022】ドライバ4は、さらに、モータ3駆動用の
PWM信号生成器45と、電気的絶縁を行うフォトカプ
ラ46と、モータ用電源5(DC36V)にDCバス4
7を介して接続され、モータ用電源5からの電流をモー
タ3の駆動に使用するように3相電流に変換しこの電流
をモータ接続線48を介してモータ3に出力するIGB
T49と、IGBT49のゲートを駆動するゲートドラ
イバ50と、前記モータ接続線48に設けられモータ3
の駆動電流を検出する電流検出器51と、モータ3の駆
動電圧を検出する電圧検出器52と、モータ接続線48
の出力側に設けられるラインフィルタ53と、電流検出
器51及び電圧検出器52からのアナログ信号をA/D
変換するA/D変換器(以下、ドライバA/D変換器と
いう。)54と、前記位置センサ30からの信号をディ
ジタル信号に変換してドライバCPU41に入力する位
置センサインターフェース(位置センサi/f)55と
を備えている。
【0023】ドライバ4には、さらに、DCバス47の
電圧を監視する過電圧検出器56と、IGBT49の過
熱を検出する過熱検出器57と、制御装置7とのシリア
ル通信インターフェースであるCANi/f(以下、ド
ライバCANインターフェースという。)58と、モー
タ用電源5をドライバCPU41など他の部材の動作に
必要な5V、12Vなどの電圧に変換するDC/DC電
源ユニット(以下、ドライバDC/DC電源ユニットと
いう。)59とが備えられている。
【0024】ドライバ4は、シリアル通信バス6を介
し、制御装置7から「サーボON」などの制御コマンド
及び実際にモータ3を駆動させる制御量等を受け取る
と、サンプリング時間(ドライバ4の制御周期)毎に位
置センサ30の信号からモータ3内のU相、V相、W相
コイル22と永久磁石23の作る磁気回路との間の位相
角(電気角)、モータ3の動作速度、電流検出器51、
電圧検出器52の信号からコイル22の電流値、電圧値
を取得し、制御装置7からのモータ駆動指令通りのモー
タ動作となるようにPWM信号生成器45を調節する。
前記ドライバ4の制御周期は、制御装置7の制御周期
(例えば5ms)よりも十分早く、例えば250μsに
設定されている。
【0025】この電磁サスペンション装置1では、車体
の上下振動に伴いロッド21及び外筒部材20が相対的
に変位すれば、コイル22には起電力が発生する。すな
わち、モータ3は発電機として作用し、コイル22に電
流が流れるようにIGBT49のスイッチングを調節す
ることにより、サスペンションユニット2(モータ3)
はロッド21及び外筒部材20の相対速度に応じた抵抗
力、すなわち減衰力を発生することになる。また、ロッ
ド21と外筒部材20との相対的な位置関係(電気
角)、ひいては車体の上下振動状態に応じて、コイル2
2に電流を流せば、モータ3は本来のモータ(アクチュ
エータ)として作用し、サスペンションユニット2は振
動抑制効果を向上できるようにしている。
【0026】本実施の形態では、位置センサ30(車両
動作状態検出手段)の検出結果に応じてサスペンション
ユニット2の制御力−ストローク速度特性の補正(調
整)、ひいては制御力(推進力又は減衰力)の発生領域
を補正(調整)するようにしている。前記車両動作状態
検出手段としては位置センサ30に限らず第1、第2、
第3上下加速度センサ10,11,12、ロールレート
センサ75、ピッチレートセンサ76、車輪速センサ1
3、ハンドル角センサ14、ブレーキセンサ15を用い
るようにしてもよい。前記制御力−ストローク速度特性
の補正を含む制御装置7の制御について、(i)制御装
置の制御内容、(ii)ゲイン行列補正方法、(ii
i)制御力−ストローク速度特性の補正〔制御力−スト
ローク速度特性線図上でのモータ制御力の制限処理〕に
項分けして以下に説明する。なお、制御装置7の制御内
容などを説明するために用いる信号及びその記号を表形
式で図5に示す。
【0027】(i)制御装置の制御内容 制御装置7の機能について図6の制御ブロック図で模式
的に示す。制御装置7は、図6に示すように、車体など
に設けられた第1、第2、第3上下加速度センサ10,
11,12、ロールレートセンサ75、ピッチレートセ
ンサ76、車輪速センサ13、ハンドル角センサ14、
及びブレーキセンサ15の各出力信号のうち、図8の行
ベクトル(2)で示される上下加速度、ロールレート及
びピッチレートを、信号合せ部77に入力し、図8の行
ベクトル(3)で示される車輪速センサ出力、ハンドル
角センサ出力、ブレーキセンサ出力を、増幅部78に送
りゲインの補正などに用いるようにしている。また、位
置センサ30の出力信号により得られるサスペンション
(サスペンションユニット)速度信号、変位信号を信号
合せ部77に入力し、前記上下加速度、ロールレート及
びピッチレートと共にフィードバック信号としてフィー
ドバック信号処理部79に入力すると共に、関数補正処
理部80に入力し、制御力発生領域の調整(補正)を行
うようにしている。フィードバック信号処理部79は目
標値とフィードバック信号との差分信号を求め、この差
分信号を増幅部78を介して関数補正処理部80に入力
する。関数補正処理部80は、増幅部78を介して送ら
れた信号を補正関数に基づいて処理してモータ3に対す
る制御信号を得、この制御信号に基づいてモータ3を制
御する。前記第1、第2、第3上下加速度センサ10,
11,12、ロールレートセンサ75、ピッチレートセ
ンサ76、車輪速センサ13、ハンドル角センサ14、
及びブレーキセンサ15の各出力信号は、行ベクトルを
用いて表すと図7の式(1)に示すようになる。
【0028】前記サスペンション速度信号,変位信号
は、各輪のサスペンションユニット2の変位、速度であ
り、行ベクトルで示すと図9の式(4)のようになる。
信号合せ部77で加え合わせにより得られ増幅部78に
送られる信号〔式(2)及び式(4)を合せた信号〕に
ついて行ベクトルで示すと図10の式(5)のようにな
る。
【0029】制御系の目標値は、車両の振動や姿勢変化
を例えばゼロとするようにすると、11行のゼロベクト
ルとなり、制御出力が図11の式(6)であるとする
と、制御則は図12の式(7)に示すようになる。
【0030】(ii)ゲイン行列補正方法 式(7)中、kは4行11列のゲイン行列であり、車両
の緒元から決定される定数行列である。ゲイン行列は、
上述した増幅部78で車輪速センサ出力、ハンドル角セ
ンサ出力、ブレーキセンサ出力信号〔式(3)〕により
補正されるが、このゲイン行列補正処理について、図1
3に基づいて説明する。
【0031】まず、車速検出手段としての車輪速センサ
13の出力信号(車輪速)、姿勢状態検出手段としての
ハンドル角センサ14の出力信号(ハンドル角)及び姿
勢状態検出手段としてのブレーキセンサ15の出力信号
(ブレーキ量)を取り込む(ステップS1)。次に、ステ
ップS1で取り込んだ車輪速が既定値よりも大きいか否
かを判定する(ステップS2)。ステップS2でYes
(車輪速が既定値よりも大きい)と判定すると、サスペ
ンションユニット2のストローク速度、変位に関するゲ
インを車輪速及び既定値の差分〔(車輪速)−(既定
値)〕に応じて低下させる(ステップS3)。これは、車
速が高い高速道路などを走行した場合(ただし直線走行
時)は,路面状況が良いので、サスペンションストロー
クは短く,振動は高周波域にシフトする。このような場
合,サスペンションが発生しなければならない力(減衰
力)は小さくても良いので、制御力のゲインを低下させ
ても乗り心地について問題はなく、消費電力も少なくな
り、かえって、積極的に電力回生できる領域になる。
【0032】次に、ステップS1で取り込んだハンドル
角が既定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS
4)。ステップS4でYes(ハンドル角が既定値より
も大きい)と判定すると、ロールと左右のサスペンショ
ンユニット2の変位に関するゲインをハンドル角及び既
定値の差分〔(ハンドル角)−(既定値)〕に応じて増
加させる(ステップS5)。これは、高速でハンドルを動
かし姿勢変化が生じるような場合は、減衰力を小さくし
すぎると姿勢変化を生じ操縦安定性が損なわれる。そこ
で、高速であっても姿勢変化を生じるような場合は、ゲ
インを低化させる量を減らすか、または、ゲイン低化を
中止することにより、充分な減衰効果を得て、操縦安定
性を高める。
【0033】次に、ステップS1で取り込んだブレーキ
量が既定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS
6)。ステップS6でYes(ブレーキ量が既定値より
も大きい)と判定すると、ピッチングと前後のサスペン
ションユニット2変位に関するゲインをブレーキ量及び
既定値の差分〔(ブレーキ量)−(既定値)〕に応じて
増加させる(ステップS7)。これも上記と同様で、高速
でブレーキを踏み、姿勢変化が生じるような場合は、減
衰力を小さくしすぎると姿勢変化を生じ操縦安定性が損
なわれる。そこで、高速であっても姿勢変化を生じるよ
うな場合は、ゲインを低下させる量を減らすか、また
は、ゲイン低化を中止することにより、充分な減衰効果
を得て、操縦安定性を高める。
【0034】図6の処理を行うことにより上下方向の制
御のみならず、車輪速、ロール、ピッチングに対する制
御を行えるようにしていると共に、図13のゲイン行列
補正処理を行うことにより、車輪速、ロール、ピッチン
グに対する制御が良好なものになるようにしている。前
記増幅部78からの信号が関数補正処理部80に入力さ
れ、前記増幅部78からの信号に応じた制御出力がモー
タ3の駆動部に入力されて所望の制御力を発生する。そ
して、増幅部78からの信号が車輪速、ロール、ピッチ
ング(走行状態、挙動状態)に応じて上述したように補
正処理(図13ゲイン行列補正処理)されることによ
り、前記制御力も補正される、すなわちサスペンション
ユニット2が得る制御力(推進力又は減衰力)が調整
(補正)されることになる。また、関数補正処理部80
は上述したように、位置センサ30の検出信号に基づく
サスペンション速度、変位により関数が補正され、これ
によりサスペンションユニット2の制御力(推進力又は
減衰力)発生領域が調整(補正)されることになる。上
記サスペンションユニット2の制御力の調整(補正)処
理について説明する。
【0035】(iii)制御力−ストローク速度特性の
補正 〔制御力−ストローク速度特性線図上でのモータ3制御
力の制限処理〕まず、サスペンションユニット2の制御
力−ストローク速度特性について、図14に基づいて説
明する。サスペンションユニット2(モータ3)の制御
力u及びストローク速度vの対応関係は、ストローク速
度を横軸にとり、制御力を縦軸にとると、図14に示す
ようになる。図14の第1、第3象限がサスペンション
ユニット2(モータ3)が本来のモータ(アクチュエー
タ)として動作する領域であり、第2、第4象限が粘性
減衰を生じるダンパ領域である。第2、第4象限(ダン
パ領域)の一部ではサスペンションユニット2(モータ
3)が発電機として動作し、車体の振動エネルギーが回
生可能な領域となり、その他では、電力を供給し減衰力
を増加させている。
【0036】サスペンションユニット2(モータ3)が
発生する制御力の最大の値(最大制御力)umaxは、モ
ータ3に供給可能な最大電流値で決定される。また、回
生可能な領域は、第2、第4象限を通る直線(図15参
照。以下、回生領域決定直線という。)〔ここでは、u
=−c2vとする。〕により定まる。そして、回生領域
は回生領域決定直線の傾き係数c2で決定される。この
傾き係数c2はモータ3固有の値である逆起電圧定数
(単位:V/m/s)で決定される。図15において、
第2,第4象限のうち,モータが単に発電機として動作
し回生できる領域は縦線ハッチング域であり、斜め線ハ
ッチング域はコイルに回生電流がより流れるようにドラ
イバ側で電流を付勢し,減衰力を高めた領域である。縦
線ハッチング域内であれば,付加エネルギーゼロで減衰
力を調整可能である。
【0037】また、第1、第3象限におけるモータ3の
動作領域は、第1、第3象限を通る直線(図15参照。
以下、モータ3領域動作範囲決定直線という。)〔ここ
では、u=−c3vとする。〕により定まる。そして、
モータ領域動作範囲はモータ領域動作範囲決定直線の傾
き係数c3で決定される。この傾き係数c3はモータ3固
有の値である逆起電圧定数(単位:V/m/s)で決定
される。
【0038】モータ3が発生する制御力の補正(制限)
ひいてはサスペンションユニットの制御力発生領域の補
正(制限)を行うには、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)
を行うことで対処できる。 (イ)最大制御力umaxを引き下げる。 (ロ)ダンパ領域(第2、第4象限)での動作領域を制
限する。 (ハ)モータ領域(第1、第3象限)での動作領域を制
限する。 すなわち、図15において、サスペンションとして仕事
をする動作範囲であるハッチングされた領域全てを狭め
ることである。
【0039】前記(イ)、(ロ)、(ハ)の対処方法は
以下のようにして実現可能である。(イ)の場合(最大
制御力umaxを引き下げる。)は、電流値に対するリミ
ッタの調整値を低くして、モータ3に供給する最大電流
値を下げることで実現可能である。つまり、図15のう
ち、最大制御力umax(最大制御力−umax)に対応する
線分(イ1)を原点方向に引き寄せることにより実現さ
れる。
【0040】前記最大制御力−umaxのマイナス符号は
サスペンションユニット2の伸びに対する抑える方向の
制御力(いわば伸びハードとする力)を示す。また、最
大制御力umaxの+(−マイナス符号がないこと)はサ
スペンションユニット2の縮みに対する伸び方向の制御
力(いわば縮みハードとする力)を示す。
【0041】線分(イ1)の原点方向への引き寄せなど
の調整は、 制御力uが正の値の場合、 u=u1 (v≦0、第2象限) u=u1−cev (v>0、第1象限) 制御力uが負の値の場合、 u=−u1 (v≦0、第4象限) u=−u1−cev (v>0、第3象限) ただし、u1:リミッタ後の電流 ce:モータ3の粘性減衰係数 v:ストローク速度 で表されるから、電流値u1はIGBT49のスイッチ
ングを調整することでモータ制御力の調整ひいてはサス
ペンションユニット2の減衰力発生領域の調整が可能で
ある。
【0042】(ロ)の場合〔ダンパ領域(第2、第4象
限)での動作領域を制限する。〕は、制御力uが、 u=−c2v ただし、c2: ダンパ領域の最大減衰係数 で表されるから、c2(ダンパ領域の最大減衰係数)
〔傾き〕を調整(変更)することでモータ制御力の調整
ひいてはサスペンションユニット2の減衰力発生領域の
調整が可能である。なお、c2(モータ領域の最大減衰
係数)はIGBT49のスイッチングを調整することに
より調整できる。
【0043】(ハ)の場合〔モータ領域(第1、第3象
限)での動作領域を制限する。〕は、制御力uが、 u=c3v ただし、c3: モータ領域の最大減衰係数 で表されるから、c3(モータ領域の最大減衰係数)
〔傾き〕を調整(変更)することでモータ制御力の調整
が可能である。
【0044】図15に基づいて説明したモータ制御力の
調整(モータ3の駆動状態及び回生状態の調整)、すな
わちモータ3の制御力−ストローク速度特性線図上での
モータ制御力の調整(制限)ひいてはサスペンションユ
ニット2の減衰力発生領域の調整は、関数補正処理部8
0が行うが、この関数補正処理部80(制御装置7)に
よる調整方法を、図16に基づいて説明する。
【0045】まず、位置センサ30の検出信号により得
られるサスペンションユニット2の変位、速度を読み込
む(ステップS11)。次に、制御力、変位などから制御
モードを決定する(ステップS12)。次に、前記ステッ
プS11で読み込んだサスペンションユニット2の変
位、速度に応じて最大制御力を抑制する〔前記(イ)の
実行〕か否かを判定する(ステップS13)。ステップS
13でYes(最大制御力を抑制する)と判定した場
合、u1<um axとなるように設定する(ステップS1
4)。ステップS13でNo(最大制御力を抑制しな
い)と判定した場合、u1=umaxとなるように設定する
(ステップS15)。
【0046】ステップS14又はステップS15に続い
て、前記ステップS11で読み込んだサスペンションユ
ニット2の変位、速度に応じて電力回生が必要であるか
否かを判定する(ステップS16)。ステップS16でY
es(電力回生が必要である)と判定した場合、c2
eとなるように設定する(ステップS17)。ステップ
S16でNo(電力回生が必要でない)と判定した場
合、最大減衰係数がc2>ceとなるように設定する(ス
テップS18)。
【0047】ステップS18に続いて、アクティブ制御
が必要であるか否かを判定する(ステップS19)。ステ
ップS19でYes(アクティブ制御が必要である)と
判定した場合、c3>0の範囲でアクティブ領域を設定
する(ステップS20)。ステップS19でNo(アクテ
ィブ制御が必要でない)と判定した場合、又はステップ
S17の処理が終了した場合、c3=0とする(ステップ
S21)。
【0048】ステップS20又はS21に続いて、制御
力が制限範囲を超えるか否かを判定する(ステップS2
2)。ステップS22でYes(制御力が制限範囲を超
える)と判定すると、制御力が制限内に入るように変更
して(ステップS23)、当該サンプリング周期の処理を
終了する。ステップS22でNo(制御力が制限範囲を
超えていない)と判定すると、前記ステップS23を飛
ばして当該サンプリング周期の処理を終了する。
【0049】上述した実施の形態では、位置センサ30
の検出信号に基づくサスペンション速度、変位(走行状
態、挙動状態)により関数が補正され、これによりサス
ペンションユニット2の制御力(推進力又は減衰力)が
調整(補正)されることになる。このため、制御力発生
領域の調整(補正)をサスペンション速度、変位状態に
応じて行えることから、例えば走行状態に対応して制御
力−ストローク速度特性が一律のものとなっている従来
技術に比して、制御力の発生を、精度高くかつ広範囲に
果たすことができる。さらに、制御力の発生を走行状態
に応じて発生できることから、回生領域の範囲を広げる
ことが可能であり、これにより消費電力の低減を容易に
実行できる。さらに、(1)車両全体の消費電力を一定
値以下に抑制することを容易に行え、(2)バッテリ
(モータ用電源)上がり、動力ケーブルの発熱を防止で
きる。
【0050】さらに、非常時以外の際にモータ3のコイ
ル22の温度を一定値以下に抑制することができるた
め、以下の作用、効果を奏する。 (3)コイル22の膨張が抑制され、コイル22−永久
磁石23間のギャップを小さくすることができ、モータ
3の推力を向上できる。 (4)永久磁石23の周囲温度の上昇を抑制できるた
め、永久磁石23の熱によって減磁する虞が少なくな
る。 (5)モータ3(サスペンションユニット2)の発熱が
抑えられるので、シール類、油脂類の耐久性を向上させ
ることができる。 (6)モータ3(サスペンションユニット2)の熱膨
張、収縮の程度が小さくなり、膨張、収縮の繰り返しに
よる疲労を抑制できるため、装置の耐久性が向上する。
【0051】本実施の形態では車輪速、ロール、ピッチ
ング(走行状態、車両状態)に応じて上述したように補
正処理(図13ゲイン行列補正処理)されることによ
り、前記制御力も補正される、すなわちサスペンション
ユニット2が得る制御力(推進力又は減衰力)が調整
(補正)されることになる。
【0052】本実施の形態では、サスペンションユニッ
ト2が円筒形リニアモータ構造である場合を例にした
が、これに代えて、図17に示すサスペンションユニッ
ト2Aを用いてもよい。また、回転モータを用いたもの
であっても良い。図17に示すサスペンションユニット
2Aは、外筒部材20Aと、外筒部材20Aに一端側が
挿入され他端側が外筒部材20Aから突出する筒状のロ
ッド21Aと、ロッド21Aの一端側に固定されたボー
ルナット65と、ボールナット65に螺合し、ベアリン
グ66を介して外筒部材20Aに回動可能に支持された
ボールねじ67とを備えている。サスペンションユニッ
ト2Aは、さらに、ボールねじ67と同軸のシャフト6
8に固定された永久磁石23Aと、外筒部材20Aに固
定されたコイル22Aと、コイル22A内に設けられた
図示しないコア材とを備えている。外筒部材20Aの開
口端には、環状の案内部材69が装着され、案内部材6
9の内側にはロッド21Aに摺動してこのロッド21A
を案内する摺動部70が設けられている。
【0053】このサスペンションユニット2Aでは、コ
イル22Aへの通電によりコイル22Aと永久磁石23
Aとの間に電磁力を発生し、永久磁石23A(シャフト
68)ひいてはボールねじ67が回転し、これによりボ
ールナット65を介してロッド21Aが外筒部材20A
に対して軸方向に相対変位し、推進力を発生し、振動抑
制効果を向上できるまた、車体の上下振動に伴いロッド
21A及び外筒部材20Aが軸方向に相対的に変位すれ
ば、軸方向の動きがボールナット65及びボールねじ6
7により回転運動に変換され、永久磁石23A(シャフ
ト68)が回転しコイル22Aに起電力が発生し、ロッ
ド21A及び外筒部材20Aの相対速度に応じた抵抗
力、すなわち減衰力を発生することになる。なお、上記
実施の形態では、高速時にゲインを補正しているが、こ
れに限らず、高速では、制御を中止するようにしてもよ
い。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、車速検出
手段により検出された車速が所定値以上のとき、所定値
未満のときより消費電力が少なくなるように前記制御量
を補正する補正手段とを備えたことにより、路面からの
大きな入力のない高速走行中には、乗り心地等を殆ど犠
牲にせずに制御量を減らし消費電力を下げることがで
き、バッテリ(モータ用電源)上がり、動力ケーブルの
発熱を防止できる。また、請求項2の発明によれば、高
速であっても、車両の姿勢変化を所定以上となる場合に
は、制御量を請求項1のときと比べて増やすことによ
り、操縦安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電磁サスペンショ
ン装置を模式的に示す図である。
【図2】図1のサスペンションユニットを示す断面図で
ある。
【図3】図1の制御装置を模式的に示すブロック図であ
る。
【図4】図1のドライバを模式的に示すブロック図であ
る。
【図5】図1の電磁サスペンション装置のサスペンショ
ン制御に用いる信号の一部とその記号を表形式で示す図
である。
【図6】制御装置7の制御内容を模式的に示すブロック
図である。
【図7】センサ出力である行ベクトル式(1)を示す図
である。
【図8】センサ出力である行ベクトル式(2)、(3)
を示す図である。
【図9】フィードバック信号である行ベクトル式(4)
を示す図である。
【図10】フィードバック信号である行ベクトル式
(5)を示す図である。
【図11】制御信号の行ベクトル式(6)を示す図であ
る。
【図12】制御装置7の制御則を表す式(7)を示す図
である。
【図13】ゲイン行列補正処理特性を示す図である。
【図14】制御力−ストローク速度特性を示す図であ
る。
【図15】制御力−ストローク速度特性線図上での制御
力の制限を示すための図である。
【図16】図15の処理内容を示すフローチャートであ
る。
【図17】図2のサスペンションユニットに代る他のサ
スペンションユニットを示す断面図である。
【符号の説明】
1 電磁サスペンション装置 2 サスペンションユニット 3 モータ 7 制御装置 13 車輪速センサ(車速検出手段) 14 ハンドル角センサ(姿勢状態検出手段) 15 ブレーキセンサ(姿勢状態検出手段) 22 コイル(コイル部材) 23 永久磁石(磁石部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筑間 寛 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3D001 AA02 AA18 BA01 DA17 EA07 EA08 EA22 EA34 EA42 EB26 ED02 ED21 3D014 DD02 DE22 3J048 AA02 AB08 AB11 AC08 BE09 CB19 DA03 EA15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車体側と車輪側の一方側に磁石部
    材を設け、他方側にコイル部材を設け、前記コイル部材
    への通電駆動により前記磁石部材との間に生じる電磁力
    によって推進力を得、前記コイル部材と前記磁石部材と
    の相対的変位により生じる起電力によって減衰力を得る
    サスペンションユニットと、前記車両の走行状態により
    前記サスペンションユニットへの通電を制御する制御手
    段とからなる電磁サスペンション装置において、 前記車両の車速を検出する車速検出手段と、 該車速検出手段により検出された車速が所定値以上のと
    き、所定値未満のときより消費電力が少なくなるように
    前記制御量を補正する補正手段とを備えたことを特徴と
    する電磁サスペンション装置。
  2. 【請求項2】車両の姿勢変化を検出する姿勢状態検出手
    段を設け、車体の姿勢の変化が所定以上となる場合に、
    前記補正手段による補正を小さくする、または、中止す
    ることを特徴とする請求項1記載の電磁サスペンション
    装置。
JP2001301168A 2001-09-28 2001-09-28 電磁サスペンション装置 Pending JP2003104025A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301168A JP2003104025A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 電磁サスペンション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301168A JP2003104025A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 電磁サスペンション装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003104025A true JP2003104025A (ja) 2003-04-09

Family

ID=19121620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001301168A Pending JP2003104025A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 電磁サスペンション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003104025A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003104679A1 (ja) * 2002-06-06 2003-12-18 カヤバ工業株式会社 電磁緩衝器
WO2003104680A1 (ja) * 2002-06-06 2003-12-18 カヤバ工業株式会社 電磁緩衝器
JP2005262939A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Kayaba Ind Co Ltd アクティブサスペンション
JP2007083813A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Kayaba Ind Co Ltd 電磁サスペンション装置および電磁サスペンション装置の制御装置
JP2007161100A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Toyota Motor Corp サスペンション装置
JP2007302211A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Toyota Motor Corp サスペンションシステム
WO2008032562A1 (fr) * 2006-09-12 2008-03-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Système de suspension pour véhicule
KR100820460B1 (ko) 2006-09-05 2008-04-08 현대자동차주식회사 전자기력을 이용한 차량의 쇽 업소버 장치
WO2008044395A1 (fr) 2006-10-13 2008-04-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Système de suspension de véhicule
JP2008155758A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Toyota Motor Corp 車両用サスペンションシステム
EP1985476A1 (en) * 2006-02-16 2008-10-29 Kayaba Industry Co., Ltd. Electromagnetic suspension device
JP2009001203A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Toyota Motor Corp 車両用サスペンションシステム
JP2009018720A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Denso Corp 電磁サスペンション制御システム
JP2010254098A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Bridgestone Corp エンジン制振システム
JP2011529822A (ja) * 2008-08-06 2011-12-15 スプリング オフ ソシエタ レスポンサビリタ リミタータ オートバイ用セミアクティブサスペンションシステムを制御する方法および装置
JP2013154843A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動式サスペンション制御装置
WO2014055639A1 (en) * 2012-10-03 2014-04-10 Bose Corporation Active suspension system
WO2015079109A1 (en) * 2013-11-27 2015-06-04 Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy Protection against excessive forces in a suspension arrangement
JP2020011597A (ja) * 2018-07-18 2020-01-23 本田技研工業株式会社 車両のサスペンションシステム
JP7431915B1 (ja) 2022-09-27 2024-02-15 カヤバ株式会社 シリンダ装置

Cited By (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100387863C (zh) * 2002-06-06 2008-05-14 萱场工业株式会社 电磁缓冲器
WO2003104680A1 (ja) * 2002-06-06 2003-12-18 カヤバ工業株式会社 電磁緩衝器
CN100351544C (zh) * 2002-06-06 2007-11-28 萱场工业株式会社 电磁缓冲器
WO2003104679A1 (ja) * 2002-06-06 2003-12-18 カヤバ工業株式会社 電磁緩衝器
JP2005262939A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Kayaba Ind Co Ltd アクティブサスペンション
JP2007083813A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Kayaba Ind Co Ltd 電磁サスペンション装置および電磁サスペンション装置の制御装置
JP2007161100A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Toyota Motor Corp サスペンション装置
EP1985476A4 (en) * 2006-02-16 2009-05-06 Kayaba Industry Co Ltd ELECTROMAGNETIC HANGING DEVICE
EP1985476A1 (en) * 2006-02-16 2008-10-29 Kayaba Industry Co., Ltd. Electromagnetic suspension device
JP2007302211A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Toyota Motor Corp サスペンションシステム
KR100820460B1 (ko) 2006-09-05 2008-04-08 현대자동차주식회사 전자기력을 이용한 차량의 쇽 업소버 장치
US8370022B2 (en) 2006-09-12 2013-02-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Suspension system for vehicle
US8285448B2 (en) 2006-09-12 2012-10-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Suspension system for vehicle
JP2008068650A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Toyota Motor Corp 車両用サスペンションシステム
JP4519113B2 (ja) * 2006-09-12 2010-08-04 トヨタ自動車株式会社 車両用サスペンションシステム
WO2008032562A1 (fr) * 2006-09-12 2008-03-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Système de suspension pour véhicule
WO2008044395A1 (fr) 2006-10-13 2008-04-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Système de suspension de véhicule
JP4525660B2 (ja) * 2006-10-13 2010-08-18 トヨタ自動車株式会社 車両用サスペンションシステム
US7887064B2 (en) 2006-10-13 2011-02-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Suspension system for vehicle
JP2008094298A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Toyota Motor Corp 車両用サスペンションシステム
JP2008155758A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Toyota Motor Corp 車両用サスペンションシステム
JP2009001203A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Toyota Motor Corp 車両用サスペンションシステム
JP2009018720A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Denso Corp 電磁サスペンション制御システム
JP2011529822A (ja) * 2008-08-06 2011-12-15 スプリング オフ ソシエタ レスポンサビリタ リミタータ オートバイ用セミアクティブサスペンションシステムを制御する方法および装置
JP2010254098A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Bridgestone Corp エンジン制振システム
JP2013154843A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動式サスペンション制御装置
WO2014055639A1 (en) * 2012-10-03 2014-04-10 Bose Corporation Active suspension system
WO2015079109A1 (en) * 2013-11-27 2015-06-04 Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy Protection against excessive forces in a suspension arrangement
CN105992889A (zh) * 2013-11-27 2016-10-05 芬兰国家技术研究中心股份公司 对悬置装置中过量的力的防护
JP2016539844A (ja) * 2013-11-27 2016-12-22 テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ 過度の力から保護するサスペンション構造体
US11041540B2 (en) 2013-11-27 2021-06-22 Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy Protection against excessive forces in a suspension arrangment
JP2020011597A (ja) * 2018-07-18 2020-01-23 本田技研工業株式会社 車両のサスペンションシステム
JP7431915B1 (ja) 2022-09-27 2024-02-15 カヤバ株式会社 シリンダ装置
WO2024070205A1 (ja) * 2022-09-27 2024-04-04 カヤバ株式会社 シリンダ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003104025A (ja) 電磁サスペンション装置
US7384047B2 (en) Stabilizer control apparatus
US7418325B2 (en) Suspension system for vehicle
JP5093295B2 (ja) 操舵装置及び操舵制御装置
JP4528327B2 (ja) 操舵システム
DE102007000098A1 (de) Stabilisator-Steuerungseinheit zur Steuerung einer Wanksteifigkeit eines Stabilisators
JP2007106257A (ja) 車両用サスペンションの制御方法および装置
JP5477458B2 (ja) スタビライザシステム
CN111731375A (zh) 转向控制***
JP2003223220A (ja) 電磁サスペンション装置
JP2023117075A (ja) 車両挙動制御システム
JP2003042224A (ja) 電磁サスペンション装置
JP2010254132A (ja) 車両のロール制御装置
JP2000071739A (ja) スタビライザの効力制御装置
JP2008260403A (ja) 操舵システム
JP4359315B2 (ja) 車両の全輪操舵装置
JP3840337B2 (ja) スタビライザの効力制御装置
JP2009274575A (ja) 車両用サスペンションシステム
JP3718594B2 (ja) スタビライザの効力制御装置
JP2007083760A (ja) スタビライザ制御装置
JP2011131611A (ja) 車両の電磁サスペンション装置
JP5699588B2 (ja) サスペンション制御装置
JP2011005928A (ja) 車両のトー角制御装置
JP3894671B2 (ja) スタビライザの効力制御装置
JP2010058677A (ja) 電動パワーステアリングの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041129