JP2003222037A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2003222037A
JP2003222037A JP2002356817A JP2002356817A JP2003222037A JP 2003222037 A JP2003222037 A JP 2003222037A JP 2002356817 A JP2002356817 A JP 2002356817A JP 2002356817 A JP2002356817 A JP 2002356817A JP 2003222037 A JP2003222037 A JP 2003222037A
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nox
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air
exhaust gas
exhaust
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JP2002356817A
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Kojiro Okada
公二郎 岡田
Osamu Nakayama
修 中山
Yasuki Tamura
保樹 田村
Kazuhito Kawashima
川島  一仁
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOx 触媒から放出されたNOx を還元して
排ガス性能の悪化を抑制する。 【解決手段】 NOx 放出手段により空燃比をリッチ側
に変更して排気雰囲気を酸素濃度低下雰囲気とし、NO
x 触媒中のNOx を放出させる際に、NOx 放出手段の
作動期間中における所定時期に、排気通路に放出された
NOx を還元する還元剤を、放出されるNOx と還元さ
れるNOx との割合が等しくなるように、還元剤供給手
段33により主噴射の燃料噴射とは別に追加供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素過剰雰囲気と
なる空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOx を吸
蔵すると共に酸素濃度低下雰囲気となる空燃比が理論空
燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したNOx を放出
する触媒装置(NOx 触媒)を排気通路に備えた内燃機
関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費の向上を図るため、リーン空
燃比での燃焼を可能とした希薄燃焼内燃機関が実用化さ
れている。この希薄燃焼内燃機関では、従来の三元触媒
ではその浄化特性によりリーン燃焼時の排ガス中のNO
x を十分に浄化できないといった問題がある。そこで、
近年では、例えば、リーン燃焼時に排ガス中のNOx を
吸蔵して排気中のNOx を浄化する触媒装置(NOx 触
媒)が採用されてきている。
【0003】NOx 触媒としては、酸素過剰雰囲気中
(リーン空燃比)ではNOx を触媒上に吸蔵させること
により排気中のNOx を浄化し、酸素濃度が低下すると
(理論空燃比またはリッチ空燃比)付着したNOx を放
出する機能を有していることが知られている。つまり、
NOx 触媒は、酸素濃度過剰雰囲気では、排気中のNO
x から硝酸塩を生成し、これによりNOx を吸蔵する一
方、酸素濃度が低下した雰囲気では、NOx 触媒に吸蔵
した硝酸塩と排気中のCOとを反応させて炭酸塩を生成
し、これによりNOx を放出させるようになっている。
【0004】NOx 触媒は、リーン運転中の酸素過剰雰
囲気中ではNOx を触媒上に吸蔵させることになるが、
リーン運転を連続して行いNOx の吸蔵量が飽和量に達
した時には排気中のNOx の大部分が大気に排出される
ことになる。そこで、NOxの吸蔵量が飽和量に達する
前に、空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に切り換
え、排気を酸素濃度が低下した雰囲気にしてNOx を放
出還元させ、NOx 触媒のNOx 吸蔵能力を回復させる
ようにしている。そして、NOx 吸蔵能力を回復させる
ため、機関の空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に
切り換える際に、空燃比を徐々に理論空燃比またはリッ
チ側に変更することで、機関のトルクショックを抑制し
ながらNOx を放出還元させる技術が、例えば、特許文
献1等で公知となっている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−166913号公報
【0006】NOx 吸蔵能力を回復させるために機関の
空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比に切り換えて
(COを発生させ排気中、即ち、NOx 触媒に供給し
て)NOx を放出還元する場合、供給されたCOは、吸
蔵されたNOx を放出するために一部のCOが消費さ
れ、放出されたNOx を還元するために残りのCOが消
費される。この残りのCO及びHC等の還元剤によって
還元されるNOx と、放出されたNOx の割合が一致し
ていれば、NOx 及びCOの大気放出を抑制することが
できる。
【0007】しかしながら、実際に上記公報に開示され
た技術では、還元されるNOx と放出されたNOx との
割合を一致させることは困難である。それは、まずNO
x 触媒に担持される触媒成分の種類や担持量等によりN
Ox 触媒の持つNOx 吸蔵能力の回復性能、即ち、吸蔵
したNOx の放出し易さ(NOx 放出速度)が変わるか
らである。
【0008】このため、NOx 吸蔵能力の回復性能を向
上させたNOx 触媒を用いた場合には、NOx が触媒上
から放出されるNOx 放出速度も向上し、排ガス中に存
在する還元剤により還元されるNOx が、放出されるN
Ox を下回る傾向(還元されるNOx <放出されるNO
x )になり、還元されずに排ガス中に残留した残留NO
x が大気中に排出されることになる。逆に、NOx 吸蔵
能力の回復性能を低く抑えたNOx 触媒を用いた場合に
は、還元されるNOx が、放出されるNOx を上回る傾
向(還元されるNOx >放出されるNOx )となり、即
ち、排ガス中に還元剤(CO等)が残留し、大気中に放
出されることになる。
【0009】また、一般にNOx 放出速度は、機関の空
燃比がリッチ側に移行するにつれて(CO量が増加する
につれて)増大するため、上記公報のように空燃比を理
論空燃比またはリッチ空燃比側へ移行する際、NOx 放
出速度はCO量が増大する理論空燃比近傍から上昇して
触媒上から放出されるNOx 放出量が増加する。しか
し、増加したNOx 放出量に対して放出したNOx を還
元するだけの還元剤(NOx 放出に寄与しなかった残り
のCO及びHC等)が少ないために、排ガス中に残留し
た放出NOx が還元されずそのまま大気中へ放出されて
しまう。
【0010】この解決法として、機関の空燃比をよりリ
ッチ化して還元剤を増量することが考えられるが、この
場合、還元剤としてのCO量も合わせて増大するため、
放出されるNOx も増えてしまい、実際には上述した、
還元されるNOx <放出されるNOx 、という関係は変
わらず、結局、還元されずに残留する残留NOx は大気
中にそのまま放出され、NOx 排出を抑制することはで
きない。
【0011】従って、上記公報に開示された技術では、
還元されるNOx と放出されたNOx とをほぼ一致させ
ることは難しく、触媒上からNOx を放出還元させる際
に排ガス特性を悪化させるという問題が生じてしまう。
【0012】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、触媒装置(NOx 触媒)から放出されるNOx を確
実に還元することができる内燃機関の排気浄化装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関の排気
浄化装置は、機関の排気空燃比がリーン空燃比から理論
空燃比またはリッチ空燃比に切り換わるとき、NOx 触
媒装置から放出されたNOx を還元する還元剤を還元剤
供給手段により供給し、排ガス特性を悪化させることな
く触媒装置から放出されたNOx を還元する。
【0014】これにより、NOx 触媒装置から放出され
たNOx が供給された還元剤によって還元されるため、
NOx がそのまま大気に放出されてしまうといった問題
が生じることがなくなり、排ガス性能の悪化を抑制する
ことが可能となる。
【0015】機関が、燃料を燃焼室内に直接噴射する噴
射弁を有する筒内噴射型内燃機関である場合には、還元
剤供給手段は、噴射弁の主噴射(吸気行程噴射または圧
縮行程)以降の膨張行程または排気行程に燃料噴射する
ことが好ましい。
【0016】これにより、複雑なデバイスを必要とせ
ず、触媒装置から放出されるNOx を確実に還元するこ
とができる。
【0017】また、本発明の内燃機関の排気浄化装置
は、NOx 放出手段により排気雰囲気を酸素濃度低下雰
囲気としてNOx 触媒中のNOx を放出させる際に、N
Ox 放出手段の作動期間中における所定時期に排気通路
に放出されたNOx を還元する還元剤を還元剤供給手段
により追加供給し、排ガス特性を悪化させることなくN
Ox 触媒から放出されたNOx を還元する。
【0018】これにより、触媒装置から放出されたNO
x が供給された還元剤によって還元されるため、NOx
がそのまま大気に放出されてしまうといった問題が生じ
ることがなくなり、排ガス性能の悪化を抑制することが
可能となる。
【0019】特に、上記還元剤供給手段により供給され
る還元剤は、NOx 放出速度を急激に上昇させない還元
剤、例えば、HCを主としたものが好ましい。このた
め、還元剤供給手段としては、例えば、筒内噴射型内燃
機関であれば、主噴射(吸気行程噴射または圧縮行程噴
射)以外に膨張行程または排気行程に追加燃料を噴射す
る燃料制御や、排気通路中に燃料を噴射する還元剤供給
専用の噴射弁であることが好ましい。
【0020】そして、NOx 触媒は、酸素過剰雰囲気と
なる排ガス中の空燃比がリーン空燃比のときに排気中の
NOx を吸蔵し、酸素濃度低下雰囲気となる排ガス中の
空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵し
たNOx を放出する機能を有するものであり、還元剤供
給手段は、前記NOx 放出手段が作動し排ガス中の空燃
比が理論空燃比近傍となる所定時期に作動する。また、
機関が、燃料を燃焼室へ直接噴射する噴射弁を有する場
合であれば、還元剤供給手段は、噴射弁の作動を制御す
ることで還元剤を追加供給する。
【0021】また、NOx 放出手段は、NOx 触媒に吸
蔵されたNOx を放出するとき、排ガス中の空燃比を第
1所定時間の間リッチ空燃比としその後第2所定時間の
間理論空燃比近傍の空燃比とする再生機能を備え、還元
剤供給手段は、NOx 放出手段により排ガス中の空燃比
がリッチ空燃比に切り換わる際に作動する。また、NO
x 触媒の劣化度合いを検知する劣化検知手段と、劣化検
知手段によりNOx 触媒の劣化度合いが高くなるほど、
NOx 放出手段における再生機能の第2所定時間を長く
するよう補正する、もしくは、還元剤供給手段の作動期
間を短くするよう補正する補正手段とを有する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明をより詳細に説述するため
に、添付の図面に従ってこれを説明する。
【0023】多気筒型筒内噴射内燃機関としては、例え
ば、燃料を直接燃焼室に噴射する筒内噴射型直列4気筒
ガソリンエンジン(筒内噴射エンジン)1が適用され
る。筒内噴射エンジン1は、例えば、燃焼モード(運転
モード)を切り換えることで、吸気行程での燃料噴射
(吸気行程噴射モード)または圧縮行程での燃料噴射
(圧縮行程噴射モード)が実施可能となっている。そし
て、この筒内噴射エンジン1は、理論空燃比(ストイ
キ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運
転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)
が実現可能となっており、特に、圧縮行程噴射モードで
は、吸気行程でのリーン空燃比運転よりも大きな空燃比
となる超リーン空燃比での運転が可能となっている。
【0024】図1に示すように、筒内噴射エンジン1の
シリンダヘッド2には各気筒毎に点火プラグ3が取り付
けられると共に、各気筒毎に電磁式の燃料噴射弁4が取
り付けられている。燃焼室5内には燃料噴射弁4の噴射
口が開口し、燃料噴射弁4から噴射される燃料が燃焼室
5内に直接噴射されるようになっている。筒内噴射エン
ジン1のシリンダ6にはピストン7が上下方向に摺動自
在に支持され、ピストン7の頂面には半球状に窪んだキ
ャビティ8が形成されている。キャビティ8により、図
1では時計回りの逆タンブル流を発生させるようになっ
ている。
【0025】シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立
方向に吸気ポートが形成され、各吸気ポートと連通する
ようにして吸気マニホールド9の一端がそれぞれ接続さ
れている。また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略
水平方向に排気ポートが形成され、各排気ポートと連通
するようにして排気マニホールド10の一端がそれぞれ
接続されている。また、排気マニホールド10には図示
しないEGR装置が設けられている。
【0026】一方、エンジン1の排気マニホールド10
には排気管(排気通路)11が接続され、エンジン1に
近接した小型の三元触媒12及び触媒装置としての排気
浄化触媒装置13を介して図示しないマフラーが接続さ
れている。排気管11における三元触媒12と排気浄化
触媒装置13との間の部分には、排気浄化触媒装置13
の直上流、即ち、後述するNOx 触媒15の直上流に位
置して排気温度を検出する高温センサ14が設けられて
いる。
【0027】排気浄化触媒装置13は、酸素過剰雰囲気
となる排気空燃比がリーン空燃比のときにNOx を触媒
上に吸蔵させることにより排気中のNOx を浄化し、酸
素濃度が低下して排気空燃比が理論空燃比またはリッチ
空燃比のときに付着したNOx を放出し還元する機能を
有したNOx 触媒15(触媒装置)と、理論空燃比の雰
囲気でCO,HC及びNOx を浄化可能な三元機能を有
した三元触媒16とを備えている。三元触媒16はNO
x 触媒15よりも下流側に配設され、NOx 触媒15か
ら放出されたNOx のうちNOx 触媒15で還元しきれ
なかったNOxの還元も行なう。尚、排気浄化触媒装置
13の構成は、NOx 触媒15を少なくとも一つ備えた
ものであれば、配置や機能等は上記実施例に限定される
ものではない。
【0028】NOx 触媒15は、酸化雰囲気においてN
Ox を一旦吸蔵させ、主としてCOの存在する還元雰囲
気中においてNOx を放出してN2 (窒素)等に還元さ
せるNOx 放出還元機能を持つものである。詳しくは、
NOx 触媒15は、貴金属として白金(Pt)、パラジ
ウム(Pd)等を有した触媒として構成され、吸蔵剤と
してはバリウム(Ba)等のアルカリ金属、アルカリ土
類金属が採用されている。そして、排気浄化触媒装置1
3の下流側にはNOx 濃度を検出するNOx センサ17
が設けられている。
【0029】一方、吸気マニホールド9にはドライブバ
イワイヤ(DBW)方式の電動スロットル弁21が接続
され、スロットル弁21にはスロットル開度θthを検出
するスロットルポジションセンサ22が設けられてい
る。エンジン1には、クランク角を検出するクランク角
センサ23が設けられ、クランク角センサ23はエンジ
ン回転速度Neを検出可能となっている。
【0030】車両には電子制御ユニット(ECU)31
が設けられ、このECU23には、入出力装置、制御プ
ログラムや制御マップ等の記憶を行う記憶装置、中央処
理装置及びタイマやカウンタ類が備えられている。EC
U31によって筒内噴射エンジン1を含めた本実施形態
の排気浄化装置の総合的な制御が実施される。各種セン
サ類の検出情報はECU31に入力され、ECU31は
各種センサ類の検出情報に基づいて、燃料噴射モードや
燃料噴射量を始めとして点火時期等を決定し、燃料噴射
弁4や点火プラグ3等を駆動制御する。
【0031】筒内噴射エンジン1では、吸気マニホール
ド9から燃焼室5内に流入した吸気流が逆タンブル流を
形成し、圧縮行程中期以降に燃料を噴射して逆タンブル
流を利用しながら燃焼室5の頂部中央に配設された点火
プラグ3の近傍のみに少量の燃料を集め、点火プラグ3
から離隔した部分で極めてリーンな空燃比状態とする。
点火プラグ3の近傍のみを理論空燃比又はリッチな空燃
比とすることで、安定した層状燃焼(層状超リーン燃
焼)を実現しながら燃料消費を抑制する。
【0032】また、筒内噴射エンジン1から高出力を得
る場合には、燃料噴射弁4からの燃料を吸気行程に噴射
することにより燃焼室5全体に均質化し、燃焼室5内を
理論空燃比やリーン空燃比の混合気状態にさせて予混合
燃焼を行う。もちろん、理論空燃比もしくはリッチ空燃
比の方がリーン空燃比よりも高出力が得られるため、こ
の際にも、燃料の霧化及び気化が十分に行なわれるよう
なタイミングで燃料噴射を行ない、効率よく高出力を得
るようにしている。
【0033】ECU31では、スロットルポジションセ
ンサ22からのスロットル開度θth とクランク角センサ
23からのエンジン回転速度Neとに基づいてエンジン
負荷に対応する目標筒内圧、即ち、目標平均有効圧Pe
が求められ、更に、この目標平均有効圧Peとエンジン
回転速度Neとに応じてマップ(図示せず)より燃料噴
射モードが設定される。例えば、目標平均有効圧Peと
エンジン回転速度Neとが共に小さいときは、燃料噴射
モードは圧縮行程噴射モードとされて燃料が圧縮行程で
噴射され、一方、目標平均有効圧Peが大きくなり、あ
るいはエンジン回転速度Neが大きくなると燃料噴射モ
ードは吸気行程噴射モードとされ、燃料が吸気行程で噴
射される。そして、目標平均有効圧Peとエンジン回転
速度Neとから各燃料噴射モードでの制御目標となる目
標空燃比(目標A/F)が設定され、適正量の燃料噴射
量がこの目標A/Fに基づいて決定される。
【0034】排気浄化触媒装置13のNOx 触媒15で
は、リーンモードにおける超リーン燃焼運転時のような
酸素濃度過剰雰囲気となる排ガス中の空燃比がリーン空
燃比のときに、排気中のNOx が硝酸塩として吸蔵され
て排気の浄化が行われる。一方、酸素濃度が低下して酸
素過剰雰囲気となる排ガス中の空燃比が理論空燃比また
はリッチ空燃比のときに、NOx 触媒15に吸蔵した硝
酸塩と排気中のCOとが反応して炭酸塩が生成されると
共にNOx が放出される。従って、NOx 触媒15への
NOx の吸蔵が進むと、空燃比のリッチ化あるいは追加
の燃料噴射を行うなどして酸素濃度を低下させCOを供
給し、型NOx 触媒15からNOx を放出還元させてN
Ox 吸蔵機能を維持する。
【0035】ECU31には、排気中の酸素濃度を低下
させて(排気雰囲気を酸素濃度低下雰囲気とする)NO
x 触媒15からNOx を放出させるためのNOx 放出手
段32が備えられている。NOx 放出手段32は、NO
x 触媒15からNOx を放出させる指令(再生指令)に
基づいて、吸蔵されたNOx を吸蔵型NOx 触媒15か
ら放出し還元する際に(NOx パージ)、第1所定時間
の間排気空燃比をリッチ空燃比とするリッチパージ機能
と、その後第2所定時間の間排気空燃比を理論空燃比近
傍(理論空燃比もしくは理論空燃比よりも僅かにリッチ
なスライトリッチ)とするストイキフィードバック(S
−F/B)パージ機能、即ち、再生機能を備えている。
【0036】また、ECU31には、還元剤供給手段3
3が備えられ、本実施例における還元剤供給手段33
は、NOx 放出手段32によるNOx の放出作動期間中
における所定時期(空燃比をリッチ空燃比に制御した際
における理論空燃比近傍となってから所定期間、即ち、
排ガス中の空燃比がリッチ空燃比に切り換わる際)に、
放出されたNOx を還元する還元剤を追加供給するた
め、膨張行程の後期(または排気行程の初期)に追加の
燃料を噴射させるパルス噴射手段である。
【0037】尚、パルス噴射手段は、NOx 放出手段3
2によるNOx の放出作動期間中における所定時期に、
膨張行程の後期(または排気行程の初期)に追加の燃料
を噴射させるように作動するが、NOx 放出手段32に
拘らず機関の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比に
切り換わるときに作動させてもよい。即ち、加速時やエ
アコン、パワステ作動時等の負荷上昇時、あるいはブレ
ーキマスターバッグの負圧確保時に機関の空燃比が理論
空燃比またはリッチ空燃比に切り換わるときに、NOx
放出手段32を作動させずとも自然にNOx が放出され
るが、その際に、膨張行程の後期(または排気行程の初
期)にパルス噴射手段を作動させて追加の燃料を噴射さ
せることも可能である。
【0038】上述した排気浄化装置の基本的な作用を図
3に基づいて説明する。
【0039】排気浄化触媒装置13のNOx 触媒15で
は、リーンモードにおける層状超リーン燃焼運転時のよ
うな酸素濃度過剰雰囲気となる排ガス中の空燃比がリー
ン空燃比のときに、排気中のNOx が酸化されて硝酸塩
が生成され、これによりNOx が吸蔵され、排気の浄化
が行われる。一方、NOx 触媒15は、酸素濃度が低下
した雰囲気となる排ガス中の空燃比が理論空燃比または
リッチ空燃比となるとき、NOx 触媒15に吸蔵した硝
酸塩と排気中のCOとが反応して炭酸塩が生成され、こ
れによりNOx が放出される。従って、NOx 触媒15
へのNOx の吸蔵が進むと、例えば、リーン運転の積算
時間が所定時間を越えると、再生指令がNOx 放出手段
32に送られ、NOx 放出手段32により空燃比を理論
空燃比もしくはリッチ空燃比に制御して酸素濃度を低下
させ、NOx 触媒15からNOxを放出させてNOx 触
媒15の機能を維持するようにしている(再生運転)。
【0040】即ち、図3(a)に示すように、目標空燃
比をリッチ空燃比側に徐々に変更し、排気雰囲気を酸素
濃度低下雰囲気とする(NOx 放出手段32の作動)。
目標空燃比をリッチ空燃比側に変更すると、図3に点線
で示すように、NOx 触媒15は担持された貴金属の性
質により、NOx 放出手段32によるNOx の放出作動
開始直後である理論空燃比近傍からCOが供給されNO
x が放出され始めるが、放出したNOx を還元するだけ
の還元剤(残りのCO及びHC等)が存在しないため、
放出されたNOx >還元されるNOx 、となってNOx
触媒15から放出されたNOx のうち還元されないNO
x がそのまま大気放出される。
【0041】そこで、再生運転時に還元剤供給手段33
により、放出されたNOx を還元する還元剤を追加供給
するため、図3に示したように、理論空燃比近傍で圧縮
行程や吸気行程での主燃料噴射とは別に、燃焼に寄与し
ないため機関の出力に影響しにくいと同時に未然の状態
でHC(還元剤)を供給できるタイミングである膨張行
程以降、好ましくは膨張行程の後期(または排気行程の
初期)に駆動パルスを立ち上げ、燃料噴射弁4を駆動し
て追加燃料を噴射する(パルス噴射)。追加の燃料量
は、放出されたNOx に応じて設定される。
【0042】これにより、図3(b)に実線で示したよ
うに、追加された還元剤によってNOx が還元されて大
気放出されるNOx 量を抑制することができる。従っ
て、NOx 及びCOの大気放出を抑えることができ、放
出されたNOx がそのまま大気に放出されてしまうとい
った問題が生じることがなくなる。
【0043】尚、ここでは基本例の説明のため、前述し
たNOx 放出手段32のストイキフィードバックパージ
部分については省略した。
【0044】還元剤を追加するための追加燃料の供給
は、燃焼が完了して排気が完了するまでの間に設定され
る。上述したように追加燃料の供給を膨張行程以降、好
ましくは膨張行程の後期(または排気行程の初期)に実
施することにより、燃焼室5内の容量が十分に確保され
ると共に、燃料の供給直後に排気弁が開いて流れが生
じ、点火プラグ3に燃料が付着することがない。
【0045】尚、NOx 触媒19は、担持される貴金属
を適宜選択して、NOx 放出速度(NOx 放出量)とN
Ox 還元速度(NOx 還元量)の差が極力小さくなるよ
うに調整することが好ましい。これにより、追加の燃料
量を減らすことができる。
【0046】上述した排気浄化装置の具体的な作用を図
4乃至図13に基づいて詳細に説明する。本実施例で
は、第1所定時間の間リッチパージを実施し、第2所定
時間の間ストイキフィードバック(S−F/B)パージ
を実施し、さらにはパルス噴射を組み合わせてNOx パ
ージを実施している。
【0047】ここで、NOx パージにおけるリッチパー
ジとストイキフイードパック(S−F/B)パージ、さ
らにはパルス噴射を組み合わせたNOx 放出還元制御の
基本的な考え方について説明する。図8にリッチ継続時
間がNOx 放出還元(NOxパージ)性能に及ぽす影響
を示す。上段は空燃比をリッチの一定値としてNOx触
媒15にCOを供給し、NOx パージした場合のリッチ
継続時間に対するNOx 放出速度のイメージ図である。
リッチ開始後の最初の部分では、NOx 放出速度が速く
NOx が急激に大量に放出され、還元剤としてのCOは
NOx の放出のために主に使われてしまっているので還
元剤が不足し、還元されずに排出されるNOx ・が大量
に発生する。還元されずに排出されるNOx ・を還元す
る還元剤を供給するために、さらにリッチ度合いを高め
てCOをより多く供給したとしても、その分NOx 触媒
15から放出されるNOx も増加しさらにNOx 放出速
度が増加するので、結局また還元剤を不足することとな
る。そこで、パルス噴射により追加燃料噴射し、未燃燃
料、即ちHCを触媒に供給すると、HCはNOx の放出
にあまり寄与しないためNOx 放出速度を速めることが
ないので、NOx 放出量を増加させることなく放出され
たNOx を還元できる。即ち、パルス噴射量を調整する
ことにより、NOx 放出速度=NOx 還元速度とするこ
とができ、還元されず排出されるNOx ・を抑制するこ
とができる。
【0048】また、リッチ開始からしばらく経った後は
NOx 放出速度が遅くなり、一定のリッチ空燃比とした
ままでは還元剤のCOが余った状態となり、還元に用い
られずに排出されるCO・が大量に発生する。そこで、
NOx 放出速度が遅い領域ではCOが過剰に供給されて
いることから、CO供給量を減らすためにリッチ度合い
を低下して空燃比をストイキあるいはスライトリッチと
すればよい。これによって還元されずに排出されるCO
を抑制することができる。
【0049】以上のように、リッチパージとS−F/B
パージ、さらにはパルス噴射を組み合わせることによ
り、NOx パージ中の各種排ガス排出量を最小としてN
Ox パージを実施できることが判る。
【0050】また、本実施例では、NOx 触媒15の劣
化度合いが高くなった際には、触媒再生のためにリッチ
パージを実施した時、初めはNOx 放出速度が速く一時
的にNOx 触媒15からNOx が多量に放出されるが、
その後のNOx 放出速度が遅い領域(即ち空燃比を理論
空燃比もしくはスライトリッチとしてNOx パージを行
う領域)でのNOx 放出に時間がかかるため、S−F/
Bパージを実施する第2所定時間を長くしている(補正
手段)。これにより、劣化度合いが低い場合に比べてN
Ox 放出に時間がかかっても燃費の悪化及び大気へ放出
される還元剤(未燃HC,CO等)を抑制しながらNO
x を十分に還元できるようにしている。
【0051】上述したNOx の放出還元制御(NOx パ
ージ制御)について図4,図5のフローチャート及び図
6,図7のタイムチャートに基づいて説明する。図6は
NOx 触媒15の劣化度合いが低い場合の状況で、図7
はNOx 触媒15の劣化度合いが高い場合の状況であ
り、図6(a)及び図7(a)にはNOx 触媒15の下
流のNOx 濃度(NOx 放出速度に相当)の状況、図6
(b)及び図7(b)には空燃比及び燃料噴射弁4の駆
動パルスの状況を示してある。
【0052】図4に示すように、ステップS1で三元触
媒16の温度TがTs以上になったか否かが判断され
(高温センサ14で検出される排気温度値で推定〉、三
元触媒16の温度TがTs以上であると判断された場合
(即ち、三元触媒16が活性温度Tsに達しており吸蔵
型NOx 触媒15からパージされたNOx を還元可能と
判断された時)、ステップS2でリーンモードの継続時
間Lt が第1規定時間t1 以上であるか、もしくは、リ
ーンモードの継続時間Lt が第2規定時間t2 以上でか
つリーンモードからストイキモードへの切り換え時か否
かが判断される。尚、第1規定時間t1 (リーン継続時
間)は後述する方法により例えば30秒に設定され、リ
ーンモードでの運転が継続的に行われている場合の判定
条件であり、第2規定時間t2 は例えば5秒に設定さ
れ、リーンモードからの加速時等の場合の判定条件であ
る。
【0053】ここで、以下にNOx パージ制御のリーン
継続時間の設定の手順を述べる。 (1)リーン運転を継続するうちにNOx がNOx 触媒
15に吸蔵しきれなくなり、大気中に放出されたNOx
量が規制量に達するまでの時間を許容破過時間とする
と、リーン継続時間は許容破過時間以下として強制的に
NOx パージ制御(強制NOx パージ)を行わなければ
なちない。そのためリーン継続時間は所定値以下である
ことが望ましい(図9参照)。
【0054】(2)図10に示すように、リーン時間が
長く続くと(三元)触媒温度が低下してくる。そうする
と、触媒の浄化効率が低下し、HCの排出値が増加す
る。そのためリーン継続時間は所定値以下であることが
好ましい。
【0055】(3)NOx パージ途中においてリーンか
らストイキまでの時間(NOx パージ無駄時間)はA/
Fとしてはリーンであるため、NOx は放出されない一
方で、リーン度合いは低下するので燃費は悪化する。そ
のため、リーン継続時間を短くすることによりNOx パ
ージの頻度が高まった場合にはNOx パージ無駄時間が
全体に占める割合が増加し、燃費が悪化する。よって、
リーン継続時間は所定値以下であることが好ましい(図
11参照)。
【0056】以上の(1)乃至(3)の条件により最適
なリーン継統時間を設定することができる。リーン継続
時間は、例えば、触媒容量、NOx 触媒15の特性、三
元触媒の特性、HC排出規制値等にも幾分影響を受ける
が、一般的には、図12に点線で示すように、上記
(2)のHC排出値の点から40秒程度以下が好まし
く、図12に実線で示すように、上記(3)の燃費の点
から20秒程度以上が好ましい。よって、リーン継続時
間は20秒から40秒、好ましくは30秒とするのがよ
い。実用の運転では、加減速があるため、定常運転(リ
ーン運転)がこれ以上連続して長く続くことは少ないの
で、実用上問題ないことが判っている。また、リーン継
続時間をNOx 触媒15へのNOx 流入量によって可変
とし、例えば、車速に対するマップとしてもよいが、略
一定値としてもよい。
【0057】ステップS2でいずれかの条件が成立した
場合(YESの場合)、吸蔵されたNOx を再生手段に
より吸蔵型NOx 触媒15から放出し還元する制御(N
Oxパージ)の開始条件が成立したので、第1所定時間
の間排気空燃比をリッチ空燃比とするリッチパージを実
行するため、ステップS3でリッチパージ時間A(第1
所定時間)及びパルス噴射時間Bを設定する。
【0058】リッチパージ時間Aは、排気流量、例えば
吸入空気量によるマップ値と、NOx 触媒15の劣化度
合い、例えば走行距離のマップ値(劣化検知手段)との
積に基づいて設定される。リッチパージ時間Aは、例え
ば1秒から5秒程度に設定され、走行距離が長くなる
程、即ち、劣化度合いが高くなる程2/3程度までの短
い時間になるように設定される。リッチパージ時間Aを
短くするのは、NOx 触媒15の劣化度合いが高くなる
と、図6(a)及び図7(a)に示したように、NOx
放出特性が変化し、NOx 放出速度が速い領域でのNO
x 放出量が減少しNOx 放出時間が短くなるためであ
り、燃費の悪化及び未然HC,COの放出の抑制を企図
している。
【0059】パルス噴射時間Bは、排気流量、例えば吸
入空気量によるマップ値と、NOx触媒15の劣化度合
い、例えば走行距離のマップ値(劣化検知手段)との積
に基づいて設定される。パルス噴射時間Bは、例えば
0.1秒から1秒程度に設定され、走行距離が長くなる
程、即ち、劣化度合いが高くなる程1/2程度までの短
い時間になるように設定される。パルス噴射時間Bを短
くするのは、前述したようにNOx 触媒15の劣化度合
いが高くなると、NOx 放出特性が変化し、NOx 放出
速度が速い領域でのNOx 放出量が減少するため、還元
剤も少量でよいためであり、燃費の悪化及び未燃HCの
放出の抑制を企図している。
【0060】ステップS3でリッチパージ時間A及びパ
ルス噴射時間Bを設定した後、空燃比がリッチ(例えば
A/F12)となるように、ステップS4でリッチパー
ジ時間Aによりリッチパージを実行する(図6、図7図
中ta)。この時、点火時期、吸入空気量、燃料噴射時
期及び目標EGR開度等を適宜制御してリーンモード時
とリッチパージ時でトルク段差がでないようにし、切替
時には空燃比テーリングを行って、空燃比が急激に変更
されないようにして切替に伴うトルクショックを低減す
る。
【0061】ステップS5で空燃比テーリングの過程で
空燃比がストイキになったか否かが判断され、ストイキ
になったと判断された場合(所定時期)、ステップS6
でパルス噴射時間Bにより燃料の追加噴射を実行する
(図6、図7中tb:ここではパルス噴射と呼称)。空
燃比のテーリング途中でリーンからストイキ近傍を越え
リッチになるあたりから排ガス中のCOの急増とともに
吸蔵型NOx 触媒15から吸蔵されたNOx が急激に大
量に放出され(図4(a)及び図7(a)参照)、還元
剤としてのCOまたはHCが十分でなくなる状態にな
る。
【0062】このため、空燃比がストイキになったタイ
ミングでパルス噴射が実行され、還元剤が追加される。
パルス噴射は、膨張行程の中期から排気行程の初期、特
に膨張行程の後期が望ましく、膨張行程の後期に燃料を
追加することで、燃焼することなく未燃の燃料(還元
剤)が俳気通路に供給され触媒上で放出されたNOx の
還元に用いられる。また、膨張行程から排気行程では燃
料を噴射しても筒内噴射エンジン1の出力に影響を与え
にくい。
【0063】また、パルス噴射は空燃比がストイキとな
った時点から開始することとしているが、これよりも噴
射開始が早すぎるとNOx 触媒15からNOx がまだあ
まり放出されていないので、パルス噴射の未燃の燃料
(還元剤)がNOx の還元に用いられずにそのまま放出
されHC排出量が増加する。逆に、パルス噴射の開始が
遅すぎると、NOx の放出の急増に対し還元剤が不足し
NOx 排出量が増加する。
【0064】ステップS6でパルス噴射が実行された
後、図5に示すように、ステップS7でパルス噴射時間
がB以上になったか否かが判断され、パルス噴射時間が
Bに満たないと判断された場合ステップS6に移行して
パルス噴射を続行し、パルス噴射時間がB以上になった
と判断された場合、ステップS8でパルス噴射を終了す
る。ステップS8でパルス噴射を終了した後、ステップ
S9でリッチパージ時間がA以上になったか否かが判断
され、リッチパージ時間がA以上になったと判断された
場合、ステップS10でリッチパージを終了する。
【0065】リッチパージを終了した後、排気空燃比を
理論空燃比とするS−F/Bパージを実行するため、ス
テップS11でS−F/Bパージ時間C(第2所定時
間)を設定する。S−F/Bパージは、排気空燃比を理
論空燃比近傍である理論空燃比よりも僅かにリッチなス
ライトリッチとしてもよい。
【0066】S−F/Bパージ時間Cは、直前のリーン
モード継続時間と排気流量、例えば吸入空気量によるマ
ップ値と、NOx 触媒15の劣化度合い、例えば走行距
離のマップ値(劣化検知手段)の3つの値の積に基づい
て設定される。これによりS−F/Bパージ時間Cは、
例えばリーンモード継続時間の0%〜50%に設定さ
れ、走行距離が長くなる程、即ち、劣化度合いが高くな
る程時間が長くなる(%が高くなる)ように設定され
る。具体的には、吸入空気量のマップ値はS−F/Bパ
ージ時間Cがリーンモード継続時間の10%〜30%と
なるよう設定し、それに対して走行距離に応じて(劣化
に応じて)0倍から1.5倍程度まで変化させる。
【0067】NOx 触媒15の劣化度合いに応じてS−
F/Bパージ時間Cを長くするのは、NOx 触媒15の
劣化度合いが高くなると、図6(a)及び図7(a)に
示したように、NOx 放出速度の遅い領域でのNOx 放
出に時間がかかるためである。具体的には、NOx 触媒
15の劣化の進行に伴いNOx 放出速度の速い領域での
NOx 放出時間が短くなると共に、NOx 放出速度の遅
い領域でのNOx 放出時間が長くなる。このため、S−
F/Bパージ時間Cを長くすることで、劣化度合いが低
い場合に比べて還元剤を長い時間供給し、NOx 放出に
時間がかかってもNOx を十分に放出し還元できるよう
にしている。
【0068】ステップS11でS−F/Bパージ時間C
を設定した後、排気空燃比が理論空燃比となるように、
ステップS12でS−F/Bパージ時間CによりS−F
/Bパージを実行する(図6、図7中tc 〜td )。こ
の時、点火時期、吸入空気量、燃料噴射時期及び目標E
GR開度等を適宜制御してリッチパージ時とS−F/B
パージ時でトルク段差がでないようにし、さらに切替時
に空燃比をテーリング(徐変)させ、空燃比が急激に変
更されないようにし、切替に伴うトルクショックを低減
する。尚、S−F/Bパージをスライトリッチで実行す
る場合、ストイキフィードバック制御時の積分補正ゲイ
ンのリッチ化のゲインをリーン化のゲインより大きく設
定すればよい。
【0069】ステップS12でS−F/Bパージが実行
された後、ステップS13でS−F/Bパージ時間がC
以上になったか否かが判断され、S−F/Bパージ時間
がCに満たないと判断された場合ステップS12に移行
してS−F/Bパージを続行し、S−F/Bパージ時間
がC以上になったと判断された場合、ステップS14で
S−F/Bパージを終了する。
【0070】図13は触媒劣化がNOx 放出速度に与え
る影響を示したデータで、NOx パージ中の各種排ガス
排出量が最小となるように設定した場合のS−F/Bパ
ージ時間、リッチパージ時間、パルス噴射時間を示して
いるが、この図からも触媒の劣化に伴いS−F/Bパー
ジ時間を長くする必要があり、NOx 放出速度の遅い部
分が増加していることが判る。その一方で、リッチパー
ジ時間とパルス噴射時間は短くする必要があり、NOx
放出速度の速い部分は減少していることがわかる。
【0071】上述した排気浄化装置は、吸蔵されたNO
x をNOx 触媒15から放出し還元する際に、第1所定
時間の間リッチパージを実行し、その後第2所定時間の
間S−F/Bパージを実行し、NOx 触媒15の劣化度
合いが高くなった際には、S−F/Bパージを実施する
第2所定時間を長くしたので、NOx 触媒15の劣化度
合いが高くなった際に、触媒再生のためにリッチパージ
を実施した時、始めはNOx 放出速度が速く一時的にN
Ox 触媒15からNOx が急激に多量に放出されるが、
その後のNOx 放出速度が遅い領域でのNOx 放出に時
間がかかる状態になっても、劣化度合いが低い場合に比
べて還元剤が長い時間供給されることになる。さらに、
NOx 触媒15の劣化度合いが高くなった際に、NOx
放出速度が速い領域でのNOx 放出にかかる時間が短く
なるので、リッチパージを実行する第1所定時間、さら
にはパルス噴射時間を短くするようにしている。このた
め、燃費の悪化及び大気へ放出される未燃HC,CO量
を抑制しながらNOx が十分に放出還元され、大気に放
出されるNOx 量を確実に抑制することができる。
【0072】上記実施例では、ステップS2でリーンモ
ードからストイキモードへの切り換えか否かを判定し加
速時にもリッチパージ、S−F/Bパージ、パルス噴射
を行うこととしているが、加速時には元来加速増量によ
りリッチ化がなされると共にその後はストイキ運転とな
るので、パルス噴射のみを行うこととしてもよい。さら
にこの場合、パルス噴射時間は加速増量度合いあるいは
リーン継続時間により可変としてもよく、空燃比がスト
イキに達した時点でパルス噴射を開始するとしてもよ
い。
【0073】また、上記実施例では、リーンモードから
リッチパージヘの切り換えを徐々に行なうこととし、空
燃比をリーンからリッチへテーリングさせている途中で
ストイキとなった時点からパルス噴射を開始することと
しているが、リーンモードからリッチパージへの切り換
えを瞬時に行い空燃比のテーリングをさせない場合は切
り換えと同時にパルス噴射を開始すればよい。
【0074】また、上記実施例では、NOx 触媒15の
下流に別体の三元触媒16を配置し、NOx 触媒15か
ら放出されたNOx の還元をNOx 触媒15上のみで行
うのではなく三元触媒16上でもNOx 還元を行う場合
としているが、NOx 触媒15にNOx 還元(三元触
媒)の機能を十分に持たせて三元触媒一体型とした吸蔵
型NOx 触媒を用いてもよく、その場合はパルス噴射は
極短時間あるいはパルス噴射なしとしてもよいことがわ
かっている。
【0075】更に、上記実施例では、排気浄化装置を適
用する機関として、燃焼室内に燃料を直接噴射するよう
にした火花点火式の機関を例に挙げて説明したが、吸蔵
型のNOx 触媒15を備えてNOx の放出還元を行う機
関であれば、ディーゼルエンジンや、吸気管に燃料を噴
射し混合気を燃焼室に導入する火花点火式のリーンバー
ンエンジンに適用することも可能である。混合気を燃焼
室に導入するエンジンに本発明を適用する場合には、還
元剤供給手段として、排気通路に追加燃料を噴射して還
元剤を追加供給するようにしてもよい。
【0076】上述した内燃機関の排気浄化装置では、N
Ox 触媒15〈触媒装置)が劣化しても、NOx 触媒1
5の再生時の燃費悪化及び大気へ放出される未燃HC,
CO量を抑制しながら、常に確実にNOx 排出量を低減
できる。
【0077】本発明の内燃機関では、NOx 触媒装置か
ら放出されたNOx が追加された還元剤によって還元さ
れるため放出されたNOx がそのまま大気に放出されて
しまうといった問題が生じることがなくなり、排ガス性
能の悪化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る排気浄化装置を備えた
内燃機関の概略構成図である。
【図2】排気浄化装置のブロック構成図である。
【図3】NOx の基本的な放出状況を表すグラフであ
る。
【図4】排気浄化装置によるNOx の放出状況を表すフ
ローチャートである。
【図5】排気浄化装置によるNOx の放出状況を表すフ
ローチャートである。
【図6】NOx の放出状況を表すタイムチャートであ
る。
【図7】NOx の放出状況を表すタイムチャートであ
る。
【図8】NOx パージ時のリッチ継続時間に対するNO
x 放出速度を示す図である。
【図9】リーン継続時間に対するNOx 排出量を示す図
である。
【図10】リーン継続時間に対するHC排出値を示す図
である。
【図11】NOx パージ(リッチ化)における無駄時間
を示す図である。
【図12】リーン継続時間の最適時間を説明する図であ
る。
【図13】触媒劣化がNOx 放出速度に与える影響を示
す図である。
【符号の説明】
1 筒内噴射エンジン 4 燃料噴射弁 5 燃焼室 15 NOx 触媒 31 電子触御ユニット(ECU)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 F01N 3/28 301C 3/36 3/36 B (72)発明者 田村 保樹 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 川島 一仁 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA17 AB06 AB15 BA14 CB02 CB03 DA01 DA02 DA04 DB10 DB11 DC03 EA01 EA07 EA17 EA33 GA06 GB02W GB03W GB05W GB06W GB07W HA08 HA36 HA37 HA42 3G301 HA01 HA04 JA25 LB04 LC01 MA01 MA19 MA23 NA08 ND02 NE14 NE15 NE23 PA11Z PD01Z PD11Z PE01Z PE03Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の排気通路に設けられ機関の排気空
    燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOx を吸蔵し理
    論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したNOx を
    放出する機能を有するNOx 触媒装置と、 前記機関の主噴射のための燃料噴射によって排気空燃比
    がリーン空燃比から理論空燃比またはリッチ空燃比に切
    り換わるとき前記NOx 触媒装置から放出されたNOx
    を還元する還元剤を供給する還元剤供給手段とを具え、 前記還元剤供給手段は、前記NOx 触媒装置から放出さ
    れたNOx を還元する還元剤を、前記主噴射の燃料噴射
    とは別に前記排気通路から追加供給することを特徴とす
    る内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 機関の排気通路に設けられ酸素過剰雰囲
    気中で排気中のNOx を吸蔵すると共に酸素濃度低下雰
    囲気中で吸蔵したNOx を放出するNOx 装置と、 前記排気雰囲気を酸素濃度低下雰囲気とすることで前記
    NOx 触媒中のNOxを放出させるNOx 放出手段と、 前記NOx 放出手段の作動中における所定時期に前記N
    Ox 触媒から前記排気通路に放出されたNOx を還元す
    る還元剤を供給する還元剤供給手段とを具え、 前記還元剤供給手段は、前記NOx 触媒装置から放出さ
    れたNOx を還元する還元剤を、前記NOx 放出手段の
    作動とは別に前記排気通路から追加供給することを特徴
    とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2に記載の内燃
    機関の排気浄化装置において、前記還元剤供給手段は、
    排ガス中の空燃比が理論空燃比近傍となる所定時期に作
    動することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装
    置において、前記NOx 触媒は、前記酸素過剰雰囲気と
    なる排ガス中の空燃比がリーン空燃比のときに排気中の
    NOx を吸蔵し、前記酸素濃度低下雰囲気となる排ガス
    中の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸
    蔵したNOx を放出する機能を有するものであり、 前記NOx 放出手段は、前記NOx 触媒に吸蔵されたN
    Ox を放出するとき、排ガス中の空燃比を第1所定時間
    の間リッチ空燃比としその後第2所定時間の間理論空燃
    比近傍の空燃比とする再生機能を備え、 前記還元剤供給手段は、前記NOx 放出手段により排ガ
    ス中の空燃比がリッチ空燃比に切り換わる際に作動する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装
    置において、前記NOx 触媒の劣化度合いを検知する劣
    化検知手段と、前記劣化検知手段により前記NOx 触媒
    の劣化度合いが高くなるほど、前記NOx 放出手段にお
    ける再生機能の前記第2所定時間を長くするよう補正す
    る補正手段とを有することを特徴とする内燃機関の排気
    浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1もしくは請求項2に記載の内燃
    機関の排気浄化装置において、前記NOx 触媒の劣化度
    合いを検知する劣化検知手段と、前記劣化検知手段によ
    り前記NOx 触媒の劣化度合いが高くなるほど、前記還
    元剤供給手段の作動期間を短くするよう補正する補正手
    段とを有することを特徴とする内燃機関の排気浄化装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装
    置において、前記還元剤供給手段は、前記機関の排気空
    燃比がリーン空燃比から理論空燃比又はリッチ空燃比に
    切り換わる作動が行われることによって前記NOx 触媒
    にCOが供給される時期に作動することを特徴とする内
    燃機関の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装
    置において、前記還元剤供給手段は、前記NOx 放出手
    段によって前記NOx 触媒にCOが供給される時期に作
    動することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010112345A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Mitsubishi Motors Corp 排気浄化装置
JP2011001905A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Nissan Motor Co Ltd 可変圧縮比式内燃機関
JP2018119518A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 マツダ株式会社 エンジンの排気浄化装置

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