JP2003217655A - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
を得ることのできる非水系電解液を提供する。 【解決手段】 リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解され
てなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記
一般式(1)で表されるピロリジン誘導体を含有する非
水系電解液。 (式中、XはR5、NR6R7又はOR8を表し、R1〜R8
はそれぞれ独立して水素原子、炭素数3以下の脂肪族炭
化水素基又は炭素数8以下の芳香族炭化水素基を表す。
またR1とR2、R2とR3、R3とR4、及びR6とR7はそ
れぞれ結合して環を形成していてもよい)
Description
これを用いたリチウム二次電池に関する。
く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。
そこで近年、携帯電話やノートパソコン、PDA等の民
生用モバイル機器用の電源として広く利用されている。
リチウム二次電池用の電解液は支持電解質であるリチウ
ム塩と非水系の有機溶媒から構成される。非水系の有機
溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有
すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現させ
ること、電池中で安定であることが要求される。これら
の要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通
常はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等
に代表される高沸点溶媒とジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて使用
している。またカーボネート類をスルホラン等のイオウ
含有溶媒またはジメチルホルムアミド等の窒素含有溶媒
と混合して使用することもある。例えば特許第3054
435号公報ではエチレンカーボネートとN−メチルピ
ロリジン等のピロリジン誘導体とを含有する非水系電解
液を用いることで、保存特性及び充放電サイクル特性が
向上することが開示されている。
性能化への要求はますます高くなり、中でも過充電防止
等の安全対策が望まれている。前述の非水系有機溶媒は
通常の使用条件であれば電池中で安定であるが、電池が
過充電状態になると分解を開始する。時には急激に反応
が進行し、熱暴走を引き起こし、ついには発火に至る場
合すらある。従ってリチウム電池には過充電防止対策と
してPTC、CID、充電保護回路等の安全装置が設け
られているのが通例である。しかしながらこれらの安全
装置は比較的高コストであり、また作動が不十分である
場合があることから、より早期の段階で安全装置を作動
させる非水系電解液が切望されていた。
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非水系電解液に
特定の化合物を含有させることによって、電池の過充電
特性が大幅に改善されることを見出して、本発明を完成
するに至った。即ち本発明の要旨は、リチウム塩が非水
系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該
非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表されるピロリジ
ン誘導体を含有することを特徴とする非水系電解液、に
存する。
し、R1〜R8はそれぞれ独立して水素原子、炭素数3以
下の脂肪族炭化水素基又は炭素数8以下の芳香族炭化水
素基を表す。またR1とR2、R2とR3、R3とR4、及び
R6とR7はそれぞれ結合して環を形成していてもよい) また、本発明の他の要旨は、上記非水系電解液を用いた
ことを特徴とするリチウム二次電池、に存する。
電解液を用いると、過充電状態の比較的早期にガスが発
生するため、CID等の電池内圧を感知して電流遮断す
る安全装置が設けられている電池においては、より安全
な段階で過充電を停止することができる。上記のガスを
発生するメカニズムの詳細は不明であるが、上記のピロ
リジン誘導体におけるピロリジン環にカルボニル基が結
合した構造が大きく関与しているものと考えられる。こ
の結合においては窒素上のローンペアがC=Oの二重結
合に供与されるために、窒素の塩基性は低下している。
しかし電池が過充電状態になると正極においてC=O上
のπ電子が奪われ、窒素の塩基性が高まる。すると炭酸
エステルなどの非水系有機溶媒はこの塩基性触媒により
分解して二酸化炭素等を発生することになる。なお上記
ピロリジン誘導体自身も一酸化炭素を生成するものと考
えられる。即ち、上記ピロリジン誘導体は過充電時には
一酸化炭素ガスを発生しつつ、非水系有機溶媒を分解さ
せる触媒へと変化しているものと推定されるのである。
て詳述する。本発明の非水系電解液は、非水系有機溶媒
にリチウム塩が溶解され、さらに特定のピロリジン誘導
体が含有されているものである。本発明では下記一般式
(1)で表されるピロリジン誘導体を添加剤として使用
する。
し、R1〜R8はそれぞれ独立して水素原子、炭素数3以
下の脂肪族炭化水素基又は炭素数8以下の芳香族炭化水
素基を表す。またR1とR2、R2とR3、R3とR4、及び
R6とR7はそれぞれ結合して環を形成していてもよい)
上記一般式(1)において、R1〜R8は水素原子、炭素
数3以下の脂肪族炭化水素基又は炭素数8以下の芳香族
炭化水素基を表すが、このうちR1〜R4は水素原子であ
るのが好ましい。またR5〜R8は炭素数3以下の脂肪族
炭化水素基又は炭素数8以下の芳香族炭化水素基である
のが好ましく、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基である
のがより好ましい。
−ホルミルピロリジン(R1〜R4=水素、X=水素)、
N−アセチルピロリジン(R1〜R4=水素、X=メチル
基)、N−プロピオニルピロリジン(R1〜R4=水素、
X=エチル基)、N−ブチリルピロリジン(R1〜R4=
水素、X=プロピル基)、1−ベンゾイルピロリジン
(R1〜R4=水素、X=フェニル基)、t−ブチル−1
−ピロリジンカルボキシレート(R1〜R4=水素、X=
t−ブトキシ基)、ベンジル−1−ピロリジンカルボキ
シレート(R1〜R4=水素、X=ベンジルオキシ基)、
1−アセチルインドリン(R1とR2とでベンゼン環を形
成、X=メチル基)、1−ホルミル−2−メチルピロリ
ジン(R1=メチル基、R2〜R4=水素、X=水素)、
カルボニルジピロリジン(R1〜R4=水素、X=1−ピ
ロリジニル基)等が挙げられる。これらの添加剤は2種
類以上を混合して使用してもよい。上記ピロリジン誘導
体の添加量は特に限定されないが、非水系電解液に対し
て通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重
量%である。添加量が多すぎるとイオン伝導度が低下し
てレート特性などの電池特性が低下する傾向にある。ま
た添加量が少な過ぎる場合は、充分な過充電防止効果が
発現しない。
ウム塩としては、特に制限はないが、例えばLiP
F6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAl
Cl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3L
i、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3
SO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLiなどのリチウ
ム塩が挙げられる。特に、溶媒に溶けやすくかつ高い解
離度を示すLiPF6、LiBF4、CF3SO3Li及び
(CF3SO2)2NLiからなる群から選ばれるリチウ
ム塩は好適に用いられる。また非水系電解液中のリチウ
ム塩の濃度は、非水系電解液に対して通常0.5〜2m
ol/Lの範囲で使用するのが好ましい。
リチウム塩を溶解させることができる限り特に限定はさ
れないが、なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒
として、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエ
チルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネー
ト(EMC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプ
ロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、エチレン
カーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネ
ート類、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボ
ネート等の不飽和カーボネート類、1,2−ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル
類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の
鎖状エステル類が好ましく用いられる。
達成するように混合して使用される。例えば一般に上記
鎖状カーボネート類と上記環状カーボネート類とを併用
するのが好ましい。また上記鎖状カーボネート類の中で
も特にエチルメチルカーボネート、メチルプロピルカー
ボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称カー
ボネートを混合使用するのは好ましい。そのなかでもエ
チルメチルカーボネートは粘度が低いためリチウムの移
動性を高めるだけでなく、沸点が比較的高いため揮散し
にくくて取り扱いやすく、またLiとの反応も少ないの
で好適に用いられる。またビニレンカーボネート、ビニ
ルエチレンカーボネート等の不飽和カーボネート類を混
合使用すると、これらの不飽和カーボネート類は初期充
電時に還元されやすく、安定な界面保護皮膜(SEI)
を形成するのに寄与するので好ましい。
非水系電解液の各原料は、予め脱水しておくのが好まし
い。各原料の水分量は通常50ppm以下、好ましくは
30ppm以下とするのがよい。水が多量に存在する
と、水の電気分解及びリチウム金属との反応、リチウム
塩の加水分解などが起こる可能性があり、リチウム二次
電池用の電解質として不適当な場合がある。脱水の手段
としては特に制限はないが、溶媒などの液体の場合はモ
レキュラーシーブ等を用いればよい。またリチウム塩な
どの固体の場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよ
い。
次電池用の電解液として有用である。以下、本発明のリ
チウム二次電池について説明する。本発明の非水系電解
液を適用しうるリチウム二次電池の基本的構成は、従来
公知のリチウム二次電池と同様であり、正極と負極とが
多孔膜及び本発明の非水系電解液を介してケースに収納
されて構成される。本発明の二次電池に使用される正極
及び負極としては、電池の種類に応じて適宜選択すれば
よいが、少なくとも正極、負極に対応した活物質を含有
する。また、活物質を固定するためのバインダーを含有
してもよい。
極活物質としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等
の遷移金属を有する酸化物、リチウムとの複合酸化物、
硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、Mn
O、V2O5、V6O13、TiO2等の遷移金属酸化物、ニ
ッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リ
チウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Ti
S2、FeSなどの遷移金属硫化物が挙げられる。ま
た、正極活物質として、例えばポリアニリン等の導電性
ポリマー等の有機化合物を挙げることもできる。上記の
活物質の複数種を混合して用いてもよい。活物質が粒状
の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特
性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1〜10
μm程度である。
極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金を使用
することもできるが、リチウムイオンを吸蔵放出可能な
化合物としてコークス,アセチレンブラック、メゾフェ
ーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質物質を使
用するのが特に好ましい。粒状の負極活物質の粒径は、
初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優
れる点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μ
m程度である。
焼成した材料、あるいはCVD法等を用いて、少なくと
も表面の一部に上記炭素質物に比べて非晶質の炭素を形
成した材料もまた、炭素質物質として好適に使用するこ
とができる。上記有機物としては、軟ピッチから硬ピッ
チまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重
質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナ
フサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチ
レンヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。ま
た、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得ら
れた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも
使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂や、焼成
によりフェノール樹脂やイミド樹脂となるこれらの樹脂
前駆体も使用することができる。
ては、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から
各種の材料が挙げられる。具体的には、シリケート、ガ
ラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン
系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不
飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、
ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなど
の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリア
クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアク
リル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系
樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド
などのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニ
ルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含
有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが
使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成
体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフ
ト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用でき
る。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常1万〜30
0万、好ましくは10万〜100万程度である。分子量
が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、
分子量が高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難に
なることがある。好ましいバインダー樹脂は、フッ素系
樹脂、CN基含有ポリマーである。
部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部
以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20
重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極
の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎ
るとイオン伝導度が低下する傾向にある。電極中には、
電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材
料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充
填材などを含有させてもよい。導電性材料としては、上
記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれ
ば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カー
ボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のフ
ァイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の
無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
と溶剤とを含む塗料を塗布・乾燥することによって形成
することができる。電極の厚さは、通常1μm以上、好
ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以
上、最も好ましくは40μm以上であり、また通常20
0μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好まし
くは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難にな
り均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が
小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎる
とレート特性が低下しすぎることがある。
通常、集電体上に形成される。集電体としては、各種の
ものを使用することができが、通常は金属や合金が用い
られる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニ
ウムやニッケル、SUS等が挙げられ、負極の集電体と
しては、銅やニッケル、SUS等が挙げられる。好まし
くは、正極の集電体としてアルミニウムを使用し、負極
の集電体として銅を使用する。正負極層との結着効果を
向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理
しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブ
ラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研
磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線
などを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨す
る機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げら
れる。
エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタ
ルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を
使用することもできる。この場合、その開口率を変更す
ることで重量も自在に変更可能となる。また、このよう
な穴あけタイプの集電体の両面に活物質を存在させた場
合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗膜の
剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率が
あまりに高くなった場合には、塗膜と集電体との接触面
積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなること
がある。
くは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましく
は50μm以下である。あまりに厚すぎると、電池全体
の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り
扱いが困難になることがある。本発明の非水系電解液
は、これを高分子によってゲル化して半固体状にしても
よい。半固体状電解質における上記電解液の使用量は、
半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%以上、
好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75重量
%以上であり、また通常99.95重量%以下、好まし
くは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下
とする。使用量が多すぎると、電解液の保持が困難とな
り液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充放電効
率や容量の点で不十分となることがある。
で、多孔性のスペーサが設けられているのが好ましい。
即ち、この場合、非水系電解液は、多孔性のスペーサに
含浸されて使用される。スペーサの材料としては、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用
いることができるが、好ましくはポリオレフィンであ
る。スペーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5
μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また
通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好
ましくは30μm以下である。多孔膜が薄すぎると、絶
縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレ
ート特性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全
体としてのエネルギー密度が低下することがある。スペ
ーサの空孔率としては、通常20%以上、好ましくは3
5%以上、さらに好ましくは45%以上であり、また通
常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましく
は75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大
きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きす
ぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向に
ある。スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好
ましくは0.2μm以下であり、また通常0.05μm
以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、
小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する
ことがある。
ものではなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池な
どが挙げられるが、現行の円筒型電池のようにCID等
の電池内圧を感知して電流遮断する安全装置が設けられ
ていることが好ましい。
更に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれ
らの実施例により限定されるものではない。 実施例1 [正極の製造]コバルト酸リチウム(LiCoO2)9
0重量%とポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%
とアセチレンブラック5重量%を混合し、N−メチルピ
ロリドンを加えスラリー状にしたものをアルミニウムか
らなる集電体の片面に塗布・乾燥して正極を得た。
重量%とPVdF9.7重量%とアセチレンブラック
2.9重量%を混合し、N−メチルピロリドンを加えス
ラリー状にしたものを、銅からなる集電体の両面に塗布
・乾燥して負極を得た。 [電解液の調合]LiPF6を1.25mol/Lの割
合で含有するエチレンカーボネートとジメチルカーボネ
ートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(混合体積
比2:3:3)100重量部にビニレンカーボネート2
重量部を加えたものをベース電解液とし、これにN−ア
セチルピロリジン4重量部を加えて電解液とした。
極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.0
5μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、そ
れぞれ前記電解液を塗布・含浸させた後、負極、セパレ
ータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうし
て得られた電池要素を、まずPETフィルムで挟んだ
後、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆したラミネー
トフィルムに正極負極の端子を突設させつつ、真空封止
してシート状のリチウム二次電池を作製した。さらに電
極間の密着性を高めるためにシリコンゴム及びガラス板
でシート状電池を挟んだ上で0.35kg/cm2で加
圧した。図1に二次電池の概略断面図を示す。
の1時間当たりの放電量を138mAh/gとし、これ
と評価用リチウム二次電池の正極の活物質量とから放電
速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.2Cで
4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで放電し、
初期のフォーメーションを行った。ついで0.5Cで
4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで再度放電
し、初期放電容量を求めた。結果を表−1に示した。な
お充電時のカット電流は何れも0.05Cとした。
た電池を0.5Cで4.2Vまで充電した後、2Cの電
流値で過充電を開始し、21分後(SOC170%に相
当)に通電を停止した。ついでガスの発生量をエタノー
ル浴に電池を漬けて浮力を測定(アルキメデスの原理)
して求めた。結果を表−1に示した。
ニルジピロリジンを添加した電解液を使用したこと以外
は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実
施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表−1
に示した。比較例1N−アセチルピロリジンを添加しな
い電解液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリ
チウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試
験を実施した。結果を表−1に示した。
クロヘキシルマレイミドを添加した電解液を使用したこ
と以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製
し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を
表−1に示した。本比較例で使用されたピロリジン環の
内部にカルボニル基を有する構造のN−シクロヘキシル
マレイミドを含有する電解液では、過充電時のガスの発
生量が添加剤無添加の場合(比較例1)と同程度の低い
レベルに留まることがわかった。
非水系電解液を用いれば過充電状態の初期の段階でガス
が多量に発生するので、円筒型電池等の、電池内圧を感
知して電流遮断するタイプの電池においてより安全な状
態で電流遮断することが可能となる。
に優れた二次電池を得ることができる。
す概略断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解され
てなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記
一般式(1)で表されるピロリジン誘導体を含有するこ
とを特徴とする非水系電解液。 【化1】 (式中、XはR5、NR6R7又はOR8を表し、R1〜R8
はそれぞれ独立して水素原子、炭素数3以下の脂肪族炭
化水素基又は炭素数8以下の芳香族炭化水素基を表す。
またR1とR2、R2とR3、R3とR4、及びR6とR7はそ
れぞれ結合して環を形成していてもよい) - 【請求項2】 上記ピロリジン誘導体の含有量が非水系
電解液に対して0.01〜10重量%である、請求項1
に記載の非水系電解液。 - 【請求項3】 非水系有機溶媒が、不飽和カーボネート
を含有する、請求項1又は2に記載の非水系電解液。 - 【請求項4】 非水系有機溶媒が、非対称カーボネート
を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電
解液。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の非水系
電解液を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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---|---|---|---|
JP2002018542A JP4089234B2 (ja) | 2002-01-28 | 2002-01-28 | 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
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