JP4283566B2 - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池はエネルギー密度が高く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。そこで近年、携帯電話やノートパソコン、PDA等の民生用モバイル機器用の電源として広く利用されている。リチウム二次電池用の電解液は支持電解質であるリチウム塩と非水系の有機溶媒とから構成される。非水系の有機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現させること、及び電池中で安定であることが要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通常はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等に代表される高沸点溶媒とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて使用している。
【0003】
また、初期容量、レート特性、サイクル特性、高温保存特性、低温特性、トリクル充電特性、自己放電特性、過充電防止特性等を改良するために、種々の添加剤を電解液に添加することが数多く報告されてきた。例えばサイクル特性を向上させる方法として、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、プロピレングリコールジメタンスルホネート等の2価スルホネート化合物を添加することが報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−133304号公報
【特許文献2】
特開2001−313071号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、リチウム二次電池に対する高性能化への要求はますます高くなっている。これらのあるものは、リチウム二次電池の用途の拡大につれ、屋外で使用する機会が増えたことに伴うものである。すなわち携帯電話、PDA、ノートパソコン等のモバイル機器は、真夏の車中に放置される等、60〜90℃の高温下にさらされることもある。したがってリチウム二次電池に対して、特に高温下での保存特性に対する要求が厳しくなっている。また近年、更なる高容量化をはかるために正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物の代わりにリチウムニッケル複合酸化物を用いることが広く検討されているが、これを用いると1.2倍程度の容量増加が達成される一方で、高温保存中に大量のガスが発生するという問題点があった。リチウム二次電池のベアセルは高温条件下で保存するとガス発生により多少膨らむので、通常は膨らんでも外観上の変化がないように少し大きめのケースに収納しているのが現状である。ガスの発生量が多い場合は、より大きめのケースに収納する必要が生じるので、電池パック全体のエネルギー密度が低下してしまい、高容量の活物質であるリチウムニッケル複合酸化物を用いるメリットが相殺されてしまう。またガスの発生量が大量になれば、ケースが破裂する危険すら生じる。したがって高温保存時のガス発生を抑制することが、リチウムニッケル複合酸化物を使いこなす上での重要な課題であった。
【0006】
また、連続充電特性の改善も、オフィス向けノートパソコンの需要拡大等に伴い、最近特に要望が大きくなっている。オフィスでノートパソコンを使用する際、ほとんどの場合がACアダプターを電源としており、パソコン中の二次電池は絶えず充電されている。こうした連続充電中においては、電解液の分解によりガスが発生する。過充電等の異常時に内圧を検知して安全弁を作動させる円筒型電池においては、発生ガスが多いと連続充電時に安全弁が作動してしまうことになる。また、安全弁のない角形電池においては、ガス量が多い場合は、外観上変化がないようにベアセルを大きめのケースに収納する必要が生じ、電池パック全体のエネルギー密度の低下につながる。さらに、ガスの発生が大量になれば、ケースが破裂する危険がある。したがって、連続充電特性としては、特にガスの発生を抑制することが強く求められている。正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物を用いた場合は、高温保存中に発生するガスは比較的少ないものの、長時間連続充電した際のガス発生は多く、未だ改良が必要とされていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非水系電解液に特定の化合物を含有させることによって、高い容量を維持しつつ、高温条件下で保存した際の容量回復率が改善され、かつ長時間連続充電した場合も含めてガス発生が大幅に少なくなることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明の要旨は、リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなるリチウム二次電池用非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表される多価スルホネート化合物を、該リチウム二次電池用非水系電解液の0.01〜15重量%含有することを特徴とするリチウム二次電池用非水系電解液、に存する。
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、Lは炭素原子と水素原子から構成され、炭素原子数が3〜12であるZ価の連結基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜9のアリール基、炭素数7〜8のアラルキル基から選ばれる炭化水素基を表し、Zは3又は4である)
また、本発明の他の要旨は、上記リチウム二次電池用非水系電解液を用いたことを特徴とするリチウム二次電池、に存する。
【0011】
上記の多価スルホネート化合物を含有する電解液を用いると高容量を維持したまま、高温保存特性及び連続充電特性が向上する。具体的には、高温保存時及び連続充電時のガス発生が抑制されるとともに保存後の回復容量が向上する。特にガス発生の多いリチウムニッケル複合酸化物を含有する正極を用いたリチウム二次電池においては、ガス発生量を大幅に抑制することが可能となる。先に述べたようにサイクル特性を向上させるものとして報告されている1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、プロピレングリコールジメタンスルホネート等の2価スルホネート化合物はサイクル特性を改善するが、高温保存特性を大幅に向上させるものではない。従って上記の多価スルホネート化合物が高温時の保存特性を大幅に向上させることは全く予想できないことであった。上記の多価スルホネート化合物を含有する電解液が保存特性の向上をもたらす理由の詳細は不明であるが、充電の初期に負極上に形成されるSEI(界面保護皮膜)が熱的に安定であること、及び多価スルホネート化合物が正極の塩基点を被覆することによると考えられる。負極中のリチウムと電解液との反応を抑制しているSEIが熱的に不安定であると、リチウムと電解液との反応が進行しガスが発生する。カーボネート類に代表される非水系溶媒は充電初期時に還元されてSEIを形成するが、上記の多価スルホネート化合物は、一部還元されてSEI中に取り込まれ、SEIをより強固なものとしているものと推定される。また、充電初期時に還元されずに残った多価スルホネートは、酸として作用し、正極活物質の塩基点を被覆するために、カーボネート溶媒の脱炭酸反応を抑制でき、二酸化炭素等のガス発生を抑制しているものと考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明に係る非水系電解液は、非水系有機溶媒にリチウム塩が溶解され、さらに下記一般式(I)で表される多価スルホネート化合物が含有されているものである。
【0013】
【化3】
【0014】
(式中、Lは炭素原子と水素原子から構成され、炭素原子数が3〜12であるZ価の連結基を表し、Rは炭化水素基を表し、Zは3又は4である)
上記一般式(1)において、Rは炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基等の炭素数2〜4のアルケニル基、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基等の炭素数6〜9のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜8のアラルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基及びエチル基等の炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基等の炭素数6〜9のアリール基であり、より好ましくはメチル基及びトリル基である。
【0015】
は3又は4である。またLは炭素原子と水素原子とから構成され、炭素原子数が3〜12であるZ価の連結基を表わす。連結基Lを構成する炭素原子の数は、より好ましくは3〜8である。
Zが3、すなわちLが炭素原子と水素原子から構成された3価の連結基である場合のいくつかを以下に例示する。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
また、Zが4、すなわちLが炭素原子と水素原子から構成された4価の連結基であるものとしては、以下のようなものが例示される。
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
上記一般式(1)の多価スルホネート化合物としては、例えば1,2,3−プロパントリオールトリメタンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリエタンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリブタンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリ−p−トルエンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリ−4−エチルベンゼンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリス−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリ−2−メシチレンスルホネート等の1,2,3−プロパントリオールトリスルホネート類、1,2,3−ブタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリブタンンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリ−4−エチルベンゼンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリス−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリ−2−メシチレンスルホネート等の1,2,3−ブタントリオールトリスルホネート類、1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリブタンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリ−4−エチルベンゼンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリス−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリ−2−メシチレンスルホネート等の1,2,4−ブタントリオールトリスルホネート類、1,2,5−ペンタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,5−ペンタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,5−ペンタントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,5−ペンタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,5−ペンタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,5−ペンタントリオールトリスルホネート類、1,2,6−ヘキサントリオールトリメタンスルホネート、1,2,6−ヘキサントリオールトリエタンスルホネート、1,2,6−ヘキサントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,6−ヘキサントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,6−ヘキサントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,6−ヘキサントリオールトリスルホネート類、1,2,3−ヘプタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,3−ヘプタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,3−ヘプタントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,3−ヘプタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,3−ヘプタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,3−ヘプタントリオールトリスルホネート類、1,2,7−ヘプタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,7−ヘプタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,7−ヘプタントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,7−ヘプタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,7−ヘプタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,7−ヘプタントリオールトリスルホネート類、1,2,8−オクタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,8−オクタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,8−オクタントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,8−オクタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,8−オクタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,8−オクタントリオールトリスルホネート類、トリメチロールエタントリメタンスルホネート、トリメチロールエタントリエタンスルホネート、トリメチロールエタントリプロパンスルホネート、トリメチロールエタントリブタンスルホネート、トリメチロールエタントリベンゼンスルホネート、トリメチロールエタントリ−p−トルエンスルホネート、トリメチロールエタントリ−4−エチルベンゼンスルホネート、トリメチロールエタントリス−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート、トリメチロールエタントリ−2−メシチレンスルホネート等のトリメチロールエタントリスルホネート類、トリメチロールプロパントリメタンスルホネート、トリメチロールプロパントリエタンスルホネート、トリメチロールプロパントリプロパンスルホネート、トリメチロールプロパントリブタンスルホネート、トリメチロールプロパントリベンゼンスルホネート、トリメチロールプロパントリ−p−トルエンスルホネート、トリメチロールプロパントリ−4−エチルベンゼンスルホネート、トリメチロールプロパントリ−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート、トリメチロールプロパントリ−2−メシチレンスルホネート等のトリメチロールプロパントリスルホネート類、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリメタンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリエタンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリプロパンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリブタンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリベンゼンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリ−p−トルエンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリ−4−エチルベンゼンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリ−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリ−2−メシチレンスルホネート等の3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリスルホネート類、1,2,4−ベンゼントリオールトリメタンスルホネート、1,2,4−ベンゼントリオールトリエタンスルホネート、1,2,4−ベンゼントリオールトリプロパンスルホネート、1,2,4−ベンゼントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,4−ベンゼントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,4−ベンゼントリオールトリスルホネート類等の3価スルホネート類;1,2,3,4−ブタンテトロールテトラメタンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラエタンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラプロパンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラベンゼンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラ−p−トルエンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラ−4−エチルベンゼンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラキス−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート等の1,2,3,4−ブタンテトロールテトラスルホネート類、ペンタエリスリトールテトラメタンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラエタンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラプロパンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラベンゼンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラ−p−トルエンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラ−4−エチルベンゼンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3,5−ジメチルベンゼンスルホネート等のペンタエリスリトールテトラスルホネート類等の4価スルホネート類が挙げられる。
【0027】
好ましくは1,2,3−プロパントリオールトリメタンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリエタンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,3−プロパントリオールトリスルホネート類、1,2,3−ブタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,3−ブタントリオールトリスルホネート類、1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリエタンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の1,2,4−ブタントリオールトリスルホネート類、トリメチロールプロパントリメタンスルホネート、トリメチロールプロパントリエタンスルホネート、トリメチロールプロパントリベンゼンスルホネート、トリメチロールプロパントリ−p−トルエンスルホネート等のトリメチロールプロパントリスルホネート類、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリメタンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリエタンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリベンゼンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリスルホネート類等の3価スルホネート類、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラメタンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラエタンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラベンゼンスルホネート、1,2,3,4−ブタンテトロールテトラ−p−トルエンスルホネート等の1,2,3,4−ブタンテトロールテトラスルホネート類、ペンタエリスリトールテトラメタンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラエタンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラベンゼンスルホネート、ペンタエリスリトールテトラ−p−トルエンスルホネート等のペンタエリスリトールテトラスルホネート類等の4価スルホネート類である。
【0028】
より好ましくは1,2,3−プロパントリオールトリメタンスルホネート、1,2,3−プロパントリオールトリ−p−トルエンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリベンゼンスルホネート、1,2,3−ブタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネート、1,2,4−ブタントリオールトリ−p−トルエンスルホネート、トリメチロールプロパントリメタンスルホネート、トリメチロールプロパントリ−p−トルエンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリメタンスルホネート、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールトリ−p−トルエンスルホネート等の3価のメタンスルホネート類及びp−トルエンスルホネート類である。
【0029】
これらのスルホネート化合物は2種類以上を混合して使用してもよい。
リチウム塩を溶解した非水系有機溶媒への上記多価スルホネート化合物の添加量は特に限定されないが、通常はこのスルホネート化合物が非水系電解液の0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上を占めるようにする。上限は通常15重量%以下、好ましくは7重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。添加量が多すぎるとイオン伝導度が低下してレート特性などの電池特性が低下する傾向にある。また添加量が少な過ぎる場合は、保存特性の向上が認められない。
【0030】
本発明で支持電解質として使用されるリチウム塩としては、特に制限はないが、例えばLiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C49SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO22NLi、(C25SO22NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に、溶媒に溶けやすくかつ高い解離度を示すLiPF6、LiBF4、CF3SO3Li及び(CF3SO22NLiからなる群から選ばれるリチウム塩は好適に用いられる。また非水系電解液中のリチウム塩の濃度は、通常0.5〜2mol/Lの範囲が好ましい。
【0031】
本発明で用いる非水系有機溶媒としては、リチウム塩を溶解させることができる限り特に限定はされないが、なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒として、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート類、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等の不飽和カーボネート類、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類が好ましく用いられる。
【0032】
これらの有機溶媒は、通常、電解液が適切な物性を発現するように混合して使用される。一般に上記鎖状カーボネート類と上記環状カーボネート類とを併用するのが好ましい。また上記鎖状カーボネート類の中でも特に好ましいのはエチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称カーボネート類である。なかでもエチルメチルカーボネートは、粘度が低いのでリチウムの移動性を高めるだけでなく、沸点が比較的高くて揮散し難いので取り扱いやすく、またLiとの反応性も小さいので好適に用いられる。またビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等の不飽和カーボネート類は初期充電時に還元されやすく、安定な界面保護皮膜(SEI)を形成するのに寄与するので好ましい。これらの不飽和カーボネート類は、非水系有機溶媒中に通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上となるように含有させる。その上限は通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下である。
【0033】
本発明に係る非水系電解液を調製するに際し、非水系電解液の各原料は、予め脱水しておくのが好ましい。水分量は通常、50ppm以下、好ましくは30ppm以下とするのがよい。水が多量に存在すると、水の電気分解及びリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分解などが起こる可能性がある。脱水の手段としては特に制限はないが、溶媒などの液体の場合はモレキュラーシーブ等を用いればよい。またリチウム塩などの固体の場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよい。
【0034】
本発明に係る非水系電解液はリチウム二次電池用の電解液として有用である。以下、この非水系電解液を用いる本発明に係るリチウム二次電池について説明する。
このリチウム二次電池の基本的構成は、従来公知のリチウム二次電池と同様であり、正極と負極とが多孔膜及び本発明に係る非水系電解液を介してケースに収納されている。リチウム二次電池の外観形状は特に限定されるものではなく、従来公知のコイン型電池、円筒型電池、角形電池などいずれであってもよい。正極及び負極の活物質は、電池の種類に応じて適宜選択すればよい。
【0035】
正極活物質としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属を有する酸化物、これらとリチウムとの複合酸化物、硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などのリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物が挙げられる。上記の活物質の複数種を混合して用いてもよい。中でも、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などのリチウムと遷移金属との複合酸化物は高容量と高サイクル特性とを両立させるので好適に用いられる。
【0036】
本発明に係る非水系電解液は、正極活物質の種類によらずリチウム二次電池の保存特性を向上させるが、特にリチウムニッケル複合酸化物を含有する正極を使用した場合にその効果は大きく、高温保存時のガス発生を抑制する等の大幅なる特性改善をもたらす。
上記のリチウムニッケル複合酸化物とは、少なくともリチウム、ニッケル及び酸素を含有する酸化物であり、例えば、LiNiO2、Li2NiO2、LiNi24等を挙げることができるが、中でもLiNiO2が好ましい。また、リチウムニッケル複合酸化物は、Niが占めるサイトの一部をNi以外の元素で置換したものであってもよい。Niサイトの一部を他の元素で置換することによって、結晶構造の安定性を向上させることができ、繰り返し充放電する際のNi元素の一部がLiサイトに移動して発生する容量低下が抑制されるため、サイクル特性も向上する。さらに、Niサイトの一部をNi以外の元素で置換することによって、電池の温度が上昇した場合のリチウムニッケル複合酸化物の暴走反応も抑制され、結果として安全性の向上につながる。
【0037】
Niが占めるサイトの一部をNi以外の元素で置換する際の、当該元素(以下、置換元素と表記する)としては、例えば、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が挙げられる。好ましくはAl、Cr、Fe、Co、Li、Mg、Ga、Mnが挙げられ、更に好ましくはAl、Coが挙げられる。Niサイトは2種以上の他元素で置換されていてもよい。
【0038】
置換元素によりNiサイトを置換する場合、その割合は通常、Ni元素の2.5モル%以上、好ましくは5モル%以上であり、通常Ni元素の50モル%以下、好ましくは20モル%以下である。置換割合が少なすぎるとサイクル特性等の改善効果が充分ではない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下してしまう場合がある。
【0039】
正極活物質の比表面積は、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.2m2/g以上であり、また通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。特にリチウムニッケル複合酸化物は電解液との反応性が高いので、通常5.0m2/g以下、好ましくは2.0m2/g以下である。
【0040】
正極活物質の平均2次粒径は、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。平均2次粒径が小さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
【0041】
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金を使用することもできるが、サイクル特性及び安全性が良好な点で、リチウムイオンを吸蔵放出可能なコークス,アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質物質を使用するのが特に好ましい。粒状の負極活物質の粒径は、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μm程度である。
【0042】
また、上記炭素質物質を有機物等と混合・焼成した材料、あるいはCVD法等を用いて、表面の少なくとも一部に上記炭素質物に比べて非晶質の炭素を形成した材料もまた、炭素質物質として好適に使用することができる。
上記有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナフサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチレンヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。また、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得られた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂や、焼成によりフェノール樹脂やイミド樹脂となるこれらの樹脂前駆体も使用することができる。
【0043】
正極又は負極に使用できるバインダーとしては、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から各種の材料が挙げられる。具体的には、シリケート、ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常1万〜300万、好ましくは10万〜100万程度である。分子量が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、分子量が高すぎると粘度が高くなり、電極の形成が困難になることがある。好ましいバインダー樹脂は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。
【0044】
バインダーの使用量は、活物質100重量部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。さらに電極中には、電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有させてもよい。導電性材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0045】
電極は、活物質やバインダー等の構成成分と溶剤とを含む塗料を塗布・乾燥することによって形成することができる。電極の厚さは、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎるとレート特性が低下しすぎることがある。
【0046】
正極及び負極の少なくとも一方の電極は、通常、集電体上に形成される。集電体としては、各種のものを使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、SUS等が挙げられ、負極の集電体としては、銅やニッケル、SUS等が挙げられる。好ましくは、正極の集電体としてアルミニウムを使用し、負極の集電体として銅を使用する。正負極層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
【0047】
また、電池の重量を低減させる、即ち重量エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に活物質を存在させた場合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗膜の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗膜と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。
【0048】
集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。あまりに厚すぎると、電池全体の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になることがある。
本発明の非水系電解液は、これを高分子によってゲル化して半固体状にしてもよい。半固体状電解質における上記非水系電解液の使用量は、半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上であり、また通常99.95重量%以下、好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下とする。使用量が多すぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
【0049】
正極と負極との間には、短絡を防止する上で、多孔性のスペーサが設けられているのが好ましい。即ち、この場合、電解液は、多孔性のスペーサに含浸されて使用される。スペーサの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いることができるが、好ましくはポリオレフィンである。スペーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。多孔膜が薄すぎると、絶縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全体としてのエネルギー密度が低下することがある。スペーサの空孔率としては、通常20%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは45%以上であり、また通常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、また通常0.05μm以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化することがある。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の具体的態様を更に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
[正極の製造]
リチウムニッケル複合酸化物(LiNi0.82Co0.15Al0.032)90重量%とポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とアセチレンブラック5重量%とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものをアルミニウムからなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
【0051】
[負極の製造]
グラファイト粉末90重量%とPVdF10重量%とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを銅からなる集電体の片面に塗布・乾燥して負極を得た。
[電解液の調合]
LiPF6を1.25mol/Lの割合で含有するエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(混合体積比1:3)100重量部にビニレンカーボネート2重量部を加えたものをベース電解液とし、これに1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネート1重量部を加えて電解液とした。
【0052】
[リチウム二次電池の製造]
上記正極、負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、それぞれ前記電解液を塗布・含浸させた後、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうして得られた電池要素を、まずPETフィルムで挟んだ後、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムに正極負極の端子を突設させつつ、真空封止してシート状のリチウム二次電池を作製した。さらに電極間の密着性を高めるためにシリコンゴム及びガラス板でシート状電池を挟んだ上で0.35kg/cm2で加圧した。図1に二次電池の概略断面図を示す。
【0053】
[容量評価]
リチウムニッケル複合酸化物の1時間当たりの放電量を180mAh/gとし、これとリチウム二次電池の正極の活物質量とから放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.2Cで4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで放電し、初期のフォーメーションを行った。ついで0.5Cで4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで再度放電し、0.2C放電容量を求めた。なお充電時のカット電流は0.05Cとした。
【0054】
[保存特性評価]
容量評価試験の終了した電池を0.5Cで4.2Vまで充電した後、85℃の恒温槽に1日間保存した後、ガスの発生量をエタノール浴に電池を漬けて浮力を測定(アルキメデスの原理)して求めた。また保存後の容量劣化具合を評価するため、0.5Cで4.2Vまで充電した後に0.2Cで放電して保存後の0.2C放電容量を測定し、下記の計算式に従い容量回復率を求めた。結果を表1に示す。
【0055】
【数1】
容量回復率(%)=
保存後0.2C放電容量(mAh/g)/0.2C放電容量(mAh/g)
【0056】
実施例2
1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネートの添加量を3重量部とした電解液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表1に示す。
【0057】
実施例3
1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネートの添加量を5重量部とした電解液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表1に示す。
実施例4
LiPF6を1.0mol/Lの割合で含有するエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合体積比1:1)100重量部に1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネート1重量部を加えたものを電解液として使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表1に示す。電解液組成によらずガス発生量が減少しており、保存特性向上の効果が見られる。
【0058】
比較例1
1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネートを添加しない電解液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表1に示す。容量回復率が低く、しかもガスが大量に発生しており、保存特性が大幅に劣っていることがわかる。
【0059】
比較例2
添加剤として1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネートの代わりに1,4−ブタンジオールジメタンスルホネートを添加した電解液を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表1に示す。容量回復率において向上が見られるが、ガス発生を抑制する効果が不十分である。
【0060】
実施例5
[正極の製造]
リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)90重量%とPVdF5重量%とアセチレンブラック5重量%とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものをアルミニウムからなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
【0061】
[負極の製造]
グラファイト粉末87.4重量%とPVdF9.7重量%とアセチレンブラック2.9重量%とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを銅からなる集電体の片面に塗布・乾燥して負極を得た。
[電解液の調合]
LiPF6を1.25mol/Lの割合で含有するエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(混合体積比1:3)100重量部にビニレンカーボネート2重量部を加えたものをベース電解液とし、これに1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネート1重量部を加えて電解液とした。
【0062】
[リチウム二次電池の製造]
上記正極、負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、それぞれ前記電解液を塗布・含浸させた後、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうして得られた電池要素を、まずPETフィルムで挟んだ後、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムに正極負極の端子を突設させつつ、真空封止してシート状のリチウム二次電池を作製した。さらに電極間の密着性を高めるためにシリコンゴム及びガラス板でシート状電池を挟んだ上で0.35kg/cm2で加圧した。
【0063】
[容量評価]
リチウムコバルト複合酸化物の1時間当たりの放電量を138mAh/gとし、これとリチウム二次電池の正極の活物質量とから放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.2Cで4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで放電し、初期のフォーメーションを行った。ついで0.5Cで4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで再度放電し、0.2C放電容量を求めた。なお充電時のカット電流は0.05Cとした。
【0064】
[保存特性評価]
容量評価試験の終了した電池を0.5Cで4.2Vまで充電した後、85℃の恒温槽に1日間保存した後、ガスの発生量をエタノール浴に電池を漬けて浮力を測定して求めた。また保存後の容量劣化具合を評価するため、0.5Cで4.2Vまで充電した後に0.2Cで放電して保存後の0.2C放電容量を測定し、前記計算式に従い容量回復率を求めた。結果を表1に示す。
【0065】
比較例3
1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネートを添加しない電解液を使用したこと以外は実施例5と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例5と同様の電池特性試験を実施した。結果を表1に示す。リチウムコバルト複合酸化物を正極活物質としているために、保存後のガス発生量は低いレベルにあるが、容量回復が不十分である。
【0066】
【表1】
【0067】
上記表1から明らかなように、本発明に係る非水系電解液を用いれば高容量を維持したまま、高温保存特性が改善される。特に保存時に発生するガス量を抑制するのに有効であり、中でもリチウムニッケル複合酸化物を含有する正極を用いたリチウム二次電池においてガス発生抑制の効果が大きい。
【0068】
実施例6
[連続充電評価]
LiPF6を1mol/Lの割合で含有するエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(混合体積比1:3)100重量部にビニレンカーボネート2重量部を加えたものに1,2,4-ブタントリオールトリメタンスルホネート1重量部を加えて調合した電解液を使用した以外は実施例5と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例5と同様の容量評価試験を実施した。ついでこの電池を60℃の恒温槽に入れ、0.7Cで定電流充電し、4.25Vに到達したところで定電圧充電に切り替えた。7日間充電を行った後、電池をエタノール浴に漬けて浮力を測定し、浮力よりガスの発生量を算出した。結果を表2に示す。
【0069】
比較例4
添加剤として1,2,4-ブタントリオールトリメタンスルホネートの代わりに1,3−プロパンサルトンを添加した電解液を使用したこと以外は実施例6と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例6と同様の電池特性試験を実施した。結果を表2に示す。
【0070】
比較例5
1,2,4-ブタントリオールトリメタンスルホネートを添加しない電解液を使用したこと以外は実施例6と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例6と同様の電池特性試験を実施した。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
上記表2から明らかなように、本発明に係る非水系電解液を用いれば、連続充電時に発生するガス量を抑制できる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、高容量かつ高温保存特性及び連続充電特性の良好なリチウム二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したリチウム二次電池の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極2 負極3 セパレータ4 PETフィルム5 シリコンゴム6 ガラス板7 ラミネートフィルム8 封止材付きリード

Claims (6)

  1. リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなるリチウム二次電池用非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表される多価スルホネート化合物を、該リチウム二次電池用非水系電解液の0.01〜15重量%含有することを特徴とするリチウム二次電池用非水系電解液。
    (式中、Lは炭素原子と水素原子から構成され、炭素原子数が3〜12であるZ価の連結基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜9のアリール基、炭素数7〜8のアラルキル基から選ばれる炭化水素基を表し、Zは3又は4である)
  2. リチウム二次電池が正極活物質を含み、該正極活物質がリチウムと遷移金属の複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用非水系電解液。
  3. 非水系有機溶媒が、不飽和カーボネートを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用非水系電解液。
  4. 非水系有機溶媒が、非対称カーボネートを含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用非水系電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用非水系電解液を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
  6. 活物質としてリチウムニッケル複合酸化物を含有する正極を用いることを特徴とする、請求項5に記載のリチウム二次電池。
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