JP2003214159A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

Info

Publication number
JP2003214159A
JP2003214159A JP2002017383A JP2002017383A JP2003214159A JP 2003214159 A JP2003214159 A JP 2003214159A JP 2002017383 A JP2002017383 A JP 2002017383A JP 2002017383 A JP2002017383 A JP 2002017383A JP 2003214159 A JP2003214159 A JP 2003214159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
catalyst
combustion heater
soot
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002017383A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshisuke Toshioka
俊祐 利岡
Shinya Hirota
信也 広田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002017383A priority Critical patent/JP2003214159A/ja
Publication of JP2003214159A publication Critical patent/JP2003214159A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 煤による燃焼式ヒータの作動悪化を改善す
る。 【解決手段】 内燃機関から排出される排気ガス中のN
Xを浄化するために機関排気通路3a、3bに配置さ
れたNOX触媒6a、6bと、該NOX触媒にリッチ空燃
比のガスを供給することができる燃焼式ヒータ14とを
具備する。燃焼式ヒータの作動状態が煤によって悪化せ
しめられていると診断したときには、燃焼式ヒータ内の
煤を酸化除去するヒータ再生制御を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮着火式の内燃機関から排出される排
気ガス中の窒素酸化物(NOX)を浄化するためのNOX
触媒を機関排気通路に備えた排気浄化装置が、特開20
00−345831号公報に開示されている。当該公報
に記載の排気浄化装置は2つのNOX触媒を並列に具備
し、いずれか一方のNOX触媒にのみ排気ガスを流入さ
せるための切換弁をこれらNOX触媒上流に具備する。
また、上記公報に記載のNOX触媒は、周囲に過剰な酸
素が存在するとNOXを吸収し且つ周囲の酸素濃度が低
下すると吸収しているNOXを放出して浄化する。圧縮
着火式の内燃機関から排出される排気ガス中には過剰な
酸素が含まれているので、通常、NOX触媒は排気ガス
中のNOXを吸収し続けることになる。
【0003】ところが、NOX触媒が吸収しえるNOX
量には限りがあるので、NOX触媒が吸収しているNOX
の量がその上限値に達する前に、NOX触媒に吸収され
ているNOXを還元浄化しなければ、NOX触媒はもはや
NOXを吸収しえず、斯くして、NOXがNOX触媒下流
へと流出してしまう。そこで、上記公報では、NOX
媒が吸収しているNOXの量がその上限値に達する前
に、燃焼式ヒータからリッチ空燃比の排気ガスをNOX
触媒に供給し、NOX触媒が吸収しているNOXを還元浄
化するようにしている。
【0004】なお、上述したように、排気浄化装置が2
つのNOX触媒を並列に具備し、いずれか一方のNOX
媒にのみ内燃機関からの排気ガスを流入させることがで
きるようになっている場合において、NOX触媒に吸収
されているNOXを還元浄化する必要があるときに、当
該NOX触媒には内燃機関からの排気ガスが流入しない
ようにした上で、当該NOX触媒に燃焼式ヒータからリ
ッチ空燃比の排気ガスを供給すれば、当該NOX触媒内
の酸素濃度を確実に低下させることができる。さらに、
内燃機関からの排気ガスは他方のNOX触媒に流入せし
められるので、内燃機関からの排気ガス中のNOXは他
方のNOX触媒に吸収されることとなる。したがって、
排気浄化装置のNOX浄化率は全体として高いレベルに
維持されることとなる。
【0005】ところで、燃料中には硫黄成分が含まれて
いるので、内燃機関では硫黄酸化物(SOX)が生成さ
れる。そして、NOX触媒は排気ガス中のSOXをも吸収
してしまう。この場合、NOX触媒が最大限に吸収可能
なNOXの量が少なくなってしまう。そこで、特開20
00−186537号公報では、NOX触媒に吸収され
ているSOXをNOX触媒から放出するために、燃焼式ヒ
ータからリッチ空燃比の排気ガスをNOX触媒に供給す
るようにしている。
【0006】ところで、上記特開2000−34583
1号公報に記載のNOX触媒にもSOXが吸収されるの
で、この場合に、上記特開2000−186537号公
報に記載されているように、燃焼式ヒータからリッチ空
燃比の排気ガスをNOX触媒に供給するようにすれば、
NOX触媒からSOXを放出させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、NO
X触媒に吸収されているNOXを浄化するためのリッチ空
燃比のガスを燃焼式ヒータからNOX触媒に供給するた
めには、燃焼式ヒータがリッチ空燃比にて運転せしめら
れる。また、NOX触媒からSOXを放出させるために
も、燃焼式ヒータがリッチ空燃比にて運転せしめられ
る。ところが、このように燃焼式ヒータがリッチ空燃比
にて運転せしめられると、燃焼式ヒータにて煤が発生
し、この煤が燃焼式ヒータ内に堆積してしまう。これら
堆積した煤は燃焼式ヒータの作動に悪影響を及ぼす。そ
こで本発明の目的は、煤による燃焼式ヒータの作動悪化
を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、1番目の発明では、内燃機関から排出される排気ガ
ス中のNOXを浄化するために機関排気通路に配置され
たNOX触媒と、該NO X触媒にリッチ空燃比のガスを供
給することができる燃焼式ヒータとを具備する排気浄化
装置において、燃焼式ヒータの作動状態を診断するため
の作動状態診断手段を具備し、燃焼式ヒータの作動状態
が煤によって悪化せしめられていると上記作動状態診断
手段が診断したときには、燃焼式ヒータ内の煤を酸化除
去するヒータ再生制御を実行するようにした。
【0009】上記課題を解決するために、2番目の発明
では、内燃機関から排出される排気ガス中のNOXを浄
化するために機関排気通路に並列して配置された2つの
NOX触媒と、各NOX触媒に流入する排気ガスの量を調
節するための流量調節弁と、これらNOX触媒にリッチ
空燃比のガスを供給するための燃焼式ヒータとを具備
し、燃焼式ヒータから一方のNOX触媒にリッチ空燃比
のガスを供給すべきときには、該リッチ空燃比のガスを
供給すべきNOX触媒に流入する排気ガスの量が上記流
量調節弁によって少なくされると共に、該リッチ空燃比
のガスを供給すべきNOX触媒に燃焼式ヒータからリッ
チ空燃比のガスが供給されるようになっている排気浄化
装置において、燃焼式ヒータの作動状態を診断するため
の作動状態診断手段を具備し、燃焼式ヒータの作動状態
が煤によって悪化せしめられていると上記作動状態診断
手段が診断したときには、燃焼式ヒータ内の煤を酸化除
去するヒータ再生制御を実行するようにした。
【0010】3番目の発明では、1番目または2番目の
発明において、燃焼式ヒータを高温で且つリーン空燃比
にて運転させることによって、燃焼式ヒータ内の煤を酸
化除去するようにした。
【0011】4番目の発明では、1番目または2番目の
発明において、上記ヒータ再生制御が、燃焼式ヒータか
らリッチ空燃比のガスをNOX触媒に供給すべきとき以
外の時期に実行される。
【0012】5番目の発明では、1番目〜4番目の発明
のいずれか1つにおいて、上記作動状態診断手段は、燃
焼式ヒータが着火するまでの時間が予め定められた時間
よりも長いことをもって、燃焼式ヒータの作動状態が煤
によって悪化せしめられていると診断する。
【0013】6番目の発明では、1番目〜4番目の発明
のいずれか1つにおいて、上記作動状態診断手段は、燃
焼式ヒータから排出されるガスの温度が予め定められた
温度よりも低いことをもって、燃焼式ヒータの作動状態
が煤によって悪化せしめられていると診断する。
【0014】7番目の発明では、1番目〜4番目の発明
のいずれか1つにおいて、当該排気浄化装置を備えた内
燃機関が車両に搭載されている場合に、上記作動状態診
断手段は、車両の走行距離が予め定められた距離に達し
たことをもって、燃焼式ヒータの作動状態が煤によって
悪化せしめられていると診断する。
【0015】8番目の発明では、1番目〜4番目の発明
において、上記作動状態診断手段は、燃焼式ヒータのト
ータルの作動時間が予め定められた時間に達したことを
もって、燃焼式ヒータの作動状態が煤によって悪化せし
められていると診断する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の排
気浄化装置を説明する。図1は本発明の排気浄化装置を
備えた内燃機関を示している。以下で説明する実施形態
において、内燃機関は圧縮着火式の内燃機関であるが、
本発明は火花点火式の内燃機関にも適用可能である。図
1において、1は機関本体、2は吸気通路、3は排気通
路である。吸気通路3内にはスロットル弁4が配置され
る。スロットル弁4にはステップモータ5が接続され
る。
【0017】排気通路3は並列した2つの排気枝通路、
すなわち、第1の排気枝通路3aと第2の排気枝通路3
bに分岐する。第1の排気枝通路3aには、第1のNO
X触媒6aが配置される。第1NOX触媒6a上流の排気
枝通路3aにはその温度を検出するための第1の温度セ
ンサ7aが取り付けられる。さらに、第1NOX触媒6
a上流の第1排気枝通路3aには、排気ガスの空燃比を
検出するための第1の空燃比センサ8aが取り付けられ
る。
【0018】一方、第2の排気枝通路3bには、第2の
NOX触媒6bが配置される。第2NOX触媒6b上流の
排気枝通路3bにはその温度を検出するための第2の温
度センサ7bが取り付けられる。さらに、第2NOX
媒6b上流の第2排気枝通路3bには、排気ガスの空燃
比を検出するための第2の空燃比センサ8bが取り付け
られる。
【0019】なお、第1排気枝通路3aと第2排気枝通
路3bとはNOX触媒6a、6b下流にて合流する。
【0020】排気通路3から排気枝通路3a、3bが分
岐する排気通路分岐領域には、各排気枝通路3a、3b
に流入する排気ガスの量を調節するための上流側流量調
節弁9が配置される。上流側流量調節弁9にはステップ
モータ10が接続される。上流側流量調節弁9が図1
(A)に示されている動作位置に位置決めされると、排
気ガスはほとんど全て第1排気枝通路3aを介して第1
NOX触媒6aに流入する。一方、上流側流量調節弁9
が図1(B)に示されている動作位置に位置決めされる
と、排気ガスはほとんど全て第2排気枝通路3bを介し
て第2NOX触媒6bに流入する。
【0021】さらに、排気枝通路3a、3bが合流する
排気枝通路合流領域には、排気枝通路3a、3bから流
出する排気ガスの量を調節し、場合によっては、排気枝
通路3a、3bを遮断するための下流側流量調節弁11
が配置される。下流側流量調節弁11にはステップモー
タ12が接続される。下流側流量調節弁11が図1
(A)に示されている動作位置に位置決めされると、下
流側流量調節弁11は第2排気枝通路3bを遮断する。
したがって、第1排気枝通路3aから流出した排気ガス
が第2排気枝通路3bに流入することが防止される。一
方、下流側流量調節弁11が図1(B)に示されている
動作位置に位置決めされると、下流側流量調節弁11は
第1排気枝通路3aを遮断する。したがって、第2排気
枝通路3bから流出した排気ガスが第1排気枝通路3a
に流入することが防止される。
【0022】排気通路分岐領域には、燃焼ガス通路13
を介して燃焼式ヒータ14が接続される。燃焼式ヒータ
14にはヒータ吸気通路15を介して空気が吸入され
る。ヒータ吸気通路15には、燃焼式ヒータ14に吸入
される空気の量を制御するための吸気量制御弁16が配
置される。また、燃焼式ヒータ14には燃料通路17を
介して燃料タンク18が接続される。燃料タンク18は
燃料通路17を介して機関本体1にも接続される。燃料
通路17には吐出量可変な燃料ポンプ19が配置され
る。
【0023】燃焼式ヒータ14はグロープラグのような
着火装置を具備し、この着火装置に燃料タンク18から
燃料を供給し、この燃料を燃焼することによって高温の
ガスを排出することができる。NOX触媒6a、6bは
燃焼式ヒータ14から排出される高温のガスによって加
熱される。なお、燃焼式ヒータ14への空気の吸入は、
例えば、吸気ファンによって行われる。ここで、燃焼式
ヒータ14に吸入される空気の量と着火装置に供給する
燃料の量とを調節することによって、燃焼式ヒータ14
から排出されるガスの量とその空燃比とを調節すること
ができる。
【0024】排気通路分岐領域上流の排気通路3からス
ロットル弁4下流の吸気通路2まで排気再循環(EG
R)通路20が延びる。EGR通路20にはEGR制御
弁21が配置される。EGR制御弁21にはステップモ
ータ22が接続される。EGR制御弁21が開弁せしめ
られると、排気ガスが排気通路3からEGR通路20を
介して吸気通路2に導入される。吸気通路2に導入され
る排気ガスの量はEGR制御弁21の開度を調節するこ
とによって制御される。
【0025】なお、第1温度センサ7a、第2温度セン
サ7b、第1空燃比センサ8a、および、第2空燃比セ
ンサ8bは電子制御装置(図示せず)に接続され、これ
らの出力信号が電子制御装置に送信される。一方、スロ
ットル弁駆動用のステップモータ5、上流側流量調節弁
駆動用のステップモータ10、下流側流量調節弁駆動用
のステップモータ12、燃料ポンプ19、および、EG
R制御弁駆動用のステップモータ22は電子制御装置に
接続され、これらの動作が電子制御装置によって制御さ
れる。
【0026】第1NOX触媒6aは、周囲に過剰な酸素
が存在するとNOXを吸収・吸着することによって保持
し且つ周囲の酸素濃度が低下すると保持しているNOX
を解放するNOX保持剤と、NOXを炭化水素によって還
元浄化することができる貴金属触媒とを具備する。第2
NOX触媒6bの構成は第1NOX触媒6aの構成と同じ
である。
【0027】圧縮着火式内燃機関は、通常、リーン空燃
比にて運転せしめられるので、内燃機関から排出される
排気ガス中には過剰な酸素が含まれている。また、圧縮
着火式内燃機関ではNOXが生成されるので、排気ガス
中にはNOXも含まれている。そして、通常、両流量調
節弁9、11は、図1(A)に示されている動作位置、
或いは、図1(B)に示されている動作位置に位置決め
されている。したがって、内燃機関が通常運転せしめら
れている間、NOX触媒6a、6bには過剰な酸素が含
まれている排気ガスが流入するので、NOX触媒6a、
6bは流入する排気ガス中のNOXを次々と吸収・吸着
し続ける。
【0028】ところが、NOX触媒6a、6bが吸収・
吸着によって保持可能なNOXの量には上限がある。し
たがって、例えば、両流量調節弁9、11が図1(A)
に示されている動作位置に位置決めされ続けていると、
第1NOX触媒6aが保持しているNOXの量(以下、N
X保持量と称す)がその上限値に達する。この場合、
第1NOX触媒6aはもはやNOXを吸収することができ
ず、NOXがNOX触媒6a、6b下流へ流出してしま
う。
【0029】そこで、本実施形態では、第1NOX触媒
6aのNOX保持量がその上限値に達したとき、或い
は、その上限値に達する直前に、上流側流量調節弁9の
動作位置を図(B)に示されている動作位置に切り換え
て、第1NOX触媒6aに流入する排気ガスの量をほぼ
零にまで低減し、且つ、下流側流量調節弁11の動作位
置を図1(B)に示されている動作位置よりも僅かに図
1(A)に示されている動作位置に近い位置に切り換え
て、第1排気枝通路3aを僅かばかり開放した状態で、
燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のガス(以下、ヒー
タガスと称す)を第1NOX触媒6aに供給する。ここ
でリッチ空燃比のガスとは、その酸素濃度が内燃機関か
ら通常排出される排気ガス中の酸素濃度よりも低く且つ
比較的多量の炭化水素(HC)が含まれているガスであ
る。
【0030】このようにリッチ空燃比のヒータガスが第
1NOX触媒6aに供給されると、第1NOX触媒6aは
保持しているNOXを解放し、斯くして解放されたNOX
をヒータガス中のHCによって還元浄化する。これによ
り、第1NOX触媒6aは再びNOXを吸収・吸着によっ
て保持することができるようになる。すなわち、第1N
X触媒6aのNOX保持能力が回復せしめられる。な
お、このように第1NOX触媒6aのNOX保持能力回復
処理が実行されている間、内燃機関から排出される排気
ガスは第2NOX触媒6bに流入し、排気ガス中のNOX
は第2NOX触媒6bに吸収・吸着によって保持され
る。
【0031】なお、本実施形態では、第1NOX触媒6
aのNOX保持能力回復処理が完了すると、下流側流量
調節弁11の動作位置が図1(B)に示されている動作
位置に切り換えられて、第2排気枝通路3bから流出す
る排気ガスが第1排気枝通路3aに流入しないようにす
る。そして、第2NOX触媒6bのNOX保持量がその上
限値に達するまでは、両流量調節弁9、11の動作位置
は図1(B)に示されている動作位置に維持される。そ
して、第2NOX触媒6bのNOX保持量がその上限値に
達したとき、或いは、その上限値に達する直前に、上流
側流量調節弁9の動作位置を図1(A)に示されている
動作位置に切り換えて、第2NOX触媒6bに流入する
排気ガスの量をほぼ零にまで低減し、且つ、下流側流量
調節弁11の動作位置を図1(A)に示されている動作
位置よりも僅かに図1(B)に近い位置に切り換えて、
第2排気枝通路3bを僅かばかり開放した状態で、燃焼
式ヒータ14からリッチ空燃比のヒータガスを第2NO
X触媒6bに供給し、第2NOX触媒6bのNOX保持能
力を回復せしめる。
【0032】以後、第1NOX触媒6aのNOX保持能力
回復処理と第2NOX触媒6bのNOX保持能力回復処理
とが繰り返される。
【0033】ところで、機関本体1に供給される燃料中
には硫黄成分(S)も含まれているので、内燃機関では
硫黄酸化物(SOX)が生成され、排気ガス中にはSOX
も含まれている。NOX触媒6a、6bはこうしたSOX
をも吸収・吸着によって保持してしまう。この場合、N
X触媒6a、6bのNOX保持能力が低下し、これらN
X触媒のNOX保持能力回復処理の実行頻度が多くなっ
てしまう。NOX触媒6a、6bに保持されたSOXは、
NOX触媒6a、6bの温度が高温となり且つ周囲の酸
素濃度が低下すると、NOX触媒6a、6bから離脱す
る。
【0034】そこで本実施形態では、各NOX触媒6
a、6bのNOX保持能力回復処理の実行間隔に基づい
て、各NOX触媒6a、6bのNOX保持能力が低下した
ことを推定し、NOX保持能力が低下したNOX触媒から
SOXを離脱させるSOX離脱処理が実行される。
【0035】具体的には、第1NOX触媒6aに対する
NOX保持能力回復処理の実行間隔が所定の間隔よりも
短くなった場合には、第1NOX触媒6aのNOX保持能
力がSOXによって低下せしめられていると推定する。
この場合、NOX保持能力回復処理が実行されるときと
同様に、両流量調節弁9、11の動作位置を切り換えた
状態で、燃焼式ヒータ14から高温でリッチ空燃比のヒ
ータガスを第1NOX触媒6aに供給する。これによ
り、第1NOX触媒6aからSOXが離脱する。
【0036】もちろん、第2NOX触媒6bに対するN
X保持能力回復処理の実行間隔が所定の間隔よりも短
くなった場合には、第2NOX触媒6bのNOX保持能力
がSO Xによって低下せしめられていると推定する。こ
の場合にも、NOX保持能力回復処理が実行されるとき
と同様に、両流量調節弁9、11の動作位置を切り換え
た状態で、高温でリッチ空燃比のヒータガスを第2NO
X触媒6bに供給する。
【0037】なお、本実施形態では、NOX保持能力回
復処理またはSOX離脱処理が実行される毎に、両流量
調節弁9、11の動作位置が図1(A)に示されている
位置と図1(B)に示されている位置との間で切り換え
られるが、これら両流量調節弁9、11の動作位置が、
以下のように切り換えられるようにしてもよい。
【0038】すなわち、NOX保持能力回復処理または
SOX離脱処理が実行されないときには、両流量調節弁
9、11の動作位置が、図1(A)に示されている位置
と図1(B)に示されている位置との中間の位置に位置
決めされ、いずれか一方のNO X触媒6a、6bに関し
てNOX保持能力回復処理またはSOX離脱処理が実行さ
れるべきときには、当該NOX触媒6a、6bに関して
上述した実施形態に従って両流量調節弁9、11の動作
位置が位置決めされ、これら処理が終了したときに、再
び、両流量調節弁9、11の動作位置が元の中間の位置
に位置決めされるようにしてもよい。
【0039】これによれば、NOX保持能力回復処理ま
たはSOX離脱処理が実行されないときにおいて、排気
ガスは両NOX触媒6a、6bに均等に流入するので、
各NOX触媒6a、6bにて保持しなければならないN
Xの量がほぼ半分ずつとなる。このため、各NOX触媒
6a、6bの容量が小さくとも、排気ガス中のNOX
これら2つのNOX触媒6a、6bによって良好に保持
される。したがって、これによれば、排気エミッション
が高く維持されつつ、NOX触媒の車両への搭載性が向
上される。
【0040】ところで、上述したように、燃焼式ヒータ
14はNOX触媒6a、6bにリッチ空燃比のガスを供
給するために作動せしめられる。燃焼式ヒータ14がリ
ッチ空燃比のガスを排出するためには、燃焼式ヒータ1
4はリッチ空燃比にて運転せしめられる。このように燃
焼式ヒータ14がリッチ空燃比にて運転せしめられる
と、燃焼式ヒータ14内において煤が生成されるので、
燃焼式ヒータ14が作動される毎に、燃焼式ヒータ14
内および燃焼ガス通路13内に煤が堆積してしまう。こ
のように堆積した煤の量が多くなると、これら煤が燃焼
式ヒータ14の作動に悪影響を及ぼし、例えば、燃焼式
ヒータ14の着火性が悪化したり、燃焼式ヒータ14か
ら排出されるガスの温度が低くなったりする。
【0041】そこで本発明では、煤が燃焼式ヒータ14
の作動に悪影響を及ぼしていると推定されたときに、燃
焼式ヒータ14を高温(例えば、550℃以上)で且つ
リーン空燃比にて運転せしめ、燃焼式ヒータ14内およ
び燃焼ガス通路13内に堆積している煤を燃焼除去する
煤燃焼除去処理が実行される。
【0042】なお、燃焼式ヒータ14の作動状態が煤に
よって悪化すると、燃焼式ヒータ14が始動されてから
着火するまでの時間(以下、着火時間と称す)が長くな
る。そこで、第1の実施形態では、NOX保持能力回復
処理またはSOX離脱処理が実行されるときの燃焼式ヒ
ータ14の着火時間に基づいて、燃焼式ヒータ14の作
動状態が煤によって悪化せしめられているか否かが診断
される。具体的には、着火時間が予め定められた時間よ
りも長い場合に、燃焼式ヒータ14の作動状態が煤によ
って悪化せしめられていると推定される。
【0043】また、燃焼式ヒータ14の作動状態が煤に
よって悪化すると、燃焼式ヒータ14から排出されるガ
ス(ヒータガス)の温度が低下する。そこで、第2の実
施形態では、ヒータガスの温度に基づいて、燃焼式ヒー
タ14の作動状態が煤によって悪化せしめられているか
否かが診断される。具体的には、ヒータガスの温度が予
め定められた温度よりも低い場合に、燃焼式ヒータ14
の作動状態が煤によって悪化せしめられていると推定さ
れる。
【0044】また、燃焼式ヒータ14内および燃焼ガス
通路13内に堆積している煤の量は、燃焼式ヒータ14
のトータルの作動時間にほぼ比例して多くなる。したが
って、燃焼式ヒータ14のトータルの作動時間が長くな
ると、燃焼式ヒータ14の作動状態が煤によって悪化す
ることとなる。そこで、第3の実施形態では、燃焼式ヒ
ータ14のトータルの作動時間に基づいて、燃焼式ヒー
タ14の作動状態が煤によって悪化せしめられているか
否かが診断される。具体的には、燃焼式ヒータ14のト
ータルの作動時間が予め定められた時間に達した場合
に、燃焼式ヒータ14の作動状態が煤によって悪化せし
められていると推定される。
【0045】なお、本発明の排気浄化装置を備えた内燃
機関が車両に搭載されている場合、燃焼式ヒータ14の
トータルの作動時間は、車両の走行距離から推定可能で
ある。そこで、第4の実施形態では、本発明の排気浄化
装置を備えた内燃機関が車両に搭載されている場合にお
いて、車両の走行距離に基づいて、燃焼式ヒータ14の
作動状態が煤によって悪化せしめられているか否かが診
断される。具体的には、車両の走行距離が予め定められ
た距離に達した場合に、燃焼式ヒータ14の作動状態が
煤によって悪化せしめられていると推定される。
【0046】また、煤燃焼除去処理は、NOX保持能力
回復処理が実行されておらず、且つ、SOX離脱処理が
実行されていないときに実行される。
【0047】図2に第1実施形態の煤燃焼除去処理を実
行するフローチャートを示した。図2に示したフローチ
ャートでは、初めに、ステップ10において、燃焼式ヒ
ータ14の着火時間Tiが予め定められた時間(例え
ば、15秒)Tthよりも長い(Ti>Tth)か否か
が判別される。ステップ10において、Ti≦Tthで
あると判別されたときには、煤燃焼除去処理を実行する
必要はないと判断し、ルーチンは終了する。一方、ステ
ップ10において、Ti>Tthであると判別されたと
きには、煤燃焼除去処理を実行する必要があると判断
し、ルーチンがステップ11に進んで、NOX保持能力
回復処理フラグF1がリセットされている(F1=0)
か否かが判別される。ここで、NOX保持能力回復処理
フラグF1は、NOX保持能力回復処理が開始されたと
きにセットされ、NOX保持能力回復処理が終了したと
きにリセットされるフラグである。
【0048】ステップ11において、F1=1であると
判別されたとき、すなわち、NOX保持能力回復処理が
実行されているときには、ルーチンは終了する。一方、
ステップ11において、F1=0であると判別されたと
き、すなわち、NOX保持能力回復処理が実行されてい
ないときには、ルーチンがステップ12に進んで、SO
X離脱処理フラグF2がリセットされている(F2=
0)か否かが判別される。ここで、SOX離脱処理フラ
グF2は、SOX離脱処理が開始されたときにセットさ
れ、SOX離脱処理が終了したときにリセットされるフ
ラグである。
【0049】ステップ12において、F2=1であると
判別されたとき、すなわち、SOX離脱処理が実行され
ているときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ
12において、F2=0であると判別されたとき、すな
わち、SOX離脱処理が実行されていないときには、ル
ーチンがステップ13に進んで、燃焼式ヒータ14が高
温で且つリーン空燃比にて運転せしめられる。
【0050】図3に第2実施形態の煤燃焼除去処理を実
行するフローチャートを示した。図3に示したフローチ
ャートでは、初めに、ステップ20において、NOX
持能力回復処理またはSOX離脱処理が実行されている
ときに燃焼式ヒータ14からNOX触媒6a、6bに供
給された排気ガスの温度Teが予め定められた温度(例
えば、250℃)Tthよりも低い(Te<Tth)か
否かが判別される。ここで、排気ガスの温度Teは、例
えば、各NOX触媒6a、6bに取り付けられている温
度センサ7a、7bによって検出される各NOX触媒6
a、6bの温度から推定される。
【0051】ステップ20において、Te≧Tthであ
ると判別されたときには、煤燃焼除去処理を実行する必
要はないと判断し、ルーチンは終了する。一方、ステッ
プ20において、Te<Tthであると判別されたとき
には、煤燃焼除去処理を実行する必要があると判断し、
ルーチンがステップ21に進んで、NOX保持能力回復
処理フラグF1がリセットされている(F1=0)か否
かが判別される。ここで、フラグF1は図2のフローチ
ャートにおけるフラグF1と同じである。
【0052】ステップ21において、F1=1であると
判別されたとき、すなわち、NOX保持能力回復処理が
実行されているときには、ルーチンは終了する。一方、
ステップ21において、F1=0であると判別されたと
き、すなわち、NOX保持能力回復処理が実行されてい
ないときには、ルーチンがステップ22に進んで、SO
X離脱処理フラグF2がリセットされている(F2=
0)か否かが判別される。ここで、フラグF2は図2の
フローチャートにおけるフラグF1と同じである。
【0053】ステップ22において、F2=1であると
判別されたとき、すなわち、SOX離脱処理が実行され
ているときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ
22において、F2=0であると判別されたとき、すな
わち、SOX離脱処理が実行されていないときには、ル
ーチンがステップ23に進んで、燃焼式ヒータ14が高
温で且つリーン空燃比にて運転せしめられる。
【0054】図4に第3実施形態の煤燃焼除去処理を実
行するフローチャートを示した。図4に示したフローチ
ャートでは、初めに、ステップ30において、煤燃焼除
去処理が前回、実行されてからの燃焼式ヒータ14のト
ータルの作動時間Toが予め定められた時間(例えば、
10時間)Tthよりも長い(To>Tth)か否かが
判別される。
【0055】ステップ30において、To≦Tthであ
ると判別されたときには、煤燃焼除去処理を実行する必
要はないと判断し、ルーチンは終了する。一方、ステッ
プ30において、To>Tthであると判別されたとき
には、煤燃焼除去処理を実行する必要があると判断し、
ルーチンがステップ31に進んで、NOX保持能力回復
処理フラグF1がリセットされている(F1=0)か否
かが判別される。ここで、フラグF1は図2のフローチ
ャートにおけるフラグF1と同じである。
【0056】ステップ31において、F1=1であると
判別されたとき、すなわち、NOX保持能力回復処理が
実行されているときには、ルーチンは終了する。一方、
ステップ31において、F1=0であると判別されたと
き、すなわち、NOX保持能力回復処理が実行されてい
ないときには、ルーチンがステップ32に進んで、SO
X離脱処理フラグF2がリセットされている(F2=
0)か否かが判別される。ここで、フラグF2は図2の
フローチャートにおけるフラグF1と同じである。
【0057】ステップ32において、F2=1であると
判別されたとき、すなわち、SOX離脱処理が実行され
ているときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ
32において、F2=0であると判別されたとき、すな
わち、SOX離脱処理が実行されていないときには、ル
ーチンがステップ33に進んで、燃焼式ヒータ14が高
温で且つリーン空燃比にて運転せしめられる。
【0058】図5に第4実施形態の煤燃焼除去処理を実
行するフローチャートを示した。図5に示したフローチ
ャートでは、初めに、ステップ40において、車両の走
行距離Dが予め定められた距離(例えば、1000k
m)Dthよりも長い(D>Dth)か否かが判別され
る。
【0059】ステップ40において、D≦Dthである
と判別されたときには、煤燃焼除去処理を実行する必要
はないと判断し、ルーチンは終了する。一方、ステップ
40において、D>Dthであると判別されたときに
は、煤燃焼除去処理を実行する必要があると判断し、ル
ーチンがステップ41に進んで、NOX保持能力回復処
理フラグF1がリセットされている(F1=0)か否か
が判別される。ここで、フラグF1は図2のフローチャ
ートにおけるフラグF1と同じである。
【0060】ステップ41において、F1=1であると
判別されたとき、すなわち、NOX保持能力回復処理が
実行されているときには、ルーチンは終了する。一方、
ステップ41において、F1=0であると判別されたと
き、すなわち、NOX保持能力回復処理が実行されてい
ないときには、ルーチンがステップ42に進んで、SO
X離脱処理フラグF2がリセットされている(F2=
0)か否かが判別される。ここで、フラグF2は図2の
フローチャートにおけるフラグF1と同じである。
【0061】ステップ42において、F2=1であると
判別されたとき、すなわち、SOX離脱処理が実行され
ているときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ
42において、F2=0であると判別されたとき、すな
わち、SOX離脱処理が実行されていないときには、ル
ーチンがステップ43に進んで、燃焼式ヒータ14が高
温で且つリーン空燃比にて運転せしめられる。
【0062】なお、本発明は、図6に示したパティキュ
レートフィルタ(以下、単にフィルタと称す)を具備す
る排気浄化装置にも適用可能である。最後に、図6に示
したフィルタについて説明する。図6(A)はフィルタ
の端面図であり、図6(B)はフィルタの縦断面図であ
る。図6(A)および図6(B)に示したように、フィ
ルタ30はハニカム構造をなしており、互いに平行をな
して延びる複数個の排気流通路50,51を具備する。
これら排気流通路の略半数がその下流端開口を栓52で
閉鎖することによって排気流入通路50とされ、残りの
半数がその上流端開口を栓53で閉鎖することによって
排気流出通路51とされている。これら排気ガス流入通
路50および排気ガス流出通路51は薄肉の隔壁54を
介して交互に配置される。云い換えると、排気ガス流入
通路50および排気ガス流出通路51は各排気ガス流入
通路50が四つの排気ガス流出通路51により包囲さ
れ、各排気ガス流出通路51が四つの排気ガス流入通路
50により包囲されるように配置される。
【0063】フィルタ30は、例えば、コージェライト
のような多孔質材料から形成される。したがって、排気
ガス流入通路50内に流入した排気ガスは、図6(B)
において矢印で示したように、隔壁54の細孔を通っ
て、隣接する排気ガス流出通路51内に流入する。
【0064】フィルタ30内には、隔壁54の両壁面
上、および、隔壁の細孔を画成する壁面上に全面に亘っ
て、例えば、アルミナからなる担体の層が形成され、こ
の担体層上に、貴金属触媒と、活性酸素生成剤とが担持
されている。
【0065】貴金属触媒としては、白金(Pt)が用い
られる。一方、活性酸素生成剤としては、カリウム
(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシ
ウム(Cs)、ルビジウム(Rb)のようなアルカリ金
属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロン
チウム(Sr)のようなアルカリ土類金属、ランタン
(La)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)のよ
うな希土類、鉄(Fe)のような遷移金属、およびスズ
(Sn)のような炭素族元素から選ばれた少なくとも一
つが用いられる。
【0066】活性酸素生成剤は、周囲に過剰な酸素が存
在すると酸素を吸収・吸着によって保持し且つ周囲の酸
素濃度が低下すると保持している酸素を活性酸素の形で
解放することによって活性酸素を生成する。次に、活性
酸素生成剤の活性酸素生成作用について、担体上に白金
およびカリウムを担持させた場合を例にとって説明する
が、他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希
土類、遷移金属を用いても同様な活性酸素生成作用が行
われる。
【0067】吸気通路2および内燃機関の燃焼室内に供
給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比と称する
と、圧縮着火式内燃機関から排出される排気ガスの空燃
比はリーンである。したがって、フィルタ30に流入す
る排気ガスは多量の過剰空気を含んでいる。また、圧縮
着火式内燃機関の燃焼室内ではNOが発生する。したが
って、排気ガス中にはNOが含まれている。また、燃料
中には硫黄成分(S)が含まれており、この硫黄成分
(S)は燃焼室内で酸素と反応してSO2となる。した
がって、排気ガス中にはSO2が含まれている。このた
め過剰酸素、NOおよびSO2を含んだ排気ガスがフィ
ルタ30の排気ガス流入通路50内に流入することにな
る。
【0068】図7(A)および(B)は排気ガス流入通
路50の周壁面上に形成された担体層の表面の拡大図を
模式的に表わしている。なお、図6(A)および(B)
において、60は白金の粒子を示し、61はカリウムを
含んでいる活性酸素生成剤を示している。
【0069】排気ガスがフィルタ30の排気ガス流入通
路50内に流入すると、図7(A)に示したように、排
気ガス中の酸素(O2)がO2 -またはO2-の形で白金の
表面に付着する。一方、排気ガス中のNOは白金の表面
上でO2 -またはO2-と反応し、NO2となる(2NO+
2→2NO2)。斯くして生成されたNO2の一部は白
金上で酸化されつつ活性酸素生成剤61内に吸収(場合
によっては吸着)によって保持され、図7(A)に示し
たように、カリウムと結合しながら硝酸イオン(N
3 -)の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硝酸カリ
ウム(KNO3)を生成する。すなわち、排気ガス中の
酸素が硝酸カリウム(KNO3)の形で活性酸素生成剤
61内に吸収によって保持される。
【0070】排気ガス中のSO2もNOと同様なメカニ
ズムで活性酸素生成剤61内に吸収によって保持され
る。すなわち、排気ガス中のSO2は白金の表面でO2 -
またはO2-と反応してSO3となる。斯くして生成され
たSO3の一部は白金上でさらに酸化されつつ活性酸素
生成剤61内に吸収(場合によっては吸着)によって保
持され、カリウムと結合しながら硫酸イオン(S
4 2-)の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硫酸カ
リウム(K2SO4)を生成する。すなわち、排気ガス中
の酸素が硫酸カリウム(K2SO4)の形で活性酸素生成
剤61内に吸収によって保持される。
【0071】ここで、燃焼室内においては主にカーボン
(C)からなる微粒子が生成される。したがって、排気
ガス中にはこれら微粒子が含まれている。排気ガス中に
含まれているこれら微粒子は排気ガスがフィルタ30の
排気ガス流入通路50内を流れているとき、或いは、隔
壁54の細孔内を通過するときに、図7(B)において
62で示したように担体層の表面、例えば、活性酸素生
成剤61の表面上に接触し、付着する。
【0072】このように微粒子62が活性酸素生成剤6
1の表面上に付着すると、微粒子62と活性酸素生成剤
61との接触面では酸素濃度が低下する。すなわち、活
性酸素生成剤61の周囲の酸素濃度が低下する。酸素濃
度が低下すると酸素濃度の高い活性酸素生成剤61内と
の間で濃度差が生じ、斯くして、活性酸素生成剤61内
の酸素が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に
向けて移動しようとする。その結果、活性酸素生成剤6
1内に形成されている硝酸カリウム(KNO3)がカリ
ウム(K)と酸素(O)とNOとに分解され、酸素
(O)が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に
向かい、その一方で、NOが活性酸素生成剤61から外
部に放出される。斯くして活性酸素生成剤61が活性酸
素を生成する。外部に放出されたNOは下流側の白金P
t上において酸化され、再び活性酸素生成剤61内に保
持される。
【0073】また、このとき活性酸素生成剤61内に形
成されている硫酸カリウム(K2SO4)もカリウム
(K)と酸素(O)とSO2とに分解され、酸素(O)
が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向か
い、その一方で、SO2が活性酸素生成剤61から外部
に放出される。斯くして活性酸素生成剤61が活性酸素
を生成する。外部に放出されたSO2は下流側の白金上
において酸化され、再び活性酸素生成剤61内に保持さ
れる。ただし、硫酸カリウム(K2SO4)は安定で分解
しづらいので硫酸カリウムは硝酸カリウム(KNO3
よりも酸素を放出しづらい。
【0074】ここで、活性酸素生成剤61によって生成
される活性酸素はそこに付着した微粒子を酸化除去する
ために消費される。すなわち、フィルタ30に捕集され
た微粒子は活性酸素生成剤61によって生成される活性
酸素によって酸化除去される。
【0075】従来、フィルタに捕集されている微粒子を
除去する場合、フィルタの温度を比較的高い温度にまで
上昇させることによって微粒子を燃焼し、これにより微
粒子を除去していた。
【0076】一方、本発明において微粒子を除去するた
めに利用される酸素は、硝酸カリウムや硫酸カリウムの
ような化合物から分解された活性酸素であって、不対電
子を有することから、極めて高い反応性を有する。した
がって、この活性酸素によれば、フィルタの温度が比較
的低くても、微粒子を酸化除去することができる。
【0077】このように、従来のフィルタでは、火炎を
伴う燃焼によって微粒子を除去していたのに対し、本発
明のフィルタでは、輝炎を発することのない酸化によっ
て微粒子を除去している。したがって、本発明のフィル
タによれば、そこに捕集された微粒子は連続的に酸化除
去され、すなわち、活性酸素(O)が微粒子62に接触
すると、微粒子62は短時間(数秒〜数十分)のうちに
輝炎を発することなく酸化せしめられ、微粒子62は完
全に消滅する。したがって、微粒子62がフィルタ30
上に堆積することはほとんどない。
【0078】なお、活性酸素生成剤61は周囲に過剰な
酸素が存在するとNOXを硝酸イオンの形で保持するこ
とによって結果的に酸素を保持する。すなわち、活性酸
素生成剤61は周囲に過剰な酸素が存在するとNOX
吸収・吸着によって保持する。一方、活性酸素生成剤6
1は周囲の酸素濃度が低下すると硝酸イオンの形で保持
されているNOXを解放することによって活性酸素を生
成する。すなわち、活性酸素生成剤61は周囲の酸素濃
度が低下するとNOXを解放する。したがって、本発明
の活性酸素生成剤61はNOX保持剤としても機能す
る。
【0079】ここで、活性酸素生成剤61周りの酸素濃
度が低下する場合とは、上述したように、周囲の雰囲気
はリーン雰囲気であるが活性酸素生成剤61に微粒子が
付着した場合の他に、フィルタ30に流入するガスの空
燃比がリッチとなって周囲の雰囲気がリッチ雰囲気とな
った場合がある。
【0080】周囲の雰囲気はリッチ雰囲気であるが活性
酸素生成剤61に微粒子が付着することで活性酸素生成
剤61周りの酸素濃度が低下した場合に解放されたNO
Xは、上述したように、再び活性酸素生成剤61に吸収
・吸着によって保持される。一方、フィルタ30に流入
する排気ガスの空燃比がリッチとなって周囲の雰囲気が
リッチ雰囲気となった場合に解放されたNOXは、白金
の作用によって排気ガス中の炭化水素で還元浄化され
る。云い方を換えれば、燃焼式ヒータ14からリッチ空
燃比のガスをフィルタ30に供給すれば、活性酸素生成
剤61に保持されているNOXを還元浄化することがで
きる。したがって、本発明のフィルタ30は、活性酸素
生成剤61と白金とからなるNOX触媒を具備する。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、燃焼式ヒータの作動状
態が煤によって悪化せしめられていると診断されたとき
に、燃焼式ヒータ内の煤が酸化除去され、斯くして、煤
による燃焼式ヒータの作動悪化が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置を備えた内燃機関を示す
図である。
【図2】第1実施形態の煤燃焼除去処理を実行するフロ
ーチャートである。
【図3】第2実施形態の煤燃焼除去処理を実行するフロ
ーチャートである。
【図4】第3実施形態の煤燃焼除去処理を実行するフロ
ーチャートである。
【図5】第4実施形態の煤燃焼除去処理を実行するフロ
ーチャートである。
【図6】パティキュレートフィルタを示す図である。
【図7】活性酸素生成剤の活性酸素生成作用を説明する
ための図である。
【符号の説明】 1…機関本体 2…吸気通路 3…排気通路 3a、3b…排気枝通路 6a、6b…NOX触媒 9…上流側流量調節弁 11…下流側流量調節弁 14…燃焼式ヒータ 18…燃料タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/28 301C 301H 3/28 301 3/36 J M 3/36 B01D 53/36 101A ZAB Fターム(参考) 3G091 AA11 AA12 AA17 AA18 AB02 AB06 AB13 BA04 BA11 BA14 BA22 BA31 CA02 CA12 CA13 CB07 CB08 DB10 EA17 EA30 EA34 EA38 FB10 FB12 GA06 GA20 GA23 GB01W GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB07W GB17X HA11 HA14 HA36 HA42 HB02 HB03 4D048 AA06 AB05 AC02 AC10 CC61 DA01 DA02 DA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関から排出される排気ガス中のN
    Xを浄化するために機関排気通路に配置されたNOX
    媒と、該NOX触媒にリッチ空燃比のガスを供給するこ
    とができる燃焼式ヒータとを具備する排気浄化装置にお
    いて、燃焼式ヒータの作動状態を診断するための作動状
    態診断手段を具備し、燃焼式ヒータの作動状態が煤によ
    って悪化せしめられていると上記作動状態診断手段が診
    断したときには、燃焼式ヒータ内の煤を酸化除去するヒ
    ータ再生制御を実行するようにしたことを特徴とする排
    気浄化装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関から排出される排気ガス中のN
    Xを浄化するために機関排気通路に並列して配置され
    た2つのNOX触媒と、各NOX触媒に流入する排気ガス
    の量を調節するための流量調節弁と、これらNOX触媒
    にリッチ空燃比のガスを供給するための燃焼式ヒータと
    を具備し、燃焼式ヒータから一方のNOX触媒にリッチ
    空燃比のガスを供給すべきときには、該リッチ空燃比の
    ガスを供給すべきNOX触媒に流入する排気ガスの量が
    上記流量調節弁によって少なくされると共に、該リッチ
    空燃比のガスを供給すべきNOX触媒に燃焼式ヒータか
    らリッチ空燃比のガスが供給されるようになっている排
    気浄化装置において、燃焼式ヒータの作動状態を診断す
    るための作動状態診断手段を具備し、燃焼式ヒータの作
    動状態が煤によって悪化せしめられていると上記作動状
    態診断手段が診断したときには、燃焼式ヒータ内の煤を
    酸化除去するヒータ再生制御を実行するようにしたこと
    を特徴とする排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 燃焼式ヒータを高温で且つリーン空燃比
    にて運転させることによって、燃焼式ヒータ内の煤を酸
    化除去するようにしたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 上記ヒータ再生制御が、燃焼式ヒータか
    らリッチ空燃比のガスをNOX触媒に供給すべきとき以
    外の時期に実行されることを特徴とする請求項1または
    2に記載の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 上記作動状態診断手段は、燃焼式ヒータ
    が着火するまでの時間が予め定められた時間よりも長い
    ことをもって、燃焼式ヒータの作動状態が煤によって悪
    化せしめられていると診断することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1つに記載の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 上記作動状態診断手段は、燃焼式ヒータ
    から排出されるガスの温度が予め定められた温度よりも
    低いことをもって、燃焼式ヒータの作動状態が煤によっ
    て悪化せしめられていると診断することを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1つに記載の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 当該排気浄化装置を備えた内燃機関が車
    両に搭載されている場合に、上記作動状態診断手段は、
    車両の走行距離が予め定められた距離に達したことをも
    って、燃焼式ヒータの作動状態が煤によって悪化せしめ
    られていると診断することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 上記作動状態診断手段は、燃焼式ヒータ
    のトータルの作動時間が予め定められた時間に達したこ
    とをもって、燃焼式ヒータの作動状態が煤によって悪化
    せしめられていると診断することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1つに記載の排気浄化装置。
JP2002017383A 2002-01-25 2002-01-25 内燃機関の排気浄化装置 Pending JP2003214159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002017383A JP2003214159A (ja) 2002-01-25 2002-01-25 内燃機関の排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002017383A JP2003214159A (ja) 2002-01-25 2002-01-25 内燃機関の排気浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003214159A true JP2003214159A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27653096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002017383A Pending JP2003214159A (ja) 2002-01-25 2002-01-25 内燃機関の排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003214159A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8240194B2 (en) 2009-07-30 2012-08-14 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for diagnostics of an emission system with more than one SCR region
US8516798B2 (en) 2009-07-30 2013-08-27 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for control of an emission system with more than one SCR region
GB2618199A (en) * 2022-03-10 2023-11-01 Cummins Emission Solutions Inc Systems and methods for controlling regeneration of aftertreatment systems including multiple legs

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8240194B2 (en) 2009-07-30 2012-08-14 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for diagnostics of an emission system with more than one SCR region
US8516798B2 (en) 2009-07-30 2013-08-27 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for control of an emission system with more than one SCR region
US8661882B2 (en) 2009-07-30 2014-03-04 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for diagnostics of an emission system with more than one SCR region
US9304061B2 (en) 2009-07-30 2016-04-05 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for diagnostics of an emission system with more than one SCR region
GB2618199A (en) * 2022-03-10 2023-11-01 Cummins Emission Solutions Inc Systems and methods for controlling regeneration of aftertreatment systems including multiple legs

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3758617B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2007154731A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3514218B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3879522B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置、および、該排気浄化装置のパティキュレートフィルタに触媒を担持させる触媒担持方法
JP4075387B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003214159A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3945137B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003286878A (ja) 内燃機関の排気浄化装置および排気浄化方法
JP2003193822A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003210943A (ja) 内燃機関の排気浄化装置、および、該排気浄化装置のパティキュレートフィルタに触媒を担持させる触媒担持方法
JP4341351B2 (ja) 排気浄化器の浄化能力回復方法
JP2007132239A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4178797B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4626439B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3578107B2 (ja) 排気ガス浄化方法
JP3570392B2 (ja) 排気ガス浄化方法
JP2002364339A (ja) 排気ガス浄化装置、および排気ガスの浄化方法
JP4175031B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2001317338A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003214239A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3641668B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003293746A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3463647B2 (ja) 排気ガス浄化方法および排気ガス浄化装置
JP3607988B2 (ja) 排気ガス浄化方法
JP2003314245A (ja) 内燃機関の排気浄化装置