JP2003211536A - 二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法

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JP2003211536A
JP2003211536A JP2002008621A JP2002008621A JP2003211536A JP 2003211536 A JP2003211536 A JP 2003211536A JP 2002008621 A JP2002008621 A JP 2002008621A JP 2002008621 A JP2002008621 A JP 2002008621A JP 2003211536 A JP2003211536 A JP 2003211536A
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polyester film
oriented polyester
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JP2002008621A
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Kenichi Egashira
賢一 江頭
Hiroshi Kubota
啓 窪田
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化分解が抑制され、極度に欠点がなく表面
品質の優れた二軸配向ポリエステルフィルムを、高い生
産性で製造するための方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステル(A)とポリイミド(B)
を含む樹脂組成物を溶融押出し、冷却固化し、二軸配向
させることにより二軸配向ポリエステルフィルムを製造
する方法において、溶融押出する押出し機のホッパー内
の酸素濃度を0〜1%の範囲に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化分解が抑制さ
れ、極度に欠点がなく表面品質の優れた二軸配向ポリエ
ステルフィルムを、高い生産性で製造するための方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、その
優れた熱特性、寸法安定性、機械特性および表面形態の
制御し易さから各種用途に使用されており、特に磁気テ
ープ用などのベースフィルムとしての有用性は周知であ
る。近年、磁気テープは機材の軽量化、小型化と長時間
記録化のために高密度記録化が要求されている。高密度
記録化のためには、記録波長を短くし、記録信号を小型
化することが有効である。しかしながら、記録信号を小
型化すると、磁気テープの走行時における熱や、またテ
ープ保存時の熱変形により、記録トラックのずれを起こ
しやすくなる問題点がある。したがって、テープ使用環
境での寸法安定性および保存安定性といった特性の改善
に対する要求がますます強くなっている。
【0003】上記の寸法安定性の要求に応え得るベース
フィルムとして、従来からアラミドフィルムが、強度、
寸法安定性の点から使用されている。アラミドフィルム
は高価格であるためコストの点では不利であり、また、
従来のポリエチレンテレフタレートフィルムの様に溶融
押出による成形が不可能であるため生産効率も低いとい
う点でも不利であるが、代替品が無いため使用されてい
るのが現状である。
【0004】一方、ポリエステルフィルムの寸法安定性
を改善する技術としては、ポリエチレンテレフタレート
とポリエーテルイミドからなる2軸配向ポリエステルフ
ィルム(例えば、特開2000−141475号公報)
が知られている。
【0005】しかし、上記の2軸配向ポリエステルフィ
ルムのようにポリエステルとポリイミドからなるポリマ
ーアロイのフィルムにおいては、ポリエステルとポリイ
ミドの相互作用に起因すると考えられるが、フィルム製
造工程において、ポリエステルの酸化分解が促進され易
く、表面欠点となって、押出し工程の不安定化、濾過フ
ィルター寿命の短縮など、フィルムの生産性を低下させ
る種々のトラブルを生じ易いという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生産
性に優れ、酸化分解が抑制され、極度に欠点がなく表面
品質の優れた二軸配向ポリエステルフィルムを製造する
ための方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述した目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエステ
ル(A)とポリイミド(B)を含むポリエステルフィル
ムを製造する際、押出し機ホッパー内に存在する酸素の
濃度を0〜1%の範囲に低減させることにより上記目的
を達成できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、ポリエステル(A)
とポリイミド(B)を含む樹脂組成物を溶融押出し、冷
却固化し、二軸配向させることにより二軸配向ポリエス
テルフィルムを製造する方法において、溶融押出する押
出し機のホッパー内の酸素濃度を0〜1%の範囲に調整
することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムの
製造方法を骨子とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明法で製造される2軸配向ポ
リエステルフィルムは、ポリエステル(A)とポリイミ
ド(B)を含む樹脂組成物から製造されるものである。
ここで用いられるポリエステルは、芳香族ジカルボン
酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸など
の酸成分とジオール成分から構成されるポリエステル単
位を70重量%以上含有するポリマーである。
【0010】芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸等を用いることができる。脂環族ジカルボン酸と
しては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用い
ることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例え
ば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用
いることができる。なかでも好ましくは、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を用いることが
でき、特に好ましくは、テレフタル酸を用いることがで
きる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種
以上を併用してもよい。
【0011】また、ジオール成分としては、例えば、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも好ま
しくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール等を用いることができ、特に好ましくは、エ
チレングリコールを用いることができる。これらのジオ
ール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用し
てもよい。
【0012】本発明で用いるポリエステルとしては、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)およびポリ(エチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PE
N)が特に好ましく例示され、溶融成形性の観点から、
最も好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)が挙げられる。
【0013】本発明で用いるポリエステルがエチレンテ
レフタレートを主要構成成分とするポリエステルである
場合、ポリエステルは直重法およびDMT法のいずれに
よるものでもよいが、DMT法の時はエステル交換触媒
として酢酸カルシウムを用いることが好ましい。また重
合段階では、特に限定されないが、ゲルマニウム化合物
を重合触媒として用いることが異物による粗大突起を低
減させるため好ましい。ゲルマニウム触媒としては、公
知のとおり、(1)無定形酸化ゲルマニウム、(2)5μm以
下の結晶性酸化ゲルマニウム、(3)酸化ゲルマニウムを
アルカリ金属またはアルカリ土類金属もしくはそれらの
化合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、および、
(4)酸化ゲルマニウムを水に溶解し、これにグリコール
を加え水を留去して調整した酸化ゲルマニウムのグリコ
ール溶液等が用いられる。
【0014】また、ポリエステルには、トリメリット
酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリト
ール、2,4−ジオキシ安息香酸等の多官能化合物、ラ
ウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化
合物、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香
酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロ
キシカルボン酸あるいはp−アミノフェノール、p−ア
ミノ安息香酸などを本発明の効果が損なわれない程度の
量であればさらに共重合してもよい。
【0015】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムに
用いられるポリイミドは、ポリエステルと良好な親和性
を有し、溶融成形性であれば特に限定されないが、例え
ば、下記一般式で示されるような構造単位を含有するも
のが好ましい。なお、ここでいう良好な親和性(相溶
性)を有するとは、例えば、ポリエステル(A)とポリ
イミド(B)からなるポリマーアロイを用い、未延伸ま
たは2軸延伸フィルムを作成し、該フィルム断面を透過
型電子顕微鏡で3万〜50万倍の倍率で観察した場合、
外部添加粒子などの添加物に起因しない直径200nm
以上の構造(例えば、分散不良のポリマードメインな
ど)が観察されないことをいう。ただし、ポリエステル
(A)とポリイミド(B)の親和性を判定する方法は特
にこれに限定されるものではなく、また、必要に応じ
て、温度変調型DSC(MDSC)によって単一のガラ
ス転移点が観察されることによって良好な親和性がある
と判定してもよい。
【0016】
【化1】 ただし、式中のR1は、
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】 などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭
化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表し
て、また、式中のR2 は、
【0019】
【化4】 などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭
化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表
す。
【0020】かかるポリイミドは、テトラカルボン酸お
よび/またはその酸無水物と、脂肪族一級モノアミン、
芳香族一級モノアミン、脂肪族一級ジアミンおよび芳香
族一級ジアミンよりなる群から選ばれる一種もしくは二
種以上の化合物を脱水縮合することにより得ることがで
きる。
【0021】ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い
性、表面突起の形成性などの点から、下記一般式で示さ
れるような、ポリイミド構成成分にエーテル結合を含有
するポリエーテルイミドが特に好ましい。
【0022】
【化5】 (ただし、上記式中R3は、6〜30個の炭素原子を有
する2価の芳香族または脂肪族残基、R4は6〜30個
の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭
素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を
有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子
を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノ
シロキサン基からなる群より選択された2価の有機基で
ある。)上記R3、R4 としては、例えば、下記式群に
示される芳香族残基
【0023】
【化6】 を挙げることができる。(式中のnは1〜5の整数)本
発明では、ポリエステル(A)との親和性、コスト、溶
融成形性等の観点から、2,2−ビス[4−(2,3−
ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジア
ミンとの縮合物である、下記式で示される繰り返し単位
を有するポリマーが好ましい。
【0024】
【化7】 または
【0025】
【化8】 (nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数) このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)
の商品名で、ジーイープラスチックス社より入手可能で
ある。
【0026】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムを
構成するポリマーアロイには、分散径を制御するため
に、必要に応じて、相溶化剤を併用してもよい。この場
合、相溶化剤の種類は、ポリマーの種類によって異なる
が、添加量は0.01〜10重量%が好ましい。
【0027】本発明において、ポリイミドをポリエステ
ルに添加する時期は、ポリエステルの重合前、例えば、
エステル化反応前に添加してもよいし、重合後に添加し
てもよい。また、溶融押出前に、ポリエステルとポリイ
ミドを混合してペレタイズしてもよい。
【0028】ペレタイズの際に、一旦、ポリイミドを高
濃度(例えば、35〜65重量%、より好ましくは40
〜60重量%)含有するポリエステルとポリイミドから
なるマスターペレットを作成してから、さらにポリエス
テルで希釈して、所定の濃度に調整する方法を用いる
と、ポリマー同士の分散性が向上し、本発明のポリマー
アロイとしてより好ましい分散状態を示す。
【0029】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、特に限定されないが、磁気記録媒体用途として用い
る場合などには、基層部(A層という)の少なくとも一
方側に積層部(B層という)が積層されてなる、少なく
とも2層以上のフィルム層を有する積層ポリエステルフ
ィルムであってもよい。この場合、A層は、一般的にフ
ィルム中で最も厚みの厚い層であり、磁気記録媒体用途
などでは、主に強度、寸法安定性の保持などの働きをす
る層である。また、積層部であるB層はA層よりもフィ
ルム層の厚みが薄い層であり、比較的粗い表面とするこ
とで、フィルムの搬送性や、巻き特性を良化させたり、
磁気テープ用途などでは、良好な走行性を得ることもで
きる。
【0030】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを
2層以上の積層構成で用いる場合、少なくとも1層が、
ポリエステルとポリイミドを含むポリエステルフィルム
層であればよいが、寸法安定性向上の観点から、基層部
(A層)が上記フィルム層であることが好ましい。
【0031】この場合、上記フィルム層以外のフィルム
層に用いるポリマー種は特に限定されないが、上記フィ
ルム層に用いたものと同じポリエステル、又は同じポリ
エステルとポリイミドからなるポリマーアロイを用いた
場合、基層部と積層部に溶融粘度の差が生じにくいた
め、積層斑や口金すじなどの生産工程でのトラブルが生
じにくいため好ましい。また、最も好ましくは、全フィ
ルム層が、ポリエステルとポリイミドを含むポリマーア
ロイからなり、ポリエステルとポリイミドの重量比が全
フィルム層ともに同じ場合である。
【0032】ポリエステル(A)とポリイミド(B)を
含むポリマーアロイからの2軸配向ポリエステルフィル
ムは、上記ポリマーアロイを溶融押出し、冷却固化し、
二軸配向させることにより製造されるが、本発明法にお
いては、溶融押出する押出し機のホッパー内の酸素濃度
を0〜1%の範囲に調整することが必要である。押出し
機のホッパー内の酸素濃度(以下O2濃度という)を上
記範囲にすることにより、フィルム製造途中におけるポ
リマーの酸化分解が抑制され、生産性に優れ、極度に欠
点のない表面品質の優れた二軸配向ポリエステルフィル
ムを製造することができる。さらに、そのO2濃度は、
好ましくは0〜0.8%、さらに好ましくは0〜0.5
%であり、生産性、表面品質をさらに向上することがで
きる。押出し機のホッパー内のO2濃度水準を制御する
ためにはホッパー内に酸素(O2)濃度計を常設し、定
常的に濃度水準を管理することが好ましい。O2濃度計
は、特に限定されないがジルコニアセンサー式酸素濃度
計が好ましい。
【0033】本発明法において、押出機のホッパー内の
2濃度を0〜1%の範囲内とするためには、押出し機
内を不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。押出し
機内、特にそのスクリュー駆動部、リーク装置部におけ
る装置内部を不活性ガス雰囲気下とすることにより酸素
(O2)の進入を防ぐことができ、O2濃度を上述範囲内
に制御しやすくなり、ポリマーの酸化分解が抑制され、
生産性に優れ、極度に欠点のない表面品質の優れた二軸
配向ポリエステルフィルムが得られるようになる。ま
た、不活性ガスとしては手に入れ易いN2ガスが好適で
ある。
【0034】本発明法においては、押出し機が真空ホッ
パー式押出し機であることが好ましく、該真空ホッパー
内の真空度が0〜0.03MPaの範囲であることが好
ましい。さらに、この真空度は好ましくは0〜0.02
5MPa、さらに好ましくは0〜0.02MPaであ
り、ポリマーの酸化分解を抑制し、生産性に優れ、極度
に欠点のない表面品質の優れた二軸配向ポリエステルフ
ィルムを得るために好適である。
【0035】本発明法では、フィルム中に含まれるポリ
イミド(B)がポリエーテルイミドであることが好まし
い。ポリエーテルイミドはポリエステル(A)との相溶
性が良く本発明の効果を得るのに好ましい。
【0036】本発明法は、フィルム表面の粗大突起数H
1やH2が少ない二軸配向ポリエステルフィルムを高い
生産性で製造することができる。そのフィルム表面の粗
大突起個数H1は、100個/100cm2以下、好ま
しくは50個/100cm2以下、より好ましくは10
個/100cm2以下である。同様に粗大突起数H2は
10個/100cm2以下、好ましくは5個/100c
2以下、より好ましくは2個/100cm2以下であ
る。粗大突起数H1やH2が上記範囲外である場合、磁
気テープ用途などで使用した際、電磁変換特性や走行耐
久性に悪影響を与え、また、他用途においてもその表面
欠点により使用に耐えうるものではなくなってしまう。
【0037】本発明による二軸配向ポリエステルフィル
ムの製造方法は特に限定されないが、ポリエステルとポ
リイミドのポリマーアロイを押出し機を用いた溶融押出
により口金から吐出し、溶融ポリマーを冷却固化させて
シート状に成形することによって未延伸フィルムとし、
延伸し、熱処理する方法がとられる。その溶融押出しの
際、ポリマーアロイ中の未溶融物を除去する手法として
繊維焼結ステンレス金属フィルターなどを用いてポリマ
ーを濾過することが好ましい。また、必要に応じて、2
つ以上のフィルター部分を通過させ、2段階以上で濾過
するとより効果的にコンタミや未溶融物、熱分解ゲル状
異物を除去できるため好ましい。
【0038】溶融押出しに供するポリマーアロイには、
ポリイミドを高濃度で含有するマスターペレットを利用
して所望組成に調整したポリマーアロイのペレットを用
いることが好ましい。このマスターペレットの製造方法
としては、ポリエステルとポリイミドのペレットを押出
機にて溶融混練する手法や、ポリエステルの重合段階で
ポリイミドを共重合する手法が好ましく例示される。こ
の場合、共重合する手法の方が分散不良が生じにくい
が、最終フィルムの結晶化度が低下し、フィルム強度が
低下する場合がある。
【0039】ポリエステルとポリイミドのペレットを押
出機にて溶融混練して、マスターペレットを作成する場
合、ポリイミドの濃度は35〜65重量%が好ましく、
より好ましくは40〜60重量%である。ポリイミドの
濃度がこの範囲を外れた場合、相分離または分散不良に
よって、ポリマー中に粗大ドメインが生成することがあ
る。溶融混練に用いる押出機は、混練性の観点からベン
ト式の2軸混練押出機が好ましく例示される。このとき
の滞留時間は30〜600秒であることが好ましく、よ
り好ましくは60〜300秒、最も好ましくは180〜
300秒である。滞留時間が30秒未満の場合、十分に
混練が行われず粗大分散物が生成することがあり、滞留
時間が600秒を超える場合、長い時間溶融温度にさら
されるため、熱劣化物が生成し、フィルムにした際、粗
大突起となることがある。溶融混練によって作成したマ
スターペレットは、透過型電子顕微鏡で3万〜50万倍
の倍率で観察した場合に、外部添加粒子などの添加物に
起因しない構造(例えば、ポリマードメインなど)が直
径500nm以下に制御されていると認められること
が、その後の希釈工程でポリマー同士が分散されやすく
好ましい。500nmを超える大きさの構造が存在する
場合、希釈工程で十分に分散せず、フィルムにおいて粗
大突起となることがある。
【0040】溶融押出され冷却固化されたシート状成形
物を長手方向と幅方向の2軸に延伸した後、熱処理する
ことにより2軸配向ポリエステルフィルムが製造される
が、この際、長手方向および幅方向の延伸は1段階ずつ
で行ってもよいし、フィルムの使用用途に応じて、2段
階以上に分けて延伸してもよい。また、さらに再縦、再
横延伸を行ってもよい。
【0041】長手方向の総延伸倍率は、特に限定されな
いが、2.5〜10倍が好ましく、より好ましくは4.
5〜7倍である。長手方向の総延伸倍率が2.5倍より
小さな場合は、長手方向の弾性率が低下するため、磁気
記録媒体として用いる場合、電磁変換特性が低下するこ
とがある。長手方向の総延伸倍率が10倍より大きな場
合には、製造中にフィルム破れが増加して、生産性が低
下したり、粒子周りのボイドが大きくなり、粒子が脱落
しやすくなったりする。
【0042】長手方向の延伸温度は、特に限定されない
が、ポリマーのガラス転移温度(Tg)〜Tg+50℃
の範囲で行う場合、延伸性が良好となるため好ましい。
再縦延伸を行う場合、再縦延伸温度はTg+30℃〜T
g+80℃が好ましい。また、幅方向の延伸温度は、特
に限定されないが、ポリマーのTg〜Tg+50℃の範
囲が好ましい。再横延伸を行う場合、再横延伸温度はT
g+50℃〜Tg+150℃が好ましい。
【0043】長手方向の延伸速度は、特に限定されない
が、5000〜20万%/分の範囲が好ましく、再縦延
伸を行う場合、再縦延伸速度は3万〜20万%/分の範
囲が好ましい。また、幅方向の延伸速度は、特に限定さ
れないが、1000〜10000%/分の範囲が好まし
く、再横延伸を行う場合、再横延伸速度は1000〜2
0000%/分が好ましい。
【0044】長手方向の延伸及び幅方向の延伸の後に行
われる熱処理は、Tg+50℃〜Tg+150℃の範囲
で0.2〜20秒行うことが本発明の効果を得るため好
ましい。
【0045】長手方向や幅方向に延伸する際の延伸形式
としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行う
などの逐次二軸延伸法や、同時二軸テンター等を用いて
長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さ
らに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた
方法などが包含される。
【0046】以下、本発明法による2軸配向ポリエステ
ルフィルムの製造方法の例について説明するが、これに
限定されるものではない。ここでは、ポリエステルとし
て、ポリエチレンテレフタレートを用い、ポリイミドと
して、ポリエーテルイミド“ウルテム”を用いたフィル
ムの例を示す。製造条件は、用いるポリエステルおよび
ポリイミド、または積層構成によって異なる。
【0047】常法によって得られたポリエチレンテレフ
タレートのペレットとポリエーテルイミドのペレット
を、所定の割合で混合して、270〜300℃に加熱さ
れたベント式の2軸混練押出機に供給して、溶融押出す
る。このときの滞留時間は30〜600秒が好ましく、
より好ましくは60〜300秒の条件である。さらに、
上記条件にて両者が相溶しない場合は、得られたチップ
を再び2軸押出機に投入し相溶するまで押出を繰り返し
てもよい。
【0048】得られたポリエーテルイミド含有のポリエ
ステルのペレットを、180℃で3時間以上真空乾燥し
た後、280〜320℃に加熱された押出し機に供給す
る。この押出し機としては、そのホッパー内の真空度が
0〜0.03MPaの範囲である真空ホッパーを用い、
また、押出し機のスクリュー駆動部、リーク装置部をN
2ガス雰囲気下としたものであって、そのときの押出し
機ホッパー内の O2濃度が0〜1%の範囲である押出
し機を用いた。押出し機のスリット状のダイから押出
し、キャスティングロール上で冷却して未延伸フィルム
とする。この溶融押出しの際、異物や変質ポリマーを除
去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多
孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィ
ルターを用いることが好ましい。特に好ましくは、サン
ドフィルター、繊維焼結ステンレス金属フィルターを順
に用いて、2段階に濾過する方法である。また、必要に
応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設
けてもよい。フィルムを積層する場合には、2台以上の
押出機およびマニホールドまたは合流ブロックを用い
て、複数の異なるポリマーを溶融積層すればよい。
【0049】次に、この未延伸フィルムを2軸延伸し、
2軸配向させる。延伸方法としては、逐次2軸延伸法ま
たは同時2軸延伸法を用いることができる。ここでは、
最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次2軸延伸
法を用いる。延伸温度は、未延伸フィルムを70〜17
0℃の加熱ロール群で加熱し、長手方向に2.5〜10
倍(再際縦延伸を行う場合、2.5〜4倍)に1段もし
くは多段で延伸し、20〜50℃の冷却ロール群で冷却
する。長手方向延伸速度は5000〜200000%/
分の範囲で行うのが好ましい。続いて、幅方向の延伸を
行う。幅方向の延伸方法としては、例えば、テンターを
用いる方法が一般的である。幅方向の延伸倍率は3〜8
倍(再横延伸を行う場合、3〜4.5倍)、延伸速度は
1000〜10000%/分、温度は95〜160℃の
範囲で行うのが好ましい。さらに必要に応じて、再縦延
伸および/または再横延伸を行う。その場合の延伸条件
としては、長手方向の延伸は、温度80〜170℃の加
熱ロール群で、延伸倍率1.2〜2.3倍、幅方向の延
伸方法としてはテンターを用いる方法が好ましく、温度
150〜250℃、延伸倍率1.2〜2倍で行うのが好
ましい。続いて、この延伸フィルムを緊張下または幅方
向に弛緩しながら熱処理する。この場合の熱処理温度
は、150℃〜250℃、好ましくは、170〜220
℃で、時間は0.2〜20秒の範囲で行うのが好まし
い。延伸、熱処理工程を経て、フィルムエッジを除去
し、本発明の二軸延伸フィルムを得ることができる。
【0050】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]物性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通
りである。 (1)酸素濃度 横河電気(株)製酸素濃度計YOKOKAWA EXA OXY ZA8 直
接挿入形ジルコニア式酸素分析計を押出し機ホッパー内
に挿入し、ホッパー内の酸素濃度を測定した。 (2)フィルム表面の粗大突起数H1、H2 測定面(100cm2)同士を2枚重ね合わせて静電気
力(印加電圧5.4kv)で密着させた後、2枚のフィ
ルム間で粗大突起の光の干渉によって生じるニュートン
環から粗大突起の高さを判定し、1重環以上の粗大突起
数をH1、2重環以上の粗大突起数をH2とした。な
お、光源はハロゲンランプに564nmのバンドパスフ
ィルタをかけて用いた。
【0051】(3)磁気テープのドロップアウト フィルムの表面特性を測定した面に、連続真空蒸着装置
を用いて、微量の酸素の存在化にコバルト・ニッケル合
金(Ni20重量%)の厚み200nmの蒸着層を設け
た。さらに、蒸着層表面にカーボン保護膜を通常の手段
で形成させた後、8mm幅にスリットし、パンケーキを
作成した。次いで、このパンケーキのうちの長さ200
m分をカセットに組み込み、カセットテープとした。上
記の蒸着を施して得られたカセットテープ(DVCテー
プ)と市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコー
ダー(DVC)を用いて、ドロップアウト(DO)個数
を求めた。
【0052】DO個数の測定は、作成したDVCテープ
を市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダー
で録画後、1分間再生して画面に現れたブロック状のモ
ザイク個数を数えることによって行った。なお、走行条
件は25℃、60%RHである。 DO個数が30個以下: ○( データストレージ用磁
気記録媒体として十分使用できるレベルである。) DO個数が50個以下: △( デジタル記録方式のV
TRテープとして、十分使用できるレベルである。) DO個数が51個以上: ×( デジタル記録方式のV
TRテープとして、不十分なレベルである。)
【0053】(4)長期製膜安定性(欠点) 製膜したフィルムの長さ5m、幅1mの部分を偏光を通
して、長手方向の大きさが5〜10mm程度の欠点を目
視で10視野観察する。この欠点個数の総数(50m2
当たり)より、以下の基準で長期製膜安定性を評価し
た。なお、上記の欠点のうち、長手方向に周期性をもっ
て発生する欠点は、ロールでの傷などに起因するもので
あるので、欠点個数からは除いた。 ◎:150時間以上製膜を行っても、フィルム表面欠点
が10個以下であった。 ○:製膜時間が、100時間までは、フィルム表面欠点
が10個以下であったが、 100〜150時間の間に
フィルム表面欠点が10個を超えた。 ×:製膜時間が100時間未満で、フィルム欠点個数が
10個を超えた。
【0054】
【実施例】本発明法を実施例、比較例に基づいて説明す
る。
【0055】実施例1 常法により得られたポリエチレンテレフタレート(固有
粘度0.85)のペレット(50重量%)とポリエーテ
ルイミドのペレット(“Ultem1010(Gene
ral Electric社 登録商標)”)(50重
量%)とを、280℃に加熱されたベント式の2軸混練
押出機に供給して、滞留時間1分にて溶融押出し、ポリ
エーテルイミドを50重量%含有したチップ(I)を作
成した。
【0056】得られたポリエーテルイミド含有チップ
(I)とポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.6
2)とを20:80の比でドライブレンドし、180℃
で3時間真空乾燥した。真空ホッパー式押出し機の押出
し機スクリュー駆動部、リーク装置部にN2ガスシール
できるように覆いを取り付け、該覆い内のO2を完全に
2で置換しN2雰囲気下とした。該押出し機の真空ホッ
パーの真空度を0.015MPaとし、そのときのホッ
パー内のO2濃度は0.4%であった。その押出し機に
上述の真空乾燥済みチップを投入し、押出し機設定温度
280℃、滞留時間300秒にて溶融押出し、繊維焼結
ステンレス金属フィルター(10μmカット)内を剪断
速度10秒-1で通過させた後、Tダイよりシート状に吐
出した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラ
ム上に、密着させて冷却固化し、実質的に無配向状態の
ポリエーテルイミド10重量%含有フィルムとした。
【0057】この得られたフィルムを、数本のロールの
配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用し
て長手方向に、温度113℃で3.0倍延伸し、続いて
ステンターにより幅方向に温度100℃で3.6倍延伸
した。続いて、ロール縦延伸機で長手方向に、温度15
0℃で1.7倍延伸し、さらにステンターにより幅方向
に温度190℃で1.4倍延伸した。続いて緊張下にて
温度190℃で5秒間熱処理を行った。熱処理後、温度
100℃で幅方向に対して1.0%弛緩処理を行った。
その後、室温に冷却した後、フィルムエッジを除去し、
厚さ6.0μmの二軸延伸フィルムとした。
【0058】得られたフィルムの特性は、表1に示した
通りであり、本発明法により製造したものであったた
め、生産性に優れ、欠点のない表面特性に優れた高品質
フィルムであった。
【0059】実施例2 常法により得られたポリエチレンテレフタレート(固有
粘度0.75)のペレット(50重量%)とポリエーテ
ルイミドのペレット(“Ultem1010(Gene
ral Electric社 登録商標)”)(50重
量%)とを、280℃に加熱されたベント式の2軸混練
押出機に供給して、滞留時間1分にて溶融押出し、ポリ
エーテルイミドを50重量%含有したチップ(J)を作
成した。
【0060】得られたポリエーテルイミド含有チップ
(J)とポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.6
2)とを20:80の比でドライブレンドし、180℃
で3時間真空乾燥した。真空ホッパー式押出し機の押出
し機スクリュー駆動部、リーク装置部にN2ガスシール
できるように覆いを取り付け、該覆い内のO2を完全に
2で置換しN2雰囲気下とした。該押出し機の真空ホッ
パーの真空度を0.025MPaとし、そのときのホッ
パー内のO2濃度は0.7%であった。その押出し機に
上述の真空乾燥済みチップを投入し、押出し機設定温度
280℃、滞留時間300秒にて溶融押出し、繊維焼結
ステンレス金属フィルター(10μmカット)内を剪断
速度10秒-1で通過させた後、Tダイよりシート状に吐
出した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラ
ム上に、密着させて冷却固化し、実質的に無配向状態の
ポリエーテルイミド10重量%含有フィルムとした。
【0061】この得られたフィルムを、数本のロールの
配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用し
て長手方向に、1段目温度113℃で2.0倍延伸し、
続いて2段目温度100℃で2.0倍延伸し、ステンタ
ーにより幅方向に温度100℃で3.6倍延伸した。続
いて、ロール縦延伸機で長手方向に、温度150℃で
1.7倍延伸し、さらにステンターにより幅方向に温度
190℃で1.2倍延伸した。続いて緊張下にて温度1
90℃で5秒間熱処理を行った。熱処理後、温度100
℃で幅方向に対して1.0%弛緩処理を行った。その
後、室温に冷却した後、フィルムエッジを除去し、厚さ
6.0μmの二軸延伸フィルムとした。
【0062】得られたフィルムの特性は、表1に示した
通りであり、本発明法により製造したものであったた
め、生産性に優れ、欠点のない表面特性に優れた高品質
フィルムであった。
【0063】比較例1 実施例1と同様の方法にて得られたポリエーテルイミド
含有チップ(I)とポリエチレンテレフタレート(固有
粘度0.62)とを20:80の比でドライブレンド
し、180℃で3時間真空乾燥した。真空ホッパー式押
出し機を用い、押出し機の真空ホッパーの真空度を0.
04MPaとし、そのときのホッパー内のO2濃度は
3.5%であった。その押出し機に上記チップを投入
し、設定温度280℃、滞留時間300秒にて溶融押出
し、繊維焼結ステンレス金属フィルター(10μmカッ
ト)内を剪断速度10秒-をット)内を剪断速度10秒
-1で通過させた後、Tダイよりシート状に吐出した。さ
らにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラム上に、密
着させて冷却固化し、実質的に無配向状態のポリエーテ
ルイミド10重量%含有フィルムとした。
【0064】この得られたフィルムを、数本のロールの
配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用し
て長手方向に、温度113℃で3.0倍延伸し、続いて
ステンターにより幅方向に温度100℃で3.6倍延伸
した。続いて、ロール縦延伸機で長手方向に、温度15
0℃で1.7倍延伸し、さらにステンターにより幅方向
に温度190℃で1.4倍延伸した。続いて緊張下にて
温度190℃で5秒間熱処理を行った。熱処理後、温度
100℃で幅方向に対して1.0%弛緩処理を行った。
その後、室温に冷却した後、フィルムエッジを除去し、
厚さ6.0μmの二軸延伸フィルムとした。
【0065】得られたフィルムの特性は、表1に示した
通りである。製造方法が本発明の範囲を外れていたた
め、欠点が多く高品質フィルムではなかった。
【0066】比較例2 実施例1と同様の方法にて得られたポリエーテルイミド
含有チップ(I)とポリエチレンテレフタレート(固有
粘度0.62)とを20:80の比でドライブレンド
し、180℃で3時間真空乾燥した。真空ホッパー式押
出し機の押出し機スクリュー駆動部、リーク装置部にN
2ガスシールできるように覆いを取り付け、該覆い内の
2を完全にN2で置換しN2雰囲気下とした。押出し機
の真空ホッパーの真空度を0.1MPaとし、そのとき
のホッパー内のO2濃度は10%であった。その押出し
機に上記チップを投入し、設定温度280℃、滞留時間
300秒にて溶融押出し、繊維焼結ステンレス金属フィ
ルター(10μmカット)内を剪断速度10秒-をッ
ト)内を剪断速度10秒-1で通過させた後、Tダイより
シート状に吐出した。さらにこのシートを表面温度25
℃の冷却ドラム上に、密着させて冷却固化し、実質的に
無配向状態のポリエーテルイミド10重量%含有フィル
ムとした。
【0067】この得られたフィルムを、数本のロールの
配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用し
て長手方向に、温度113℃で3.0倍延伸し、続いて
ステンターにより幅方向に温度100℃で3.6倍延伸
した。続いて、ロール縦延伸機で長手方向に、温度15
0℃で1.7倍延伸し、さらにステンターにより幅方向
に温度190℃で1.4倍延伸した。続いて緊張下にて
温度190℃で5秒間熱処理を行った。熱処理後、温度
100℃で幅方向に対して1.0%弛緩処理を行った。
その後、室温に冷却した後、フィルムエッジを除去し、
厚さ6.0μmの二軸延伸フィルムとした。
【0068】得られたフィルムの特性は、表1に示した
通りである。製造方法が本発明の範囲を外れていたた
め、欠点が多く高品質フィルムではなかった。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明法によれば、酸化分解が抑制さ
れ、極度に欠点がなく表面品質の優れた二軸配向ポリエ
ステルフィルムを、高い生産性でもって製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F210 AA24 AA32E AA40 AA40E AF16 AG01 AH38 AL07 AL08 AM26 QA02 QA03 QC06 QC16 QG01 QG18 QW11 QW12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル(A)とポリイミド(B)
    を含む樹脂組成物を溶融押出し、冷却固化し、二軸配向
    させることにより二軸配向ポリエステルフィルムを製造
    する方法において、溶融押出する押出し機のホッパー内
    の酸素濃度を0〜1%の範囲に調整することを特徴とす
    る二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 押出し機内を不活性ガス雰囲気下にする
    請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 押出し機が真空ホッパー式押出し機であ
    り、かつ、該真空ホッパー内の真空度が0〜0.03M
    Paの範囲である請求項1〜2のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリイミド(B)がポリエーテルイミド
    である請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエ
    ステルフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 製造される二軸配向ポリエステルフィル
    ムが、フィルム表面の粗大突起数H1及び粗大突起数H
    2が以下の関係を満たすものである請求項1〜4のいず
    れかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方
    法。 0≦H1(個/100cm2)≦100 0≦H2(個/100cm2)≦10
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の製造方法により
    得られる二軸配向ポリエステルフィルム。
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