JP2003211456A - 樹脂成形機の温度調節システム - Google Patents

樹脂成形機の温度調節システム

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JP2003211456A
JP2003211456A JP2002011566A JP2002011566A JP2003211456A JP 2003211456 A JP2003211456 A JP 2003211456A JP 2002011566 A JP2002011566 A JP 2002011566A JP 2002011566 A JP2002011566 A JP 2002011566A JP 2003211456 A JP2003211456 A JP 2003211456A
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temperature
temperature control
control system
resin molding
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JP2002011566A
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Motoharu Shimizu
元治 清水
Kimiya Kanou
公也 稼農
Nobuki Okamoto
信樹 岡本
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Matsui Mfg Co Ltd
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Matsui Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水などの流体を外から出入りさせることなく、
ゼロエミッションに対応でき、さらに成形機の電気系に
も問題の少ない樹脂成形機の温度調節システムを提供す
る。 【解決手段】被温度管理部である金型1(K)の殻体を
貫流する殻内管路6gと、還流ポンプ3と熱交換器2を
備えた温調部5とを管路接続して閉鎖された温度調節管
路系6を構成し、この温度調節管路系6内に媒体Wを還
流ポンプ3によって還流させながら、ラジエータタイプ
の熱交換器2によって媒体Wの温度を調節することで金
型1(K)を所定温度に維持するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形機におい
て、樹脂成形のために温度管理が重要とされる被温度管
理部を所定温度に維持するための温度調節システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形機には、樹脂成形を良好に行う
ために、温度管理が重要とされる被温度管理部として、
樹脂成形機のスクリューに成形材料を投入する成形材料
投入部、樹脂成形機に着脱して用いられる成形金型など
がある。
【0003】成形材料投入部は、スクリューを収容する
シリンダーに近接してあるいは一体的に配置され、この
シリンダーには、内部の樹脂成形材料、つまり、樹脂ペ
レットを加熱溶融させるためのヒータが設けられている
ので、このヒータの加熱により、成形材料投入部も適正
な温度以上に加熱され、これにより、この成形材料投入
部を通過する樹脂成形材料に悪影響を与え、成形不良の
原因となることがあった。
【0004】このため、従来より、成形材料投入部を適
当な温度に維持するために、この投入部の殻体を貫流す
る殻内管路を設け、ここに冷却水を貫流させるような成
形材料投入部の温度調節システムが用いられていた。
【0005】成形金型は、ここに加熱溶融された樹脂が
注入され、これを所定温度に維持することで、樹脂成形
品を成形する部分であり、その温度管理は、樹脂成形品
の良否にとって、非常に重要であり、従来より種々の温
度調節システムが提案されている。
【0006】図5は、従来の成形金型の温度調節システ
ムの一例を示す全体構成図である。
【0007】この温度調節システム110は、固定金型
KAと移動金型KBとからなる成形金型Kの温度管理を
するもので、被温度管理部である成形金型Kの殻体(こ
こでは金型そのものをさす。)を貫流する殻内管路10
6gと、還流ポンプ103と媒体タンク104を備えた
温調部105と、これらを管路接続する温度調節管路系
106とを備え、水を媒体として用いている。
【0008】還流ポンプ103は、ポンプ103から出
力される媒体の圧力を表示する圧力計103a、ポンプ
103への流入部において媒体Wの温度を測定するコン
トロールセンサ103bとを備えている。
【0009】媒体タンク104は、媒体を貯留するタン
クであって、貯留された媒体を加熱するヒータ104
a、この媒体タンク104に貯留された媒体Wの液面レ
ベルを管理するための液面計104b、所定量以上の媒
体Wを排出先WOへオーバーフロー排出する排出管路1
04cを備えている。
【0010】この媒体タンク104では、コントロール
センサ103bにより計測した媒体Wの温度が所定温度
より低い場合には、ヒータ104aで加熱すると共に、
所定温度より高い場合には、媒体源WIよりフィルタ
F、供給弁106bを備えた供給管路106aにより低
温の媒体(冷却水)の供給を受けて、温度を下げ、こう
して供給された媒体(冷却水)の分だけ、排水先WOへ
排出するようにしている。
【0011】温度調節管路系106は、既に説明した部
分に加え、媒体タンク104と還流ポンプ103とを接
続しドレンDを設けた管路106c、還流ポンプ103
から成形金型Kへの管路106d、この管路106dか
ら固定金型KA、移動金型KBの双方の殻内管路106
gへ分岐し、それぞれに給媒弁106eを設けた管路1
06f、殻内管路106gの出口側から媒体タンク10
4へ向い、それぞれに返媒弁106iを設けた管路10
6h、この管路106hが合流し、熱交換器104へ接
続された管路106jを備えている。
【0012】温度調節管路系106は、更に、管路10
6dから分岐し、圧力調整弁106lが設けられ、媒体
タンク104へ戻る管路106kを備えており、この圧
力調整弁106lにより、媒体圧力が所定圧力以上にな
った場合には、媒体タンク104へ媒体を戻すことによ
り、温度調節管路系106の成形金型へ向かう管路10
6d〜106jの媒体圧力を調整している。なお、圧力
調整弁106lは、手動調整バルブとすることができ
る。
【0013】このような構成により、この温度調節シス
テム110では、媒体タンク104、コントロールセン
サ103bなどを備えた温調部105により、媒体源W
Iより供給される低温の媒体の供給と、ヒータ104a
による加熱とを加減して、媒体タンク104内の媒体温
度を調節することにより、成形金型Kの殻内管路106
gを通過する媒体の温度を調節して、成形金型Kを所定
温度に維持することができた。
【0014】図6は、従来の成形金型の温度調節システ
ムの他例を示す全体構成図である。これより、すでに説
明した部分と同じ部分については、同じ符号を付して重
複説明を省略する。
【0015】この温度調節システム210は、図5のシ
ステム110と同様に、成形金型Kの温度管理をするも
ので、被温度管理部である成形金型Kを貫流する殻内管
路206gと、還流ポンプ203と媒体タンク204を
備えた温調部205と、これらを管路接続する温度調節
管路系206とを備えているが、油を媒体として用いて
いる点で異なっている。
【0016】このシステム210は、油を媒体Wとして
用いているので、温度調節管路系206は、成形金型K
と媒体タンク204とを還流する管路系となっている
が、その構成要素206c〜206jは、図5のシステ
ム110の温度調節管路系106の構成要素106c〜
106jと同様のものであり、同様の機能をもってい
る。また還流ポンプ203についても同様である。
【0017】媒体タンク204は、図5の媒体タンク1
04と同様のヒータ204aに加え、媒体供給専用であ
って、フロートスイッチ204dと、余分な媒体を排出
先WOへオーバーフロー排出する排出管路204cとを
備えた媒体供給口204bを備えている。なお、符号O
Iは油である媒体Wの媒体源、符号OOはこの媒体の排
出先である。
【0018】このシステム210では、この媒体タンク
204に貯留された媒体の温度を下げるために、媒体冷
却管路系207を備え、この管路系207では、媒体と
して水を用いている。
【0019】媒体冷却管路系207は、水である媒体源
WIから供給弁207bへの供給管路207a、供給弁
106bから媒体タンク204への管路207c、この
管路207cに接続され、媒体タンク204に貯留され
た媒体(油)と熱交換する熱交換管路207d、この管
路207dから排出先WOへの排出管路207eを備え
ている。
【0020】このような構成により、この温度調節シス
テム210では、媒体源WIより供給される低温の媒体
(水)による間接的な冷却、ヒータ204aによる加熱
により、媒体タンク204内の媒体Wの温度を調節する
ことにより、成形金型Kの殻内管路206gを通過する
媒体の温度を調節して、成形金型Kを所定温度に維持す
ることができた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの従来のシステムでも、冷却のために、直接あるい
は間接に媒体を外部より入れ、その分だけ排出させると
いうシステムであり、貴重な資源である媒体(この場
合、水)を有効利用しているとは言えず、外からの媒体
の出入りのない冷却あるいは温調方法が求められてい
る。
【0022】また、この要求は、いわゆる環境問題を考
慮したゼロエミッションにも呼応するものでもあり、こ
の点からも改善が求められていた。
【0023】さらに、近年では、樹脂成形機において、
メンテナンス、応答性などの点より、金型の駆動源とし
て油圧を用いず電気だけを用いるものが提案されている
が、その場合には、水が装置へ出入りすることを出来る
だけ避けたいという要望もあった。
【0024】本発明は上記の問題を解決しようとするも
ので、水などの流体を外から出入りさせることなく、ゼ
ロエミッションに対応できる樹脂成形機の温度調節シス
テムを提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の樹脂成
形機の温度調節システムは、樹脂成形機において、樹脂
成形のために温度管理が重要とされる被温度管理部を所
定温度に維持するための温度調節システムであって、前
記被温度管理部の殻体を貫流する殻内管路と、還流ポン
プと媒体タンクと熱交換器とを備えた温調部とを管路接
続して閉鎖された温度調節管路系を構成し、前記熱交換
器として空冷のラジエータを用い、前記温度調節管路系
内に媒体を前記還流ポンプによって還流させながら、前
記熱交換器によって前記媒体の温度を調節することで前
記被温度管理部を所定温度に維持するようにしたことを
特徴とする。
【0026】この温度調節システムは、被温度管理部の
殻内管路と温調部とを管路接続した閉鎖系の温度調節管
路系に媒体を還流させ、この媒体の温度を調節すること
で、成形材料投入部の温度が一定以上にならないように
するもので、閉鎖系であるので、システムへの媒体の出
入りがなく、ゼロエミッションを達成することが出来、
成形機の電気系への悪影響も少ない。
【0027】また、この温度調節システムは、媒体の熱
交換器として、空冷のラジエータを用いたので、温度調
節のために環境を汚染することがない。
【0028】請求項2に記載の樹脂成形機の温度調節シ
ステムは、請求項1に記載の温度調節システムおいて、
前記媒体として水性媒体を用いたことを特徴とする。
【0029】ここで水性媒体とは、水を主成分としなが
ら、管路系が閉鎖系で外部へ流出しないという利点を生
かし、水だけの場合に発生する錆や凍結の問題を避ける
ために、防錆剤、不凍液などの添加剤を添加したもので
ある。
【0030】この温度調節システムは、媒体として水を
主とする水性媒体を採用したので、安価に構成できる。
また、温度調節管路系に錆を生じさせたり、凍結によっ
てシステムが稼働しないという問題が発生しないように
することができる。
【0031】請求項3に記載の樹脂成形機の温度調節シ
ステムは、請求項1または2のいずれかに記載の温度調
節システムおいて、前記被温度管理部が、前記樹脂成形
機に着脱して用いられる成形金型であることを特徴とす
る。
【0032】この温度調節システムは、被温度管理部
を、具体的に成形金型としたもので、特に、成形金型に
関して、上記の請求項1から2の効果を発揮する。
【0033】請求項4に記載の樹脂成形機の温度調節シ
ステムは、請求項1から3のいずれかに記載の樹脂成形
機の温度調節システムおいて、前記温度調節システム
に、更に、前記被温度管理部を前記還流ポンプのコイル
部とする二次温度調節システムを組み込んだことを特徴
とする。
【0034】この温度調節システムは、温度管理の対象
として、システム自身に含まれ、高温になるのを避けた
い還流ポンプのコイル部をも捉え、この部分について
も、閉鎖系の二次温度調節システムを適用することで、
このコイル部の焼き付きなどによる還流ポンプの故障を
避けるとともに、システムの閉鎖性を確保している。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0036】図1は、本発明に係る温度調節システムの
一例(並列型)について、その全体構成を示す概略図で
ある。
【0037】この温度調節システム10は、樹脂成形機
(不図示)の被温度管理部の一例として、成形金型Kを
取り上げたもので、この被温度管理部1(K)を所定温
度に維持するために、温調部5を備え、両者を管路接続
して、閉鎖系あるいは循環系の温度調節管路系6を構成
している。
【0038】温調部5は、必要に応じて還流する媒体W
を温調する熱交換器2、媒体Wを温度調節管路系6内で
還流させる還流ポンプ3、還流する媒体Wを貯留する媒
体タンク4、還流ポンプ3のコイル部3aを温度調節す
るための二次温度調節システム7を備えている。
【0039】熱交換器2は、この例では、自動車のクー
ラント温調用の空冷ラジエータタイプのものであって、
温調のために大気を送風するファン2aと、このファン
2aからの送風を受け、その中に媒体Wを通過させるこ
とによって媒体Wを温調するラジエータ2bとを備えて
いる。
【0040】この熱交換器2は、温度調節管路系6の管
路6dに直列に設けられるのではなく、管路6dと管路
とをバイパス連結しているバイパス管路2cに直列に設
けられている。つまり、温度調節管路系6の管路6dに
対しては、並列に設けられており、これを並列型と呼ん
でいる。
【0041】なお、この熱交換器2は、基本的には、高
温になった媒体Wの温度を下げる冷却の役割を果たすも
のであるが、成形機の運転開始時などで、金型Kの温度
が低い場合には、ファン2aを回転させないでラジエー
タ2bへの送風を停止することで、媒体Wの温度が一定
の温度まで上昇するのを放置する、つまり温度上昇を許
すものである。
【0042】還流ポンプ3は、図5の還流ポンプ103
と同様の圧力計3aとコントロールセンサ3bとを備え
ている。
【0043】媒体タンク4は、媒体Wを貯留するタンク
本体4a、タンク本体4aに貯留された媒体Wを加熱す
るヒータ4b、タンク本体4aに媒体Wを補給するため
の媒体補給口4c、タンク本体4aに残留した媒体Wを
排出するドレン4d、媒体補給口4cに付設され、タン
ク4に貯留された媒体Wの液面レベルを測定する液面計
4e、余分な媒体Wをオーバーフロー先OFへ排出する
排出管路4fを備えている。
【0044】この排出管路4fは、媒体の補給時に、間
違って過剰に供給した場合などに限って、溢れる媒体を
オーバーフローするためのものであって、常時は排出さ
れないものである。
【0045】温度調節管路系6は、同様に成形金型Kを
温度管理対象とする図5の温度調節システム110の温
度調節管路系106の各要素、管路106c、管路10
6d、分岐しそれぞれに給媒弁106eを設けた管路1
06f、殻内管路106g、それぞれに返媒弁106i
を設けた管路106h、管路106j、管路106k、
圧力調整弁106lと同様の、管路6c、管路6d、そ
れぞれに給媒弁6eを設けた管路6f、殻内管路6g、
それぞれに返媒弁6iを設けた管路6h、管路6j、管
路6k、圧力調整弁6lを備え、同様の機能を発揮す
る。
【0046】ただし、図5では、温度調節管路系106
では媒体Wは、冷却のため随時、媒体源WIから供給さ
れ、使用後の余分の媒体Wは、排出管路104cから排
出先WOへオーバーフロー排出されるものであれば、こ
の温度調節管路系6では、このような冷却を目的とする
媒体Wの導入、排出はない。
【0047】なお、温度調節管路系6は、更に、管路6
jに、この管路6jを通過する媒体Wの温度を測定する
コントロールセンサ6mを備えており、このセンサ6m
で測定される媒体Wの温度をも用いて、媒体Wの温度調
節を行っている。
【0048】二次温度調節システム7は、親システム1
0と同様の構成であって、このシステム10に組み込ま
れ、温度調節管路系の小ループを構成しており、本シス
テム10と同様の熱交換器2A、還流ポンプ7a、媒体
タンク7bを備え、温度調節対象である還流ポンプ3の
コイル部3aを含んで、これらを管路7cで連結して閉
鎖系、あるいは、循環系となっている。
【0049】媒体タンク7bには、この媒体タンク7b
に貯留された媒体Wの液面レベルを測定する液面計7b
aが設けられている。この媒体タンク7bは、循環する
媒体Wの循環をスムーズにするための溜まりの役割をす
ると同時に、媒体Wが循環するのに十分な量だけ、この
閉鎖系の中に有るかどうかの判別する液面計4baを設
けるためのものでもある。
【0050】このような媒体Wの溜まりと量の計測の場
所としての機能は、一般に、自動車用の液面計を備えた
ラジエータには、備えられているものであるが、ここで
用いる熱交換器2Aがこのようなタイプのラジエータで
ある場合には、この媒体タンク7bも必ずしも不可欠の
ものではない。
【0051】この温度調節システム10は、このような
構成で、媒体Wを温度調節管路系6内を循環させ、金型
1(K)の殻内管路6gでは、加熱された金型Kの熱を
吸収して急速に冷却し、温調部5の熱交換器2では、そ
の熱を大気に発散することで、金型Kの温度が一定温度
を維持するようにしているが、閉鎖系であるので、シス
テムへの媒体の出入りがなく、ゼロエミッションを達成
することが出来、電気系への悪影響も少ない。
【0052】また、熱交換器2では、媒体Wの冷却手段
として、大気を用いているので、環境汚染の問題を発生
しない。
【0053】なお、一方金型Kの温度が所定温度より低
くなった場合には、媒体タンク4に設けられたヒータ4
bによって、媒体Wを加熱することによって、金型Kの
温度を上昇させることもある。つまり、温調部5として
は、金型Kを冷却するだけでなく、加熱する機能も備え
ている。
【0054】同様に、二次温度調節システム7は、上記
のような構成によって、本システム10と同様に、還流
ポンプ3のコイル部3aが高温になるのを防ぎ、焼き付
きなどによる還流ポンプ3の故障を避けるとともに、シ
ステムの閉鎖性を確保している。
【0055】ここでは、媒体として水性媒体、つまり、
水を主成分としながら、管路系が閉鎖系で外部へ流出し
ないという利点を生かし、水だけの場合に発生する錆や
凍結の問題を避けるために、防錆剤、不凍液などの添加
剤を添加したものを用いているので、温度調節管路系に
錆を生じさせたり、凍結によってシステムが稼働しない
という問題などが発生しないようにすることができる。
また、媒体として水を主とする水性媒体を採用したの
で、安価に構成できる。
【0056】なお、熱交換器としては、ここに例示した
ラジエータタイプだけでなく、供給される電気によって
熱移動を発生させるペルチェ素子を用いることができ、
その場合も、フロンなどの媒体を使わず、環境との媒体
の出入りがないので、環境に優しいシステムとすること
ができる。
【0057】また、ペルチェ素子は、元々熱勾配のない
箇所で、熱移動を発生させるものであるが、これを成形
材料投入部のように、加熱雰囲気中で、一部分をより温
度の低い部分とするために用いる場合には、この熱勾配
を利用する方向に、ペルチェ素子を用いることにより、
より効率よく熱移動を発生させることができる。
【0058】また、熱交換器の他例としては、コンプレ
ッサ、凝縮器、気化器で構成される圧縮膨張ユニットを
用いたものであってもよく、この場合にも、環境との媒
体の出入りがないので、環境に優しいシステムとするこ
とができる。
【0059】また、本システム10では、熱交換器2
は、温調部5と金型Kとの間の管路6d、6f、6g、
6h、6mに対して、並列したバイパス管路2cに設け
られ、これらの管路6d、6f、6g、6h、6mを貫
流する媒体Wを全量温度調節するものではなく、還流す
る媒体Wの一部だけをバイパスして、それだけを冷却す
る、あるいは温度上昇を放置するものである。この方法
は、簡易な温度調節システムとして、有用性が高い。
【0060】なお、このバイパス管路2cと、金型Kへ
の管路6dなどとの間の流量比率を調整できるように、
バイパス管路2c、あるいは、金型Kへの管路6dなど
のどちらか一方、あるいは、双方に流量制御弁を設ける
ようにしてもよい。
【0061】このようにすると、流量の調整によって、
温度調節の対応範囲が広くなり、システムの柔軟性が向
上する。
【0062】図2は、図1の温調部の外観を詳細を示す
もので、(a)はカバーを除いた状態の正面図、(b)
は同様にカバーを除いた状態の側面図である。
【0063】この温調器5では、すでに説明した熱交換
器2、2A、管路2c、還流ポンプ3、媒体タンク4、
ヒーター4b、管路6d,6j、二次温度調節システム
7の媒体タンク7b、循環系の管路7cが示されてお
り、これらの実際の装置における相対的な設置位置関係
がよく解る。
【0064】符号9は、図1では示していないが、媒体
Wの温度上昇による膨張を対応するための膨張タンクで
あり、媒体タンク4に設けられている。例えば、油性の
媒体Wで、金型の温度調節に用いる媒体W(具体的に
は、「ダフニーサーミックオイル32」(商品名))の
場合、媒体温度が0℃から、250℃に上昇すると、容
積が1.3倍程度に膨張するため、この膨張によるシス
テムの破損を防止するために、このような膨張タンクが
必要となる。
【0065】5cは、温調部5に内蔵された還流ポンプ
3、媒体タンク4などを覆うカバーであり、仮想線の二
点鎖線で示している。
【0066】この図を見ると、上記内蔵部品の設置位置
関係がよく解る。
【0067】また、この図では、ラジエータタイプの熱
交換器2、2Aは、温調部5の装置箱体に外付けされる
ようになっているが、この熱交換器を箱体内部に内蔵す
るようにしてもよい。ただ、その場合には、カバーと内
部との間の大気の流通が良好に行われるように留意する
必要がある。
【0068】図3は、本発明に係る温度調節システムの
他例(直列型)を示す全体構成図である。
【0069】この温度調節システム10Aは、図1のシ
ステム10に比べ、温調部5Aの熱交換器2Bが、管路
6dに並列ではなく直列に設けられている点が異なって
いる。
【0070】このようにすると、温度調節管路系6を還
流する媒体Wの全量が、熱交換器2Bを通過することと
なるので、熱交換器2Bの容量をより大きなものにする
必要があるが、金型Kのより大きな温度変化にも対応す
ることができる。
【0071】図4は、本発明に係る温度調節システムの
他例(間接型)を示す全体構成図である。
【0072】この温度調節システム10Bは、閉鎖系、
循環系の管路系で、熱交換器としてラジエータタイプの
ものを用いるという本発明の特徴を、図6で説明した従
来例の間接型の温度調節システムに適用したものであ
る。
【0073】つまり、温度調節システム10Bは、媒体
タンク4Aは、図6の媒体タンク204と同様に媒体を
間接的に温度調節するタイプとし、更に、この媒体タン
ク4Aを温度調節するサブ温度調節システム8も閉鎖
系、循環系としたものである。
【0074】このサブ温度調節システム8は、上述の媒
体タンク4A、この冷却のための媒体WBを貯留する媒
体タンク4B、このシステム8内に媒体WBを還流させ
る還流ポンプ3A、媒体WBを冷却するためのラジエー
タタイプの熱交換器2Cとを備え、これらを管路8a,
8b,8c,8d,8eが循環系を構成するように連結
している。この中で、管路8dは、媒体タンク4Aに貯
留された本システム用媒体WA内を貫通しており、この
媒体WAを冷却(あるいは、場合によっては加熱)する
ための熱交換管路8dとして機能している。
【0075】媒体タンク4Aは、上記熱交換管路8dを
備えている点で、媒体タンク4と異なり、媒体タンク4
Bは、間接冷却あるいは温調のための媒体WBを貯留す
る点で媒体タンク4と異なるが他の点は同様である。
【0076】こうして、この温度調節システム10Bに
よれば、図6のシステム210と同様に、媒体源WBよ
り供給される低温の媒体(例えば水)による間接的な冷
却、ヒータ4bによる加熱により、媒体タンク4A内の
媒体WAの温度を調節することにより、成形金型Kの殻
内管路6gを通過する媒体の温度を調節して、成形金型
Kを所定温度に維持することができると共に、サブ温度
調節システム8も閉鎖、循環系であるので、システムへ
の媒体の出入りがなく、ゼロエミッションを達成するこ
とが出来、電気系への悪影響も少ない。
【0077】更に、このシステム10Bでは、温度調節
対象部分である被温度管理部用の媒体WAと、間接温調
のための媒体WBを異なるものとすることができるの
で、それぞれを目的、使用条件に合った媒体とすること
ができ、システムの柔軟性が高まる。
【0078】例えば、媒体WAとして、鉱物油や合成
油、具体例としては、ダフニーサーミックオイル32
(商品名)などの油性媒体を用い、媒体WBとして、既
述の水性媒体を用いることができる。また、油性媒体
は、図1のシステム10のような直接型でも用いること
ができる。
【0079】なお、ここでは、閉鎖系のシステム7、
8、10による被温度管理部の例として、成形金型1
(K)についてのみ、説明したが、このシステムは、成
形材料投入部などにも適用可能なものであり、同様の効
果を発揮する。
【0080】
【発明の効果】請求項1に記載の樹脂成形機の温度調節
システムによれば、被温度管理部の殻内管路と温調部と
を管路接続した閉鎖系の温度調節管路系に媒体を還流さ
せ、この媒体の温度を調節することで、成形材料投入部
の温度が一定以上にならないようにするもので、閉鎖系
であるので、システムへの媒体の出入りがなく、ゼロエ
ミッションを達成することが出来、成形機の電気系への
悪影響も少ない。
【0081】また、この温度調節システムは、媒体の熱
交換器として、空冷のラジエータを用いたので、温度調
節のために環境を汚染することがない。
【0082】請求項2に記載の樹脂成形機の温度調節シ
ステムによれば、請求項1の効果に加え、媒体として水
を主とする水性媒体を採用したので、安価に構成でき
る。また、温度調節管路系に錆を生じさせたり、凍結に
よってシステムが稼働しないという問題が発生しないよ
うにすることができる。
【0083】請求項3に記載の樹脂成形機の温度調節シ
ステムによれば、請求項1または2のいずれかの効果に
加え、被温度管理部を、具体的に成形金型としたもの
で、特に、成形金型に関して、上記の請求項1から2の
効果を発揮する。
【0084】請求項4に記載の樹脂成形機の温度調節シ
ステムは、請求項1から3のいずれかの効果に加え、温
度管理の対象として、システム自身に含まれ、高温にな
るのを避けたい還流ポンプのコイル部をも捉え、この部
分についても、閉鎖系の二次温度調節システムを適用す
ることで、このコイル部の焼き付きなどによる還流ポン
プの故障を避けるとともに、システムの閉鎖性を確保し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度調節システムの一例(並列
型)について、その全体構成を示す概略図
【図2】図1の温調部の外観を詳細に示すもので、
(a)はカバーを除いた状態の後面図、(b)は同様に
カバーを除いた状態の側面図
【図3】本発明に係る温度調節システムの他例(間接
型)を示す全体構成図
【図4】本発明に係る温度調節システムの他例(直列
型)を示す全体構成図
【図5】従来の成形金型の温度調節システムの一例を示
す全体構成図
【図6】従来の成形金型の温度調節システムの他例を示
す全体構成図
【符号の説明】
1 金型 2〜2B 熱交換器(ラジエータ) 3、3A 還流ポンプ 4〜4A 媒体タンク 5〜5A 温調部 6 温度調節管路系 6g 殻内管路 10〜10B 温度調節システム K 成形金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 信樹 東京都豊島区池袋2丁目51番13号 株式会 社松井製作所東京支店内 Fターム(参考) 4F202 AK02 AK13 AR06 CA11 CN01 CN05 CN13 CN14 CN24 4F206 AK02 AK13 AR061 AR064 JA07 JL02 JQ48 JQ81

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂成形機において、樹脂成形のために温
    度管理が重要とされる被温度管理部を所定温度に維持す
    るための温度調節システムであって、 前記被温度管理部の殻体を貫流する殻内管路と、還流ポ
    ンプと媒体タンクと熱交換器とを備えた温調部とを管路
    接続して閉鎖された温度調節管路系を構成し、 前記熱交換器として空冷のラジエータを用い、 前記温度調節管路系内に媒体を前記還流ポンプによって
    還流させながら、前記熱交換器によって前記媒体の温度
    を調節することで前記被温度管理部を所定温度に維持す
    るようにしたことを特徴とする樹脂成形機の温度調節シ
    ステム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の樹脂成形機の温度調節シ
    ステムおいて、 前記媒体として水性媒体を用いたことを特徴とする樹脂
    成形機の温度調節システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2のいずれかに記載の樹脂
    成形機の温度調節システムおいて、 前記被温度管理部が、前記樹脂成形機に着脱して用いら
    れる成形金型であることを特徴とする樹脂成形機の温度
    調節システム。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の樹脂成
    形機の温度調節システムおいて、 前記温度調節システムに、更に、前記被温度管理部を前
    記還流ポンプのコイル部とする二次温度調節システムを
    組み込んだことを特徴とする樹脂成形機の温度調節シス
    テム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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