JP2003208010A - 現像ローラ、現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像ローラ、現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003208010A
JP2003208010A JP2002005721A JP2002005721A JP2003208010A JP 2003208010 A JP2003208010 A JP 2003208010A JP 2002005721 A JP2002005721 A JP 2002005721A JP 2002005721 A JP2002005721 A JP 2002005721A JP 2003208010 A JP2003208010 A JP 2003208010A
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developing roller
image
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nylon
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Hiroyuki Osada
弘行 長田
Seiji Tsuru
誠司 都留
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤に対する摩擦帯電の均一性と耐久安定
性とに優れた現像ローラ、この現像ローラを備えた現像
装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供す
る。 【解決手段】 結着樹脂で主に構成される表面層と弾性
層とを有し、表面層の結着樹脂は少なくともフェノール
樹脂と非晶質ナイロンとを含み、かつフェノール樹脂及
び非晶質ナイロンの総量に対するフェノール樹脂の比率
は0.1以上0.9以下である現像ローラを形成する。
この現像ローラを接触現像方式の現像装置に設け、像担
持体上の潜像を現像する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置で用
いられる、現像剤を担持する現像ローラや現像ローラを
備えた現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一成分現像剤を用い、その一成分
現像剤を現像剤担持体上に担持して像担持体に接触さ
せ、現像剤を現像剤担持体から像担持体表面に転移させ
て、像担持体上の静電潜像を現像する接触現像法が知ら
れている。接触現像法に用いられる現像剤担持体として
は、現像剤担持体を金属の軸の周囲に弾性層を設け、そ
の上に必要に応じて表面層を設けたローラ形状の現像剤
担持体(以下、「現像ローラ」ともいう)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の技
術では、接触現像法において現像効率を向上させ、濃度
が高く鮮明でカブリの抑制され、しかも均一な現像画像
をいずれの使用環境(低温低湿度〜高温高湿度)におい
ても安定して得る上で重要な現像剤に対する摩擦帯電の
均一化や耐久安定化といった問題は完全には解決されて
いない。
【0004】例えば、現像ローラが繰り返し回転を行っ
ているうちに、現像ローラ上にコーティングされた現像
剤(以下「トナー」ともいう)の帯電量が現像ローラと
の接触により高くなり過ぎ、トナーが現像ローラ表面と
の鏡映力により引き合って現像ローラ表面上で不動状態
となり、現像ローラから像担持体(以下「感光ドラム」
ともいう)上の潜像に移動しなくなる、いわゆるチャー
ジアップ現象が特に低湿下で起こり易くなる。このよう
なチャージアップ現象が発生すると、上層のトナーは帯
電しにくくなってトナーの現像量が低下するため、ライ
ン画像の細りやベタ画像の画像濃度薄のごとき問題点を
生じる。
【0005】更に、現像すべき部位として画像部(トナ
ー消費部)と非画像部とを比較したときにこの部位に対
向する現像ローラにおけるトナー層の形成状態が変わ
り、トナーの帯電状態が異なってしまうため、例えば一
度画像濃度の高いベタ画像を現像した位置が、現像ロー
ラの次の回転時に現像位置に来てハーフトーン画像を現
像すると画像上にベタ画像の跡が現れてしまう、いわゆ
るゴースト現象が生じ易い。
【0006】最近では電子写真の更なる高画質化のため
に、トナーの小粒径化及び微粒子化が図られている。例
えば、解像力やシャープネスを向上させ潜像を忠実に再
現するためには、重量平均粒径約6〜9μmのトナーを
用いるのが一般的である。更に最近では、ファーストコ
ピー時間の短縮化や省電力化の目的で、トナーの定着温
度を下げる傾向にある。このような状況下においては、
トナーは更に現像ローラ上に静電的に付着し易くなると
共に、外部からの物理的な力がかかることにより現像ロ
ーラ表面の汚染やトナーの融着が起こり易くなってい
る。
【0007】このような問題を解決する方法として、固
体潤滑剤及びカーボンのごとき導電性微粉末を樹脂中に
分散させた表面層が設けられている現像ローラを現像装
置に用いる方法がある。この方法を用いることにより上
記した現象は軽減されることが認められるが十分とは言
えない。
【0008】また、現像剤として非磁性トナーを用いる
接触現像においては、常に現像ローラが現像剤層厚規制
部材(以下「現像ブレード」ともいう)及び感光ドラム
に対して当接状態にある。これに起因して、長時間停止
状態のまま放置された場合、当接部が変形を起こし画像
不良を発生するという問題がある。さらに、現像ローラ
が繰り返し回転を行っているうちに現像ブレードや感光
ドラム、現像剤等との摺擦で現像ローラ表面が摩耗し、
現像性が変化するという問題がある。
【0009】この問題を解決する方法として、特開平6
−149031号公報では、最外層に耐摩耗性の良い材
料として、ポリアミド樹脂を用いる方法が記載されてい
るが、耐摩耗性としては十分とは言えず、加えて、トナ
ーのチャージアップ、トナー付着、融着、当接部の変形
等に対する考慮は十分なされておらず、現像剤に対する
摩擦帯電の均一性及び耐久安定性の観点から、現像ロー
ラに適した表面層の更なる改良が望まれている。
【0010】本発明の目的は、上記課題を解決し、現像
剤に対する摩擦帯電の均一性と耐久安定性とに優れた現
像ローラ、この現像ローラを備えた現像装置、画像形成
装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、潜像が形成される像担持体を有する電子
写真方式の画像形成装置において像担持体上の潜像を現
像剤で現像するための現像装置に用いられ、結着樹脂で
主に構成される表面層と弾性層とを有し、像担持体に接
触して配置される現像ローラにおいて、表面層の結着樹
脂は少なくともフェノール樹脂と非晶質ナイロンとを含
み、かつフェノール樹脂及び非晶質ナイロンの総量に対
するフェノール樹脂の比率は0.1以上0.9以下であ
ることを特徴とする現像ローラを提供する。
【0012】また本発明では非晶質ナイロンは6ナイロ
ン及び66ナイロンを含有し、かつ非晶質ナイロン中に
おける両者の含有率の和が50%以上であり、かつ66
ナイロンに対する6ナイロンの含有率の比が3.3以下
であることが好ましい。
【0013】また本発明では非晶質ナイロンの分子量が
下記の関係を満足することが好ましい。 Mw(重量平均分子量)≧3.90×104 Mn(数平均分子量)≧1.95×104 Mw/Mn≧1.95
【0014】また本発明では非晶質ナイロンが三元共重
合体であることが好ましく、三元共重合体が6ナイロ
ン、66ナイロンと脂環族系アミドからなることがより
好ましい。
【0015】また本発明では弾性層がシリコーン系ゴム
で主に構成されることが好ましい。
【0016】また本発明は、潜像が形成される像担持体
を有する電子写真方式の画像形成装置に用いられ、現像
剤を収容する現像容器と、現像容器の開口部に回転自在
に設けられ現像容器内に収容された現像剤を担持する現
像ローラと、該現像ローラ上に担持された現像剤を規制
して現像ローラ上に現像剤の薄層を形成する現像剤層厚
規制部材とを有し、像担持体に前記現像ローラが接触し
て配置され、現像ローラと像担持体とが接触する現像領
域へと現像剤を搬送し、該像担持体上の潜像を現像剤に
より現像して可視像化する現像装置において、現像ロー
ラとして前述した現像ローラを有する現像装置を提供す
る。
【0017】また本発明は、潜像が形成される像担持体
と、像担持体の潜像を現像剤で現像する前述の現像装置
とを有する画像形成装置を提供する。
【0018】また本発明は、潜像が形成される像担持体
と、像担持体の潜像を現像剤で現像する前述の現像装置
とを有する画像形成装置に用いられ、像担持体と現像装
置とが画像形成装置本体に対して一体的かつ着脱自在に
設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ
を提供する。
【0019】本発明者等は鋭意検討した結果、上記の現
像ローラ及び現像装置を用いることで高現像効率を達成
し、しかも濃度が高く鮮明でカブリの抑制された現像画
像を長期に渡り提供できることが分かり本発明に至っ
た。以下、本発明を詳しく説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】まず本発明は、結着樹脂で主に構
成される表面層と弾性層とを有し、像担持体に接触して
配置される現像ローラにおいて、表面層の結着樹脂は少
なくともフェノール樹脂と非晶質ナイロンとを含み、か
つフェノール樹脂及び非晶質ナイロンの総量に対するフ
ェノール樹脂の比率は0.1以上0.9以下であること
を特徴とする現像ローラである。
【0021】まず本発明の現像ローラを構成する材料に
ついて説明する。一般にナイロン樹脂は誘電率が高く、
摩擦帯電系列においてポジ側にある材料なため、表面層
の結着樹脂に用いた場合、負帯電性現像剤に対し高い負
電荷を付与することができる。加えて樹脂自体の体積抵
抗が比較的低いためトナーのチャージアップを起こしに
くく、導電性物質を樹脂中に分散含有させることなくよ
り均一な電荷付与が可能という特徴を有する。
【0022】さらに現像ローラには高い寸法精度が要求
されるが、ナイロン樹脂は分子相互間の構造をランダム
にする(例えば共重合するなど)ことで非晶性となり溶
剤(例えばメタノール等のアルコール類)に可溶となる
ため、塗料のコーティングによる高精度での表面層形成
が可能となる。
【0023】しかし、非晶質ナイロンは熱可塑性樹脂で
あり、かつ耐摩耗性が不十分なため、単独で表面層の結
着樹脂に用いた場合、使用途中で現像特性が変化してし
まうという問題がある。
【0024】一方、フェノール樹脂はナイロン樹脂と同
様に誘電率が高く、摩擦帯電系列においてポジ側にある
材料なため、表面層の結着樹脂に用いた場合、負帯電性
現像剤に対し高い負電荷を付与することができる。加え
て、耐摩耗性に優れるため、長期に渡り安定的に初期の
特性を維持できるという特徴がある。
【0025】しかし、フェノール樹脂は硬度が高く可撓
性が不十分なため、弾性層との密着性や追従性が悪く、
単独で表面層の結着樹脂に用いた場合、使用途中で表面
層の割れや剥がれが発生するという問題がある。またフ
ェノール樹脂は、樹脂自体の体積抵抗が高いためトナー
のチャージアップを起こし易い。したがって、導電性物
質を多量に分散含有させる必要があるが、その影響で均
一な電荷付与が困難であるという問題を有する。
【0026】本発明者らの検討によれば、表面層の結着
樹脂としてフェノール樹脂と非晶質ナイロンとの混合物
を使用し、かつフェノール樹脂及び非晶質ナイロンの総
量に対するフェノール樹脂の比率を0.1以上0.9以
下とすることで、摩擦帯電の均一性及び耐久安定性に優
れた表面層を有する現像ローラを構成することができ
る。
【0027】フェノール樹脂の比率が0.1よりも小さ
いと表面層の特性は前述したようなナイロン樹脂の特性
に近づき、フェノール樹脂の比率が0.9よりも大きい
と表面層の特性は前述したようなフェノール樹脂の特性
に近づくため、それぞれ前述したような問題が発生する
傾向にある。
【0028】ここで非晶質ナイロンとはナイロンを含む
非晶質の樹脂であり、非晶質ナイロンに含まれるナイロ
ンにはジアミンと二塩基酸の重縮合物や、ラクタムの開
環重合物又はω−アミノ酸の重縮合物あるいは重合物
や、いわゆる共重合ナイロン(例えばカプロラクタムと
6,10−ナイロン塩の共縮合物等)などの一種又は二
種以上が選択される。
【0029】またフェノール樹脂とはフェノール類(例
えばフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシ
ンなど)とアルデヒド(例えばホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、フルフラールなど)から得られる樹脂及
びそれらの変性樹脂であり、従来より知られている種々
のフェノール樹脂から任意に選択される。またフェノー
ル樹脂は可溶可融性のノボラック型樹脂であっても良い
し、加熱又は酸によって硬化するレゾール型樹脂であっ
ても良い。また本発明では表面層の形成を考慮して、ア
ルコール可溶性フェノール樹脂や油溶性フェノール樹脂
(例えば100%フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノ
ール樹脂、油変性フェノール樹脂など)を用いることも
できる。
【0030】本発明では前記非晶質ナイロンが少なくと
も6ナイロン、66ナイロンを含有しており、非晶質ナ
イロン中における両者の含有率の和が50%以上であ
り、かつ66ナイロンに対する6ナイロンの含有率の比
(6ナイロン/66ナイロン)が3.3以下であること
が好ましい。
【0031】上述のように、ナイロンは負帯電性現像剤
に対し高い負電荷を付与することができ、本発明では従
来より知られている種々のナイロンを用いることができ
るが、本発明者等の検討によればその付与効果は6ナイ
ロン及び66ナイロンが優れており、両者の含有率の和
が50%以上であると特に優れている。含有率の和が5
0%を下回ると6ナイロン及び66ナイロンの優れた電
荷付与効果が十分に得られないことがある。
【0032】本発明者らが6ナイロン/66ナイロン系
の非晶質ナイロンについてその含有率の比について詳細
に検討した結果、特に含有比率3.3以下において電荷
付与性及び環境安定性の面で良好な結果が得られること
が分かった。すなわち、6ナイロンは電荷付与性は良い
ものの66ナイロンよりも吸水性が高く環境安定性に欠
けるため、含有比率が3.3より大きいと環境安定性が
悪く現像特性が不安定となる傾向にある。一般的には高
湿度環境下において電荷付与性の低下等の問題を発生し
やすい。
【0033】さらに本発明は、非晶質ナイロンの分子量
が下記の関係を満足することが好ましい。 Mw(重量平均分子量)≧3.90×104 Mn(数平均分子量)≧1.95×104 Mw/Mn≧1.95
【0034】上記の関係を満たすことで表面層の機械的
強度が確保され、現像ブレードや感光ドラム、現像剤等
との摺擦による表面層の摩耗が低減する。その結果、長
期に渡る現像性の安定化が保たれる。なお各分子量はポ
リメチルメタクリレート換算の値であり、常法によって
測定することができる。本発明における上記分子量の好
ましい測定法としては、例えばGPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)で標準ポリメチルメタクリ
レートの検量線、標準ポリメチルメタクリレートの分子
量−溶出時間の関係を調べた上で、測定対象物質の溶出
曲線、分子量分布曲線を取り、ポリメチルメタクリレー
ト換算の分子量分布を求める方法を挙げることができ
る。
【0035】さらに本発明は、非晶質ナイロンが三元共
重合体であることを特徴とする。本発明者らが種々の6
ナイロン及び66ナイロン系の非晶質ナイロンについて
検討した結果、四元以上の共重合では表面層の離型性が
不十分なことに起因して、現像剤の付着や融着を発生し
易い傾向にあった。これは、多元共重合による融点降下
の影響と考えている。また二元であると表面層が柔軟性
に欠けるため、現像ブレードや感光ドラムとの接触均一
性が不良となり、画像濃度ムラ等の問題が発生し易い。
【0036】なお三元共重合体とは三種類の化学的に異
なる単量体単位(重合鎖中の位置に関して不規則性のあ
る)の線状共重合体であり、三元共重合体は、三つの異
なる種類の単量体の同時重合や、二つの異なる種類の単
量体から得られる共重合体への第三の単量体のグラフト
重合、前述した6ナイロン及び66ナイロンなどの異な
る二種以上の共重合物を連結するブロック共重合などの
手法によって得られる。
【0037】特に6ナイロン及び66ナイロンを含む共
重合物を用いるブロック共重合によって構成される三元
共重合体が好ましく、この三元共重合体における6ナイ
ロン及び66ナイロン以外の成分としては、種々検討を
重ねた結果、脂環族系アミド、例えば脂肪族ジアミン、
脂環式ジアミン、芳香族ジアミンと脂環式ジカルボン酸
との重合物や、脂環式ジアミンと脂肪族ジカルボン酸、
脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸との重合物等
が、表面層の電荷付与性や環境安定性及び耐久性の面で
良好な結果が得られる。
【0038】上記ジアミンとしては、エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘ
ブタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメ
チレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメ
チレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、オクタ
デカメチレンジアミン、2,2,4(又は2,4,4)
−トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジ
アミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサ
ンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタンのような
脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジ
アミンなどが挙げられる。
【0039】上記ジカルボン酸としては、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン
酸、ドデカンジオン酸、トリデカジオン酸、テトラデカ
ジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセンジオン
酸、オクタデカジオン酸、オクタデセンジオン酸、エイ
コサンジオン酸、エイコセンジオン酸、ドコサンジオン
酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸のような脂肪族
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の
ような脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、キシリレンジカルボン酸のような芳香族
ジカルボン酸などが挙げられる。
【0040】本発明では弾性層にEPDM、NBR、S
BR、CR、シリコーンゴム等のゴム材料や、ポリスチ
レン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド系の熱可塑性エラストマ
ー(TPE)等のいずれをも用いることができる。しか
し当接ニップの安定確保や永久的当接変形低減の観点か
ら、弾性層に用いる材料としては比較的低硬度で圧縮永
久歪みが小さい材料が望ましく、その意味から弾性層が
シリコーン系ゴムで主に形成されていることが好まし
い。
【0041】また本発明では上記表面層や弾性層に抵抗
制御剤などの添加物を添加しても良い。このような添加
物には、弾性層の形成、現像ローラ上における現像剤の
帯電や担持等に好適な種々の役割を果たすものが考えら
れる。以下、本発明の現像ローラの一実施形態を示し、
より詳しく説明する。
【0042】図1及び図2に、本発明の現像ローラの基
本構成を示す。この現像ローラ114は、円筒形状の導
電性基体からなる芯金114a上に、弾性層114b、
表面層114cを形成してなっている。
【0043】現像ローラの材料としては一般的な公知な
材料を使用できる。導電性基体としては、鉄、銅、アル
ミニウム、ステンレス等の金属や金属合金、導電性樹脂
等を用いることができる。抵抗(比誘電率)制御剤とし
ては、カーボンブラック、導電性金属酸化物、金属粉、
荷電制御剤等を適宜選択し、単独又は二種類以上混合し
て用いてもよい。
【0044】弾性層114bには、前述したシリコーン
系ゴムが好適に用いられる。弾性層114bには上記の
抵抗制御剤や加硫促進剤などの添加剤が分散させている
と弾性層の形成や弾性層の導電性を付与及び制御する上
で好ましく、このような添加剤としては従来より知られ
ている種々の添加剤を用いることができる。また弾性層
は二本ロールを用いて導電性基体に弾性層を形成する公
知の技術によって形成することができる。
【0045】表面層114cは前述した結着樹脂で形成
されている。表面層は、その表面に適度な粗さが形成さ
れていると現像剤を均一に担持し、かつ均一に帯電させ
る上で好ましい。好ましい表面層の粗さとしては、10
点平均粗さ(以下、「Rz」と称す。)で好ましくは1
〜30μmの範囲内であり、より好ましくは3〜20μ
mの範囲内であることがよい。表面層のRzが1μm未
満の場合にはトナーの搬送性が低下してしまい十分な画
像濃度が得られなくなる場合があり、表面層のRzが3
0μmを超える場合にはトナーの搬送量が多くなり過ぎ
てトナーが十分に帯電できなくなる場合がある。なお上
記Rzは、例えば小坂研究所製の表面粗さ測定装置SE
−3300を用いて、送りスピード0.5mm/se
c.、測定長さ2.5mm、粗さカットオフλc=0.
8、オートレベリングONにて測定される。
【0046】上記の好適な粗さは、ブラスト工法等によ
る表面層の研磨や適度な粒径を有する粗し剤の分散など
の手法によって形成することができる。粗し材として
は、例えばEPDM、NBR、SBR、CR、シリコー
ンゴム等のゴム粒子、ポリスチレン、ポリオレフィン、
ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリア
ミド、系の熱可塑性エラストマー(TPE)等のエラス
トマー粒子、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール
樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジ
ビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体、ポリアクリロニトリル樹脂等の樹脂粒子や、樹
脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して
炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度かつ良導電性の
球状炭素粒子が挙げられる。
【0047】なお、メソカーボンマイクロビーズは、通
常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結
晶を多量のタール、中油、キノリンのごとき溶剤で洗浄
することによって製造することができる。
【0048】また表面層114cの導電性としては、体
積抵抗値が1012Ω・cm以下のものが、摩耗によって
導電性被覆層表面に露出した球状粒子を核としたトナー
の汚染や融着を発生しにくいという意味で望ましい。表
面層の導電性は、前述した結着樹脂の種類の選定や上記
粗し剤としての導電性粒子(好ましくは導電性球状粒
子)の使用などによって調整することができる。なお表
面層の体積抵抗値は、抵抗率測定機(例えば、商品名:
ハイレスタUP、J−Box、三菱化学(株)製)を用
い、表面層材料のシートサンプルにて測定される。測定
は100V印加30秒の条件で行う。
【0049】また、導電性球状粒子を得る方法として
は、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キ
シレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビ
ニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルのごとき
球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルク
メソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性
雰囲気下で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で
焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、内部が炭素化され
外部が黒鉛化された導電性球状炭素粒子を得る方法が挙
げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化する
と得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだもの
となるので導電性が向上する。
【0050】表面層の層厚は、好ましくは1〜500μ
m、より好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは
10〜100μmであると均一な層厚を得るために好ま
しいが、特にこの層厚に限定されるものではない。表面
層の層厚は表面層の形成工程を適切に選択することで実
現することができ、表面層の好ましい形成方法としては
表面層組成物をスプレー等によって均一に塗工する方法
を挙げることができる。
【0051】次に本発明の現像装置について説明する。
本発明の現像装置は、現像剤を収容する現像容器と、前
述した本発明の現像ローラと、現像ローラ上に担持され
た現像剤を規制して現像ローラ上に現像剤の薄層を形成
する現像剤層厚規制部材とを有する。現像ローラは、現
像容器の開口部に回転自在に設けられ、かつ像担持体に
接触して配置され、現像容器内に収容された現像剤を担
持し、像担持体と現像ローラとが接触する現像領域へと
現像剤を搬送する(図3参照)。
【0052】前記現像容器には従来より知られている種
々のタイプを用いることができる。また現像剤層厚規制
部材は、用いられる現像剤や現像ローラの種類に応じて
種々の好適な部材を用いることができるが、弾性による
付勢で現像ローラ表面に当接するゴム板などの板状弾性
体を用いることが好ましい。
【0053】また現像剤には、接触現像法による現像に
適した現像剤であれば特に限定されず、磁性現像剤及び
非磁性現像剤のいずれであっても良い。なお磁性現像剤
を用いる場合では、現像ローラ内に固定される磁界発生
手段を配置しても良い。またこの場合では鉄などの強磁
性体で形成された板状の現像剤層厚規制部材を用いても
良い。さらに本発明の現像装置には上記の部材等の他
に、現像容器内で現像剤を攪拌するための攪拌部材、現
像容器内の現像剤を現像ローラに供給するための供給部
材など、他の構成を含むものであっても良い。
【0054】次に本発明の画像形成装置について説明す
る。本発明の画像形成装置は、潜像が形成される像担持
体と、上記の現像装置とを有する。本発明では像担持体
として従来より知られている種々の像担持体を用いるこ
とができ、このような像担持体としては例えばOPC
(有機光導電体)、アモルファス−Si、Se、ZnO
など種々の感光体を使用した感光ドラムが挙げられる。
また本発明の画像形成装置としては、例えば複写機、レ
ーザビームプリンター、LEDプリンター又は電子写真
製版システムなどの電子写真応用装置を挙げることがで
きる。
【0055】また上記画像形成装置は像担持体や現像装
置以外に他の手段等を有するものであっても良い。この
ような手段等としては従来より知られている種々の手段
等を挙げることができ、例えば像担持体を帯電させるた
めの帯電手段、帯電した像担持体に画像情報に応じた光
(例えばレーザ光など)を照射して潜像を形成する潜像
形成手段、現像後のトナー像を転写材に転写する転写手
段(図3中の30)、転写後の像担持体に残留する転写
残トナーを除去するためのクリーニング手段(図3中の
40)、転写材上の未定着トナー像を転写材に定着させ
る定着手段等を例示することができる。
【0056】また本発明では像担持体と現像装置とを画
像形成装置本体に対して一体的にかつ着脱自在に設ける
ことでプロセスカートリッジを構成しても良い。このよ
うな構成によれば画像形成装置のメンテナンスがより容
易となる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳
細に説明するが、本実施例は本発明を何ら限定するもの
ではない。なお、実施例及び比較例中の「%」及び
「部」とあるのは、特に断りのない限り全て重量基準で
ある。
【0058】<実施例1>本発明の現像ローラをレーザ
ビームプリンタに適用した例について説明する。現像ロ
ーラは下記方法によって作製した。
【0059】[弾性層の作製]シリコーンゴムを分散媒
ポリマーとし、これに加硫促進剤等の各種添加剤、導電
性カーボンブラックを抵抗制御剤として入れた半導電性
のゴムを、二本ロールを用いて均一に分散、混練した。
これを、プライマーを塗布した鉄製芯金に巻き付け、金
型に入れて170℃、25分の加熱加硫を行い、芯金上
に半導電性の弾性層を形成した。
【0060】[表面層塗料の作製]レゾール型フェノー
ル樹脂溶液(メタノール50%含有)20重量部、三元
共重合ナイロン(6/66/脂環族系アミド、6+66
=85%、6/66=3.05、Mw=4.0×1
4、Mn=2.0×104、Mw/Mn=2.0)10
重量部、メタノール70重量部、トルエン20重量部、
導電性カーボンブラック1重量部、炭素粒子[平均粒径
5μm、真密度1.48g/cm3]2重量部を、混
合、分散処理して、表面層用塗料を調整した。フェノー
ル樹脂の比率(フェノール樹脂/(フェノール樹脂+非
晶質ナイロン))は0.5である。
【0061】[現像ローラの作製]弾性層上に上記表面
層用塗料をスプレーコート(吐出量12mL/min、
霧化圧1.75kg/cm2(1.7×105Pa)、ワ
ーク回転数1000rpm、ガン移動速度1000mm
/min)した後、80℃−30分、150℃−30分
で加熱乾燥して本発明に係る現像ローラを作製した。現
像ローラの組成及び物性を表1に示す。得られた現像ロ
ーラは芯金の径が6mm、弾性層の厚さ4mm、表面層
の厚さ15μm、弾性層の部分の長手方向の長さが24
0mmであった。ローラ表面のRzは7μm、表面層塗
料をアルミシート上にアプリケーターで塗工した表層シ
ートの体積固有抵抗値は1010Ωcmであった。
【0062】
【表1】
【0063】上記現像ローラをレーザビームプリンタ
(キヤノン製カラーレーザーショットLBP−204
0)の現像装置(非接触用現像器を接触用現像器に改造
した)に組み込んで、15℃−10%と32.5℃−8
0%の環境下で2万枚(4000枚/日)の画像形成を
行って、得られた画像の評価を行った。結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった。
【0064】なお、本発明の一実施例に係る現像ローラ
を備えた現像装置を有するレーザビームプリンタの概略
構成を図3に示す。
【0065】本実施例において、レーザビームプリンタ
の現像装置10は非磁性一成分現像方式を用いている。
その現像容器12内には非磁性トナー11が収納されて
おり、現像容器12の感光ドラム1と対向した開口部内
に、感光ドラム1と接触するようにして現像ローラ24
が設置されている。現像ローラ24は上述したように、
芯金24a上に、弾性層24b、表面層24cを形成し
てなっている。
【0066】この現像ローラ24が矢印方向に回転する
と、現像容器12内の非磁性トナー11が現像ローラ2
4上に担持される。その非磁性トナー11が現像ブレー
ド16により規制されて現像ローラ24上に非磁性トナ
ーの薄層11aが形成され、非磁性トナーのみが感光ド
ラム1と対向した現像領域13へ搬送される。現像ロー
ラ24と感光ドラム1間には定電圧電源18により現像
バイアスが印加されており、感光ドラム1上の静電潜像
が現像される。図3において、符号19は感光ドラム1
を一次帯電する帯電ローラ、Lは感光ドラム1上に静電
潜像を形成するレーザビームである。
【0067】また表2、表3中の各評価項目の測定は下
記により行った。 (1)画像濃度(耐久濃度) 反射濃度計RD918(マクベス製)を使用し、ベタ印
字した際のベタ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を
画像濃度とした。
【0068】(2)カブリ濃度(耐久カブリ) 画像形成した記録紙のベタ白部の反射率(D1)を測定
し、更に画像形成に用いた記録紙と同一カットで未使用
の記録紙の反射率(D2)を測定し、D1−D2の値を
5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。反射率はT
C−6DS(東京電色製)で測定した。
【0069】(3)ゴースト(耐久ゴースト) ベタ白部とベタ黒部が隣り合う画像を現像した現像ロー
ラの位置が、現像ローラの次の回転時には現像位置に来
てハーフトーン画像を現像するようにして、ハーフトー
ン画像上に現れる濃淡差を目視で下記の基準に基づいて
評価した。 ○ :濃淡差が全く見られない。 ○△:軽微な濃淡差が見られる。 △ :濃淡差がやや見られる。 × :濃淡差が顕著に見られる。
【0070】(4)表面層の耐汚染性 耐久後の現像ローラ表面をSEMで観察し、トナー汚染
の程度を下記の基準に基づいて評価した。 ○ :軽微な汚染しか観察されない。 ○△:やや汚染が観察される。 △ :部分的に汚染が観察される。 × :著しい汚染が観察される。
【0071】(5)濃度ムラ 朝一画像(連続画像形成の初期画像)の内、1ドット2
スペースの横ハーフトーン画像に現れる濃度ムラを評価
した。 ○ :濃度ムラ良好。 △ :わずかな濃度ムラが観察される。 × :著しい濃度ムラが観察される。
【0072】(6)表面層の耐摩耗性 耐久後の現像ローラ表面を光学顕微鏡で観察し、摩耗の
程度を下記の基準に基づいて評価した。 ○ :軽微な摩耗しか観察されない。 ○△:やや摩耗が観察される。 △ :部分的に摩耗が観察される。 × :著しい摩耗が観察される。
【0073】(7)表面層のクラック 耐久後の現像ローラ表面を光学顕微鏡で観察し、クラッ
クの程度を下記の基準に基づいて評価した。 ◎ :クラックが観察されない。 ○ :軽微なクラックしか観察されない。 ○△:ややクラックが観察される。 △ :部分的にクラックが観察される。 × :著しいクラックが観察される。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】<実施例2>本実施例では、表面層塗料の
作製においてフェノール樹脂5重量部とした以外は実施
例1と同様に現像ローラを作製した。なお本実施例にお
けるフェノール樹脂の比率は0.2である。ローラ表面
のRzは7μm、表面層塗料をアルミシート上にアプリ
ケーターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値は、5
×109Ωcmであった。
【0077】本実施例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本実施例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった
【0078】<実施例3>本実施例では、表面層塗料の
作製においてフェノール樹脂80重量部とした以外は実
施例1と同様に現像ローラを作製した。なお本実施例に
おけるフェノール樹脂の比率は0.8である。ローラ表
面のRzは7μm、表面層塗料をアルミシート上にアプ
リケーターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値は1
11Ωcmであった
【0079】本実施例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本実施例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった
【0080】<実施例4>本実施例では、表面層塗料の
作製においてフェノール樹脂10重量部とした以外は実
施例1と同様に現像ローラを作製した。なお本実施例に
おけるフェノール樹脂の比率は0.1である。ローラ表
面のRzは7μm、表面層塗料をアルミシート上にアプ
リケーターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値は2
×109Ωcmであった
【0081】本実施例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本実施例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった
【0082】<実施例5>本実施例では、表面層塗料の
作製においてフェノール樹脂180重量部とした以外は
実施例1と同様に現像ローラを作製した。なお本実施例
におけるフェノール樹脂の比率は0.9である。ローラ
表面のRzは7μm、表面層塗料をアルミシート上にア
プリケーターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値は
5×1011Ωcmであった。
【0083】本実施例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本実施例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった
【0084】<実施例6>本実施例では表面層塗料の作
製において、非晶質ナイロンとして三元共重合ナイロン
(6/66/脂環族系アミド、6+66=85%、6/
66=3.3、Mw=4.2×104、Mn=2.1×
104、Mw/Mn=2.0)を用いた以外は実施例1
と同様に現像ローラを作製した。なお本実施例における
フェノール樹脂の比率は0.5である。ローラ表面のR
zは7μm、表面層塗料をアルミシート上にアプリケー
ターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値は1010Ω
cmであった。
【0085】本実施例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本実施例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった。
【0086】<実施例7>本実施例では表面層塗料の作
製において、非晶質ナイロンとして三元共重合ナイロン
(6/66/脂環族系アミド、6+66=85%、6/
66=3.0、Mw=3.9×104、Mn=1.95
×104、Mw/Mn=2.0)を用いた以外は実施例
1と同様に現像ローラを作製した。なお本実施例におけ
るフェノール樹脂の比率は0.5である。ローラ表面の
Rzは7μm、表面層塗料をアルミシート上にアプリケ
ーターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値は1010
Ωcmであった。
【0087】本実施例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本実施例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった。
【0088】<実施例8>本実施例では表面層塗料の作
製において、非晶質ナイロンとして四元共重合ナイロン
(6/66/610/12、6+66=76%、6/6
6=3.0、Mw=3.9×104、Mn=1.95×
104、Mw/Mn=2.0)を用いた以外は実施例1
と同様に現像ローラを作製した。なお本実施例における
フェノール樹脂の比率は0.5である。ローラ表面のR
zは7μm、表面層塗料をアルミシート上にアプリケー
ターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値は1010Ω
cmであった。
【0089】本実施例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本実施例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本実施例では、二環境の耐久において、濃
度、カブリ、ゴースト、濃度ムラ、表面層の汚染性、摩
耗性、クラック等全て問題のないレベルであった。
【0090】<比較例1>本比較例では、表面層塗料の
作製においてフェノール樹脂1.05重量部とした以外
は実施例1と同様に現像ローラを作製した。なお本比較
例におけるフェノール樹脂の比率は0.05である。ロ
ーラ表面のRzは7μm、表面層塗料をアルミシート上
にアプリケーターで塗工した表層シートの体積固有抵抗
値は109Ωcmであった。
【0091】本比較例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本比較例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本比較例では、二環境の耐久において、カブ
リ、ゴースト、表面層の摩耗性のレベルが悪いことが確
認された。
【0092】<比較例2>本比較例では、表面層塗料の
作製においてフェノール樹脂380重量部とした以外は
実施例1と同様に現像ローラを作製した。なお本比較例
におけるフェノール樹脂の比率は0.95である。ロー
ラ表面のRzは7μm、表面層塗料をアルミシート上に
アプリケーターで塗工した表層シートの体積固有抵抗値
は1012Ωcmであった。
【0093】本比較例における現像ローラの組成及び物
性を表1に示す。また本比較例の現像ローラを用いて実
施例1と同様に画像形成したときの評価結果を表2、表
3に示す。本比較例では、二環境の耐久において、濃度
ムラ、表面層のクラックのレベルが悪いことが確認され
た。
【0094】
【発明の効果】以上説明したことからわかるように、本
発明によれば、結着樹脂で主に構成される表面層と弾性
層とを有し、接触現像法の現像装置に用いられる現像ロ
ーラにおいて、表面層の結着樹脂は少なくともフェノー
ル樹脂と非晶質ナイロンとを含み、かつフェノール樹脂
及び非晶質ナイロンの総量に対するフェノール樹脂の比
率は0.1以上0.9以下であることから、現像剤に対
する摩擦帯電の均一性と耐久安定性とに優れ、この現像
ローラを備えた現像装置を用いた場合、高現像効率を達
成し、しかも濃度が高く鮮明でカブリの抑制された現像
画像を長期に渡り得ることができる。
【0095】また本発明では非晶質ナイロンには6ナイ
ロン及び66ナイロンが含まれ、かつ非晶質ナイロン中
における両者の含有率の和が50%以上であり、かつ6
6ナイロンに対する6ナイロンの含有率の比が3.3以
下であると、現像剤に負帯電性現像剤を用いる場合に、
現像剤への電荷付与性や環境安定性を向上させる上でよ
り一層効果的である。
【0096】また本発明では非晶質ナイロンの分子量が
下記の関係を満足すると、表面層の機械的強度をより向
上させ、長期にわたる良好な現像性の安定化を保つ上で
より一層効果的である。 Mw(重量平均分子量)≧3.90×104 Mn(数平均分子量)≧1.95×104 Mw/Mn≧1.95
【0097】また本発明では非晶質ナイロンが三元共重
合体であると、表面層の機械的強度及び柔軟性を両立さ
せる上でより効果的であり、三元共重合体が6ナイロ
ン、66ナイロンと脂環族系アミドからなると、さらに
表面層の電荷付与性や環境安定性の面でより一層効果的
である。
【0098】また本発明では弾性層がシリコーン系ゴム
で主に構成されると、像担持体と現像ローラとを安定し
て当接させ、かつ永久的な当接による変形を抑制する上
でより一層効果的である。
【0099】また本発明によれば、上記の現像ローラを
有する現像装置、画像形成装置、及びプロセスカートリ
ッジとすることにより、現像剤に対する摩擦帯電の均一
性と耐久安定性とに優れ、高現像効率を達成し、しかも
濃度が高く鮮明でカブリの抑制された現像画像を長期に
わたり得ることができる現像装置、画像形成装置及びプ
ロセスカートリッジを提供することができる。
【0100】また本発明の画像形成装置によれば、高画
質の画像を長期にわたり形成することができる。また本
発明のプロセスカートリッジによれば、このような効果
に加え、トナーの補給や像担持体及び現像ローラの交換
等のメンテナンス作業がより一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像ローラの基本構成を示す断面図で
ある。
【図2】図1に示す現像ローラの断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る現像装置を備えたレーザ
ビームプリンタを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体) 10 現像装置 11 非磁性トナー(現像剤) 11a 非磁性トナーの薄層 12 現像容器 13 現像領域 16 現像ブレード(現像剤層厚規制部材) 18 定電圧電源 19 帯電ローラ 24、114 現像ローラ 24a、25a、114a 芯金 24b、25b、114b 弾性層 24c、114c 表面層 25 供給ローラ 30 転写手段 40 クリーニング手段 L レーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H077 AD02 AD06 AD13 AD17 BA09 EA15 FA13 FA22 3J103 AA02 AA13 AA85 FA12 FA14 FA18 GA66 HA04 HA12 HA46

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像が形成される像担持体を有する電子
    写真方式の画像形成装置において像担持体上の潜像を現
    像剤で現像するための現像装置に用いられ、結着樹脂で
    主に構成される表面層と弾性層とを有し、像担持体に接
    触して配置される現像ローラにおいて、 前記表面層の結着樹脂は少なくともフェノール樹脂と非
    晶質ナイロンとを含み、かつフェノール樹脂及び非晶質
    ナイロンの総量に対するフェノール樹脂の比率は0.1
    以上0.9以下であることを特徴とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 前記非晶質ナイロンは6ナイロン及び6
    6ナイロンを含有し、かつ非晶質ナイロン中における両
    者の含有率の和が50%以上であり、かつ66ナイロン
    に対する6ナイロンの含有率の比が3.3以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 【請求項3】 前記非晶質ナイロンの分子量が下記の関
    係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    現像ローラ。 Mw(重量平均分子量)≧3.90×104 Mn(数平均分子量)≧1.95×104 Mw/Mn≧1.95
  4. 【請求項4】 前記非晶質ナイロンが三元共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載
    の現像ローラ。
  5. 【請求項5】 前記三元共重合体が6ナイロン、66ナ
    イロンと脂環族系アミドからなることを特徴とする請求
    項4に記載の現像ローラ。
  6. 【請求項6】 前記弾性層がシリコーン系ゴムで主に構
    成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項
    に記載の現像ローラ。
  7. 【請求項7】 潜像が形成される像担持体を有する電子
    写真方式の画像形成装置に用いられ、現像剤を収容する
    現像容器と、現像容器の開口部に回転自在に設けられ現
    像容器内に収容された現像剤を担持する現像ローラと、
    該現像ローラ上に担持された現像剤を規制して現像ロー
    ラ上に現像剤の薄層を形成する現像剤層厚規制部材とを
    有し、前記像担持体に前記現像ローラが接触して配置さ
    れ、現像ローラと像担持体とが接触する現像領域へと現
    像剤を搬送し、該像担持体上の潜像を現像剤により現像
    して可視像化する現像装置において、 前記現像ローラが請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    現像ローラであることを特徴とする現像装置。
  8. 【請求項8】 潜像が形成される像担持体と、像担持体
    の潜像を現像剤で現像する現像装置とを有し、前記現像
    装置が請求項7に記載の現像装置であることを特徴とす
    る画像形成装置。
  9. 【請求項9】 潜像が形成される像担持体と、像担持体
    の潜像を現像剤で現像する現像装置とを有する画像形成
    装置に用いられ、前記現像装置が請求項7に記載の現像
    装置であり、前記像担持体と前記現像装置とが画像形成
    装置本体に対して一体的かつ着脱自在に設けられている
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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