JP2003207888A - 染料含有ネガ型硬化性組成物、並びにこれを含むカラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

染料含有ネガ型硬化性組成物、並びにこれを含むカラーフィルタ及びその製造方法

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JP2003207888A
JP2003207888A JP2002004454A JP2002004454A JP2003207888A JP 2003207888 A JP2003207888 A JP 2003207888A JP 2002004454 A JP2002004454 A JP 2002004454A JP 2002004454 A JP2002004454 A JP 2002004454A JP 2003207888 A JP2003207888 A JP 2003207888A
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Katsumi Araki
勝己 荒木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度、高透過率、広い現像ラチチュードを
有し、高解像度が得られ、かつ染料の溶出、混色、熱劣
化及び光劣化がなく生産性の高い染料含有ネガ型硬化性
組成物、これを含むカラーフィルタ及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 有機溶剤可溶性染料を含み、光重合開始
剤によりラジカル重合反応を起こす染料含有ネガ型硬化
性組成物において、ラジカル重合を開始させるための照
射光の波長における、前記有機溶剤可溶性染料の吸光度
Adと前記光重合開始剤の吸光度Aiとの比Ad/Ai
が10.0以下であることを特徴とする染料含有ネガ型
硬化性組成物、これを含むカラーフィルタ及びその製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子や固
体撮像素子に用いられるカラーフィルタを構成する着色
画像の形成に好適な染料含有ネガ型硬化性組成物、並び
に該硬化性組成物を含むカラーフィルタ及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子や固体撮像素子に用いられ
るカラーフィルタを作製する方法としては、染色法、印
刷法、電着法及び顔料分散法が知られている。前記染色
法は、ゼラチン、グリュー、カゼイン等の天然樹脂、あ
るいはアミン変性ポリビニルアルコール等の合成樹脂か
らなる染着基材を酸性染料等の染料で染色してカラーフ
ィルタを作製する方法である。該染色法では、染料を用
いるため、耐光性や耐熱性及び耐湿性等に問題がある
他、大画面では染色及び固着特性を均一にコントロール
することが難しいため色ムラが発生し易く、また、染色
に際しては防染層を必要とするために工程が煩雑になる
等の問題点を有する。
【0003】前記電着法は、予め透明電極を所定のパタ
ーンで形成しておき、溶媒中に溶解又は分散した顔料を
含む樹脂をイオン化させ、電圧を印加して着色画像をパ
ターン状に形成することによってカラーフィルタを作製
する方法である。電着法では、表示用の透明電極以外に
カラーフィルタ形成用の透明電極の製膜とエッチング工
程を含むフォトリソ工程が必要であるが、その際にショ
ートがあると、線欠陥になり歩留まりの低下を来す。ま
た、原理上ストライプ配列以外、例えばモザイク配列に
は適用が困難であり、更には透明電極の管理が難しい等
の問題点がある。
【0004】前記印刷法は、熱硬化樹脂又は紫外線硬化
樹脂に顔料を分散したインクを用いてオフセット印刷等
の印刷によってカラーフィルタを作製する簡便な方法で
ある。しかし、使用できるインキが高粘度であるためフ
ィルタリングが難しく、ゴミ、異物及びインキバインダ
ーのゲル化した部分による欠陥が発生し易いこと、印刷
精度に伴う位置精度や線幅精度及び平面平滑性の点で問
題がある。
【0005】前記顔料分散法は、顔料を種々の感放射線
性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフ
ォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法であ
る。この方法は、顔料を用いるため光や熱等に安定であ
ると同時に、フォトリソ法によってパターニングするた
め位置精度にも十分優れており、大画面、高精細カラー
ディスプレイ用カラーフィルタの作製に好適である。
【0006】顔料分散法によりカラーフィルタを作製す
るには、ガラス基板上に着色感放射線性組成物をスピン
コーターやロールコーター等により塗布し、乾燥させて
塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光し、現像すること
により着色画素が得られ、この操作を色数に応じて繰り
返すことによりカラーフィルタを得ることができる。
【0007】顔料分散法としては、特開平1−1024
69号、特開平1−152499号、特開平2−181
704号、特開平2−199403号、特開平4−76
062号、特開平5−273411号、特開平6−18
4482号、特開平7−140654号の各公報に記載
され、アルカリ可溶性樹脂としての光重合性モノマーと
光重合開始剤とを用いたネガ型感光性組成物が開示され
ている。
【0008】しかしながら、近年、固体撮像素子用のカ
ラーフィルタにおいては、更なる高精細化が望まれてい
る。ところが、従来の顔料分散系では本質的に解像度が
向上せず、また顔料の粗大粒子による色ムラが発生する
等の問題があるため、固体撮像素子のように微細パター
ンが要求される用途には適さなかった。上記問題を解決
するため、特開平6−75375号等において、従来か
ら染料を用いる技術が提案されている。しかし、染料は
本質的に光吸収剤として作用するため、照射光を吸収し
てしまい、光重合開始剤の光吸収並びにこれに続く分解
及びラジカル発生を抑制する結果、ラジカル重合を利用
した染料含有硬化性組成物では十分な硬化性を得るのは
困難であった。
【0009】この「染料の持つラジカル光吸収剤として
の作用」を回避し、できるだけ架橋反応(硬化反応)を
進行させるため、露光エネルギーを増加させたり、後架
橋剤を添加する等の、「本質的ではない解決策」が従来
から施されてきた。しかし、露光エネルギーを増加させ
る方法によると、照射装置への負荷増や工程時間が長く
かかるなど実用性の低下等の不利益が生じ、更には染料
の光劣化をも生じさせる結果となり、また、光又は熱に
よる後架橋剤を添加する方法でも、染料あるいはバイン
ダーなど、組成物中の構成成分の光又は熱による劣化は
回避できなかった。
【0010】例えば、特開平6−75375号公報等に
記載のように、従来、十分な硬化性が得られ二色目以降
のレジストを塗布する際の染料の溶出を抑制できる点か
ら、熱硬化剤や光硬化剤を添加する方法が採られてき
た。しかしながら、この方法を採用してもなお、染料の
溶出を完全に抑制することはできず、パターンをより高
度に硬化する方法が望まれていた。更に、この熱硬化剤
や光硬化剤の添加により現像後のパターンを十分に硬化
する方法を採用すると、染料の熱劣化及び光劣化を副次
的に起こさせる結果を来し、これらの諸問題を解決する
方法の開発が切に望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。本発明は、高感度に十分な硬化度が得られ、
高透過率、広い現像ラチチュードを有し、高解像度の画
像が得られ、かつ染料の溶出、熱劣化及び光劣化のない
生産性の高い染料含有ネガ型硬化性組成物、及び前記染
料含有ネガ型硬化性組成物を含み、高透過率、高解像
力、広い現像ラチチュードを有し、熱劣化及び光劣化が
なく生産性の高いカラーフィルタを提供することを目的
とする。並びに、該カラーフィルタの製造方法であっ
て、高感度かつ十分に硬化でき、染料の溶出、熱劣化及
び光劣化を伴うことなく高効率に製造し得る生産性を備
えるカラーフィルタの製造方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の具体的手段は以下の通りであり、上記の目的が達成さ
れる。 (1)有機溶剤可溶性染料を含み、光重合開始剤により
ラジカル重合反応を起こす染料含有ネガ型硬化性組成物
において、ラジカル重合を開始させるための照射光の波
長における、前記有機溶剤可溶性染料の吸光度Adと前
記光重合開始剤の吸光度Aiとの比Ad/Aiが10.
0以下であることを特徴とする染料含有ネガ型硬化性組
成物である。
【0013】(2)アルカリ可溶性バインダー、有機溶
剤可溶性染料、光重合開始剤、モノマー、及び溶剤を含
む前記(1)に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物であ
る。 (3)架橋剤を更に含む前記(1)又は(2)に記載の
染料含有ネガ型硬化性組成物である。 (4)前記アルカリ可溶性バインダーが、アクリル系樹
脂、アクリルアミド系樹脂、ポリヒドロキシスチレン系
樹脂、及びポリシロキサン系樹脂から選択される少なく
とも一種である前記(2)又は(3)に記載の染料含有
ネガ型硬化性組成物である。
【0014】(5)前記架橋剤が多官能エポキシ樹脂で
ある前記(3)又は(4)に記載の染料含有ネガ型硬化
性組成物である。 (6)ラジカル重合を開始させるための照射光の波長お
ける吸光度が高いものほど光重合開始剤を多く含む前記
(1)〜(5)のいずれかに記載の染料含有ネガ型硬化
性組成物である。
【0015】(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記
載の染料含有ネガ型硬化性組成物を含むことを特徴とす
るカラーフィルタである。 (8)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の染料含有
ネガ型硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通し
て露光し、現像してネガ型パターンを形成する工程を有
することを特徴とするカラーフィルタの製造方法であ
る。前記カラーフィルタの製造方法において、所望の色
相よりなるカラーフィルタを製造するに際して前記工程
が所望の色相数だけ繰り返される。また、必要に応じ
て、前記ネガ型パターンを加熱及び/又は露光により硬
化する工程を有する態様も好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の染料含有ネガ型硬
化性組成物、並びにそれを使用したカラーフィルタ及び
その製造方法について詳述する。本発明の染料含有ネガ
型硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」ともい
う)は、有機溶剤可溶性染料と光重合開始剤とを少なく
とも含んでなる。好ましくは、有機溶剤可溶性染料及び
光重合開始剤と共に、アルカリ可溶性バインダー、モノ
マー及び溶剤を含んでなり、場合により更に架橋剤を含
んでなる。また、他の成分を含んでいてもよい。
【0017】前述のように、染料は本質的に光吸収剤と
して作用するため、ラジカル重合を利用した硬化性組成
物に染料を添加した場合は、十分な硬化性を得ることは
従来技術では不可能であった。そこで、本発明者は、染
料含有の組成物を用いて画像を形成する際の硬化性につ
いて鋭意検討した結果、実用上好適な範囲の露光エネル
ギーを照射する場合に、光重合開始剤の効率的な分解と
開始ラジカルの発生を考慮すると、重合を開始させるた
めの照射光の波長における、染料(有機溶剤可溶性染
料)の吸光度をAd、光重合開始剤の吸光度をAiとし
た際の比Ad/Aiが10.0以下であることが必要な
ことを見出すに至った。
【0018】本発明においては、染料含有ネガ型硬化性
組成物として、重合を開始させるための照射光の波長
(露光波長)における該組成物中の有機溶剤可溶性染料
(以下、単に「染料」ともいう)の吸光度をAd、光重
合開始剤の吸光度をAiとした際に、Ad/Aiの比が
10.0以下である硬化性組成物を用いることにより、
従来の染料含有硬化性組成物に比べ、高感度(高硬化
率)、高透過率、高解像力、広い現像ラチチュードが得
られ、染料の溶出、熱劣化及び光劣化がなく、かつ生産
性を高めることができる。
【0019】中でも、光重合開始剤による照射光の吸収
を染料が阻害しないことが重合感度的に好ましい理由と
同様に、重合を開始させるための照射光の波長における
硬化性組成物中の染料(Ad)/光重合性開始剤(Ai)の吸光
度比もより小さい方が好ましい。具体的には、前記Ad
/Ai比が8.0以下であることが好ましく、7.0以
下であることが更に好ましく、6.0以下であることが
特に好ましい。
【0020】また、一部の染料を使用すれば、実用に適
した濃度で膜厚2μm以下の膜を作製しても、Ad/A
i比を10.0以下に維持できるとの知見を得た。上述
の、「実用に適した濃度で膜厚2μm以下の膜を作製し
ても、Ad/Aiの比が10.0以下に維持できる染
料」(以下、「本発明に係る染料」ということがあ
る。)としては、上記の条件を満たすものなら特には限
定されないが、溶解性、分光特性、耐熱性、耐光性の観
点も考慮すると、黄系染料では、Valifast Y
ellow1108,同3108,同3120,同41
20,同1151,同3150,Oil Yellow
129、赤系染料では、Valifast Red13
06,同1308,同1360,同3304,同331
1,同2320,同3305,同3320、Valif
ast Pink2310N,PCRed136P、青
系染料では、Valifast Blue2610,同
1603,同1605,同2620,同2606(いず
れもオリエント化学工業、日本化薬社製)、等が好適に
挙げられる。
【0021】中でも、Valifast Yellow
1108,同3120,同1151,Valifast
Red1360,同3304,同3311,Vali
fast Pink2310N,PCRed136P,
Valifast Blue2610,同2620,同
2606、等がより好ましく、Valifast Ye
llow3120,同1151,Valifast R
ed1360,同3304,同3311,Valifa
st Pink2310N,ValifastBlue
2610,同2620,同2606、等が特に好まし
い。
【0022】次に、有機溶剤可溶性染料の使用濃度につ
いて説明する。本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物の
全固形成分中における有機溶剤可溶性染料の濃度として
は、染料により異なるが、0.5〜80質量%が好まし
く、0.5〜60質量%がより好ましく、0.5〜50
質量%が特に好ましい。
【0023】次に、アルカリ可溶性バインダーについて
説明する。本発明に使用するアルカリ可溶性バインダー
は、アルカリ可溶性であれば特に限定はないが、耐熱
性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好まし
い。前記アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機
高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液
で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分
子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマ
ー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−3
4327号、特公昭58−12577号、特公昭54−
25957号、特開昭59−53836号、特開昭59
−71048号の各公報に記載されているような、メタ
クリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共
重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部
分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同
様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が
有用である。
【0024】上記のほか、水酸基を有するポリマーに酸
無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン
系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート)、ポリビニールピロリド
ンやポリエチレンオキサイド、ポリビニールアルコー
ル、等も有用である。また、親水性を有するモノマーを
共重合してもよく、この例としては、アルコキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、2級又は3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン
(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリ
アゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、分岐又は直鎖のプロピル(メタ)ア
クリレート、分岐又は直鎖のブチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、等が挙げられる。
【0025】その他、前記親水性を有するモノマーとし
て、テトラヒドロフルフリル基、燐酸、燐酸エステル、
4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオ
キシ鎖、スルホン酸及びその塩、モルホリノエチル基等
を含んでなるモノマー等も有用である。
【0026】また、架橋効率を向上させるために、重合
性基を側鎖に有してもよく、アリル基、(メタ)アクリ
ル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリ
マー等も有用である。前記重合性基を含有するポリマー
の例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工
業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学
工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度
を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロ
ルヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0027】これら各種バインダーの中でも、耐熱性の
観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロ
キサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹
脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好まし
く、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリ
ルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹
脂が好ましい。
【0028】前記アクリル系樹脂としては、ベンジル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド
等から選ばれるモノマーからなる共重合体、KSレジス
ト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマ
ーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好まし
い。
【0029】前記アルカリ可溶性バインダーは、重量平
均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)
が1000〜2×105の重合体が好ましく、2000
〜1×105の重合体がより好ましく、5000 〜5×
104の重合体が特に好ましい。前記アルカリ可溶性バ
インダーの染料含有ネガ型硬化性組成物における含有量
としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、10
〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ま
しく、30〜70質量%が特に好ましい。
【0030】次に、架橋剤について説明する。本発明
は、Ad/Aiの比を10.0以下に維持できる染料を
使用し、従来に比較して硬化性組成物における硬化反応
をより高度に進行させ、硬化性の良好な膜が得られるこ
とが発明の主旨であるが、補足的に架橋剤を用いて更に
高度に硬化させた膜を得ることも可能である。本発明に
使用する架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行え
るものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキ
シ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及
びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置
換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合
物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)
メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメ
チル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換され
た、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキ
シアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多感応
エポキシ樹脂が好ましい。
【0031】前記(a)エポキシ樹脂としては、エポキ
シ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれで
あってもよく、例えば、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグ
リシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、
N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基
含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリ
グリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジル
エーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子
化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジ
ルエーテル、テトラメチロールビスフェノールAテトラ
グリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基
含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペ
ンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキ
サグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子
化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2
−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2
−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン
付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物、
等が挙げられる。
【0032】前記架橋剤(b)に含まれるメチロール
基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換し
ている数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリ
コールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物
の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の
場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合
物、ウレア化合物の場合は3〜4である。以下、前記
(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコー
ルウリル化合物及びウレア化合物を総じて、(b)に係
る(メチロール基、アルコキシメチル基又はアシロキシ
メチル基含有)化合物という。
【0033】前記(b)に係るメチロール基含有化合物
は、(b)に係るアルコキシメチル基含有化合物をアル
コール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸
触媒存在下、加熱することにより得られる。前記(b)
に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(b)に係る
メチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルク
ロリドと混合攪拌することにより得られる。
【0034】以下、前記置換基を有する(b)に係る化
合物の具体例を挙げる。前記メラミン化合物として、例
えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチ
ルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基
の1〜5個がメトキシメチル化した化合物又はその混合
物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシ
メチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロー
ル基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物又はそ
の混合物、などが挙げられる。
【0035】前記グアナミン化合物として、例えば、テ
トラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグア
ナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチ
ロール基をメトキシメチル化した化合物又はその混合
物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキ
シメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1
〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物
又はその混合物などが挙げられる。
【0036】前記グリコールウリル化合物としては、例
えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメト
キシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコ
ールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル
化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコ
ールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチ
ル化した化合物又はその混合物、などが挙げられる。
【0037】前記ウレア化合物として、例えば、テトラ
メチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テト
ラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキ
シメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシ
エチルウレア、などが挙げられる。これら(b)に係る
化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用して
もよい。
【0038】前記(c)の架橋剤、即ち、メチロール
基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から
選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール
化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン
化合物は、前記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋によ
り上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制
すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、こ
れら化合物を総じて、(c)に係るメチロール基、アルコ
キシメチル基又はアシロキシメチル基含有化合物という
ことがある。
【0039】前記架橋剤(c)に含まれるメチロール
基、アシロキシメチル基又はアルコキシメチル基の数と
しては、一分子当り最低2個必要であり、熱架橋性及び
保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の
2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。ま
た、該フェノール化合物の3位又は5位は、未置換であ
っても置換基を有していてもよい。また、骨格となるナ
フトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、O
H基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が
好ましい。ナフトール化合物においては、OH基のオル
ト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよ
い。
【0040】前記(c)に係るメチロール基含有化合物
は、フェノール性OH基の2位又は4位が水素原子であ
る化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウム
ヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと
反応させることにより得られる。前記(c)に係るアル
コキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール
基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタ
ンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより
得られる。前記(c)に係るアシロキシメチル基含有化
合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性
触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得
られる。
【0041】架橋剤(c)における骨格化合物として
は、フェノール性OH基のオルト位又はパラ位が未置換
の、フェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアント
ラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレ
ゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キ
シレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノ
ール、ビスフェノール−Aなどのビスフェノール類、
4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−P
A(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等
が使用される。
【0042】前記架橋剤(c)の具体例としては、フェ
ノール化合物として、例えば、トリメチロールフェノー
ル、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロー
ルフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチ
ル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、ト
リ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロー
ル−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキ
シメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−ク
レゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロー
ルビスフェノールA、テトラメトキシメチルビスフェノ
ールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個
のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラ
メチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テ
トラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェ
ニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、Tri
sP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−P
Aのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメ
トキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフ
タレンジオール、等が挙げられる。
【0043】また、ヒドロキシアントラセン化合物とし
て、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジ
ヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチ
ル基含有化合物として、例えば、上記メチロール基含有
化合物のメチロール基を、一部又は全部アシロキシメチ
ル化した化合物等が挙げられる。
【0044】これらの化合物の中で好ましいものとして
は、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル
−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノール
A、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキ
サメチロール体又はそれらのメチロール基がアルコキシ
メチル基及びメチロール基とアルコキシメチル基の両方
で置換されたフェノール化合物が挙げられる。これら
(c)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わ
せて使用してもよい。
【0045】本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物にお
ける、前記架橋剤(a)〜(c)の総含有量としては、
素材により異なるが、該硬化性組成物の固形分(質量)
に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%
がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。
【0046】次に、モノマーについて説明する。重合性
モノマーとして、少なくとも1個の付加重合可能なエチ
レン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエ
チレン性不飽和基を持つ化合物が好ましい。その例とし
ては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官
能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタ
ントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、
【0047】トリメチロールプロパントリ(アクリロイ
ルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシ
エチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロー
ルエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドや
プロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレ
ート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭5
0−6034号、特開昭51−37193号の各公報に
記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭
48−64183号、特公昭49−43191号、特公
昭52−30490号各公報に記載されているポリエス
テルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル
酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官
能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合
物を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.
20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及
びオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
【0048】次に、光重合開始剤について説明する。光
重合開始剤としては、前記モノマーを重合させ得るもの
であれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波
長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好まし
い。前記光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオ
キサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン
化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化
合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量
体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及び
その誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及
びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。
【0049】ハロメチルオキサジアゾール化合物である
活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号
公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4
−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル
−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−
トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,
3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5
−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジア
ゾール、等が挙げられる。
【0050】ハロメチル−s−トリアジン系化合物であ
る活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281
号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化
合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−
(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s
−トリアジン化合物及び4−(p−アミノフェニル)−
2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が
挙げられる。
【0051】その他の例として、2,4−ビス(トリク
ロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリア
ジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,
4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリア
ジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−
メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4
−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチル
アミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリア
ジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メ
トキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−
イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリア
ジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,
6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−
(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−
トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキ
シ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメ
チル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチ
ル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロ
メチル−s−トリアジン、
【0052】2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフ
ト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s
−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナ
フト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−
s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イ
ル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジ
ン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イ
ル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジ
ン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6
−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5
−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリ
クロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメト
キシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロ
メチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト
−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−
トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−
イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリア
ジン、
【0053】4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニ
ルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロ
メチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−
N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニ
ル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェ
ニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチ
ル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルア
ミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s
−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチ
ルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)
アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニ
ルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、
【0054】4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)
カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロ
メチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エ
トキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−
ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−
ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)
アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ
(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,
6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−
〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメ
チル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N
−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−
2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4
−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル
メチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメ
チル)−s−トリアジン、
【0055】4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エト
キシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブ
ロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニ
ル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチ
ル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N
−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブ
ロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニ
ル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチ
ル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、
【0056】4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロ
ロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロ
メチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N
−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6
−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m
−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフ
ェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニ
ルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメ
チル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−
エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−
ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−
クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェ
ニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、
【0057】4−(o−フロロ−p−N−エトキシカル
ボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−
N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−
p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フ
ロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6
−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o
−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−
2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4
−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニ
ル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフ
ェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン等が挙げられる。
【0058】その他、緑化学社製のTAZシリーズ(例
えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−10
4、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−20
4、TAZ−113、TAZ−123、TAZ−10
4)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−
OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバガイギー
社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア6
51、イルガキュア184、イルガキュア500、イル
ガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア
819、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ
(例えばダロキュア1173)、4,4′−ビス(ジエ
チルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイル
オキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−
1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン、
【0059】2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジ
フェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−
(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキ
シフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量
体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジ
フェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカ
プトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量
体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用に用い
られる。
【0060】これら光重合開始剤には、増感剤や光安定
剤を併用することができる。その具体例として、ベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フ
ルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチ
ル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−
9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,1
0−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラ
キノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、
2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサン
トン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサント
ン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4
−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル
−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセト
ン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、
p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリル
ケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベン
ゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭5
1−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物
等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
【0061】本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物に
は、上述の光重合性開始剤のほかに他の公知の開始剤を
使用することができる。具体的には、米国特許第2,3
67,660号明細書に開示されているビシナールポリ
ケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,66
1号及び第2,367,670号明細書に開示されてい
るα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,82
8号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国
特許第2,722,512号明細書に開示されているα
−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国
特許第3,046,127号及び第2,951,758
号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許
第3,549,367号明細書に開示されているトリア
リルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトン
の組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されて
いるベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s
−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
【0062】光重合開始剤(及び公知の開始剤)の総使
用量としては、前記モノマー固形分(質量)に対して、
0.01質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜3
0質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が特に
好ましい。該使用量が、0.01質量%より少ないと重
合が進み難くなることがあり、50質量%を超えると、
重合率は大きくなるが分子量が低くなり膜強度が弱くな
ることがある。
【0063】本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物に
は、以上のほか、更に熱重合防止剤を加えておくことが
好ましい。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェ
ノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロー
ル、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が
有用である。
【0064】本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物を調
製する際に使用する溶剤としては、各成分の溶解性や染
料含有ネガ型硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的
に特に限定されないが、特に染料、バインダーの溶解
性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好まし
い。前記溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、
酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチ
ル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アル
キルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸
メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキ
シ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチ
ル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
【0065】3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキ
シプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アル
キルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メ
チル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシ
プロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチ
ル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプ
ロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等
の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例え
ば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプ
ロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピ
ル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプ
ロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン
酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチ
ル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2
−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピル
ビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピ
ル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソ
ブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
【0066】エーテル類、例えば、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチル
セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール
メチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピル
エーテルアセテート、等;
【0067】ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、
等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレシ、
等が好ましい。
【0068】これらのうち、3−エトキシプロピオン酸
メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロ
ソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコール
ジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオ
ン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチ
ルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテ
ート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレ
ングリコールメチルエーテルアセテート等がより好まし
い。
【0069】本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物に
は、必要に応じて、各種添加物、例えば充填剤、上記以
外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかでき
る。
【0070】前記各種添加物の具体例としては、ガラ
ス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエー
テル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以
外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン
系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエト
キシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−
5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外
線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止
剤を挙げることができる。
【0071】また、未照射部のアルカリ溶解性を促進
し、本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物の現像性の更
なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、
好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン
酸の添加を行うことができる。具体的には、例えば、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カ
プロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の
脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマ
ロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコ
ハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪
族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カ
ンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トル
イル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香
族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピ
ロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、
ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェ
ニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチ
ル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル
酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0072】本発明のカラーフィルタの製造方法におい
ては、既述の染料含有ネガ型硬化性組成物を、支持体上
に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により
塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマ
スクパターンを介して露光し、現像液で現像することに
よって、ネガ型の着色パターンを形成する(画像形成工
程)。また、必要により、形成された着色パターンを加
熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいて
もよい。カラーフィルタの作製においては、前記画像形
成工程(及び必要により硬化する工程)を所望の色相数
だけ繰り返すことで、所望の色相よりなるカラーフィル
タを作製することができる。この際に使用される放射線
としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく
用いられる。
【0073】前記支持体としては、例えば、液晶表示素
子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(R)ガ
ラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させた
ものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例
えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CM
OS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離
するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層と
の密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化
のために下塗り層を設けてもよい。
【0074】前記現像液としては、本発明の染料含有ネ
ガ型硬化性組成物の未照射部を溶解する一方、照射部は
溶解しない組成よりなるものであればいかなるものも用
いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合
わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。前記
有機溶剤としては、本発明の染料含有ネガ型硬化性組成
物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
【0075】前記アルカリ性の水溶液としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア
水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノー
ルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テ
トラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロー
ル、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.
0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が
0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量
%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適で
ある。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液
を使用した場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
【0076】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限
り、「部」は質量基準である。本実施例中、有機溶剤可
溶性染料を単に「染料」と称する。
【0077】 (実施例1) 1)レジスト溶液の調製 ・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …19.20部 (PGMEA) ・エチルラクテート …36.67部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 …30.51部 (モル比:75/25)の36%PGMEA溶液 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …12.20部 ・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) … 0.0061部 ・フッ素系界面活性剤 … 0.83部 ・光重合開始剤TAZ−107(緑化学社製) … 0.586部 を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
【0078】2)下塗り層付ガラス基板の作成 ガラス基板(コーニング1737)を1%NaOH水で
超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/30
分)を行った。次いで、上記1)のレジスト溶液を、洗
浄後のガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコ
ーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、
硬化膜(下塗り層)を形成した。 3)染料レジスト溶液の調整 前記1)で得られたレジスト溶液9.9部と、黄色染料
Valifast Yellow1108(日本化薬社
製)0.1部とを混合し溶解して、染料レジスト溶液
(染料含有ネガ型硬化性組成物)を得た。
【0079】4)染料レジストの露光・現像(画像形成
工程) 前記3)で得られた染料レジスト溶液を、前記2)で得
られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が2
μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、12
0℃で120秒間プリベークした。次いで、露光装置を
使用して、塗布膜に365nmの波長光を20μmマス
クを通して25、50、100mJ/cm2の各露光量
で照射した。照射後、12.5%CD-2000(富士
フイルム・アーチ社製)現像液を使用して、26℃で2
0、40、60秒の各時間で現像した。次いで、流水で
20秒間リンスした後、スプレー乾燥して、黄色のパタ
ーン画像を得た。
【0080】パターン画像について、光学顕微鏡及びS
EM写真観察により通常の方法で確認した。更に、画像
の色度、透過スペクトル、及び吸光度は、色度計MCP
D−1000(大塚電子社製)で測定した。また、前記
3)の染料レジスト溶液で用いた黄色染料を異色の染料
に代え、二色目を塗布し、該塗布時の色素溶出及び混色
を、二色目の画像形成前後の吸光度変化で評価した。
【0081】黄色パターン画像の色素固着率(染料の溶
出抑制効果)を、照射後の塗膜をアセトンに5分間浸漬
する前と浸漬した後の吸光度変化で評価した。また、モ
ノマーの二重結合の残存率(1430〜1380cm-1
のピーク面積比)を、染料レジスト溶液をガラス基板上
に塗布、乾燥し、膜厚2μmの塗膜を形成し、次いで1
00mJ/cm2の各エネルギーで露光した後、フーリ
エ変換赤外分光光度計(堀場製作所社製)により測定し
た。上記のように測定、評価した結果を下記表1に示
す。
【0082】(実施例2〜9)実施例1における3)染
料レジスト溶液の調製において、組成を下記表1に示す
ように代えたこと以外、実施例1と同様に行った。尚、
実施例8及び9における架橋剤には、2,2−ビス(ヒ
ドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ
−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物を用
い、現像後に230℃によるポストベークを行った(硬
化工程)。そして、実施例1と同様の測定、評価を行っ
た。その結果を実施例1と併せて下記表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】上記表1の結果から明白であるように、実
施例で用いた照射光の波長における染料の吸光度をA
d、光重合開始剤の吸光度をAiとした際の比Ad/A
iが10.0以下である染料/光重合開始剤の組合わせ
を採用することで、後架橋剤を含有することなく、二色
目塗布時の色素溶出及び色素固着率を非常に良化するこ
とができた。後述の比較例1と比較すると、重合性につ
いて著しい改良効果があることを示している。
【0085】実施例5及び7については、他の実施例と
比較すると色素固着率は若干低い値を示した。これは、
たとえ光重合開始剤との吸光度比が10.0以下である
有機溶剤可溶性染料(本発明に係る染料)を使用した場
合でも、その使用濃度が高ければ、染料が本質的に持つ
光学的フィルター効果により照射光が吸収され、開始剤
ラジカルの発生が抑制されて重合が抑制されることを示
している。この場合は、実施例8及び9に示すように、
補足的対策として、例えば熱架橋剤(2,2−ビス(ヒ
ドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ
−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物)等
を併用することにより、更に硬化性を向上させることも
容易に可能である。
【0086】(実施例10〜19)実施例1〜9で用い
たガラス基板を、シリコンウエハー基板に代えたこと以
外、実施例1〜9と同様の操作を行ってパターン画像を
得た。画像形成性、染料の耐溶出性は実施例1〜9と同
様な結果が得られた。実施例10〜19においては、シ
リコンウエハー基板を用いている点で実施例1〜9と異
なるが、染料レジスト溶液は実施例1〜20を通して全
て下塗り層上に塗布されているため、実質的に違いが生
じることはなく、同じ諸性能が得られた。
【0087】(実施例20)実施例6において、光重合
開始剤の量を3倍量に代えたこと以外、実施例6と同様
にパターン画像を形成した。その結果、二色目塗布時の
色素溶出は全くなく、色素固着率は97%の値が得ら
れ、後架橋剤を用いなくとも、非常に優れた結果が得ら
れた。また、実施例6と比較して光重合開始剤を3倍量
使用した本実施例との間にスペクトルの違いは全く見ら
れなかった。また、本実施例においてポストベーク前後
のスペクトル変化も全くなかった。以上の結果から、照
射光の波長における膜の吸光度の高いものほど光重合開
始剤の量を多くすれば、黄色着色による弊害を伴わず、
良好な画像形成性が得られることがわかる。また、従来
の染料を用いた時のように後架橋剤や煩雑な後架橋プロ
セスを用いなくとも良好な硬化性が得られ、実用上著し
い改良効果が認められた。
【0088】(実施例21)実施例20において、染料
をValifast Yellow1151に代えたこ
と以外、実施例20と同様にパターン画像を形成した。
その結果、二色目塗布時の色素溶出は全くなく、色素固
着率は97%の値が得られ、後架橋剤を用いなくとも、
非常に優れた結果が得られた。
【0089】(実施例22)実施例20において、染料
をValifast red 3304に代えたこと以
外、実施例20と同様にパターン画像を形成した。その
結果、二色目塗布時の色素溶出は全くなく、色素固着率
は98%の値が得られ、後架橋剤を用いなくとも、非常
に優れた結果が得られた。
【0090】(実施例23)実施例20において、染料
をValifast blue 2620に代えたこと
以外、実施例20と同様にパターン画像を形成した。そ
の結果、二色目塗布時の色素溶出は全くなく、色素固着
率は97%の値が得られ、後架橋剤を用いなくとも、非
常に優れた結果が得られた。
【0091】(実施例24)実施例3において、光重合
開始剤を、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4
−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオ
ンに代えたこと以外、実施例3と同様にパターン画像を
形成した。その結果、実施例3と同様の結果が得られ、
後架橋剤を用いなくとも非常に優れた結果が得られるこ
とが判った。
【0092】(実施例25)実施例3において、光重合
開始剤を、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モ
ルホリノブチロフェノンに代えたこと以外、実施例3と
同様にパターン画像を形成した。その結果、実施例3と
同様の結果が得られ、後架橋剤を用いなくとも非常に優
れた結果が得られることが判った。
【0093】(実施例26)実施例3において、バイン
ダーを、(メタクリル酸ベンジル)−(メタクリル酸)−
(メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体〔モル
比=60:17:23〕に代えたこと以外、実施例3と
同様にパターン画像を形成した。その結果、実施例3と
同様の結果が得られ、後架橋剤を用いなくとも非常に優
れた結果が得られることが判った。
【0094】(比較例1〜2)実施例1における3)染
料レジスト溶液の調製において、組成を各々前記表1に
示すように代えたこと以外、実施例1と同様にパターン
画像を形成した。また、実施例1と同様の測定、評価を
行い、その結果を表1に併せて示した。その結果、比較
例1では、色素溶出はなかったものの、比較的重合度が
低く色素固着率の点で劣っていた。また、照射光の波長
における染料の吸光度をAd、光重合開始剤の吸光度を
Aiとした際の比Ad/Aiが10.0以上である比較
例2では、系の重合率が0%となり、硬化した画像が全
く得られなかった。
【0095】上記の表1に示す結果より、光重合開始剤
との吸光度比が10.0以下である有機溶剤可溶性染料
(本発明に係る染料)を使用することにより、(通常の
使用濃度では)架橋剤を使用しなくても高感度に十分な
重合性、硬化性が得られ(高解像度)、色素溶出がな
く、色素固着率の良好な染料含有ネガ型硬化性組成物が
得られ、また架橋剤が不要であるという製造プロセスの
簡便化において顕著な改良効果を発揮していることは明
らかである。したがって、形成画像は光透過性に優れ、
その熱/光劣化も防止することができる。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、高い重合性が得られる
こと等から、高感度、高透過率、広い現像ラチチュード
を有し、高解像度の画像が得られ、かつ染料の溶出、混
色、熱劣化及び光劣化がなく生産性の高い染料含有ネガ
型硬化性組成物、及び前記染料含有ネガ型硬化性組成物
を含み、高透過率、高解像力、広い現像ラチチュードを
有し、熱劣化及び光劣化がなく生産性の高いカラーフィ
ルタを提供することができる。また、本発明によれば、
高感度かつ十分に硬化でき、染料の溶出、熱劣化及び光
劣化を伴うことなく簡便でコストパフォーマンスの高い
(高効率に製造し得る生産性を備える)カラーフィルタ
の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤可溶性染料を含み、光重合開始
    剤によりラジカル重合反応を起こす染料含有ネガ型硬化
    性組成物において、 ラジカル重合を開始させるための照射光の波長におけ
    る、前記有機溶剤可溶性染料の吸光度Adと前記光重合
    開始剤の吸光度Aiとの比Ad/Aiが、10.0以下
    であることを特徴とする染料含有ネガ型硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の染料含有ネガ型硬化性
    組成物を含むことを特徴とするカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の染料含有ネガ型硬化性
    組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現
    像してネガ型パターンを形成する工程を有することを特
    徴とするカラーフィルタの製造方法。
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