JP2003206939A - 転がり軸受 - Google Patents
転がり軸受Info
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Abstract
ング性能に優れた転がり軸受を提供する。 【解決手段】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との
間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動
体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪軌道と内
輪軌道との間の空間内にグリースを封入した転がり軸受
において、前記グリースを構成する基油が、100℃に
おける動粘度が200〜2500mm2/sであるエス
テル系合成油を必須成分として含むことを特徴とする転
がり軸受。
Description
に使用される各種モータ用転がり軸受に関し、特に耐フ
レッチング性の向上を図った転がり軸受に関する。
ード、洗濯機、クリーナー、天井扇、冷蔵庫等の家電品
は、低価格(低コスト)競争により、人件費の安いアジ
ア諸国に生産拠点が移っている。そのため、これらに使
用されるモータ装置は、モータメーカーからエンドユー
ザーへ、距離にして数百km〜数千kmにも及ぶ長距離
輸送され、その間にトラック等による陸送も行われてい
る。陸送の間、トラックが道路の細かな凹凸を拾い続
け、それによる振動がモータ装置に伝わり、モータ装置
に組み込まれている転がり軸受にも伝わる。その結果、
転がり軸受では,転動体と軌道面とが微小接触を繰り返
し、軌道面にフレッチング損傷(摩耗)が発生して騒音
を引き起こすという不具合が生じる。
と同時に環境規制にも配慮し、モータからの発熱を抑制
するために小型化、低出力化が促進されている。このた
め、組み込まれる転がり軸受では、トルク特性が重要な
要素になってきている。転がり軸受の動摩擦トルクは、
転がり接触面の微小滑りによる摩擦、軸受内の滑り接触
部における滑り摩擦、グリースの粘性抵抗等が原因で発
生する。このうち、グリースの粘性抵抗は、基油の動粘
度及びグリースのちょう度に影響を受けることが知られ
ている。従って、基油の動粘度は流体潤滑膜が形成され
た際の油のせん断抵抗によるため、この動粘度の低減が
転がり軸受の動摩擦トルクを低減させる上で大きな解決
策となる。また、グリースのちょう度は、軸受回転時に
軸受内部でせん断を受ける際のチャネリング性に関わる
ため、このちょう度を低減することも有効な解決策とな
る。
ナーは近年、高性能化や多機能化が進み、例えばインバ
ータ制御により、高速運転により急速冷却して短時間で
室内温度を下げた後は、低速運転で部屋の温度を一定に
維持することが行われているため、動粘度の小さい基油
を使用すると、油膜の確保が困難になる。また、一般に
動粘度が低い油は耐熱性が低く、音響耐久性に問題が出
てくる。一方、グリースのちょう度を低減させることは
増ちょう剤の配合量の増加を招くため、グリース中の基
油の量が相対的に少なくなり、またグリースの機械的せ
ん断の抵抗力が高まるため、結果として軸受潤滑面への
基油の供給量が減り、潤滑性を長期にわたり安定に維持
することができなくなる。
度の低減には限度があり、上記した用途の転がり軸受で
は、40℃における基油動粘度が10〜500mm2/
s、グリースのちょう度が150〜400、もしくは増
ちょう剤配合量として5〜35質量%の範囲のグリース
が適当とされている。また、特に低騒音特性、即ち音響
耐久性が要求されるモータでは、エステル油やエーテル
油のような極性基を有する潤滑油、もしくはこの極性基
含有潤滑油と無極性潤滑油との混合油を基油とし、これ
に脂肪酸リチウム塩を増ちょう剤として配合したグリー
スが一般に使用されている。これは、エステル油やエー
テル油が、鉱油等の無極性潤滑油に比べて耐熱性が高
く、その分子構造中の極性基が金属表面への吸着性を高
めて摩耗特性を良好にし、音響耐久性を向上させる作用
を有することによる。
品のモータ装置に組み込まれる転がり軸受では、低トル
ク化、音響特性の改善とともに、フレッチング損傷(摩
耗)の低減が大きな課題になりつつあり、今後もこのよ
うな要求が高まることは十分に予測される。
たものであり、特に、従来のトルク特性を維持しつつ、
耐フレッチング性能に優れた転がり軸受を提供すること
を目的とする。
係る、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪
軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動
自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動
自在に保持する保持器とを備え、外輪軌道と内輪軌道と
の間の空間内にグリースを封入した転がり軸受におい
て、前記グリースを構成する基油は、100℃における
動粘度が200〜2500mm2/sであるエステル系
合成油を必須成分として含むことを特徴とする転がり軸
受により達成される。
リース組成物を用いることにより、低トルクを維持しつ
つ、フレッチング損傷(摩耗)を低減することができ
る。通常、高粘度の基油を含むグリースを用いた場合、
軸受トルクも高くなるが、本発明においては、エステル
系合成油を用いたため、高粘度であっても、極性基の作
用により軸受回転部の接触面に優先的に吸着して吸着膜
を形成して摩擦特性を改善し、軸受トルクを低減、もし
くは従来と同等に維持する。それとともに、吸着膜がダ
ンパー効果をもたらし、繰り返し加えられる微小振動を
緩和してフッチング損傷(摩耗)を低減する。
て図面を参照して詳細に説明する。
は特に制限が無く、例えば図1に示すような転がり軸受
とすることができる。図示される転がり軸受は、外周面
に内輪軌道1を有する内輪2と、内周面に外輪軌道3を
有する外輪4とを同心に配置し、内輪軌道1と外輪軌道
3との間に、複数個の転動体である玉5、5を転動自在
に設けて成る。また、内輪軌道1及び外輪軌道3は、共
に深溝型としており、玉5、5は保持器6に設けたポケ
ット7、7内に転動自在に保持されている。
ばれるもので、金属板材をプレス成形により波形で円環
状に形成した一対の素子8,8を組み合わせて成る。両
素子8,8は、それぞれの円周方向複数個所に、各ポケ
ット7,7を構成するための略半円筒状の凹部9,9を
形成している。そして、この1対の素子8,8同士をこ
れら各凹部9,9から外れた部分で突き合わせ、これら
各部分を複数のリベット10により結合固定して円環状
で円周方向複数個所にポケット7,7を有する保持器6
としている。また、各凹部9,9の内面中間部は、各玉
5,5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径
を有する、断面円弧状の球状凹面としている。
ばれる保持器11を使用することもできる。この保持器
11は、合成樹脂等により造られた円環状の主部12の
円周方向複数個所に、各玉5,5を転動自在に保持する
ポケット7,7を有する。合成樹脂としては、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノール樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂等が使用
可能であり、補強剤としてガラス繊維等を適量添加して
もよい。また、各ポケット7,7は、主部12に互いに
間隔を空けて配置された1対の弾性片13,13の片側
面と、主部12の軸方向(図2の左右方向)片面(図2
の右面)でこの1対の弾性片13,13の間部分に設け
られた球面状の凹面部14,14とから構成される。弾
性片13,13の片側面及び凹面部14,14の曲率半
径は、何れも玉5の転動面の曲率半径より僅かに大きく
なっている。
も、内輪2の外周面と外輪4の内周面との間に存在する
空間部分にグリースを充填して、これら内輪2と外輪4
との相対回転が円滑に行われるようにする。そして、転
がり軸受に振動や騒音が生じないようにすると共に、焼
き付き等の故障を防止する。そのために、上記転がり軸
受では、外輪4の両端部内周面に、円環状のシール板や
シールド板等の密封板(図示省略)を装着して前記空間
部分の両端開口を塞ぎ、この空間部分から潤滑剤が漏洩
したり、あるいはこの空間部分内に塵芥等の異物が侵入
するのを防止する。また、内輪2、外輪4や玉5,5、
更には各保持器6、11の表面には、金属製部材の防錆
や寿命の延長等を考慮して、潤滑油が薄く塗布される。
を構成する基油は、100℃における動粘度が200〜
2500mm2/sである高粘度のエステル系合成油を
必須成分として含有する。特に、ポリメタクリレート
(PMA)構造を有するものが好ましい。エステル系合
成油の100℃における動粘度が200mm2/s未満
の場合、油膜強度が低く、耐フレッチング性能に劣るよ
うになる。一方、エステル系合成油の100℃における
動粘度が2500mm2/sを超える場合には、軸受の
トルクが大きくなる。また、このような高粘度エステル
系合成油は市場からも入手でき、例えば、三洋化成工業
株式会社製のアクルーブシリーズの702、707、7
25、504等を挙げることができる。
全体の3〜30質量%とすることが好ましい。高粘度エ
ステル系合成油の含有量が3質量%未満では、フレッチ
ング性能を高める効果が不十分となる。また、高粘度エ
ステル系合成油の含有量が30質量%を超える場合、軸
受のトルクが大きくなりすぎる。低トルクと耐フレッチ
ング性能とを両立させるためには、高粘度エステル系合
成油の含有量を25質量%未満に抑えることが望まし
い。
用される潤滑油に制限はなく、極性基含有潤滑油及び無
極性潤滑油の中から適宜選択可能である。
岐アルコールとの反応から得られるジエステル油、炭酸
エステル油、芳香族系三塩基酸と分岐アルコールとの反
応から得られる芳香族エステル油、一塩基酸と多価アル
コールとの反応から得られるポリオールエステル油等を
好適に挙げることができる。以下にそれぞれの好ましい
具体例を例示する。
ート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIB
A)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアジ
ペート(DOZ)、ジブチルセバケート(DBS)、ジ
オクチルセバケート(DOS)、メチル・アセチルリシ
ノレート(MAR−N)等が挙げられる。
リメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテー
ト、テトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
す多価アルコールと一塩基酸とを適宜反応させて得られ
るものが挙げられる。多価アルコールに反応させる一塩
基酸は単独でもよいし、複数用いてもよい。更に、多価
アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリ
ゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いて
もよい。多価アルコールとしては、トリメチロールプロ
パン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペ
ンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルプリコー
ル(NPG)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール(MPPD)等が挙げられる。一塩基酸
としては、主にC4〜C16の一価脂肪酸が用いられ、具
体的には酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナ
ント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラ
ウリン酸、ミステリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪酸、
スレアリン酸、カプロレイン酸、パルミトレイン酸、ペ
トロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピ
ン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン
酸、サビニン酸、リシノール酸等が挙げられる。
岐アルキル基のC6〜C30が挙げられる。
て、例えば(ジ)アルキルジフェニルエーテル油、
(ジ)アルキルポリフェニルエーテル油、ポリアルキレ
ングリコール油などを挙げることができる。
複数を併用してもよい。また、低トルク特性および耐フ
レッチング性能を考慮すると、中でもポリオールエステ
ル油、芳香族エステル油が好ましい。
炭化水素油あるいはこれらの混合油を使用できる。具体
的には、鉱油としてパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油
を挙げることができる。合成炭化水素油としてポリ−α
−オレフィン油などを挙げることができる。中でも、音
響耐久性を考慮すると、合成炭化水素油が好ましい。
性基含有潤滑油及び/または無極性潤滑油とを混合して
なる基油は、40℃における動粘度が15〜500mm2
/sであることが好ましい。基油の40℃における動粘
度が15mm2/s未満の場合、油膜強度が低く、十分な
耐フレッチング性能が得られないため、長距離輸送時に
繰り返し受ける衝撃荷重により軌道面にフレッチング損
傷(摩耗)を発生しやすい。また、基油の40℃におけ
る動粘度が500mm2/sを超える場合には、軸受のト
ルクが大きくなる。特に、低トルクと耐フレッチング性
能とを両立させるためには、基油の40℃における動粘
度を250mm2/s以下にすることが望ましい。
を構成する増ちょう剤には制限がなく、金属石けん系増
ちょう剤、非金属石けん系増ちょう剤の何れも使用可能
である。それぞれの好ましい例を以下に示すが、これら
に限定されるものではない。
び/または2価の有機脂肪酸または有機ヒドロキシ脂肪
酸と、金属水酸化物とを合成して得られる有機脂肪酸基
金属塩または有機ヒドロキシ脂肪酸金属塩が好ましい。
合成に使用される有機脂肪酸としては、特に限定されな
いが、例えば、ラウリン酸(C12)、ミスチリン酸(C
14)、パルミチン酸(C16)、マルガン酸(C17)、ス
テアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸
(C22)、リグノセリン酸(C24)、牛脂脂肪酸等が挙
げられる。また、有機ヒドロキシ脂肪酸としては、9−
ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9、10−ジヒド
ロキシステアリン酸、リシノール酸、リシノエライジン
酸等が挙げられる。一方、金属水酸化物としては、アル
ミニウム、バリウム、カルシウム、リチウム、ナトリウ
ム等の水酸化物が挙げられる。
肪酸と、金属水酸化物との組み合わせは特に限定される
ものではないが、ステアリン酸、牛脂脂肪酸またはヒド
ロキシステアリン酸(特に12−ヒドロキシステアリン
酸)と、水酸化リチウムとの組み合わせが、軸受性能に
優れることから好ましい。また、必要に応じて、複数種
を併用することもできる。
の5〜35質量%で構わず、有機脂肪酸またはヒドロキ
シ脂肪酸、金属水酸化物の配合量を適宜選択する。
ょう剤以外に、カルボン酸またはカルボン酸塩を添加す
ることが好ましい。カルボン酸またはカルボン酸塩を添
加することにより、吸着膜の形成がより促進され、表面
摩擦特性の改善と軸受トルクの低減とを更に効果的にす
る。また、音響耐久性も向上する。カルボン酸として
は、例えば、オレイン酸、ナフテン酸、コハク酸等等が
挙げられる。また、コハク酸化合物としては、アルケニ
ルコハク酸が好ましく、コハク酸誘導体としては、例え
ば、アルキルコハク酸エステル、アルキルコハク酸エー
テル、アルケニルコハク酸エステル、アルケニルコハク
酸エーテル等が挙げられる。尚、これらの添加量は、グ
リース全量の10質量%以下とすることが適当である。
損なわない限り、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化
剤、油性剤、極圧剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤等を
単独または2種以上組み合わせて添加することができ
る。これらは何れも公知のもので構わない。例えば、酸
化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イオウ
系、ジチオリン酸亜鉛等を使用できる。防錆剤として
は、石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォ
ネート、ソルビタンエステル等を使用できる。金属不活
性化剤としては、ベンゾトリアゾールや亜鉛酸ソーダ等
を使用できる。油性剤としては、脂肪酸、植物油等を使
用できる。粘度指数向上剤としては、ポリメタクリレー
ト、ポリイソブチレン、ポリスチレン等を使用できる。
これらの添加剤は、単独または2種以上組み合わせて添
加することができ、その添加量は全体としてグリース組
成物全量の20質量%以下とすることが好ましい。
説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。
び表2に実施例1〜12、表3に比較例1〜6のグリー
ス組成および性状を示した。使用した高粘度エステル油
の100℃における動粘度は、750mm2/sであ
る。また、ポリオールエステル油A及びB、アルキルジ
フェニルエーテル油A及びB、ポリαオレフィン油A〜
Cは、それぞれ40℃における動粘度が異なるものを示
す。また、何れも増ちょう剤と基油との総量を950g
とし、これに酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化剤を総
量で50g加えて総量1000gのグリース組成物とし
てある。また、基油の動粘度(40℃)を同表に併記し
た。そして、各グリース組成物を試験軸受に適用し、下
記に示す(1)軸受動トルク試験及び(2)フレッチン
グ試験に供した。
った。この測定装置30において、試験軸受31は2個
一組で、エアースピンドル32に連結する軸33に与圧
用ウエーブワッシャ34を用いて装着される。また、試
験軸受31はエアースピンドル32とともに水平に置か
れ、糸35を介して荷重変換機36が吊るされており、
荷重変換機36の出力がX−Yレコーダ37により記録
される。
備えた内径φ15mm、外径φ35mm、幅11mmの非接触
ゴムシール付き転がり軸受を用い、これに実施例1〜1
2、比較例1〜6の各グリース組成物を0.7g封入
し、アキシアル荷重39.2Nとし、1400min-1
で内輪回転させて動トルクを測定した。測定結果を表
1、表2及び表3中に動トルクとして示した。
ータ用に使用されているグリース組成物が封入された転
がり軸受の動トルクを100%(基準値)とした時に、
試験軸受31の動トルクが200%以上であること、△
印は基準値の150%以上で200%未満であること、
○印は基準値の120%以上で150%未満であるこ
と、◎印は基準値の120%未満であることをそれぞれ
表わしている。軸受動トルク試験は、○印、即ち基準値
の150%未満の場合を合格とした。
格、不合格の境界レベルにあるものの、その他の実施
例、並びに比較例1、2、4において、良好なトルク特
性が得られることがわかる。
行った。この測定装置40において、試験軸受41は外
輪ハウジング42および軸43を介して装着されてい
る。繰り返して50Hzの変動荷重44を試験軸受41
に作用させた。試験は、試験軸受41として、鉄保持器
を備えた内径φ15mm、外径φ35mm、幅11mmの非接
触ゴムシール付き転がり軸受を用い、これに実施例1〜
12、比較例1〜6の各グリース組成物を0.7g封入
し、アキシアル荷重で20〜1500Nまで変動させ、
5×105回繰り返してフレッチング試験を行った。試
験後の試験軸受41を下記の評価基準により軸受の音響
特性を調べた。
いて行い、各グリース組成物を封入した直後の軸受アン
デロン値と、5×105回のフレッチング試験後の軸受
のアンデロン値とを比較してアンデロン値の上昇値を基
準として音響特性の判定を行った。尚、フレッチング試
験後の試験軸受を分解し、軸受軌道面の摩耗損傷状態を
観察してみると、摩耗痕が深くはっきり観察できる軸受
は、音響特性の低下(アンデロン上昇値が大)が大き
く、一方摩耗痕がほとんど確認できない軸受は、音響特
性の低下(アンデロン上昇値がなし)がなく、軸受軌道
面の摩耗損傷状態と、音響特性は相関性があることを確
認している。
チングとして示した。尚、表中、×印は、従来エアコン
ファンモータ用に使用されているグリース組成物が封入
された転がり軸受の音響特性(アンデロン上昇値)を1
00%(基準値)とした時に、試験軸受41の音響特性
が75%以上であること、△印は基準値の50%以上で
75%未満であること、○印は基準値の25%以上で5
0%未満であること、◎印は25%未満であることをそ
れぞれ表わしている。フレッチング試験は、○印、即ち
基準値の50%未満の場合を合格とした。
ース組成物は、何れもフレッチング特性が優れているこ
とがわかる。
受は、100℃における動粘度が200〜2500mm
2/sである高粘度エステル系合成油を必須成分として
含有する基油を有するグリースを封入したことにより、
従来のトルク特性を維持しつつ、フレッチング損傷(摩
耗)の発生を低減することができる。
部分切断斜視図である。
図である。
に使用した測定装置を示す構成概略図である。
に使用した測定装置を示す構成概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との
間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動
体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪軌道と内
輪軌道との間の空間内にグリースを封入した転がり軸受
において、前記グリースを構成する基油が、100℃に
おける動粘度が200〜2500mm2/sであるエス
テル系合成油を必須成分として含むことを特徴とする転
がり軸受。 - 【請求項2】 前記エステル系合成油の含有量が、基油
全体の3〜30質量%であることを特徴とする請求項1
記載の転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002008723A JP2003206939A (ja) | 2002-01-17 | 2002-01-17 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002008723A JP2003206939A (ja) | 2002-01-17 | 2002-01-17 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003206939A true JP2003206939A (ja) | 2003-07-25 |
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ID=27646909
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002008723A Pending JP2003206939A (ja) | 2002-01-17 | 2002-01-17 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2003206939A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011118814A1 (ja) | 2010-03-26 | 2011-09-29 | 出光興産株式会社 | グリース組成物 |
-
2002
- 2002-01-17 JP JP2002008723A patent/JP2003206939A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011118814A1 (ja) | 2010-03-26 | 2011-09-29 | 出光興産株式会社 | グリース組成物 |
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