JP2003206295A - 光学活性ジホスフィン配位子 - Google Patents

光学活性ジホスフィン配位子

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JP2003206295A JP2001401157A JP2001401157A JP2003206295A JP 2003206295 A JP2003206295 A JP 2003206295A JP 2001401157 A JP2001401157 A JP 2001401157A JP 2001401157 A JP2001401157 A JP 2001401157A JP 2003206295 A JP2003206295 A JP 2003206295A
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Kunihiko Murata
邦彦 村田
Takeshi Ota
岳 太田
Takao Ikariya
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 転化率、選択性などの面で従来の軸不斉以外
の光学活性ジホスフィン化合物を有する触媒の触媒性能
を遙かに上回る、新しいホスフィン化合物およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(I) (R1およびR2は互いに同一または異なっていてもよい置
換基を有してもよい鎖状または環状の炭素数1から20の
炭化水素基であり、R3およびR4は互いに同一または異な
っていてもよい水素または炭素数1から3の炭化水素基で
あり、R5、R6、R7およびR8は互いに同一または異なって
いてもよい、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭
化水素基を示す。ただし、R1およびR2がメチル基であ
り、R3およびR4が水素である場合、R5、R6、R7およびR8
はフェニル基、4−トリル基、および3,5−キシリル基
からなる群から選択される基のいずれでもなく、ならび
にR1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4が水素で
ある場合、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェ
ニル基ではない。)で表される光学活性ジホスフィン化
合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規光学活性ジホ
スフィンに関する。更に詳細には、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウムなどの金属と錯体を形成することによっ
て、種々の不斉合成反応における有用な触媒となり得る
新規なホスフィン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ロジウム、ルテニウム、パラ
ジウムなどの金属元素にキラルな第3級ホスフィン化合
物を配位させた錯体の中には、不斉合成用触媒として優
れた性能を有するものが多く知られている。第4版 実
験化学講座26 有機合成VIII 第25頁ないし第
26頁に列挙されているように、この触媒性能を高める
ために様々な構造のホスフィン化合物がこれまで多数開
発されている。その中の代表例として、軸不斉ジホスフ
ィン化合物とそれ以外のホスフィン化合物を下記に示
す。
【0003】軸不斉ジホスフィン化合物
【化3】
【0004】軸不斉以外のジホスフィン化合物
【化4】
【0005】ここで使用する略号は下記のとおりであ
る。 BINAP 2,2´−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1´−ビナフチル CHIRAPHOS 2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン DABINAP 2,2´−ビス(ジ−3,5−ジアルキルフェニルホスフィノ)− 1,1´−ビナフチル DIOP 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−2,2−ジメチル −1,3−ジオキソラン DIPAMP 1,2−ビス(2−メトキシフェニル−フェニルホスフィノ)エタ ン SKEWPHOS 2,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン TolBINAP 2,2´−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1´−ビナフ チル TolSKEWPHOS 2,4−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)ペンタン XylSKEWPHOS 2,4−ビス(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)ペンタン
【0006】これまで多数開発されたジホスフィン化合
物の中で、軸不斉の光学活性ジホスフィン化合物をもつ
金属触媒が、優れた性能を有するものであることが報告
されている。BINAPは、その中でも優れたものの一つで
ある(特開昭55−61937号公報参照)。また、
2,2´−ビス(ジ−p−メトキシフェニルホスフィ
ノ)−1,1´−ビナフチル(特開昭64−68386
号公報参照)が、不斉合成反応に応用されていることが
報告されている。
【0007】また、TolBINAPのロジウム錯体(特開昭6
0−199898号公報参照)、BINAPとTolBINAPのル
テニウム錯体(特開昭61−63690号公報参照)と
DABINAPおよびこれを配位子とする遷移金属錯体(特開
平3−255090号公報参照)については、不斉水素
化反応、不斉異性化反応および不斉脱水素反応が良好な
結果を持って行われたことが報告されている。
【0008】最近、特開平11-189600号公報に記載され
ているジホスフィン−ルテニウム−ジアミン錯体触媒
が、ケトン類の不斉水素化反応に高い性能を示すことが
報告されおり、特に、軸不斉のジホスフィン化合物であ
る光学活性BINAPからなる錯体触媒が、高い光学純度で
光学活性アルコール化合物を与えている。
【0009】以上、軸不斉のジホスフィン化合物をもつ
金属触媒は、不斉合成反応に利用され高い性能を有して
いるが、原料である軸不斉の光学活性ジホスフィン化合
物は、合成が多段階である、光学分割工程を要する
等の理由により、非常に高価な場合が多い。そのため、
軸不斉のジホスフィン化合物をもつ金属触媒は、工業的
に用いるには必ずしも好適ではない。これに対して、軸
不斉以外のジホスフィン化合物は、合成が容易であ
り、光学分割工程が不要であり安価に製造できること
から、不斉合成反応への利用が期待される。
【0010】軸不斉以外のジホスフィン化合物をもつ金
属触媒のうち、ジホスフィン−ルテニウム−ジアミン錯
体触媒以外の金属錯体が多くの不斉合成反応に利用され
ている。例えば、DIOP、CHIRAPHOS、およびDIPAMP配位
子をもつ光学活性ロジウム錯体が、エナミドの不斉還元
反応に有効であると報告されている(第4版 実験化学
講座26 有機合成VIII 第27頁)。
【0011】また、SKEWPHOS、TolSKEWPHOS、およびXyl
SKEWPHOS配位子をもつ金属触媒も不斉合成反応に利用さ
れている。例えば、Macromolecules,32,4183-4193(1
999)に(meso−skewphos)Pd(OCOR)( R=CH3,CF3)と
(rac−skewphos)Pd(OCOR)(R=CH3,CF3)錯体を触媒
に用い、エテンと一酸化炭素の重合反応が報告されてい
る。また、特開2000−26407号公報には、ジホスフィン
化合物(SKEWPHOSあるいは、TolSKEWPHOS)とロジウム
錯体の存在下に不斉ヒドロホルミル化を行い、カルバペ
ネム系抗生物質の中間体化合物が製造されることが記載
されている。
【0012】さらに、Tetrahedron Letters,Vol.3
8,No.37,6603-6606(1997)にRuBr 2(skewphos)錯
体を触媒に用い、β−ケトエステル類、β−ケトホスフ
ィネート類、およびフェニルチオスルフィド類の水素化
反応が良好な結果を持って行われたことが報告されてい
るが、性能はBINAP錯体触媒より劣る。
【0013】また、Tetrahedron:Asymmetry,9,3241-
3246(1998)に [Rh(Tolskewphos)(シクロオクタ−
1,5−ジエン)]BF4と[Rh(Xylskewphos)(シクロオクタ
−1,5−ジエン)]BF4錯体を触媒に用い、2-(6’-メトキ
シ-2’-ナフチル)プロペン酸の水素化反応がそれぞれ13
%ee、26%eeの光学純度で行われたことも報告されてい
る。
【0014】先に軸不斉のジホスフィン化合物である光
学活性BINAPをもつジホスフィン−ルテニウム−ジアミ
ン錯体触媒が、ケトン類の不斉水素化反応に高い性能を
示し、高い光学純度で光学活性アルコール化合物を与え
ることを述べたが、BINAP以外の光学活性ジホスフィン
化合物をもつルテニウム錯体触媒も報告されている。例
えば、CHIRALITY 12,514−522(2000)に光学活性SKEW
PHOSと光学活性ジフェニルエタンジアミンをもつルテニ
ウム錯体を触媒とするアセトフェノンの不斉水素化反応
が報告されているが、得られる光学活性アルコールの光
学純度は84%eeであり、光学活性BINAPをもつジホスフ
ィン−ルテニウム−ジアミン錯体触媒と比較して低く、
真に実用的な錯体触媒とは言えない。
【0015】以上のように、軸不斉以外の光学活性ジホ
スフィン化合物をもつ金属触媒も多くの不斉合成反応に
利用され、高い性能を示す錯体の開発がなされている。
しかし、軸不斉以外の光学活性ジホスフィン化合物と光
学活性ジアミン化合物をもつ金属触媒によるケトン類の
不斉水素化反応は、反応性とエナンチオ選択性の面で満
足いくものではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、従来の軸不斉のジホスフィン化合物に比べて合成が
容易かつ安価であり、およびこれを配位子とする遷移金
属錯体が、様々な不斉合性反応において、転化率、選択
性などの面で従来の軸不斉以外の光学活性ジホスフィン
化合物を有する触媒の触媒性能を遙かに上回る、新しい
ホスフィン化合物およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、前
記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、軸不斉以外
の光学活性ジホスフィン化合物に種々の置換基を導入す
ることにより、前記課題が解決されることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 一般
式(I)
【化5】 (R1およびR2は互いに同一または異なっていてもよい置
換基を有してもよい鎖状または環状の炭素数1から20の
炭化水素基であり、R3およびR4は互いに同一または異な
っていてもよい水素または炭素数1から3の炭化水素基で
あり、R5、R6、R7およびR8は互いに同一または異なって
いてもよい、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭
化水素基を示す。ただし、R1およびR2がメチル基であ
り、R3およびR 4が水素である場合、R5、R6、R7およびR8
はフェニル基、4−トリル基、および3,5−キシリル基
からなる群から選択される基のいずれでもなく、ならび
にR1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4が水素で
ある場合、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェ
ニル基ではない。)で表される光学活性ジホスフィン化
合物に関する。
【0018】また、本発明は、R1およびR2がメチル基で
あり、R3が水素であり、R4がメチル基であり、R5、R6
R7およびR8が互いに同一で、かつ、フェニル基、4−ト
リル基、および3,5−キシリル基からなる群から選択さ
れる、請求項1に記載の光学活性ジホスフィン化合物に
関する。
【0019】さらに、本発明は、R1およびR2がフェニル
基であり、R3およびR4が水素であり、R5、R6、R7および
R8が同一で、かつ、4−トリル基、および3,5−キシリ
ル基からなる群から選択される、前記光学活性ジホスフ
ィン化合物に関する。
【0020】そして、本発明は、R1およびR2がフェニル
基であり、R3が水素であり、R4がメチル基であり、R5
R6、R7およびR8が互いに同一であり、かつ、フェニル
基、4−トリル基、または3,5−キシリル基からなる群
から選択される基である、前記光学活性ジホスフィン化
合物に関する。
【0021】そしてまた、本発明は、前記一般式(I)
で表される光学活性ジホスフィン化合物を製造するため
の方法であって、ジアリールホスファイトとジメチルス
ルフィドボランを反応させ、ジアリールホスフィンボラ
ンを得る工程を含むことを特徴とする、前記方法に関す
る。前記ジアリールホスフィンボランをアルキルリチウ
ムと反応させてリチウム塩を得て、さらにこれを光学活
性ジオール体をメシル化あるいはトシル化した化合物と
反応させ、ジホスフィンジボラン配位子を得る。その
後、テトラフルオロボロン酸ジメチルエーテル錯体を用
いてホスフィンボラン配位子の脱ボロン化を行うことに
より、一般式(I)の化合物を得ることができる。
【0022】本発明の光学活性ジホスフィン化合物は、
既知の合成系を用いることによって容易に合成すること
ができる。また、本発明の光学活性ジホスフィン化合物
を配位子とする遷移金属錯体を触媒として用いることに
よって、各種ケトン類の不斉水素化反応を、従来より高
い反応性および選択性で行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、以上のとおりの特徴を
もつものであるが、以下に詳しくその実施の形態につい
て説明する。まず、この発明の新規光学活性ジホスフィ
ン化合物を表す一般式(I)において、R1、R2は同じで
あってもお互いに異なってもよい、置換基を有してもよ
い鎖状または環状の炭素数1から20の炭化水素基であ
り、R3、R 4は同じであってもお互いに異なってもよい水
素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5、R6
R7、R8は同じであってもお互いに異なってもよい、置換
基を有してもよい炭素数1から30の炭化水素基を示す。
【0024】ここで、置換基を有してもよい鎖状または
環状の炭素数1から20の炭化水素基であるR1およびR
2は、脂肪族、脂環族の飽和または不飽和の炭化水素
基、単環または多環の芳香族もしくは芳香脂肪族の炭化
水素基、あるいは置換基をもつこれら炭化水素基の各種
のものであってよい。例えば、アルキル、アルケニル、
シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナフチ
ル、フェニルアルキルなどの炭化水素基とこれら炭化水
素基に更にアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ア
リール、アルコキシ、エステル、アシルオキシ、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基などの許容される各種の置
換基を有するものが挙げられる。これらのうち好適なも
のはメチル基、エチル基、プロピル基、または置換若し
くは無置換のフェニル基であり、特に好適なものはメチ
ル基、フェニル基である。また、炭素数1から3の炭化水
素基であるR3およびR4は脂肪族の飽和炭化水素基であ
る。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基等が好適である。そして、置換基を
有してもよい炭素数1から30の炭化水素基であるR5
R6、R7およびR8は、前記のR1、R2と同様のもののうちか
ら適宜に選択されたものであってよい。例としてはフェ
ニル基および置換フェニル基が挙げられ、フェニル基お
よびメチル基、エチル基またはプロピル基の1種又は2
種以上が1から5個置換した置換フェニル基が好適であ
る。特に、フェニル基、4−トリル基、および3,5−キ
シリル基が好適である。
【0025】一般式(I)で表される光学活性ジホスフ
ィン化合物の例として、以下の化合物が挙げられる。 [1]2位、4位にジフェニルホスフィノ基を有するペ
ンタン誘導体としては、3位に炭素数1から3の1個ま
たは2個のアルキル基置換基を有する、2,4−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−3−メチルペンタン、2,
4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3,3−ジメチ
ルペンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
−3−エチルペンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホ
スフィノ)−3,3−ジエチルペンタン、2,4−ビス
−(ジフェニルホスフィノ)−3−プロピルペンタン、
2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3,3−ジ
プロピルペンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフ
ィノ)−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−3,3−ジイソプロピルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3
−エチル−3−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジフ
ェニルホスフィノ)−3−メチル−3−プロピルペンタ
ン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−メ
チル−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ
フェニルホスフィノ)−3−3−エチル−プロピルペン
タン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−
エチル−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−3−プロピル−3−イソプ
ロピルペンタンなどが例示される。
【0026】[2]2位、4位にジ−4−トリルホスフ
ィノ基を有するペンタン誘導体としては、3位に炭素数
1から3の1個または2個のアルキル基置換基を有す
る、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3
−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホ
スフィノ)−3,3−ジメチルペンタン、2,4−ビス
−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3−エチルペンタ
ン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−
3,3−ジエチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−
トリルホスフィノ)−3−プロピルペンタン、2,4−
ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3,3−ジプロ
ピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフ
ィノ)−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジ−4−トリルホスフィノ)−3,3−ジイソプロピ
ルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィ
ノ)−3−エチル−3−メチルペンタン、2,4−ビス
−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3−メチル−3−プ
ロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホス
フィノ)−3−メチル−3−イソプロピルペンタン、
2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3−エ
チル−3−プロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4
−トリルホスフィノ)−3−エチル−3−イソプロピル
ペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィ
ノ)−3−プロピル−3−イソプロピルペンタンなどが
例示される。
【0027】[3]2位、4位にジ−3,5−キシリル
ホスフィノ基を有するペンタン誘導体としては、3位に
炭素数1から3の1個または2個のアルキル基置換基を
有する、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノ)−3−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジメチルペン
タン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−3−エチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,
5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジエチルペンタ
ン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−3−プロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジプロピルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノ)−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジイソ
プロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシ
リルホスフィノ)−3−エチル−3−メチルペンタン、
2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−
3−メチル−3−プロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3−メチル−3
−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5
−キシリルホスフィノ)−3−エチル−3−プロピルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノ)−3−エチル−3−イソプロピルペンタン、2,
4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3−
プロピル−3−イソプロピルペンタンなどが例示され
る。
【0028】[4]2位、4位にジフェニルホスフィノ
基を有する1,3−ジフェニルプロパン誘導体として
は、2位に炭素数1から3の1個または2個のアルキル
基置換基を有する、1,3−ビス−(ジフェニルホスフ
ィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチルプロパン、
1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジ
フェニル−2,2−ジメチルプロパン、1,3−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−
エチルプロパン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジエチルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3
−ジフェニル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2,
2−ジプロピルプロパン、1,3−ビス−(ジフェニル
ホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−イソプロピル
プロパン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−
1,3−ジフェニル−2,2−ジイソプロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3
−ジフェニル−2−エチル−2−メチルプロパン、1,
3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェ
ニル−2−メチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−
2−メチル−2−イソプロピルプロパン、1,3−ビス
−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2
−エチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ
フェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−エチ
ル−2−イソプロピルプロパン、1,3−ビス−(ジフ
ェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−プロピ
ル−2−イソプロピルプロパンなどが例示される。
【0029】[5]2位、4位にジ−4−トリルホスフ
ィノ基を有する1,3−ジフェニルプロパン誘導体とし
ては、2位に炭素数1から3の1個または2個のアルキ
ル基置換基を有するか、又はアルキル基置換基を有しな
い、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−
1,3−ジフェニルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4
−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチ
ルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2、2−ジメチルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−
1,3−ジフェニル−2−エチルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニ
ル−2,2−ジエチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−
4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−プ
ロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホス
フィノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジプロピルプ
ロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)
−1,3−ジフェニル−2−イソプロピルプロパン、
1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3
−ジフェニル−2,2−ジイソプロピルプロパン、1,
3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジ
フェニル−2−エチル−2−メチルプロパン、1,3−
ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェ
ニル−2−メチル−2−プロピルプロパン1,3−ビス
−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル
−2−メチル−2−イソプロピルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニ
ル−2−エチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス
−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル
−2−エチル−2−イソプロピルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニ
ル−2−プロピル−2−イソプロピルプロパンなどが例
示される。
【0030】[6]2位、4位にジ−3,5−キシリル
ホスフィノ基を有する1,3−ジフェニルプロパン誘導
体としては、2位に炭素数1から3の1個または2個の
アルキル基置換基を有するか、又はアルキル基置換基を
有しない、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホス
フィノ)−1,3−ジフェニルプロパン、1,3−ビス
−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフ
ェニル−2−メチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−
2,2−ジメチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,
5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−
エチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリ
ルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジエチ
ルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホ
スフィノ)−1,3−ジフェニル−2−プロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジプロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2−イソプロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジイソプロピルプ
ロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノリル)−1,3−ジフェニル−2−エチル−2−メ
チルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリル
ホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチル−2−
プロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシ
リルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチル−
2−イソプロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,
5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−
エチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−
2−エチル−2−イソプロピルプロパン、1,3−ビス
−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフ
ェニル−2−プロピル−2−イソプロピルプロパンなど
が例示される。
【0031】しかし、この発明に用いることのできる化
合物は、これらに何ら限定されるものではない。
【0032】本発明のホスフィン化合物の合成は、例え
ば次式のように行われる。
【化6】
【0033】市販の臭化アリール(1)をマグネシウム
と処理してグリニャール試薬(2)をつくり、これにジ
エチルホスファイトを加え反応させて、ジアリールホス
ファイト(3)を得る。これとジメチルスルフィドボラ
ンを反応させて、ジアリールホスフィンボラン(4)を
得る。
【0034】ジアリールホスフィンボラン(4)を得る
際、一般にはジアリールホスファイト(3)を三塩化シ
ランにより還元後ボロン化する二段階反応が用いられ
る。還元して得られるジアリールホスフィンは、酸化さ
れやすく後処理工程で一部ジアリールホスファイト
(3)に変換される。この混合物を酸化に安定なボロン
化物に誘導し、精製を行い高純度のジアリールホスフィ
ンボラン(4)を得るため、収率が低下する傾向があっ
た。一方、本発明の発明者らは、ジアリールホスファイ
ト(3)とジメチルスルフィドボランを反応することに
よって、還元を伴い一段階で高収率、高純度のジアリー
ルホスフィンボラン(4)を得ることを見出した。そこ
で、本発明においては、ジアリールホスフィンボラン
(4)を得るルートとして、前記のようにジアリールホ
スファイト(3)とジメチルスルフィドボランを反応さ
せるルートを用いる。
【0035】光学活性3−メチル−2, 4−ペンタンジオ
ールは、J. Am. Chem. Soc., Vol.110,No.2, p629-63
1(1988)に記載されている方法によって、ルテニウム−B
INAP錯体を触媒に用い、3−メチル−2,4−ペンタンジ
オンを水素加圧下、水素化反応を行い合成される。ま
た、光学活性1,3−ジフェニルプロパンジオール(7)
と光学活性2−メチル−1,3−ジフェニルプロパンジオ
ール(8)は、特開昭63−316742号に記載されている方
法によって、ルテニウム−BINAP錯体を触媒に用いて、
それぞれ1,3−ジフェニルプロパンジオンと2−メチル
−1,3−ジフェニルプロパンジオンを水素加圧下、水素
化反応を行い合成される。
【0036】この光学活性3−メチル−2,4−ペンタン
ジオール(6)と塩化p−トルエンスルホニルを反応さ
せて、トシル化体(9)を得る。これに、(4)をアル
キルリチウムで処理して得られたリチウム塩(5)を反
応させ、ジホスフィンジボラン配位子(12)を得る。そ
の後、既知の方法[Tetrahedron Vol.51, No.28, pp.765
5-7666(1995)]により、テトラフルオロボロン酸ジメチ
ルエーテル錯体を用いて脱ボロン化を行い、本発明の光
学活性ホスフィン化合物である2,4−ビス(ジアリール
ホスフィノ)−3−メチルペンタン(15)を得る。ま
た、光学活性1,3−ジフェニルプロパンジオール
(7)、および、光学活性2−メチル−1,3−ジフェニ
ルプロパンジオール(8)を用い、同様の操作により、
本発明の光学活性ホスフィン化合物である1,3−ビス
(ジアリールホスフィノ)−1,3−ジフェニルプロパン
(16)、および1,3−ビス(ジアリールホスフィノ)−
1,3−ジフェニル−2−メチルプロパン(17)を得るこ
とができる。この方法で合成される光学活性ジホスフィ
ン化合物は、上記の化合物に限定されるものではない。
【0037】本発明の新規ジホスフィン化合物は、ルテ
ニウム、ロジウム及びパラジウムなどの金属元素と錯体
を形成する。これらのうち光学活性ルテニウム錯体触媒
は、ケトン類の不斉水素化反応に用いられ光学活性アル
コール化合物を与える。
【0038】ここで、光学活性ルテニウム錯体は、下記
に示した一般式(II) RuXY(P−P) (II) の光学活性ルテニウム−ジホスフィン錯体および一般式
(III) RuXY(P−P)(N−N) (III) の光学活性ジホスフィン−ルテニウム−ジアミン錯体で
ある。
【0039】ここで、X、Yは同じでも異なってもよく、
水素、ハロゲンやカルボキシル基または他のアニオン基
を示すが、この場合の、その他のアニオン基としては各
種のものであってよく、例えばアルコキシ基、ヒドロキ
シ基などが例示される。P-Pは、前記の新規光学活性ジ
ホスフィン化合物を示す。また、N-Nは一般式(IV)
【化7】 で表される光学活性ジアミン化合物を示す。
【0040】上記一般式(IV)において、R9、R10、R
11およびR12は、互いに同一または異なっていてもよ
い、水素原子、置換基を有していてもよい鎖状または環
状である炭素数1から30の炭化水素基を示し、これら
の基のうちの少なくとも一つは水素原子であり、R13、R
14、R15およびR16は、互いに同一または異なっていても
よい、水素原子、置換基を有していてもよい鎖状または
環状である炭素数1から30の炭化水素基を示し、Zは
置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状である炭素
数1から10の炭化水素基または単結合を示す。ここで、
前記の少なくとも一つの水素原子、置換基を有していて
もよい鎖状または環状である炭素数1から30の炭化水
素基であるR9、R10、R11およびR12は、水素原子、脂肪
族、脂環族の飽和または不飽和の炭化水素基、単環また
は多環の芳香族もしくは芳香脂肪族の炭化水素基、ある
いは置換基をもつこれら炭化水素基の各種のものであっ
てよい。例えば、水素原子、アルキル、アルケニル、シ
クロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナフチ
ル、フェニルアルキルなどの炭化水素基とこれら炭化水
素基に更にアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ア
リール、アルコキシ、エステル、アシルオキシ、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基などの許容される各種の置
換基を有するものが挙げられる。これらのうち好適なも
のはR9とR11が水素原子、R10とR12が水素原子、アルキ
ル基、フェニル基またはフェニルアルキル基であるもの
であり、特に好適なものは全てが水素原子であるもので
ある。
【0041】また、水素原子、置換基を有してもよい鎖
状または環状の炭素数1から30の炭化水素基である
R13、R14、R15およびR16は、水素原子、脂肪族、脂環族
の飽和または不飽和の炭化水素基、単環または多環の芳
香族もしくは芳香脂肪族の炭化水素基、あるいは置換基
をもつこれら炭化水素基の各種のものであってよい。前
記炭化水素基としては、例えば、アルキル、アルケニ
ル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナ
フチル、フェニルアルキルなどの炭化水素基と、これら
炭化水素基に更にアルキル、アルケニル、シクロアルキ
ル、アリール、アルコキシ、エステル、アシルオキシ、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基などの許容される各
種の置換基を有するものが挙げられる。これらのうち好
適なものは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基および置換フェニル基であり、特に
好適なものは水素原子、イソプロピル基、フェニル基、
4-メトキシフェニル基である。
【0042】一般式(IV)で表される光学活性ジアミ
ン化合物の例として、1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シク
ロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジアミ
ン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミ
ン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジア
ミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレン
ジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェ
ニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ
(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、 1−イ
ソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチ
レンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキ
シフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−
ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2
−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソプロピル−
2,2−ジナフチルエチレンジアミンなどが例示され
る。さらに用いることのできる光学活性ジアミン化合物
は、例示した光学活性エチレンジアミン誘導体に限るも
のではなく、光学活性なプロパンジアミン、ブタンジア
ミン、フェニレンジアミン、シクロヘキサンジアミン誘
導体等も用いることができる。
【0043】一般式(II)で表される光学活性ルテニ
ウム錯体の合成は、光学活性ジホスフィン化合物と、原
料であるルテニウム錯体と反応することにより合成でき
る。また、一般式(III)で表される光学活性ルテニ
ウム錯体の合成は、一般式(II)で表されるルテニウ
ム錯体と、光学活性ジアミン化合物と反応することによ
り合成できる。
【0044】一例として、一般式(II)で表される光
学活性ルテニウム錯体の合成は、Tetrahedron:Asymmet
ry,5,665−674(1994)に記載されているGenetらの方法
によって実施される。すなわち、出発原料のビス(メチ
ルアリル)ルテニウム(シクロオクタ−1,5−ジエン)
錯体と光学活性ジホスフィン化合物を反応し得られるビ
ス(メチルアリル)ルテニウム(P-P)錯体とハロゲン化
水素と反応させ合成する。得られる光学活性ルテニウム
錯体は、反応試剤である有機化合物を1ないし複数個含
む場合がある。ここで、有機化合物は配位性の有機溶媒
を示し、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶
媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メ
タノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノー
ル、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロへキシルケトンなど
のケトン系溶媒、アセトニトリル、DMF、N-メチルピロ
リドン、DMSO、トリエチルアミンなどヘテロ原子を含む
有機溶剤などが例示される。
【0045】一般式(III)で表される光学活性ルテ
ニウム錯体は、DMF中で一般式(II)で表される光学
活性ルテニウム錯体と光学活性ジアミン化合物を反応さ
せ合成できる。その他の合成法として、ビス(メチルア
リル)ルテニウム(シクロオクタ−1,5−ジエン)錯体
を原料に用いる代わりに、[2塩化ルテニウム(シクロオ
クタ−1,5−ジエン)]多核体等のジエンが配位したル
テニウム錯体、あるいは、[2塩化ルテニウム(ベンゼ
ン)]多核体、[2塩化ルテニウム(p−シメン)]多核体
等の芳香族化合物が配位したルテニウム錯体を用いて、
光学活性ジホスフィン化合物と光学活性ジアミン化合物
を順次、もしくは、逆の順で、または同時に、反応する
方法も用いられる。例えば、DMF中で[2塩化ルテニウム
(ベンゼン)]多核体と光学活性ジホスフィン化合物と
を反応することにより、RuXY (P-P)(dmf)n(dmfはジ
メチルホルムアミドを示す。nは1または2以上の整数
を示す。)が合成できる。その後、RuXY (P-P)(dmf)n
に光学活性ジアミン化合物を加えると、RuXY (P-P)(N-
N)錯体を与える。一般式(II)および一般式(II
I)の光学活性ルテニウム錯体を用いた水素化反応は、
それぞれ次の手法で行われる。
【0046】つまり、一般式(II)で表される光学活
性ルテニウム錯体は、 X、Yが水素の場合は、塩基を添
加することなしに、光学活性ジアミン化合物存在下、ケ
トン類と混合後、水素圧をかけるか、または、水素供与
体の存在下に攪拌する。これにより、ケトン類の水素化
を行うことができる。触媒に対してケトン類を大過剰に
用いた場合には、塩基を添加した方が望ましい場合もあ
る。一方、X、Yが、水素以外の基である場合には、塩基
と光学活性ジアミン化合物存在下、ケトン類と混合後、
水素圧をかけるか、または、水素供与体の存在下に攪拌
することにより、ケトン類の水素化を行うことが有効で
もある。ここで、光学活性ジアミン化合物は前記の一般
式(IV)と同様なものから適宜に選択されたものであ
ってよい。また、添加する光学活性ジアミン化合物の使
用量は、一般式(II)で表されるルテニウム錯体に対
し、0.5〜2.5等量で好ましくは1〜2等量である。
【0047】ここで、塩基は、KOH、KOCH3、KOCH(C
H3)2、KOC (CH3)3、KC10H8、LiOH、LiOCH3、LiOCH(CH3)
2、LiOC(CH3)3等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の
塩あるいは4級アンモニウム塩等が用いられる。また、
添加する塩基の使用量は、一般式(II)で表されるル
テニウム錯体に対し、0.5−100等量、好ましく
は、2−40当量である。ここで、水素供与体とは、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノールなどの低級アルコール、およびギ酸を示
す。以上のとおり、触媒として使用する一般式(II)
で表される光学活性ルテニウム錯体と光学活性アミンと
塩基の3成分は、不斉水素化反応が円滑に進行し高い不
斉収率を達成するためには必要不可欠の成分であり、1
成分たりとも不足すると十分な反応活性で高い光学純度
の光学活性アルコールは得られない。
【0048】一般式(III)で表される光学活性ルテ
ニウム錯体は、X、Yが水素の場合は、塩基を添加するこ
となしにケトン類と混合後、水素圧をかけるか、また
は、水素供与体の存在下に攪拌する。これにより、ケト
ン類の水素化を行うことができる。触媒に対してケトン
類を大過剰に用いた場合には、塩基を添加した方が望ま
しい場合もある。一方、X、Yが、水素以外の基である場
合には、塩基存在下ケトン類と混合後、水素圧をかける
か、または、水素供与体の存在下に攪拌することによ
り、ケトン類の水素化を行うことが有効でもある。ここ
で、塩基および水素供与体とは前述と同様なものから適
宜に選択されたものであってよい。
【0049】以上のとおり、触媒として使用する一般式
(III)で表される光学活性ルテニウム錯体と塩基の
2成分は、不斉水素化反応が円滑に進行し高い不斉収率
を達成するためには必要不可欠の成分であり、1成分た
りとも不足すると十分な反応活性で高い光学純度の光学
活性アルコールは得られない。
【0050】なお、一般式(II)および一般式(II
I)で表される光学活性ルテニウム錯体中の光学活性ジ
ホスフィン化合物は、いずれも(+)体または(−)体
のいずれかとして得られるが、その表示は省略した。ま
た、これらの(+)体または(−)体のいずれかを選択
することにより、所望する絶対位置の光学活性アルコー
ル体を得ることができる。また、一般式(II)で表さ
れる光学活性ルテニウム錯体中のジホスフィン化合物の
絶対構造と添加する光学活性ジアミン化合物の絶対構造
の組み合わせ、および一般式(III)で表される光学
活性ルテニウム錯体中のジホスフィン化合物の絶対構造
とジアミン化合物の絶対構造の組み合わせが、高い光学
収率を得るためには重要であり、例えば後述の比較例で
示すように(S,S)-SKEWPHOS誘導体と(S)−ジアミ
ン化合物の組み合わせが最適であり(R)−体のアルコ
ールを与える。(S,S)−ジホスフィン化合物と(R)
−ジアミン化合物の組み合わせは反応は進行するもの
の、不斉収率が低下する。
【0051】
【実施例】以下に、実施例、使用例、応用例および比較
例をあげて、本発明を更に詳しく説明する。 なお、以
下の測定には次の機器を用いた。 NMR:LA400型装置(400MHz) (日本電子社製) 内部標準物質:H−NMR…テトラメチルシラン 外部標準物質:31P−NMR…85%リン酸 光学純度:ガスクロマトグラフィー Chirasil−DEX CB(0.25mm×25m、DF=0.25μm) (CHROMPACK社製)
【0052】〔実施例1〕 (S,S)−3−メチル−XylSKEW
PHOS(15)の合成 (1)ジ−(3,5−キシリル)ホスファイト(3)の合
成 300mlの4口フラスコにマグネシウム(3.42g,140.7mm
ol)を仕込み、アルゴン置換した。そこに、テトラヒド
ロフランを浸る程度加え、5−ブロモ−m−キシレン(2
5.47g,137.6mmol)のテトラヒドロフラン70ml溶液を
室温で55分かけて滴下した。滴下終了後、45分間60℃
で攪拌した。次に、ジエチルホスファイト(6.0ml,45.
6mmol)のテトラヒドロフラン50ml溶液を室温で40分か
けて滴下した。滴下終了後、3時間還流した。反応溶媒
を留去し、酢酸エチルを加え氷冷後、10%塩酸水150ml
を加え反応停止した。飽和炭酸水素ナトリウム水、飽和
食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、粗ジ
−(3,5−キシリル)ホスファイトを得た。アルミナカ
ラムにより精製し、ジ−(3,5−キシリル)ホスファイ
ト10.56gを得た。その収率は、90%であった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ7.95(d,1H),7.26−
7.32(m,6H),2.35(s,12H)31 P−NMRスペクトル(CDCl3):δ22.9(s)
【0053】(2)ジ−(3,5−キシリル)ホスフィン
ボラン(4)の合成 アルゴン置換した100mlシュレンク管に、ジ−(3,5−
キシリル)ホスファイト(2.0g,7.74mmol)を仕込
み、ジエチルエーテル20mlに溶解した。これに、ジメチ
ルスルフィドボラン(0.92ml,9.69mmol)を氷冷下に滴
下した。同温で15分攪拌後、室温で一晩攪拌した。アル
ゴン雰囲気で反応液をガラスフィルターで濾過し、溶媒
留去して、粗ジ−(3,5−キシリル)ホスフィンボラン
1.82gを得た。その収率は、92%であった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ7.26(d,4H),7.24
(s,2H),6.16(dq,1H),2.33(s,12H)31 P−NMRスペクトル(CDCl3):δ1.98(d)
【0054】(3)(S,S)−3−メチル−2,4−ペンタン
ジトシレート(9)の合成 50mlのナス型フラスコに、p−TsCl(3.55g,18.62mmo
l)、ピリジン(1.72ml,21.27mmol)および塩化メチレ
ン2mlを仕込んだ。そこに、(R,R)−3−メチル−2,4−
ペンタンジオールの塩化メチレン5ml溶液を氷冷下ゆっ
くり滴下した。室温に戻し、一晩攪拌した。反応液に酢
酸エチル60mlを加え、10%塩酸水(25ml×2)、飽和
炭酸水素ナトリウム水25mlおよび飽和食塩水25mlで洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥して、粗(S,S)−3−メチル−
2,4−ペンタンジトシレートを得た。シリカゲルカラム
により精製し、(S,S)−3−メチル−2,4−ペンタンジト
シレート1.92gを得た。その収率は、52%であった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ7.78(dd,4H),7.33
(dd,4H),4.66(m,2H),2.45(d,6H),1.90
(m,1H),1.21(t,6H),0.96(d,3H)
【0055】(4)(S,S)−3−メチル−XylSKEWPHOSボ
ラン(12)の合成 アルゴン置換した150mlシュレンク管に、ジ−(3,5−
キシリル)ホスフィンボラン(1.82g,7.11mmol)を仕
込み、テトラヒドロフラン12mlに溶解した。これに、n
−ブチルリチウム(4.55ml,7.14mmol)を−78℃で滴下
し、同温で15分攪拌後、室温で20分攪拌した。次いで、
(S,S)−3−メチル−2,4−ペンタンジトシレート(1.08
g,2.49mmol)のジメチルホルムアミド12ml溶液を−40
℃で滴下し、室温で一晩攪拌した。反応液にジエチルエ
ーテル60mlを加え、10%塩酸水40mlを氷冷下で加え反
応を停止後、水(65ml×3)および飽和食塩水65mlで洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、粗(S,S)−3−メチル
−XylSKEWPHOSボランを得た。シリカゲルカラムにより
精製し、(S,S)−3−メチル−XylSKEWPHOSボラン638mg
を得た。その収率は、43%であった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ6.92−7.45(m,12
H),3.18(m,1H),2.54(m,1H),2.29(24H),1.
09(dq,6H),0.95(d,3H)31 P−NMRスペクトル(CDCl3):δ20.37(s)
【0056】(5)(S,S)−3−メチル−XylSKEWPHOS(1
5)の合成 アルゴン置換した100mlシュレンク管に、(S,S)−3−メ
チル−XylSKEWPHOSボラン(638mg,1.07mmol)を仕込
み、塩化メチレン11mlに溶解し、凍結脱気した。これ
に、テトラフルオロボロン酸ジメチルエーテル錯体(1.
31ml,10.8mmol)を−5℃で滴下し、同温で15分攪拌
後、室温で一晩攪拌した。反応液にジエチルエーテル30
mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水35mlを氷冷下で加
え反応を停止後、水(30 ml×2)および飽和食塩水30ml
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、粗(S,S)−3−メ
チル−XylSKEWPHOS 581mgを得た。その収率は、96%で
あった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ6.83−7.36(m,12
H),2.72(m, H),2.20(dd,24H),1.62(m,
H),1.26(d,3H),0.9(m,6H)31 P−NMRスペクトル(CDCl3):δ−3.17(s)
【0057】〔使用例1〕 RuBr2[(S,S)−3−メチル−
Xylskewphos][(S)−daipen]の調製 (1)Ru [(S,S)−3−メチル−Xylskewphos](メチルア
リル)の調製 アルゴン置換した100mlシュレンク管に (S,S)−2−メチ
ル−Xylskewphos (581mg,1.03mmol)、アクロス社製Ru
(シクロオクタ−1,5−ジエン)(メチルアリル)(328m
g,1.03mmol)を仕込んだ。その後、ヘキサン25mlを加
え70℃で5時間攪拌した。不溶物をガラスフィルターで
濾過し、溶媒留去後、精製せずに次の反応に用いた。 (2)RuBr [(S,S) −3−メチル−Xylskewphos]の調
製 Ru [(S,S)−3−メチル−Xylskewphos](メチルアリル)
(723mg、0.929mmol)をアセトン65mlに溶解し、0.2M-H
Brメタノール溶液(9.3ml、1.86mmol)を加え、脱気
を行い室温で1時間攪拌した。溶媒留去後、精製せずに
次の反応に用いた。 (3)RuBr2[(S,S)−3−メチル−Xylskewphos][(S)−da
ipen]の調製 RuBr [(S,S) −3−メチル−Xylskewphos](379mg、0.
458mmol)に(S)−DAIPEN(144mg,0.458mmol)を仕込
み、アルゴン置換した。次いで、ジメチルホルムアミド
(19ml)を加え、脱気を行い室温で一晩攪拌した。反応
液をシリカゲルを詰めたガラスフィルターを通して濾過
後、溶媒留去した。塩化メチレン/イソプロピルエーテ
ルから再結晶し330mg(63%)を得た。31 P−NMRスペクトル(C6D6):major:δ67.45(d,J=49
Hz),53.92(d,J=49Hz) minor: 66.85(d,J=49Hz),51.96(d,J=49Hz)
【0058】〔応用例1〕RuBr2[(S,S)−3−メチル−Xyl
skewphos][(S)−daipen](2.3mg,0.002mmol)を100m
lのガラス製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換
後、アセトフェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH
3)3/イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を
添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込
み反応を開始した。反応液を19時間攪拌後、反応圧力を
常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生
成物であるフェネチルアルコールの定量と光学純度を求
めた。反応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%
以上であった。また、得られたフェネチルアルコール
は、(R)−体が94.4%eeで生成していた。
【0059】〔比較例1〕応用例1と同様にRuBr2[(S,S)
−3−メチル−Xylskewphos][(S)−daipen]の代わりにRu
Cl2[(R)−binap][(R)−daipen]を触媒に用いて、アセト
フェノンの水素化を行い、生成物であるフェネチルアル
コールを得た。生成物の収率は99%以上で、(R)−体
が85.0%eeで生成していた。
【0060】〔比較例2〕応用例1と同様にRuBr2[(S,S)
−3−メチル−Xylskewphos][(S)−daipen]の代わりにRu
Br2[(S,S)−3−メチル−Xylskewphos][(R)−daipen]を
触媒に用いて、アセトフェノンの水素化を行い、生成物
であるフェネチルアルコールを得た。生成物の収率は99
%以上で、(R)−体が92.1%eeで生成していた。
【0061】〔応用例2〕RuBr2[(S,S)−3−メチル−Xyl
skewphos][(S)−daipen](2.3mg,0.002mmol)を100m
lのガラス製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換
後、プロピオフェノン(2.7ml,20mmol)、0.01M KOC
(CH3)3/イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmo
l)を添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧ま
で仕込み反応を開始した。反応液を19時間攪拌後、反応
圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーに
より生成物である1−フェニル−1−プロパノールの定
量と光学純度を求めた。反応基質はすべて消費され、生
成物の収率は99%以上であった。また、得られたフェネ
チルアルコールは、(R)−体が95.7%eeで生成してい
た。
【0062】〔比較例3〕応用例2と同様にRuBr2[(S,S)
−3−メチル−Xylskewphos][(S)−daipen]の代わりにRu
Cl2[(R)−binap][(R)−daipen]を触媒に用いて、プロピ
オフェノンの水素化を行い、生成物である1−フェニル
−1−プロパノールを得た。生成物の収率は99%以上
で、(R)−体が91.5%eeで生成していた。
【0063】〔比較例4〕応用例2と同様にRuBr2[(S,S)
−3−メチル−Xylskewphos][(S)−daipen]の代わりにRu
Br2[(S,S)−3−メチル−Xylskewphos][(R)−daipen]を
触媒に用いて、プロピオフェノンの水素化を行い、生成
物である1−フェニル−1−プロパノールを得た。生成
物の収率は99%以上で、(R)−体が92.6%eeで生成し
ていた。
【0064】〔実施例2〕 (R,R)−1,3−ジフェニル
−1,3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プロパン
(16)の合成 (1)(S,S)−1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジメ
シレート(10)の合成 100mlのシュレンク管に、(R,R)−1,3−ジフェニル−
1,3−プロパンジオール(1.0g,4.38mmol)を仕込
み、アルゴン置換した。そこに、ピリジン(1.53ml,1
0.95mmol)およびテトラヒドロフラン33mlを仕込んだ。
そこに、メシルクロライド(1.53ml,8.76mmol)を0℃
でゆっくり滴下し、同温で一晩攪拌した。ピリジンの塩
酸塩をガラスフィルターで濾過し、溶媒留去し、(S,S)
−1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジメシレート1.68
gを得た。その収率は、100%であった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ7.40(m,10H),5.69
(dd,2H),2.76(s,6H),2.53(t,2H)
【0065】(2)(R,R)−1,3−ジフェニル−1,3
−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プロパンボラン
(13)の合成 アルゴン置換した100mlシュレンク管に、ジ-3,5-キシリ
ルホスフィンボラン(1.11g,4.34mmol)を仕込み、テ
トラヒドロフラン5mlに溶解した。これに、n−ブチルリ
チウム(2.7ml,4.34mmol)を−78℃で滴下し、同温で1
5分攪拌後、室温で20分攪拌した。次いで、(S,S)−1,3
−ジフェニル−1,3−プロパンジメシレート(697mg,
1.81mmol)のジメチルホルムアルデヒド7ml溶液を−40
℃で滴下し、室温で一晩攪拌した。反応液にジエチルエ
ーテル40mlを加え、10%塩酸水25mlを氷冷下で加え反
応を停止後、水(40ml×3)および飽和食塩水40mlで洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、粗(R,R)−1,3−ジ
フェニル−1,3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プ
ロパンボランを得た。シリカゲルカラムにより、(R,R)
−1,3−ジフェニル−1,3−ビス(3,5−キシリルホス
フィノ)プロパンボラン674mgを得た。その収率は、53
%であった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ6.58−7.24(m,22
H),3.24(m,2H),2.41(m,2H),2.34(m,12
H),2.06(m,12H),0.3-1.3(br,6H)31 P−NMRスペクトル(CDCl3):δ24.13(s)
【0066】(3)(R,R)−1,3−ジフェニル−1,3−
ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プロパン(16)の合
成 アルゴン置換した100mlシュレンク管に、(R,R)−1,3−
ジフェニル−1,3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)
プロパンボラン(668mg,0.948mmol)を仕込み、塩化メ
チレン10mlに溶解し、凍結脱気した。これに、テトラフ
ルオロボロン酸ジメチルエーテル錯体(1.2ml,9.48mmo
l)を−5℃で滴下し、同温で15分攪拌後、室温で一晩攪
拌した。反応液にジエチルエーテル18mlを加え、飽和炭
酸水素ナトリウム水36mlを氷冷下で加え反応を停止後、
水(28 ml×2)および飽和食塩水28mlで洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥して、粗(R,R)−1,3−ジフェニル−1,
3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プロパン531mgを
得た。その収率は、96%であった。1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ6.19−7.36(m,22
H),3.48(q,2H),2.33(s,12H),2.13(m,2
H),1.97(s,12H)31 P−NMRスペクトル(CDCl3):δ1.85(s)
【0067】〔使用例2〕 RuBr2[(R,R)−1,3−ジフェ
ニル−1,3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プロパ
ン][(S)−daipen]の調製 (1)Ru [(R,R)−1,3−ジフェニル−1,3−ビス(3,
5−キシリルホスフィノ)プロパン](メチルアリル)
調製 アルゴン置換した100mlシュレンク管に (R,R)−1,3−
ジフェニル−1,3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)
プロパン(531mg,0.784mmol)、アクロス社製Ru(シクロ
オクタ−1,5−ジエン)(メチルアリル)(251mg,0.784
mmol)を仕込んだ。その後、ヘキサン6mlを加え70℃で
5時間攪拌した。不溶物をガラスフィルターで濾過し、
溶媒留去後、精製せずに次の反応に用いた。 (2)RuBr [(R,R)−1,3−ジフェニル−1,3−ビス
(3,5−キシリルホスフィノ)プロパン]の調製 Ru [(R,R)−1,3−ジフェニル−1,3−ビス(3,5−キ
シリルホスフィノ)プロパン](メチルアリル)(696m
g、0.784mmol)をアセトン54mlに溶解し、0.2M-HBrメ
タノール溶液(7.84ml、1.568mmol)を加え、脱気を行
い室温で1時間攪拌した。溶媒留去後、精製せずに次の
反応に用いた。 (3)RuBr2[(R,R)−1,3−ジフェニル−1,3−ビス
(3,5−キシリルホスフィノ)プロパン][(S)−daipen]
の調製 RuBr [(R,R)−1,3−ジフェニル−1,3−ビス(3,5
−キシリルホスフィノ)プロパン](735mg、0.784mmo
l)に(S)−DAIPEN(254mg,0.784mmol)を仕込み、アル
ゴン置換した。次いで、ジメチルホルムアミド(30ml)
を加え、脱気を行い室温で一晩攪拌した。反応液をシリ
カゲルを詰めたガラスフィルターを通して濾過後、溶媒
留去した。塩化メチレン/イソプロピルエーテルから再
結晶し777mg(79%)を得た。31 P−NMRスペクトル(C6D6):major:δ69.46(d,J=49
Hz),66.22(d,J=49Hz) minor: δ69.05(d,J=49Hz),67.54(d,J=49Hz)
【0068】〔応用例3〕RuBr2[(R,R)−1,3−ジフェニ
ル−1,3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プロパ
ン][(S)−daipen](2.5mg,0.002mmol)を100mlのガ
ラス製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、プロ
ピオフェノン(2.7ml,20mmol)、0.01MKOC(CH3)3/イ
ソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加
し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反
応を開始した。反応液を24時間攪拌後、反応圧力を常圧
に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物
である1−フェニル−1−プロパノールの定量と光学純
度を求めた。反応基質はすべて消費され、生成物の収率
は99%以上であった。また、得られたフェネチルアルコ
ールは、(R)−体が81.6%eeで生成していた。
【0069】
【発明の効果】本発明の新規ジホスフィン化合物は、不
斉合成用触媒の配位子として優れたものであり、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウムなどの遷移金属との錯体
は、種々の不斉合成用触媒として優れた触媒活性を有
し、これを用いることによって光学純度の高い光学活性
体を製造することができる。また、本発明の新規ジホス
フィン化合物の製法を用いることによって、本発明の新
規ジホスフィン化合物を効率的かつ安価に製造すること
ができる。したがって、本発明は、関連する産業分野、
すなわち医薬品等の製造業の発展に寄与するところ大で
あると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 岳 埼玉県草加市稲荷1−7−1 関東化学株 式会社中央研究所内 (72)発明者 碇屋 隆雄 東京都北区田端4−5−5−602 Fターム(参考) 4H050 AA01 AA02 AB40 AB84 AC90 WA13 WA26 WA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (R1およびR2は互いに同一または異なっていてもよい置
    換基を有してもよい鎖状または環状の炭素数1から20の
    炭化水素基であり、R3およびR4は互いに同一または異な
    っていてもよい水素または炭素数1から3の炭化水素基で
    あり、R5、R6、R7およびR8は互いに同一または異なって
    いてもよい、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭
    化水素基を示す。ただし、R1およびR2がメチル基であ
    り、R3およびR 4が水素である場合、R5、R6、R7およびR8
    はフェニル基、4−トリル基、および3,5−キシリル基
    からなる群から選択される基のいずれでもなく、ならび
    にR1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4が水素で
    ある場合、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェ
    ニル基ではない。)で表される光学活性ジホスフィン化
    合物。
  2. 【請求項2】 R1およびR2がメチル基であり、R3が水素
    であり、R4がメチル基であり、R5、R6、R7およびR8が互
    いに同一で、かつ、フェニル基、4−トリル基、および
    3,5−キシリル基からなる群から選択される、請求項1
    に記載の光学活性ジホスフィン化合物。
  3. 【請求項3】 R1およびR2がフェニル基であり、R3およ
    びR4が水素であり、R5、R6、R7およびR8が同一で、か
    つ、4−トリル基、および3,5−キシリル基からなる群
    から選択される、請求項1に記載の光学活性ジホスフィ
    ン化合物。
  4. 【請求項4】 R1およびR2がフェニル基であり、R3が水
    素であり、R4がメチル基であり、R5、R6、R7およびR8
    互いに同一であり、かつ、フェニル基、4−トリル基、
    または3,5−キシリル基からなる群から選択される基で
    ある、請求項1に記載の光学活性ジホスフィン化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化2】 (R1およびR2は互いに同一または異なっていてもよい置
    換基を有してもよい鎖状または環状の炭素数1から20の
    炭化水素基であり、R3およびR4は互いに同一または異な
    っていてもよい水素または炭素数1から3の炭化水素基で
    あり、R5、R6、R7およびR8は互いに同一または異なって
    いてもよい、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭
    化水素基を示す。ただし、R1およびR2がメチル基であ
    り、R3およびR 4が水素である場合、R5、R6、R7およびR8
    はフェニル基、4−トリル基、および3,5−キシリル基
    からなる群から選択される基のいずれでもなく、ならび
    にR1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4が水素で
    ある場合、R5、R6、R7およびR8の全てがフェニル基では
    ない。)で表される光学活性ジホスフィン化合物を製造
    するための方法であって、ジアリールホスファイトとジ
    メチルスルフィドボランとを反応させて、ジアリールホ
    スフィンボランを得る工程を含むことを特徴とする、前
    記方法。
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