JP2003205023A - 消臭抗菌剤 - Google Patents

消臭抗菌剤

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JP2003205023A
JP2003205023A JP2002004199A JP2002004199A JP2003205023A JP 2003205023 A JP2003205023 A JP 2003205023A JP 2002004199 A JP2002004199 A JP 2002004199A JP 2002004199 A JP2002004199 A JP 2002004199A JP 2003205023 A JP2003205023 A JP 2003205023A
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deodorant
copolymer
antibacterial agent
deodorant antibacterial
weight
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Toru Okada
徹 岡田
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OKADA GIKEN KK
TAIMU KK
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OKADA GIKEN KK
TAIMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 身体にふれても違和感なく使用でき、特にお
しめなどの身の回りの消臭に有効な消臭抗菌剤を得る。 【解決手段】下式(1)及び(2)の構造単位: 【化1】 (式中、Rは水素またはメチル基であり、Rは低級
アルキル、低級アルコキシ、またはビニル基である。)
を有する重量平均分子量10,000〜1,000,000の共重合体
と、金属化合物とを溶媒の存在下又は非存在下に反応さ
せて得られた反応生成物を有効成分としてなる消臭抗菌
剤。さらにはグルコン酸銅、脂肪酸金属塩、無機金属化
合物、カルボニル化合物とを配合してより効果的な消臭
抗菌剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は消臭剤に関し、さらに詳しく
は、汚物や体臭、室内臭など日常生活に身近な臭気の除
去に有効な新規消臭剤に関する。本発明の消臭剤は抗菌
作用も有する。
【0002】近年、生活水準の向上に伴い、環境衛生面
の関心が高くなっており、防臭、消臭が大きな課題とな
っている。悪臭成分を低減する方法としては、強力な芳
香剤により臭気をマスキングする方法をはじめとして、
活性炭、アルミナ、ゼオライト等の多孔質吸着剤による
吸着などの物理的方法、触媒燃焼法、オゾンによる酸化
法、化学薬品を用いた中和法などの化学的方法、あるい
はバクテリアによる分解などの生物化学的方法等が知ら
れている。
【0003】現在、日常生活に用いられる消臭剤として
は、噴霧による液状消臭剤、ゲル状、粒状で室内に設置
して用いられる消臭剤などがある。しかしながら、最も
多用されている水溶性の液状消臭剤は周囲を濡らした
り、衣類にシミをつけるため、皮膚や衣類に触れる人工
肛門用或いはおしめなどの介護用品用などとしては好ま
しくない。また、シート状態に消臭剤を含浸させたもの
や活性炭シートはいずれもベトつき感があり、特に活性
炭シートはアンモニア臭に対する効果がない。
【0004】このように従来の消臭剤はいずれも満足の
ゆく性能を有するものではない。また、日常生活で実際
に問題となる身近な悪臭は、酸性臭気および塩基性臭気
など種々の成分からなり、これらいずれの悪臭成分に対
しても有効な消臭剤が求められている。かかる観点から
本発明者は先に特定の無水マレイン酸系の共重合体を用
い、またさらには脂肪酸金属塩、無機金属化合物を組み
合わせた消臭剤について提案した(特開2000-225180、特
願2000-142705)。
【0005】
【発明の目的及び概要】本発明の目的は、常温において
固体で身体に触れてもベトつきや汚染がなく違和感なし
に使用でき、しかも優れた消臭能力を有する消臭剤、特
におしめ、生理用品など身辺の消臭に有効な消臭組成物
を提供することにある。本発明者は、このような課題を
解決すべく種々検討を重ねた結果、銅や亜鉛をその構造
単位に含むマレイン酸系の共重合体を用い、またさらに
グルコン酸金属塩、脂肪酸金属塩、無機金属化合物を組
み合わせることにより一層優れた消臭効果が得られると
の知見を得て本発明を完成した。
【0006】本発明は、下式(1)〜(4)の構造単位:
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】 (式中、Rは水素またはメチル基、Rは低級アルキ
ル、低級アルコキシまたはビニル基であり、Mは金属を
意味する。)を有する共重合体を有効成分としてなる消
臭抗菌剤を提供するものである。また、本発明の消臭抗
菌剤は、下式(1)及び(2)の構造単位:
【0009】
【化6】 (式中、Rは水素またはメチル基であり、Rは低級
アルキル、低級アルコキシ、またはビニル基である。)
を有する重量平均分子量10,000〜1,000,000の共重合体
と、金属化合物とを溶媒の存在下又は非存在下に反応さ
せて得られた反応生成物を有効成分と消臭抗菌剤であ
る。
【0010】かかる消臭抗菌剤剤の有効成分である前記
α・オレフィン−無水マレイン酸誘導体の原料となる共
重合体の代表的なものとしては、メチルビニルエーテル
−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体などが挙げられる。これら共重合体の無水
マレイン酸単位には、前記式(3)のごとく銅、亜鉛など
の金属が結合している。本発明の消臭抗菌剤には、かか
る共重合体にグルコン酸銅、グルコン酸亜鉛などのグル
コン酸金属塩を配合するのが好ましい。さらに、脂肪酸
金属塩及び/又は無機金属化合物を配合、あるいはさら
にカルボニル化合物を配合してもよい。
【0011】
【発明の詳細な開示】(a)α・オレフィン−無水マレイ
ン酸共重合体 本発明で用いられるα・オレフィン−無水マレイン酸系
の共重合体は、下記構造単位:
【0012】
【化7】 (式中、R及びRは前記に同じ。)を有する重量平
均分子量10,000〜1,000,000の無水マレイン酸系共重合
体である。これらのうち、特に下記構造単位:
【0013】
【化8】 を有するメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合
体(分子量10,000〜1,000,000)、あるいは、
【0014】
【化9】 を有するイソブチレン−無水マレイン酸共重合体(分子
量10,000〜300,000)が好ましい。これらの共重合体は固
形であり、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重
合体の代表的なものとしては、メチルビニルエーテルと
無水マレイン酸との交互共重合体で、例えばVEMAの
製品名にてダイセル化学工業(株)より市販されている種
々の分子量の製品などが挙げられる。また、前記イソブ
チレン−無水マレイン酸共重合体の代表的なものとして
は、イソブチレンと無水マレイン酸との交互共重合体
で、例えばイソバンの製品名で(株)クラレにより市販さ
れている種々の分子量の製品などが挙げられる。
【0015】これらのα・オレフィン−無水マレイン酸
系共重合体の無水マレイン酸構造単位に、金属を反応さ
せて本発明の消臭剤の主要成分である共重合体を製造す
るには、前記のα・オレフィン−無水マレイン酸共重合
体と、金属化合物、好ましくは金属酸化物(例えば、酸
化銅、酸化亜鉛)を、水などの溶媒中、80〜100℃
にて混合し加熱し前記共重合体の金属誘導体を製造す
る。具体的には反応は90℃にて1〜10時間、好まし
くは2〜7時間で行う。反応温度が95℃の場合、反応
時間は1〜10時間、好ましくは2〜5時間である。共
重合体と金属化合物との反応が進行するに伴い、反応混
合物は白濁から透明に転化し、これと共に反応液のpH
が徐々に上昇して反応完了によりpHは3.3以上とな
る。これに対して、反応温度90℃にて反応時間が40
分以下の反応条件では、反応混合液は透明とならずpH
も凡そ2.7以下であり、安定した消臭性能の優れた消
臭性能を有する消臭剤が得られない。
【0016】また、α・オレフィン−無水マレイン酸系
の共重合体に対する前記金属化合物の使用量は、共重合
体100重量部に対して1〜20重量部であり、好まし
くは2〜15重量部、より好ましくは3〜12重量部で
ある。
【0017】これら金属化合物の使用量が前記の範囲よ
り多いと、得られる共重合体の誘導体が水に不溶となり
不織布などへのコーティングが困難となる。一方、金属
化合物の使用量がこれより少ないと、硫化水素などに対
する反応性が低下し消臭機能に劣る。本発明の消臭抗菌
剤は、カルボン酸基が少なく中性に近く穏和であり、か
つアンモニアやメルカプタンに対する反応性が高い。ま
た、銅や亜鉛などの金属が高分子に結合しているため、
これら金属を混合物として配合した場合に比べて消臭剤
の耐久性に優れる。
【0018】また、前記反応に用いる溶媒としては、
水、エチルアルコールなどが挙げられる。共重合体は金
属化合物との反応後、そのまま、あるいは濾過などによ
り精製して消臭抗菌剤として使用することができる。
【0019】なお、前記高分子共重合体それ自体は従来
から公知であるが、その金属誘導体が種々の悪臭成分に
対して優れた消臭作用や抗菌作用を有すること及びこれ
らを有効成分とする消臭剤、抗菌剤についてはこれまで
報告されていない。
【0020】(b)グルコン酸金属塩 グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛などのグルコン酸金属塩
は、いずれも市販のものを用いることができる。これら
グルコン酸金属塩の配合量は、前記共重合体の金属誘導
体100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは
2〜15重量部である。
【0021】(c)脂肪酸金属塩 本願の他の発明では、前記共重合体と組み合わせて脂肪
酸金属塩を用いてもよい。このような脂肪酸金属塩とし
ては、炭素数1〜30の飽和又は不飽和の脂肪酸金属塩
が用いられる。脂肪酸金属塩としては、酢酸、プロピオ
ン酸、ウンデシレン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸な
どの飽和脂肪酸;あるいはオレイン酸、ソルビン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキドン酸な
どの不飽和カルボン酸の金属塩などが好ましい。本発明
ではこれら脂肪酸と、2価または3価の金属との金属塩
が用いられ、例えば亜鉛、銅、鉄、モリブデン、コバル
ト、アルミニウム、チタン、マンガン、ニッケル、銀な
どの金属塩が挙げられる。これらのうち、特に亜鉛塩、
アルミニウム塩が好ましい。
【0022】かかる脂肪酸金属塩の配合量は、共重合体
100重量部に対して、1〜120重量部、好ましくは
2〜50重量部である。
【0023】(d)無機金属化合物 また、本願発明では前記脂肪酸金属に替えて、又はこれ
と併用して無機金属化合物を前記共重合体に組合せても
よい。かかる無機金属化合物としては、カルシウム、マ
グネシウム、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、チタンなど
の金属の酸化物、水酸化物、無機金属塩などが挙げられ
る。したがって、酸化物としては、例えば、CaO、MgO、
AlO、ZnO、CuO、CuO、FeO、FeO、TiO;水
酸化物としては例えばCa(OH)などが挙げられる。無機
金属塩としては前記金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩など
が挙げられる。これらのうち、好ましいものとしては具
体的には硫酸第一鉄、水酸化鉄、水酸化亜鉛、水酸化チ
タン、水酸化亜鉛、水酸化チタン、硫酸銅、硝酸銅、水
酸化銅、チタン酸などが挙げられる。
【0024】かかる無機金属化合物の配合量は、前記共
重合体100重量部に対して、1〜200重量部、好ま
しくは2〜100重量部である。
【0025】(e)カルボニル化合物 本願のさらに他の発明では前記共重合体と組み合わせて
ケトカルボン酸、アルデヒド酸などのカルボニル化合物
を用いてもよい。かかるカルボニル化合物としては、グ
リセリンアルデヒド、ピルビン酸、レブリン酸、アルデ
ヒドノナン酸、グリオキシル酸、アルデヒド酸などが挙
げられる。これら化合物の配合量は、共重合体100重
量部に対して、1〜200重量部、好ましくは5〜80
重量部である。
【0026】なお、おしめ等の悪臭の原因はアミン系化
合物と、メルカプタン、硫化水素などのイオウ系化合物
との混合物である。身体周辺の主たる悪臭原因をなすア
ミン系化合物(アミン類やその分解物であるアンモニア
など)に対しては、α・オレフィン−無水マレイン酸重
合体それ自体でも優れた消臭効果が得られるが、メルカ
プタン、硫化水素等のイオウ系化合物が共存する場合
は、本発明のα・オレフィン−マレイン酸金属塩共重合
体によりはじめて有効な消臭を行うことができる。
【0027】また、グルコン酸銅などグルコン酸金属塩
は、硫化水素、メルカプタンなどのイオウ系の悪臭及び
アンモニアなどの窒素系悪臭の消臭能力を向上させるだ
けでなく、消臭剤の水溶性向上に寄与する。
【0028】さらに、イオウ系化合物が高濃度の場合に
は脂肪酸金属塩、無機金属化合物、カルボニル化合物を
併用するのが好ましく、これらを前記共重合体の誘導体
と共に用いることにより窒素系及びイオウ系の両方の臭
気を確実に除去することができる。
【0029】本発明の消臭抗菌剤組成物の製造にあた
り、消臭成分である共重合体、さらにはグルコン酸銅、
脂肪酸金属塩、無機金属化合物、カルボニル化合物など
の混合に用いる溶媒としては、これらを溶解するもので
あれば特に限定されず、例えばジメチルホルムアミド、
ジメチルスルフオキサイド、水などが挙げられる。これ
ら溶媒の使用量は、消臭成分1重量部に対して2〜50
重量部が好ましい。
【0030】本発明の消臭抗菌剤には、風合いや外観の
調整、あるいはシート状や糸状の成形物からなる基材へ
の付着、塗布のために、さらに種々の接着性の素材を配
合してもよい。このような素材として適宜の高分子化合
物を用いることができ、例えば、酢酸ビニル−アクリル
系共重合体、ポリビニルアルコール、ウレタン系樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセル
ロースなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、混合して用いてもよい。これら接着剤の配合量は消
臭成分100重量部に対して10〜200重量部が好ま
しい。
【0031】前記消臭抗菌剤は、実際の使用にあたって
は種々の形状の基材上に層状に塗布したり、あるいは含
浸させて消臭抗菌剤の表面積を増大させ消臭作用の向上
をはかった消臭抗菌材料とし、おしめ、生理用品などに
用いることができる。かかる基材としては、不織布(コ
ットン、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエステル、アクリル繊維製)、織布、糸、モノフィラ
メントなどの繊維状物、粒状物、紙又はゼオライト、セ
ピオライト、ケイソウ土、活性炭等の多孔質物質などが
単独で、または併用され、特にコットン製不織布は吸湿
性もよく好適である。なお、紙状のものでは多孔質物質
とパルプとを併用したものが好ましい。
【0032】前記消臭抗菌材料において本発明消臭剤の
使用量は、基材100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは10〜20重量部である。これら基材に
塗布あるいは含浸する前記消臭抗菌剤の使用量は、面積
比で表せばシート状の場合には0.1〜100g/m
程度である。また、糸状、粒状(粉状)の場合は、基材に
対して0.1〜50重量%程度である。
【0033】また、この消臭組成物を不織布や紙に漉き
込んでもよい。不織布、紙に対する消臭成分の混合割合
は、これら100重量部に対し消臭剤0.1〜50重量
部、好ましくは1〜20重量部である。これより少ない
と消臭効果が得られず、多いと不織布、紙の製造が困難
である。
【0034】紙の素材はパルプを原料とするものが好ま
しく、紙全体中、パルプ又はリンターの占める割合は5
0〜99重量%である。不織布としてはパルプ・コット
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、レーヨ
ンなどを用いるのが好ましく、パルプ、コットンを少な
くとも30重量%を用いたものが好ましい。このように
して、従来の液状消臭剤のように布団などをぬらすこと
なく快適に臭いを除去できる。
【0035】本発明の消臭抗菌組成物の他の形態して
は、種々の高分子化合物に分散、混合したり、あるいは
ベースポリマーとの相溶によりポリマーブレンドとし、
シート、フィルムなどに成形してもよい。
【0036】例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのオレフィン系ポリマー100重量部に対して重量で
0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜6重量部を配
合して、公知の方法により成形を行いフィルムとするの
がよい。消臭組成物の配合量が、これより少ないと目的
とする消臭効果が得られず、一方、これより多いと樹脂
が相互に溶解せずフィルム化が困難である。このような
フィルムからなる袋にゴミ、汚物などを入れて密封する
と、内容物から臭気原因物質がフィルムを透過する際
に、フィルム中の消臭剤により吸収分解され外部への悪
臭の放出がない。このようなフィルムは特にゴミ袋、汚
物入れ、使用後のおしめの防臭袋、魚などの生ものを入
れる袋などに有用である。
【0037】(製造法)本発明の消臭剤を製造するに
は、前記のとおり式(1)及び(2)の構造単位を有する共
重合体と、酸化銅、酸化亜鉛などの金属化合物とを溶媒
中にて混合し加熱して共重合体の金属誘導体を製造す
る。反応の進行に伴い白濁の反応液は透明に変化し、p
Hが上昇する。反応終了後、溶媒を加えて濃度調整を行
い、所望によりさらにグルコン酸金属塩、脂肪酸金属
塩、無機金属化合物などを加えて加熱溶解して消臭剤と
してもよい。
【0038】つぎに、必要に応じて酢酸ビニル−アクリ
ル系共重合体エマルジョンなどの接着剤を加え、均一に
混合して、消臭剤組成物の溶液を得る。この溶液をシー
ト状、糸状などの形状の基材に含浸させたり、塗布した
後、加熱、乾燥して消臭剤を得る。
【0039】
【実施例】つぎに本発明を実施例にもとづき、さらに具
体的に説明する。
【0040】[製造例1] (共重合体反応物A:メチルビニルエーテル−マレイン
酸銅の製造)メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体(VEMA:ダイセル化学工業(株)製)3g及び酸
化銅0.3gを水96.7gに分散し、攪拌しながら95
℃まで昇温した(pH2.6)。さらに5時間攪拌を続け
ると、反応液が青色を帯びた透明液となった(この時点
で無水マレイン酸構造単位は、銅と反応:pH3.5)。
つぎに、反応混合液を冷却し水を加えて全体を100g
とした(共重合体反応物A)。
【0041】[製造例2] (共重合体反応物B:イソブチレン−マレイン酸銅の製
造)イソブチレン−無水マレイン酸共重合体(イソバン:
(株)クラレ製)3g、酸化銅0.3g及び苛性ソーダ0.
1gを水96.6gに分散し、攪拌しながら95℃まで
昇温した(pH2.9)。さらに5時間攪拌を続けると、
反応液が青色を帯びた透明液となった(この時点で無水
マレイン酸構造単位は、銅と反応:pH3.7)。つぎ
に、反応混合液を冷却し水を加えて全体を100gとし
た(共重合体反応物B)。
【0042】[実施例1]抄紙装置に、水10Lに対
し、製造例1にて得られた共重合体反応物Aの3g及び
パルプ40g、糸状ポリプロピレン6gを加えて抄紙し
不織布状の試料を得た。これを乾燥して50g/m
不織布を得た。
【0043】(消臭テスト)実施例1にて得られた不織布
(10×10cm)をテフロン(登録商標)製の袋(容量5
L)に入れた。これにアンモニア(500ppm)5L及び硫
化水素(100ppm)5Lを封入した。ついで、この容器
内の気体の濃度変化を経時的に測定した。結果を表1に
示す。
【0044】[実施例2〜5]表1に示す共重合体反応
物A、B及び各原料成分を用いた以外は、実施例1と同
様にして、抄紙装置を用いて不織布を製造した。さら
に、同様にして消臭テストを行った結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】[実施例6]メチルビニルエーテル−マレ
イン酸共重合物3g及び、酸化銅0.25gを水50g
に分散し、攪拌しながら加熱して95℃まで昇温した
(pH2.7)。さらに5時間攪拌を続けると、青色を帯
びた透明液が得られた(この時点で共重合体と酸化銅が
反応:pH3.3)。つぎに、反応混合液を冷却し水を加
えて全体を100gとした。
【0047】この液をちり紙(10×10cm)に噴霧し
て含浸させた(付着量:1ml)。このちり紙を80℃に
て1時間乾燥させて消臭紙を得た。実施例1と同様にし
て消臭テストを行った結果を表2に示す。
【0048】[実施例7〜9]表2の原料(成分i)を用
いた以外は、実施例6と同様にして消臭抗菌剤を製造
し、これに(成分ii)を加えた。得られた消臭抗菌剤を前
記と同様にちり紙に噴霧して消臭紙を得た。同様にして
消臭テストを行った結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】[実施例10]メチルビニルエーテル−マ
レイン酸共重合物3g及び、酸化銅0.25gを水50
gに分散し、攪拌しながら加熱して95℃まで昇温し
た。この混合液は不透明であった(pH2.6〜2.7)。
さらに5時間攪拌を続けると、青色を帯びた透明液が得
られた(pH3.3)。つぎに、反応混合液を冷却し水を
加えて全体を100gとした。この液を用いて前記と同
様にして消臭紙を得て消臭テストを行った結果を表3に
示す。
【0051】[比較例1]反応時間を30分とした以外
は実施例10と同様にして消臭紙を得た。95℃にて3
0分間攪拌を続けたが、反応液は不透明のままであった
(pH2.7)。つぎに、反応混合液を冷却し水を加えて
全体を100gとした。この液を用いて前記と同様にし
て消臭紙を得て消臭テストを行った結果を表3に示す。
【0052】[実施例11]実施例10において、酸化
銅を酸化亜鉛に替えた以外は同様にして反応を行った。
すなわち、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合物
3g及び、酸化亜鉛0.25gを水50gに分散し、攪
拌しながら加熱して95℃まで昇温した。この混合液は
不透明であった(pH2.6〜2.7)。さらに3時間攪拌
を続けると、青色を帯びた透明液が得られた(pH3.
4)。つぎに、反応混合液を冷却し水を加えて全体を1
00gとした。この液を用いて前記と同様にして消臭紙
を得て消臭テストを行った結果を表3に示す。
【0053】[比較例2]反応時間を30分とした以外
は実施例11と同様にして消臭紙を得た。95℃にて3
0分間攪拌を続けたが、反応液は不透明のままであった
(pH2.7)。つぎに、反応混合液を冷却し水を加えて
全体を100gとした。この液を用いて前記と同様にし
て消臭紙を得て消臭テストを行った結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】本発明の消臭剤では、金属が共重合体に結
合しており、アンモニア系、やイオウ系悪臭のいずれに
対しても優れた効果を有するだけでなく、そのpHが中
性に近く、皮膚に対する刺激も少なく安全性が高い。α
・オレフィン−無水マレイン酸共重合体及び金属塩の混
合物からなる消臭剤では、水など溶媒中にて分散状態で
懸濁している。このため、消臭剤の実際の使用にあた
り、不織布への消臭剤混合液の噴霧、コーティングが不
均一となり、得られた製品の消臭効果にばらつきが多
く、安定した消臭効果が得られない。これに対して、本
発明の消臭抗菌剤では、α・オレフィン−無水マレイン
酸共重合体の金属塩が完全に溶解しており、基材への噴
霧やコーティングにあたっても安定した取扱いが可能で
あり、コーティングなども均一に行うことができ優れた
消臭効果が得られる。
【0056】
【発明の効果】本発明の消臭剤は、固体で身体にふれて
もベトついたり汚染を生じたりすることなく違和感なく
使用できる。特におしめ、生理用品など身の回りの悪臭
を快適に吸着することのできる消臭剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 //(C08L 101/00 23:26 23:26) Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 BB05 CC05 CC08 CC13 HH09 JJ04 JJ05 LL02 LL10 MM22 NN14 4F071 AA01 AA15 AA20 AA36 AA78 AF52 BA01 BB06 BC01 4J002 AA011 AA021 BB031 BB121 BB232 GB01 GC00 4J100 AA06P AE03P AK32Q BD16H CA04 CA31 DA01 DA71 HA61 HB36 HE12 JA51 JA60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(1)〜(4)の構造単位: 【化1】 【化2】 (式中、Rは水素またはメチル基、Rは低級アルキ
    ル、低級アルコキシまたはビニル基であり、Mは金属を
    意味する。)を有する共重合体を有効成分としてなる消
    臭抗菌剤。
  2. 【請求項2】 下式(1)及び(2)の構造単位: 【化3】 (式中、Rは水素またはメチル基であり、Rは低級
    アルキル、低級アルコキシ、またはビニル基である。)
    を有する重量平均分子量10,000〜1,000,000の共重合体
    と、金属化合物とを溶媒の存在下又は非存在下に反応さ
    せて得られた反応生成物を有効成分としてなる消臭抗菌
    剤。
  3. 【請求項3】 Rが水素かつRがメトキシ基である
    か、またはR及びRが共にメチル基である請求項1
    又は2の消臭抗菌剤。
  4. 【請求項4】 α・オレフィン−無水マレイン酸共重合
    体と、酸化銅及び/又は酸化亜鉛とを溶媒中にて反応さ
    せて得られた反応生成物を有効成分としてなる請求項2
    の消臭抗菌剤。
  5. 【請求項5】 さらにグルコン酸銅又はグルコン酸亜鉛
    を配合してなる請求項1又は2の消臭抗菌剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの消臭抗菌剤を
    繊維状物、粒状物、紙、不織布、織布又は多孔質物質か
    らなる基材に付着させてなる消臭抗菌材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかの消臭抗菌剤を
    配合してなる消臭用高分子フィルム。
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