JP2003204999A - パワーシリンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動回路の故障時に外部からの手動操作によ
りロッドの進退位置を可変し得るパワーシリンダを提供
する。 【解決手段】 ロッド１０が、回転駆動される歯車機構
に基端部を歯合させることにより進退駆動されるように
なったパワーシリンダ９において、水平アーム３が連結
される歯車ボックス１５がロッド１０に回転自在に取付
けられ、ロッド１０に歯車を形成すると共に、ロッド１
０の歯車に歯合する歯車が形成された操作棒が歯車ボッ
クス１５に回転自在に支持されている。これにより、操
作棒に取り付けられた操作ノブ２５の回転操作により、
ロッド１０が回転させられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロッドが、その基
端部をモータ等で回転駆動の歯車機構に歯合させること
により進退駆動されるようになったパワーシリンダに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のパワーシリンダは、液圧又はエ
アでロッドが進退駆動されるのに代えて、回転運動が歯
車機構を介してロッドの直進運動に変換されるようにな
っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、パワーシ
リンダの動作途中でモータ等の駆動回路部分が故障した
場合、ロッドの進退位置が途中で停止することになり、
駆動回路を修復させないと、歯車機構に歯合したロッド
は、歯車比との関係で手動操作によっては進退位置を可
変することができないのが通常である。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みて、駆動回
路の故障時に外部からの手動操作によりロッドの進退位
置を可変し得る冒頭に述べた類のパワーシリンダを提供
することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、請求項１により、ロッドが、回転駆動さ
れる歯車機構に基端部を歯合させることにより進退駆動
されるようになったパワーシリンダにおいて、被駆動部
が連結される連結部がロッドに回転自在に取付けられ、
ロッドに歯車を形成すると共に、回転操作によりロッド
を回転させるように歯車に歯合する歯車が形成された操
作棒が、連結部に回転自在に支持されたことを特徴とす
る。

【０００６】ロッドは、回転駆動される歯車機構を介し
て進退駆動される。歯車機構の作動が停止した状態で、
操作棒が外部から回転操作されると、被駆動部が連結さ
れる連結部は回転することなく、停止した歯車機構に対
してロッドが回転しつつ操作方向に応じて進退する。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１乃至図３を基に本発明の実施
の形態による電動式パワーシリンダを介護用リフトに適
用した場合について説明する。図１に示すように、台車
１に垂直ポール２が立設され、その上端部に水平アーム
の基部が上下に回動自在に支持されている。パワーシリ
ンダ９の先端部の連結部としての歯車ボックス１５は、
水平アーム３に設けられたラグ３ａにピン３ｂで枢着さ
れている。また、基端部はピン２ｂで垂直ポール２のラ
グ２ａに枢着されることにより、パワーシリンダ９に付
属のコントロールスイッチで自動的に水平アーム３の高
さを可変し得るようになっている。

【０００８】ロッド１０は、駆動部１２に突設されたシ
リンダ部１１に進退可能に支持されると共に、図３Ａに
示すように、その基端部分に形成されたねじ山１０ａ
が、駆動部１２においてモータＭ１で駆動される歯車１
７ａを介して回転駆動されるナット１７に螺合すること
により、進退駆動されるようになっている。また、この
ような歯車機構は、同図Ｂに示すように、モータＭ１で
駆動される台形歯車１８により、台形歯車１９を介して
ロッド１０が進退駆動されるように構成することもでき
る。

【０００９】歯車ボックス１５は、水平アーム３を連結
するピン３ｂが挿通されるホーク状の連結金具２９が突
設されると共に、ロッド１０の先端部にはベアリング２
４を介して回転自在に取付けられている。この歯車ボッ
クスには、その内部に収納されるようにウォームギア２
１が形成された操作棒２２が回転自在に支持されると共
に、基端部には回転操作具としての操作ノブ２５が装着
されている。歯車ボックスの内部では、ウォームギア２
１がロッド１０の先端部に形成されたウォームホイール
ギア２０に歯合している。ウォームホイールギア２０に
対するウォームギア２１の比は、操作棒２２の手動操作
を容易にするように十分大きく設定されている。

【００１０】このように構成された電動式パワーシリン
ダ９の動作は次の通りである。介護者がリモートスイッ
チのオンオフ操作により、モータＭ１を回転させて、ロ
ッド１０の進退により床面を移動可能な水平アーム３を
回動式に昇降させることができる。

【００１１】このような作業中に、例えばモータＭ１が
途中で故障して歯車機構１７、１７ａの作動が停止した
場合、操作ノブ２５を回転操作すると、大きな歯車比に
より、過大な力を要することなく、ロッド１０がその基
端部の歯車部分は不動であることにより回転する。これ
により、ロッド１０は回転しつつ操作ノブ２５の回転方
向に応じて前進又は後退する。その際、歯車ボックス１
５は、ロッド１０に対して回転自在であることより、静
止状態で水平アーム３への連結状態を保持して昇降操作
させる。

【００１２】尚、操作棒２２には、回転操作具として、
図４に示すように、その回転操作を容易にするように、
ノブ２５に代えて、クランク２２ａを装着可能にする角
孔を形成したり、或いは角ボルトを形成して電気ドリル
２２ｂを装着可能にすることもできる。さらに、操作棒
には、場合によりピニオン又は傘歯車を形成して、ロッ
ドに形成した冠歯車又は傘歯車を駆動するように構成す
ることも可能である。

【００１３】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、リフト或いは
電動車椅子等の高さ或いは姿勢調整用に用いたパワーシ
リンダが動作途中で故障した場合に、外部操作によりそ
の動作をそのまま継続できる。請求項２の発明によれ
ば、連結部を利用して歯車部分をカバーすることができ
る。請求項３の発明によれば、ロッド及び操作棒間の歯
車機構が、操作棒をロッドに交差させた状態で歯車比を
大きくして簡単に構成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態による電動式パワーシリン
ダを用いた介護用リフトの斜視図である。

【図２】同パワーシリンダの歯車ボックス内の構造を示
すもので、同図Ａは横断面図、同図Ｂは縦断面図であ
る。

【図３】同パワーシリンダの駆動部分の構成を示す図で
あり、同図Ａはナット式、同図Ｂは台形歯車を用いた場
合である。

【図４】同パワーシリンダの回転操作具を説明する斜視
図である。

【符号の説明】

９ パワーシリンダ １０ ロッド １２ 駆動部 １５ 歯車ボックス ２０ ウォームホイールギア ２１ ウォームギア ２２ 操作棒 ２５ ノブ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロッドが、回転駆動される歯車機構に基
   端部を歯合させることにより進退駆動されるようになっ
   たパワーシリンダにおいて、 被駆動部が連結される連結部がロッドに回転自在に取付
   けられ、 前記ロッドに歯車を形成すると共に、回転操作により前
   記ロッドを回転させるように歯車に歯合する歯車が形成
   された操作棒が、前記連結部に回転自在に支持されたこ
   とを特徴とするパワーシリンダ。
2. 【請求項２】 連結部が歯車ボックスとして構成されて
   ロッド先端部に回転自在に取付けられると共に、前記歯
   車ボックスの内部で前記ロッド先端部に形成された歯車
   に操作棒が歯合していることを特徴とする請求項１記載
   のパワーシリンダ。
3. 【請求項３】 ロッド先端部にウォームホイールギアが
   形成され、操作棒にウォームギアが形成されていること
   を特徴とする請求項１又は請求項２記載のパワーシリン
   ダ。