JP2003201940A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JP2003201940A JP2001401038A JP2001401038A JP2003201940A JP 2003201940 A JP2003201940 A JP 2003201940A JP 2001401038 A JP2001401038 A JP 2001401038A JP 2001401038 A JP2001401038 A JP 2001401038A JP 2003201940 A JP2003201940 A JP 2003201940A
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利成 斉木
Toru Sato
佐藤  亨
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料ポンプの負担を抑えつつも、燃料噴射機構
での燃料の液相状態を好適に維持することのできる内燃
機関の燃料供給装置を提供する。 【解決手段】この燃料供給装置では、燃料タンク31に
貯留された燃料が燃料噴射機構35に圧送供給される。
また、燃料噴射機構35(34,36)の上流側と燃料
タンク31の気相部とがバイパス経路R2により接続さ
れており、バイパス経路R2にはプレッシャレギュレー
タ37が設けられている。また、燃料噴射機構35の下
流部と燃料タンク31の気相部とは還流経路R3により
接続されており、還流経路R3には電磁弁38が設けら
れている。さらに、還流経路R3の電磁弁38の上流側
と下流側とが迂回経路R4により連通されており、迂回
経路R4には絞り機構39が設けられている。そして、
電磁弁38の開閉操作を通じて、燃料噴射機構35に圧
送される燃料の流量が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に燃料を
噴射供給する内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液化石油ガス(LPG)を燃料と
する内燃機関が実用化されているが、その燃料供給装置
としての構成は、ガソリンを燃料とする内燃機関の燃料
供給装置と基本的にほぼ同様である。即ち、燃料タンク
に貯留されている燃料を燃料ポンプによってデリバリパ
イプに圧送し、このデリバリパイプに圧送された燃料を
燃料噴射弁を介して内燃機関の吸気通路等に噴射供給す
る構成となっている。
【0003】ところで、ガソリンを燃料とする内燃機関
の燃料供給装置においては、通常、図10に模式的に示
すフューエルリターン式と呼ばれる燃料の循環方式が採
用されている。
【0004】即ち、この燃料循環方式では、図10に示
されるように、燃料タンク101に貯留された燃料は、
その液相部が燃料ポンプ102により汲み取られ、供給
経路R10を介して燃料噴射機構を構成するデリバリパ
イプ103に圧送される。そして、このデリバリパイプ
103に圧送供給された燃料のうち、同じく燃料噴射機
構を構成する燃料噴射弁104から内燃機関への噴射供
給に使用されなかった燃料は、デリバリパイプ103の
下流部に接続された還流経路R11を介して、燃料タン
ク101に還流される。なお、この還流経路R11に
は、その経路途中にプレッシャレギュレータ105が設
けられており、上記デリバリパイプ103に圧送供給さ
れる燃料の圧力は、このプレッシャレギュレータ105
によって一定の値に調圧されている。
【0005】そして従来、上記液化石油ガスを燃料とす
る内燃機関の燃料供給装置においても、基本的にはこう
した燃料の循環方式が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記液化石
油ガスは通常、加圧され、液相と気相が共存した状態で
燃料タンクに貯留されており、そのうちの液相燃料が燃
料ポンプによって燃料噴射機構へ圧送される。しかし、
内燃機関の始動直後は燃料ポンプによる液化石油ガスの
加圧が不十分であるため、デリバリパイプに設けられた
燃料噴射弁からは、ベーパ(気化燃料)を含んだ燃料が
噴射される場合がある。そして、このように燃料噴射弁
から噴射される燃料にベーパが含まれているにもかかわ
らず、同燃料が液相であるという前提のもとに燃料噴射
が行われると、実際には密度の低い燃料が噴射されるた
めに必要とされる燃料量が確保できず、始動性の悪化を
招くおそれがある。
【0007】ここで、上記フューエルリターン式(図1
0)の燃料循環方式が採用されている燃料供給装置で
は、燃料ポンプ102により加圧された燃料(液化石油
ガス)の全量がデリバリパイプ103へ供給されるた
め、ベーパを含んだ燃料が燃料タンク101に押し出さ
れるかたちとなる。即ち、ベーパを含んだ燃料が内燃機
関に噴射供給される可能性は低い。しかし、燃料ポンプ
102によって、上記プレッシャレギュレータ105の
設定圧力まで燃料圧力を昇圧させるには、そのポンプの
能力によるものの、通常はある程度の時間を要し、少な
くともそれまでの期間は、上述した始動性の悪化も避け
られない。なお、こうした事態に対処すべく、上記燃料
ポンプ102として、より吐出能力の高いものを採用す
ることも考えられるが、この場合には、装置のコスト上
昇、さらには機関への搭載性や消費電力等の問題が新た
に浮上する。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、燃料ポンプの負担を抑えつ
つも、燃料噴射機構での燃料の液相状態を好適に維持す
ることのできる内燃機関の燃料供給装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の発明は、燃料タンク内に貯留された燃料を燃
料ポンプにて燃料噴射機構に圧送し、この圧送した燃料
を同燃料噴射機構を介して内燃機関に噴射供給する内燃
機関の燃料供給装置において、少なくとも前記内燃機関
の始動時、前記燃料噴射機構に圧送される燃料の流量が
同機関の通常運転時に比べて増量されるように燃料経路
の流通態様を制御する流通制御機構を備えることを要旨
としている。
【0010】上記各構成によれば、燃料タンク内に貯留
された燃料が、燃料ポンプにより燃料噴射機構に圧送さ
れ、同燃料噴射機構から内燃機関に噴射供給される。ま
た、少なくとも内燃機関の始動時は、流通制御機構によ
る燃料経路の流通態様の制御を通じて、上記燃料噴射機
構に圧送される燃料の流量が上記内燃機関の通常運転時
に比べて増量される。一般に、液化石油ガスを燃料とす
る内燃機関は、ベーパを含む燃料が噴射供給されること
に起因する機関始動性の悪化等が懸念される。そこで、
上記構成においては、少なくとも機関始動時は、燃料噴
射機構に圧送される燃料を通常運転時よりも増量するよ
うにしている。即ち、燃料噴射機構に滞留している燃料
が同燃料噴射機構から押出される量が増量されるように
している。これにより、ベーパを含む燃料が速やかに燃
料噴射機構からその外部へと流されるようになるため、
内燃機関の始動性の悪化等を好適に回避することができ
るようになる。また、燃料経路の流通態様の制御を通じ
てベーパを含む燃料を速やかに還流させるといった機能
を実現するようにしているため、例えば燃料ポンプとし
て大型のものを採用する等の対策を講じる必要もなくな
り、装置コストの上昇や搭載性の悪化等をまねくといっ
た事態に陥ることも回避されるようになる。なお、機関
始動完了後の通常運転時においても燃料噴射機構に圧送
される燃料を増量させることができ、その場合であって
も、上記機関始動時と同様に、ベーパを含む燃料を速や
かに燃料噴射機構からその外部へと流出させることがで
きる。このため、内燃機関の安定した運転状態を維持す
ることができるようにもなる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記流通制御機構は、
前記燃料噴射機構に圧送される燃料の圧力調圧度合いを
変更することで同燃料噴射機構に圧送される燃料の流量
を制御することを要旨としている。
【0012】上記構成によれば、燃料噴射機構に圧送さ
れる燃料の圧力調圧度合いが流通制御機構により変更さ
れることで、同燃料噴射機構に圧送される燃料の流量が
制御される。一般に、燃料供給装置においては燃料ポン
プにより燃料の圧送が行われるが、燃料の圧力調圧度合
いが高くなると燃料ポンプの前後における圧力差が大き
くなるため、燃料ポンプの仕事量が一定である場合には
同燃料ポンプによる燃料の圧送量、即ち燃料噴射機構に
圧送される燃料の流量が低下するようになる。換言すれ
ば、燃料噴射機構に圧送される燃料の圧力調圧度合いが
小さくされるほど同燃料噴射機構に圧送される燃料の流
量が増量するといえる。従って、上記構成においても、
燃料噴射機構に圧送される燃料の圧力調圧度合いが小さ
くなることに基づいてベーパを含む燃料が速やかに同燃
料噴射機構からその外部へと流出されるようになり、内
燃機関の始動性の悪化等を好適に回避することができる
ようになる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記流通制御機構は、
前記燃料の流通経路の流通抵抗を可変とすることによっ
て前記燃料噴射機構に圧送される燃料の圧力調圧度合い
を変更することを要旨としている。
【0014】上記構成によれば、燃料噴射機構に圧送さ
れる燃料の流通経路の流通抵抗が流通制御機構により可
変とされることで、同燃料噴射機構に圧送される燃料の
圧力調圧度合いが変更される。一般に、燃料ポンプによ
り一定量の燃料の圧送が行われているような場合には、
燃料の流通経路における流通抵抗が大きくなることにと
もなう燃料の流動性の低下により、流通経路における燃
料の密度が高くなり、それに応じて圧力調圧度合いも大
きくなる。換言すれば、燃料噴射機構に圧送される燃料
の流通経路の流通抵抗が小さくされるほど同燃料噴射機
構に圧送される燃料の圧力調圧度合いも小さくなるとい
える。従って、上記構成においても、燃料噴射機構に圧
送される燃料の流通経路の流通抵抗が小さくなることに
基づいてベーパを含む燃料が速やかに同燃料噴射機構か
らその外部へと流出されるようになり、内燃機関の始動
性の悪化等を好適に回避することができるようになる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記燃料を前記燃料噴
射機構を介して前記燃料タンクに還流させるための還流
経路を少なくとも備え、前記流通制御機構は、前記還流
経路の流通抵抗を可変とすることによって前記燃料噴射
機構に圧送される燃料の圧力調圧度合いを変更すること
を要旨としている。
【0016】上記構成によれば、燃料噴射機構に圧送さ
れる燃料を同燃料噴射機構を介して燃料タンクに還流さ
せるための還流経路が少なくとも備えられる。また、こ
の還流経路の流通抵抗が流通制御機構により可変とされ
ることで、上記燃料噴射機構に圧送される燃料の圧力調
圧度合いが変更される。即ち、上記燃料の圧力調圧度合
いは、流通制御機構により還流経路の流通抵抗が小さく
されるほど同圧力調圧度合いも小さくなるといった態様
をもって変更される。従って、上記構成においても、還
流経路の流通抵抗が小さくなることに基づいてベーパを
含む燃料が速やかに同燃料噴射機構から還流経路へと流
出されるようになり、内燃機関の始動性の悪化等を好適
に回避することができるようになる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項4記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記流通制御機構は、
前記還流経路に可変絞り機構を備え、該可変絞り機構の
絞り度合いを変更することによって前記還流経路の流通
抵抗を可変とすることを要旨としている。
【0018】上記構成によれば、流通制御機構は、還流
経路に設けられている可変絞り機構を備えて構成され
る。また、この可変絞り機構の絞り度合いが上記流通制
御機構により変更されることで、上記還流経路の流通抵
抗が可変とされる。即ち、上記還流経路の流通抵抗は、
流通制御機構により絞り度合いが小さくされる(還流経
路の有効径が大きくされる)ほど同流通抵抗も小さくな
るといった態様をもって可変とされる。従って、上記構
成においても、可変絞り機構の絞り度合いが小さくなる
ことに基づいてベーパを含む燃料が速やかに同燃料噴射
機構から還流経路へと流出されるようになり、内燃機関
の始動性の悪化等を好適に回避することができるように
なる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項4または5
記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記流通制御
機構は、前記還流経路に設けられて該還流経路を選択的
に開閉する電磁弁を備え、この電磁弁の開閉操作を通じ
て前記還流経路の流通抵抗を可変とすることを要旨とし
ている。
【0020】上記構成によれば、流通制御機構は、還流
経路に設けられて同還流経路を選択的に開閉する電磁弁
を備えて構成される。また、この電磁弁が開弁あるいは
閉弁されることで上記還流経路の流通抵抗が可変とされ
る。即ち、上記還流経路の流通抵抗は、流通制御機構に
より電磁弁が開弁される場合は同流通抵抗が小さくなる
といった態様をもって可変とされる。従って、上記構成
においても、電磁弁が開弁状態されることに基づいてベ
ーパを含む燃料が速やかに同燃料噴射機構から還流経路
へと流出されるようになり、内燃機関の始動性の悪化等
を好適に回避することができるようになる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項5または6
記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記流通制御
機構は、前記燃料噴射機構の上流の燃料経路に設けられ
て該経路を選択的に開閉する補助電磁弁をさらに備え、
前記内燃機関の停止中、前記補助電磁弁の閉操作と協働
して前記燃料噴射機構の上流及び下流の経路を閉鎖する
ことを要旨としている。
【0022】上記構成によれば、流通制御機構は、燃料
噴射機構の上流の燃料経路に設けられて同経路を選択的
に開閉する補助電磁弁を備えて構成される。また、内燃
機関の停止中は、 ・補助電磁弁を閉弁、且つ可変絞り機構の絞り度合いを
最大(還流経路の有効径を「0」)にする(請求項
5)。 ・補助電磁弁及び電磁弁をともに閉弁する(請求項
6)。 といった操作を通じて、上記燃料噴射機構の上流及び下
流の経路が閉鎖される。従って、内燃機関の停止中にあ
っても、燃料噴射機構内の燃料が機関運転時の加圧状態
に維持されるようになるため、機関停止時に燃料噴射機
構の受熱等に起因する燃料の気化を好適に抑制すること
ができるようになる。そして、こうした機関停止中にお
ける燃料の気化が抑制されることにより、また燃料ポン
プの駆動開始直後における燃料の圧力損失も補償される
ことにより、同機関の始動性を好適に高めることができ
るようになる。
【0023】請求項8記載の発明は、請求項3記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記流通制御機構は、
流通抵抗の異なる複数の燃料経路と、それら燃料経路を
選択的に切り替える切替手段とを備えて構成されること
を要旨としている。
【0024】上記構成によれば、流通制御機構は、流通
抵抗の異なる複数の燃料経路と、それら燃料経路を選択
的に切り替える切替手段とを備えて構成される。そし
て、切替手段により上記複数の燃料経路が切り替えられ
ることで、燃料噴射機構に圧送される燃料の流通経路の
流通抵抗が可変とされる。即ち、上記燃料の流通経路の
流通抵抗は、選択される燃料経路に応じて可変とされ
る。従って、上記構成においても、流通抵抗の小さい燃
料経路が能動とされることに基づいてベーパを含む燃料
が速やかに同燃料噴射機構からその外部へと流出される
ようになり、内燃機関の始動性の悪化等を好適に回避す
ることができるようになる。
【0025】請求項9記載の発明は、請求項8記載の内
燃機関の燃料供給装置において、前記燃料を前記燃料噴
射機構を介して前記燃料タンクに還流させるための還流
経路を少なくとも備え、前記複数の燃料経路は、前記還
流経路を選択的に開閉する電磁弁の設けられた経路とこ
の電磁弁を迂回するように絞り機構もしくはプレッシャ
レギュレータの設けられた迂回経路とからなり、前記切
替手段は、前記電磁弁を開閉することによって前記還流
経路の流通抵抗を可変とすることを要旨としている。
【0026】上記構成によれば、燃料噴射機構に圧送さ
れる燃料を同燃料噴射機構を介して燃料タンクに還流さ
せるための還流経路が少なくとも備えられる。また、流
通抵抗の異なる複数の燃料経路は、上記還流経路を選択
的に開閉する電磁弁の設けられた経路とこの電磁弁を迂
回するように絞り機構もしくはプレッシャレギュレータ
の設けられた迂回経路から構成される。そして、切替手
段による上記電磁弁の開閉操作を通じて上記還流経路の
流通抵抗が可変とされる。即ち、上記還流経路の流通抵
抗は、電磁弁が開弁される場合は小さくなるといった態
様をもって可変とされる。従って、上記構成において
も、電磁弁が開弁されることに基づいてベーパを含む燃
料が速やかに同燃料噴射機構から還流経路へと流出され
るようになり、内燃機関の始動性の悪化等を好適に回避
することができるようになる。また、電磁弁が閉弁され
る場合は、プレッシャレギュレータもしくは絞り機構に
より燃料の加圧状態が維持され燃料の飽和蒸気温度が高
められるため、同燃料が燃焼室等からの熱を受けた場合
であっても、その気化を好適に抑制することができるよ
うになる。
【0027】請求項10記載の発明は、請求項8記載の
内燃機関の燃料供給装置において、前記複数の燃料経路
は、前記燃料を前記燃料噴射機構を介して前記燃料タン
クに還流させるための還流経路と、前記燃料噴射機構に
圧送される燃料を該燃料噴射機構の上流から前記燃料タ
ンクに還流させるためのバイパス経路とからなるととも
に、このバイパス経路には同バイパス経路を流通する燃
料の圧力を調圧するプレッシャレギュレータが設けら
れ、前記切替手段は、前記燃料の流通経路として、前記
還流経路と前記バイパス経路とを選択的に切り替えるこ
とを要旨としている。
【0028】上記構成によれば、流通抵抗の異なる複数
の燃料経路は、燃料噴射機構に圧送される燃料を同燃料
噴射機構を介して燃料タンクに還流させるための還流経
路と、上記燃料を燃料噴射機構の上流から燃料タンクに
還流させるためのバイパス経路とから構成される。ま
た、上記バイパス経路には同バイパス経路を流通する燃
料の圧力を調圧プレッシャレギュレータが設けられてい
る。そして、切替手段により上記還流経路と上記バイパ
ス経路とが選択的に切り替えられることで、上記燃料噴
射機構に圧送される燃料の流通経路の流通抵抗が可変と
される。即ち、上記燃料の流通経路の流通抵抗は、選択
される燃料経路に応じて可変とされる。従って、上記構
成においても、還流経路が能動とされることに基づいて
ベーパを含む燃料が速やかに同燃料噴射機構から還流経
路へと流出されるようになり、内燃機関の始動性の悪化
等を好適に回避することができるようになる。また、さ
らには、従来のフューエルリターン式の燃料循環方式に
おける以下のような懸念を解消することもできるように
なる。即ち、上記燃料循環方式は燃料噴射機構のベーパ
除去には有効であったものの、同燃料噴射機構に供給さ
れた燃料が燃焼室等から熱を受け高温となって燃料タン
クに還流されることに起因する燃料タンク内の温度上昇
が懸念される。この点、上記構成においては、電磁弁を
閉弁することにより、燃料を燃料噴射機構の上流から燃
料タンクに還流させる、即ち燃焼室等からの熱を受ける
燃料を減量することができるようになるため、同燃料タ
ンクの温度上昇の抑制が好適に図られるようになる。
【0029】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記切替手段が、
前記還流経路を選択的に開閉する電磁弁であることを要
旨としている。
【0030】上記構成によれば、切替手段は、還流経路
を選択的に開閉する電磁弁により構成される。また、こ
の電磁弁の開閉操作を通じて上記還流経路と上記バイパ
ス経路とが選択的に切り替えられる。即ち、 ・切替手段により電磁弁が開弁される場合は、上記還流
経路が能動となる。 ・切替手段により電磁弁が閉弁される場合は、上記バイ
パス経路が能動となる。 といった態様をもって上記各経路が選択的に切り替えら
れる。従って、上記構成においても、電磁弁が開弁され
ることに基づいてベーパを含む燃料が速やかに同燃料噴
射機構から還流経路へと流出されるようになり、内燃機
関の始動性の悪化等を好適に回避することができるよう
になる。
【0031】請求項12記載の発明は、請求項10記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記切替手段が、
前記還流経路を選択的に開閉する電磁弁と、この電磁弁
を迂回する迂回経路と、この迂回経路の途中に設けられ
た絞り機構もしくはプレッシャレギュレータとを備えて
構成されることを要旨としている。
【0032】上記構成によれば、切替手段は、還流経路
を選択的に開閉する電磁弁と、この電磁弁を迂回する迂
回経路と、この迂回経路の途中に設けられた絞り機構も
しくはプレッシャレギュレータとを備えて構成される。
そして、切替手段による上記電磁弁の開閉操作を通じて
上記還流経路と上記バイパス経路(迂回経路を含む)と
が選択的に切り替えられる。即ち、 ・切替手段により電磁弁が開弁される場合は、上記還流
経路が能動となる。 ・切替手段により電磁弁が閉弁される場合は、上記バイ
パス経路(迂回経路を含む)が能動となる。 といった態様をもって上記各経路が選択的に切り替えら
れる。従って、上記構成においても、還流経路が能動と
されることに基づいてベーパを含む燃料が速やかに同燃
料噴射機構から還流経路へと流出されるようになり、内
燃機関の始動性の悪化等を好適に回避することができる
ようになる。また、迂回経路に絞り機構が設けられてい
る場合には、従来のフューエルリターンレス式の燃料循
環方式における以下のような懸念を解消することもでき
るようになる。即ち、上記燃料循環方式は燃料タンクの
温度上昇の抑制には有効であるものの、燃料噴射機構を
介して還流される燃料量が「0」であるため、同燃料噴
射機構のベーパ除去が有効に行われないといった懸念が
ある。この点、上記構成においては、電磁弁を閉弁する
ことにより、上記絞り機構を介した一定量の燃料がベー
パ除去に寄与するようになるため、燃料タンクの温度上
昇の抑制のみならず、燃料噴射機構のベーパ除去及びそ
の冷却が図られるようになる。
【0033】請求項13記載の発明は、請求項9または
12記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記流通
制御機構は、前記還流経路における前記電磁弁とその迂
回経路とからなる並列部の上流もしくは下流に設けられ
て、同還流経路を選択的に開閉する主電磁弁をさらに備
えることを要旨としている。
【0034】上記構成によれば、流通制御機構は、還流
経路における電磁弁とその迂回経路とからなる並列部の
上流もしくは下流に設けられて、同還流経路を選択的に
開閉する主電磁弁をさらに備えて構成される。そして、
この主電磁弁と上記電磁弁とのそれぞれの開閉状態の組
み合わせを通じて、より多段階にわたる燃料経路の流通
態様の制御を行うことができるようになり、ひいては内
燃機関の運転状態等に応じてより緻密な燃料の状態管理
が可能となる。
【0035】請求項14記載の発明は、請求項10記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記切替手段が、
前記還流経路の途中に設けられて該還流経路の有効径を
選択的に可変とする可変絞り機構であることを要旨とし
ている。
【0036】上記構成によれば、切替手段は、還流経路
に設けられて同還流経路の有効径を選択的に可変とする
可変絞り機構を備えて構成される。そして、切替手段に
より可変絞り機構の絞り度合いが変更されることで、上
記還流経路の流通抵抗が可変とされる。即ち、上記還流
経路の流通抵抗は、流通制御機構により絞り度合いが小
さくされる(還流経路の有効径が大きくされる)ほど同
流通抵抗も小さくなるといった態様をもって可変とされ
る。従って、上記構成においても、可変絞り機構の絞り
度合いが小さくされる(所定絞り度合い未満とされる)
ことに基づいてベーパを含む燃料が速やかに同燃料噴射
機構から還流経路へと流出されるようになり、内燃機関
の始動性の悪化等を好適に回避することができるように
なる。また、可変絞り機構の絞り度合いを細かく調整す
ることで、より多段階にわたる燃料経路の流通態様の制
御を行うことができるようになり、ひいては内燃機関の
運転状態等に応じてより緻密な燃料の状態管理が可能と
なる。
【0037】なお、上記所定絞り度合いは、燃料噴射機
構に圧送される燃料に対してプレッシャレギュレータの
調圧機能が働くか否かを示す絞り度合いの閾値絞り度合
いであり、燃料ポンプによる燃料の吐出量、燃料経路の
有効径などに応じて設定される値である。
【0038】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の内燃機関の燃料供給装置において、前記流通制御機構
は、前記還流経路における前記可変絞り機構の上流もし
くは下流に設けられて、同還流経路を選択的に開閉する
主電磁弁をさらに備えることを要旨としている。
【0039】上記構成によれば、流通制御機構は、還流
経路における可変絞り機構の上流もしくは下流に設けら
れて、同還流経路を選択的に開閉する主電磁弁をさらに
備えて構成される。そして、この主電磁弁の開閉状態と
上記可変絞り機構の絞り度合いとの組み合わせを通じ
て、より多段階にわたる燃料経路の流通態様の制御を行
うことができるようになり、ひいては内燃機関の運転状
態等に応じてより緻密な燃料の状態管理が可能となる。
【0040】請求項16記載の発明は、請求項11また
は13〜15のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装
置において、前記流通制御機構は、前記バイパス経路と
前記燃料噴射機構との間の燃料経路に設けられて、該経
路を選択的に開閉する補助電磁弁をさらに備え、前記内
燃機関の停止中、前記電磁弁の閉操作と協働して前記燃
料噴射機構の上流及び下流の経路を閉鎖することを要旨
としている。
【0041】上記構成によれば、流通制御機構は、バイ
パス経路と燃料噴射機構との間の燃料経路に設けられ
て、同経路を選択的に開閉する補助電磁弁を備えて構成
される。また、内燃機関の停止中は、 ・補助電磁弁及び電磁弁をともに閉弁する(請求項1
1)。 ・補助電磁弁及び主電磁弁をともに閉弁する(請求項1
3及び15)。 ・補助電磁弁を閉弁、可変絞り機構の絞り度合いを最大
にする(請求項14及び15)。 といった操作を通じて、上記燃料噴射機構の上流及び下
流の経路が閉鎖される。従って、内燃機関の停止中にあ
っても、燃料噴射機構内の燃料が機関運転時の加圧状態
に維持されるようになるため、機関停止時に燃料噴射機
構の受熱等に起因する燃料の気化を好適に抑制すること
ができるようになる。そして、こうした機関停止中にお
ける燃料の気化が抑制されることにより、また燃料ポン
プの駆動開始直後における燃料の圧力損失も補償される
ことにより、同機関の始動性を好適に高めることができ
るようになる。
【0042】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明を具
体化した第1の実施の形態について、図1〜図3を参照
して説明する。
【0043】なお、この実施の形態にかかる内燃機関の
燃料供給装置は、液化石油ガス(LPG)を内燃機関に
噴射供給する燃料供給装置である。まず、図1を参照し
て、同実施の形態にかかる内燃機関の燃料供給装置につ
いてその概要を説明する。なお、図1は、内燃機関とと
もに燃料供給装置の全体構成の概略を模式的に示してい
る。
【0044】図1に示されるように、この実施の形態の
装置は、混合気の燃焼を通じて出力を得る内燃機関1に
対して燃料を噴射供給する燃料供給装置3、及び内燃機
関1をはじめとして、この燃料供給装置3等の制御を統
括して実行する電子制御装置(ECU)4を備えてい
る。なお、このECU4には、内燃機関1の運転状態、
及び燃料供給装置3の動作状態を示す各種検出データ
が、検出系5を通じて入力される。
【0045】ここで、内燃機関1にあって、そのシリン
ダブロック11には、混合気の燃焼がその内部で行われ
るシリンダ12が複数備えられ、それら各シリンダ12
の上部には、混合気の点火を行うイグニッションプラグ
13や、吸気を行う吸気弁14及び排気を行う排気弁1
5等を備えるシリンダヘッド16が配設されている。ま
た、上記シリンダ12内には、内燃機関1の出力軸であ
るクランクシャフト17にコネクティングロッド18を
介して連結されるピストン19が摺動可能に収容されて
いる。そして、このピストン19と上記シリンダヘッド
16とが対峙してなす燃焼室20で混合気が燃焼され、
これによる同ピストン19の往復運動が上記コネクティ
ングロッド18により回転運動に変換された後、クラン
クシャフト17へ伝達される。なお、上記シリンダ12
の周囲に設けられるウォータージャケット12a内を循
環する冷却水により、各シリンダ12及びシリンダヘッ
ド16等の冷却が行われる。
【0046】また、上記燃焼室20には、吸入空気の浄
化装置であるエアクリーナ21、及び吸入空気の調量機
構であるスロットルバルブ22等を備える吸気通路23
が接続されており、吸入空気は同エアクリーナ21によ
る浄化、及び同スロットルバルブ22による調量を通じ
て燃焼室20へ供給される。また、上記スロットルバル
ブ22は、その開度が図示しないアクセルペダルの踏み
込み量等に応じたものとなるように開閉駆動される。
【0047】一方、燃料供給装置3において、燃料タン
ク31に貯留された燃料は、その液相部が燃料ポンプ3
2により汲み取られ、フィルタ33が設けられた供給経
路R1を介して燃料噴射弁34とともに燃料噴射機構3
5を構成するデリバリパイプ36に圧送される。また、
このデリバリパイプ36の上流側と上記燃料タンク31
の気相部とはバイパス経路R2により接続されており、
同バイパス経路R2には、燃料の調圧機構であるプレッ
シャレギュレータ37が設けられている。これにより、
上記燃料ポンプ32から圧送された燃料は、このプレッ
シャレギュレータ37により一定の圧力に調圧されつ
つ、上記燃料噴射機構35に供給される。そして、この
燃料噴射機構35に供給された燃料は、燃料噴射弁34
がECU4からの信号に応じて所定時間開弁されること
により、この開弁時間に対応した量だけ、各対応するシ
リンダに噴射供給される。
【0048】また、上記デリバリパイプ36の下流部と
燃料タンク31の気相部とは還流経路R3により接続さ
れている。この還流経路R3には、同還流経路R3を開
閉する電磁弁38と、この電磁弁38を迂回する迂回経
路R4とが設けられている。そして、この迂回経路R4
には、燃料の調量機構である絞り機構39が設けられて
いる。これにより、上記燃料噴射機構35に供給された
燃料のうち、燃料噴射弁34から噴射供給されなかった
燃料は、開弁状態にある電磁弁38や絞り機構39を介
して燃料タンク31に還流されるようになる。なお、本
実施の形態においては、上記電磁弁38として、常時閉
弁、即ち非通電時には閉弁されており、通電によって開
弁されるものが採用されている。そして実際には、EC
U4によりデリバリパイプ36内の燃料が気化している
旨推定されたときに、同ECU4からの指令信号に応じ
てこの電磁弁38が開弁される。
【0049】内燃機関1にあっては、こうした燃料供給
装置3を通じて噴射供給される燃料と吸入空気との混合
気が燃焼室20に供給され、ピストン19により圧縮さ
れ高圧となった後に、イグニッションプラグ13による
点火を通じて燃焼される。そして、このときに生じた燃
焼エネルギによりクランクシャフト17が回転される。
また、燃焼後の排気ガスは、排気弁15の開弁にともな
い、燃焼室20に接続される排気通路24に排出され、
触媒装置25により浄化された後、内燃機関1の外部へ
排出される。
【0050】また、本実施の形態にあって、上記検出系
5は、燃料の状態を検出するためのタンク燃温センサ5
1、タンク燃圧センサ52、パイプ燃温センサ53及び
パイプ燃圧センサ54等を備える構成となっている。
【0051】ここで、タンク燃温センサ51及びタンク
燃圧センサ52は、それぞれ上記燃料タンク31に設け
られて、同燃料タンク31内における燃料の温度及び圧
力を検出するセンサである。また、パイプ燃温センサ5
3及びパイプ燃圧センサ54は、それぞれ上記デリバリ
パイプ36に設けられて、同デリバリパイプ36内の燃
料の温度及び圧力を検出するセンサである。ECU4
は、これら各センサにより検出されたデータに基づいて
デリバリパイプ36内における燃料の状態を推定する。
そして、この推定の結果に基づいて、上述した電磁弁3
8の開閉操作を行う。
【0052】以下、これら各燃料経路における燃料の循
環態様について、図2及び図3を参照して説明する。な
お、以降では、電磁弁38が開弁されているときの燃料
経路を第1の経路、同電磁弁38が閉弁されているとき
の燃料経路を第2の経路とする。ちなみに、図2は燃料
供給装置3の第1の経路が能動とされている場合を示
し、図3は燃料供給装置3の第2の経路が能動とされて
いる場合を示している。また、これら図2及び図3にお
いて、破線で図示する経路(バイパス経路R2及び還流
経路R3の一部)は、燃料の流れが遮断された状態を示
している。
【0053】まず、燃料経路の第1の経路が能動とされ
ている場合(図2)について説明する。この場合は、電
磁弁38が開弁されているため、プレッシャレギュレー
タ37による燃料の調圧機能が働かない。また、燃料ポ
ンプ32により圧送された燃料の全量がデリバリパイプ
36に供給される。そして、上記供給された燃料のうち
燃料噴射弁34により噴射供給されなかった燃料は、基
本的には開弁されている電磁弁38(還流経路R3)を
介して燃料タンク31に還流される。
【0054】このように、上記第1の経路においては、
デリバリパイプ36に供給された燃料がプレッシャレギ
ュレータ37を介さずに燃料タンク31に還流されるこ
とにより、デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷
却が速やかに行われるようになる。
【0055】次に、燃料経路の第2の経路が能動とされ
ている場合(図3)について説明する。この場合は、電
磁弁38が閉弁されているため、プレッシャレギュレー
タ37による燃料の調圧機能が働く。また、燃料ポンプ
32により圧送された燃料の一部がデリバリパイプ36
に供給される。このとき、燃料噴射弁34より内燃機関
1に噴射供給される噴射量と、絞り機構39による調量
を通じて燃料タンク31に還流される一定量とが上記デ
リバリパイプ36に供給され、それ以外の燃料は、プレ
ッシャレギュレータ37(バイパス経路R2)を介して
燃料タンク31に還流される。
【0056】このように、上記第2の経路においては、
デリバリパイプ36に供給される燃料が減量されること
により、燃焼室20等からの熱を受けて燃料タンク31
に還流される燃料が減量され、ひいては燃料タンク31
内の温度上昇が抑制されるようになる。また、デリバリ
パイプ36内の圧力がプレッシャレギュレータ37によ
り一定に調圧され、燃料の飽和蒸気温度が高められるよ
うになるため、同デリバリパイプ36が燃焼室20等か
らの熱を受けることに起因する燃料の気化が抑制される
ようにもなる。
【0057】ところで、従来のフューエルリターンレス
式の燃料循環方式も、上述のように燃料タンク内の温度
上昇の抑制を図ることはできたが、こうした燃料循環方
式においては次のような懸念がある。即ち、従来一般の
フューエルリターンレス式の燃料循環方式では、デリバ
リパイプを介して燃料タンクに還流される燃料の量が
「0」であるため、同デリバリパイプのベーパの除去や
その冷却が有効に行われない。これにより、燃料噴射弁
から多量のベーパを含む燃料が噴射供給され、機関始動
性の悪化等をまねきかねない。
【0058】この点、本実施の形態における上記第2の
経路(図3)では、一定量の燃料を絞り機構39による
調量を通じて燃料タンク31に還流するようにしている
ため、同燃料タンク31内の温度上昇の抑制のみなら
ず、デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷却もあ
わせ図られるようになる。
【0059】また、本実施の形態においては、以下に示
す態様をもって上記各経路の切り替えを行うようにして
いる。また、本実施の形態においては、 ・内燃機関1の始動時は、電磁弁38を開弁して第1の
経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中は、基本的には第2の経路を能動
とする。 ・内燃機関1の運転中において、デリバリパイプ36内
の燃料が気化している旨推定されたときには、電磁弁3
8を開弁して第1の経路を能動とする。 といった態様をもって上記各経路の切り替えを行うよう
にしている。これにより、ベーパを含む燃料が噴射供給
されることに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避
されるようになるとともに、同機関の運転中は安定した
運転状態が維持されるようにもなる。
【0060】以上詳述したように、この第1の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に列
記するような優れた効果が得られるようになる。 (1)電磁弁38の開閉操作を通じて、第1の経路(図
2)及び第2の経路(図3)のいずれかが選択的に能動
とされる。そして、上記第1の経路が能動とされている
場合には、デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷
却を速やかに行うことができるようになる。また、上記
第2の経路が能動とされている場合には、燃料タンク3
1内の温度上昇を抑制のみならず、デリバリパイプ36
のベーパ除去及びその冷却も図ることができるようにな
る。さらに、上記第2の経路においては、同デリバリパ
イプ36が燃焼室20等からの熱を受けることに起因す
る燃料の気化を好適に抑制することができるようにな
る。
【0061】(2)内燃機関1の始動時は、電磁弁38
が開弁され、上記第1の経路が能動とされる。これによ
り、内燃機関1の停止中に発生したベーパが速やかに燃
料タンク31へ還流されるようになり、ベーパを含む燃
料が噴射供給されることに起因する内燃機関1の始動性
の悪化が回避されるようになる。
【0062】(3)内燃機関1の運転中において、デリ
バリパイプ36内の燃料が気化している旨推定されたと
きには、電磁弁38が開弁され、上記第1の経路が能動
とされる。これにより、ベーパを含む燃料の燃料タンク
31への早期還流が図られ、内燃機関1の安定した運転
状態が維持されるようになる。
【0063】(4)経路途中に絞り機構39が設けられ
る迂回経路R4を還流経路R3に接続するといった極め
て簡易な構成により、燃料タンク31内の温度上昇の抑
制と、デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷却と
の両立が実現されるようになる。これにより、装置の複
雑化を回避することができるようになるとともに、同装
置のコスト上昇をも抑制することができるようになる。
【0064】(5)第1の経路が能動とされている場合
には、燃料ポンプ32による燃料の圧送に際して、プレ
ッシャレギュレータ37の調圧機能による圧送抵抗が生
じなくなるため、同燃料ポンプ32の負荷が低減される
ようになる。これにより、燃料ポンプ32として吐出能
力の高いものを採用する等の対策を講じなくとも、デリ
バリパイプ36のベーパ除去及びその冷却の早期実行を
図ることができるようになる。また逆に、こうしたベー
パ除去及び冷却の早期実行がある程度満たされている環
境にあっては、同燃料ポンプ32として、より吐出能力
の低い、より小型のものを採用することができるように
もなる。
【0065】(第2の実施の形態)本発明を具体化した
第2の実施の形態について、先の第1の実施の形態との
相違点を中心に図1及び図4を参照して説明する。
【0066】本実施の形態においては、装置全体の基本
的な構成は前記第1の実施の形態(図1)と同様である
ものの、図1における燃料供給装置3の構成が図4に示
すものに変更されている。ちなみにその構成は、同図4
に示されるように、前記第1の実施の形態の燃料供給装
置3において、迂回経路R4及び電磁弁38を除外し、
還流経路R3に可変絞り機構FCVを新たに設けたもの
となっている。
【0067】ここで、上記可変絞り機構FCVは、還流
経路R3を流通する燃料の調量機構であり、前記ECU
4による同可変絞り機構FCVの絞り開度thの制御を
通じて、同燃料の調量が行われる。ちなみに、この絞り
開度thは、上記可変絞り機構FCVを通過する燃料量
を「0」とする最小絞り開度thLから、上記可変絞り
機構FCVを通過する燃料量を、還流経路R3を通過す
る燃料量と同程度とする最大絞り開度thHまでの範囲
を有する。そして、上記絞り開度thの選択的な変更操
作を通じて、大きくは、 ・最小絞り開度thLから所定絞り開度thCまでの範
囲にあるときは(thL≦th<thC)、可変絞り機
構FCVを介して燃料タンク31に還流される燃料量が
絞り開度thに応じて増加するものの、プレッシャレギ
ュレータ37による燃料の調圧機能が働く。 ・所定絞り開度thC以上となると(thC≦th)、
プレッシャレギュレータ37による燃料の調圧機能が働
かなくなる。といった燃料循環形態が選択的に能動とさ
れる。
【0068】即ち、上記所定絞り開度thCは、燃料ポ
ンプ32により圧送された燃料に対してプレッシャレギ
ュレータ37の調圧機能が働くか否かを示す絞り開度t
hの閾値開度である。なお、上記可変絞り機構FCV
は、ECU4によりデリバリパイプ36内の燃料が気化
している旨推定されたときには、同ECU4からの信号
に応じて所定絞り開度thC以上とされる。
【0069】以下、燃料供給装置3における燃料の循環
態様について図4を参照してさらに詳述する。なお、以
降では、可変絞り機構FCVの絞り開度thが所定絞り
開度thC以上である燃料経路を第1の経路、最小絞り
開度thLより大きく所定絞り開度thC未満である燃
料経路を第2の経路、最小絞り開度thLである燃料経
路を第3の経路とする。
【0070】まず、燃料経路の第1の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、絞り開度t
hが所定絞り開度thC以上であるため、プレッシャレ
ギュレータ37による燃料の調圧機能が働かない。ま
た、燃料ポンプ32により圧送された燃料の全量がデリ
バリパイプ36に供給される。
【0071】次に、燃料経路の第2の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、絞り開度t
hが最小絞り開度thLより大きく所定絞り開度thC
未満であるため、プレッシャレギュレータ37による燃
料の調圧機能が働く。また、燃料ポンプ32により圧送
された燃料のうち、燃料噴射弁34より内燃機関1に噴
射供給される噴射量と、可変絞り機構FCVによる調量
を通じて燃料タンク31に還流される一定量とがデリバ
リパイプ36に供給される。
【0072】このように、・上記第1の経路において
は、デリバリパイプ36に供給された燃料がプレッシャ
レギュレータ37を介さずに燃料タンク31に還流され
ることにより、デリバリパイプ36のベーパ除去及びそ
の冷却が速やかに行われるようになる。 ・上記第2の経路においては、デリバリパイプ36に供
給される燃料が減量されることにより、燃焼室20等か
らの熱を受けて燃料タンク31に還流される燃料が減量
され、ひいては燃料タンク31内の温度上昇が抑制され
るようになる。また、一定量の燃料が可変絞り機構FC
Vによる調量を通じて燃料タンク31に還流されること
により、同燃料タンク31内の温度上昇の抑制のみなら
ず、デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷却もあ
わせ図られるようになる。また、デリバリパイプ36内
の圧力がプレッシャレギュレータ37により一定に調圧
され、燃料の飽和蒸気温度が高められることにより、同
デリバリパイプ36が燃焼室20等からの熱を受けるこ
とに起因する燃料の気化が抑制されるようにもなる。と
いった効果がそれぞれ奏せられるようになる。
【0073】次に、燃料経路の第3の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、絞り開度t
hが最小絞り開度thLであるため、プレッシャレギュ
レータ37による燃料の調圧機能が働く。また、燃料ポ
ンプ32により圧送された燃料のうち、燃料噴射弁34
より内燃機関1に噴射供給される噴射量のみがデリバリ
パイプ36に供給される。
【0074】このように、デリバリパイプ36に供給さ
れる燃料が、上記第2の経路が能動とされている場合よ
りもさらに減量されることにより、同燃料タンク31内
の温度上昇の抑制効果がより一層高められるようにな
る。
【0075】また、本実施の形態においては、 ・内燃機関1の始動時は、絞り開度thを所定絞り開度
thC以上とし第1の経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中は、基本的には第2の経路あるい
は第3の経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中において、デリバリパイプ36内
の燃料が気化している旨推定されたときには、絞り開度
thを所定絞り開度thC以上とし第1の経路を能動と
する。 といった態様をもって上記各経路の切り替えを行うよう
にしている。これにより、ベーパを含む燃料が噴射供給
されることに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避
されるようになるとともに、同機関の運転中は安定した
運転状態が維持されるようにもなる。
【0076】以上詳述したように、この第2の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に列
記するような優れた効果が得られるようになる。 (1)可変絞り機構FCVの絞り開度thの操作を通じ
て、第1の経路、第2の経路及び第3の経路のいずれか
が選択的に能動とされる。そして、上記第1の経路が能
動とされている場合には、デリバリパイプ36のベーパ
除去及びその冷却を速やかに行うことができるようにな
る。また、上記第2の経路が能動とされている場合に
は、燃料タンク31内の温度上昇を抑制のみならず、デ
リバリパイプ36のベーパ除去及び冷却も図ることがで
きるようになる。また、上記第3の経路が能動とされて
いる場合には、デリバリパイプ36に供給される燃料
が、上記第2の経路が能動とされている場合よりもさら
に減量されるため、同燃料タンク31内の温度上昇の抑
制効果をより一層高めることができるようになる。さら
に、上記第2の経路及び第3の経路においては、上記デ
リバリパイプ36が燃焼室20等からの熱を受けること
に起因する燃料の気化を好適に抑制することができるよ
うになる。
【0077】(2)内燃機関1の始動時は、絞り開度t
hが所定絞り開度thC以上とされ、上記第1の経路が
能動とされる。これにより、内燃機関1の停止中に発生
したベーパが速やかに燃料タンク31へ還流されるよう
になり、ベーパを含む燃料が噴射供給されることに起因
する内燃機関1の始動性の悪化が回避されるようにな
る。
【0078】(3)内燃機関1の運転中において、デリ
バリパイプ36内の燃料が気化している旨推定されたと
きには、可変絞り機構FCVの絞り開度thが所定絞り
開度thC以上とされ、上記第1の経路が能動とされ
る。これにより、ベーパを含む燃料の燃料タンク31へ
の早期還流が図られ、内燃機関1の安定した運転状態が
維持されるようになる。
【0079】(4)第1の経路が能動とされている場合
には、燃料ポンプ32による燃料の圧送に際して、プレ
ッシャレギュレータ37の調圧機能による圧送抵抗が生
じなくなるため、同燃料ポンプ32の負荷が低減される
ようになる。これにより、燃料ポンプ32として吐出能
力の高いものを採用する等の対策を講じなくとも、デリ
バリパイプ36のベーパ除去及びその冷却の早期実行を
図ることができるようになる。また逆に、こうしたベー
パ除去及び冷却の早期実行がある程度満たされている環
境にあっては、同燃料ポンプ32として、より吐出能力
の低い、より小型のものを採用することができるように
もなる。
【0080】(5)前記第1の実施の形態における迂回
経路R4を備えずともデリバリパイプ36のベーパ除去
及びその冷却が速やかに行われるようになるため、より
簡易な構成をもって機関始動性の悪化等を回避すること
ができるようになる。
【0081】(第3の実施の形態)本発明を具体化した
第3の実施の形態について、先の第1の実施の形態との
相違点を中心に図1及び図5を参照して説明する。
【0082】本実施の形態においては、装置全体の基本
的な構成は前記第1の実施の形態(図1)と同様である
ものの、図1における燃料供給装置3の構成が図5に示
すものに変更されている。ちなみにその構成は、同図5
に示されるように、前記第1の実施の形態の燃料供給装
置3において、迂回経路R4を除外したものとなってい
る。
【0083】以下、燃料供給装置3における燃料の循環
態様について図5を参照して説明する。なお、以降で
は、電磁弁38が開弁されている燃料経路を第1の経
路、同電磁弁38が閉弁されている燃料経路を第2の経
路とする。
【0084】まず、燃料経路の第1の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、電磁弁38
が開弁されているため、プレッシャレギュレータ37に
よる燃料の調圧機能が働かない。また、燃料ポンプ32
により圧送された燃料の全量がデリバリパイプ36に供
給される。
【0085】次に、燃料経路の第2の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、電磁弁38
が閉弁されているため、プレッシャレギュレータ37に
よる燃料の調圧機能が働く。また、燃料ポンプ32によ
り圧送された燃料のうち、燃料噴射弁34より内燃機関
1に噴射供給される噴射量のみがデリバリパイプ36に
供給される。
【0086】このように、 ・上記第1の経路においては、デリバリパイプ36に供
給された燃料がプレッシャレギュレータ37を介さずに
燃料タンク31に還流されることにより、デリバリパイ
プ36のベーパ除去及びその冷却が速やかに行われるよ
うになる。 ・上記第2の経路においては、デリバリパイプ36に供
給される燃料が減量されることにより、燃焼室20等か
らの熱を受けて燃料タンク31に還流される燃料が減量
され、ひいては燃料タンク31内の温度上昇が抑制され
るようになる。また、デリバリパイプ36内の圧力がプ
レッシャレギュレータ37により一定に調圧され、燃料
の飽和蒸気温度が高められることにより、同デリバリパ
イプ36が燃焼室20等からの熱を受けることに起因す
る燃料の気化が抑制されるようにもなる。 といった効果がそれぞれ奏せられるようになる。
【0087】また、本実施の形態においては、 ・内燃機関1の始動時は、電磁弁38を開弁して第1の
経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中は、基本的には第2の経路を能動
とする。 ・内燃機関1の運転中において、デリバリパイプ36内
の燃料が気化している旨推定されたときには、電磁弁3
8を開弁して第1の経路を能動とする。 といった態様をもって上記各経路の切り替えを行うよう
にしている。これにより、ベーパを含む燃料が噴射供給
されることに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避
されるようになるとともに、同機関の運転中は安定した
運転状態が維持されるようにもなる。
【0088】以上詳述したように、この第3の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に列
記するような優れた効果が得られるようになる。 (1)電磁弁38の開閉操作を通じて、第1の経路及び
第2の経路のいずれかが選択的に能動とされる。そし
て、上記第1の経路が能動とされている場合には、デリ
バリパイプ36のベーパ除去及びその冷却を速やかに行
うことができるようになる。また、上記第2の経路が能
動とされている場合には、燃料タンク31内の温度上昇
を抑制することができるようになる。さらに、上記第2
の経路においては、上記デリバリパイプ36が燃焼室2
0等からの熱を受けることに起因する燃料の気化を好適
に抑制することができるようになる。
【0089】(2)内燃機関1の始動時は、電磁弁38
が開弁され、上記第1の経路が能動とされる。これによ
り、内燃機関1の停止中に発生したベーパが速やかに燃
料タンク31へ還流されるようになり、ベーパを含む燃
料が噴射供給されることに起因する内燃機関1の始動性
の悪化が回避されるようになる。
【0090】(3)内燃機関1の運転中において、デリ
バリパイプ36内の燃料が気化している旨推定されたと
きには、電磁弁38が開弁され、上記第1の経路が能動
とされる。これにより、ベーパを含む燃料の燃料タンク
31への早期還流が図られ、内燃機関1の安定した運転
状態が維持されるようになる。
【0091】(4)第1の経路が能動とされている場合
には、燃料ポンプ32による燃料の圧送に際して、プレ
ッシャレギュレータ37の調圧機能による圧送抵抗が生
じなくなるため、同燃料ポンプ32の負荷が低減される
ようになる。これにより、燃料ポンプ32として吐出能
力の高いものを採用する等の対策を講じなくとも、デリ
バリパイプ36のベーパ除去及びその冷却の早期実行を
図ることができるようになる。また逆に、こうしたベー
パ除去及び冷却の早期実行がある程度満たされている環
境にあっては、同燃料ポンプ32として、より吐出能力
の低い、より小型のものを採用することができるように
もなる。
【0092】(5)前記第1の実施の形態における迂回
経路R4を備えずともデリバリパイプ36のベーパ除去
及びその冷却が速やかに行われるようになるため、より
簡易な構成をもって機関始動性の悪化等を回避すること
ができるようになる。
【0093】(第4の実施の形態)本発明を具体化した
第4の実施の形態について、先の第1の実施の形態との
相違点を中心に図1及び図6を参照して説明する。
【0094】本実施の形態においては、装置全体の基本
的な構成は前記第1の実施の形態(図1)と同様である
ものの、図1における燃料供給装置3の構成が図6に示
すものに変更されている。ちなみにその構成は、同図6
に示されるように、前記第1の実施の形態の燃料供給装
置3において、電磁弁38と迂回経路R4との並列部の
下流にマスター電磁弁(主電磁弁)MEVを新たに設け
たものとなっている。
【0095】以下、燃料供給装置3における燃料の循環
態様について図6を参照して説明する。なお、以降で
は、マスター電磁弁MEV及び電磁弁38がともに開弁
されている燃料経路を第1の経路、マスター電磁弁ME
Vが開弁、且つ電磁弁38が閉弁されている燃料経路を
第2の経路、マスター電磁弁MEVが閉弁されている燃
料経路を第3の経路とする。
【0096】まず、燃料経路の第1の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、マスター電
磁弁MEV及び電磁弁38がともに開弁されているた
め、プレッシャレギュレータ37による燃料の調圧機能
が働かない。また、燃料ポンプ32により圧送された燃
料の全量がデリバリパイプ36に供給される。
【0097】次に、燃料経路の第2の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、マスター電
磁弁MEVが開弁、且つ電磁弁38が閉弁されているた
め、プレッシャレギュレータ37による燃料の調圧機能
が働く。また、燃料ポンプ32により圧送された燃料の
うち、燃料噴射弁34より内燃機関1に噴射供給される
噴射量と、絞り機構39による調量を通じて燃料タンク
31に還流される一定量とがデリバリパイプ36に供給
される。
【0098】次に、燃料経路の第3の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、マスター電
磁弁MEVが閉弁されているため、プレッシャレギュレ
ータ37による燃料の調圧機能が働く。また、燃料ポン
プ32により圧送された燃料のうち、燃料噴射弁34よ
り内燃機関1に噴射供給される噴射量のみがデリバリパ
イプ36に供給される。
【0099】このように、 ・上記第1の経路においては、デリバリパイプ36に供
給された燃料がプレッシャレギュレータ37を介さずに
燃料タンク31に還流されることにより、デリバリパイ
プ36のベーパ除去及びその冷却が速やかに行われるよ
うになる。 ・上記第2の経路においては、デリバリパイプ36に供
給される燃料が減量されることにより、燃焼室20等か
らの熱を受けて燃料タンク31に還流される燃料が減量
され、ひいては燃料タンク31内の温度上昇が抑制され
るようになる。また、一定量の燃料が絞り機構39によ
る調量を通じて燃料タンク31に還流されることによ
り、同燃料タンク31内の温度上昇の抑制のみならず、
デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷却もあわせ
図られるようになる。また、デリバリパイプ36内の圧
力がプレッシャレギュレータ37により一定に調圧さ
れ、燃料の飽和蒸気温度が高められることにより、同デ
リバリパイプ36が燃焼室20等からの熱を受けること
に起因する燃料の気化が抑制されるようにもなる。 ・上記第3の経路においては、デリバリパイプ36に供
給される燃料が、上記第2の経路が能動とされている場
合よりもさらに減量されることにより、燃料タンク31
内の温度上昇の抑制効果がより一層高められるようにな
る。 といった効果がそれぞれ奏せられるようになる。
【0100】また、本実施の形態においては、 ・内燃機関1の始動時は、マスター電磁弁MEV及び電
磁弁38をともに開弁して第1の経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中は、基本的には第2の経路あるい
は第3の経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中において、デリバリパイプ36内
の燃料が気化している旨推定されたときには、マスター
電磁弁MEV及び電磁弁38をともに開弁して第1の経
路を能動とする。 といった態様をもって上記各経路の切り替えを行うよう
にしている。これにより、ベーパを含む燃料が噴射供給
されることに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避
されるようになるとともに、同機関の運転中は安定した
運転状態が維持されるようにもなる。
【0101】以上詳述したように、この第4の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に列
記するような優れた効果が得られるようになる。 (1)マスター電磁弁MEV及び電磁弁38の開閉操作
を通じて、第1の経路、第2の経路及び第3の経路のい
ずれかが選択的に能動とされる。そして、上記第1の経
路が能動とされている場合には、デリバリパイプ36の
ベーパ除去及びその冷却を速やかに行うことができるよ
うになる。また、上記第2の経路が能動とされている場
合には、燃料タンク31内の温度上昇を抑制のみなら
ず、デリバリパイプ36のベーパ除去及び冷却も図るこ
とができるようになる。また、上記第3の経路が能動と
されている場合には、デリバリパイプ36に供給される
燃料が、上記第2の経路が能動とされている場合よりも
さらに減量されるため、同燃料タンク31内の温度上昇
の抑制効果をより一層高めることができるようになる。
さらに、上記第2の経路及び第3の経路においては、上
記デリバリパイプ36が燃焼室20等からの熱を受ける
ことに起因する燃料の気化を好適に抑制することができ
るようになる。
【0102】(2)内燃機関1の始動時は、マスター電
磁弁MEV及び電磁弁38がともに開弁され、上記第1
の経路が能動とされる。これにより、内燃機関1の停止
中に発生したベーパが速やかに燃料タンク31へ還流さ
れるようになり、ベーパを含む燃料が噴射供給されるこ
とに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避されるよ
うになる。
【0103】(3)内燃機関1の運転中において、デリ
バリパイプ36内の燃料が気化している旨推定されたと
きには、マスター電磁弁MEV及び電磁弁38がともに
開弁され、上記第1の経路が能動とされる。これによ
り、ベーパを含む燃料の燃料タンク31への早期還流が
図られ、内燃機関1の安定した運転状態が維持されるよ
うになる。
【0104】(4)経路途中に絞り機構39が設けられ
る迂回経路R4を還流経路R3に接続するといった極め
て簡易な構成により、燃料タンク31内の温度上昇の抑
制と、デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷却と
の両立が実現されるようになる。これにより、装置の複
雑化を回避することができるようになるとともに、同装
置のコスト上昇をも抑制することができるようになる。
【0105】(5)第1の経路が能動とされている場合
には、燃料ポンプ32による燃料の圧送に際して、プレ
ッシャレギュレータ37の調圧機能による圧送抵抗が生
じなくなるため、同燃料ポンプ32の負荷が低減される
ようになる。これにより、燃料ポンプ32として吐出能
力の高いものを採用する等の対策を講じなくとも、デリ
バリパイプ36のベーパ除去及びその冷却の早期実行を
図ることができるようになる。また逆に、こうしたベー
パ除去及び冷却の早期実行がある程度満たされている環
境にあっては、同燃料ポンプ32として、より吐出能力
の低い、より小型のものを採用することができるように
もなる。
【0106】(第5の実施の形態)本発明を具体化した
第5の実施の形態について、先の第4の実施の形態との
相違点を中心に図7を参照して説明する。
【0107】本実施の形態においては、燃料供給装置3
の構成が図7に示すものに変更されている。ちなみにそ
の構成は、同図7に示されるように、前記第4の実施の
形態と同様、電磁弁38と迂回経路R4との並列部の下
流にマスター電磁弁(主電磁弁)MEVが設けられるこ
とに加えて、バイパス経路R2とデリバリパイプ36と
の供給経路R1に補助電磁弁SEVが新たに設けられた
ものとなっている。なお、この補助電磁弁SEVは、内
燃機関1の始動にともない開弁、また停止にともない閉
弁されるといった開閉制御を通じて動作する。即ち、上
記補助電磁弁SEVは、上記内燃機関1の運転中は常に
開弁され、また停止中は常に閉弁されるようになる。
【0108】以下、燃料供給装置3における燃料の循環
態様について図7を参照して説明する。なお、以降で
は、補助電磁弁SEVが開閉されている条件のもとで
の、マスター電磁弁MEV及び電磁弁38がともに開弁
されている燃料経路を第1の経路、マスター電磁弁ME
Vが開弁、且つ電磁弁38が閉弁されている燃料経路を
第2の経路、マスター電磁弁MEVが閉弁されている燃
料経路を第3の経路とする。そして、マスター電磁弁M
EV及び補助電磁弁SEVがともに閉弁されている燃料
経路、即ち機関停止中の燃料経路を第4の経路とする。
【0109】ここで、 ・上記第1の経路は、前記第4の実施の形態における前
記第1の経路と実質的に等しい。 ・上記第2の経路は、前記第4の実施の形態における前
記第2の経路と実質的に等しい。 ・上記第3の経路は、前記第4の実施の形態における前
記第3の経路と実質的に等しい。 といった構成であるため、これら各経路における燃料循
環態様については、その重複する説明を割愛する。
【0110】次に、機関停止中の燃料経路(第4の経
路)について説明する。この場合は、マスター電磁弁M
EV及び補助電磁弁SEVがともに閉弁されているた
め、デリバリパイプ36内(正確にはデリバリパイプ3
6の下流部からマスター電磁弁MEVまで、及びデリバ
リパイプ36の上流部から補助電磁弁SEVまでの燃料
経路も含む)の圧力は、内燃機関1の運転中の状態に維
持される。
【0111】これにより、本実施の形態における機関停
止時のデリバリパイプ36内の飽和蒸気圧力は、通常の
機関停止時よりも高い飽和蒸気圧力に維持されるように
なるため、機関停止時におけるデリバリパイプ36の受
熱等に起因する燃料の気化が好適に抑制されるようにな
る。そして、こうした機関停止中における燃料の気化が
抑制されることにより、また燃料ポンプ32の駆動開始
直後における燃料の圧送損失も補償されることにより、
機関始動性が好適に高められるようになる。
【0112】また、本実施の形態においては、 ・内燃機関1の始動時は、マスター電磁弁MEV、電磁
弁38及び補助電磁弁SEVをともに開弁して第1の経
路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中は、基本的には第2の経路あるい
は第3の経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中において、デリバリパイプ36内
の燃料が気化している旨推定されたときには、マスター
電磁弁MEV、電磁弁38及び補助電磁弁SEVをとも
に開弁して第1の経路を能動とする。 ・内燃機関1の停止時は、マスター電磁弁MEV及び補
助電磁弁SEVをともに閉弁して第4の経路を能動とす
る。 といった態様をもって上記各経路の切り替えを行うよう
にしている。これにより、ベーパを含む燃料が噴射供給
されることに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避
されるようになるとともに、同機関の運転中は安定した
運転状態が維持されるようにもなる。
【0113】以上詳述したように、この第5の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、先の第4
の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果に加え
て、さらに以下に示すような効果が得られるようにな
る。
【0114】(6)内燃機関1の停止時にマスター電磁
弁MEV及び補助電磁弁SEVがともに閉弁される(第
4の経路)。これにより、デリバリパイプ36内の飽和
蒸気圧力は、通常の機関停止時よりも高い飽和蒸気圧力
に維持されるようになるため、機関停止時におけるデリ
バリパイプ36の受熱等に起因する燃料の気化が好適に
抑制されるようになる。そして、こうした機関停止中に
おける燃料の気化が抑制されることにより、また燃料ポ
ンプ32の駆動開始直後における燃料の圧送損失も補償
されることにより、機関始動性を好適に高めることがで
きるようになる。
【0115】(第6の実施の形態)本発明を具体化した
第6の実施の形態について、先の第1及び第3の実施の
形態との相違点を中心に図1及び図8を参照して説明す
る。
【0116】本実施の形態においては、装置全体の基本
的な構成は前記第1の実施の形態(図1)と同様である
ものの、図1における燃料供給装置3の構成が図8に示
すものに変更されている。ちなみにその構成は、同図8
に示されるように、前記第1の実施の形態の燃料供給装
置3において、迂回経路R4を除外し、バイパス経路R
2とデリバリパイプ36との供給経路R1に補助電磁弁
SEVを新たに設けたものとなっている。即ち、図5に
示した前記第3の実施の形態の燃料供給装置3におい
て、バイパス経路R2と供給経路R1との接続部より下
流、且つデリバリパイプ36より上流の供給経路R1に
補助電磁弁SEVを新たに設けたものに等しい。なお、
上記補助電磁弁SEVは、前記第5の実施の形態の補助
電磁弁SEVと同じ態様をもって動作するものとする。
【0117】以下、燃料供給装置3における燃料の循環
態様について図8を参照して説明する。なお、以降で
は、補助電磁弁SEVが開弁されている条件のもとで
の、電磁弁38が開弁されている燃料経路を第1の経
路、電磁弁38が閉弁されている燃料経路を第2の経路
とする。そして、電磁弁38及び補助電磁弁SEVとも
に閉弁されている燃料経路、即ち機関停止中の燃料経路
を第3の経路とする。
【0118】ここで、 ・上記第1の経路は、前記第3の実施の形態における前
記第1の経路と実質的に等しい。 ・上記第2の経路は、前記第3の実施の形態における前
記第2の経路と実質的に等しい。 といった構成であるため、これら各経路における燃料循
環態様については、その重複する説明を割愛する。
【0119】次に、機関停止中の燃料経路(第3の経
路)について説明する。この場合は、電磁弁38及び補
助電磁弁SEVがともに閉弁されているため、デリバリ
パイプ36内(正確にはデリバリパイプ36の下流部か
ら電磁弁38まで、及びデリバリパイプ36の上流部か
ら補助電磁弁SEVまでの燃料経路も含む)の圧力は、
内燃機関1の運転中の状態に維持される。
【0120】これにより、本実施の形態における機関停
止時のデリバリパイプ36内の飽和蒸気圧力は、通常の
機関停止時よりも高い飽和蒸気圧力に維持されるように
なるため、機関停止時におけるデリバリパイプ36の受
熱等に起因する燃料の気化が好適に抑制されるようにな
る。そして、こうした機関停止中における燃料の気化が
抑制されることにより、また燃料ポンプ32の駆動開始
直後における燃料の圧送損失も補償されることにより、
機関始動性が好適に高められるようになる。
【0121】また、本実施の形態においては、 ・内燃機関1の始動時は、電磁弁38及び補助電磁弁S
EVをともに開弁して第1の経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中は、基本的には第2の経路を能動
とする。 ・内燃機関1の運転中において、デリバリパイプ36内
の燃料が気化している旨推定されたときには、電磁弁3
8及び補助電磁弁SEVをともに開弁して第1の経路を
能動とする。 ・内燃機関1の停止時は、電磁弁38及び補助電磁弁S
EVをともに閉弁して第3の経路を能動とする。 といった態様をもって上記各経路の切り替えを行うよう
にしている。これにより、ベーパを含む燃料が噴射供給
されることに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避
されるようになるとともに、同機関の運転中は安定した
運転状態が維持されるようにもなる。
【0122】以上詳述したように、この第6の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、先の第3
の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果に加え
て、さらに以下に示すような効果が得られるようにな
る。
【0123】(6)内燃機関1の停止時に電磁弁38及
び補助電磁弁SEVがともに閉弁される(第3の経
路)。これにより、デリバリパイプ36内の飽和蒸気圧
力は、通常の機関停止時よりも高い飽和蒸気圧力に維持
されるようになるため、機関停止時におけるデリバリパ
イプ36の受熱等に起因する燃料の気化が好適に抑制さ
れるようになる。そして、こうした機関停止中における
燃料の気化が抑制されることにより、また燃料ポンプ3
2の駆動開始直後における燃料の圧送損失も補償される
ことにより、機関始動性を好適に高めることができるよ
うになる。
【0124】(第7の実施の形態)本発明を具体化した
第7の実施の形態について、先の第1の実施の形態との
相違点を中心に図1及び図9を参照して説明する。
【0125】本実施の形態においては、装置全体の基本
的な構成は前記第1の実施の形態(図1)と同様である
ものの、図1における燃料供給装置3の構成が図9に示
すものに変更されている。
【0126】ここで、本実施の形態における燃料供給装
置3は、デリバリパイプ36の下流部と燃料タンク31
の気相部とは還流経路R3により接続されている。そし
て、この還流経路R3には、燃料の調圧機構であるプレ
ッシャレギュレータ37が設けられている。また、この
還流経路R3には、上記プレッシャレギュレータ37を
迂回する態様で還流経路R3のプレッシャレギュレータ
37の上流側と下流側とを接続する還流補助経路R5が
設けられている。そして、この還流補助経路R5には、
同還流補助経路R5を開閉する電磁弁38が設けられて
いる。
【0127】以下、燃料供給装置3における燃料の循環
態様について図9を参照して説明する。なお、以降で
は、電磁弁38が開弁されている燃料経路を第1の経
路、同電磁弁38が閉弁されている燃料経路を第2の経
路とする。
【0128】まず、燃料経路の第1の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、電磁弁38
が開弁されているため、プレッシャレギュレータ37に
よる燃料の調圧機能が働かない。また、燃料ポンプ32
により圧送された燃料の全量がデリバリパイプ36に供
給される。そして、上記供給された燃料のうち、燃料噴
射弁34より内燃機関1に噴射供給されなかった燃料
は、電磁弁38を介して燃料タンク31に還流される。
【0129】このように、上記第1の経路においては、
デリバリパイプ36に供給された燃料がプレッシャレギ
ュレータ37を介さずに燃料タンク31に還流されるこ
とにより、デリバリパイプ36のベーパ除去及びその冷
却が速やかに行われるようになる。
【0130】次に、燃料経路の第2の経路が能動とされ
ている場合について説明する。この場合は、電磁弁38
が閉弁されているため、プレッシャレギュレータ37に
よる燃料の調圧機能が働く。また、燃料ポンプ32によ
り圧送された燃料の全量がデリバリパイプ36に供給さ
れる。そして、燃料噴射弁34より内燃機関1に噴射供
給されなかった燃料は、プレッシャレギュレータ37を
介して燃料タンク31に還流される。
【0131】このように、上記第2の経路においては、
デリバリパイプ36内の圧力がプレッシャレギュレータ
37により一定に調圧され、燃料の飽和蒸気温度が高め
られるようになるため、同デリバリパイプ36が燃焼室
20等からの熱を受けることに起因する燃料の気化が抑
制されるようになる。
【0132】また、本実施の形態においては、 ・内燃機関1の始動時は、電磁弁38を開弁して第1の
経路を能動とする。 ・内燃機関1の運転中は、基本的に第2の経路を能動と
する。 ・内燃機関1の運転中において、デリバリパイプ36内
の燃料が気化している旨推定されたときには、電磁弁3
8を開弁して第1の経路を能動とする。 といった態様をもって上記各経路の切り替えを行うよう
にしている。これにより、ベーパを含む燃料が噴射供給
されることに起因する内燃機関1の始動性の悪化が回避
されるようになるとともに、同機関の運転中は安定した
運転状態が維持されるようにもなる。
【0133】以上詳述したように、この第7の実施の形
態にかかる内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に列
記するような優れた効果が得られるようになる。 (1)電磁弁38の開閉操作を通じて、第1の経路及び
第2の経路のいずれかが選択的に能動とされる。そし
て、上記第1の経路が能動とされている場合には、デリ
バリパイプ36のベーパ除去及びその冷却を速やかに行
うことができるようになる。また、上記第2の経路が能
動とされている場合には、上記デリバリパイプ36が燃
焼室20等からの熱を受けることに起因する燃料の気化
を好適に抑制することができるようになる。
【0134】(2)内燃機関1の始動時は、電磁弁38
が開弁され、上記第1の経路が能動とされる。これによ
り、内燃機関1の停止中に発生したベーパが速やかに燃
料タンク31へ還流されるようになり、ベーパを含む燃
料が噴射供給されることに起因する内燃機関1の始動性
の悪化が回避されるようになる。
【0135】(3)内燃機関1の運転中において、デリ
バリパイプ36内の燃料が気化している旨推定されたと
きには、電磁弁38が開弁され、上記第1の経路が能動
とされる。これにより、ベーパを含む燃料の燃料タンク
31への早期還流が図られ、内燃機関1の安定した運転
状態が維持されるようになる。
【0136】(4)還流経路R3のプレッシャレギュレ
ータ37の上流側と下流側とを、経路の途中に電磁弁3
8が設けられた還流補助経路R5により接続するといっ
た簡易な構成をもって、デリバリパイプ36のベーパ除
去及びその冷却を速やかに行うといった機能を実現する
ことができる。これにより、装置の複雑化を回避するこ
とができるようになるとともに、同装置のコスト上昇を
も抑制することができるようになる。
【0137】(5)第1の経路が能動とされている場合
には、燃料ポンプ32による燃料の圧送に際して、プレ
ッシャレギュレータ37の調圧機能による圧送抵抗が生
じなくなるため、同燃料ポンプ32の負荷が低減される
ようになる。これにより、燃料ポンプ32として吐出能
力の高いものを採用する等の対策を講じなくとも、デリ
バリパイプ36のベーパ除去及びその冷却の早期実行を
図ることができるようになる。また逆に、こうしたベー
パ除去及び冷却の早期実行がある程度満たされている環
境にあっては、同燃料ポンプ32として、より吐出能力
の低い、より小型のものを採用することができるように
もなる。
【0138】なお、上記各実施の形態は、それらを適宜
変更した、例えば次のような形態として実施することも
できる。 ・図4に示した上記第2の実施の形態では、還流経路R
3に可変絞り機構FCVを設ける構成としたが、他に例
えば、同還流経路R3の可変絞り機構FCVの上流ある
いは下流に、さらにマスター電磁弁MEVを設ける構成
としてもよい。こうした構成を採用した場合には、この
マスター電磁弁MEVの開閉操作を通じてその第3の経
路(可変絞り機構FCVの絞り開度thが最小絞り開度
thLである燃料経路)を能動とすることが可能となる
ため、可変絞り機構FCVの絞り開度thの開閉制御を
簡略化することができるようになる。
【0139】・また、上記構成に、バイパス経路R2と
供給経路R1との接続部より下流、且つデリバリパイプ
36より上流の供給経路R1に補助電磁弁SEVを新た
に設けることもできる。こうした構成を採用した場合に
も、内燃機関1の停止とともに可変絞り機構FCVの絞
り開度thを最小絞り開度thLとする、あるいはマス
ター電磁弁MEVを閉弁する等の操作を行ったうえで、
さらに補助電磁弁SEVを閉弁することで、先の第5あ
るいは第6の実施の形態と同様、機関始動性を好適に高
めることができるようになる。
【0140】・それぞれ図7及び図8に示した上記第5
及び第6の実施の形態においては、供給経路R1に補助
電磁弁SEVを設けるとともに、内燃機関1の停止にと
もない、 (イ)第5の実施の形態では、同補助電磁弁SEV及び
マスター電磁弁MEVをともに閉弁とする。 (ロ)第6の実施の形態では、同補助電磁弁SEV及び
電磁弁38をともに閉弁とする。 といった操作を行うことで、デリバリパイプ36内の圧
力を内燃機関1の運転中の状態に維持するようにした
が、こうした機能を実現するためには、例えば次のよう
な構成を採用することもできる。即ち、上記補助電磁弁
SEVに代えて、燃料ポンプ32としてその停止時には
弁としての機能を果たすものを採用する。こうした構成
を採用した場合にも、内燃機関1の停止時におけるデリ
バリパイプ36内(正確にはデリバリパイプ36の下流
部からマスター電磁弁MEVあるいは電磁弁38まで、
及びデリバリパイプ36の上流部から燃料ポンプ32ま
での燃料経路も含む)の圧力を、同内燃機関1の運転中
の状態に維持することができるようになる。また、こう
した構成によれば、補助電磁弁SEVを新たに設ける必
要がなくなるため、燃料経路の構成の簡略化が図られる
ようになる。
【0141】・図9に示した上記第7の実施の形態で
は、還流補助経路R5に電磁弁38を設ける構成とした
が、この電磁弁38に代えて可変絞り機構FCVを設け
ることもできる。
【0142】・また、同じく第7の実施の形態におい
て、供給経路R1に補助電磁弁SEVを、還流経路R3
にマスター電磁弁MEVを設ける構成としてもよい。こ
うした構成を採用した場合にも、内燃機関1の停止とと
もにマスター電磁弁MEV及び補助電磁弁SEVを閉弁
とすることで、上記第5あるいは第6の実施の形態と同
様、機関始動性を好適に高めることができるようにな
る。
【0143】・上記各実施の形態では、各センサ51,
52,53,54による検出データに基づいて、デリバ
リパイプ36内の燃料が気化している旨推定するとした
が、例えばより簡易的に、パイプ燃温センサ53、パイ
プ燃圧センサ54による検出データのみに基づいて上記
デリバリパイプ36内の燃料が気化しているか否かを推
定することもできる。要するに、上記デリバリパイプ3
6における燃料の状態を推定することのできる方法であ
れば、その判定方法は適宜変更可能である。
【0144】・上記各実施の形態では、バイパス経路R
2及び還流経路R3の下流部がそれぞれ独立して燃料タ
ンク31の気相部に接続される構成としたが、他に例え
ば、バイパス経路R2の下流端部を、還流経路R3の電
磁弁38等よりも下流に接続することもできる。要する
に、燃料ポンプ32による燃料噴射機構35に圧送され
た燃料を、プレッシャレギュレータ37等の調圧機構に
より調圧せずに燃料タンク31に還流させるといった機
能が実現される構成であればよく、そのための経路構成
等は上記各実施の形態に例示した構成に限られず適宜変
更可能である。
【0145】・上記各実施の形態では、還流経路R3に
電磁弁38(あるいは可変絞り機構FCV)やマスター
電磁弁MEVを設け、これら各弁の開閉制御を通じて、
燃料ポンプ32に圧送された燃料をデリバリパイプ36
を介して速やかに燃料タンク31に還流させるといった
機能を実現するようにしたが、こうした機能を実現する
ための構成は上記構成に限られるものではない。要する
に、燃料噴射機構35に圧送される燃料の圧力調圧、非
調圧を選択的に切り替えることができる構成であればよ
く、そのための構成は適宜変更可能である。
【0146】・上記各実施の形態では、液化石油ガス
(LPG)を燃料とする内燃機関1を想定したが、本発
明の適用は液化石油ガスを燃料とする内燃機関に限られ
るものではなく、例えば、ガソリン等を燃料とする内燃
機関にも適用することができる。また、内燃機関として
の構成も上記実施の形態で例示した構成に限られず、任
意の構成を採用することができる。要するに、吸入空気
と燃料との混合気を爆発、燃焼させて動力を得る内燃機
関であれば本発明の適用は可能であり、そうした場合に
も、上記各実施の形態に準じた効果を奏することができ
る。
【0147】その他、燃料タンクに貯留された燃料を燃
料ポンプにて燃料噴射機構に圧送し、この圧送した燃料
を同燃料噴射機構を介して内燃機関に噴射供給する内燃
機関の燃料供給装置であれば、内燃機関の始動時を含め
ての運転中、その燃料流通経路本来の燃料圧力の調圧状
態に対し、さらに前記燃料噴射機構に圧送される燃料の
圧力調圧、非調圧を選択的に切り替える構成とすること
もできる。
【0148】以上の事項も含めて、最後に、この発明に
かかる内燃機関の燃料供給装置は、次のような技術思想
も含むものであることを付記しておく。 (1)燃料タンクに貯留された燃料を燃料ポンプにて燃
料噴射機構に圧送し、この圧送した燃料を同燃料噴射機
構を介して内燃機関に噴射供給する内燃機関の燃料供給
装置において、前記内燃機関の始動時を含めての運転
中、前記燃料噴射機構に圧送される燃料の圧力調圧、非
調圧を選択的に切り替える切替手段を備えることを特徴
とする内燃機関の燃料供給装置。
【0149】(2)前記(1)記載の内燃機関の燃料供
給装置において、前記燃料を前記燃料噴射機構を介して
前記燃料タンクに還流させるための還流経路を少なくと
も備え、前記切替手段が、前記還流経路に対する燃料流
量操作の選択的な能動、非能動を通じて前記燃料噴射機
構に圧送される燃料の圧力調圧、非調圧を選択的に切り
替えるものであることを特徴とする内燃機関の燃料供給
装置。
【0150】(3)前記切替手段が、前記還流経路を選
択的に開閉する電磁弁もしくは可変絞り機構である前記
(2)記載の内燃機関の燃料供給装置。 (4)前記切替手段が、前記還流経路に設けられて同還
流経路を流通する燃料の圧力を調圧するプレッシャレギ
ュレータと、このプレッシャレギュレータを迂回する迂
回経路と、この迂回経路を選択的に開閉する電磁弁とを
備えて構成される前記(2)記載の内燃機関の燃料供給
装置。
【0151】(5)前記(4)記載の内燃機関の燃料供
給装置において、前記切替手段は、前記還流経路におけ
る前記プレッシャレギュレータとその迂回経路とからな
る並列部の上流もしくは下流に設けられて、同還流経路
を選択的に開閉する主電磁弁をさらに備えることを特徴
とする内燃機関の燃料供給装置。
【0152】(6)前記(3)または(5)記載の内燃
機関の燃料供給装置において、前記切替手段は、前記燃
料噴射機構の上流の燃料経路に設けられて該経路を選択
的に開閉する補助電磁弁をさらに備えることを特徴とす
る内燃機関の燃料供給装置。
【0153】(7)前記(1)記載の内燃機関の燃料供
給装置において、前記燃料を前記燃料噴射機構を介して
前記燃料タンクに還流させるための還流経路と、前記燃
料噴射機構に圧送される燃料を該燃料噴射機構の上流か
ら前記燃料タンクに還流させるためのバイパス経路と、
このバイパス経路に設けられて同バイパス経路を流通す
る燃料の圧力を調圧するプレッシャレギュレータとを備
え、前記切替手段が、前記還流経路に対する燃料流量操
作の選択的な能動、非能動を通じて前記燃料噴射機構に
圧送される燃料の圧力調圧、非調圧を選択的に切り替え
るものであることを特徴とする内燃機関の燃料供給装
置。
【0154】(8)前記切替手段が、前記還流経路を選
択的に開閉する電磁弁である前記(7)記載の内燃機関
の燃料供給装置。 (9)前記切替手段が、前記還流経路を選択的に開閉す
る電磁弁と、この電磁弁を迂回する迂回経路と、この迂
回経路の途中に設けられた絞り機構を備えて構成される
前記(7)記載の内燃機関の燃料供給装置。
【0155】(10)前記(9)記載の内燃機関の燃料
供給装置において、前記切替手段は、前記還流経路にお
ける前記電磁弁とその迂回経路とからなる並列部の上流
もしくは下流に設けられて、同還流経路を選択的に開閉
する主電磁弁をさらに備えることを特徴とする内燃機関
の燃料供給装置。
【0156】(11)前記切替手段が、前記還流経路の
途中に設けられて該還流経路の有効径を選択的に可変と
する可変絞り機構である前記(7)記載の内燃機関の燃
料供給装置。
【0157】(12)前記(11)記載の内燃機関の燃
料供給装置において、前記切替手段は、前記還流経路に
おける可変絞り機構の上流もしくは下流に設けられて、
同還流経路を選択的に開閉する主電磁弁をさらに備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
【0158】(13)前記(8)または(10)〜(1
2)のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置におい
て、前記バイパス経路と前記燃料噴射機構との間の燃料
経路に、同経路を選択的に開閉する補助電磁弁をさらに
備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
【0159】(14)前記切替手段は、前記内燃機関の
停止中、前記補助電磁弁の閉操作と協働して前記燃料噴
射機構の上流及び下流の経路を閉鎖する前記(6)また
は(13)記載の内燃機関の燃料供給装置。
【0160】(15)前記切替手段は、少なくとも前記
内燃機関の始動時、前記燃料噴射機構に圧送される燃料
を選択的に非調圧状態に切り替える前記(1)〜(1
4)のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第1
の実施の形態についてその全体構成を模式的に示す概略
図。
【図2】同実施の形態にかかる燃料経路の一切替状態を
模式的に示す図。
【図3】同実施の形態にかかる燃料経路の一切替状態を
模式的に示す図。
【図4】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第2
の実施の形態にかかる燃料経路を模式的に示す図。
【図5】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第3
の実施の形態にかかる燃料経路を模式的に示す図。
【図6】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第4
の実施の形態にかかる燃料経路を模式的に示す図。
【図7】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第5
の実施の形態にかかる燃料経路を模式的に示す図。
【図8】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第6
の実施の形態にかかる燃料経路を模式的に示す図。
【図9】本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の第7
の実施の形態にかかる燃料経路を模式的に示す図。
【図10】従来のフューエルリターン式の燃料経路を模
式的に示す図。
【符号の説明】
1…内燃機関、3…燃料供給装置、4…電子制御装置
(ECU)、5…検出系、11…シリンダブロック、1
2…シリンダ、12a…ウォータージャケット、13…
イグニッションプラグ、14…吸気弁、15…排気弁、
16…シリンダヘッド、17…クランクシャフト、18
…コネクティングロッド、19…ピストン、20…燃焼
室、21…エアクリーナ、22…スロットルバルブ、2
3…吸気通路、24…排気通路、25…触媒装置、31
…燃料タンク、32…燃料ポンプ、33…フィルタ、3
4…燃料噴射弁、35…燃料噴射機構、36…デリバリ
パイプ、37…プレッシャレギュレータ、38…電磁
弁、39…絞り機構、51…タンク燃温センサ、52…
タンク燃圧センサ、53…パイプ燃温センサ、54…パ
イプ燃圧センサ、R1…供給経路、R2…バイパス経
路、R3…還流経路、R4…迂回経路、FCV…可変絞
り機構、MEV…マスター電磁弁(主電磁弁)、SEV
…補助電磁弁、R5…還流補助経路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 21/02 301 F02M 21/02 301K 301L 301R 37/00 A 37/00 311A 311 37/20 R 37/20 U 69/00 320J 320B (72)発明者 菰田 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 林 憲示 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 斉木 利成 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 佐藤 亨 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 内田 光宣 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 3G084 AA05 BA14 CA01 DA09 DA34 EC08 FA20 FA36 3G301 HA22 JA30 KA01 LB01 LB07 LC01 MA18 PB01Z PB03Z PB08A

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク内に貯留された燃料を燃料ポン
    プにて燃料噴射機構に圧送し、この圧送した燃料を同燃
    料噴射機構を介して内燃機関に噴射供給する内燃機関の
    燃料供給装置において、 少なくとも前記内燃機関の始動時、前記燃料噴射機構に
    圧送される燃料の流量が同機関の通常運転時に比べて増
    量されるように燃料経路の流通態様を制御する流通制御
    機構を備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装
    置。
  2. 【請求項2】前記流通制御機構は、前記燃料噴射機構に
    圧送される燃料の圧力調圧度合いを変更することで同燃
    料噴射機構に圧送される燃料の流量を制御する請求項1
    記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 【請求項3】前記流通制御機構は、前記燃料の流通経路
    の流通抵抗を可変とすることによって前記燃料噴射機構
    に圧送される燃料の圧力調圧度合いを変更する請求項2
    記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】前記燃料を前記燃料噴射機構を介して前記
    燃料タンクに還流させるための還流経路を少なくとも備
    え、前記流通制御機構は、前記還流経路の流通抵抗を可
    変とすることによって前記燃料噴射機構に圧送される燃
    料の圧力調圧度合いを変更する請求項3記載の内燃機関
    の燃料供給装置。
  5. 【請求項5】前記流通制御機構は、前記還流経路に可変
    絞り機構を備え、該可変絞り機構の絞り度合いを変更す
    ることによって前記還流経路の流通抵抗を可変とする請
    求項4記載の内燃機関の燃料供給装置。
  6. 【請求項6】前記流通制御機構は、前記還流経路に設け
    られて該還流経路を選択的に開閉する電磁弁を備え、こ
    の電磁弁の開閉操作を通じて前記還流経路の流通抵抗を
    可変とする請求項4または5記載の内燃機関の燃料供給
    装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の内燃機関の燃料供
    給装置において、 前記流通制御機構は、前記燃料噴射機構の上流の燃料経
    路に設けられて該経路を選択的に開閉する補助電磁弁を
    さらに備え、前記内燃機関の停止中、前記補助電磁弁の
    閉操作と協働して前記燃料噴射機構の上流及び下流の経
    路を閉鎖することを特徴とする内燃機関の燃料供給装
    置。
  8. 【請求項8】前記流通制御機構は、流通抵抗の異なる複
    数の燃料経路と、それら燃料経路を選択的に切り替える
    切替手段とを備えて構成される請求項3記載の内燃機関
    の燃料供給装置。
  9. 【請求項9】前記燃料を前記燃料噴射機構を介して前記
    燃料タンクに還流させるための還流経路を少なくとも備
    え、前記複数の燃料経路は、前記還流経路を選択的に開
    閉する電磁弁の設けられた経路とこの電磁弁を迂回する
    ように絞り機構もしくはプレッシャレギュレータの設け
    られた迂回経路とからなり、前記切替手段は、前記電磁
    弁を開閉することによって前記還流経路の流通抵抗を可
    変とする請求項8記載の内燃機関の燃料供給装置。
  10. 【請求項10】前記複数の燃料経路は、前記燃料を前記
    燃料噴射機構を介して前記燃料タンクに還流させるため
    の還流経路と、前記燃料噴射機構に圧送される燃料を該
    燃料噴射機構の上流から前記燃料タンクに還流させるた
    めのバイパス経路とからなるとともに、このバイパス経
    路には同バイパス経路を流通する燃料の圧力を調圧する
    プレッシャレギュレータが設けられ、前記切替手段は、
    前記燃料の流通経路として、前記還流経路と前記バイパ
    ス経路とを選択的に切り替える請求項8記載の内燃機関
    の燃料供給装置。
  11. 【請求項11】前記切替手段が、前記還流経路を選択的
    に開閉する電磁弁である請求項10記載の内燃機関の燃
    料供給装置。
  12. 【請求項12】前記切替手段が、前記還流経路を選択的
    に開閉する電磁弁と、この電磁弁を迂回する迂回経路
    と、この迂回経路の途中に設けられた絞り機構もしくは
    プレッシャレギュレータとを備えて構成される請求項1
    0記載の内燃機関の燃料供給装置。
  13. 【請求項13】請求項9または12記載の内燃機関の燃
    料供給装置において、 前記流通制御機構は、前記還流経路における前記電磁弁
    とその迂回経路とからなる並列部の上流もしくは下流に
    設けられて、同還流経路を選択的に開閉する主電磁弁を
    さらに備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装
    置。
  14. 【請求項14】前記切替手段が、前記還流経路の途中に
    設けられて該還流経路の有効径を選択的に可変とする可
    変絞り機構である請求項10記載の内燃機関の燃料供給
    装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の内燃機関の燃料供給装
    置において、 前記流通制御機構は、前記還流経路における前記可変絞
    り機構の上流もしくは下流に設けられて、同還流経路を
    選択的に開閉する主電磁弁をさらに備えることを特徴と
    する内燃機関の燃料供給装置。
  16. 【請求項16】請求項11または13〜15のいずれか
    に記載の内燃機関の燃料供給装置において、 前記流通制御機構は、前記バイパス経路と前記燃料噴射
    機構との間の燃料経路に設けられて、該経路を選択的に
    開閉する補助電磁弁をさらに備え、前記内燃機関の停止
    中、前記電磁弁の閉操作と協働して前記燃料噴射機構の
    上流及び下流の経路を閉鎖することを特徴とする内燃機
    関の燃料供給装置。
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