JP2003201931A - 内燃機関用の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関用の燃料噴射装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射装置の性能を維持しながら、前フィ
ードポンプを従来のものに比べて小型に設計できるよう
にする。 【解決手段】 弁４０が設けられていて、該弁が、戻し
導管３８を第１の切換え位置では燃料フィルタ２０の前
の上流側において該燃料フィルタ２０と前フィードポン
プ１０との間に接続し、かつ第２の切換え位置では燃料
フィルタ２０の後ろの下流側において該燃料フィルタ２
０と高圧ポンプ１８との間に接続するようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用の燃料
噴射装置であって、前フィードポンプが設けられてお
り、該前フィードポンプによって燃料が燃料タンクから
高圧ポンプに圧送され、該高圧ポンプによって燃料がア
キュムレータに圧送されるようになっており、該アキュ
ムレータに少なくとも１つのインジェクタが接続されて
いて、該インジェクタによって燃料が内燃機関に噴射さ
れるようになっており、前フィードポンプと高圧ポンプ
との間に燃料フィルタが配置されていて、噴射されなか
った燃料を少なくとも１つのインジェクタから高圧ポン
プの前つまり上流側の領域に戻すための戻し導管が設け
られている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】このような燃料噴射装置は、例えば文献
「Dieselmotor-Management」Vieweg出版社、第２版 １
９９８年、第２６２頁に基づいて公知である。この公知
の燃料噴射装置は前フィードポンプを有しており、この
前フィードポンプによって燃料は燃料タンクから高圧ポ
ンプに圧送される。高圧ポンプによって燃料はアキュム
レータに圧送され、このアキュムレータにはインジェク
タが接続されており、これらのインジェクタによって燃
料は内燃機関において噴射される。前フィードポンプと
高圧ポンプとの間には燃料フィルタが配置されている。
噴射されなかった燃料のための戻し導管がインジェクタ
から延びており、この戻し導管は燃料タンクに開口して
いて、ひいては高圧ポンプの前の上流側の領域に開口し
ている。この公知の構成における欠点は、前フィードポ
ンプによって常に多量の燃料が吸い込まれねばならず、
この多量の燃料は部分的に再び燃料タンクに戻されるこ
とである。従って前フィードポンプを相応に大型に設計
しなくてはならない。
【０００３】
【非特許文献１】「Dieselmotor-Management」Vieweg
出版社、第２版 １９９８年、第２６２頁
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ゆえに本発明の課題
は、冒頭に述べた形式の燃料噴射装置を改良して、燃料
噴射装置の性能を維持しながら、前フィードポンプを従
来のものに比べて小型に設計できるようにすることであ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、弁が設けられていて、該弁が、戻
し導管を第１の切換え位置では燃料フィルタの前の上流
側において該燃料フィルタと前フィードポンプとの間に
接続し、かつ第２の切換え位置では燃料フィルタの後ろ
の下流側において該燃料フィルタと高圧ポンプとの間に
接続するようになっている。
【０００６】
【発明の効果】このように構成されていると、本発明に
よる燃料噴射装置には公知のものに比べて次のような利
点が得られる。すなわち本発明による燃料噴射装置で
は、噴射されなかった燃料を前フィードポンプと高圧ポ
ンプとの間に戻すことによって、前フィードポンプによ
って僅かな燃料量だけを圧送すればよくなり、その結果
前フィードポンプを小型に設計することができる。本発
明による燃料噴射装置における弁によってさらに、戻さ
れる燃料を選択的に燃料フィルタの前か後ろに導くこと
が可能である。
【０００７】請求項１記載の燃料噴射装置の別の有利な
構成は、請求項２以下に記載されている。
【０００８】請求項２記載のように構成されていると、
強い加熱による燃料フィルタの損傷を回避することがで
きる。請求項３記載のように構成されていると、燃料フ
ィルタの迅速な加熱が可能であり、このことは特に周囲
温度が低い場合に、濃い燃料による燃料フィルタの閉塞
もしくは詰まりを阻止するのに役立つ。また請求項４記
載のように弁が構成されていると、弁を内燃機関の運転
パラメータに依存して制御することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら本発明の
実施の形態を説明する。
【００１０】図１には、例えば自動車の内燃機関用の燃
料噴射装置が示されている。内燃機関は有利には自己点
火式の内燃機関であり、単数又は複数のシリンダを有し
ている。燃料噴射装置は前フィードポンプ１０を有して
おり、この前フィードポンプ１０は例えば自動車の燃料
タンク１２内に配置されているが、燃料タンク１２の外
に配置されていてもよい。前フィードポンプ１０は電気
式の駆動モータを有していて、例えば前フィルタ１４を
介して燃料を燃料タンク１２から吸い上げる。前フィー
ドポンプ１０は例えばまた機械式に内燃機関によって駆
動されることも可能である。前フィードポンプ１０の出
口からは導管１６が高圧ポンプ１８に延びている。前フ
ィードポンプ１０と高圧ポンプ１８との間において導管
１６には、燃料フィルタ２０が配置されており、この燃
料フィルタ２０は微細フィルタとして形成されていて、
前フィードポンプ１０によって圧送された燃料によって
貫流される。
【００１１】高圧ポンプ１８は例えば複数のポンプエレ
メントを有しており、これらのポンプエレメントはそれ
ぞれ、シリンダ孔内において案内されて行程運動で駆動
されるピストンを有している。高圧ポンプ１８は有利に
は機械式に内燃機関によって駆動される。高圧ポンプ１
８によって圧送された燃料は、導管２２を介してアキュ
ムレータ２４に供給される。内燃機関の各シリンダのた
めに、シリンダの燃焼室内に燃料を噴射する各１つのイ
ンジェクタ２６が設けられている。各インジェクタ２６
は導管２８を介してアキュムレータ２４と接続されてお
り、燃料噴射のためのインジェクタ２６の開口は、電気
式に駆動される弁３０によって制御される。アキュムレ
ータ２４内における圧力の制御及び／又は制限のために
圧力弁３２が設けられており、この圧力弁３２は所定の
圧力を上回った場合に開放し、導管３４を介してアキュ
ムレータ２４から燃料タンク１２への戻し路を開放す
る。高圧ポンプ１８には戻し路３６が設けられており、
この戻し路３６を介して例えば漏れ燃料量を流出させる
ことができ、この戻し路３６は導管３４に開口すること
ができる。
【００１２】インジェクタ２６からも同様に戻し路が導
管３８を介して延びており、この導管３８を介して、噴
射されなかった燃料が排出される。しかしながらインジ
ェクタ２６からの戻し路は、燃料タンク１２内に導かれ
るのではなく、前フィードポンプ１０と高圧ポンプ１８
との間における領域に通じている。戻し導管３８には弁
４０が設けられており、この弁４０によって戻し導管３
８は第１の切換え位置において、燃料フィルタ２０の前
つまり上流側で該燃料フィルタ２０と前フィードポンプ
１０との間において開口し、また戻し導管３８は第２の
切換え位置において、燃料フィルタ２０の後ろつまり下
流側で該燃料フィルタ２０と高圧ポンプ１８との間にお
いて開口する。弁４０からは、燃料フィルタ２０の前で
開口する導管４２と、燃料フィルタ２０の後ろで開口す
る導管４４とが延びている。両方の導管４２，４４は導
管１６に開口していているか又は直接燃料フィルタ２０
のケーシングにおいて開口している。弁４０は３ポート
２位置方向切換え弁として形成可能であり、この３ポー
ト２位置方向切換え弁によって第１の切換え位置では、
戻し導管３８は導管４２と接続されて、導管４４からは
切り離され、かつ第２の切換え位置では戻し導管３８
は、導管４４と接続されて、導管３８からは切り離され
ている。
【００１３】弁４０は電気制御式の弁として形成されて
おり、例えば電磁式のアクチュエータを有しており、こ
のアクチュエータは、燃料噴射装置の制御装置５０によ
って制御される。この場合さらにセンサ装置５２を用い
て、戻し導管３８を貫流する燃料の温度が検出され、セ
ンサ装置５２は制御装置５０と接続されている。制御装
置５０によって弁４０は次のように制御される。すなわ
ちこの場合弁４０は低い燃料温度では第１の切換え位置
を占め、その結果戻し導管３８は燃料フィルタ２０の前
で開口し、戻された燃料は燃料フィルタ２０を貫流す
る。高い燃料温度では弁４０は制御装置５０によって第
２の切換え位置にもたらされ、その結果戻し導管３８は
燃料フィルタ２０の後ろで開口し、戻された燃料は燃料
フィルタ２０を貫流しない。択一的に、弁４０自体が、
温度に敏感なエレメント４１を有していてもよく、この
エレメント４１は、戻し導管３８を貫流する燃料にさら
されており、このエレメント４１によって弁４０は次の
ように、すなわち燃料温度が低い場合には第１の切換え
位置を占め、かつ高い燃料温度では第２の切換え位置を
占めるように、切り換えられる。温度に敏感なエレメン
ト４１は例えば膨張材料エレメントであっても又はバイ
メタルばねであってもよく、このようなエレメントは温
度に依存して変形し、弁４０における相応な接続部を制
御する。
【００１４】さらに、弁４０は制御装置５０によって内
燃機関の始動時にもたらされるようになっていてもよ
く、その結果戻し導管３８を通して戻された加熱された
燃料が、燃料フィルタ２０を貫流して、該燃料フィルタ
２０を暖める。このことは特に、低い周囲温度時に有利
であり、これによって、燃料が濃くなった場合における
燃料フィルタ２０の閉塞を回避することができる。
【００１５】弁４０はさらに、内燃機関の少なくとも１
つの運転パラメータに依存して両切換え位置の間におい
て切り換えられ得るようになっていてもよい。弁４０
は、上に述べた電気式の操作の代わりに択一的に空気力
式又は液圧式に操作されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】自動車の内燃機関用の燃料噴射装置を概略的に
示す回路図である。
【符号の説明】
１０ 前フィードポンプ、 １２ 燃料タンク、 １４
前フィルタ、 １６導管、 １８ 高圧ポンプ、 ２
０ 燃料フィルタ、 ２２ 導管、 ２４アキュムレー
タ、 ２６ インジェクタ、 ２８ 導管、 ３０
弁、 ３２圧力弁、 ３４ 導管、 ３６ 戻し路、
３８ 導管、 ４０ 弁、 ４１エレメント、 ４２，
４４ 導管、 ５０ 制御装置、 ５２ センサ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴェルナー ブリューマン ドイツ連邦共和国 シュツツトガルト ト リーゲルエッカーシュトラーセ 13 (72)発明者 クルト フランク ドイツ連邦共和国 ショルンドルフ シェ ルメンヴァーゼン 14 (72)発明者 シュテファン キーフェルレ ドイツ連邦共和国 シユツツトガルト バ ンツハルデンシュトラーセ 66 Ｆターム(参考） 3G066 AA07 AB02 BA41 BA67 CB12 CB16 CD02 DC11 DC15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内燃機関用の燃料噴射装置であって、前
    フィードポンプ（１０）が設けられており、該前フィー
    ドポンプ（１０）によって燃料が燃料タンク（１２）か
    ら高圧ポンプ（１８）に圧送され、該高圧ポンプ（１
    ８）によって燃料がアキュムレータ（２４）に圧送され
    るようになっており、該アキュムレータ（２４）に少な
    くとも１つのインジェクタ（２６）が接続されていて、
    該インジェクタ（２６）によって燃料が内燃機関に噴射
    されるようになっており、前フィードポンプ（１０）と
    高圧ポンプ（１８）との間に燃料フィルタ（２０）が配
    置されていて、噴射されなかった燃料を少なくとも１つ
    のインジェクタ（２６）から高圧ポンプ（１８）の前つ
    まり上流側の領域に戻すための戻し導管（３８）が設け
    られている形式のものにおいて、弁（４０）が設けられ
    ていて、該弁（４０）が、戻し導管（３８）を第１の切
    換え位置では燃料フィルタ（２０）の前の上流側におい
    て該燃料フィルタ（２０）と前フィードポンプ（１０）
    との間に接続し、かつ第２の切換え位置では燃料フィル
    タ（２０）の後ろの下流側において該燃料フィルタ（２
    ０）と高圧ポンプ（１８）との間に接続するようになっ
    ていることを特徴とする、内燃機関用の燃料噴射装置。
  2. 【請求項２】 弁（４０）が、戻される燃料の温度に依
    存して次のように、すなわち弁（４０）が低い燃料温度
    時には第１の切換え位置を占めて、戻し導管（３８）を
    燃料フィルタ（２０）の前に接続し、かつ高い燃料温度
    時には第２の切換え位置を占めて、戻し導管（３８）を
    燃料フィルタ（２０）の後ろに接続するように、制御さ
    れる、請求項１記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項３】 弁（４０）が内燃機関の始動時に第１の
    切換え位置にもたらされて、戻し導管（３８）が燃料フ
    ィルタ（２０）の前に接続される、請求項１又は２記載
    の燃料噴射装置。
  4. 【請求項４】 弁（４０）が、内燃機関の少なくとも１
    つの運転パラメータに依存して、２つの切換え位置の間
    において切り換えられる、請求項１から３までのいずれ
    か１項記載の燃料噴射装置。
  5. 【請求項５】 燃料のための戻し導管（３４；３６）
    が、アキュムレータ（２４）の圧力弁（３２）から及び
    ／又は高圧ポンプ（１８）から、弁（４０）を迂回し
    て、燃料タンク（１２）に接続される、請求項１から４
    までのいずれか１項記載の燃料噴射装置。
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