JP2003201357A - 光学用ポリエステルフィルム - Google Patents

光学用ポリエステルフィルム

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JP2003201357A
JP2003201357A JP2001400728A JP2001400728A JP2003201357A JP 2003201357 A JP2003201357 A JP 2003201357A JP 2001400728 A JP2001400728 A JP 2001400728A JP 2001400728 A JP2001400728 A JP 2001400728A JP 2003201357 A JP2003201357 A JP 2003201357A
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film
polyester
acid
active energy
energy ray
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JP2001400728A
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English (en)
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Kazuyuki Akatsu
一之 赤津
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Mitsubishi Polyester Film Corp
Original Assignee
Mitsubishi Polyester Film Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性エネルギー線硬化樹脂層を設けた後の、
アニール処理や加工工程中の熱履歴によるカールが少な
く、光学用フィルムとしての外観に優れ、活性エネルギ
ー線硬化樹脂層との接着性に優れた光学用ポリエステル
フィルムを提供する。 【解決手段】フィルムヘーズが2.0%以下で、150
℃、30分処理後の縦方向、横方向の熱収縮率値が共に
1.5〜0.6%の範囲であり、かつ縦方向、横方向の
熱収縮率値の差が0.5%以下で、少なくとも片面に製
膜工程内で設けられた塗布層を有することを特徴とする
光学用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用ポリエステ
ルフィルムに関し、詳しくは、活性エネルギー線硬化樹
脂層を設けた後のアニール処理や加工時の熱履歴による
カールが少なく、作業性、生産性、活性エネルギー線硬
化樹脂層との密着性に優れた光学用ポリエステルフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明
性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐
薬品性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、金属蒸着
材料、製版材料、磁気記録材料、表示材料、転写材料、
窓貼り材料などを始めとして多くの用途で使用されてい
る。特に最近では、透明タッチパネル用、液晶表示装置
に用いられるプリズムシート用のベースフィルムやブラ
ウン管、LCD、PDP等の、いわゆるフラットディス
プレイの前面パネルガラス表面貼り付け用に、帯電防
止、反射防止、電磁波シールド等の機能層を設けた保護
フィルムのベースフィルム用などの各種光学用途に広く
用いられているが、ポリエステルフィルムは傷が付きや
すいため、外観や光学的特性が損なわれやすいという欠
点があり、表面に傷入り防止の為、活性エネルギー線硬
化樹脂層を設けて使われるのが一般的である。特に、最
近需要が増えている携帯情報端末(PDA)用において
は、軽量小型化と高機能化を両立するために導電回路の
精密化が著しく、回路形成工程における寸法安定性につ
いても厳しい要求となっている。
【0003】従来、回路形成工程における寸法安定性の
向上策としては、基盤となるポリエステルフィルムをア
ニール処理等により低熱収縮化する手法が用いられてき
た。しかしながら、近年、活性エネルギー線硬化樹脂層
の表面硬度向上の要求に伴い、活性エネルギー線硬化樹
脂層自体が加熱収縮率の大きいタイプの樹脂組成に変わ
ってきており、基盤となるポリエステルフィルムを低熱
収縮率化するだけでは、寸法安定性が維持されなくなっ
てきた。そのため、最近では、基盤となるポリエステル
フィルムを単独にアニール処理するだけではなく、活性
エネルギー線硬化樹脂層塗工後、回路形成工程前か、あ
るいは形成工程中にアニール処理による寸法安定性の向
上が図られる場合が多くなっている。この場合、熱処理
条件によっては、活性エネルギー線硬化樹脂層と基盤と
なるポリエステルフィルムの熱収縮率の違いから生じる
カールのため、作業性、生産性の低下が生じる場合があ
り、問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、寸法安定
性向上のためのアニール処理や加工工程中に受ける熱履
歴によるカールが少なく、作業性に優れ、活性エネルギ
ー線硬化樹脂層との接着性に優れた有用なフィルムを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定構成のポリエステル
フィルムによれば上記課題を容易に解決できることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、フィルムヘー
ズが2.0%以下で、150℃、30分処理後の縦方向
および横方向の熱収縮率値がいずれも1.5〜0.6%
の範囲であり、かつ縦方向と横方向の熱収縮率値の差が
0.5%以下であり、少なくとも片面に製膜工程内で設
けられた塗布層を有することを特徴とする光学用ポリエ
ステルフィルムに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン
酸またはそのエステルとグリコールとを主たる出発原料
として得られるポリエステルであり、例えば、繰り返し
構造単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位ま
たはエチレン−2,6−ナフタレート単位または1,4
−シクロヘキサンテレフタレートを有するポリエステル
を指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下であれ
ば、他の第三成分を含有していてもよい。芳香族ジカル
ボン酸成分としては、テレフタル酸および2,6−ナフ
タレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸
(例えばp−オキシエトキシ安息香酸)等の一種または
二種以上を使用することが出来る。グリコール成分とし
ては、エチレングリコール以外に、例えば、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコール等の一種または二種以上を使用することが出来
る。
【0008】ポリエステルの極限粘度は、通常0.52
〜0.80、好ましくは0.55〜0.75、さらに好
ましくは0.58〜0.75である。IV値が0.52
未満では、フィルムとした際のポリエステルフィルムが
持つ、優れた特徴である耐熱性、機械的強度等が劣る傾
向がある。また、IV値が0.80を超えると、ポリエ
ステルフィルム製造時の押出工程での負化が大きくなり
すぎる傾向があり、生産性が低下する恐れがある。
【0009】本発明のフィルムは、フィルムヘーズが
2.0%以下、好ましくは1.5%以下、さらに好まし
くは1.0%以下である。本発明のフィルムは、その優
れた透明性を有するために光学用途に広く用いられる
が、フィルムヘーズが2.0%を超える場合は、光学用
として不適切となってしまう。本発明のフィルムの全フ
ィルム厚みは、通常50μm〜300μm、好ましくは
75μm〜250μmである。全フィルム厚みが、50
μm未満の場合、フィルムの腰が無いため、加熱収縮率
値が本発明の範囲内でも、活性エネルギー線硬化樹脂層
の熱収縮応力によってカールが生じることがあり、30
0μmより厚いとその剛性のため作業性が悪化する傾向
がある。
【0010】本発明においては、フィルムに滑り性を与
えて取扱い性を向上するため、ポリエステルに粒子を含
有させてフィルム表面に適度な突起を形成させてもよ
い。かかる粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チ
タン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フ
ッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒
子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒
子、および、ポリエステル重合時に生成させる析出粒子
を挙げることが出来る。これらの粒子は、同一または異
なる種類を二種以上併用してもよい。
【0011】上記の粒子の平均粒径は、通常3.0μm
以下、好ましくは2.5μm以下、さらに好ましくは
2.0μm以下の範囲である。平均粒径が3.0μmを
超える場合は、フィルム製造における溶融押出工程に設
けられるフィルターのライフが短くなる場合がある。ポ
リエステル中の粒子の含有量は、通常30重量%以下、
好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量
%以下の範囲である。粒子含有量が30重量%を超える
場合は、フィルムの強度が低下する傾向がある。粒子
は、ポリエステルの合成反応中に添加してもポリエステ
ルに直接添加してもよい。合成反応中に添加する場合
は、粒子をエチレングリコール等に分散させたスラリー
として、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法
が好ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合
は、乾燥した粒子として、または、水あるいは沸点が2
00℃以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、2
軸混練押出機を使用してポリエステルに混合する方法が
好ましい。添加する粒子は、必要に応じ、事前に解砕、
分散、分級、濾過などの処理を施しておいてもよい。
【0012】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記した方法で高濃度に粒子を含有するマスター原料を調
製し、これに実質的に粒子を含有しない原料を添加して
希釈する方法が有効である。本発明においては、必要に
応じて、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、固着防
止剤、酸化防止剤、着色剤(染料、顔料)、光線遮断
剤、紫外線吸収剤などをポリエステルに含有させてもよ
い。本発明において、ポリエステルフィルムは、最終的
に得られる特性が本発明の要件を満足する限り、多層構
造となっていても構わない。例えば、共押出積層フィル
ムであってもよい。多層構造の場合、上記の記述は、最
表面層のポリエステルに適用される。
【0013】本発明において、二軸延伸ポリエステルフ
ィルムの製造は、同時二軸延伸、逐次二軸延伸の何れか
で行われるが、逐次二軸延伸が好ましく採用される。逐
次二軸延伸においては、まず、冷却回転ドラムの表面に
溶融ポリエステルを押し出してシートを得、次いで、こ
れを周速差のある一群のロールでフィルムの長手方向に
延伸(縦延伸)した後、フィルムの長手方向と直交する
方向にクリップで保持しつつ延伸(横延伸)する。上記
の縦延伸および横延伸は何回かに分割して行ってもよ
い。また、分割した縦延伸および横延伸を交互に行って
もよい。例えば、高強度フィルムを再延伸法で製造する
方法がこれに相当する。本発明のポリエステルフィルム
は、表面硬度の向上のため、活性エネルギー線硬化樹脂
層を設けるのが普通である。この場合、ポリエステルフ
ィルムは、一般的に不活性であることから接着性に乏し
く、かかる活性エネルギー線硬化樹脂層との接着性を向
上させるために、接着性向上のための塗布層をあらかじ
め設けることが必要である。
【0014】かかる塗布層を形成する方法としては、テ
ンター入口前(配向結晶化完了前)にコートしてテンタ
ー内で乾燥するいわゆるインラインコート法が好まし
い。また、必要に応じ、ポリエステルフィルムの製造後
にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。こ
のようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーテ
ィングの材料としては、オフラインコーティングの場合
は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、イン
ラインコーティングの場合は、水系または水分散系が好
ましい。また、本発明の光学用ポリエステルフィルムが
ディスプレイ用に用いられる場合、表面硬度向上のため
に設けた活性エネルギー線硬化樹脂層のさらにその上
に、外光の映り込みや静電気による電撃、ゴミ付着防
止、さらには電磁波シールドを目的とした機能性多層薄
膜を形成してもよい。
【0015】本発明のポリエステルフィルムの塗布層と
しては、架橋剤と各種バインダー樹脂との組み合わせか
らなるものが好ましく、バインダー樹脂としては接着性
の観点から、ポリエステル、アクリル系ポリマーおよび
ポリウレタンの中から選ばれた少なくとも1つのポリマ
ーを併用する。上記のポリマーは、それぞれそれらの誘
導体をも含むものとする。誘導体とは、他のポリマーと
の共重合体、官能基に反応性化合物を反応させたポリマ
ーを指す。なお、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレ
フィン等も強靱な被膜を形成し上塗り剤と良好な接着性
を示すが、これらは塩素を含有するため、燃焼時に塩素
を含む有害なダイオキシン化合物を発生する可能性があ
り、この点で好ましくない。また、塗布フィルムのスク
ラップを再利用する際に、着色、腐食性ガスの発生と言
う問題があり、この点でも好ましくない。
【0016】上記のポリエステル、アクリル系ポリマ
ー、ポリウレタンを以下に詳しく説明する。まず、本発
明で塗布剤として用いるポリエステル系樹脂を構成する
成分として、下記のような多価カルボン酸および多価ヒ
ドロキシ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタ
ル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホ
イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、ト
リメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無
水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸
モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体な
どを用いることができ、多価ヒドロキシ化合物として
は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパン
ジオ−ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオ−ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネ
オペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、p−キシリレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA
−エチレングリコ−ル付加物、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、ポ
リプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−
ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ−ル、ジメチロ
−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパ
ン、ジメチロ−ルエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチ
ロ−ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができ
る。常法の重縮合反応によってポリエステル樹脂を合成
する。
【0017】なお、上記のほか、特開平1−16563
3号公報に記載されている、いわゆるアクリルグラフト
ポリエステルや、ポリエステルポリオールをイソシアネ
ートで鎖延長したポリエステルポリウレタンなどのポリ
エステル成分を有する複合高分子も本発明のポリエステ
ル系樹脂に含まれる。本発明で用いるポリエステル系樹
脂は、水を媒体とする塗布剤であり、界面活性剤などに
よって強制分散化した塗布剤であってもよいが、好まし
くはポリエ−テル類のような親水性のノニオン成分や、
四級アンモニウム塩のようなカチオン性基を有する自己
分散型塗布剤であり、さらに好ましくは、アニオン性基
を有する水溶性または水分散性ポリエステル系樹脂塗布
剤である。アニオン性基を有するポリエステルとは、ア
ニオン性基を有する化合物を共重合やグラフトなどによ
りポリエステルに結合させたものであり、スルホン酸、
カルボン酸、リン酸およびそれらのリチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等から、適宜選択
される。
【0018】ポリエステル系樹脂のアニオン性基の量
は、0.05〜8重量%の範囲が好ましい。アニオン性
基量が0.05重量%未満では、ポリエステル系樹脂の
水溶性あるいは水分散性が悪く、アニオン性基量が8重
量%を超えると、塗布層の耐水性が劣ったり、吸湿して
フィルムが相互に固着したりする。本発明で塗布剤とし
て用いるアクリル系ポリマーとは、アクリル系、メタア
クリル系のモノマーに代表されるような、炭素−炭素二
重結合を持つ重合性モノマーからなる重合体である。こ
れらは、単独重合体あるいは共重合体いずれでも差し支
えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポ
リエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれ
る。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体であ
る。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル
分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを
重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの
混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウ
レタン分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノ
マーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリ
マーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶
液、または分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性
モノマーを重合して得られたポリマー(場合によっては
ポリマー混合物)も含まれる。
【0019】上記炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノ
マーとしては、特に限定はしないが、特に代表的な化合
物を例示すると以下のようになる。アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン
酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノ
マー類、およびそれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒド
ロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー
類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのよ
うな各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)ア
クリルミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等の
ような種々の窒素含有ビニル系モノマー類;スチレン、
α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエ
ンのような各種スチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、チッソ(株)製「サイラプレーンFM−
07」(メタクリロイロシリコンマクロマー)等のよう
な種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モ
ノマー類;塩化ビニル、塩化ビリデン、フッ化ビニル、
フッ化ビニリデン、トリフルオロクロルエチレン、テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロピレンのような各種のハロゲン化ビニ
ル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類等。
【0020】上記アクリル系モノマーからのポリマーの
製造には特に制限はなく、常法によって製造できる。例
えば、有機溶剤と上記の各種モノマーおよび重合開始剤
を混合して、加熱攪拌し重合できる。あるいは、有機溶
媒を加熱攪拌しながら上記の各種モノマーおよび重合開
始剤を滴下して重合を行ってもよい。さらには、有機溶
剤、上記の各種モノマーおよび重合開始剤をオートクレ
ーブ内で高圧で重合してもよい。また、上記有機溶剤の
代わりに水を用い、必要に応じて界面活性剤を併用し
て、乳化重合や懸濁重合してもよい。これらのモノマー
を反応させるのに要する重合開始剤は特に限定はない。
ただし、それらのうちで代表的な化合物を例示すれば以
下のとおりである。
【0021】過硫酸アンモニウム、過酸化水素等のよう
な無機のパーオキサイド;過酸化ベンゾイル等のような
アシルパーオキサイド;第3級ブチルヒドロパーオキサ
イド;p−メンタンヒドロパーオキサイドのような種々
のアルキルヒドロパーオキサイド;ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイドのような種々のジアルキルパーオキサ
イド、さらには有機パーオキサイド;アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾジ−tert−ブタンの様な種々のア
ゾ系化合物また上記の有機または無機のパーオキサイド
は、還元剤と組み合わせて、いわゆるレドックス系触媒
として使用することもできる。この場合、各成分を一つ
の化合物で行ってもよいし、複数を併用してもよい。上
記の還元剤として代表的な化合物としては以下のとおり
である。
【0022】有機アミン類、L−アスコルビン酸、L−
ソルビン酸、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバル
ト、ナフテン酸鉄、オクテン酸鉄等。本発明におけるポ
リウレタン系樹脂としては、例えば、特公昭42−24
194号公報、特公昭46−7720号公報、特公昭4
6−10193号公報、特公昭49−37839号公
報、特開昭50−123197号公報、特開昭53−1
26058号公報、特開昭54−138098号公報等
に開示された公知のポリウレタン系樹脂またはそれらに
準じたポリウレタン系樹脂を使用することができる。例
えば、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシ
アネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0023】また、ポリオールとしては、ポリオキシエ
チレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、
ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテル
ポリオール類、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン
−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等のポリエ
ステルポリオール類、アクリル系ポリオール、ポリカー
ボネート系ポリオール、ひまし油等を挙げることができ
る。通常、分子量300〜2000のポリオールが使用
される。また、鎖長延長剤あるいは架橋剤としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′
−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水等を挙げること
ができる。
【0024】上記のポリウレタン系樹脂は、水を主たる
媒体とする溶媒への溶解性を良くする目的で、アニオン
性の置換基、例えば、−SO3H基、−OSO3H基、−
COOH基およびこれらのアンモニウム塩、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩を有していることが好まし
い。かかるポリウレタン系樹脂の製造方法としては、例
えば、次の(1)〜(3)の製法を挙げることができる
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】(1)ポリイソシアネート、ポリオール、
鎖長延長剤などにアニオン性の置換基を有する化合物を
用いる製法 例えば、アニオン性の置換基を有するポリイソシアネー
トは、芳香族イソシアネート化合物をスルホン化する方
法で得ることができる。また、アミノアルコール類の硫
酸エステル塩またはジアミノカルボン酸塩を有するイソ
シアネート化合物を用いることもできる。 (2)アニオン性の置換基を有する化合物と生成したポ
リウレタンの未反応イソシアネート基とを反応させる製
法 アニオン性の置換基を有する化合物としては、アニオン
性の置換基として、例えば、重亜硫酸塩、アミノスルホ
ン酸およびその塩類、アミノカルボン酸およびその塩
類、アミノアルコール類の硫酸エステルおよびその塩
類、ヒドロキシ酢酸およびその塩類などを有する化合物
を用いることができる。
【0026】(3)ポリウレタンの活性水素含有基(O
H,COOH等)と特定の化合物とを反応させる製法 特定の化合物としては、例えば、ジカルボン酸無水物、
テトラカルボン酸無水物、サルトン、ラクトン、エポキ
シカルボン酸、エポキシスルホン酸、2,4−ジオキソ
−オキサゾリジン、イサト酸無水物、ホストン等を用い
ることができる。また、硫酸カルビルなどの塩型の基ま
たは開環後に塩を生成できる基を示す3員環から7員環
の環式化合物を用いることもできる。
【0027】本発明で塗布剤として用いる、上記のポリ
エステル、アクリル系ポリマー、ポリウレタンの中で、
好ましいポリマーは、ガラス転移温度(Tg)が0℃以
上、さらには40℃以上のものであり、ポリウレタンの
中でもポリエステルポリウレタンであり、カルボン酸残
基を持ち、その少なくとも一部はアミンまたはアンモニ
アを用いて水性化されているポリマーである。ポリエス
テルポリウレタンとは、ポリエステルをポリオールとし
て使用したポリウレタンであり、本願のメラミン樹脂と
併用してインラインコーティングに使用した時に、総合
的に優れた皮膜を形成する。具体的には、上塗り剤との
強い接着性、透明な被膜、優れた耐固着性を示す。ポリ
ウレタンには、工業的には、ポリエーテルポリウレタ
ン、ポリカーボネート系ポリウレタン等も知られている
が、本願のメラミン樹脂と組み合わせるに際しては、ポ
リエステル系ポリウレタンが総合的に好ましい。
【0028】また、特に本発明の塗布液には、水より高
沸点の水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。これによ
り塗膜の透明性、上塗り剤との接着性が向上する。具体
的には、沸点が100℃以上300℃以下であり、20
℃における水への溶解度が1%以上である有機溶媒であ
る。例えば、n−ブチルアルコール、ジアセトンアルコ
ール、セロソルブアセテート、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトー
ル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、3−メ
チル−メトキシブタノール、エチレングリコールモノイ
ソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、テキサノール、ジメチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0029】架橋剤樹脂としては、メラミン系、エポキ
シ系、オキサゾリン系樹脂が一般に用いられるが、塗布
性、耐久接着性の点で、メラミン系樹脂が特に好まし
い。メラミン系樹脂は、特に限定されるものではない
が、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して
得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メ
ラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完
全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物など
を用いることができる。
【0030】また、メラミン系樹脂としては、単量体、
あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれで
あってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよ
い。上記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを好ま
しく使用することができる。官能基としては、イミノ
基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキ
シメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有する
もので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール
基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹
脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などを用いる
ことができる。その中でもメチロール化メラミン樹脂が
最も好ましい。さらに、メラミン系架橋剤の熱硬化を促
進するため、例えばp−トルエンスルホン酸などの酸性
触媒を用いることもできる。
【0031】塗布剤中におけるメラミン樹脂の配合量
は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の
範囲である。架橋剤樹脂の配合量が1重量%未満の場合
は、耐久接着性が十分発揮されないことがあり、耐溶剤
性の改良効果が不十分となる傾向があり、50重量%を
超える場合は、十分な接着性が発揮されない恐れがあ
る。本発明において、滑り性、固着性などをさらに改良
するため、塗布層中に無機系粒子や有機系粒子を含有さ
せることが好ましい。塗布剤中における粒子の配合量
は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%
である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロ
ッキング性が不十分となる場合があり、10重量%を超
えると、フィルムの透明性を阻害し、画像の鮮明度が落
ちる傾向がある。
【0032】無機粒子としては、二酸化ケイ素、アルミ
ナ、酸化ジルコニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、酸化バリウム、カーボンブラック、
硫化モリブデン、酸化アンチモン等が挙げられる。これ
らの中では、二酸化ケイ素が安価でかつ粒子径が多種あ
るので利用しやすい。有機粒子としては、炭素−炭素二
重結合を一分子中に2個以上含有する化合物(例えばジ
ビニルベンゼン)により架橋構造を達成したポリスチレ
ンまたはポリアクリレートポリメタクリレートが挙げら
れる。
【0033】上記の無機粒子および有機粒子は表面処理
されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、界面
活性剤、分散剤としての高分子、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。塗布層中
の粒子の含有量は、透明性を阻害しない適切な添加量と
して10重量%以下が好ましく、さらには5重量%以下
が好ましい。また、塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗
布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡
剤、染料、顔料などを含有していてもよい。塗布剤は、
水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良
する目的または造膜性能を改良する目的で少量の有機溶
剤を含有していてもよい。有機溶剤は、水に溶解する範
囲で使用することが必要である。有機溶剤としては、n
−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコー
ル等の脂肪族または脂環族アルコール類、プロピレング
リコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール
等のグリコール類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ア
ミル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン等
のケトン類、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げ
られる。これらの有機溶剤は、必要に応じて二種以上を
併用してもよい。
【0034】塗布剤の塗布方法としては、例えば、原崎
勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方
式」に示されるような、リバースロールコーター、グラ
ビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター
またはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
塗布層は、ポリエステルフィルムの片面だけに形成して
もよいし、両面に形成してもよい。片面にのみ形成した
場合、その反対面には必要に応じて上記の塗布層と異な
る塗布層を形成して他の特性を付与することもできる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良する
ため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施して
もよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層
形成後に放電処理を施してもよい。
【0035】塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとし
て、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜
0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm
未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れ
がある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フ
ィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの
高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合
は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向が
ある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一
の塗布層を形成する場合に顕著に現れるまた、本発明の
ポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない
範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン
ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混
合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、界面活性剤、蛍光増白剤、潤滑剤、遮光剤、マット
化剤、及び染料、顔料などの着色剤等を配合してもよ
い。また、必要に応じ、フィルムの滑り性や耐摩耗性を
改良する目的などのために、ポリエステルに対し、不活
性な無機又は有機の微粒子などを配合することもでき
る。
【0036】本発明の光学用ポリエステルフィルムにお
いて、塗布層を有する二軸延伸ポリエステルフィルム
は、150℃で30分の縦方向、横方向の熱収縮率値が
共に1.5〜0.6%で、かつ縦、横方向の熱収縮率値
の差が0.5%以下でなければならない。熱収縮率が
1.5%より大きい場合は、活性エネルギー線硬化樹脂
層を設けた後のアニール処理で、ポリエステルフィルム
面に10mmより大きなカールを生じ、熱収縮率値が
0.6%未満の場合は、活性エネルギー線硬化樹脂層面
へ10mmより大きなカールが生じる。また、縦、横方
向の熱収縮率差が0.5%以上になると上記の熱収縮率
値の範囲内においても、10mmより大きなカールが生
じる。縦方向、横方向の熱収縮率は、好ましくは1.3
〜0.9%であり、縦、横方向の熱収縮率値の差は、好
ましくは0.3%以内である。
【0037】本発明の光学用ポリエステルフィルムは、
二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布層上に活性エネル
ギー線硬化樹脂層を形成して用いられる。本発明におい
て、活性エネルギー線硬化樹脂層の硬化成分としては、
不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル系、付加重合系、
チオール・アクリルのハイブリッド系、カチオン重合
系、カチオン重合とラジカル重合のハイブリッド系など
を使用することができる。これらの中では、硬化性、耐
擦傷性、表面硬度、可撓性および耐久性などの観点でア
クリル系の硬化成分が好ましい。上記のアクリル系硬化
成分は、活性エネルギー線重合成分としてのアクリルオ
リゴマーと反応性希釈剤とを含有する。そして、必要に
応じ、光重合開始剤、光増感剤、改質剤を含有する。
【0038】アクリルオリゴマーとしては、代表的に
は、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリロイル基また
はメタアクリロイル基が結合されたオリゴマーが挙げら
れる。その他のアクリルオリゴマーとしては、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレ
ート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレー
ト、ポリブタジエン(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。さらに、メラミン、イソシアヌール酸、環状ホスフ
ァゼン等の剛直な骨格にアクリロイル基またはメタアク
リロイル基が結合したオリゴマーが挙げられる。
【0039】反応性希釈剤は、塗布剤の媒体として塗布
工程での溶剤の機能を担うとともに、それ自体が多官能
性または一官能性のアクリルオルゴマーと反応する基を
有するため、塗膜の共重合成分となる。反応性希釈剤の
具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。
【0040】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
エトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシー2ーフ
ェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、p−クロロベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ア
セトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキ
ノン、フェニルジスルフイド、2−メチル−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパ
ノン等が挙げられる。光増感剤としては、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタ
ノール等の3級アミン系、トリフェニルホスフィン等の
アルキルホスフィン系、β−チオジグリコール等のチオ
エーテル系などが挙げられる。
【0041】改質剤としては、塗布性改良剤、消泡剤、
増粘剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、有機高分
子、染料、顔料、安定剤などが挙げられる。これらは、
活性エネルギー線による反応を阻害しない範囲で使用さ
れ、活性エネルギー線硬化樹脂層の特性を用途に応じて
改良することができる。活性エネルギー線硬化樹脂層の
組成物には、塗工時の作業性向上、塗工厚さのコントロ
ールのため、有機溶剤を配合することができる。活性エ
ネルギー線硬化樹脂層の形成は、硬化用樹脂組成物を前
記の塗布層の表面に塗布した後に活性エネルギー線を照
射して架橋硬化させることにより行う。活性エネルギー
線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線、α線、
β線、γ線を使用することができる。活性エネルギー線
の照射は、通常、塗布層側から行うが、フィルムとの密
着性を高めるため、フィルム面側から行ってもよく、さ
らには、活性エネルギー線を反射し得る反射板をフィル
ム面側に設けてもよい。
【0042】活性エネルギー線硬化樹脂層の厚さは、通
常0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmの範囲で
ある。硬化樹脂層の厚さが0.5μm未満の場合は、表
面硬度が不十分となることがあり、15μmを超える場
合は、硬化樹脂層の硬化収縮が大きくなり、フィルムが
硬化樹脂層側にカールすることがある。本発明において
硬化樹脂層側の表面硬度は、通常H以上、好ましくは2
H以上である。H未満では耐擦傷性が不十分である。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の
評価方法は下記の通りである。実施例および比較例中
「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0044】(1)ポリエステルの極限粘度の測定 ポリエステルに非相溶な他の成分および顔料を除去した
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロ
エタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlに
溶解し、30℃で測定した。 (2)平均粒径 遠心沈降式粒度分布測定装置((株)島津製作所製「S
A−CP3型」)を使用し、ストークスの抵抗則に基づ
く沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により
得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)
50%の値を平均粒径とした。
【0045】(3)熱収縮率 熱風循環炉(田葉井製作所製)を使用し、150℃の雰
囲気中、フィルムを無張力状態で30分間熱処理し、そ
の前後のサンプルの長さを測定し、下記式にて計算し
た。 熱収縮率(%)=(L0−L1)×100/L0 (上記式中、L0は熱処理前のサンプル長さ(mm)、
L1は熱処理後のサンプル長さ(mm)を意味する)
【0046】(4)フィルムヘーズ JIS K 7105に準じ、日本電色工業社製積分球式
濁度計NDH−20Hにより濁度を測定した。 (5)加熱カール量 活性エネルギー線硬化樹脂層塗工品を10cm角の大き
さに切り出し、150℃の熱風循環式オーブンで30分
間放置し熱処理を行い、30分間室温にて放置冷却後ガ
ラス板上に置き、ガラス面からの4隅の浮き上がり量を
測定し最大値をカール値とした。活性エネルギー線硬化
樹脂層面側へ凹状のカールをプラス表示、ポリエステル
フィルム面側へ凹状のカールをマイナス表示し、カール
値の絶対値の最大値で、下記ランク付けを行った。 ◎:カール量が5mm未満 ○:カール量が5〜10mm ×:カール量が10mmより大きい
【0047】(6)活性エネルギー線硬化樹脂層の接着
性 活性エネルギー線硬化樹脂層形成直後、当該硬化層に1
インチ幅に碁盤目が100個になるようクロスカットを
入れ、直ちにセロテープ(登録商標)による急速剥離テ
ストを行い、剥離面積により評価した。判定基準は以下
の表3に示す通りである。 ◎:碁盤目剥離個数<5 ○:5≦碁盤目剥離個数≦10 △:10≦碁盤目剥離個数≦20 ×:50<碁盤目剥離個数
【0048】(7)光学用への適正 活性エネルギー線硬化樹脂層塗工品の熱処理後のカール
や活性エネルギー線硬化樹脂層との接着性、ヘーズ等の
特性より、タッチパネルなどの光学用用途への適正を、
次に示す基準で判定した。 ○:接着性良好で、ヘーズ値も低く、処理後のカールも
少なく光学用途に適しており、生産性も高い。 ×:接着性、ヘーズ値、熱処理後のカールが大きい等の
問題があり、光学用途に適していない。
【0049】(塗布剤の調整)下記の表1に示す水性塗
料原液を表2に示す割合で配合してP1〜P5の水性塗
布剤を調製した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】実施例1 平均粒子径1.5μmのシリカ粒子30ppmを含有す
る極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを常
法により乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融して
シート状に押出し、静電印加密着法を適用して冷却回転
ロール上で急冷し、厚さ1950μmの無定形シートを
得た。得られたシートをロール延伸法で縦方向に85℃
で2.5倍延伸し、さらに、95℃で1.3倍延伸た
後、表2に示す水性塗布剤P1を塗布し、テンターに導
き、横方向に120℃で3.2倍延伸し、225℃で熱
処理を行った後、横方向の弛緩0%で、その後のレール
幅は一定とし、巻取り30m/分の生産速度でフィルム
をロール状に巻き上げた。フィルムの厚さは188μ
m、極限粘度は0.60であった。次いで、上記フィル
ムの塗布層上に活性エネルギー線硬化樹脂を硬化後の厚
さが3μmになる様に塗布し、120W/cmのエネル
ギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離150mmにて約
15秒間照射し、塗工品の状態でカールが生じない条件
にて本発明のポリエステルフィルムを得た。活性エネル
ギー線硬化樹脂としては、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート30部、4官能ウレタンアクリレート4
0部、ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート2
7部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン3部より成る組成物を使用した。評価結果を下記表3
および4に示す。
【0053】実施例2〜3、比較例1〜8 実施例1において、150℃、30分処理後の加熱収縮
率値が所定の値になるよう熱固定温度、熱固定後の横方
向の弛緩率、及びマスターロールへの巻取りまでのレー
ル幅の変更をし、製膜時に形成する塗布層の種類を下記
表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の方
法でポリエステルフィルムを得た。(但し、比較例1の
みは、ポリエステルフィルム中に含有するシリカ粒子量
を70ppmとして所定のサンプルを得た)
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】発明のポリエステルフィルムによれば、
寸法安定性向上のためのアニール処理や加工工程中に受
ける熱履歴によるカールが少なく、作業性に優れ、活性
エネルギー線硬化樹脂層との接着性に優れた有用なフィ
ルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA20 4F006 AA35 AB24 AB35 AB54 AB65 AB76 BA01 CA05 DA04 4F100 AA20 AK01D AK01E AK25 AK36B AK36C AK42 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E BA15 CC00B CC00C DE01 EH46 EJ38 EJ54 GB41 JA02A JB14D JB14E JL02 JL04 JL04D JL04E JL11 JN01A YY00A YY00D YY00E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムヘーズが2.0%以下で、15
    0℃、30分処理後の縦方向および横方向の熱収縮率値
    がいずれも1.5〜0.6%の範囲であり、かつ縦方向
    と横方向の熱収縮率値の差が0.5%以下であり、少な
    くとも片面に製膜工程内で設けられた塗布層を有するこ
    とを特徴とする光学用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 塗布層上に活性エネルギー線硬化樹脂層
    を設けた後、150℃、30分処理後の加熱カール量
    が、10mm以下であることを特徴とする請求項1記載
    の光学用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 塗布層中にメラミン樹脂を含有すること
    を特徴とする請求項1記載の光学用ポリエステルフィル
    ム。
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