JP2003194087A - スライダーシャフト付き弾性軸継手 - Google Patents

スライダーシャフト付き弾性軸継手

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JP2003194087A
JP2003194087A JP2001398462A JP2001398462A JP2003194087A JP 2003194087 A JP2003194087 A JP 2003194087A JP 2001398462 A JP2001398462 A JP 2001398462A JP 2001398462 A JP2001398462 A JP 2001398462A JP 2003194087 A JP2003194087 A JP 2003194087A
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shaft
elastic
fitted
outer shaft
slider
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JP2001398462A
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Kiyoshi Sadakata
清 定方
Hiromichi Komori
宏道 小森
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動抵抗力を調整することができると共に、
回転方向のガタを完全に無くすことができる、スライダ
ーシャフト付き弾性軸継ぎ手を提供すること。 【解決手段】第1ヨーク及び第2ヨークに軸支された十
字軸10と、第1ヨークの筒部1aに内嵌・固定された
緩衝筒2と、緩衝筒に内嵌・固定されたアウターシャフ
ト6と、アウターシャフトに軸方向にスライド自在に内
嵌するインナーシャフト7とを備え、インナーシャフト
に、アウターシャフトとの摺動抵抗力を任意に調整可能
な径拡張調整手段(6a,7a,8,9)を設けたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のステアリ
ング装置に組み込んで、ステアリングホイールの動きを
ステアリングギヤに伝達するための、伸縮自在なスライ
ダーシャフト付き弾性軸継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のステアリング装置に
は、運転者の姿勢や体格に応じて、ステアリングシャフ
トの軸方向長さを調整できるようにしたテレスコピック
式ステアリング装置がある。このようなテレスコピック
式のステアリングシャフトは、一般に、ステアリングホ
イールに自在継ぎ手等を介して連結したインナーシャフ
トに、ステリングホイールに自在継ぎ手等を介して連結
したアウターシャフトがスプライン嵌合されている。こ
の構成により、インナーシャフトをアウターシャフトに
対して軸方向に摺動して、ステアリングシャフトの長さ
が任意に調整できるようになっている。
【0003】このようなテレスコピック式のステアリン
グシャフトにおいては、インナーシャフトにアウターシ
ャフトをスプライン嵌合して、これら両シャフトを組み
付ける際、両シャフト間に発生する摺動抵抗は製品によ
ってバラツキがあると共に、両シャフト間にガタが生じ
ることがある。このため、一般的には、アウターシャフ
トに対するインナーシャフトの径方向の押圧力を調整し
て、両シャフトの摺動抵抗を調整すると共に、両シャフ
トのガタを防止するようにしている。
【0004】一方、インナーシャフトとアウターシャフ
トの摺動抵抗を調整する機構は具備されていないが、で
きるだけ短い構成長さ、最小の部品点数で、シャフトの
曲げ、軸方向摺動、および回転振動吸収が可能なステア
リングシャフトが考案されている。その例として、ドイ
ツパテント DE 19905350A1に開示されてい
るスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手を図17及び図
18に示している。
【0005】同図において、本弾性軸継ぎ手(ハンドル
軸カルダン継ぎ手)100は、ハンドル軸継ぎ手フォー
ク13,14から成っており、これらは十字軸10を介
してヒンジ的に互いに連結されている。多機能のハンド
ル軸区分15は、弾性軸継ぎ手100のハンドル軸継ぎ
手フォーク13,14の一部分を構成している。ハンド
ル軸区分15は、継ぎ手フォーク13,14の管状の区
分であって、振動吸収部材として弾性的に回転可能なカ
ップリング(緩衝筒)16を有している。カップリング
16は、管状の外側ブッシュ3と、これよりも径の小さ
い内側ブッシュ4、及び内外ブッシュ3,4間に介在す
る管状のエラストマー体(弾性体)5から成っている。
この内側ブッシュ4内に、軸方向に伸縮可能なカップリ
ング(シャフト部)17が内嵌されている。このカップ
リング17は、内側ブッシュ4内に軸方向に横プレス嵌
めで内嵌され、内周面に雌セレーション溝18aを有す
るアウターシャフト18と、外周面に雄セレーション溝
19aを有するインナーシャフト19とから成ってい
る。アウターシャフト18は、図中右端部にカムフラン
ジ(突起)18bを有しており、このカムフランジ18
bは、ハンドル軸区分15の継ぎ手フォーク14側端面
に設けた切欠き部15a内に係合している。これは、規
定通りの走行運転時においては、突起18bが、切欠き
部15aと周方向及び軸方向で接触しないような係合に
なっている。
【0006】この構成において、上記エラストマー体
(弾性体)5の作用によって、ハンドル軸の弾性限度内
での曲げが可能となり、走行時に車輪から伝わる振動を
ある程度吸収することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記スライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手においては、
インナーシャフト19とアウターシャフト18の嵌め合
いが各セレーション溝18a,19aの製作精度に依存
していて、高い精度が要求されるため、製作が容易でな
いという問題点があった。
【0008】しかも、アウターシャフト18は内側ブッ
シュ4内に横プレス嵌めで内嵌された構成であって、実
際、嵌合した際に、アウターシャフト18の径方向に力
が加わって、雌セレーション溝18aが径方向に寸法変
化してしまうため、インナーシャフト19がアウターシ
ャフト18に最適な接触圧で内嵌され、適度な摺動抵抗
力が得られるようにするのが困難であるという問題点も
あった。
【0009】この場合、各セレーション溝18a,19
aの隙間の減少を見込んで、初めからこの隙間を大きめ
に設定しておくこともできるが、実際はその見込み量を
高精度に設定することは困難で、隙間を大きくし過ぎた
時はガタが発生し、小さ過ぎれば嵌め合いがきつくてイ
ンナーシャフト19をアウターシャフト18に対して動
かせなくなってしまう。
【0010】本発明は、上述した従来例の有する不都合
を改善し、インナーシャフトのアウターシャフトに対す
る摺動抵抗力を容易に調整することができると共に、イ
ンナーシャフトの回転方向のガタを完全に無くすことが
できる、簡単な構成のスライダーシャフト付き弾性軸継
ぎ手を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明では、筒部、この筒部の軸方向一端縁の直径
方向両端位置から軸方向に延びる一対の第1アーム、各
第1アームの先端部に互いに同心に形成された軸孔を有
する第1ヨークと、この第1ヨークと略同様の形状であ
って、前記第1アームと同形状の第2アームを有する第
2ヨークと、前記第1アーム及び第2アームの各軸孔
に、4つの端部がそれぞれ回転自在に軸支された十字軸
と、前記第1ヨークの前記筒部の他端部に内嵌・固定さ
れた弾性を有する緩衝筒と、前記緩衝筒に内嵌・固定さ
れた管状のアウターシャフトと、このアウターシャフト
に対して、所定の摺動抵抗力で軸方向にスライド自在に
内嵌するインナーシャフトと、を備えたスライダーシャ
フト付き弾性軸継手において、前記インナーシャフト
に、当該シャフトの径方向の大きさを変化させて、前記
アウターシャフトとの摺動抵抗力を任意に調整可能な径
拡張調整手段を設けたことを特徴としている。
【0012】以上のような構成において、緩衝筒にアウ
ターシャフトを内嵌・固定した後、インナーシャフトを
アウターシャフト内に挿入して、径拡張調整手段によ
り、インナーシャフトの径方向の大きさを変化させて、
アウターシャフトとの摺動抵抗力を任意に調整するた
め、前記の如く、アウターシャフトを緩衝筒に内嵌・固
定した時に、アウターシャフトの径に変化が生じても、
インナーシャフトとの摺動抵抗力を最適なものに調整す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の第1の実施形態を示すス
ライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図、図2
は図1のスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手の部品の
一部を示す分解図、図3は図1のA−A断面を示す断面
図、図4は図1のB−B断面を示す断面図、図5は図1
の円筒ヨークを示す斜視図、図6は図1のB−B断面の
変形例を示す断面図、図7は図1の円筒ヨークの他の変
形例を示す斜視図、図8は図1のA−A断面の変形例を
示す断面図、図9は図1のB−B断面の他の変形例を示
す断面図、図10は図1のスライダーシャフト付き弾性
軸継ぎ手を短くした状態を示す断面構成図、図11は本
発明の第2の実施形態を示すスライダーシャフト付き弾
性軸継ぎ手の断面構成図、図12は本発明の第3の実施
形態を示すスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手の断面
構成図、図13は本発明の第4の実施形態を示すスライ
ダーシャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図、図14は
図13のD−D断面を示す断面図、図15は本発明の第
5の実施形態を示すスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ
手の断面構成図、図16は本発明の第6の実施形態を示
すスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図、
図17は本発明の第7の実施形態を示すスライダーシャ
フト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図である。
【0014】図1及び図2において、円筒ヨーク1(第
1ヨーク)は、円筒形状の筒部1a、この筒部1aの軸
方向一端縁の直径方向両端位置から軸方向に延びる一対
のアーム1b(第1アーム)、各アーム1bの先端部に
互いに同心に形成された軸孔1c等から成っている。こ
の2つのアーム1bの軸孔1cに十字軸10が軸支され
ると共に、十字軸10の他端部は対向ヨーク11(第2
ヨーク)のアーム11a(第2アーム)に回動自在に軸
支されている。筒部1aの他端側には緩衝筒2が内嵌・
固定されている。この緩衝筒2は、最外周部の金属製外
側ブッシュ3と、この外側ブッシュ3よりも径の小さ
い、最内周部の金属製内側ブッシュ4と、この内外ブッ
シュ3,4間に隙間なしで固着された筒状の弾性部材5
とから成っている。この内側ブッシュ4に、アウターシ
ャフト6が横プレス嵌めで内嵌・固定されている。イン
ナーシャフト7はアウターシャフト6に適度な摺動抵抗
力で軸方向にスライド可能な状態で内嵌されている。イ
ンナーシャフト7の一端側には連結ヨーク12が固定さ
れている。
【0015】アウターシャフト6の非圧入部の所定位置
には、図3にも示すように、調整孔6aが設けられ、イ
ンナーシャフト7の、調整孔6aに対向する位置には調
整ねじ孔7aがそれぞれ設けられている。図1に示すよ
うに、インナーシャフト7の所定位置には、同シャフト
7の内径を拡張可能なU字形状の拡張部材8が配置され
ている。この拡張部材8には、その一方の腕部(図中、
上側の腕部)に設けたねじ孔8aに調整ねじ9が螺合し
ている。拡張部材8は、この調整ねじ9がインナーシャ
フト7の調整ねじ孔7aに嵌合する位置に配置されてい
る。但し、調整ねじ孔7aは螺条が設けられていない通
常の孔である。このアウターシャフト6の調整孔6a、
インナーシャフト7の調整ねじ孔7a、調整ねじ9、拡
張部材8により径拡張調整手段が構成されている。
【0016】アウターシャフト6にインナーシャフト7
を内嵌させる際、アウターシャフト6の調整孔6aの位
置にインナーシャフト7の調整ねじ孔7aを一致させる
のは容易ではない。このため、図示していないが、位置
決めのための少なくとも一対のセレーション溝、例え
ば、アウターシャフト6内周側の雌セレーション溝と、
インナーシャフト7外周側の雄セレーション溝とを形成
して、これらを嵌合させることにより、調整孔6aと調
整ねじ孔7aの回転方向の位置が必然的に一致するよう
にし、軸方向のずれはインナーシャフト7を任意に移動
させて両孔6a,7aを一致させるようにすることが望
ましい。
【0017】一方、アウターシャフト6のアーム1b側
の端部は、図4に示すように、側面形状がT型であっ
て、この端縁には、直径方向両端位置からその両端側へ
突出した形状のストッパー6b(係止部)が形成されて
いる。このストッパー6bは、図5にも示すように、円
筒ヨーク1の筒部1aのアーム1b間の端部に設けた方
形の開放窓状の切欠き部1dに対して、周方向及び軸方
向に接触しない状態で、特に周方向には隙間sを置いて
嵌合(図4参照)している。こうして、両シャフト間に
所定値以下のトルクが伝達される際には緩衝筒を介して
トルク伝達がされるが、所定値以上のトルクが一方のシ
ャフトに作用するときストッパ6bは切り欠き部6bに
直接接触する。ストッパー6bは、図6に示すように、
突起部が幅広の形状であっても良く、図6及び図7に示
すように、切欠き部1dは円筒ヨーク1の外周部が閉じ
た窓状であっても良い。
【0018】また、図8に示すように、径拡張調整手段
は、拡張部材8を設けずに、調整ねじ9のみであっても
良い。この場合、インナーシャフト7の調整ねじ孔7a
には螺条が設けられ、調整ねじ9と螺合する必要があ
る。
【0019】さらに、図9に示すように、アウターシャ
フト26は、公知(特開平10−89373号公報)の
ように、その断面形状において外周部が方形にしても良
い、即ち、その外周部が立方体のように略4つの面26
aから成るものであっても良い。この場合、円筒ヨーク
1の筒部1a内周面は、少なくとも1対の対向する面1
eが、アウターシャフト26の平行な2つの面26aに
対して間隔dを置いて近接対向するように配設されてい
る。この構成により、アウターシャフト26は、その外
周部を構成する各面26aがストッパーの役目をしてい
る。
【0020】上記構成において、緩衝筒2の内側ブッシ
ュ4にアウターシャフト6を内嵌・固定した後、インナ
ーシャフト7をアウターシャフト6内に挿入して、調整
孔6aの位置にインナーシャフト7の調整ねじ孔7aが
一致するように、インナーシャフト7の位置調整を行
う。その後、アウターシャフト6の調整孔6aからドラ
イバー等の工具を挿入して、その先端を調整ねじ9の頭
部に当てて、これを回転させる。
【0021】これにより、拡張部材8の(図中、上側
の)腕部をインナーシャフト7の内周面側に押し付け、
この押圧力でインナーシャフト7の内径を拡張させる。
径方向に拡張したインナーシャフト7はアウターシャフ
ト6内周面側に押し付けられるため、アウターシャフト
6に対するインナーシャフト7の摺動抵抗力は増大す
る。
【0022】一方、調整ねじ9を逆回転させていけば、
アウターシャフト6に対するインナーシャフト7の摺動
抵抗力は減少する。このようにして、アウターシャフト
6に対するインナーシャフト7の摺動抵抗力を調整す
る。この調整により所望の摺動抵抗力が得られたなら
ば、図10に示すように、アウターシャフト6に対して
インナーシャフト7を押し込み、実際に使用する時の嵌
合長さにする。この場合、アウターシャフト6を内側ブ
ッシュ4に内嵌・固定した際に、アウターシャフト6の
径が縮小することがあっても、その縮小量を見込んでイ
ンナーシャフト7の径を小さく設定しておき、調整ねじ
9を締め付けて所望の摺動抵抗力に調整することができ
る。
【0023】次に、第2の実施形態について図11を参
照して説明する。この実施形態は上記第1の実施形態と
略同様であって、同一部材には同一番号を付しており、
その部分の説明は省略する。異なっているのは、径拡張
調整手段として、実開平2−87116号公報に開示さ
れているものを採用している点である。
【0024】同図において、外周にスプラインが形成さ
れると共に、先端部に先端に向かって細くなるテーパ部
20aが形成され、このテーパ部20aの軸中心部に軸
方向のねじ穴20bが形成された中実のインナーシャフ
ト20が、アウターシャフト6に内嵌されている。イン
ナーシャフト20のねじ穴20bには、ガタ防止用カラ
ー23を介して調整ねじ24がねじ込まれている。この
ガタ防止用カラー23は、テーパ部20aの先端が嵌め
入れられるテーパ孔23aと、外周部に軸方向に形成さ
れたスリット(図示しない)とを有している。
【0025】この構成において、緩衝筒2の内側ブッシ
ュ4にアウターシャフト6を内嵌・固定した後、インナ
ーシャフト20をアウターシャフト6内に挿入する。そ
して、締め付け工具(図示しない)を用いて調整ねじ2
4を回転させ締め付けていくと、テーパ部20aの先端
がガタ防止用カラー23のテーパ孔23aに入り込んで
行くため、テーパ孔23aがテーパ部20aによって徐
々に押し広げられるようになる。これに伴い、ガタ防止
用カラー23が径方向に拡張されて行き、その外周部が
アウターシャフト6の内周面を押圧するので、アウター
シャフト6に対するインナーシャフト20の摺動抵抗力
は増大する。一方、調整ねじ24を逆回転させていけ
ば、アウターシャフト6に対するインナーシャフト20
の摺動抵抗力は減少する。これにより、所望の摺動抵抗
力に調整することができる。
【0026】次に、第3の実施形態について図12を参
照して説明する。この実施形態は上記第2の実施形態と
略同様であって、同一部材には同一番号を付しており、
その部分の説明は省略する。異なっているのは、径拡張
調整手段として、特開平11−198824号公報に開
示されているものを採用している点である。
【0027】同図において、外周にスプラインが形成さ
れ、先端部にスリット30aが形成されると共に、この
スリット30aの端部に、先端に向かって径が大きくな
る雌テーパねじ部30bが形成された中実のインナーシ
ャフト30が、アウターシャフト6に内嵌されている。
インナーシャフト30の雌テーパねじ部30bには、円
錐形状の調整ねじ34がねじ込まれている。
【0028】この構成において、緩衝筒2の内側ブッシ
ュ4にアウターシャフト6を内嵌・固定した後、インナ
ーシャフト30をアウターシャフト6内に挿入する。そ
して、締め付け工具(図示しない)を用いて調整ねじ3
4を回転させ、ねじ込んでいくと、調整ねじ34が雌テ
ーパねじ部30bを拡張するようになるため、インナー
シャフト30の先端部が径方向に拡張されて行く。これ
により、インナーシャフト30の外周部がアウターシャ
フト6の内周面を押圧するので、アウターシャフト6に
対するインナーシャフト30の摺動抵抗力は増大する。
一方、調整ねじ34を逆回転させていけば、アウターシ
ャフト6に対するインナーシャフト30の摺動抵抗力は
減少する。これにより、所望の摺動抵抗力に調整するこ
とができる。
【0029】次に、第4の実施形態について図13及び
図14を参照して説明する。この実施形態は上記第3の
実施形態と略同様であって、同一部材には同一番号を付
しており、その部分の説明は省略する。異なっているの
は、調整カム41を採用している点である。
【0030】同図13及び14において、外周にスプラ
インが形成され、先端部に軸方向のスリット40aが形
成されると共に、このスリット40aの端部位置に、調
整カム41が嵌め込まれた管状のインナーシャフト40
が、アウターシャフト6に内嵌されている。この調整カ
ム41は、略円柱形状で、その軸中心に調整用の6角穴
41aが設けられており、その断面形状は、図14に示
すように、当該調整カム41を回転させた時に、スリッ
ト40aを径方向に拡張する方向において、円柱の径が
比較的大きくなる部分と比較的小さくなる部分が生じる
ような形に成形されている。
【0031】この構成において、緩衝筒2の内側ブッシ
ュ4にアウターシャフト6を内嵌・固定した後、インナ
ーシャフト40をアウターシャフト6内に挿入する。そ
して、6角柱部を有する工具(図示しない)を用いて調
整カム41を回転させていくと、スリット40aを径方
向に拡張する方向において、カムの径が比較的大きくな
る部分が位置することがある。この時、調整カム41に
よりスリット40aの部分が径方向に押圧されるため、
インナーシャフト40の先端部が径方向に拡張されて行
く。これにより、インナーシャフト40の先端外周部が
アウターシャフト6の内周面を押圧するので、アウター
シャフト6に対するインナーシャフト40の摺動抵抗力
は増大する。一方、調整カム41を回転させて、スリッ
ト40aを径方向に拡張する方向において、カムの径が
比較的小さくなる部分では、アウターシャフト6に対す
るインナーシャフト40の摺動抵抗力は減少する。この
調整カム41の回転調整により、所望の摺動抵抗力に調
整することができる。
【0032】次に、第5の実施形態について図15を参
照して説明する。この実施形態は上記第4の実施形態と
略同様であって、同一部材には同一番号を付しており、
その部分の説明は省略する。異なっているのは、径拡張
調整手段としてテーパ状カラー50を採用している点で
ある。
【0033】同図において、外周にスプラインが形成さ
れ、先端部にテーパ状カラー50が嵌め込まれた管状の
インナーシャフト7がアウターシャフト6に内嵌されて
いる。テーパ状カラー50は、その断面形状が円、又は
径方向の両周部のみ円弧を有する形状で、先端部へ徐々
に細くなる形状を有している。
【0034】この構成において、緩衝筒2の内側ブッシ
ュ4にアウターシャフト6を内嵌・固定した後、インナ
ーシャフト7をアウターシャフト6内に挿入する。そし
て、テーパ状カラー50の先端部をインナーシャフト7
に嵌め込んでいくと、途中で、当該カラー50の径とシ
ャフト7の内径が同じところで留まる。さらに、工具
(図示しない)を使ってテーパ状カラー50の後端部5
0aを軽くたたく等して押し込もうとすると、インナー
シャフト7端部内周辺に当接する当該カラー50の外周
面がインナーシャフト7端部内周辺を押圧するため、イ
ンナーシャフト7の先端部が径方向に拡張されようとす
る。これにより、インナーシャフト7の先端外周辺がア
ウターシャフト6の内周面を押圧するので、アウターシ
ャフト6に対するインナーシャフト7の摺動抵抗力は増
大する。
【0035】第6の実施形態について図16を参照して
説明する。この実施形態は上記第5の実施形態と略同様
であって、同一部材には同一番号を付しており、その部
分の説明は省略する。異なっているのは、径拡張調整手
段として弾性を有する金属等から成る弾性体60を採用
している点である。
【0036】同図において、外周にスプラインが形成さ
れ、先端部に弾性体60が嵌め込まれた管状のインナー
シャフト7がアウターシャフト6に内嵌されている。弾
性体60は、U字形状で、常に、その腕部60aがイン
ナーシャフト7内周面を径方向に押圧する所定の付勢力
を有している。
【0037】この構成において、緩衝筒2の内側ブッシ
ュ4にアウターシャフト6を内嵌・固定した後、弾性体
60を嵌め込んだインナーシャフト7をアウターシャフ
ト6内に圧入で挿入する。この時、インナーシャフト7
は弾性的に変形可能なため、緩衝筒2の内側ブッシュ4
に内嵌している圧入部における当該シャフト7の径は、
内側ブッシュ4の位置から外れた非圧入部における径よ
りもやや小さくなっている。仮に、弾性体60の押圧力
が弾性的なものでなければ、弾性体60は、緩衝筒2の
内側ブッシュ4の圧入部にある時は、適当な押圧力を発
揮していても、インナーシャフト7を図中右方向にスラ
イドさせて弾性体60が前記圧入部の位置から外れて非
圧入部の位置に来ると、シャフト7の径が大きくなって
いるので、弾性体60の押圧力が足りず、アウターシャ
フト6に対するインナーシャフト7の摺動抵抗力が小さ
くなってしまうことが考えられる。
【0038】しかし、弾性体60は、弾性限度内であれ
ば、常に一定の付勢力(押圧力)を発揮することができ
るので、インナーシャフト7の径が大きくなっても、径
方向の弾性力でそれに追従して、必要な押圧力を発揮す
ることができ、アウターシャフト6に対するインナーシ
ャフト7の必要な摺動抵抗力を維持することができる。
【0039】第7の実施形態について図17を参照して
説明する。この実施形態は上記第1及び第6の実施形態
と略同様であって、同一部材には同一番号を付してお
り、その部分の説明は省略する。異なっているのは、径
拡張調整手段として第1の実施形態で用いた拡張部材8
を採用し、アウターシャフト65の非圧入部の径rを圧
入部の径Rよりやや小さく設定している点である。
【0040】同図において、外周にスプラインが形成さ
れ、先端部に拡張部材8が嵌め込まれた管状のインナー
シャフト7がアウターシャフト65に内嵌されている。
アウターシャフト65の、緩衝筒2の内側ブッシュ4に
内嵌している圧入部における径Rは、内側ブッシュ4に
内嵌・固定された際に、この径Rが縮小する縮小量を見
込んで、内側ブッシュ4の位置から外れた非圧入部の径
rよりも縮小量の分だけ大きく設定されている。
【0041】この構成において、緩衝筒2の内側ブッシ
ュ4にアウターシャフト65を内嵌・固定した後、拡張
部材8を嵌め込んだインナーシャフト7をアウターシャ
フト65内に挿入し、第1の実施形態の如く、アウター
シャフト65の調整孔65aから工具を挿入して、調整
ねじ9を締め付けることにより、非圧入部における拡張
部材8の押す圧力を適度に調整する。前記の如く、アウ
ターシャフト65の圧入部における径Rは、内側ブッシ
ュ4の位置から外れた非圧入部における径rよりもやや
大きく設定されているので、緩衝筒2の内側ブッシュ4
にアウターシャフト65を圧入で内嵌させた際、当該シ
ャフト65の圧入部における径Rは圧縮されてやや小さ
くなることにより、結局、非圧入部における径rと略等
しい径となる。したがって、拡張部材8は圧入部におい
ても適当な押圧力を発揮し、アウターシャフト6に対す
るインナーシャフト7の必要な摺動抵抗力を維持するこ
とができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1ヨークの筒部の他端部に軸方向に内嵌・固定された
筒状の弾性部材を有する緩衝筒と、管状のものであっ
て、前記緩衝筒に内嵌・固定されたアウターシャフト
と、このアウターシャフトに対して軸方向にスライド自
在に内嵌するインナーシャフトと、を備えたスライダー
シャフト付き弾性軸継手において、インナーシャフト
に、当該シャフトの径方向の大きさを変化させて、アウ
ターシャフトとの摺動抵抗力を任意に調整可能な径拡張
調整手段を設けたので、アウターシャフトが嵌合により
径が変化しても、インナーシャフトを内嵌した後、径拡
張調整手段によりアウターシャフトとの摺動抵抗力を任
意に調整することができると共に、回転方向のガタを完
全に除去することができるため、操作性が向上する。ま
た、アウターシャフトとインナーシャフトを組み合わせ
た後に調整することができるため、摺動抵抗力が小さい
状態で組み立てられ、作業効率を向上させることができ
る共に、低コスト化に寄与するものとなる。さらに、ア
ウターシャフトとインナーシャフトの接触面は金属接触
とすることができるため、耐熱性や耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスライダーシャ
フト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図。
【図2】図1のスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手の
部品の一部を示す分解図。
【図3】図1のA−A断面を示す断面図。
【図4】図1のB−B断面を示す断面図。
【図5】図1の円筒ヨークを示す斜視図。
【図6】図1のB−B断面の他の実施形態を示す断面
図。
【図7】図1の円筒ヨークの他の実施形態を示す斜視
図。
【図8】図1のA−A断面の他の実施形態を示す断面
図。
【図9】図1のB−B断面の他の実施形態を示す断面
図。
【図10】図1のスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手
を短くした状態を示す断面構成図。
【図11】本発明の第2の実施形態を示すスライダーシ
ャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図。
【図12】本発明の第3の実施形態を示すスライダーシ
ャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図。
【図13】本発明の第4の実施形態を示すスライダーシ
ャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図。
【図14】図13のD−D断面を示す断面図。
【図15】本発明の第5の実施形態を示すスライダーシ
ャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図。
【図16】本発明の第6の実施形態を示すスライダーシ
ャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図。
【図17】本発明の第7の実施形態を示すスライダーシ
ャフト付き弾性軸継ぎ手の断面構成図。
【図18】従来のスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手
を示す斜視図。
【図19】従来のスライダーシャフト付き弾性軸継ぎ手
を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1 円筒ヨーク1(第1ヨーク) 1a 筒部 1b アーム(第1アーム) 1c 軸孔 1d 切欠き部 2 緩衝筒 3 外側ブッシュ 4 内側ブッシュ 5 弾性部材 6 アウターシャフト 6a 調整孔 6b 係止部(ストッパー) 7 インナーシャフト 7a 調整ねじ孔 8 拡張部材 9 調整ねじ 10 十字軸 11 対向ヨーク(第2ヨーク)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒部、この筒部の軸方向一端縁の直径方
    向両端位置から軸方向に延びる一対の第1アーム、各第
    1アームの先端部に互いに同心に形成された軸孔を有す
    る第1ヨークと、 この第1ヨークと略同様の形状であって、前記第1アー
    ムと同形状の第2アームを有する第2ヨークと、 前記第1アーム及び第2アームの各軸孔に、4つの端部
    がそれぞれ回転自在に軸支された十字軸と、 前記第1ヨークの前記筒部の他端部に内嵌・固定された
    弾性を有する緩衝筒と、 前記緩衝筒に内嵌・固定された管状のアウターシャフト
    と、 このアウターシャフトに対して、所定の摺動抵抗力で軸
    方向にスライド自在に内嵌するインナーシャフトと、 を備えたスライダーシャフト付き弾性軸継手において、 前記インナーシャフトに、当該シャフトの径方向の大き
    さを変化させて、前記アウターシャフトとの摺動抵抗力
    を任意に調整可能な径拡張調整手段を設けたことを特徴
    とするスライダーシャフト付き弾性軸継手。
  2. 【請求項2】 前記緩衝筒は、前記アウターシャフトの
    外周面に接触した金属製の内側ブッシュと、前記内側ブ
    ッシュの外周面に固着された弾性部材とから成ることを
    特徴とする請求項1記載のスライダーシャフト付き弾性
    軸継手。
  3. 【請求項3】 前記アウターシャフトは、前記内側ブッ
    シュに内嵌・固定された際に、この圧入部の径が縮小す
    る量を見込んだ縮小量だけ、圧入部の径が、非圧入部の
    径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項
    1記載のスライダーシャフト付き弾性軸継手。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009144835A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Toyota Motor Corp シャフトの結合構造
KR100917114B1 (ko) 2007-11-29 2009-09-11 쌍용자동차 주식회사 자동차용 스티어링칼럼과 스티어링기어박스 연결장치
JP2010265940A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Hitachi Automotive Systems Ltd プロペラシャフト
JP2013035469A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Nsk Ltd ステアリング装置用トルク伝達装置

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