JP2003192354A - ガラス溶融炉及び溶融ガラスの加熱方法 - Google Patents

ガラス溶融炉及び溶融ガラスの加熱方法

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JP2003192354A JP2001386872A JP2001386872A JP2003192354A JP 2003192354 A JP2003192354 A JP 2003192354A JP 2001386872 A JP2001386872 A JP 2001386872A JP 2001386872 A JP2001386872 A JP 2001386872A JP 2003192354 A JP2003192354 A JP 2003192354A
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molten glass
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molten
melting furnace
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向季 長尾
Yoshiyuki Otsu
義行 大津
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス化反応後の高温状態の溶融ガラスにお
ける気泡発生を防止することで、溶融ガラスを確実に均
質なガラス製品にできるガラス溶融炉及び加熱方法を提
供する。 【解決手段】 本発明のガラス溶融炉及び加熱方法は、
溶融槽22、スロート23、作業槽24、フィーダーを
25有するガラス溶融炉において、溶融ガラスb中で膜
状耐熱性導電材料からなる電極10及び電極への電力供
給手段を有する逆流防止手段が、溶融槽22、スロート
23、作業槽24、フィーダー25のうち少なくとも1
カ所に備えられ、ガラス溶融炉の炉側壁、炉床、炉天井
の何れかに内張されている膜状耐熱性導電材料からなる
電極10に選択的に通電することにより溶融炉内にて発
生する低温領域から高温領域への溶融ガラスの逆流現象
を防止することで気泡の発生を防止することを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス溶融炉及び
ガラス溶融炉中の溶融ガラスの加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス製造において発生するガラス製品
の欠陥のうち、泡はブツとともに製品品位を著しく損な
い、外観的な問題以外にも製品そのものの機能低下を招
くことが多いため製品中に混入することが極力避けられ
てきた。溶融ガラス中における泡発生の原因別に分類す
ると、バッチ反応時の未溶解ガラスが清澄不足のまま短
経路を経ることにより流出する泡、ガラス均質化装置で
あるスターラーなどの物理的な撹拌時に巻き込まれる
泡、ガラス溶融炉に使用される内張耐火物とガラスの反
応あるいは耐火物気孔の存在により耐火物表面から発生
する泡、電気加熱を使用する炉で電気分解により発生す
る泡、溶融ガラスの温度変化、ガラス成分揮発による溶
融ガラスの組成変化、溶融雰囲気中の分圧変化により溶
融ガラス中に溶解するガスの過飽和を引き起こすことで
発生する泡、金属元素の酸化還元反応に伴い発生する泡
など、多種多様のものがある。
【0003】このため、ガラス製造中に発生する泡を脱
泡する方法について、上記のような泡の発生原因に基づ
いて種々の方法が試みられてきた。しかし、バッチ反応
時の泡が脱泡された後については、なるべく新たな泡を
発生させずに溶融ガラスの均質化がおこなわれること
が、最も望ましいことは明らかである。
【0004】バッチ反応終了後の溶融ガラスに泡が発生
する原因の一つとして、高温状態にある溶融ガラスがそ
れより低温状態にある溶融ガラスと接触するような流れ
が生じた場合、高温の溶融ガラスと低温の溶融ガラスと
の接触界面において酸化還元反応が生じたり、溶融ガラ
ス溶存ガスの過飽和を引き起こすことで泡が発生する。
【0005】このような現象、すなわち高温溶融ガラス
と低温溶融ガラスの接触そのものを回避する具体的な対
策は、特におこなわれてきたことはなく、単に溶融ガラ
ス温度を上昇させれば泡は早く上昇するという観点から
この高温低温融液の接触現象および前述した他の諸現象
により発生した泡を何とか溶融ガラス表面になるべく早
く浮上させて脱泡をおこなうという点に関して、種々の
発明がこれまでおこなわれてきた。たとえば、図5に示
すように、特公昭55−116631では、スロート部
に電極を設置することでスロートにおける熱対流を促進
することにより均質化を図るとの記述があり、溶融ガラ
スの熱対流を活発化することが脱泡促進に有効であると
いう背景がある。
【0006】また、特公平7−106913ではスロー
ト底部の温度を測温しながらライザー部の温度を上昇さ
せて、脱泡を促進させている。このようにガラス溶融炉
内に設置される電極は、基本的な考え方として溶融ガラ
ス中の泡について溶融ガラス温度を適温まで上昇させる
ことにより、ガラスに上昇流を生じさせ、それと同時に
温度上昇に伴って溶融ガラスの粘性を低下させることに
より融液中に閉じこめられた気泡が溶融ガラス表面で炉
内雰囲気中に脱泡しやすくするということが述べられ、
かつ実践されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いかに
炉内の溶融ガラスに上昇流を与え脱泡を促進させたとし
てもそれによって脱泡できる泡数には当然ながら限界が
ある。しかもガラス溶融炉を設計した時点で想定してい
たよりも高速大量生産が望まれる状況下となった場合に
脱泡に充分な時間をかけることができるほどガラス流量
を低速に維持し続けることは困難な状況になることが多
い。
【0008】また、単純に溶融ガラスを高温状態に維持
することにより、溶融ガラスの粘性を低下させて溶融ガ
ラス中に発生した泡の脱泡が促進されても、そのために
ガラス溶融炉の炉壁、炉床等の構造部材の劣化を早め、
ガラス溶融炉自体の寿命を著しく短くしてしまうような
事になっては、必要な時に適切な量のガラス製品を市場
に投入することによって市場の要求を満足するという最
終的な目的から逸脱してガラス製品の商機を逃してしま
う恐れがある。
【0009】そして、ガラス溶融炉を設計する時点でも
高温操炉を前提として設計をおこなうと、清澄後のガラ
スに再度泡が混入することまで考慮する結果、充分安定
した操炉管理を実現していくために清澄後のガラスに対
しての混入泡除去のための設備や熱エネルギーを過剰投
入することになる。そして炉の大きさをなるべく大きく
せざるをえなくなる等の過度な設備投資が必要となるこ
とで、使用する資材も多量に必要になると同時に、炉を
大きくする等の代償として今度は逆に少量生産品種を生
産することが困難になるなど種々の弊害が生じてくる。
【0010】また、必要以上の過多なエネルギーを投入
することは、将来のエネルギー不足に対応していくとい
う世界的な環境保護の方向性とも合致するものではな
い。これまでガラス製造業において、ガラスを溶融する
際に継続的に実施され続けてきた泡を脱泡するという事
以外には何のメリットも認められない過剰なエネルギー
の投入はなるべく避け、溶融ガラス中の泡の清澄につい
ては、抜本的に考え方を改めねばならないという時期に
なったと言える。
【0011】本発明は、上記のような状況に鑑み、ガラ
ス化反応後の高温状態の溶融ガラスにおける気泡の発生
を防止することにより、ガラス化反応が終了した溶融ガ
ラスを確実に均質なガラス製品とすることを目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究を重
ねることにより清澄後の溶融ガラス中で発生する再発泡
現象の主要原因の一つであるリボイルと一般に呼ばれる
現象の泡発生原因の一つが、ガラス溶融炉内において溶
融状態にある低温ガラスがより高温ガラスの側へと逆流
することにより高温ガラス中に溶存するガス成分の急激
な温度変化に従う溶解度の著しい変化、あるいは両ガラ
スの接触界面における急激な酸化還元反応により高温ガ
ラスと低温ガラスの界面部にリボイル泡として発生する
ものであることを見いだした。
【0013】そして、本発明の基本的な考え方は、発生
した泡をいかにして除去するかという観点ではなく、い
かにして泡の発生を防止するかという観点に立脚して各
種対応を実施し、本件の発明に至ったということであ
り、これまでおこなわれた発明のように泡発生後の事後
処置的な対応を改め、泡発生以前に炉内溶融ガラスの流
れに対して事前対処することで泡発生そのものを防止で
きることを見いだしたことである。よって従来の発明
は、炉内溶融ガラスの均質化を目指すという観点から溶
融ガラスの熱対流を如何にして促進するかという観点に
ポイントをおいたものが数多く提案されてきたが、本発
明の目指すのはむしろ低温溶融ガラスと高温溶融ガラス
が直接接触するような不要な熱対流を防止することで泡
の発生そのものを防止するということである。
【0014】本発明に係るガラス溶融炉は、高温の溶融
ガラスが所定時間滞留する溶融槽と、該溶融槽に連結さ
れ溶融ガラスが通過するスロートと、該スロートに連結
され前記溶融ガラスが供給されて所定温度に低下した溶
融ガラスを所定時間滞留させることにより溶融ガラスを
清澄する作業槽と、該作業槽に連結され成形部に清澄さ
れた前記溶融ガラスから所定温度に低下した溶融ガラス
を供給するフィーダーとを有するガラス溶融炉におい
て、前記溶融ガラス中に浸漬された膜状耐熱性導電材料
からなる電極及び該電極に通電する電力供給手段とを有
してガラス溶融炉の溶融ガラス中に生じる低温領域から
高温領域へ溶融ガラスの流動を防止する逆流防止手段を
備えていることを特徴とする。
【0015】ここで前述している溶融槽、スロート、作
業槽の各所のガラス流れ方向に対して垂直な断面積は、
溶融ガラスを所定時間滞留させるためスロートが溶融
槽、作業槽のいずれよりも小さくされており、容積につ
いても溶融槽、作業槽より小さい必要がある。一方で、
溶融槽と作業槽については、断面積、容積とも大小関係
が制限されることはない。また作業槽、フィーダー、成
形部の各所についてもガラス流れ方向に対しての断面積
及び容積についても溶融ガラスを所定時間滞留させるた
めにフィーダー、成形部が作業部より小さくされてお
り、フィーダーと成形部の間については制限を設けな
い。
【0016】作業槽また、溶融槽、スロート、作業槽、
フィーダー、成形部はいずれも耐熱性材料により構築さ
れており、溶融ガラスに対して耐浸食性を有する材料で
あるならば耐火物などの無機材料でも白金などの金属材
料でも良く、構造強度を考慮して複数の材料を使い分け
ることが可能である。そして溶融槽に投入されたガラス
原料の溶融手段としては、電気的な熱源、化石燃料の燃
焼、精製された気体原料による加熱など種々の方法によ
る溶融が可能であり、複数の溶融手段の併用が可能なこ
とは言うまでもない。また、溶融ガラスの温度計測は、
どのような手段であっても、確かな精度を有する方法な
らば支障はない。
【0017】また、本発明のガラス溶融炉は、逆流防止
手段が、溶融槽、スロート、作業槽、フィーダーのうち
少なくとも1カ所に備えられていることを特徴とする。
【0018】前述の逆流防止手段とは、最低でも500
℃以上の高温に耐える構成材料を伴う手段であると同時
に溶融するガラス材質に対しての耐浸食性を有する手段
である必要があり、使用する形状が高温で保持できる構
造強度が不可欠である。ここで、ガラス溶融炉は、溶融
槽、スロート、作業槽、フィーダーという構成要素がこ
の順に連結されているものであるが、前述のガラス溶融
炉には、溶融槽、スロート、作業槽、フィーダーの全て
の構成要素が必ず必要なわけではなく、その内一つが欠
落していても機能上さしつかえない場合もある。すなわ
ち、ガラス溶融炉が作業槽の存在しない構造やスロート
の存在しない構造、また作業槽、フィーダーがそれぞれ
存在しない構造をとる場合もある。そしてこの場合にガ
ラス溶融炉は、存在しない部位を抜かしてそれぞれ隣り
合った構成要素が連結したガラス溶融炉となる。また、
本件の逆流防止手段は溶融槽、スロート、作業槽、フィ
ーダーの複数カ所にまたがるように設置することも可能
である。さらに、溶融するガラス材質の種類、用途、生
産量、ガラス流量などの変動要因に応じて溶融槽、スロ
ート、作業槽、フィーダー、成形部という構成要素は一
つだけである必要はなく、同じ構成要素が複数直列連結
あるいは並列連結されている構造のガラス溶融炉とする
ことも可能であり、それぞれの構成要素間に特殊な機能
を持たせた溶融槽、スロート、作業槽、フィーダーとは
異なった要素を併設して利用することもできる。
【0019】さらに、本発明のガラス溶融炉は、逆流防
止手段が、ガラス溶融炉の炉側壁、炉床、炉天井の何れ
かに内張されている膜状耐熱性導電材料からなる電極の
1カ所以上に選択的に通電する構成であることを特徴と
する。
【0020】ここで前述の炉側壁、炉床、炉天井につい
てはそれぞれ必要な耐熱性、断熱性、耐蝕性を有してい
る必要があり、逆流防止手段については炉側壁、炉床、
炉天井の複数カ所にまたがって設置されていても良い。
また、この逆流防止手段の内張方法については、耐熱性
の楔などの物理的な方法で炉天井、炉側壁、炉床に設置
することもでき、不定形耐火物などにより接合設置して
も良く、両者を併用することもできる。そして選択的な
通電については、必要箇所のみ通電するということにな
るため、どの程度の電圧をどの程度の時間、印加するか
を予め設定したプログラムに従って通電することもでき
れば、手動により選択的な電圧印加をおこなうことも可
能である。
【0021】本発明の溶融ガラスの加熱方法は、高温の
溶融ガラスが所定時間滞留する溶融槽と、該溶融槽に連
結され溶融ガラスが通過するスロートと、該スロートに
連結され前記溶融ガラスから所定温度に低下した溶融ガ
ラスが供給されて所定時間滞留させることにより溶融ガ
ラスを清澄する作業槽と、該作業槽に連結され成形部に
清澄された前記溶融ガラスから所定温度に低下した溶融
ガラスを供給するフィーダーとを有するガラス溶融炉を
使用し、該ガラス溶融炉中の溶融ガラスを加熱する溶融
ガラスの加熱方法において、前記ガラス溶融炉の所定位
置の溶融ガラス中に浸漬状態で配設された膜状耐熱性導
電材料からなる電極に通電して局所的に加熱することに
より溶融ガラス中に生じる低温領域から高温領域へ溶融
ガラスの流動を防止することを特徴とする。
【0022】前述のガラス溶融炉の選択加熱を実施する
所定位置については、予め設定した位置に膜状耐熱性導
電材料からなる電極を設置することで利用することもで
きるし、あるいはガラス溶融中に必要性が生じた箇所に
ついて施工することで所定の設置位置の数を増減させる
ことにより溶融ガラスの加熱状態を改善していくことが
可能である。また電極通電することにより加熱をおこな
う以外に、必要に応じて他の間接的な加熱手段を併用す
ることも可能である。また溶融ガラスの所定時間の滞留
については、ガラスの生産量、溶融ガラス温度などに依
存するものであるため、限定するものではない。
【0023】また、本発明の溶融ガラスの加熱方法は、
ガラス溶融炉内の1箇所以上で連続的に溶融ガラスの温
度を計測して低温領域から高温領域への溶融ガラスの流
動により生じる周囲の溶融ガラスよりも温度が低くなる
現象を検出し、高温の溶融ガラス流下に低温溶融ガラス
流を引き込む上昇流発生箇所に対して膜状耐熱性導電材
料からなる電極を配設して所定時間局所的に通電加熱
し、該溶融ガラスの上昇流を抑制することにより溶融ガ
ラス中に生じる低温領域から高温領域への溶融ガラスの
流動を防止することを特徴とする。
【0024】この上昇流発生箇所を特定するための溶融
ガラス温度測定個所は、必要に応じて増減させることが
可能であり、特定された上昇流発生箇所に対して適切な
領域の加熱により溶融ガラス中の高温領域と低温領域の
間に溶融ガラスの移動が発生しないようにすることが望
ましい。またこの際、加熱を施す領域についてはその領
域が加熱されすぎないように注意することで、ガラス流
れが必要以上に乱れることがないように考慮する必要が
ある。
【0025】さらに、本発明の溶融ガラスの加熱方法
は、溶融槽、スロート、作業槽、フィーダーのうち少な
くとも1箇所に膜状耐熱性導電材からなる電極を配設し
て所定時間局所的に通電加熱し、溶融ガラスの上昇流を
抑制することにより溶融ガラス中に生じる低温領域から
高温領域への溶融ガラスの流動を防止することを特徴と
する。
【0026】本発明による溶融ガラスの逆流防止方法
は、他の逆流防止方法との併用が可能である。それは、
例えば上昇流を抑えるよう適切な箇所に加熱をおこなう
本方法と同時に加熱と相反する処置が必要となる高温の
溶融ガラス特定箇所の温度を低下させるような手段、具
体的には耐熱性水冷板、耐熱性水冷管を必要箇所に投入
する、あるいは空冷等をおこなうことで適切な箇所の加
熱効果を補足することが可能である。
【0027】また、本発明の溶融ガラスの加熱方法は、
ガラス溶融炉の炉側壁、炉床、炉天井の何れかに内張さ
れている膜状耐熱性導電材料からなる電極の1箇所以上
に選択的に通電加熱し、溶融ガラスの上昇流を抑制する
ことにより溶融ガラス中に生じる低温領域から高温領域
への溶融ガラスの流動を防止することを特徴とする。
【0028】ここで本発明の加熱方法は、前述の溶融ガ
ラス炉による実施を前提としているものであるから、炉
側壁、炉床、炉天井のいずれかに設置されている膜状耐
熱性導電材料からなる電極は、必要に応じて内張面積あ
るいは数量の増減が可能であり、通電加熱の時間や印加
電圧についても随時変更が可能である。
【0029】溶融ガラス温度の異なる同組成のガラス
は、それぞれ温度により溶存可能な気体成分の量には上
限があるが、高温側の溶融ガラスに対して低温側の溶融
ガラスは溶存ガスの許容量が少なく、かつ両方の溶融ガ
ラスには温度差が存在するため、両者が接触することに
よりその界面での溶存ガス許容量の差に相当するガスが
気体化することでリボイル泡が発生する。または、温度
に依存する酸化還元状態の異なる両ガラスの界面におい
て急激な酸化還元反応がおこることにより酸素泡等が発
生する。このため、低温側の溶融ガラスと高温側の溶融
ガラスの温度差が大きい程、溶融ガラスの逆流現象で発
生するリボイル泡の数量、容積が大きくなることにな
る。
【0030】このようなリボイル泡の発生を阻止するた
めに重要となるのは、ガラス化反応が終了した溶融ガラ
スについてガラス溶融炉内で大きな温度差のある低温状
態の溶融ガラスと高温状態の溶融ガラスをどのようにし
て直接接触させないような状況をいかにして作り出すか
ということになる。
【0031】
【作用】本発明によるガラス溶融炉及び溶融ガラスの加
熱方法は、高温の溶融ガラスが所定時間滞留する溶融槽
と、該溶融槽に連結され溶融ガラスが通過するスロート
と、該スロートに連結され前記溶融ガラスが供給されて
所定温度に低下した溶融ガラスを所定時間滞留させるこ
とにより溶融ガラスを清澄する作業槽と、該作業槽に連
結され成形部に清澄された前記溶融ガラスから所定温度
に低下した溶融ガラスを供給するフィーダーとを有する
ガラス溶融炉において、前記溶融ガラス中に浸漬された
膜状耐熱性導電材料からなる電極及び該電極に通電する
電力供給手段とを有してガラス溶融炉の溶融ガラス中に
生じる低温領域から高温領域へ溶融ガラスの流動を防止
する逆流防止手段を備えており、また該逆流防止手段
が、溶融槽、スロート、作業槽、フィーダーのうち少な
くとも1カ所に備えられており、さらにガラス溶融炉の
炉側壁、炉床、炉天井の何れかに内張されている膜状耐
熱性導電材料からなる電極の1カ所以上に選択的に通電
する構成であるため、このようなガラス溶融炉を使用し
て溶融ガラスの所定位置を局部的に加熱することにより
溶融炉内にて発生する低温領域から高温領域への溶融ガ
ラスの逆流現象を確実に防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明のガラス溶融炉では、この
問題の解決方法として図1に示すように溶融炉の炉壁、
炉床、炉天井等に施工した図中に示す膜状耐熱性導電材
料からなる電極10(以降電極10と称す)に通電する
ことにより高温領域から低温領域への溶融ガラスの流れ
(図中αで示される。)に対して、局所的に発生する低
温領域から高温領域へ炉内温度傾斜に逆らう溶融ガラス
流れを防止することで清澄後の溶融ガラスにおけるリボ
イルが防止可能であることを見いだした。そして、この
ガラス溶融炉では、ガラス溶融炉内において発生する高
温の溶融ガラス流下に低温の溶融ガラス流を引き込む上
昇流を防止するように、炉内の1箇所以上の連続的な温
度計測に従い上昇流を抑制可能な箇所の電極10に所定
時間選択的に電流出力を増加させて加熱することにより
上昇流の発生を制御する加熱方法が可能になることを見
いだした。
【0033】一般にガラス溶融炉において、溶融槽では
原料投入口付近において投入された原料が高温環境下で
相互に反応しており、投入口近辺は低温であるが溶融槽
中央に進むにつれて温度上昇してゆき、溶融槽の中央部
付近に炉内にて溶融ガラスが最高温度を呈するホットス
ポットと呼ばれる箇所を経て、溶融ガラス温度は炉内の
ガラスの流れていく経路に従い温度が低下していく温度
勾配を形成しているが、溶融ガラスの流れ方向に対して
垂直な面の断面積が急激に変化する箇所では、溶融ガラ
スの流れ速度が急激に変化するため、温度勾配に逆らう
流れが形成されやすい状態になっている。
【0034】特に、溶融槽から作業槽へと溶融ガラスが
流れ込む際に通過するスロートについては、上記の現象
が顕著に認められ、ガラス流れに乱れが生じやすい。こ
の溶融ガラス中の乱れのパターンとしては、溶融炉の操
炉条件によってもいくつかのパターンがあらわれるが、
その中の典型的な一つを図2の説明図により以下のよう
に示す。
【0035】すなわち、図2(A)で示されるように正
常な状態のガラス溶融炉では22の溶融槽で溶融された
αで示される溶融ガラスの流れは、23のスロート内で
も全体として22の溶融槽から24の作業槽あるいは溶
融槽へ向けて移動していく。この時のガラス流れの速度
分布は、図中の影をつけて表したδのような2次関数で
表現される分布状態である。しかしながら、時間経過と
ともに図2(B)で示されるように23のスロート部で
は、スロート部23の側壁における熱対流により、スロ
ート中央部において上昇流βのため上部の前進流αが加
速され下部の前進流が減速され遂には下部において逆向
きの流れγが生じる。この時のスロートにおけるガラス
流れの速度分布は、3次関数で表される分布状態にな
る。そして一旦逆向きの流れγが生じると24の作業槽
あるいは清澄槽側にあるより低温の溶融ガラスがスロー
トに流れ込み、その逆流が一層増幅され遂には24の作
業槽あるいは清澄槽にあるより低温の溶融ガラスは22
の溶融槽内に入り込み高温の溶融ガラスと接触する。こ
うようにして、高温の溶融ガラスと低温の溶融ガラスの
界面において酸化還元反応あるいは溶存ガス量の急激な
変化に伴い、リボイル泡が発生することになる。上記の
ような現象は、炉内に着色ガラスを流すことにより顕著
に確認が行えるばかりでなく、近年頻繁におこなわれる
ようになったコンピューターシュミレーションでも確認
でき、また粘性流体を使用した小規模なモデル実験でも
確認できることである。
【0036】また、ここではスロートをモデルとして逆
流現象について説明をおこなったが、フィーダーで発生
する現象も基本的には同種のものである。ただ、フィー
ダーで発生するリボイル現象で発生する泡は、容積が比
較的小さいことが多く、ミクロンオーダーの微細なリボ
イル泡が発生する場合もあるため、注意が必要になって
いる。
【0037】次に、本発明のガラス溶融炉の各部を構成
する構成部材について以下に説明を行う。
【0038】本発明のガラス溶融炉で電極に使用する膜
状耐熱性導電材料としては、主として白金、および白金
と他材料の合金材料を使用するが、ガラス溶融炉で溶融
する材質種によってはモリブデンなどの他材料を採用し
ても差し支えない。ここで重要になるのは、電極通電時
における電極材料としての高温耐蝕性であり、特定のガ
ラス材質に対して充分高い高温耐蝕性を有する材質であ
るならば電極材料として採用することが可能である。ま
た、ガラス溶融炉の使用部位によっては、膜状耐熱性導
電材料からなる電極の使用される温度に違いがあるた
め、又経済的な理由や構造部材としての強度的な観点か
ら複数の異なる材質種を併用することで満足すべき機能
をもたせることができるのは言うまでもない。
【0039】また、本発明で電極に通電する電流は、直
流電源、常用周波数交流電源、高周波交流電源のいずれ
を使用しても良く、ガラス溶融炉内の複数の使用部位に
ついて異なる電源からの電流を併用することも可能であ
る。また本発明の電極裏部に使用される電極用水冷管
は、水冷以外の別媒体による冷却でも良く、また必ずし
も管状である必要もない、使用される部位と使用温度に
よっては単なる緩衝材的な役割しかしない場合であって
も支障はない。
【0040】また、本発明の膜状耐熱性電極材料からな
る電極は基本的にガラス溶融炉内のガラス流れ方向に対
して垂直な断面部の面積がその前後に比較して小さくな
っている箇所を中心として局所的に施工した状態で使用
することにより炉内のガラス流れを調節することが容易
になるものであり、場合によっては意図的にそのような
箇所をガラス炉内に設けて、溶融ガラスの流れを制御す
ることも可能である。そして、ガラス溶融炉内で上記の
構造、あるいは上記構造に類する構造を有する箇所とし
て代表的なものとしては、スロート、ライザー、フィー
ダー、フォアベイなどがあるが、いずれの場合にも本発
明は適用可能であり、複数箇所に本発明の電極を複数併
用することもできる。
【0041】また本発明の膜状耐熱性導電材料により構
成される電極の構造としては、小面積のものから大面積
を有するものまで種々の形体が考えられるが、以下に代
表的な場合について説明をおこなう。
【0042】電子部品用途のガラスの溶融では、スロー
ト部にこの膜状耐熱性導電材料からなる電極を適用して
いるが、電極と溶融ガラス測温用熱電対、そして水冷管
は10cm角の小さい碁盤の目状に配列した板状電極の
それぞれ一構成単位ごと配置されていて、複数箇所の同
時計測による測温結果とそれに基づく出力の変更結果が
集中管理をおこなっているコンピューターの下で精密制
御されており、ある特定域の測温結果が周囲よりも低い
ことが判明すれば、それを解消すべく電極出力を増減さ
せることで局所的な温度の不均衡をなくすように運用し
ている。
【0043】また、本発明のガラス溶融炉で採用する膜
状耐熱導電材料は精密な制御を要せずとも充分な効果を
得ることができるようであるならば、次のような大きな
面積を有する膜状耐熱導電材料からなる電極としての構
成をとることも可能である。すなわち、照明用ガラスを
溶融する溶融炉において長さ2m、高さ0.5m、幅1
mのスロートの上面と側面に1枚の電極を施工し、側面
の上下にターミナルを張り出し、そのターミナルを銅製
のクランプで挟み、クランプの先端に銅製の水冷パイプ
を捲くことでクランプ先端の冷却をおこなう。白金製電
極による溶融ガラスの加熱により作業槽からの低温ガラ
スの逆流現象を阻止することによりそれまで問題になっ
ていたスロート近傍でのリボイル泡の発生が防止でき、
製品中の泡数が著しく減少することが確認できる。
【0044】また、本発明の電極は、膜状であっても必
ずしも同じ厚みである必要はなく構造強度上必要に応じ
て厚みを変えることも可能である。また、局所的な窪み
をもうけたり、逆に突起を不特定箇所、あるいは特定箇
所にもうけることも可能である。また、電極は溶融ガラ
スと接触している部分の形状が四角状の形状である必要
はなく、楕円形や三角形、櫛型形状、短冊状、複数の切
れ込みのある形状、台形、ドーム状部を有する形状、お
おぎ型形状、など炉内の形状に合わせて必要に応じて形
状の変更が自由にできる。
【0045】そして本発明のガラス溶融炉で温度勾配に
対して逆流する溶融ガラスの流れを検出して使用する炉
内温度の計測用温度計としては、高温に耐えられ、しか
も精密な計測が可能な計測機であれば、熱電対、オプテ
ィカルパイロメーターなどが使用可能であり、複数の計
測方法を併用することで迅速かつ正確な計測が可能にな
るよう施工し運用することができる。
【0046】また、本発明の加熱方法では、一般にコン
ピューター制御により自動運転で操炉が行えるようにな
っているが、必要時あるいは緊急時には手動に切り替え
ることにより確実な対応が行えるようになっている。
【0047】以下に本発明のガラス溶融炉を使用して実
施されるガラス溶融炉加熱方法として手動対応の例ある
いはプログラム対応の例について説明をおこなう。
【0048】本発明のガラス溶融炉を適用したガラス管
製造用溶融炉において、スロート近傍の複数箇所の温度
計測を常時連続的におこない、その結果をガラス溶融流
量やガス燃焼量などの多数の観測値と比較検討できる設
備を備えている状況で操炉がおこなわれている。そして
ガラス原料中へ混入する屑ガラスカレットの割合が一時
的に変動したために、スロート近傍での温度に変動が生
じてスロート内に上昇流が発生しはじめたことが炉内に
設置した温度計測計により捉えられたので、その変動を
うち消すべく温度変化箇所を加熱することができる白金
製膜状耐熱性導電材料からなる電極に7kWの電力を5
時間だけ印加することで温度計測結果を元の状態に戻す
ことができ、スロート部で発生する逆流現象を防止する
ことができた。
【0049】また、上記のような突発的な変動にたいし
て是正処置としておこなうことができる加熱方法とは異
なり、以下のようなプログラム操作による断続的な加熱
方法を採用することもできる。
【0050】本件のガラス溶融炉を採用した溶融室10
リットルの容積をもつ超小型連続溶融炉により他品種の
光学部品用のガラスを連続生産しているが、このような
小さな溶融炉ではどうしても外気温の影響を受けやすく
なるため昼間は正常な流れがスロート部に形成されてい
ても、夜間には外気温の影響を受けるためスロート部の
流れに上昇流が生じることになる。この場合にはこの変
動を外部温度の変動も考慮して、本発明の白金製膜状耐
熱性導電材料からなる電極に上昇流の発生を防止すべく
定期的に通電するプログラムを組むことで、確実に安定
した生産が実現可能になる。
【0051】また本件のガラス溶融炉を採用した光学ガ
ラス成形用のガラス成形体製造用溶融炉については、製
品の品種交換時に一時的にガラス流量を停止する必要性
がある。この時、成形部ノズルからフィーダーへの一時
的な逆流が発生することで数ミクロンオーダーの微細な
直径の発泡がガラス中に認められ、その後発泡不良とな
る問題があった。しかしながら、このフィーダー部に設
置した白金製の電極についてプログラムによりガラスの
流れが一時的に停止した間にガラス生地の一部がフィー
ダーを逆流することを防止することで発泡を抑えること
に成功し、製品歩留まりが10%以上向上した。
【0052】次に、本発明のガラス溶融炉とその溶融炉
による加熱方法について図面を参照しながら実施例につ
いて説明する。
【0053】(実施例1)図3は本発明の実施例である
ガラス融解炉とその加熱方法を採用したガラス板製造用
のガラス溶融炉20の水平模式図である。このガラス溶
融炉20に予め調整混合されたガラス用原料を原料投入
口より連続的に投入すると、22の溶融槽内で原料は溶
融ガラス上にaに示すように堆積し、26の電極のよう
なガラス溶融用熱源により加熱され融解してゆく。ガラ
ス化反応が終了し充分高温状態となった溶融ガラスは、
23のスロートに流れ込む。スロート23には、本発明
の白金の電極10が耐火物側壁、天井、炉床に内張され
ている。そしてこの内張された電極10は13の導電材
料により電力制御機能を備えた12の電圧変換機に接続
固定されており、導電材料13と電極10の接続部は熱
による劣化を防止すべく水冷されている。またこの導電
材料13は、直流電源の使用を可能とするように電圧変
換機12との間に11の整流器を介して設置されてい
る。この電極10にスロート側壁からの放熱を抑えるた
め、電力約15kWを印加することで溶融室22内のス
ロート近傍炉床に設置した図示していない温度計の指示
温度が20℃上昇し、電力印加により作業槽24からの
低温の溶融ガラスが逆流していないことが確認できた。
また作業槽から25のフィーダーを経て成型された板状
ガラス成型体の外観検査を実施したところ、リボイルに
より発生する欠陥である気泡がまったく認められず、本
発明のガラス溶融炉とその加熱方法の効果を確認するこ
とができた。
【0054】(実施例2)図4は本発明の実施例である
ガラス融解炉とその加熱方法を採用した管ガラス製造用
のガラス溶融炉30の水平模式図である。この図4で
は、作業槽24、フィーダー25、それにつながる成形
部27を示している。フィーダー25には、本発明で白
金製の電極10が耐火物側壁、天井、炉床に内張されて
いる。そしてこの内張された白金製の電極10は13の
導電材料により電力制御機能を備えた12の電圧変換機
に接続固定されており、導電材料13と電極10の接続
部は熱による劣化を防止すべく水冷されている。またこ
の導電材料13は、直流電源の使用を可能とするように
電圧変換機12との間に11の整流器を介して設置され
ている。作業槽にある溶融ガラスaは、作業槽内電極2
6の加熱により充分高温状態のままフィーダー25を経
て27の成形部に流れていく。この際にフィーダーでの
成形部からの溶融ガラスの逆流現象を防止するために電
極10に電力約9kWを印加することにより、作業室炉
床のフィーダー近傍に設置した温度計の指示温度が3℃
上昇し、成形部からフィーダーへの逆流がおこらず正常
な溶融ガラスの流れが確保できていることを確認した。
また成形部からスパウト28を経て、管引き成形された
製品中の泡を詳細に調査したところ、ミクロンオーダー
の微細な泡に至るまで顕微鏡検査でもまったく認められ
ず、リボイル泡の発生していないことを確認し、本発明
のガラス溶融炉とその加熱方法の効果を確認した。
【0055】
【発明の効果】本発明のガラス溶融炉及び加熱方法によ
れば、以上のように溶融ガラス中に発生する低温領域か
ら高温領域への溶融ガラスの逆流現象を確実に防止でき
るため、溶融ガラス中における高温の溶融ガラスと低温
の溶融ガラスが接触することに起因する気泡の発生を防
止することができ、ガラス化反応が終了した溶融ガラス
は確実に均質なガラス製品とすることが可能になる効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス溶融炉の部分断面図。
【図2】溶融ガラスの逆流現象説明図(A)は正常状態
(B)は逆流発生状態を表す。
【図3】本発明のガラス溶融炉実施例説明図。
【図4】本発明の他のガラス溶融炉の部分平面図。
【図5】特公昭55−116631記載のスロート加熱
電極。
【符号の説明】
10 電極 11 整流器 12 電圧変換器 13 導電材料 22 溶融槽 23 スロート 24 作業槽 25 フィーダー 27 成形部 a ガラス原料層 b 溶融ガラス α 溶融ガラスの正常方向の流れ β 溶融ガラスの上昇流 γ 溶融ガラスの逆流 δ ガラス流れの速度分布

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の溶融ガラスが所定時間滞留する溶
    融槽と、該溶融槽に連結され溶融ガラスが通過するスロ
    ートと、該スロートに連結され前記溶融ガラスが供給さ
    れて所定温度に低下した溶融ガラスを所定時間滞留させ
    ることにより溶融ガラスを清澄する作業槽と、該作業槽
    に連結され成形部に清澄された前記溶融ガラスから所定
    温度に低下した溶融ガラスを供給するフィーダーとを有
    するガラス溶融炉において、 前記溶融ガラス中に浸漬された膜状耐熱性導電材料から
    なる電極及び該電極に通電する電力供給手段を有してガ
    ラス溶融炉の溶融ガラス中に生じる低温領域から高温領
    域への溶融ガラスの流動を防止する逆流防止手段を備え
    ていることを特徴とするガラス溶融炉。
  2. 【請求項2】 逆流防止手段が、溶融槽、スロート、作
    業槽、フィーダーのうち少なくとも1箇所に備えられて
    いることを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉。
  3. 【請求項3】 逆流防止手段が、ガラス溶融炉の炉側
    壁、炉床、炉天井の何れかに内張されている膜状耐熱性
    導電材料からなる電極の1箇所以上に選択的に通電する
    構成であることを特徴とする請求項2に記載のガラス溶
    融炉。
  4. 【請求項4】 高温の溶融ガラスが所定時間滞留する溶
    融槽と、該溶融槽に連結され溶融ガラスが通過するスロ
    ートと、該スロートに連結され前記溶融ガラスから所定
    温度に低下した溶融ガラスが供給されて所定時間滞留さ
    せることにより溶融ガラスを清澄する作業槽と、該作業
    槽に連結され成形部に清澄された前記溶融ガラスから所
    定温度に低下した溶融ガラスを供給するフィーダーとを
    有するガラス溶融炉を使用し、該ガラス溶融炉中の溶融
    ガラスを加熱する溶融ガラスの加熱方法において、 前記ガラス溶融炉の所定位置の溶融ガラス中に浸漬状態
    で配設された膜状耐熱性導電材料からなる電極に通電し
    て局所的に加熱することにより溶融ガラス中に生じる低
    温領域から高温領域への溶融ガラスの流動を防止するこ
    とを特徴とする溶融ガラスの加熱方法。
  5. 【請求項5】 ガラス溶融炉内の高温領域の溶融ガラス
    温度を1箇所以上で連続的に計測して低温領域から高温
    領域への溶融ガラスの流動により生じる周囲の溶融ガラ
    スよりも温度が低くなる現象を検出し、高温の溶融ガラ
    ス流下に低温溶融ガラス流を引き込む上昇流発生箇所に
    対して膜状耐熱性導電材からなる電極を配設して所定時
    間局所的に通電加熱し、該溶融ガラスの上昇流を抑制す
    ることにより溶融ガラス中に生じる低温領域から高温領
    域への溶融ガラスの流動を防止することを特徴とする請
    求項4に記載の溶融ガラスの加熱方法。
  6. 【請求項6】 溶融槽、スロート、作業槽、フィーダー
    のうち少なくとも1箇所に膜状耐熱性導電材料からなる
    電極を配設して局所的に通電加熱し、溶融ガラス中に生
    じる低温領域から高温領域への溶融ガラスの流動を防止
    することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の
    溶融ガラスの加熱方法。
  7. 【請求項7】 ガラス溶融炉の炉側壁、炉床、炉天井の
    何れかに内張されている膜状耐熱性導電材料からなる電
    極の1箇所以上に選択的に通電加熱し、溶融ガラス中に
    生じる低温領域から高温領域への溶融ガラスの流動を防
    止することを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の
    溶融ガラスの加熱方法。
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