JP2003191229A - セルロース繊維強化樹脂の製造方法 - Google Patents

セルロース繊維強化樹脂の製造方法

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JP2003191229A JP2001393687A JP2001393687A JP2003191229A JP 2003191229 A JP2003191229 A JP 2003191229A JP 2001393687 A JP2001393687 A JP 2001393687A JP 2001393687 A JP2001393687 A JP 2001393687A JP 2003191229 A JP2003191229 A JP 2003191229A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色が無く、機械的強度が良い成形体が得ら
れるセルロース繊維強化樹脂の製造方法の提供。 【解決手段】 合成樹脂と共に、裁断されたパルプシー
ト片、或いは裁断されたパルプシート片と粘土を直接成
形機に供給するセルロース繊維強化樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース繊維強
化樹脂の製造方法及びその成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】合成樹
脂成形体の剛性等の機械的強度を高めるため、炭素繊
維、ガラス繊維、金属繊維等の強化材が配合されてい
る。しかし、炭素繊維は高価であるため製造コストが高
くなり、ガラス繊維や金属繊維は成形体重量が増加する
ほか、焼却処分した場合に燃焼残渣が生じるという問題
がある。
【0003】一方、樹脂強化材として天然繊維、特にセ
ルロース繊維を配合した場合は上記問題が生じないが、
綿状のセルロース繊維は毛羽立つので合成樹脂への分散
性が悪く、得られた成形体の剛性が劣るという問題があ
る。そこで、セルロース繊維を造粒してペレット化する
方法が種々開示されている。
【0004】特開平9−76213号公報には、乾燥、
微粉化したパルプとデンプン等を混合して造粒する方法
が開示され、特開平11−293124号公報には、乾
燥、微粉化したパルプと樹脂を混練して造粒する方法が
開示され、特開平11−34143号公報には、樹脂と
パルプ粉末を加熱下で溶融混練して造粒した後、粉砕
し、再度溶融混練して造粒する方法が開示され、特開平
11−293124号公報には、パルプの繊維長を短く
したり、熱を加えてパルプを熱変性させて嵩高さを小さ
くしたりして分散性を改良し、押出機で造粒する方法が
開示されている。
【0005】しかし、上記の造粒物を使用する場合は、
配合対象となる樹脂との相溶性等を考慮して造粒に使用
するバインダーや樹脂を選択しなければならないほか、
造粒工程が必要となるので工数、所要時間が増加し、パ
ルプを粉末化したり、繊維を短くしたりする場合には、
強化材としての効果が劣ってしまい、成形体の剛性等を
低下させるという問題がある。
【0006】特開平5−269736号公報には、解繊
されたセルロース繊維と、粉末低密度ポリエチレン、カ
ルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性シリコーン
オイル、高級脂肪酸エステル等の分散性改良剤とを含む
造粒物が開示されている。しかし、このような造粒物を
使用する場合、別途タンブラーミキサー、V型ブレンダ
ー等の押出機以外の装置を用いた造粒工程が必要となる
ため、工数の増加により製造コストが上昇する。更に、
セルロース繊維を解繊する際には、繊維が切断されるこ
とが避けられず、これが樹脂成形体の剛性等を低下させ
る要因にもなる。
【0007】特開2001−234493号公報には、
上記した従来技術とは異なるパルプ樹脂複合体の製造方
法が開示されているが、この製造方法を適用するための
特別な二軸スクリュー押出機を必要とするものであり、
既存の押出機への適用は困難である。
【0008】また押出機による合成樹脂とセルロース繊
維との混練では、合成樹脂を溶融状態にするため高温に
保持する必要があり、このときの熱によりセルロース繊
維が着色して、成形体を着色するという問題もある。セ
ルロース繊維が熱により着色するという問題は、セルロ
ース繊維中のαセルロース含有量を高めることで解決で
きることが考えられるが(αセルロース含有量が約10
0%のものの熱天秤分析によれば、270℃付近まで重
量減少は認められない。)、αセルロース含有量の高い
セルロース繊維は価格が高く、αセルロース含有量の高
い市販パルプと樹脂を押出機に供給し、180℃程度で
混練した場合、やはり着色が生じてしまうのが実状であ
る。
【0009】本発明は、既存の押出機を利用して製造す
ることができ、着色がなく、機械的強度の高い成形体が
得られる、セルロース繊維強化樹脂の製造方法及びその
成形体の製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、既存の押出
機等の成形機を用い、合成樹脂に対して強化材としてセ
ルロース繊維を配合する場合は、セルロース繊維を含む
造粒物を使用するという当業者における技術常識のもと
で、上記課題を解決するべく研究した結果、セルロース
繊維をパルプシートのままで使用することにより、工数
や所要時間の減少ができるようになり、分散性の改善、
着色性の改善、成形体の剛性等の改善等を達成できるこ
とを見出したものである。
【0011】即ち本発明は、上記課題の解決手段とし
て、合成樹脂と共に、パルプシート、又はパルプシート
と粘土を直接成形機に供給するセルロース繊維強化樹脂
の製造方法を提供する。
【0012】また本発明は、上記の製造方法により得ら
れたセルロース繊維強化樹脂を、所望形状に成形するセ
ルロース繊維強化樹脂成形体の製造方法を提供する。
【0013】本発明で用いる成形機は、押出機成形機、
射出成形機等の混練手段としてスクリューを備えた、汎
用の成形機である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のセルロース繊維強化樹脂
の製造方法においては、まず、既存の汎用成形機、例え
ば、押出成形機や射出成形機に、合成樹脂と共に、パル
プシート又はパルプシートと粘土とを供給する。なお、
合成樹脂には、最終的に得られる成形体の用途に応じ
て、各種添加剤を配合することができる。
【0015】合成樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹
脂から選ばれる1又は2以上の混合物を挙げることがで
き、セルロース繊維強化樹脂成形体の用途に応じて適宜
選択することができる。このような熱可塑性樹脂として
は、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ゴム含有スチ
レン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステ
ルエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル
酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、及びこれらの共重合体等を挙
げることができ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹
脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を挙
げることができる。
【0016】パルプシートは、どのような原料に由来す
るものでも良く、針葉樹、広葉樹等から得られるパルプ
シート、新聞紙、段ボール紙等の古紙から得られるパル
プシート等を用いることができる。また、パルプシート
は、セルロース繊維以外の有機繊維や無機繊維を含んで
いるものでも良い。
【0017】パルプシートに含まれているセルロース繊
維は、成形体の機械的強度を高めるためや、分散性を高
めるためには、次の平均直径及び長さを有するものが望
ましい。平均直径は0.1〜1000μmが好ましく、
1〜250μmがより好ましく、10〜80μmが更に
好ましい。平均長さは、0.1〜1000mmが好まし
く、0.5〜500mmがより好ましく、1〜50mm
が更に好ましい。
【0018】パルプシートを形成するセルロース繊維中
のαセルロース含有量は、50%以上が好ましいが、特
に高純度のもの、例えば90%以上もの高いものを選択
する必要はない。
【0019】パルプシートは、裁断機等により裁断され
たパルプシート片を用いることが好ましい。パルプシー
トを解繊したものは嵩密度が大きく、毛羽だったものが
多いが、パルプシートを裁断したパルプシート片は、パ
ルプシートと同じ嵩密度であり、毛羽立ちや繊維の切断
もないため好ましい。
【0020】パルプシート片の形状は特に制限されず、
方形、短冊、円形、楕円形、三角形、五角形以上の多角
形、不定形等にすることができるが、大きさは、正方形
の場合又は同面積の正方形に換算した場合の一辺の長さ
が、好ましくは1〜100mm、より好ましくは2〜1
0mm、更に好ましくは2〜5mmのものが好ましい。
【0021】パルプシートの使用量(乾燥物基準)は、
合成樹脂100質量部に対して、3〜250質量部が好
ましく、5〜100質量部がより好ましく、10〜50
質量部が更に好ましい。3質量部以上であると、樹脂成
形体の機械的強度を高めることができ、250質量部以
下であると、機械的強度と成形性の両方が優れている。
【0022】パルプシートと粘土を供給する場合、パル
プシートと粘土を一体化したものを供給することが好ま
しい。パルプシート片と粘土を一体化する方法は、水の
存在下でパルプシートを膨潤させ、その状態で粘土と混
合した後に脱水し、好ましくは裁断してパルプシート片
にする方法を適用できる。また、予め裁断したパルプシ
ートと粘土を混合しても良い。
【0023】粘土には、粘土の他、粘土に含まれる無機
化合物も含まれる。粘土としては、マイカ、タルク、カ
オリン、アパタルジャイト、ワラストナイト、炭酸カル
シウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、珪石等を挙げることができる。
【0024】粘土は、粒子径が0.001〜100μm
のものが好ましく、0.01〜80μmのものがより好
ましく、0.1〜50μmのものが更に好ましい。
【0025】粘土の使用量(乾燥物基準)は、パルプシ
ート100質量部に対して、0.001〜50質量部が
好ましく、0.1〜30質量部がより好ましく、0.5
〜10質量部が更に好ましい。0.001質量部以上で
あると、パルプシートの着色防止効果をより高めること
ができ、50質量部以下であると、良好な成形性を維持
できる。
【0026】各種添加剤は、樹脂成形体の用途に応じて
適宜選択されるものであり、無機充填剤、有機充填剤、
難燃剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、熱
安定剤、着色剤、酸化防止剤等を挙げることができる。
【0027】次に、成形機に供給した合成樹脂、パルプ
シート等を、合成樹脂の溶融温度下で加熱混練した後、
ペレット状等のセルロース繊維強化樹脂を得る。その
後、必要に応じて適当な添加剤を配合した後、所望形状
に成形し、セルロース繊維強化樹脂成形体を得る。
【0028】本発明の製造方法で得られるセルロース繊
維強化樹脂成形体は、特に剛性等の機械的強度が要求さ
れる用途に適しており、例えば、下記の自動車に用いる
各種部品を挙げることができる。
【0029】インストルメントパネル、メータケース、
エアコン、オーディオ、グローブボックス、エアダク
ト、エアバッグリッド、レジスター、ピラーガーニッシ
ュ、ルーフライナー、サンルーフスライダー、リアーパ
ーセルシェルフ、リアトレイ、ドアトリム、ステアリン
グホイール、スイッチ類、スリップジョイント、ベンチ
レーターフィン、ワイパーレバー等の内装部品やバンパ
ー、バンパービーム、バンパーフェイシア、ルーフ、バ
ンパーガード、フロントフェンダー、リアーフェンダ
ー、キャノピー、フード、ラジエーターグリル、テール
ゲートアウターパネル、スポイラー、サイドモール、サ
イドプロテクター、サイドシルガーニッシュ、カウルト
ップガーニッシュ、ホイールカバー、ホイールキャッ
プ、アウトサイドハンドル、アウタドアハンドル、ピラ
ーガーニッシュ、フェンダーミラー、リアランプ、ヘッ
ドランプ、ランプハウジング、カウルトップベンチレー
ション、エンブレム、オーナメント、リヤーパネル、エ
アスポイラー、リアワイパーアーム、ドアミラーステイ
等の外装部品やエンジンカバー、シリンダーヘッドカバ
ーやシャーシ系のエンジンマウントやオイル・ブローバ
イ系のシリンダーヘッドカバー、オイルフィラーダク
ト、オイルフィラーキャップ、オイルリザーブタンク、
プラグシール、オイルレベルゲージ、ホースコネクタ
ー、オイルセパレーター、ブローバイパイプ、オイルス
トレーナー、フューエルインジェクター、フューエルス
トレーナー、フューエルデリバリーパイプ、バキューム
タンク、キャニスタや吸気系のエアクリーナーケース、
エレメントホルダー、エアインレットパイプ、エアイン
テークダクト、過給気継手ダクト、過給気バイパスホー
ス、インタークーラータンク、インタークーラーホー
ス、吸気チャンバー、サージタンク、レゾネーター、イ
ンテークマニホールドや冷却系のポンプインペラー、サ
ーモスタットカバー、LLCリザーブタンク、LLCア
ウトレットダクト、LLCホースコネクター、ウォータ
インレット、ラジエータータンク、クーリングファンや
カム駆動系のカムスプロケット、テンショナーブッシ
ュ、ベルトアイドラー、タイミングベルトカバー、チェ
ンガイド、キャニスターや燃料系のデリバリーパイプ、
燃料配管、フィルターハウジングや電装系のコネクタ
ー、ジャンクションボックス、フューズブロック、セン
サーハウジング、スイッチケース、角度センサーホルダ
ー、ABSアクチュエーター、排ガスコントロールバル
ブ、ECUハウジング、リレーブロック、ユニットケー
ス、ハーネスコネクター、エアフロメーターハウジン
グ、ディストリビュータカバー、ディストリビュータロ
ーター、イグニッションコイルカバーやトランスミッシ
ョンのインヒビターズウィッチ、オイルストレーナー、
バキュームポンプケース、シールリング、スピードメー
タギア、スピードメータホルダー、アキュムレータピス
トン、ガバナギア、エアブリザーホース、トルクコンバ
ーターステーター、シフトレバーベース等のエンジン回
り、機構部品やリレー、パワーウィンドウギアケース・
センサー、ドアロックアクチュエーター、スパイラルケ
ーブル、コンビネーションレバー、各種スイッチ・メー
ターボビン・カウンター、パワーシートベース等の車体
関係電装部品やブレーキ回りのブレーキブースターピス
トン、ピストンリング等の部品やその他のクリップ、フ
ァスナー。
【0030】また本発明のセルロース繊維強化樹脂成形
体は、その他にも、各種機械部品、電気・電子部品、摺
動部品、吸音材、使用後に焼却処分する医療器具容器
材、建築用の木材代替品(木目材)、通信機器用筺体、
放射線遮蔽材等に用いることができる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0032】実施例1 レオニヤ(株)製のパルプシート〔BAT Sulfatate-
HJ(表1中、「パルプ1」と略記。;αセルロース含
有量98%、平均繊維径20μm、平均繊維長0.85
mm〕を、(株)ホーライ製のシートペレッターSG
(E)−220により、正方形(3×3mm)の小片に
裁断した。
【0033】次に、日本ポリケム(株)製のポリプロピ
レン(ノバテックBC056C)100質量部と、パル
プシート片(120℃で5時間乾燥したもの)40質量
部とを(株)日本製鋼所の2軸押出機(TEX30)に
供給し、シリンダー温度180℃、スクリュー回転数3
00rpmで溶融混練して、ペレット状のセルロース繊
維強化樹脂を得た。このセルロース繊維強化樹脂を用
い、下記の各試験を行った。結果を表1に示す。
【0034】(1)セルロース繊維の分散性と着色性 セルロース繊維強化樹脂のペレットを用い、200℃設
定の熱プレス機により、1mm厚のシートを成形し、目
視によりセルロース繊維の分散性(凝集塊の有無)と着
色性(白色が基準色)を評価した。
【0035】(2)引張強さ セルロース繊維強化樹脂のペレットを射出成形し、IS
O引張試験片(厚み4mm、全長150mmのダンベ
ル)を得た。この試験片を、23℃、相対湿度50%の
雰囲気中に90時間放置した後、オリエンテック(株)
製のUTM−5Tにより、つかみ具間の間隔115m
m、標線間距離50mmに設定し、引張速度50mm/
minで測定した。
【0036】(3)曲げ弾性率 セルロース繊維強化樹脂のペレットを射出成形し、IS
O曲げ試験片(長さ80mm、幅10mm、厚み4m
m)を得た。この試験片を、23℃、相対湿度50%の
雰囲気中に90時間放置した後、オリエンテック(株)
製のUTM−5Tにより、支持台のR=5mm、圧子の
R=5mm、支持間距離=64mmに設定し、試験速度
2mm/minで測定した。
【0037】(4)燃焼残渣 セルロース繊維強化樹脂のペレット3gを、800℃で
5分間、オーブン中で燃焼させたときの初期重量に対す
る燃焼残渣量の割合(質量%)を求めた。
【0038】比較例1 レオニヤ(株)製のパルプシート(BAT Sulfatate-
HJ)5kgを、同量の水に膨潤させた後、ダルトン社
製のディスクペレッターF−5型により造粒してペレッ
トにし、120℃で12時間乾燥した。このペレットと
日本ポリケム(株)製のポリプロピレン(ノバテックB
C056C)を用い、実施例1と同様にしてセルロース
繊維含有樹脂を得た。このセルロース繊維含有樹脂を用
い、実施例1と同様の各試験を行った。結果を表1に示
す。
【0039】比較例2 レオニヤ(株)製のパルプシート(BAT Sulfatate-
HJ)5kgを、バインダーとしてクラレ(株)製のポ
リビニルアルコール(表1中、「PVA」と略記)(C
P−1000)25gを溶かした水溶液5kgに膨潤さ
せた後、ダルトン社製のディスクペレッターF−5型に
より造粒してペレットにし、120℃で12時間乾燥し
た。このペレットと日本ポリケム(株)製のポリプロピ
レン(ノバテックBC056C)を用い、実施例1と同
様にしてセルロース繊維含有樹脂を得た。このセルロー
ス繊維含有樹脂を用い、実施例1と同様の各試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0040】実施例2 日本製紙(株)製のパルプシート(NDP−T;αセル
ロース含有量90%、平均繊維径25μm、平均繊維長
1.8mm、縦100cm×横500cm)5kgと、
林化成(株)製のタルク(ミクロンホワイト5000
S、粒径2.2μm)50gと、水5kgとを攪拌機
(三井三池化工機(株)製のヘンシェルミキサー,混合
槽容量20リットル)中に入れ、水膨潤状態のパルプシ
ートと粘土とを攪拌混合した後、常法に従って湿式抄造
し、脱水乾燥して、坪量420g/m 2、厚さ1mmの
タルク含有パルプシートを得た。このタルク含有パルプ
シートを、(株)ホーライ製のシートペレッターSG
(E)−220により、正方形(3×3mm)の小片に
裁断した。その後、この小片を用いたほかは実施例1と
同様にして、ペレット状のセルロース繊維強化樹脂を得
た。このセルロース繊維強化樹脂を用い、実施例1と同
様の各試験を行った。結果を表1に示す。
【0041】実施例3 タルクを水膨潤パルプに添加せずに、2軸押出機に供給
したほかは実施例2と同様にして、ペレット状のセルロ
ース繊維強化樹脂を得た。このセルロース繊維強化樹脂
を用い、実施例1と同様の各試験を行った。結果を表1
に示す。
【0042】実施例4 精製漂白せずに作製した、ブナから得られたパルプシー
ト(表1中、「パルプ3」と略記。αセルロース含有量
54%、平均繊維径25μm、平均繊維長2.7mm、
縦100cm×横500cm)を用い、タルクに替え
て、林化成(株)製のワラストナイト1kgを用いたほ
かは実施例2と同様にして、ペレット状のセルロース繊
維強化樹脂を得た。このセルロース繊維強化樹脂を用
い、実施例1と同様の各試験を行った。結果を表1に示
す。
【0043】実施例5 ワラストナイトを水膨潤パルプに添加せずに、2軸押出
機に供給したほかは実施例4と同様にして、ペレット状
のセルロース繊維強化樹脂を得た。このセルロース繊維
強化樹脂を用い、実施例1と同様の各試験を行った。結
果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例1、2と、比較例1、2との対比か
ら明らかなとおり、従来、合成樹脂用の強化材としてセ
ルロース繊維を使用する場合、造粒物を使用することが
技術常識であったが、パルプシートを裁断して小片とし
たものを強化材として使用することにより、造粒物を強
化材として使用した場合に比べて、各試験項目において
大幅な改善が認められた。更に、造粒する場合に比べる
と工数、時間ともに少なくでき、特殊な成形機を使用す
るのではなく、既存の汎用成形機を使用できるという点
でも優れている。比較例1、2において分散性が劣って
いるのは、ペレット化したことにより、セルロース繊維
同士が強固に結合してしまい、解れ難くなったためと考
えられる。
【0046】実施例2と実施例3の対比、実施例4と実
施例5の対比からは、粘土を配合する際、水膨潤パルプ
と粘土とを攪拌混合する方法が好適であることが認めら
れ、実施例2と実施例4との対比からは、燃焼残渣が生
じないという点ではタルクが望ましことが認められた。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られたセルロ
ース繊維強化樹脂を成形した合成樹脂成形体は、セルロ
ース繊維に起因する着色もなく、機械的強度も優れてい
る。更に、合成樹脂成形体は、強化材として炭素繊維を
用いたものに比べて安価であり、強化材としてガラス繊
維や金属繊維を用いた場合に比べて、同じ強度であって
も軽量であり、焼却処理する際にも残渣が生じることが
ない。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA05 AA07 AA08 AB03 AB29 AD04 AD05 AD37 AD43 AE00 AE07 AF03 AF04 AF06 AH12 AH13 AH14 AH16 AH23 AK15 AL02 4F201 AB11 AB16 AD06 AD16 BA01 BC01 BC12 BC37 BD04 BD05 BK02 BK13 BK26 4J002 AB012 BB031 BB121 BC031 BG031 CC001 CD001 CF001 CG001 CH071 CK021 CL001 CP031 DE076 DE146 DE236 DJ006 DJ036 DJ046 DJ056 FA042 FD016

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂と共に、パルプシート、又はパ
    ルプシートと粘土を直接成形機に供給するセルロース繊
    維強化樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 パルプシートに含まれるセルロース繊維
    が、平均直径が0.1〜1000μm、平均長さが0.
    1〜1000mmのものである請求項1記載のセルロー
    ス繊維強化樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 パルプシートに含まれるセルロース繊維
    が、αセルロース含有量が50%以上のものである請求
    項1又は2記載のセルロース繊維強化樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 パルプシートが、裁断されたパルプシー
    ト片である請求項1〜3のいずれか1記載のセルロース
    繊維強化樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 パルプシートが、裁断されたパルプシー
    ト片であり、一辺の長さが1〜100mmの方形の小片
    である請求項1〜4のいずれか1記載のセルロース繊維
    強化樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 パルプシートと粘土を一体化した後に、
    成形機に供給する請求項1〜5のいずれか1記載のセル
    ロース繊維強化樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 パルプシート又はパルプシート片と粘土
    を水の存在下で混合して一体化した後、脱水して成形機
    に供給する請求項1〜6のいずれか1記載のセルロース
    繊維強化樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1記載の製造方
    法により得られたセルロース繊維強化樹脂を、所望形状
    に成形するセルロース繊維強化樹脂成形体の製造方法。
JP2001393687A 2001-12-26 2001-12-26 セルロース繊維強化樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP4025067B2 (ja)

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