JP2003183348A - 硬化性化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物

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JP2003183348A JP2001380986A JP2001380986A JP2003183348A JP 2003183348 A JP2003183348 A JP 2003183348A JP 2001380986 A JP2001380986 A JP 2001380986A JP 2001380986 A JP2001380986 A JP 2001380986A JP 2003183348 A JP2003183348 A JP 2003183348A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化後の分解(解体)が安全(加熱分解時に毒
性ガスを発生しない)かつ容易にできる、硬化物性に優
れ実用性の高い硬化性化合物およびそれを含む硬化性樹
脂組成物の提供。 【解決手段】共役ジエン構造とジエノフィル構造からデ
ィールスアルダー反応によって形成されるディールスア
ルダー反応付加部と、イソシアネート基、ブロックイソ
シアネート基、アルコキシシリル基およびエポキシ基か
らなる群より選択される官能基とを有し;前記官能基に
より硬化することができ、前記官能基が架橋反応した硬
化物を加熱することにより、前記ディールスアルダー反
応付加部が解離し該硬化物を分解(解体)できることを
特徴とする硬化性化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性化合物およ
びそれを含む硬化性樹脂組成物に関する。より詳しく
は、安全(加熱分解時に毒性ガスを発生しない)かつ容
易に分解(解体)できる、硬化物性に優れ実用性の高い
硬化性化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境にやさしく、コストも低減で
きる点から、様々な分野でリサイクル性が要求されてい
る。接着剤、シーラント、防水材、塗料、発泡体等に広
く用いられる硬化性樹脂(例えば、ウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂等)もまた、それら樹脂の本
来の特性を維持したまま液状化と硬化を繰り返すことが
できれば、該樹脂のリサイクルが可能となるだけでな
く、一旦接着等させた部材同士の解体や、補強材等の取
り外し等を容易に行うことができる。
【0003】接着剤、シーラント等に広く用いられてい
るウレタン樹脂等は貯蔵安定性等に優れ一液で湿気硬化
できる点で有用であるが、従来の硬化性ウレタン樹脂
は、ポリエーテルポリオール系、ポリエステルポリオー
ル系、ポリマーポリオール系等のポリオールとポリイソ
シアネートとを反応させることにより製造され、これら
のウレタン結合は比較的安定であり、200℃超に加熱
することにより、青酸等の有毒ガスを発生しながら分解
することが知られている。そのため、従来は、解体作業
の安全性、作業性等の観点から該樹脂により一旦接着等
させた部材同士の解体等はほとんど行われていなかっ
た。
【0004】また、接着剤、防水材等に広く用いられて
いるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等は貯蔵安定性、耐
候性等に優れる点で有用であるが、エポキシ基の開裂
(硬化)反応により生成する結合(例えば、1−アルキ
ルアミノ−2−ヒドロキシエチル基等)、シロキサン結
合等は200℃超の高温でなければ分解しないことが知
られている。そのため、従来は、解体作業の安全性、作
業性、設備投資等の観点から該樹脂により一旦接着等さ
せた部材同士の解体等はほとんど行われていなかった。
【0005】一方、側鎖にフラン骨格を有する飽和縮合
系樹脂(例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリア
ミド等)がビスマレイミド存在下、100℃で架橋(デ
ィールスアルダー反応)し、140℃で解架橋(レトロ
ディールスアルダー反応)することが知られている(米
国特許第3,435,003号明細書)。該技術は、飽
和縮合系樹脂の官能基とフラン構造を有する化合物とを
完全に(100モル%)反応させて基本骨格に該フラン
構造を有する化合物を導入し、該フラン構造を有する化
合物とマレイミド構造を有する化合物との反応率を調整
する熱可逆性ポリマーに関するものである。特にウレタ
ンプレポリマーのイソシアネート基とフラン構造を有す
る化合物とを完全に(100モル%)反応させて導入
し、該フラン構造を有する化合物の10〜100%をマ
レイミド構造を有する化合物と反応させるため、該プレ
ポリマーの硬化反応はすべてディールスアルダー反応に
よるものであり、かつ、該反応による架橋結合も10%
以上であり樹脂全体の架橋強度が弱くまた解離温度が極
端に低く、実用性に乏しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ディールス
アルダー反応により形成されるディールスアルダー反応
付加部を導入することにより、イソシアネート基等の前
記官能基による硬化後の分解(解体)が安全(加熱分解
時に毒性ガスを発生しない)かつ容易にできる、硬化性
化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物を提供するこ
とを第1の目的とする。また、前記ディールスアルダー
反応付加部を特定の比率で導入することにより、硬化物
の架橋強度が強くまた分解温度が低く(硬化物性に優れ
た)、実用性の高い硬化性化合物およびそれを含む硬化
性樹脂組成物を提供することを第2の目的とする。さら
に、前記ディールスアルダー反応付加部の導入比率を調
整することにより、用途等に応じた物性(性能)を有す
る硬化性化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物を提
供することを第3の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、硬化後の分
解(解体)が安全かつ容易にできる、硬化性化合物につ
いて鋭意検討した結果、ディールスアルダー反応により
形成されるディールスアルダー反応付加部を導入するこ
とにより、イソシアネート基等の前記官能基による硬化
後の分解(解体)が安全かつ容易にでき、実用性が高
く、用途等に応じた物性(性能)を得られる硬化性化合
物を見出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、1)本発明は、共役ジエン構造
とジエノフィル構造からディールスアルダー反応によっ
て形成されるディールスアルダー反応付加部と、イソシ
アネート基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシ
リル基およびエポキシ基からなる群より選択される官能
基とを有し;前記官能基により硬化することができ、前
記官能基が架橋反応した硬化物を加熱することにより、
前記ディールスアルダー反応付加部が解離し該硬化物を
分解(解体)できることを特徴とする硬化性化合物を提
供する。これにより、本発明の第1および第2の目的を
達成できる。
【0009】ここで、「硬化性化合物」は、低分子化合
物でも高分子化合物(プレポリマー等)でもよく、「デ
ィールスアルダー反応付加部」はこれらの化合物の骨格
のいずれかに導入される(以下、ディールスアルダー反
応付加部を導入する低分子化合物および高分子化合物を
「基礎化合物」という。)。例えば、基礎化合物がプレ
ポリマーの場合では、その主鎖または側鎖に導入でき
る。「ディールスアルダー反応付加部」とは、共役ジエ
ン構造とジエノフィル構造とのディールスアルダー反応
により形成される環構造を有する部位であって、イソシ
アネート基等の前記官能基により架橋が形成される温度
では解離せず、または解離しても硬化反応には関与せず
温度低下後にディールスアルダー反応付加構造が再び形
成され、該官能基により架橋が形成される温度超かつ該
官能基により形成される結合部位、あるいは該ディール
スアルダー反応付加部を導入した基礎化合物の基本骨格
が、分解または解離する温度未満で熱解離する部分をい
う。また、本発明において「熱解離性部位」とは、ディ
ールスアルダー反応付加部(環構造)を1以上有する部
位(図1および図2参照)をいう。本発明の可逆的な熱
解離は、一般的には熱可逆性の平衡反応であるディール
スアルダー反応が低温においてディールスアルダー付加
反応を、高温においては逆のレトロディールスアルダー
反応をすることにより生起し、前記イソシアネート基等
の前記官能基による熱解離をいうものではない。本発明
においては、このようなディールスアルダー反応と、レ
トロディールスアルダー反応を利用することにより、デ
ィールスアルダー反応付加部による架橋(環構造の構
築)とディールスアルダー反応付加部による脱架橋(環
構造の解離)を可逆的に繰り返し、硬化性化合物の硬化
と軟化または流動化を実現している。
【0010】本発明の好ましい態様として以下の3態様
が挙げられる。 前記ディールスアルダー反応付加部が、前記基礎化合
物(低分子化合物、高分子化合物(プレポリマー等))
に導入した共役ジエン構造と;ポリジエノフィル化合物
のジエノフィル構造と;からなる硬化性化合物である。
ここで、共役ジエン構造は少なくとも1つ、ジエノフィ
ル構造は少なくとも2つ有すれば、異なる硬化性化合物
間で相互に、ディールスアルダー反応付加部による三次
元架橋反応ができる。 前記ディールスアルダー反応付加部が、前記基礎化合
物に導入したジエノフィル構造と;ポリ共役ジエン化合
物の共役ジエン構造と;からなる硬化性化合物である。
ここで、共役ジエン構造は少なくとも2つ、ジエノフィ
ル構造は少なくとも1つ有すれば、異なる硬化性化合物
間で相互に、ディールスアルダー反応付加部による三次
元架橋反応ができる。 前記ディールスアルダー反応付加部が、前記基礎化合
物に導入した共役ジエン構造と;前記基礎化合物に導入
したジエノフィル構造と;からなる硬化性化合物であ
る。ここで、共役ジエン構造は少なくとも1つ、ジエノ
フィル構造は少なくとも1つ有すれば、異なる硬化性化
合物間で相互に、ディールスアルダー反応付加部による
三次元架橋反応ができる。
【0011】また、前記共役ジエン構造がフラン骨格ま
たは前記ジエノフィル構造がマレイミド骨格であるのが
好ましく、前記共役ジエン構造がフラン骨格であり、前
記ジエノフィル構造がマレイミド骨格である硬化性化合
物が特に好ましい態様の1つである。
【0012】また本発明は、前記官能基の一部を、前記
ディールスアルダー反応付加部と反応させて得られる硬
化性化合物であるのが好ましい。これにより、本発明の
第1〜3の目的を達成できる。
【0013】さらに2)本発明は、1)に記載の硬化性
化合物を含有する硬化性樹脂組成物を提供する。これに
より、本発明の第1〜3の目的を達成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明は、共役ジエン構造とジエノフィル構造
からディールスアルダー反応によって形成されるディー
ルスアルダー反応付加部と、イソシアネート基、ブロッ
クイソシアネート基、アルコキシシリル基およびエポキ
シ基からなる群より選択される官能基とを有し;前記官
能基により硬化することができ、前記官能基が架橋反応
した硬化物を加熱することにより、前記ディールスアル
ダー反応付加部が解離し該硬化物を分解(解体)できる
ことを特徴とする硬化性化合物である。
【0015】本発明においては、レトロディールスアル
ダー反応を利用し脱架橋(環構造の解離)することによ
り硬化物を分解(解体)できる。また、分子内にイソシ
アネート基等の官能基を有することにより、湿気または
硬化剤の存在下で硬化が可能となる。
【0016】本発明の硬化性化合物は、イソシアネート
基等の官能基による架橋のほかに、共役ジエン構造とジ
エノフィル構造とがディールスアルダー反応し熱解離性
部位を形成することにより架橋できる。すなわち、本発
明の硬化性化合物の例として、以下の態様が挙げられ
る。 1)ディールスアルダー反応付加部が、基礎化合物に導
入した共役ジエン構造と;ポリジエノフィル化合物のジ
エノフィル構造と;からなる硬化性化合物である。 2)ディールスアルダー反応付加部が、基礎化合物に導
入したジエノフィル構造と;ポリ共役ジエン化合物の共
役ジエン構造と;からなる硬化性化合物である。 3)ディールスアルダー反応付加部が、基礎化合物に導
入した共役ジエン構造と;基礎化合物に導入したジエノ
フィル構造と;からなる硬化性化合物である。ここで、
共役ジエン構造とジエノフィル構造とが同じ基礎化合物
に導入されていても、異なる基礎化合物に導入されてい
てもよい。
【0017】まず、ディールスアルダー反応付加部につ
いて説明する。本発明の「ディールスアルダー反応付加
部」とは、共役ジエン構造とジエノフィル構造とのディ
ールスアルダー反応により形成される環構造を有する部
位であって、イソシアネート基等の官能基により架橋が
形成される温度では解離せず、または解離しても硬化反
応には関与せず温度低下後にディールスアルダー反応付
加構造が再び形成され、該官能基により架橋が形成され
る温度超かつ該官能基により形成される結合部位、ある
いは該ディールスアルダー反応付加部を導入した基礎化
合物の基本骨格が、分解または解離する温度未満で熱解
離する部分をいう。
【0018】このようなディールスアルダー反応付加部
を形成する共役ジエン構造は、特に限定されず、鎖状共
役ジエン構造および環状共役ジエン構造を用いることが
できるが、熱等に対する安定性が優れるため、環状共役
ジエン構造が好ましい。本発明に用いられる共役ジエン
構造を第1表に列記する。
【0019】
【表1】
【0020】(第1表中、R1 〜R6 は、相互に無関係
に水素原子、炭化水素基および低級アルコキシル基から
なる群から選ばれる基を表し、それぞれ同じであっても
異なっていてもよい。) ここで、炭化水素基は、低級(炭素数1〜6)アルキル
基または芳香族炭化水素基であり、具体的には、低級ア
ルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基およびヘキシル基が挙げられ、芳香族
炭化水素基として、低級アルキル基または低級アルコキ
シル基で置換されてもよいフェニル基が挙げられる。低
級アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基およびヘ
キシルオキシ基が挙げられる。なお、炭素数3以上の低
級アルキル基および低級アルコキシル基は、各異性体
(例えば、イソプロピル基等)を含む。共役ジエン構造
は、上記したなかでも、ヘテロ原子を有するもの、特に
後述するフラン骨格を有するものを好適に使用すること
ができる。
【0021】本発明のディールスアルダー反応付加部を
形成するジエノフィル構造は、上記共役ジエン構造と付
加的に反応して環式化合物を与える不飽和化合物であ
る。本発明に用いられるジエノフィル構造は、特に限定
されない。本発明に用いられるジエノフィル構造を第2
表に列記する。
【0022】
【表2】
【0023】本発明は、上記共役ジエン構造と上記ジエ
ノフィル構造からディールスアルダー反応によって形成
されるディールスアルダー反応付加部を基礎化合物に導
入した硬化性化合物であるが、下記1)〜3)の3態様
が挙げられる。第1態様は、ディールスアルダー反応付
加部が、基礎化合物に導入した共役ジエン構造と;ポリ
ジエノフィル化合物のジエノフィル構造と;からなる。
すなわち、基礎化合物に上記共役ジエン構造を導入し、
2以上のジエノフィル構造を有するポリジエノフィル化
合物と反応させて得られる硬化性化合物である。ここ
で、共役ジエン構造は少なくとも1つ、ジエノフィル構
造は少なくとも2つ有すれば、異なる硬化性化合物間で
相互に、ディールスアルダー反応付加部による三次元架
橋反応ができ、イソシアネート基等が硬化した硬化物を
分解(解体)できる。
【0024】第2態様は、ディールスアルダー反応付加
部が、基礎化合物に導入したジエノフィル構造と;ポリ
共役ジエン化合物の共役ジエン構造と;からなる。すな
わち、基礎化合物に上記ジエノフィル構造を導入し、2
以上の共役ジエン構造を有する共役ジエン化合物と反応
させて得られる硬化性化合物である。ここで、共役ジエ
ン構造は少なくとも2つ、ジエノフィル構造は少なくと
も1つ有すれば、異なる硬化性化合物間で相互に、ディ
ールスアルダー反応付加部による三次元架橋反応がで
き、イソシアネート基等が硬化した硬化物を分解(解
体)できる。
【0025】第3態様は、ディールスアルダー反応付加
部が、基礎化合物に導入した共役ジエン構造と;基礎化
合物に導入したジエノフィル構造と;からなる。ここ
で、共役ジエン構造とジエノフィル構造とが同じ基礎化
合物に導入されていても(両構造を有する硬化性化合
物)、異なる基礎化合物(共役ジエン構造を有する硬化
性化合物とジエノフィル構造を有する硬化性化合物との
混合物)に導入されていてもよい。また、共役ジエン構
造は少なくとも1つ、ジエノフィル構造は少なくとも1
つ有すれば、異なる硬化性化合物間で相互に、ディール
スアルダー反応付加部による三次元架橋反応ができ、イ
ソシアネート基等が硬化した硬化物を分解(解体)でき
る。
【0026】該ディールスアルダー反応付加部は実質的
に、分子内に少なくともA個有すればよい。該ディール
スアルダー反応付加部をA個持っていれば、硬化物を加
熱することで該ディールスアルダー反応付加部が脱架橋
反応し解離可能となる。ここで、「実質的に分子内に少
なくともA個」とは、n個の硬化性化合物分子間で共有
する1つの熱解離性部位に含まれるm個のディールスア
ルダー反応付加部を各分子間で均等に分配した値(m/
n)の和がA個以上であることを意味する。具体的に
は、図1(上記第1態様)を参照して説明すると、1個
の熱解離性部位により、本発明の硬化性化合物は2量体
(n=2)を形成している。該2量体の熱解離性部位は
2個のディールスアルダー反応付加部(m=2)を含む
ので、前記定義により1分子で考えるとm/nは1とな
り、1分子内に1個のディールスアルダー反応付加部を
有することになる。また、図2(上記第3態様)を参照
して説明すると、1つの熱解離性部位により、本発明の
硬化性化合物は2量体(n=2)を形成している。該2
量体の熱解離性部位は1個のディールスアルダー反応付
加部(m=1)を含むので、前記定義により1分子で考
えるとm/nは1/2となり、1分子内に1/2個のデ
ィールスアルダー反応付加部を有することになる。な
お、図2中、Bはヘテロ原子を含んでもよい二価の有機
基である。
【0027】本発明においては、Aの値は、ディールス
アルダー反応付加部の導入量(後述する封鎖率等) に依
存するが、実質的に分子内に、1/3個以上有すること
が必要であり、好ましくは、1/2個以上、より好まし
くは、1個以上である。1/3個以上有すれば、異なる
硬化性化合物間で相互に三次元架橋でき、また、イソシ
アネート基等による硬化後の分解(解体)が容易にでき
る。
【0028】本発明のディールスアルダー反応付加部
は、ディールスアルダー反応が熱可逆性の平衡反応であ
ることを利用し、具体的にはディールスアルダー反応
と、レトロディールスアルダー反応を利用することによ
り、架橋反応(ディールスアルダー反応付加部(環構
造)の構築)と脱架橋反応(ディールスアルダー反応付
加部(環構造)の解離)を繰り返し可能とする。またデ
ィールスアルダー反応付加部は、イソシアネート基等の
官能基により架橋が形成される温度では解離せず、また
は解離しても硬化反応には関与せず温度低下後にディー
ルスアルダー反応付加構造が再び形成され、該官能基に
より架橋が形成される温度超かつ該官能基により形成さ
れる結合部位、あるいは該ディールスアルダー反応付加
部を導入した基礎化合物の基本骨格が、分解または解離
する温度未満で熱解離する性質を有する。
【0029】したがって、共役ジエン構造(共役ジエン
構造を有する化合物を含む。以下同様。)とジエノフィ
ル構造(ジエノフィル構造を有する化合物を含む。以下
同様。)を的確に選択し、ディールスアルダー反応とレ
トロディールスアルダー反応のエネルギー量を特定の範
囲にすることによって、加熱解離時に毒ガスが発生しな
い安全な硬化性化合物の構築が可能となる。
【0030】次に熱解離性部位について説明する。本発
明において「熱解離性部位」とは、上記した共役ジエン
構造とジエノフィル構造との反応により得られるディー
ルスアルダー反応付加部を1個以上有する複数分子間で
共有する部位をいう。これによりイソシアネート等の官
能基に由来する強い架橋構造(以下、「永久架橋」とい
う場合がある。)と、これとは別の熱解離性の架橋構造
を形成するため、架橋強度が強くまた分解温度が低く
(硬化物性に優れた)、実用性の高い硬化性化合物が得
られる。なお、ディールスアルダー反応付加部および熱
解離性部位は、基礎化合物の骨格のいずれの位置に導入
されてもよく、例えば、高分子化合物(プレポリマー
等)の場合はポリマーの主鎖に導入されてもよく、また
は側鎖に導入されてもよい。導入のしやすさ、硬化物物
性および熱解離性の観点から、主鎖の末端にあるのが好
ましい。
【0031】本発明の硬化性化合物は、ディールスアル
ダー反応付加部を含む熱解離性部位とともに、イソシア
ネート基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリ
ル基およびエポキシ基からなる群より選択される官能基
を分子内に少なくとも1つ有する。これらの基は分子末
端にあるのが好ましい。これらの官能基を少なくとも1
つ有することにより、硬化反応(永久架橋)が可能とな
る。なお、これらの基を2以上有する場合は同種であっ
ても異種であってもよい。
【0032】ここで、ブロックイソシアネート基とは、
イソシアネート基が保護基でブロックされ、例えば熱ま
たは湿気により容易にブロックが外れてイソシアネート
基を発生しうる基をいい、例えばアルコール類、フェノ
ール類、オキシム類、トリアゾール類、カプロラクタム
類等のブロック剤等でブロックしたイソシアネート基が
好ましく挙げられる。
【0033】アルコール類の好ましい例としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、ラ
ウリルアルコール、t−ブタノール、シクロヘキサノー
ル等を挙げることができる。フェノール類の好ましい例
としては、キシレノール、ナフトール、4−メチル−
2,6−ジ−t−ブチルフェノール等を挙げることがで
きる。オキシム類の好ましい例としては、2,6−ジメ
チル−4−ヘプタノンオキシム、メチルエチルケトオキ
シム、2−ヘプタノンオキシム等が挙げられる。その
他、3,5−ジメチルピラゾール、1,2,4−トリア
ゾール等を好適に用いることができる。これらのなかで
も、ブロック剤としてはメタノール、キシレノールが好
ましい。
【0034】本発明の硬化性化合物は、これらの基を有
する低分子化合物、熱硬化性樹脂または湿気硬化性樹脂
あるいはこれらのプレポリマーであれば特に限定され
ず、硬化物の物性(接着強度等)および取扱い性の観点
からウレタンプレポリマー、エポキシ樹脂、シラン化合
物およびこれらの変性ポリマーが好適である。また、高
分子化合物の場合のその数平均分子量も特に限定されな
いが、取扱い性等の観点から室温で液状であるのが好ま
しい。さらに、このような低分子化合物および樹脂は1
種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0035】ウレタンプレポリマーは、通常用いられる
プレポリマーを用いることができ、該プレポリマーの製
造に用いられるポリオールは、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、その他のポリオールおよ
びこれらの混合ポリオールが挙げられる。ポリエーテル
ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、4,4' −ジヒドロキシフェニルプロパン、4,
4' −ジヒドロキシフェニルメタン等の2価アルコー
ル;グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパ
ン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリ
トール等の多価アルコール;エチレンジアミン、芳香族
ジアミン等のジアミン類;ソルビトール等の糖類の1種
または2種以上と、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等
のアルキレンオキサイドの1種または2種以上とを付加
して得られるポリオール等を挙げることができる。
【0036】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパン、その他の低分子ポリオールの1種また
は2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸
その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または
2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロ
ラクトン、カプロラクトン等の開環重合体が挙げられ
る。
【0037】その他のポリオールとしては、ポリマーポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエ
ンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオー
ル、アクリルポリオールおよびエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオール等の低分子ポリオール等が挙げられ
る。
【0038】ポリイソシアネート化合物は、イソシアネ
ート基を2個以上を有する化合物であれば特に限定され
ず、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート
(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネー
ト(2,6−TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(4,4´−MDI)、2,4´−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(2,4´−MDI)、
p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフ
ェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート
等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、ノルボルナンジイソシアナート
メチル(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6 XDI
(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式
ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカル
ボジイミド変性ポリイソシアネート、またはこれらのイ
ソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられ
る。また、立体障害の大きなイソシアネート基を少なく
とも1個有するイソシアネート化合物を用いることもで
きる。具体的には、三井サイテック社製のTMI(モノ
イソシアネート化合物)、TMXDI(ジイソシアネー
ト化合物)、サイセン(トリイソシアネート化合物)等
が好ましく挙げられる。これらは、1種単独でも2種以
上を併用することもできる。
【0039】このなかでも、ポリプロピレングリコール
とTDIおよび/またはMDIとから得られるウレタン
プレポリマーが、入手の容易さおよび硬化物の性質 (性
能)のバランスが良好であることから好ましい。
【0040】ウレタンプレポリマーの製造に際し、その
原料量比は、該ポリオールの水酸基に対する該ポリイソ
シアネート化合物のイソシアネート基の当量比(NCO
/OH比)が1.4〜3.0であり、1.7〜2.5と
なる量比とするのが好ましい。この範囲であればポリイ
ソシアネート化合物の残存による発泡、分子鎖延長に起
因するウレタンプレポリマーの粘度が増加することな
く、硬化物の物性が良好となる。
【0041】ウレタンプレポリマーの製造条件は、特に
限定されず、通常のウレタンプレポリマーの製造条件を
挙げることができる。すなわち、反応温度を50〜10
0℃程度とし、常圧下で反応させることができる。ま
た、有機スズ化合物、有機ビスマス化合物等のウレタン
化触媒を用いることもできる。
【0042】ブロックイソシアネート基を有するプレポ
リマーは、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基を
上記のブロック剤等で保護したものを用いることができ
る。本発明においてはブロック率は特に限定されず、用
途、硬化物の物性等に応じてイソシアネート基をすべて
保護してもよく、またイソシアネート基の一部を保護し
てもよい。ブロック化の反応条件は特に限定されず、前
記ウレタンプレポリマーの合成条件を用いることができ
る。
【0043】エポキシ樹脂は、特に限定されず、具体的
には、エポキシ樹脂を用いることができる。例えば、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビス
フェノールA、ピロカテコール、レソルシノール、クレ
ゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、ト
リヒドロキシビフェニル、ビスレソルシノール、ビスフ
ェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフ
ェノールF、ビキシレノール等の多価フェノールとエピ
クロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエ
ーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコー
ルとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリ
グリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキ
シナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒ
ドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエ
ステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイド
ロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、
エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット
酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリ
グリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアル
キルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリ
シジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリ
シジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイ
ジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジア
ミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、4, 4' −ジアミノジフェニルメタン、4, 4' −
ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジ
ルアミン型;さらにエポキシ化ポリオレフィン、グリシ
ジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、
トリグリシジルシアヌレート等;ブチルグリシジルエー
テル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニル
グリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル、ス
チレンオキサイド等のモノエポキシ化合物等が挙げら
れ、これらの1種または2種以上の混合物を用いること
ができる。この場合の混合比は、用途、貯蔵安定性、低
温貯蔵性および硬化物の物性等に応じて任意の混合比と
することができる。
【0044】このなかでも、ビスフェノールAグリシジ
ルエーテルとフルフリルアミン、フルフリルアルコー
ル、フェノールマレイミドまたはアニリンマレイミドと
を一部反応させたエポキシ樹脂が好ましい。該プレポリ
マーの製造条件は特に限定されず、通常用いられる条件
で製造できる。例えば、120℃以下の温度下、常圧で
攪拌することにより製造できる。
【0045】シラン化合物は、特に限定されず、具体的
には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物;γ−イ
ソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネ
ートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネ
ートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネ
ートエチルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートエ
チルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートエチルメ
チルジエトキシシラン、γ−イソシアネートエチルメチ
ルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン化
合物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミ
ノ基含有シラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
のメルカプト基含有シラン化合物;β−カルボキシエチ
ルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニル
ビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カル
ボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等のカルボキシシラン化合物;ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキ
シ)シラン等のビニル基含有シラン化合物;γ−メタク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ基
含有シラン化合物;γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン等のハロゲン含有シラン化合物等の1種以上と;フ
ルフリルアルコール、フルフリルアミン等の1種以上
と;の反応物およびプレポリマーが挙げられる。製造
は、通常用いられている反応条件、方法で行うことがで
きる。
【0046】変性ポリマーは、特に限定されず、例え
ば、アルコキシシリル基変性(ブロック)ウレタンプレ
ポリマー、エポキシ変性(ブロック)ウレタンプレポリ
マー、イソシアネート変性エポキシプレポリマー、アル
コキシシリル基変性エポキシプレポリマー、イソシアネ
ート変性シラン化合物、アルコキシシリル基変性シラン
化合物等が挙げられる。
【0047】アルコキシシリル基変性(ブロック)ウレ
タンプレポリマー、エポキシ変性(ブロック)ウレタン
プレポリマーは、例えば、ウレタンプレポリマーの原料
に、アルコキシシリル基含有ポリオール、エポキシ基含
有ポリオール等を用いて、通常の条件で製造できるし、
ウレタンプレポリマーにこれらの基を有する化合物をグ
ラフトさせても製造できる。また、イソシアネート変性
エポキシプレポリマー、アルコキシシリル基変性エポキ
シプレポリマー、イソシアネート変性シラン化合物およ
びアルコキシシリル基変性シラン化合物も同様に製造で
きる。
【0048】本発明の硬化性化合物は、前記ディールス
アルダー反応付加部を含む熱解離性部位とともに、イソ
シアネート基、ブロックイソシアネート基、アルコキシ
シリル基およびエポキシ基からなる群より選択される官
能基を分子内に有する化合物であるが、これらの官能基
の他に、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ基、メル
カプト基およびカルボキシル基からなる群より選択され
る少なくとも1つの基をさらに分子内に有することもで
きる。イソシアネート基等と反応し架橋できる基をさら
に有すれば架橋密度が向上し硬化物の物性に優れる。
【0049】ここで潜在性アミノ基とは、アミノ基が保
護基でブロックされ、例えば水分や熱により容易にブロ
ックが外れてアミノ基を発生しうる基をいい、例えば脂
肪族ポリアミンとケトンとの反応物であるケチミン;n
−ヘキシルアミン、モノエチルアミン、ベンジルアミ
ン、ジエチルアミン、ピペリジン、トリエチルアミン、
アニリン等のアミンと三フッ化ホウ素との化合物である
三フッ化ホウ素−アミン錯体;ジシアンジアミドまたは
o−トリルビグアニド、α−2,5−ジメチルビグアニ
ド、α,ω−ジフェニルビグアニド、5−ヒドロキシナ
フチル−1−ビグアニド等のジシアンジアミドの誘導
体;コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、イソ
フタル酸ヒドラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド、
サリチル酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒ
ドラジド等の酸ヒドラジド;ジアミノマレオニトリルま
たはその誘導体;ジアリルメラミン等のメラミンの誘導
体;カルボン酸エステルとジメチルヒドラジンとエポキ
シ化合物により合成されるアミンイミド類;エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペリジン等のジア
ミンと安息香酸、フタル酸、アジピン酸、セバチン酸等
のジカルボン酸との塩、2,4,4−トリメチル−2,
4,7−トリヒドロキシフラバン等のポリアミンとN,
N´−ジメチル1,3−プロパンジアミン等のポリヒド
ロキシフェノールとの塩、ポリアミンのフェニルホスホ
ン酸塩、ポリアミンのフェニルリン酸塩;スルホン酸と
第一アルコールとのエステル化合物、リン酸のモノエス
テルもしくはジエステルまたはその混合物、スルホン酸
とエポキシ化合物との付加反応によるエステル化合物が
挙げられる。また、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩等の紫外線硬化剤も挙げられる。
【0050】本発明の硬化性化合物は、イソシアネート
基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル基お
よびエポキシ基からなる群より選択される官能基とディ
ールスアルダー反応付加部を別個独立に基礎化合物に導
入してもよいが、イソシアネート基等の官能基の一部
を、ディールスアルダー反応付加部と反応させて導入す
るのが好ましい。この場合、イソシアネート基等の官能
基をまず導入しておき、その20〜80モル%(分子内
にさらに酸無水物基、水酸基、アミノ基、潜在性アミノ
基、メルカプト基およびカルボキシル基等を有する場合
はこれらの基の含量を含む官能基量を基準とする)を、
ディールスアルダー反応付加部(共役ジエン構造を有す
る化合物、ジエノフィル構造を有する化合物を含む)
の、官能基と反応し得る置換基と反応させ封鎖して得ら
れるのが好ましい。
【0051】封鎖率は用途等に応じた物性(性能)を満
たすため任意の比率に調整できるが、好ましくは30〜
70モル%、特に好ましくは40〜60モル%である。
ここで、封鎖率が官能基の20〜80モル%とは、分子
内に有する官能基全量(分子内にさらに前記した酸無水
物基、水酸基、アミノ基、潜在性アミノ基、メルカプト
基およびカルボキシル基等を有する場合はこれらの基の
含量を含む)を100モルとしたときの20〜80モル
を置換基と反応させてディールスアルダー反応付加部を
導入するこという。この範囲であれば、ディールスアル
ダー反応付加部により封鎖されていない官能基による架
橋(永久架橋)が形成されることにより硬化物の架橋強
度が強く、また、熱解離性部位は容易に解離するため分
解温度が低く、架橋強度と低温分解性を兼ね備える実用
性の高い硬化性化合物となる。
【0052】封鎖は、該官能基と、該ディールスアルダ
ー反応付加部(共役ジエン構造を有する化合物、ジエノ
フィル構造を有する化合物を含む)に含む少なくとも1
つの活性水素を有する基との反応により行うことができ
る。例えば、イソシアネート基とは付加反応、アルコキ
シシリル基とは脱アルコール反応、エポキシ基とはエポ
キシ開裂反応(付加反応)等により封鎖でき、これらの
場合の封鎖条件は通常用いられる条件で行うことができ
る。
【0053】本発明の硬化性化合物の架橋、脱架橋(熱
解離)反応について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は分子内に熱解離性部位を1個(ディールスアルダ
ー反応付加部は分子内に実質的に1個)、イソシアネー
ト基を3個有するウレタンプレポリマー、図2は分子内
に熱解離性部位を1個(ディールスアルダー反応付加部
は分子内に実質的に1/2個)、イソシアネート基を3
個有するウレタンプレポリマーを示した図である。図3
は、図1に示した、ディールスアルダー反応付加部を分
子内に実質的に1個有するプレポリマーの硬化状態と解
離状態を示した図である。図1に示した、ディールスア
ルダー反応付加部を分子内に実質的に1個有するプレポ
リマーは、3個のイソシアネート基により湿気硬化(永
久架橋)し、図3に示す硬化状態のウレタンポリマーと
なる。なお、共役ジエン構造をフラン骨格で、ジエノフ
ィル構造をマレイミド骨格で示した。
【0054】該硬化状態のウレタンポリマーを120〜
200℃に加熱すると、熱解離性部位の2つのディール
スアルダー反応付加部がレトロディールスアルダー反応
を起こし、共役ジエン構造(フラン骨格)とジエノフィ
ル構造(マレイミド骨格)を有する化合物に解離する
(図3の解離状態)。すなわち、ウレタン結合で架橋し
ている部位(永久架橋、図3中「●」で示した結合)は
解離しないが、別個独立に架橋していた熱解離性部位が
加熱により脱架橋し、容易に分解(解体)できる。な
お、永久架橋は通常の条件で、湿気または硬化剤の存在
下硬化できる。
【0055】本出願人は、ディールスアルダー反応付加
部を有し、温度変化により架橋構造の形成と崩壊を可逆
的に起こすことができ、耐熱性に優れ、コールドフロー
性が低く、リサイクル容易なエラストマーに関する技術
を報告している(特開2000−1529号)。しか
し、該技術は、高分子量化したエラストマーにディール
スアルダー反応付加部を導入して可逆的に固化・流動化
できる技術であるのに対し、本発明はディールスアルダ
ー反応による付加部とイソシアネート基等による架橋部
とを有する化合物またはオリゴマーを提供して、架橋部
位で架橋させ、ディールスアルダー反応付加部で熱解離
させる技術である。すなわち、本発明はディールスアル
ダー反応付加部以外の官能基で硬化させてディールスア
ルダー反応付加部で熱解離させる、本発明の硬化性化合
物自体が硬化および熱解離するものである。
【0056】本発明の硬化性化合物の製造は、上記第1
態様〜第3態様により異なるが、まず、イソシアネート
基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル基お
よびエポキシ基からなる群より選択される官能基を分子
内に少なくとも1つ有する化合物を上記記載の公知の方
法等により製造する。次に、基礎化合物に共役ジエン構
造および/またはジエノフィル構造を導入する。該方法
としては、1)共役ジエン構造を有する化合物とジエノ
フィル構造を有する化合物とを通常のディールスアルダ
ー反応に用いられる条件(例えば、常圧下、室温〜12
0℃で攪拌)で付加反応させた熱解離性部位を、該基礎
化合物と反応させる方法、2)該基礎化合物に、共役ジ
エン構造を有する化合物を反応させ、続いてジエノフィ
ル構造を有する化合物を通常のディールスアルダー反応
に用いられる条件で反応させる方法、3)該基礎化合物
に、ジエノフィル構造を有する化合物を反応させ、続い
て共役ジエン構造を有する化合物を通常のディールスア
ルダー反応に用いられる条件で反応させる方法等が挙げ
られる。これらの方法により同一分子内に共役ジエン構
造およびジエノフィル構造を導入することもできる。
【0057】具体的には、第1態様の硬化性化合物は、
上記の方法によりイソシアネート基等の官能基を有する
基礎化合物を製造し、次に共役ジエン構造を該基礎化合
物に導入して、ジエノフィル構造を有する化合物を該共
役ジエン変性基礎化合物とディールスアルダー反応させ
て得られる。第2態様の硬化性化合物は、上記の方法に
よりイソシアネート基等の官能基を有する基礎化合物を
製造し、次にジエノフィル構造を該基礎化合物に導入し
て、共役ジエン構造を有する化合物を該ジエノフィル変
性基礎化合物とディールスアルダー反応させて得られ
る。第3態様の硬化性化合物は、上記の方法によりイソ
シアネート基等の官能基を有する基礎化合物を製造し、
次に共役ジエン構造を該基礎化合物の一方に導入し、該
基礎化合物の他方にジエノフィル構造を導入して、両基
礎化合物をディールスアルダー反応させて得られる。ま
たは、官能基を有する基礎化合物を製造し、次に共役ジ
エン構造およびジエノフィル構造を同一基礎化合物に導
入して、異なる基礎化合物間でディールスアルダー反応
させてもよい。上記の各反応条件は、通常用いられる条
件でよい。
【0058】本発明の硬化性化合物は、その基本骨格等
にディールスアルダー反応により形成される熱解離性部
位を導入することにより、イソシアネート基等の官能基
による硬化後の分解(解体)が安全(加熱分解時に毒性
ガスを発生しない)かつ容易にでき、さらに硬化物の架
橋強度が強くまた分解温度が低く、実用性の高い硬化性
化合物である。
【0059】なお、本発明では、ディールスアルダー反
応付加部を有する硬化性化合物であるが、必要に応じ
て、例えば、第1態様では共役ジエン構造を有する基礎
化合物と、ポリジエノフィル化合物との組成物としても
よい。同様に第2および第3態様においても組成物とし
て用いることができる。
【0060】共役ジエン構造とジエノフィル構造からデ
ィールスアルダー反応によって形成されるディールスア
ルダー反応付加部を含有する硬化性化合物について説明
したが、本発明では、該ディールスアルダー反応付加部
は、フラン骨格とマレイミド骨格から形成されるのが特
に好ましい態様の1つである。これらの骨格は、入手が
比較的容易であり構造が化学的に安定で、特にディール
スアルダー反応の可逆的な繰返し(架橋、解離)性に優
れる。
【0061】フラン骨格は、特に限定されず、例えば、
下記一般式(1)に示す骨格が挙げられる。
【化1】 (R7 〜R10は、相互に無関係に水素原子、炭化水素基
および低級アルコキシル基からなる群から選ばれる基を
表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、R
7 〜R10のいずれかで基礎化合物の骨格あるいは他のフ
ラン骨格と結合している。) 炭化水素基および低級アルコキシル基としては、R1
6 で述べたのと同様である。
【0062】置換基R7 〜R10は、低級アルキル基およ
び低級アルコキシル基の電子供与性置換基、フェニル基
等の芳香族共役系置換基または水素原子が後述するマレ
イミドを有する化合物とのディールスアルダー反応が進
行しやすい観点から好ましく、該反応性、入手のしやす
さおよびディールスアルダー反応付加部の解離温度等の
観点から水素原子が特に好ましい。
【0063】本発明の第1および第3態様においては、
イソシアネート基等の官能基とディールスアルダー反応
付加部を分子内に有すれば、該官能基および該ディール
スアルダー反応付加部を、それぞれ独立に基礎化合物の
基本骨格に導入してもよく、また、上記のように該ディ
ールスアルダー反応付加部が該官能基と反応し得る置換
基を有し、該置換基と該官能基とを反応させて基礎化合
物に導入してもよい。ディールスアルダー反応付加部の
導入のしやすさ、導入比率の調整のしやすさ等の観点か
ら、該ディールスアルダー反応付加部が該官能基と反応
し得る置換基を有し、該置換基と該官能基とを反応させ
てポリマーに導入するのが好ましい。
【0064】この場合のフラン骨格を有する化合物とし
ては、前記一般式(1)において、R7 〜R10の少なく
とも1つは後述するイソシアネート基等の官能基と反応
し得る置換基を有する低級アルキル基、フェニル基また
はこれらの置換体等であるのが好ましい。これらの置換
基は、前記一般式(1)のR7 〜R10のうちいずれか1
つに有すればよく、前記一般式(1)のフラン骨格にお
ける置換位置は特に限定されず、2位(R7 または
10)でも3位(R8 またはR9 )でもよい。ディール
スアルダー反応の立体障害による反応性の低下および入
手のしやすさ等の観点から2位(R7 またはR10)が好
ましい。
【0065】イソシアネート基、ブロックイソシアネー
ト基、アルコキシシリル基およびエポキシ基と反応し得
る置換基は、一般に少なくとも1つの活性水素を持つも
のが好ましい。例えば、水酸基、アミノ基(窒素原子の
1置換体を含む)、メルカプト基、カルボキシル基等が
挙げられる。また、活性水素を持たないものとしては、
例えば、酸無水物基、潜在性アミノ基等が挙げられる。
具体的には、ヒドロキシメチレン基、アミノメチレン
基、メチルアミノメチレン基、ヒドロキシエチル基、ア
ミノエチル基、メチルアミノエチル基等である。潜在性
アミノ基は上記したものを挙げられる。このような、官
能基と反応し得る置換基を持つフラン骨格を有する化合
物は、具体的には、フルフラール、フルフリルアミン、
フルフリルアミンのブロック体等が挙げられ、フルフラ
ール、フルフリルアミンが好ましい。
【0066】本発明の第2態様においては、上記のフラ
ン骨格が2つ以上有するポリフランが必要である。ポリ
フランに含まれるフラン骨格は、前記一般式(1)にお
いて、R7 〜R10の少なくとも1つは他の共役ジエン
(フラン骨格)と結合する置換基Yを有する低級アルキ
ル基、フェニル基またはこれらの置換体等であるのが好
ましい。これらの置換基は、前記一般式(1)のR7
10のうちいずれか1つに有すればよく、前記一般式
(1)のフラン骨格における置換位置は特に限定され
ず、2位(R7 またはR10)でも3位(R8 または
9 )でもよい。ディールスアルダー反応の立体障害に
よる反応性の低下および入手のしやすさ等の観点から2
位(R7またはR10)が好ましい。2つ以上有するフラ
ン骨格は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0067】置換基Yは、特に限定されない。ポリフラ
ンは、例えば、エチレンビスフラン、ジフェニルビスフ
ラン、ジフェニルメタンビスフラン、イソブチルトリフ
ラン、ネオペンチルテトラフランが挙げられ、反応性お
よび入手のしやすさ等の観点から、これらのビスフラン
およびトリフランであるのが好ましい。
【0068】マレイミド骨格は、特に限定されず、例え
ば、下記一般式(2)に示す骨格が挙げられる。
【化2】 (式中、R11およびR12は、相互に無関係に水素原子、
炭化水素基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる
基を表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよ
く、R13はヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基であ
る。) R11およびR12の炭化水素基は、R1 〜R6 で述べたの
と同様である。ハロゲン原子は、F、Cl、Brおよび
Iが挙げられる。R13の炭化水素基は、上記した低級ア
ルキル基、ヘテロ原子を含んでもよいアラルキル基、ヘ
テロ原子を含んでもよいアリール基等が挙げられる。具
体的には、ヘテロ原子を含んでもよいアラルキル基は、
ベンジル基、ベンジルエーテル基、ベンジルチオエーテ
ル基、ベンジルアミノ基、メチルベンジル基、エチルベ
ンジル基等が挙げられ、ヘテロ原子を含んでもよいアリ
ール基は、フェニル基、フェニルエーテル基、アニリノ
基、フェニルチオエーテル基、メチルフェニル基、エチ
ルフェニル基等が挙げられる。
【0069】置換基R11およびR12は、炭化水素基、水
素原子およびハロゲン原子が上記したフラン骨格を有す
る化合物とのディールスアルダー反応が進行しやすい観
点から好ましく、該反応性、入手のしやすさおよびディ
ールスアルダー反応付加部の解離温度等の観点から水素
原子が特に好ましい。
【0070】本発明の第1態様においては、上記したマ
レイミド骨格を2つ以上有するポリマレイミドが必要で
ある。ポリマレイミドに含まれるマレイミド骨格は、前
記一般式(2)において、他のマレイミド骨格と結合す
る置換基Xを有する。マレイミド骨格が2個以上あれ
ば、上記した第1態様のフラン骨格とディールスアルダ
ー反応により三次元架橋できる。このようなマレイミド
骨格を2つ以上有するポリマレイミドは、特に限定され
ず、例えば、ビスマレイミド、トリマレイミド等が挙げ
られる。入手のしやすさ等の観点から、ビスマレイミド
が好ましく、例えば、下記一般式(3)に示すものを好
適に用いることができる。2つ以上有する該マレイミド
骨格は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0071】
【化3】 (式中、R14〜R17は、相互に無関係に水素原子、炭化
水素基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基を
表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。ま
た、Xは、第3表に列記する群から選ばれる基を表し、
第3表中、pおよびqは1以上の整数を表す。) 炭化水素基およびハロゲン原子は、上記のR11およびR
12と同様である。置換基R14〜R17が、これらの基であ
ればフラン骨格を有する化合物とのディールスアルダー
反応が進行しやすい点から好ましく、水素原子またはハ
ロゲン原子の電子吸引性置換基がより好ましく、該反応
性および入手のしやすさの点から水素原子が特に好まし
い。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】なかでも、取扱い性およびディールスアル
ダー反応付加部の解離温度等の観点からフェニレンビス
マレイミド、4,4′−ビスマレイミドジフェニルメタ
ンが特に好適に用いられる。
【0077】本発明の第2および第3態様においては、
イソシアネート基等の官能基とディールスアルダー反応
付加部を分子内に有すれば、該官能基および該ディール
スアルダー反応付加部を、それぞれ独立に基礎化合物の
基本骨格に導入してもよく、また、上記のように該ディ
ールスアルダー反応付加部が該官能基と反応し得る置換
基を有し、該置換基と該官能基とを反応させて基礎化合
物に導入してもよい。ディールスアルダー反応付加部の
導入のしやすさ、導入比率の調整のしやすさ等の観点か
ら、該ディールスアルダー反応付加部が該官能基と反応
し得る置換基を有し、該置換基と該官能基とを反応させ
て基礎化合物に導入するのが好ましい。
【0078】この場合のマレイミド骨格を有する化合物
としては、前記一般式(2)において、R11〜R13の1
つは、イソシアネート基等の官能基と反応し得る置換基
を有する低級アルキル基、フェニル基またはこれらの置
換体等であるのが好ましい。これらの置換基は、前記一
般式(2)のR11〜R13のうちいずれか1つに有すれば
よく、前記一般式(2)のマレイミド骨格における置換
位置は特に限定されず、1位(R13)でも3位(R11
たはR12)でもよい。ディールスアルダー反応の立体障
害による反応性の低下および入手のしやすさ等の観点か
ら1位(R13)が好ましい。
【0079】イソシアネート基、ブロックイソシアネー
ト基、アルコキシシリル基およびエポキシ基と反応し得
る置換基は、上記した置換基と同様である。このよう
な、官能基と反応し得る置換基を持つマレイミド骨格を
有する化合物は、具体的には、ヒドロキシマレイミド、
ヒドロキシメチルマレイミド、ヒドロキシエチルマレイ
ミド、ヒドロキシフェニルマレイミド;アミノマレイミ
ド、アミノメチルマレイミド、アミノエチルマレイミ
ド、アミノフェニルマレイミド;メルカプトマレイミ
ド、メルカプトメチルマレイミド、メルカプトエチルマ
レイミド、メルカプトフェニルマレイミド等が挙げら
れ、ヒドロキシマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイ
ミド、アミノマレイミド、アミノフェニルマレイミドが
好ましい。
【0080】本発明では、熱解離性部位を含有する化合
物(低分子化合物、高分子化合物)について説明した
が、該熱解離性部位を含有する硬化剤としても、利用す
ることができる。すなわち、イソシアネート基、エポキ
シ基、アルコキシシリル基等を含有するプレポリマーに
用いられる硬化剤に、ディールスアルダー反応付加部を
導入することにより、イソシアネート基等の官能基によ
る硬化後の分解(解体)が安全(加熱分解時に毒性ガス
を発生しない)かつ容易にできる、硬化剤およびそれを
含む硬化性樹脂組成物を提供する。この場合は、樹脂成
分と架橋結合を形成し、硬化剤として作用する。すなわ
ち、イソシアネート基等の官能基と反応し得る水酸基、
アミノ基、潜在性アミノ基、カルボキシル基等を有する
化合物に熱解離性部位を導入することにより、イソシア
ネート基等の官能基が硬化反応した後でも、該硬化剤の
熱解離性部位が熱解理することで、硬化物を容易に分解
(解体)することができる。
【0081】このような硬化剤としては、一般的に用い
られる、イソシアネート基、ブロックイソシアネート
基、アルコキシシリル基およびエポキシ基と反応する
基、例えば、水酸基、アミノ基、潜在性アミノ基、カル
ボキシル基等を有する化合物であれば、特に限定されな
い。
【0082】具体的には、水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基等を含有する共役ジエン構造とこれらの基を含有
するジエノフィル構造とからなる硬化剤等が挙げられ、
より具体的には、フルフリルアルコール、フルフリルア
ミン、フランカルボン酸と;フェノールマレイミド、ア
ニリンマレイミドとのディールスアルダー反応物が挙げ
られる。このときの樹脂成分は硬化性樹脂であれば特に
限定されない。これら反応物の製法は、特に限定され
ず、市販の化合物を用いて、上記した一般的なディール
スアルダー反応条件で行えばよい。
【0083】請求項4に記載の硬化性樹脂組成物は、上
記硬化性化合物を含有する。本発明の前記硬化性化合物
は、樹脂成分であっても硬化剤成分であってもよい。本
発明の組成物の好適例としては以下のものが挙げられ
る。
【0084】(1)ウレタン系組成物 本発明の硬化性化合物として、その骨格にディールスア
ルダー反応付加部を導入したウレタン化合物(低分子化
合物、高分子化合物)を用いる場合は、湿気のみで硬化
できる(一液型硬化性樹脂組成物)が、骨格に該イソシ
アネート基と架橋を形成しうる水酸基、アミノ基、潜在
性アミノ基、メルカプト基およびカルボキシル基を導入
してもよく、また、硬化剤成分として、該イソシアネー
ト基と架橋を形成しうる水酸基、アミノ基、潜在性アミ
ノ基、メルカプト基およびカルボキシル基を有する、ウ
レタン系組成物に常用される化合物を含有することもで
きる。硬化剤成分は1種単独でも2種以上を併用するこ
ともできる。また、硬化剤成分として上記した、熱解離
性部位を有する硬化剤を用いることができ、さらに、硬
化物性の調整等に応じて、熱硬化性樹脂およびそのプレ
ポリマー等を1種以上を含有することもできる。なお、
ウレタン化合物のイソシアネート基の一部または全部
を、上記のブロック剤でブロックした、ブロック型ウレ
タン化合物の骨格にディールスアルダー反応付加部を導
入した硬化性化合物等についても同様である。ディール
スアルダー反応付加部を導入したウレタン化合物は、硬
化物の物性、取扱いの容易性の観点で上記したウレタン
プレポリマーが好ましい。
【0085】(2)シリコーン系組成物 本発明の硬化性化合物として、その骨格にディールスア
ルダー反応付加部を導入したシラン化合物(低分子化合
物、高分子化合物)を用いる場合は、湿気のみで硬化で
きる(一液型硬化性樹脂組成物)が、骨格に該アルコキ
シシリル基と架橋を形成しうる水酸基、アミノ基、潜在
性アミノ基、メルカプト基およびカルボキシル基を導入
してもよく、また、硬化剤成分として、該アルコキシシ
リル基と架橋を形成しうる水酸基、アミノ基、潜在性ア
ミノ基、メルカプト基およびカルボキシル基を有する、
シリコーン系組成物に常用される化合物を含有すること
もできる。硬化剤成分は1種単独でも2種以上を併用す
ることもできる。また、硬化剤成分として上記した、熱
解離性部位を有する硬化剤を用いることができ、さら
に、硬化物性の調整等に応じて、熱硬化性樹脂およびそ
のプレポリマー等を1種以上を含有することもできる。
ディールスアルダー反応付加部を導入したシラン化合物
は、製造容易性、取扱いの容易性の観点で上記した低分
子化合物およびプレポリマーが好ましい。
【0086】(3)エポキシ系組成物 本発明の硬化性化合物として、その骨格にディールスア
ルダー反応付加部を導入したエポキシ化合物(低分子化
合物、高分子化合物)を用いる場合は、骨格に該エポキ
シ基と架橋を形成しうる水酸基、アミノ基、潜在性アミ
ノ基、メルカプト基、カルボキシル基および酸無水物基
を導入してもよく、また、硬化剤成分として、該エポキ
シ基と架橋を形成しうる水酸基、アミノ基、潜在性アミ
ノ基、メルカプト基、カルボキシル基および酸無水物基
を有する、エポキシ系組成物に常用される化合物を含有
することもできる。硬化剤成分は1種単独でも2種以上
を併用することもできる。また、硬化剤成分として上記
した、熱解離性部位を有する硬化剤を用いることがで
き、さらに、硬化物性の調整等に応じて、熱硬化性樹脂
およびそのプレポリマー等を1種以上を含有することも
できる。なお、一液型硬化性樹脂組成物として用いる場
合は、一般に用いられる潜在性の基または硬化剤成分を
用いる。骨格にディールスアルダー反応付加部を導入し
たエポキシ化合物は、硬化物の物性、取扱いの容易性の
観点で上記したエポキシ樹脂およびエポキシプレポリマ
ー(オリゴマーを含む)が好ましい。
【0087】(4)混合系組成物 「混合系」とは、イソシアネート基、ブロックイソシア
ネート基、アルコキシシリル基およびエポキシ基からな
る群より選択される異種官能基を分子内に2つ以上有す
る硬化性化合物をいう。本発明の硬化性化合物として、
骨格にディールスアルダー反応付加部を導入した混合系
化合物(低分子化合物、高分子化合物)を用いる場合
は、湿気のみで硬化できても、上記組成物と同様に骨格
に上記官能基のいずれかと架橋を形成しうる水酸基、ア
ミノ基、潜在性アミノ基、メルカプト基、カルボキシル
基および酸無水物基を導入してもよく、また、硬化剤成
分として、上記官能基のいずれかと架橋を形成しうる水
酸基、アミノ基、潜在性アミノ基、メルカプト基、カル
ボキシル基および酸無水物基を有する、該組成物に常用
される化合物を含有することもできる。硬化剤成分は1
種単独でも2種以上を併用することもできる。また、硬
化剤成分として上記した、熱解離性部位を有する硬化剤
を用いることができ、さらに、硬化物性の調整等に応じ
て、熱硬化性樹脂およびそのプレポリマー等を1種以上
を含有することもできる。なお、一液型硬化性樹脂組成
物として用いる場合は、一般に用いられる潜在性の基ま
たは硬化剤成分を用いる。また「混合系組成物」とは、
上記2種以上の官能基を含む硬化性化合物を含有する組
成物のほか、上記の硬化性化合物の2種以上を含有する
組成物をいう。例えば、ウレタン系硬化性化合物を2種
以上含有する組成物、ウレタン系硬化性化合物とエポキ
シ系硬化性化合物を含有する組成物が挙げられる。好ま
しくは、上記した変性プレポリマー等が挙げられる。
【0088】本発明の硬化性樹脂組成物では、該組成物
に含有する硬化剤は、硬化性化合物100質量部に対し
て、1〜100質量部であり、好ましくは、10〜50
質量部、特に好ましくは、20〜40質量部である。1
00質量部超では、硬化剤が多すぎて架橋密度が高くな
り硬化物が硬くてもろくなる場合があり、1質量部未満
では、主剤が多いため架橋密度が下がり硬化物が軟らか
くなりすぎる場合または硬化剤が少なく架橋できず硬化
しない場合がある。また、熱解離性部位を有する硬化剤
を用いる場合、その含量は硬化性化合物100質量部に
対して、1〜200質量部であり、好ましくは、10〜
100量部、特に好ましくは、20〜60質量部であ
る。200質量部超では、硬化剤が多すぎて架橋密度が
高くなり硬化物が硬くてもろくなる場合があり、1質量
部未満では、熱解離性部位が少なく熱解離しない場合ま
たは熱解離しても硬化物の分解ができない場合がある。
【0089】本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目
的を損なわない範囲で本発明の化合物以外のポリマーを
1種または2種以上を含有することができ、必要に応じ
て、さらに、可塑剤、充填剤、触媒、溶剤、紫外線吸収
剤、染料、顔料、難燃剤、補強剤、老化防止剤、酸化防
止剤、揺変性付与剤、界面活性剤(レベリング剤を含
む)、分散剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止
剤等の配合剤等を含有することもできる。これらの配合
剤等は、通常用いられるものを用いることができる。
【0090】本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法は、
特に限定されず、窒素ガスを封入した混練機に、樹脂成
分、硬化剤成分、必要に応じて上記配合剤等を加え、各
成分を常圧下で十分に混練し、均一に分散させて製造す
る。得られた硬化性樹脂組成物は、そのまま液状で使用
するか、または、容器に注入後、冷却密閉して保存する
こともできる。
【0091】このようにして得られる本発明の硬化性樹
脂組成物は、イソシアネート基等の硬化反応に起因する
架橋反応により硬化した後に、比較的低温でディールス
アルダー反応付加部が解離することができ、しかも該温
度未満では硬化物は安定であるため、自動車または土木
建築分野の接着剤、シーリング剤、シーラント等に好適
に用いることができ、本発明の組成物を用いて接着させ
た部材同士は、容易に解体することができる。また、本
発明の硬化性樹脂組成物は、液体で被着体等に塗布でき
実用性が高い。
【0092】本発明の硬化性樹脂組成物は、ディールス
アルダー反応により形成されるディールスアルダー反応
付加部を導入することにより、イソシアネート基等の官
能基による硬化後の分解(解体)が安全(加熱分解時に
毒性ガスを発生しない)かつ容易にできる。また、前記
ディールスアルダー反応付加部を特定の比率で導入する
ことにより、硬化物の架橋強度が強くまた分解温度が低
く(硬化物性に優れた)、実用性が高い。さらに、前記
ディールスアルダー反応付加部の導入比率を調整するこ
とにより、用途等に応じた物性(性能)を有する。
【0093】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではない。本発明の硬化性化合物として、各種プレポリ
マーおよび化合物を以下の方法で合成し、各種試験をし
た。
【0094】フルフリルアルコールは関東化学株式会社
製試薬、ジフェニルメタンビスマレイミドは東京化成株
式会社製試薬を用いた。ビスフェノールA型エポキシ樹
脂は旭電化工業株式会製(EP−4100E、エポキシ
当量190)、m−キシリレンジアミンは関東化学株式
会社製試薬、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシ
シランは、日本ユニカー株式会社製(Y−5187)、
イソシアネート基の滴定に用いたジブチルアミンは、東
京化成株式会社製試薬を用いた。
【0095】ウレタンプレポリマーは、ポリプロピレン
トリオール(分子量5000)100g、ポリプロピレ
ンジオール(分子量3000)100g、可塑剤として
ジイソノニルアジペート(DINA)56.3gを反応
容器に入れ、110℃で12時間減圧脱水した後、50
℃に冷却し、ここにMDI25.3gを撹拌しながら添
加し、80℃で36時間反応させてなる、NCO%1.
2258のウレタンプレポリマーを用いた。
【0096】<ディールスアルダー反応付加部の導入> 1)前記のウレタンプレポリマー32.88g(イソシ
アネート基含有量9.595mmol)にフルフリルア
ルコール0.2569g(2.618mmol、イソシ
アネート基に対して0.2729当量)を加え、室温で
12時間攪拌してフラン変性ウレタンプレポリマーを得
た。ここで、フラン変性ウレタンプレポリマーのイソシ
アネート基をジブチルアミンで定法に従い逆滴定法によ
り定量した。その結果イソシアネート基の含有量は、ウ
レタンプレポリマーに対して0.653質量%であり、
イソシアネート基の46モル%が反応した(水分と反応
したイソシアネート基を含む。以下同じ。)。このフラ
ン変性ウレタンプレポリマーに、ジフェニルメタンビス
マレイミド0.4695g(1.310mmol、フル
フリルアルコールに対して0.5当量)を加え、160
℃で2時間加熱攪拌してディールスアルダー反応させ、
DAウレタンプレポリマー1(第4表において「DAU
−1」とする)を得た。
【0097】2)前記のウレタンプレポリマー39.2
1g(イソシアネート基含有量11.38mmol)に
フルフリルアルコール0.5743g(5.840mm
ol、イソシアネート基に対して0.5131当量)を
加え、室温で12時間攪拌してフラン変性ウレタンプレ
ポリマーを得た。ここで、フラン変性ウレタンプレポリ
マーのイソシアネート基をジブチルアミンで定法に従い
逆滴定法により定量した。その結果イソシアネート基の
含有量は、ウレタンプレポリマーに対して0.391質
量%であり、イソシアネート基の67モル%が反応し
た。このフラン変性ウレタンプレポリマーに、ジフェニ
ルメタンビスマレイミド1.0473g(2.922m
mol、フルフリルアルコールに対して0.5当量)を
加え、160℃で2時間加熱攪拌してディールスアルダ
ー反応させ、DAウレタンプレポリマー2(第4表にお
いて「DAU−2」とする)を得た。
【0098】3)前記のウレタンプレポリマー35.3
2g(イソシアネート基含有量10.30mmol)に
フルフリルアルコール0.7638g(7.780mm
ol、イソシアネート基に対して0.7553当量)を
加え、室温で12時間攪拌してフラン変性ウレタンプレ
ポリマーを得た。ここで、フラン変性ウレタンプレポリ
マーのイソシアネート基をジブチルアミンで定法に従い
逆滴定法により定量した。その結果イソシアネート基の
含有量は、ウレタンプレポリマーに対して0.080質
量%であり、イソシアネート基の93モル%が反応し
た。このフラン変性ウレタンプレポリマーに、ジフェニ
ルメタンビスマレイミド1.401g(3.913mm
ol、フルフリルアルコールに対して0.5当量)を加
え、190℃で2時間加熱攪拌してディールスアルダー
反応させ、DAウレタンプレポリマー3(第4表におい
て「DAU−3」とする)を得た。
【0099】4)フルフリルアルコール7.57g(7
7.2mmol、マレイミド骨格に対して2当量)とジ
フェニルメタンビスマレイミド6.92g(19.3m
mol)をTHF100mlに加え、室温で24時間攪
拌してディールスアルダー反応させた。THFおよび未
反応のフルフリルアルコールを留去して付加体を得た。
つぎに、この付加体1.50g(イソシアネート基に対
して0.5当量)をウレタンプレポリマー35.32g
(イソシアネート基含有量10.85mmol)に加え
て、190℃で2時間反応させ、DAウレタンプレポリ
マー4(第4表において「DAU−4」とする)を得
た。ここで、DAウレタンプレポリマー4のイソシアネ
ート基をジブチルアミンで定法に従い逆滴定法により定
量した。その結果イソシアネート基の含有量は、ウレタ
ンプレポリマーに対して0.755%であり、イソシア
ネート基の61モル%が反応した。
【0100】5)前記4) と同様にして付加体を得た。
つぎに、この付加体138.6g(0.5mmol)を
ビスフェノールA型エポキシ樹脂190.0g(1.0
00mol)に加えて、120℃で5時間反応させ、D
Aエポキシポリマー(第4表において「DAE」とす
る)を得た。エポキシ基の50モル%が反応した。
【0101】6)前記4) と同様にして付加体を得た。
つぎに、この付加体138.6g(0.5mmol)を
γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン20
5.3g(1.000mol)に加えて、室温で5時間
反応させ、DAアルコキシシラン(第4表において「D
AS」とする)を得た。イソシアネート基の100モル
%が完全に反応した(ディールスアルダー反応付加部の
導入率は50%である)。
【0102】7)前記のウレタンプレポリマー34.0
7g(イソシアネート基含有量9.943mmol)に
フルフリルアルコール1.005g(10.20mmo
l、イソシアネート基に対して1.0258当量)を加
え、室温で12時間攪拌してフラン変性ウレタンプレポ
リマーを得た。ここで、フラン変性ウレタンプレポリマ
ーのイソシアネート基をジブチルアミンで定法に従い逆
滴定法により定量した。その結果イソシアネート基の含
有量は、ウレタンプレポリマーに対して0%であり、イ
ソシアネート基の100モル%が完全に反応した。この
フラン変性ウレタンプレポリマーに、ジフェニルメタン
ビスマレイミド1.401(3.913mmol、フル
フリルアルコールに対して0.38当量)を加え、19
0℃で2時間加熱攪拌してディールスアルダー反応さ
せ、DAウレタンプレポリマー5(第4表において「D
AU−5」とする)を得た。
【0103】<硬化方法> I)ウレタン系組成物(実施例1〜4および比較例1、
2) 実施例1〜4および比較例1:各DAウレタンプレポリ
マーを、23℃、湿度70%で24時間空気中に放置し
湿気硬化させた。 比較例2:前記の製造したウレタンプレポリマー(第4
表において「UP」とする)を、23℃、湿度70%で
24時間空気中に放置し湿気硬化させた。
【0104】II)エポキシ系組成物(実施例5および
比較例3) 実施例5:DAエポキシポリマー(DAE)を、硬化剤
としてm−キシリレンジアミン17g(0.5mol)
を用い、室温(23℃)下24時間で硬化させた。 比較例3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(第4表に
おいて「BPA」とする)190.0g(1.0mo
l)を、硬化剤としてm−キシリレンジアミン34g
(1.0mol)を用い、室温(23℃)下24時間で
硬化させた。
【0105】III)シリコーン系組成物(実施例6お
よび比較例4) 実施例6:DAアルコキシシラン(DAS)は、23
℃、湿度70%で24時間で湿気硬化させた。 比較例4:γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシ
ラン(第4表において「IPS」とする)100gを、
23℃、湿度70%で24時間空気中に放置し湿気硬化
させた。
【0106】第4表において、「ディールスアルダー反
応付加部の導入率」とあるのは、ウレタン系組成物(実
施例1〜4、比較例1および2)では、ディールスアル
ダー反応付加部を、各ウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基に対して加えた割合(モル%)であり、水分に
より反応したイソシアネート基の割合は含まない。エポ
キシ系組成物(実施例5および比較例3)では、ディー
ルスアルダー反応付加部を、エポキシ樹脂のエポキシ基
に対して加えた割合(モル%)である。シリコーン系組
成物(実施例6および比較例4)では、導入したディー
ルスアルダー反応付加部とアルコキシシリル基の和(モ
ル)に対する導入したディールスアルダー反応付加部の
水酸基の量(モル)の割合(モル%)である。
【0107】<硬化物の表面状態>各硬化物の表面状態
を目視で確認し評価した。その結果を第4表に示した。
第4表中、表面タックが確認できなかった場合を
「◎」、ほとんど確認できなかった場合を「○」、少し
だけ確認できた場合(粘着性を感ずる程度で実用レベル
ではまったく問題ない場合)を「△」、確認できた場合
を「×」で表した。
【0108】<軟化温度および熱解離性試験>各組成物
を前記条件で十分硬化させて得られた硬化物(シート)
を、20℃間隔で各温度15分間加熱し、軟化または液
状化した温度を測定した。その結果を第4表に示した。
また、この温度における軟化状態がよく、接着等された
部材の解体が安全かつ容易にできる場合を「◎」、該部
材の解体ができる場合を「○」、該部材の解体ができな
い場合を「×」とした。
【0109】<ガス発生試験>前記の軟化温度測定にお
いて、各組成物の軟化時にガスの発生があるか確認し
た。その結果を第4表に示した。
【0110】<接着性試験>得られた各組成物を冷却し
て2mm厚のシート状に成形し、該シートを被接着体
(ガラス)に圧着させ、前記の各方法により硬化させサ
ンプルとした。ガラスに対する接着性は、剥離試験にて
評価した。試験方法は、前述の方法にて接着した試験サ
ンプルにおいて、接着界面に沿って30〜50mm程の
切り込みを入れた。このサンプルを、万力等で固定し、
硬化物の端部をペンチ等で破断しない程度に90度以上
の角度で強く引っ張りながら、ナイフで約60度の角度
で素早く切り込みを入れた。このとき、ナイフでの切り
込みは被着体(ガラス)表面まで達するようにした。切
り込みの間隔を3〜5mm程度とし、この作業を10回
以上繰り返した。切り込みを入れた硬化物の状態によっ
て、界面剥離した場合をAFで表し、薄層凝集破壊した
場合をTCFで表し、凝集破壊した場合をCFで表し
た。その結果を第4表に示した。
【0111】
【表7】
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、ディールスアルダー反
応により形成されるディールスアルダー反応付加部を導
入することで、硬化後の分解(解体)が安全(加熱分解
時に毒性ガスを発生しない)かつ容易にできる、硬化性
化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物を提供でき
る。また、前記ディールスアルダー反応付加部を特定の
比率で導入することで、硬化物の架橋強度が強くまた分
解温度が低く(硬化物性に優れた)、実用性の高い硬化
性化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物を提供でき
る。さらに、前記ディールスアルダー反応付加部の導入
比率を調整することで、用途等に応じた物性(性能)を
有する硬化性化合物およびそれを含む硬化性樹脂組成物
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硬化性化合物(未硬化状態)の一例
を示す図である。
【図2】 本発明の硬化性化合物(未硬化状態)の他の
一例を示す図である。
【図3】 本発明の硬化性化合物の架橋、脱架橋(熱解
離)反応を示す概念図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C050 AA03 BB04 CC16 DD07 EE01 FF02 GG03 HH01 4J034 CE01 HA01 HA02 HA06 HB06 HC11 HC32 HC37 JA01 JA42 QB19 RA07 RA08 4J035 CA03M CA22M FB01 GA01 GB01 HA01 LA05 LB01 LB02 LB03 LB20 4J036 AA01 CA28 CB22 JA01 JA06 JA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ジエン構造とジエノフィル構造からデ
    ィールスアルダー反応によって形成されるディールスア
    ルダー反応付加部と、 イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、アルコ
    キシシリル基およびエポキシ基からなる群より選択され
    る官能基とを有し;前記官能基により硬化することがで
    き、 前記官能基が架橋反応した硬化物を加熱することによ
    り、前記ディールスアルダー反応付加部が解離し該硬化
    物を分解(解体)できることを特徴とする硬化性化合
    物。
  2. 【請求項2】前記共役ジエン構造がフラン骨格であり、
    前記ジエノフィル構造がマレイミド骨格である、請求項
    1に記載の硬化性化合物。
  3. 【請求項3】前記官能基の一部を、前記ディールスアル
    ダー反応付加部と反応させて得られる請求項1または2
    に記載の硬化性化合物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性化
    合物を含有する硬化性樹脂組成物。
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