JP2003183212A - 1−ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンの製造方法 - Google Patents

1−ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンの製造方法

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JP2003183212A
JP2003183212A JP2001381561A JP2001381561A JP2003183212A JP 2003183212 A JP2003183212 A JP 2003183212A JP 2001381561 A JP2001381561 A JP 2001381561A JP 2001381561 A JP2001381561 A JP 2001381561A JP 2003183212 A JP2003183212 A JP 2003183212A
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difluoromethoxy
substituted benzene
hydroxy
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JP2001381561A
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Takayuki Itagaki
剛之 板垣
Kenji Adachi
健二 足達
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンから
1−ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベ
ンゼンを製造する方法において、安価な化合物であるハ
ロジフルオロメタンをフルオロメチル化剤として用い
て、高収率で簡便に1−ジフルオロメトキシ−2−ヒド
ロキシ−4−置換ベンゼンを製造できる方法を提供す
る。 【解決手段】1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼン
の2位の水酸基に、アルカリ性条件下で安定であって酸
性条件下では脱離する保護基を導入した後、塩基の存在
下に、ハロジフルオロメタンと反応させ、次いで反応溶
液を酸性として脱保護基反応を行うことを特徴とする1
−ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベン
ゼンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−ジフルオロメ
トキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンゼン環にジフルオロメトキシ基が結
合した化合物である1−ジフルオロメトキシ−2−ヒド
ロキシ−4−置換ベンゼンは、医農薬の重要な中間体で
ある。この様な化合物の製造方法としては、ジフルオロ
メチル化剤としてクロロジフルオロメタンを用い、これ
をベンゼン環に結合した水酸基と反応させてジフルオロ
メトキシ基を形成する方法が知られている(USP54
49686、特表平8−507039号公報、特表平8
−501318号公報等)。
【0003】しかしながら、ジフルオロメチル化剤とし
てクロロジフルオロメタンを用いる方法では、基質によ
って収率が大きくばらつくという欠点があり、例えば、
ホスホジエステラーゼ(PDE)IV阻害剤の中間体と
して有用な4−ジフルオロメトキシ−3−ヒドロキシベ
ンズアルデヒドを3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒ
ドから製造する場合には、USP5449686では収
率18%程度、特表平8−507039号公報では収率
18%程度、特表平8−501318号公報では収率1
9%程度という低い収率で目的物が得られるに過ぎな
い。この様な低収率の原因は、基質である4−ジフルオ
ロメトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドの反応性
の低さと、ベンゼン環上に2個存在するヒドロキシル基
のうち、ホルミル基に対しパラ位の水酸基に選択的にジ
フルオロメチル基を導入しなければならないが、その際
の選択性の低さにあると考えられる。
【0004】また、特表平10−513453号公報に
は、クロロジフルオロカルボン酸のエステル化物、アル
カリ金属塩等をジフルオロメチル化剤として用いる方法
が開示されている。この方法では、比較的高い収率で目
的物を得ることが可能であるが、クロロジフルオロカル
ボン酸のエステル化物、アルカリ金属塩等は、高価な試
薬であり、ジフルオロメチル化剤としてクロロジフルオ
ロメタンを用いる方法と比較するとコストが大きく上昇
するという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンから1−ジフ
ルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンを
製造する方法において、安価な化合物であるハロジフル
オロメタンをフルオロメチル化剤として用いて、高収率
で簡便に1−ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4
−置換ベンゼンを製造できる方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1,2−ジヒド
ロキシ−4−置換ベンゼンを原料として用い、2位の水
酸基にアルカリ性条件下では安定に結合し、酸性条件下
では脱離する保護基を導入した後、塩基の存在下に、1
位の水酸基のジフルオロメチル化を行い、次いで、反応
溶液を酸性にして脱保護基を行う方法によれば、安価な
原料であるハロジフルオロメタンを用いて、1位の水酸
基を選択性良くジフルオロメチル化できることを見出し
た。しかも、この方法は、一連の操作を同一反応容器中
で行うことができ、後処理を行うことなく試薬の追加の
みで実施が可能であり、極めて効率的にかつ高収率で目
的物を得ることができることを見出し、ここに本発明を
完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、以下の1−ジフルオロメ
トキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンの製造方法
を提供するものである。 1. 一般式(1)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Xは電子求引性基である)で表さ
れる1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンに保護基
を導入して
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Xは上記に同じであり、Rは、ア
ルカリ性条件下で安定であって、酸性条件下では脱離す
る保護基である)で表される1−ヒドロキシ−4−置換
ベンゼンとした後、塩基の存在下に、一般式:YCF2
H(式中、YはCl、Br又はIである)で表されるハ
ロジフルオロメタンと反応させて一般式(3)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、X及びRは上記に同じ)で表され
る1−ジフルオロメトキシ−4−置換ベンゼンとし、次
いで、反応溶液を酸性として脱保護基を行うことを特徴
とする一般式(4)
【0014】
【化8】
【0015】(式中、Xは上記に同じ)で表される1−
ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼ
ンの製造方法。 2. 一般式(1)の化合物において、Xがホルミル基
である上記項1に記載の方法。 3. 一般式(2)の化合物において、Rが1−エトキ
シエチル基又はテトラヒドロピラニル基である上記項1
又は2に記載の方法。 4. 一般式:YCF2Hで表されるハロジフルオロメ
タンが、クロロジフルオロメタン及びブロモジフルオロ
メタンから選ばれた少なくとも一種の化合物である上記
項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明では、出発原料として、公
知の化合物である一般式(1)
【0017】
【化9】
【0018】(式中、Xは電子求引性基である)で表さ
れる1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンを用い
る。
【0019】上記化合物については、ベンゼン環の4位
に置換基として電子求引性基が存在することよって、ベ
ンゼン環上に存在する二個の水酸基の反応性に相違が生
じ、2位の水酸基に選択的に保護基を導入することがで
きる。
【0020】電子求引性基としては、特に限定的ではな
いが、例えば、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、
アリルオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アシ
ル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基
等が挙げられる。これらの内で、特に、電子求引性基が
ホルミル基である場合には、反応性、選択性等が良好と
なる。
【0021】上記した電子求引性基の内で、アルコキシ
カルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソプロ
ポキシカルボニル基等の炭素数1〜10程度の直鎖又は
分岐鎖アルコキシ基が結合したアルコキシカルボニル基
を例示できる。アシル基としては、アセチル基、プロピ
オニル基、ブチリル基等の炭素数1〜6程度の直鎖又は
分岐鎖アルキル基が結合したアシル基を例示できる。カ
ルバモイル基としては、−CONH2、−CONHM
e,−CONMe2,−CONHPh,−CONPh2
−CONHBn,−CONBn2(Meはメチル基、P
hはフェニル基、Bnはベンジル基を示す)等を例示で
きる。スルホニル基としては、メタンスルホニル基、エ
タンスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トルエ
ンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等の
脂肪族又は芳香族スルホニル基を例示できる。スルフィ
ニル基としては、メタンスルフィニル基、エタンスルフ
ィニル基、フェニルスルフィニル基等の脂肪族又は芳香
族スルフィニル基を例示できる。
【0022】本発明方法では、まず、上記一般式(1)
で表される1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンの
2位の水酸基に保護基を導入して、一般式(2)
【0023】
【化10】
【0024】(式中、Xは上記に同じであり、Rは、ア
ルカリ性条件下で安定であって、酸性条件下では脱離す
る保護基である)で表される1−ヒドロキシ−4−置換
ベンゼンとする。
【0025】保護基としては、アルカリ性条件下では安
定で、酸性条件下では脱離するものを用いる。ここで、
アルカリ性条件下では安定であるということは、アルカ
リ領域では、2位の水酸基に安定に結合するか、もしく
は脱離、副反応が非常に遅いことを意味し、例えば、p
H7を上回るアルカリ領域において、1時間放置した場
合に、80%程度以上の保護基が結合した状態であるこ
とが好ましい。また、酸性条件下で脱離するということ
は、酸性領域では容易に脱離するか、もしくはゆっくり
脱離することを意味し、通常、pH7を下回る酸性領域
において100時間以内に80%程度以上の保護基が脱
離することが好ましい。
【0026】この様な保護基としては、「PROTECTIVE G
ROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Second Edition」(JOHNWI
LEY&SONS, INC. 発行)の406〜452頁に保護基の安
定性に関するチャートがあり、これに基づいて、選択す
ることができる。
【0027】好ましい保護基としては、t−ブチル基、
シクロプロピルメチル基、イソプロピル基、シクロへキ
シル基等の炭素数3〜10程度の鎖状又は環状アルキル
基;メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、t
−ブトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メト
キシ−1−メチル基、1−メチル−1−メトキシメチル
基等のアルコキシ基が1個又は2個結合した炭素数2〜
10程度のアルコキシアルキル基;テトラヒドロピラニ
ル基、テトラヒドロフラニル基、1,4−ジオキサン−
2−イル基等の環状エーテル基;1−(2−クロロエト
キシ)エチル基、ビス(2−クロロエトキシ)エチル基等
のハロアルコキシアルキル基;メチルチオメチル基、t
−ブチルチオメチル基等のアルキルチオアルキル基;4
−メトキシテトラヒドロチオピラニル基等を例示でき
る。
【0028】これらの内で、特に、1−エトキシエチル
基、テトラヒドロピラニル基等は、反応性、選択性、コ
スト等の点から好ましい。
【0029】保護基の導入方法については、導入する保
護基の種類に応じて、水酸基に対する保護基の導入方法
として公知の方法を適宜適用すればよい。
【0030】例えば、適当な溶媒中で1,2−ジヒドロ
キシ−4−置換ベンゼンとキャッピング剤とを反応させ
ることによって、保護基を導入することができる。
【0031】ここで、キャッピング剤とは、水酸基と反
応して水酸基に保護基を導入できる化合物であり、例え
ば、上記した保護基Rを含むハロゲン化物、付加反応に
よって上記した保護基Rを形成し得る不飽和炭化水素化
合物等を用いることができる。
【0032】ここで、上記保護基を含むハロゲン化物
は、一般式:RZ(式中、Rは上記に同じであり、Zは
ハロゲン原子である)で表すことができ、ハロゲン原子
の具体例としては、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げること
ができる。この様なハロゲン化物としては、例えば、保
護基としてメトキシメチル基を導入する場合には、メト
キシメチルクロリドを用いることができ、メトキシエト
キシメチル基を導入する場合には、メトキシエトキシメ
チルクロリドを用いることができる。
【0033】また、付加反応によって上記した保護基を
形成し得る不飽和炭化水素化合物は、例えば、一般式:
1CH=CHR2で表すことができる。ここで、該不飽
和炭化水素の付加反応によって形成される基:R1CH2
CHR2−が、上記したRで表される保護基となればよ
い。この様な不飽和炭化水素化合物としては、例えば、
保護基として1−エトキシエチル基を導入する場合に
は、エチルビニルエーテルを用いることができ、テトラ
ヒドロピラニル基を導入する場合には、3,4−ジヒド
ロ−2H−ピランを用いることができる。
【0034】保護基を導入する際に用いる溶媒として
は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メ
チルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t
−ブチルメチルエーテル、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、クロロホルム、グライム、ジグライム、
トリグリム等が挙げられる。特に、基質の溶解性、溶媒
効果、コスト等の理由から、THFが好ましい。1,2
−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンの濃度については、
特に限定的ではないが、溶媒があまりにも少ないと、原
料が十分に溶解せず、また、多すぎるとコストが高くな
るため、0.1〜2mol/l程度とすることが好まし
い。
【0035】キャッピング剤の使用量については、使用
する化合物によって反応性が異なるので、キャッピング
剤の種類に応じて適宜決めればよいが、通常、1,2−
ジヒドロキシ−4−置換ベンゼン1当量に対して0.5
〜2当量程度、好ましくは1〜1.5当量程度の範囲内
とすればよい。
【0036】保護基の導入反応の具体的な方法として
は、例えば、1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼン
を溶解した溶液を−78℃〜100℃程度、好ましくは
−10℃〜30℃程度とし、これにキャッピング剤を添
加して、同温度で5分〜24時間程度、好ましくは30
分〜5時間程度攪拌下に反応させる方法を挙げることが
できる。
【0037】保護基の導入反応において、RZで表され
るハロゲン化物をキャッピング剤として用いる場合に
は、ピリジン、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、
トリエチルアミン等の塩基の存在下に反応を行うことが
好ましい。この場合、塩基の使用量は、キャッピング剤
1当量に対して1当量程度以上とすることが好ましく、
1〜2当量程度とすることがより好ましい。
【0038】また、キャッピング剤として一般式:R1
CH=CHR2で表される不飽和炭化水素化合物を用い
る場合には、酸触媒の存在下に反応を行うことが好まし
い。酸触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン
酸、10−カンファースルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸ピリジン塩、濃塩酸、濃硫酸等を用いることができ
る。これらの内で、コスト、反応性等の点からp−トル
エンスルホン酸が好ましい。酸触媒の使用量について
は、コスト、反応性等の点から、1,2−ジヒドロキシ
−4−置換ベンゼンに対して、1モル%〜10モル%程
度、好ましくは5〜8モル%程度とすればよい。
【0039】一般式(1)の1,2−ジヒドロキシ−4
−置換ベンゼンに保護基を導入した後、得られた一般式
(2)の1−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンを、一般
式:YCF2H(式中、YはCl、Br又はIである)
で表されるハロジフルオロメタンと反応させることによ
って、1位の水酸基が選択的にジフルオロメチルエーテ
ル化されて、一般式(3):
【0040】
【化11】
【0041】(式中、X及びRは上記に同じ)で表され
る1−ジフルオロメトキシ−4−置換ベンゼンを得るこ
とができる。
【0042】この反応は、一般式(2)の1−ヒドロキ
シ−4−置換ベンゼンを、塩基の存在下にハロジフルオ
ロメタンと反応させることによって行うことができる。
【0043】ハロジフルオロメタンとしては、クロロジ
フルオロメタン、ブロモジフルオロメタン、ヨードジフ
ルオロメタン等を例示できるが、特に、コスト、反応性
等の点からクロロジフルオロメタン、ブロモジフルオロ
メタン等が好ましい。ハロジフルオロメタンの使用量
は、一般式(1)の1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベ
ンゼン1当量に対して、1〜10当量程度とすることが
好ましく、1.5〜3.5当量程度とすることがよい好
ましい。
【0044】この反応に使用できる塩基としては、特に
限定的ではなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等の
無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、t−ブトキシカリウム、リチウムジイソプロピルア
ミド(LDA)、トリエチルアミン等の有機塩基等を用いる
ことができる。これらの塩基は、反応溶液中に直接添加
することができるが、無機塩基を用いる場合は、水溶液
として用いることが好ましい。水溶液とする場合の塩基
の濃度については、特に限定されるわけではないが、取
り扱い易さから5〜20mol/l程度が好ましい。
【0045】塩基の使用量は、反応性、選択性等の点か
ら、一般式(1)の1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベ
ンゼン1当量に対して1〜4当量程度とすることが好ま
しく、2〜3当量程度とすることがより好ましい。
【0046】一般式(2)の1−ヒドロキシ−4−置換
ベンゼンとハロジフルオロメタンとの反応は、通常、一
般式(1)の1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼン
の2位の水酸基に保護基を導入した後、引き続き、その
まま反応溶液に、塩基とハロジフルオロメタンを添加し
て行なうことができる。反応温度は、通常、0〜130
℃程度、好ましくは30〜80℃程度とすればよく、反
応時間は、通常、5分〜5時間程度とすればよい。
【0047】塩基とハロジフルオロメタンの具体的な添
加方法については、特に限定はなく、例えば、一般式
(1)の1,2−ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンに保
護基を導入した反応溶液に、塩基を添加し、所定の反応
温度とした後、ハロジフルオロメタンをバブリングさせ
る方法、オートクレーブ中に、一般式(1)の1,2−
ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンに保護基を導入後の反
応溶液、塩基とハロジフルオロメタンを仕込み、加圧条
件下に所定の反応温度まで加熱する方法等によって行う
ことができる。
【0048】この様な方法によれば、 一般式(2)の
1−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンの2位の水酸基に保
護基が導入されているために、1位の水酸基のみを選択
性良くジフルオロメチルエーテル化することができる。
【0049】その後、反応溶液に酸を添加して反応溶液
を酸性とすることによって、保護基を脱離させる。この
際、反応溶液中には水が存在することが必要である。塩
基を水溶液として添加する場合や酸を水溶液として添加
する場合には、更に水を添加することなく、脱保護基を
行うことが可能である。保護基を脱離させる際の水の存
在量は、一般式(1)の1,2−ジヒドロキシ−4−置
換ベンゼン1当量に対して、1当量以上とすることが好
ましい。水の存在量の上限については、特に限定はない
が、通常、100当量程度以下とすることが適当であ
り、50当量程度以下とすることが好ましい。過剰な水
の存在は、その後の精製効率の低下につながるので好ま
しくない。
【0050】反応溶液のpHについては、酸性領域であ
ればよいが、pHが高すぎると反応に長時間を要するの
で、通常、6程度以下とすることが好ましく、3〜5程
度とすることがより好ましい。
【0051】反応溶液を酸性にするために用いる酸とし
ては、特に限定はないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、
酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等を用いることができ
る。これらの酸の添加方法については特に限定はなく、
反応溶液を酸性にすることが可能な量の酸を液体又は気
体等の状態で添加すればよい。一般的には反応溶液を氷
浴で冷却し、酸を添加し、その後必要があれば加熱し
て、保護基を除去すればよい。
【0052】例えば、塩酸を用いる場合には、気体又は
水溶液として用いることができる。水溶液の場合の濃度
は特に限定的ではないが、反応速度の点から通常、1規
定程度以上が好ましい。塩酸の使用量は、反応速度の点
から、一般式(1)の1,2−ジヒドロキシ−4−置換
ベンゼン1当量に対して、1当量〜50当量程度とする
ことが好ましく、5当量〜30当量程度とすることがよ
り好ましい。
【0053】上記した方法で得られた反応粗生成物につ
いて、反応終了後、慣用されている分離手段、例えば、
溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフィー等によって、目
的物である一般式(4)
【0054】
【化12】
【0055】(式中、Xは上記に同じ)で表される1−
ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼ
ンを得ることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、安価な化合物であるハ
ロジフルオロメタンを用いて、高収率で簡便に1−ジフ
ルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンを
製造することができる。この方法によれば、副反応生成
物や使用する試薬の残分などを除去することなく、一連
の操作を同一反応容器中で行うことが可能であり、しか
も後処理を行うことなく、試薬の追加のみで実施するこ
とができる。このため、極めて効率的にかつ高収率で、
1−ジフルオロメトキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベ
ンゼンを製造することができる。
【0057】得られる1−ジフルオロメトキシ−2−ヒ
ドロキシ−4−置換ベンゼンは、例えば、医農薬の重要
な中間体として使用できる。例えば、4−ジフルオロメ
トキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドは、ホスホジ
エステラーゼ(PDE)IV阻害剤の中間体として有用
な化合物である。
【0058】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0059】実施例1ブロモジフルオロメタンを用いた4−ジフルオロメトキ
シ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドの合成 3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(104g,
0.753mol)とp−トルエンスルホン酸(1.5
g,7.89mmol)をアルゴン雰囲気下、THF7
50mlに溶解し、この溶液を氷浴下、内温10℃以下
を保ちながらエチルビニルエーテル(93.7ml,
0.979mol)を滴下し、同温度で2時間攪拌し
た。
【0060】次いで、この溶液に、水酸化ナトリウム
(60.7g,1.506mol)を水400mlに溶
解した溶液を加え、オイルバスにて70℃に加熱しなが
ら、ブロモジフルオロメタンをバブリングさせつつ、加
熱還流を30分行った。
【0061】その後、反応溶液を氷浴で冷却し、6N−
HCl水溶液300mlを滴下し、室温で2時間攪拌し
た。次いで、THFを減圧留去し、ジクロロメタン抽出
を行った。
【0062】ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗生成物を液体クロマト
グラフィー(LC)及びNMRにて測定したところ、収
率52%であった。
【0063】次いで、該粗生成物を1N−水酸化ナトリ
ウム水溶液に溶解し、ヘキサンで洗浄後、約10℃を保
ちながら濃塩酸を滴下して、再結晶を行った。
【0064】その結果、生成物(4−ジフルオロメトキ
シ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド)は、収量63.
7g(45%)、純度(LC)98%、融点83〜85
℃であった。
【0065】実施例2クロロジフルオロメタンを用いた4−ジフルオロメトキ
シ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドの合成 3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(52g,0.
377mol)とp−トルエンスルホン酸(0.75
g,3.95mmol)をアルゴン雰囲気下、THF3
75mlに溶解し、氷浴下、内温10℃以下を保ちなが
らエチルビニルエーテル(46.8ml,0.490m
ol)を滴下し、同温度で2時間攪拌した。 次いで、
この溶液に、水酸化ナトリウム(45.5g,1.13
mol)を水200mlに溶かした溶液を加え、オイル
バスにて70℃に加熱しながら、クロロジフルオロメタ
ンをバブリングさせつつ、加熱還流を30分行った。
【0066】反応溶液を氷浴で冷却し、6N−HCl水
溶液150mlを滴下し、室温で2時間攪拌した。次い
で、THFを減圧留去し、ジクロロメタン抽出を行っ
た。
【0067】ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗生成物をLC及びNM
Rにて測定し、収率48%の結果を得た。
【0068】この粗生成物を1N−水酸化ナトリウム水
溶液に溶解し、ヘキサンで洗浄後、約10℃を保ちなが
ら濃塩酸を滴下して、再結晶を行った。
【0069】その結果、生成物(4−ジフルオロメトキ
シ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド)は、収量28.
4g(40%)、純度(LC)98%、融点83〜85
℃であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC43 AC80 BA02 BA06 BA29 BA32 BA51 BD70 4H039 CA61 CD10 CD20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Xは電子求引性基である)で表される1,2−
    ジヒドロキシ−4−置換ベンゼンに保護基を導入して 【化2】 (式中、Xは上記に同じであり、Rは、アルカリ性条件
    下で安定であって、酸性条件下では脱離する保護基であ
    る)で表される1−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンとし
    た後、塩基の存在下に、一般式:YCF2H(式中、Y
    はCl、Br又はIである)で表されるハロジフルオロ
    メタンと反応させて一般式(3) 【化3】 (式中、X及びRは上記に同じ)で表される1−ジフル
    オロメトキシ−4−置換ベンゼンとし、次いで、反応溶
    液を酸性として脱保護基を行うことを特徴とする一般式
    (4) 【化4】 (式中、Xは上記に同じ)で表される1−ジフルオロメ
    トキシ−2−ヒドロキシ−4−置換ベンゼンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】一般式(1)の化合物において、Xがホル
    ミル基である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】一般式(2)の化合物において、Rが1−
    エトキシエチル基又はテトラヒドロピラニル基である請
    求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】一般式:YCF2Hで表されるハロジフル
    オロメタンが、クロロジフルオロメタン及びブロモジフ
    ルオロメタンから選ばれた少なくとも一種の化合物であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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