JP2003183087A - 中空ポリマー粒子を用いた多孔質セラミックフィルタ - Google Patents

中空ポリマー粒子を用いた多孔質セラミックフィルタ

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Toshiharu Furukawa
敏治 古川
Takahiro Omura
貴宏 大村
Yasuhiro Kawaguchi
泰広 川口
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 破壊強度が強く、セラミックフィルタ製造時
に破壊されることなく造孔剤として使用される中空粒
子、及び該中空粒子を造孔剤として用いて製造され気孔
率が高く、熱膨張係数の低い多孔質セラミックを提供す
ることにある。 【解決手段】 10%圧縮強度が1.5MPa以上であ
り、平均粒子径が1〜30μmである中空ポリマー粒子
からなる多孔質セラミックフィルタ成形用造孔剤、及び
外注空粒子を用いて製造された多孔質セラミックフィル
タ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質セラミック
フィルタ成形用造孔剤及び該造孔剤を用いて成形された
多孔質セラミックフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多孔質のセラミックフィルタとし
て、コージェライトやSiCからなるハニカム構造体の
隔壁を多孔質構造と為して、そのような隔壁を通過せし
めることにより、ガス等の流体に対してフィルタ機能を
持たせた多孔質ハニカムフィルタが種々提案され、例え
ばディーゼル車から排出される排ガスの微粒子捕集用フ
ィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ)として
実用化されている。このような多孔質ハニカムフィルタ
においては、多孔質の平均細孔径(以下細孔径と呼ぶ)
および気孔率がフィルタの性能を決定する非常に重要な
因子であり、ディーゼルパティキュレートフィルタの如
き多孔質セラミックフィルタにあっては、微粒子の捕集
効率、圧損、捕集時間の関係から、細孔径が大きく、気
孔率の大きいフィルタが望まれている。
【0003】従来、セラミックフィルタの細孔径の制御
は、フィルタの原料となるセラミック組成物中の骨材粒
子径を適宜選択することにより行われてきた。フィルタ
性能を改善するために、細孔径を制御する方法としては
セラミック組成物に有機高分子を添加する方法などが提
案されており(特開2000−288325)、一方、
気孔率を向上させるためにはグラファイト等の造孔剤を
添加する方法が一般的である。しかしながら、気孔率を
さらに向上させようとして、造孔剤を多量に使用する
と、焼成時間が延長して工数増となると共に、燃焼熱の
増加によりフィルタに歪みがかかり、フィルタにクラッ
クが生じるという問題を生ずる。セラミックフィルタに
おいては低熱膨張化、耐熱衝撃性の向上は重要であり、
燃焼熱を押さえるために、筆者らは造孔剤として中空の
ポリマー粒子を使用することに着想したが、発泡による
中空粒子では粒子強度が不足してセラミック組成物を混
合するとき、あるいは成形するときに、機械的剪断力に
より粒子が破壊されるという問題を生じ、造孔剤として
機能するために適切な粒径および強度を有する中空粒子
は存在しなかった。従って、上記セラミック組成物に造
孔剤として使用可能な、一定の粒径および強度中空ポリ
マー粒子が要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑みてなされたものであり、セラミックフィルタ製造時
に破壊されることなく造孔剤として使用される中空粒子
及び該中空粒子を造孔剤として用いて製造される気孔率
が高く、熱膨張係数の低い多孔質セラミックを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的として、本発明者らはそれら各種の問題点に関し
充分に満足できるような中空ポリマー粒子およびその製
造方法について鋭意検討を重ねてきた結果、一定値以上
の強度および適度な粒子径を有する中空ポリマー粒子得
ることができ、造孔剤として該中空ポリマー粒子を含む
コージェライト化原料を用い、この原料から所定の成形
体を成形した後、焼成することにより性能が改善された
多孔質セラミックフィルタが得られることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0006】本発明をさらに詳しく説明する。本発明の
中空粒子は粒径が、1〜30μm、10%圧縮強度が
1.5MPa以上有することが特徴である。中空粒子の
粒径が1μm未満の時はセラミックフィルタの細孔径が
小さすぎて、捕集効果が悪い。一方、粒子径が30μm
より大きい場合は、粒子個数が多いと粒子が凝集しフィ
ルタ中の孔が大きくなり、フィルタにクラックが生じや
すいという問題を生ずる。また、セラミック組成物と造
孔剤を混合し、所定の成形体に賦形する段階で、機械的
剪断力により中空粒子が破壊するのを防ぐため、10%
圧縮強度として1.5MPa以上必要である。また、上
記中空粒子の内部モルホロジーは単孔でも複数孔でも良
いが、好ましくは、複数孔を有するハニカム状が好まし
い。
【0007】上記中空粒子を製造する方法としては特に
限定されないが、下記の懸濁重合および脱溶剤の2工程
からなる製造方法が有効である。(工程1)親水性モノ
マー、多官能性モノマー、その他のモノマーからなる混
合モノマーに、非重合性有機溶剤を混合してモノマー溶
液を調製し、このモノマー溶液を極性溶媒に懸濁せしめ
た後、モノマー成分を重合し、上記有機溶剤を内包する
ポリマー粒子を得る工程。(工程2)ポリマー粒子中の
有機溶剤を除去することにより中空ポリマー粒子を得る
工程。上記重合過程においては、本来重合方法は特に限
定されないが、粒子径の制御が容易で、有効な空隙を内
包する粒子を形成しやすいことから懸濁重合法を用いる
のが好ましい。
【0008】上記モノマー成分を構成する親水性モノマ
ーは、有機溶剤に比べて極性溶媒に対する親和性が高い
ため、モノマー溶液の懸濁油滴中において油滴界面に局
在すると考えられ、結果的に重合により粒子の外壁面を
形成するものである。上記親水性モノマーとしては、水
に対する溶解度が1重量%以上が好ましく、具体例とし
ては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、ビニルピリジン、2−アクリロイル
オキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、ジメチ
ルアミノメチルメタクリレート等が挙げられ、好ましく
は、メチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、2−
ヒドロキシエチルメタクリレートである。これらは単独
あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。親水性モノマーの使用量は、少なすぎると粒子外壁
面の形成が十分にできず、粒子の空隙率が低下するた
め、モノマー成分において10〜99.9重量%使用さ
れるのが好ましく、より好ましくは30〜99.9重量
%である。
【0009】上記モノマー成分を構成する多官能性モノ
マーは、粒子の耐圧縮強度を改善する目的で添加され、
特に種類は限定されないが、例えば、ジ(メタ)アクリ
レートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1.6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げら
れ、トリ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサ
イド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。また、その他の多官能性モノマーとして
は、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ
アリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレ
ート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレ
ート等のジもしくはトリアリル化合物、ジビニルベンゼ
ン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられ、これ
らは単独または2種類以上を組み合わせて用いることが
できる。多官能性モノマーの使用量は、少なすぎると粒
子の耐圧縮強度が十分でなく、多すぎると重合中に粒子
凝集が発生するため、モノマー成分において0.1〜3
0重量%使用されるのが好ましく、より好ましくは0.
3〜5重量%である。
【0010】上記モノマー成分を構成するその他のモノ
マーは、機械的強度、耐薬品性及び成形性等の中空粒子
の性質を改善する目的で添加され、特に種類は限定され
ないが、例えば、エチル(メタ)アクリレート、プロピ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、クミルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、ミスチリル(メタ)アクリレート、パルミ
チル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート等のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、
α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p−クロロス
チレン、等の芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン等のハロゲン含有モノマー、エチレン、プロ
ピレン、ブタジエン等が挙げられ、これらは単独または
2種類以上を組み合わせて用いることができる。上記モ
ノマーの使用量は多すぎるとモノマー成分の親水性を低
下させ、粒子外壁が形成されるのを阻害するため、モノ
マー成分において0〜89.9重量%使用されるのが好
ましく、より好ましくは0〜69.9重量%である。
【0011】上記モノマー成分に添加される有機溶剤
は、モノマー溶液の懸濁油滴中において油滴中心部に局
在し、重合後に粒子から除去されることにより粒子に中
空部分を形成するものである。上記有機溶剤としては、
特に限定されないが、水に対する溶解度が0.2重量%
以下の有機溶剤が好ましく、具体的には、例えば、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、
キシレン等が挙げられ、揮発性の高いブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサンが好ましい。有機溶剤の
添加量は、少なすぎると粒子の空隙率が低くなり、多す
ぎると空隙率が大きくなりすぎて粒子の強度が低下する
ため、モノマー成分100重量部に対して3〜400重
量部が好ましく、さらに好ましくは10〜200重量部
である。
【0012】本発明の中空ポリマー粒子の製造方法にお
いては、上記モノマー溶液を極性媒体中に安定して分散
させるために分散剤が使用されるが、分散剤として式
(1)の構造を有する界面活性剤が好適に用いられる。
【0013】
【化1】
【0014】上記式(1)の分散剤を使用することによ
り、他の分散剤を使用する場合に比べて、極性の低い有
機溶剤を含み非常に凝集しやすい1〜30μmのモノマ
ー溶液の油滴を、重合中安定して分散させておくのに有
効であり。上記分散剤の使用量は、多すぎると粒子が小
さくなりすぎてしまい、少なすぎるとモノマー溶液の油
滴の安定性が十分でなく、重合中に粒子凝集が発生する
ため、モノマー溶液100重量部に対して1〜20重量
部使用されるのが好ましく、より好ましくは3〜10重
量部である。
【0015】上記分散剤には、補助安定剤として、例え
ば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、
ポリエチレンイミン、ジエタノールアミンと脂肪族ジカ
ルボン酸の縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドの縮合
生成物、ポリビニルアルコール、セルロース、コロイド
状無機系分散安定剤等を使用することができる。
【0016】上記モノマー溶液に添加される有機溶剤
は、特に限定はされないが、上記モノマー溶液と本質的
に非相溶である有機溶剤が好ましく、具体的には、例え
ば、水、メタノール、エタノール、ジメチルスルフォキ
シド、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、扱いが容易
なことから水を使用することが好ましい。
【0017】上記懸濁重合に用いられる重合開始剤は、
上記モノマー溶液に可溶である油溶性のフリーラジカル
を発生する化合物、例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジ
カーボネート、αークミルパーオキシネオデカノエート
等の有機系過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ系開始剤及びレドックス開始剤等が挙げられる。
【0018】本発明の中空ポリマー粒子を製造するの好
ましい方法の例としては、重合性単量体と有機溶剤から
なるモノマー溶液に開始剤を予め溶解し、一方、撹拌
機、温度計などを備えた容器に極性媒体として例えば
水、分散剤および必要に応じて補助安定剤、pH調整
剤、水溶性重合禁止剤などを添加し、これに上記開始剤
を含有するモノマー溶液を添加し、攪拌により油滴状に
分散させた後に加熱して重合され方法である。上記モノ
マー溶液は、事前に媒体の一部に分散させた後に添加し
ても良い。又、レドックス開始剤を用いる際には、開始
剤をモノマー溶液に添加させておき、所定の温度まで昇
温させた後に還元剤を添加して重合を開始させればよ
い。重合終了後媒体を除去して樹脂粒子が得られる。
【0019】モノマー成分および有機溶剤を予め分散媒
中に微分散する方法の例としては、ホモミキサー、バイ
オミキサーなどの機械的分散機あるいは超音波ホモジナ
イザーなどを用いる方法がある。重合の結果得られる中
空粒子の粒子径は分散媒中に微分散されたモノマー溶液
の油滴径に依存するため、分散安定剤の種類や量、ある
いは機械的分散機の撹拌力により容易にコントロールで
きる。
【0020】上記モノマー成分を重合する温度は、用い
るモノマー成分の組成や分子量、開始剤の種類および量
などによって適宜決定されるが、通常は30℃〜100
℃の範囲で行なわれる。
【0021】更に、上記工程において、本発明を阻害し
ない範囲で、pH調整剤、老化防止剤、酸化防止剤、防
腐剤等が添加されて良い。
【0022】上記中空化工程は、得られた樹脂粒子を蒸
気、熱風等により加熱したり、減圧条件下にさらすこと
により有機溶剤を除去して中空粒子とする。この際、重
合後に媒体から樹脂粒子を分離することなく上記操作に
より中空粒子とすることも可能である。
【0023】本発明の多孔質セラミックフィルタの製法
においては、まず、タルクや焼タルクなどのタルク粉末
成分、非晶質シリカにて代表されるシリカ粉末、カオリ
ン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム等を
配合して、目的とするコージェライト組成、即ちSiO
2が42〜56重量%、Al23が30〜45重量%、
MgOが12〜16重量%となるコージェライト化原料
が調製される。コージェライト化原料の調製に際し、上
記セラミック原料の組成は特に限定されない。
【0024】本発明は、このようなコージェライト化原
料の調製に際して、造孔剤として中空ポリマー粒子が添
加されるのが特徴である。これにより、気孔率の向上と
低熱膨張化、耐熱衝撃性の向上がなされ、高捕集効率を
維持しつつ、圧力損失の上昇を抑制し、捕集時間の効果
的な延長が可能なフィルタを与え得られる。すなわち、
従来の造孔剤である有機粒子を同重量の中空ポリマー粒
子に置き換えることによって、造孔剤が占める体積は増
大し、気孔率の向上を図ることができる。また、同体積
の中空ポリマー粒子で置き換えた場合、焼成時における
粒子の燃焼熱は減少し、セラミック成形品にかかる歪み
が小さくなるため、低熱膨張化が図られ耐熱衝撃性は向
上する。上記コージェライト化原料の調製に際して、中
空ポリマー粒子の添加量は特に限定されないが、少なす
ぎると増孔効果が見られず、多すぎると焼成後のセラミ
ック成形体の強度が低下するため、コージェライト化原
料中10〜50重量%使用するのが好ましい。
【0025】このように調整されたコージェライト化原
料には、従来と同様に可塑剤や粘結剤等が加えられて可
塑化され、変形可能な押出成形用の杯土とされる。そし
て、この杯土を用い、ハニカム成形体等の所定形状の成
形体に押出成形した後、乾燥し、次いで、その乾燥物を
1380〜1440℃の温度で焼成することにより、目
的とする多孔質セラミックフィルタが製造される。
【0026】以下、本発明の実施例について説明する
が、下記の例に限定されるものではない。表1に示した
配合組成に基づいて、下記の手順で中空ポリマー粒子を
得た。 実施例1、2 比較例1、2 (中空粒子の製造)表1記載の比率でモノマー成分、有
機溶剤、開始剤を混合、撹拌し、モノマー溶液を調製し
た。ついでイオン交換水(全使用量の50重量%)、分
散剤を添加しホモジナイザーにて撹拌し、懸濁モノマー
溶液を調製した。一方、撹拌機、ジャケット、還流冷却
器、および温度計を備えた10リットルの重合器に、残
りのイオン交換水を入れて、攪拌を開始した。重合器内
を減圧して容器内の脱酸素をおこなった後、窒素により
圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とした後、
上記懸濁モノマー溶液を一括に添加した。重合槽を80
℃まで昇温し重合を開始した。8時間重合を行った後
に、重合槽を室温まで冷却した。スラリーを噴霧乾燥
後、真空乾燥より有機溶剤を除去し中空粒子を得た。 (多孔質セラミックフィルタの製造)タルク40重量
%、カオリン20重量%、アルミナ18重量%、水酸化
アルミニウム12重量%、シリカ10重量%からなるセ
ラミック組成物と造孔剤として中空粒子Aを表1の組成
に従って混合した原料100重量部に対し、メチルセル
ロース4.0重量部及び添加水を加え、混練し、押出成
形可能な坏土とした。次いで、それぞれの坏土を、押出
成形により、リブ厚:430μm、セル数:16個/cm
2を有する直径:118mm、高さ:152mmの円筒形
ハニカム構造体を成形した。そして、それぞれのバッチ
によるハニカム構造体を乾燥した後、昇温速度40℃/
h、最高温度1410℃、保持時間6時間にて焼成し
た。
【0027】〔評価方法〕上記で得られた中空粒子及び
セラミックフィルタについて下記の評価を行って、結果
を表1に示した。 (平均粒径)レーザー回折粒度分布計(LA−910、
堀場製作所製)にて体積平均粒径を用いて、粉末の任意
の場所から3カ所サンプリングして体積平均粒子径を測
定し、その平均値を平均粒子径とした。 (内部モルホロジー観察)粒子の赤道断面を薄膜にカッ
トし、透過型電子顕微鏡にて内部モルホロジーを観察し
た。 (空隙率)中空粒子0.5gを用い、ポロシメーター2
000(アムコ社製)を使用し、封入水銀圧力196M
Paで中空粒子の空隙率を測定した。 (粒子の耐圧縮強度)微小圧縮試験機(MCTM−50
0、島津製作所製)にて、粒子の10%圧縮強度を測定
した。 (フィルタ熱膨張係数)TMA100(セイコーインス
ツルメント社製)を用いて、測定温度40〜800℃、
昇温速度40℃/hの条件で高さ方向(A軸)、および
円筒直径方向(B軸)の熱膨張係数を測定した。 (気孔率)セラミックフィルタ0.5gを用い、ポロシ
メーター2000(アムコ社製)を使用し、封入水銀圧
力196MPaでセラミックフィルタの気孔率を測定し
た。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の中空ポリマー粒子は、粒径が1
〜30μm、10%圧縮強度が1.5MPa以上である
ので、造孔剤として好適であり、この中空ポリマー粒子
を多孔質セラミックフィルタの造孔剤として使用するこ
とにより気孔率が高く、耐熱衝撃性の高い多孔質セラミ
ックフィルタが容易に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 貴宏 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 川口 泰広 山口県新南陽市開成町4560 徳山積水工業 株式会社内 Fターム(参考) 3G090 AA02 4D019 AA01 BA05 BB06 BB07 BD10 CA01 CB04 CB06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10%圧縮強度が1.5MPa以上であ
    り、平均粒子径が1〜30μmである中空ポリマー粒子
    からなる多孔質セラミックフィルタ成形用造孔剤。
  2. 【請求項2】 造孔剤として請求項1に記載の造孔剤を
    含有するコージェライト原料を焼結させることにより得
    られる多孔質セラミックフィルタ。
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