JP2003182071A - インクジェットヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置及びその製造方法、カラーフィルタの製造装置及びその製造方法、並びに電界発光基板製造装置及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置及びその製造方法、カラーフィルタの製造装置及びその製造方法、並びに電界発光基板製造装置及びその製造方法

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JP2003182071A
JP2003182071A JP2001383159A JP2001383159A JP2003182071A JP 2003182071 A JP2003182071 A JP 2003182071A JP 2001383159 A JP2001383159 A JP 2001383159A JP 2001383159 A JP2001383159 A JP 2001383159A JP 2003182071 A JP2003182071 A JP 2003182071A
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ink
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Fumio Takagi
富美男 高城
Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Katsuharu Arakawa
克治 荒川
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御回路の複雑化を来すことなく、構造もシ
ンプルで、ドット抜けのないインクジェットヘッドを提
供する。 【解決手段】 複数のノズル孔44と、ノズル孔44の
各々に連通する独立した吐出室と、吐出室内のインクに
吐出エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えて
なるインクジェットヘッドチップ100をライン状に複
数配列してなるインクジェットヘッドにおいて、ライン
状に配列された複数のインクジェットヘッドチップ10
0における各隣接接合側端部のノズル孔径d2を他のノ
ズル孔径d1よりも大きく設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷行方向に複数
のノズルを備えたインクジェットヘッド及びその製造方
法並びにインクジェット記録装置及びその製造方法、カ
ラーフィルタの製造装置及びその製造方法、並びに電界
発光基板製造装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、記録装置は高速印字が求められる
ようになってきた。しかし、従来の印刷行方向にヘッド
を走査する方式では、記録素子数が多い場合、ヘッドの
質量も増加する為、ヘッド走査機構の負荷も大きくな
り、記録素子数を増やすには限界があった。そこで、印
刷行方向に多数の記録素子を印字の解像度と同じ間隔で
並べ、固定したヘッドで印字するいわゆるラインタイプ
のインクジェットヘッドが考案されている。
【0003】このようなラインヘッドでは、印字幅を印
字解像度で割った極めて多数の記録素子数が必要とな
る。しかし、多数の記録素子を単一ヘッドで構成するこ
とは、歩留の点から困難である。また、製造ラインの設
備コストの面からも多数の記録素子を単一ヘッドで構成
することは困難である。つまり、高解像度の印字が望ま
れることから、ヘッドの製造には半導体技術を応用し
た、フォトリソグラフィー技術が用いられる。そして、
フォトリソグラフィーを用いた製造ラインの設備コスト
は、基板サイズが大きくなると、極めて高額になるので
ある。
【0004】そこで、複数の比較的記録素子数の少ない
ヘッドチップをライン状に接続して、長尺のヘッドを組
み立てることが考案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘッド
チップをライン状に接続する場合、隣接接合端部ではヘ
ッドチップ相互を接続するための接着層が必要となる。
また、隣接接合端部では各ヘッドチップの側壁があるこ
とから各ヘッドチップのノズル間には2枚の壁が存在す
る。そのため、各ヘッドチップの接続部で記録素子間隔
が広がり、印字画素間隔が広がる(ドット抜け)という
問題がある。
【0006】この問題を解決する方法として、例えば特
開平10−086438号公報に開示された画像形成装
置がある。この画像形成装置は複数のヘッドチップをラ
イン方向に千鳥状に配置し、ヘッド端部を重ね合わせる
ことで、記録素子ピッチが広がるのを防止しようという
ものである。
【0007】しかしながら、上記公報の方式には次のよ
うな問題があった。ヘッドチップを千鳥状に配置する方
法では、一ラインを一度に印字できないことから、印字
データを分割し、後続のヘッドで印刷するデータをメモ
リーに蓄える必要がある。この為、印字制御回路が複雑
になり、メモリーの容量も増加してしまう。また、上記
ヘッドチップを千鳥状に配置する方式をインクジェット
プリンタに適用した場合には、インクの供給路を二段に
する必要があり、ヘッドのレイアウトが複雑化し、ヘッ
ドサイズ自体が大きくなってしまう。
【0008】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、制御回路の複雑化を来すことなく、
構造もシンプルで、ドット抜けのないインクジェットヘ
ッドを提供することを目的としている。また、該インク
ジェットヘッドの製造方法を提供することを目的として
いる。さらに、該インクジェットヘッドを用いた記録装
置及びその製造方法、カラーフィルタの製造装置及びそ
の製造方法、並びに電界発光基板製造装置及びその製造
方法を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の一つの態
様に係るインクジェットヘッドは、複数のノズル孔と、
該ノズル孔の各々に連通する独立した吐出室と、該吐出
室内のインクに吐出エネルギーを与えるエネルギー発生
素子とを備えてなるものにおいて、前記複数のノズル孔
間ピッチを補正するようにピッチずれのあるノズル孔か
ら吐出するインクの量を設定したものである。本発明に
おいては、ノズル孔間ピッチにずれがある場合に、その
ピッチずれを補正するようにインク量を設定したので、
ノズル間ピッチが広いところでもドット抜けが生じな
い。なお、エネルギー発生素子の例としては、吐出室内
に設けた振動板及びこの振動板を変形させる駆動手段の
他、吐出室内のインクに気泡を発生させるためのヒータ
ーボードなども含む。
【0010】(2)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドは、複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
なるものにおいて、ライン状に配列された前記複数のイ
ンクジェットヘッドチップ間におけるノズル孔間のピッ
チずれを補正するように前記複数のインクジェットヘッ
ドチップにおける各隣接接合側端部のノズル孔から吐出
するインク量を設定したものである。本発明において
は、ライン状に配列された複数のインクジェットヘッド
チップにおける各隣接接合側端部のノズル孔から吐出す
るインク量を、隣接するインクジェットヘッドチップの
ノズル孔間のピッチずれを補正するように設定したの
で、ヘッドチップの隣接接合部におけるドット抜けを防
止できる。
【0011】(3)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドは、複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
なるものにおいて、ライン状に配列された前記複数のイ
ンクジェットヘッドチップにおける各隣接接合側端部の
ノズル孔径を他のノズル孔径よりも大きく設定したもの
である。本発明によれば、制御回路の複雑化を来すこと
なく、構造もシンプルで、ドット抜けのないインクジェ
ットヘッドが得られる。
【0012】(4)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドは、複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
なるものにおいて、前記エネルギー発生素子は、吐出室
の少なくとも一方の壁に形成された振動板を備えてな
り、ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘ
ッドチップにおける各隣接接合側端部の振動板の面積を
他の振動板よりも大きく設定したものである。本発明に
おける振動板の駆動方式としては、静電気力によるもの
圧電素子によるものを含む。
【0013】(5)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドは、複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
なるものにおいて、前記エネルギー発生素子は、吐出室
の少なくとも一方の壁に形成された振動板と、該振動板
と所定のギャップを介して対向配置されると共に駆動電
圧の印加により該振動板を静電気力により変形させる電
極とを備えてなり、ライン状に配列された前記複数のイ
ンクジェットヘッドチップにおける各隣接接合側端部の
ノズルの前記ギャップを他のノズルの前記ギャップより
も小さく設定したものである。
【0014】(6)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドは、複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
なるものにおいて、前記エネルギー発生素子は、吐出室
の少なくとも一方の壁に形成された振動板と、駆動電圧
の印加により該振動板を変形させる振動板駆動手段とを
備えてなり、ライン状に配列された前記複数のインクジ
ェットヘッドチップにおける各隣接接合側端部の振動板
駆動手段に加える駆動電圧を他の振動板駆動手段に加え
る駆動電圧よりも大きく設定したものである。本発明に
おいては、ヘッドチップ接合部の間隔が予めわかってい
る場合には、駆動電圧を予め設定しておく。また、ライ
ンヘッドを組み立てた後で、ショットテストを行ってヘ
ッドチップ接合部の実際のドット間隔を測定し、その測
定値に基づいて駆動電圧を設定するようにしてもよい。
なお、振動板の駆動方式としては、静電気力によるもの
圧電素子によるものを含む。
【0015】(7)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドは、複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
なるものにおいて、ライン状に配列された前記複数のイ
ンクジェットヘッドチップにおける各隣接接合側端部の
ノズルから吐出されるインク滴数を他のノズルから吐出
されるインク滴数よりも多く設定したものである。本発
明においては、上記(6)と同様に、ヘッドチップ接合
部の間隔が予めわかっている場合には、各隣接接合側端
部のノズルから吐出されるインク滴数を予め設定してお
く。また、ラインヘッドを組み立てた後で、ショットテ
ストを行ってヘッドチップ接合部の実際のドット間隔を
測定し、その測定値に基づいて吐出インク滴数を設定す
るようにしてもよい。
【0016】(8)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドの製造方法は、複数のノズル孔が形成された
ノズルプレートと、該ノズル孔の各々に連通する独立し
た吐出室が形成されたプレートと、該吐出室内のインク
に吐出エネルギーを与えるエネルギー発生素子が形成さ
れたプレートとを接合してなるインクジェットヘッドチ
ップをライン状に複数配列してなるインクジェットヘッ
ドの製造方法において、ライン状に配列された前記複数
のインクジェットヘッドチップにおける各隣接接合側端
部のノズル孔径が他のノズル孔径よりも大きくなるよう
に前記ノズルプレートにパターニングしてフォトリソ加
工するものである。本発明においては、ノズルプレート
のノズル孔をフォトリソ加工により形成しているので、
ノズル孔の孔径の精度を極めて高くすることができる。
【0017】(9)本発明の他の態様に係るインクジェ
ットヘッドの製造方法は、複数のノズル孔が形成された
第1プレートと、該ノズル孔の各々に連通する独立した
吐出室及び該吐出室内のインクに吐出エネルギーを与え
る振動板が形成された第2プレートと、該振動板を変形
させる振動板駆動手段が形成された第3プレートとを接
合してなるインクジェットヘッドチップをライン状に複
数配列してなるインクジェットヘッドの製造方法におい
て、ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘ
ッドチップにおける各隣接接合側端部の振動板の面積が
他の振動板の面積よりも大きくなるように前記第2プレ
ートにパターニングしてフォトリソ加工するものであ
る。本発明においては、振動板をフォトリソ加工により
形成しているので、振動板の面積精度を極めて高くする
ことができる。
【0018】(10)本発明の一つの態様に係るインク
ジェットヘッドの製造方法は、複数のノズル孔が形成さ
れた第1プレートと、該ノズル孔の各々に連通する独立
した吐出室及び該吐出室内のインクに吐出エネルギーを
与える振動板が形成された第2プレートと、該振動板と
所定のギャップを介して対向配置されると共に駆動電圧
の印加により該振動板を静電気力により変形させる電極
が形成された第3プレートとを接合してなるインクジェ
ットヘッドチップをライン状に複数配列してなるインク
ジェットヘッドの製造方法において、ライン状に配列さ
れた前記複数のインクジェットヘッドチップにおける各
隣接接合側端部のノズルの前記ギャップが他のノズルの
前記ギャップよりも小さくなるように前記第3プレート
を加工するものである。
【0019】(11)本発明の一つの態様に係るインク
ジェット記録装置は、上記(1)乃至(7)の何れかの
インクジェットヘッドを搭載したものである。本発明に
おいては、インクジェットヘッドを記録紙幅方向に移動
させることなく記録紙を送るのみの動作にて印刷ができ
るので、極めて印刷速度を高めることができる。
【0020】(12)本発明の一つの態様に係るインク
ジェット記録装置の製造方法は、上記(8)乃至(1
0)の何れかのインクジェットヘッド製造法によりイン
クジェットヘッドを製造し、当該インクジェットへッド
を搭載するようにしたものである。
【0021】(13)本発明の一つの態様に係るカラー
フィルタの製造装置は、上記(1)乃至(7)の何れか
のインクジェットヘッドを搭載したものである。
【0022】(14)本発明の一つの態様に係るカラー
フィルタの製造装置の製造方法は、上記(8)乃至(1
0)の何れかのインクジェットヘッドの製造方法により
インクジェットヘッドを製造し、そのインクジェットヘ
ッドを搭載したものである。
【0023】(15)本発明の一つの態様に係る電界発
光基板製造装置は、上記(1)乃至(7)の何れかのイ
ンクジェットヘッドを搭載したものである。
【0024】(16)本発明の一つの態様に係る電界発
光基板製造装置の製造方法は、上記(8)乃至(10)
の何れかのインクジェットヘッドの製造方法によりイン
クジェットヘッドを製造し、そのインクジェットヘッド
を搭載したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】実施の形態1. (構成について)図2は本実施の形態の全体構成、図1
は図2の円で囲んだア部分の拡大図である。本実施の形
態は、インクジェットヘッドチップ100をライン状に
複数配列してなるインクジェットヘッドにおいて、ライ
ン状に配列された複数のインクジェットヘッドチップ1
00における各隣接接合側端部のノズル孔径を他のノズ
ル孔径よりも大きく設定したものである。このようにノ
ズル孔径を大きく設定することで、他のノズル孔よりも
インクと出量を多くしてドット抜けを防止しようという
ものである。
【0026】本実施の形態では、業務用プリンタの標準
的な解像度である360dpi(dot per inc
h)で、1ヘッド当たり256個のノズルを有している
ヘッドチップ100を6個、並列に並べることによっ
て、1536ノズル、4.3インチのラインヘッドユニ
ットを構成している。
【0027】まず、図1に基づいて本実施の形態の要部
を説明する。各ヘッドチップ100は流路基板1、電極
ガラス基板2、及びカバーガラス3を積層した構造であ
る。ヘッドチップ100の隣接接合部には、図1に示す
ように、接着剤99が充填され各ヘッドチップ100の
隣接接合側端部同士をしっかりと固定している。このよ
うに隣接接合部には接着剤99が充填されること、ま
た、隣接接合端部では各ヘッドチップの側壁があること
から各ヘッドチップのノズル間には2枚の壁が存在する
ことから、ヘッドチップ100の隣接接合部のノズル間
隔が他のノズル間隔よりも広くなっている。
【0028】より具体的に説明すると、図1において、
各ヘッドチップ100のノズル間隔をL1、隣接するヘ
ッドチップ100の各端部のノズル間隔をL2とする
と、L1<L2の関係がある。そこで、各ヘッドチップ
における隣接接合端部のノズル孔径を他のノズル孔径よ
りも大きくして、そこから吐出されるインク量を多くし
ている。具体的には、隣接するヘッドチップ100の各
端部のノズル孔径をd2、他のノズル孔径をd1とする
と、d1<d2となるように設定している。
【0029】つまり、隣接するヘッドチップ100の接
合部ではノズル間隔が広がる分、ノズル孔径を大きくし
て、インク吐出量を多くしている。インク吐出量を多く
することで、ノズル間隔の広がりを補正して、ドット抜
けを防止するのである。
【0030】次に、ピッチずれとノズル径の具体的な関
係について説明する。図3はこの関係を説明するグラフ
である。図3において、横軸はノズル径(μm)、縦軸
(図中左側)はインク重量(ng/drop)を示して
いる。ノズルピッチが長くなる方向に10%ずれた場合
には、インク重量を10%増すようにする。したがっ
て、ヘッドチップ100の接合部においては、ノズル間
ピッチが他のノズル間ピッチに比べて20%長くなった
場合には、各ヘッドチップ100の端部のノズル孔径を
大きくして、各端部のヘッドチップ100のノズル孔か
ら吐出するインク量を10%ずつ多くする。つまり、各
ヘッドチップ100の端部でのピッチのずれを隣接する
2つのノズルから吐出されるインク量で補正しているの
である。
【0031】図3に示した具体的数値をもって説明する
と、標準の場合のインク吐出量を約22ng/drop
として、ピッチずれが10%のところではインク吐出量
を10%増して約24.2ng/dropとする。この
ようにインク量を10%増すためには、ノズル孔径を標
準の約26.8μmから約28.1μmにしている。
【0032】次に上記のようなノズル孔径を有するイン
クジェットヘッドの全体構成及び動作原理を説明する。
図4はヘッドチップ100単体の分解斜視図、図5は静
電駆動方式インクジェットヘッドの構造と駆動原理の説
明図である。個々のヘッドチップ100は、図4及び図
5に示すように、シリコン単結晶からなる流路基板1、
硼珪酸ガラスから成る電極ガラス基板2、及びカバーガ
ラス3を積層した構造である。流路基板1には、吐出室
6、振動板5、インクリザーバ8が形成されており、個
々の吐出室6は隔壁42で隔てられている。そして、ノ
ズル44とオリフィス46が形成されたカバーガラス3
で流路基板1上面を塞ぐことで流路が形成される。
【0033】電極ガラス基板2にはギャップGと個別電
極21が形成されており、ギャップGに異物が侵入する
ことを防止する為のシール43を施してある。さらに、
個別電極21を避ける位置にインク供給孔27が設けら
れており、このインク供給孔27からインクリザーバ8
にインク106が供給される。
【0034】上記のように構成された複数のヘッドチッ
プ100が、図2に示すように、ライン状に並べられ、
基板53上に接合されることでラインヘッドユニットが
構成される。
【0035】上記のように構成されたラインヘッドユニ
ットの動作を説明する。駆動時には、流路基板1に設け
られた共通電極45と個別電極21に電圧を印加し、振
動板5と個別電極21間に静電引力を発生させ、振動板
5を個別電極21へ引き寄せることでインクリザーバ8
から吐出室6にインク106を充填する(図5
(b))。吐出時には電圧を取り除き、振動板5のバネ
力によってインク106をノズル44から吐出する(図
5(c))。
【0036】このとき、ヘッドチップ100の隣接接合
端部では、ノズル孔径が大きく設定されているので、吐
出インク量が多くなる。その結果、ノズル間隔が広がっ
ていても、ドット抜けにならない。
【0037】(製造方法について)図6〜図10は、個
々のヘッドチップ100の製造工程の説明図である。ま
ず、インクが通る流路基板1の製造方法について図6に
基づいて説明する。面方位(110)、厚さ140μm
の単結晶シリコンウェハーからなる基板47の下面に
0.8μmの深さでボロンを高濃度(約5×1019cm
-3以上)拡散しボロン層49を形成(図6(a))した
後、ウェット酸化により熱酸化膜51を形成し、基板両
面をフォトリソグラフィーにより、フッ酸水溶液で熱酸
化膜51をエッチングして吐出室形状、リザーバ形状、
及びインク供給孔形状をパターニングする(図6
(b))。
【0038】この基板47を80℃、35%の水酸化カ
リウム水溶液でエッチングすると、シリコン単結晶のエ
ッチングに対する異方性により、隔壁部が垂直にエッチ
ングされ吐出室6が形成され、同時にインクリザーバ8
も形成される。エッチング面が高濃度のボロン層49に
達すると、水酸化カリウム水溶液に対する溶解性が変わ
り、エッチング速度が低下し、均一な厚さの振動板5が
形成される。インク供給孔27の部分のボロン層49は
エッチング当初よりエッチングされる為、インクリザー
バ8へ貫通する(図6(c))。
【0039】エッチング終了後、全体を0.1μmの厚
さでドライ酸化で熱酸化膜51を形成することで、振動
板下面に絶縁膜を形成する。なお、流路面に形成された
酸化膜は親水性であることから、インクの流路への充填
性を改善する働きをする。熱酸化膜51形成後、熱酸化
膜51の一部をドライエッチングで除去し、白金をスパ
ッタすることで共通電極45を形成する(図6
(d))。
【0040】次に、電極ガラス基板2の製法を図7に基
づいて説明する。クロムと金をスパッタで硼珪酸ガラス
基板上に成膜し、エッチングマスクとする。3000オ
ングストロームの深さで硼珪酸ガラス基板をフッ酸でエ
ッチングしギャップ部となる段差25を形成する(図7
(a))。透明電極であるITO膜を0.1μmの厚さ
でスパッタした後、個別電極21の形状にパターニング
する。パターニング後、ダイヤモンドドリルでインク供
給孔27を開口する(図7(b))。
【0041】次に、カバーガラス3の製法を図8に基づ
いて説明する。カバーガラス3と成る硼珪酸ガラス基板
にクロムと金をスパッタで成膜し、ノズル44とオリフ
ィス46のパターンをパターニングする。このとき隣接
配置されるヘッドチップの各隣接接合端部のノズル44
は他のノズルよりも径が大きくなるようにパターニング
する。この径をどの程度大きくするかは、前述した図3
のグラフに基づいて決定する。パターニング後、垂直に
異方性ドライエッチングを行い、ノズル44とオリフィ
ス46を形成する。
【0042】上記のようにして、ラインヘッドを構成す
る3枚の基板(流路基板1、電極ガラス基板2、カバー
ガラス3)が形成されると、これらを接合して、ライン
ヘッドを形成する。まず、3枚の基板1,2,3を積層
して陽極接合し、接合体をダイシングによって切断する
ことでヘッドチップ100を形成する。このヘッドチッ
プ100におけるノズル44、吐出室6、隔壁42の配
置関係を平面的に示すと図9のようになる。
【0043】最後に、図10に示すように、インク供給
路52を有するインク供給路を兼ねる基板53上にヘッ
ドチップ100をライン状に配置して固定することでラ
インヘッドを形成する。このとき、ヘッドチップ間に接
着剤を充填して、端部にずれが発生しないようにしっか
りと固着する。この接着剤の充填によりヘッドチップ接
合部ではノズル間隔が広がるが、これは前述のノズル孔
径を大きくすることで補正されるので問題ない。
【0044】また、インク供給孔27の周囲をシールす
るため、基板53底面よりシール孔55を通じてシール
溝57にシリコーン系のシーラントを充填する。ここで
シリコーン系のシーラントを用いるのは、ステンレス製
の基板53とガラス製のヘッドチップ100の間に発生
する熱応力等によるヘッドチップ100のクラック発生
を防止する為である。ラインヘッドユニット110の固
定が終了した後FPC実装を行う。
【0045】この実施の形態ではノズル孔を基板の端部
に設けたいわゆるエッジタイプのインクジェットヘッド
を示した。しかし、本発明はこれに限られるものではな
く、ノズル孔を基板の面部に設けたいわゆるフェイスイ
ンクジェットタイプのものにも適用できる。また、イン
クを吐出させる駆動方式についても本実施の形態の静電
駆動方式の他、圧電素子で振動板を駆動する圧電駆動方
式、インクを加熱して気泡を発生させることによる圧力
でインクを吐出させる方式のものを含む。
【0046】実施の形態2.本実施の形態においては、
ヘッドチップの接合部においてインク吐出量を多くする
ために、振動板の面積を大きく設定したものである。イ
ンクの吐出量は吐出室の体積変化量に比例するところ、
振動板の面積を大きくすることで、吐出室の体積変化量
を大きくでき、インク吐出量を増すことができるのであ
る。
【0047】インクジェットヘッドの具体的構成は実施
の形態1と基本的に同様である。ただ、各ヘッドチップ
の接合部端部の振動板の長さを他のものよりも長く設定
している。つまり、振動板の幅を一定として長さを長く
することで面積を大きくしているのである。
【0048】ここで、本実施形態における振動板の長さ
とインク吐出量との具体的関係を説明する。図11はイ
ンク吐出量と振動板の長さの関係を示すグラフである。
図11において、横軸は振動板長さ(mm)、縦軸(図
中左側)はインク重量(ng/drop)を示してい
る。なお、このグラフに示した例は、解像度が180d
pi(dot per inch)、ノズルピッチが14
1μm、振動板の幅が105μmである。振動板の幅は
ノズルピッチで決まるので、振動板面積を変更するに
は、ノズルピッチから決定した振動板幅を固定として、
振動板の長さを変更するのが現実的である。
【0049】図11に示すように、ピッチずれが10%
あったときには、インク吐出量を10%増すようにす
る。つまり、本実施の形態では標準の場合のインク吐出
量を22ng/dropとして、ピッチずれが10%の
ところではインク吐出量を10%増して約24.2ng
/dropとする。このようにインク量を10%増すた
めには、振動板の長さを標準の約2.8mmから約3.
1mmにする。
【0050】このように、振動板の長さを調整すること
で、インク吐出量を調整でき、ヘッドチップの接合部で
のドット抜けを防止できる。
【0051】なお、製造方法に関しても、基本的には実
施の形態1と同様であるが、流路基板を製造する際に、
各ヘッドチップにおける接合部端部の振動板の長さが長
くなるようにパターニングする。つまり、ウェット酸化
により熱酸化膜51を形成し、基板両面をフォトリソグ
ラフィーにより、フッ酸水溶液で熱酸化膜51をエッチ
ングして吐出室形状、リザーバ形状、及びインク供給孔
形状をパターニングする(図6(b)参照)が、このパ
ターニングの際に各ヘッドチップにおける接合部端部の
振動板が形成される吐出室6のパターニングを他のパタ
ーニングと異ならしめるのである。
【0052】実施の形態3.本実施の形態においては、
ヘッドチップの接合部においてインク吐出量を多くする
ために、特定のノズルにおける振動板と電極ガラス基板
との間のギャップGを小さく設定したものである。ギャ
ップGを小さく設定することで、振動板に作用する静電
力が高くなり振動板の速度が速くなる。その結果、リザ
ーバ内に引き込むインクの運動エネルギーが高くなり、
結果として、引き込むインクの体積が増加し、吐出量が
増えるのである。もっとも、ギャップが小さくなりすぎ
ると、排除体積が減ってこの効果が打ち消されてしまう
ことになるので、ギャップGを標準のものより小さくす
るのに一定の限度を設ける必要がある。
【0053】インクジェットヘッドの具体的構成は、各
ヘッドチップの隣接接合端部のギャップGを他のものよ
りも小さく設定する以外実施の形態1と基本的に同様で
ある。
【0054】ここで、本実施形態におけるギャップ長と
インク吐出量との具体的関係を説明する。図12はイン
ク吐出量とギャップ長の関係を示すグラフである。図1
2において、横軸はギャップ長(Å)、縦軸(図中左
側)はインク重量(ng/drop)を示している。
【0055】ピッチずれが5%あったときには、インク
吐出量を5%増すようにする。つまり、本実施の形態で
は標準の場合のインク吐出量を約21.5ng/dro
pとして、ピッチずれが5%のところではインク吐出量
を5%増して約22.5ng/dropとする。そのよ
うにインク量を増すためには、ギャップ長を標準の約1
800Åから約1400Åにする。
【0056】このように、ギャップ長を調整すること
で、インク吐出量を調整でき、ヘッドチップの接合部で
のドット抜けを防止できる。
【0057】なお、製造方法に関しても、基本的には実
施の形態1と同様であるが、電極基板を製造する際に、
各ヘッドチップにおける隣接接合端部のギャップ長が短
くなるようにする。つまり、クロムと金をスパッタで硼
珪酸ガラス基板上に成膜してエッチングマスクとしたあ
と、硼珪酸ガラス基板をフッ酸でエッチングする際の深
さを標準よりも浅くすして、段差25(図7(a)参
照)を小さくする。
【0058】実施の形態4.本実施の形態においては、
ヘッドチップの接合部においてインク吐出量を多くする
ために、特定のノズルの駆動電圧を高くなるように設定
したものである。駆動電圧を高く設定することで、振動
板に作用する静電力が高くなるので、振動板の速度が速
くなる。その結果、リザーバ内に引き込むインクの運動
エネルギーが高くなり、結果として引き込むインクの体
積も増加し、吐出量が増加することになる。
【0059】インクジェットヘッドの具体的構成及び製
造方法は基本的には実施の形態1と同様である。
【0060】ここで、本実施形態における駆動電圧とイ
ンク吐出量との関係を説明する。図13はインク吐出量
と駆動電圧の関係を示すグラフである。図13におい
て、横軸は駆動電圧(V)、縦軸(図中左側)はインク
重量(ng/drop)を示している。
【0061】ピッチずれが10%あったときには、イン
ク吐出量を10%増すようにする。つまり、本実施の形
態では標準の場合のインク吐出量を約22ng/dro
pとして、ピッチずれが10%のところではインク吐出
量を10%増して約24.2ng/dropとする。そ
のようにインク量を増すためには、駆動電圧を標準の約
29.5Vから約33Vにする。
【0062】このように、駆動電圧を調整することで、
インク吐出量を調整でき、ヘッドチップの接合部でのド
ット抜けを防止できる。
【0063】なお、駆動電圧の設定方法としては次の2
つの方法がある。一つの方法として、各ヘッドチップ隣
接接合部の間隔、及びその間隔でのドット間隔の広がり
を予め予測し、その場合にドット抜け防止に必要な駆動
電圧を実験的に予め求め、設定する方法。他の方法とし
て、ラインヘッドを組み立てた後で、ショットテストを
行い、ヘッドチップ隣接接合部の実際のドット間隔を測
定し、その測定値に基づいて駆動電圧を設定する。
【0064】なお、上記の例では静電駆動方式の場合を
例に挙げたが、本発明はこれに限られるものではなく、
振動板に圧電素子を貼り付け、この圧電素子によって振
動板を振動させる圧電駆動方式のものも含む。
【0065】実施の形態5.本実施の形態においては、
数回の点を重ね打ちすることでドットごとに快調を表現
するいわゆるマルチドロップ方式のインクジェットヘッ
ドにおいて、この技術を利用して、ヘッドチップ隣接接
続部のドット抜けを防止しようというものである。ま
ず、マルチドロップ方式の概要を説明する。マルチドロ
ップ方式は、複数の液滴を実質的同一箇所に重ねて着弾
させ1つの画素を形成するものである。図14はこのマ
ルチドロップ方式による画素形成の説明図である。
【0066】一般に液滴が印刷用紙等の被記録材上に着
弾してもインクが浸透するまでに数百msec以上の時
間が必要である。このため、被記録材105上に先行液
滴が着弾すると被記録材上には半球状の液滴107が形
成される。そこで、この被記録材上の先行液滴に後続液
滴109を重ねて着弾させることにより、より大きな半
球上の液滴111を被記録材上に形成することができ、
重ねあわせる液滴数を変えることで画素113を大きさ
を制御することが可能である。例えば、被記録材上の1
画素(1ドット)を最大7個の液滴を重ねることにより
形成する場合は、図15に示すように7種類の大きさの
画素を自在に得ることができる。ここでnは1画素を形
成するために被記録材上の実質的同一箇所に着弾させる
液滴の個数である。
【0067】以上のように、マルチドロップ方式を用い
ることで、被記録材上の実質的同一箇所に着弾させる液
滴の個数を変えることができ、ドットの大きさを変える
ことができる。そこで、この実施の形態では、各ヘッド
チップの隣接接合部において着弾させる液滴の数を増や
し、ドットの大きさを大きくすることにより、ドット抜
けを防止するものである。ここで階調性とショット数の
具体例を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1に示した例は階調性を0〜6の7階調
とし、ショット数を0〜7の8段階としている。そし
て、隣接接合端部のノズルについて15%のピッチずれ
があることを想定して、隣接接合端部のノズルについて
は変則的な階調制御を行っている。つまり、標準ノズル
では0〜6階調のそれぞれに対応してショット数をそれ
ぞれ0〜6とする。他方、隣接接合端部のノズルについ
ては0〜2階調までは、各階調に対応してショット数を
それぞれ0〜2とし、3〜6階調のショット数を標準の
ものに1ショット加えた4〜7ショットとする。なお、
表1の最も右欄には目標とするインク吐出量を「ねらい
値」として示している。
【0070】このように、階調性の制御を利用すること
で、インク吐出量を調整でき、ヘッドチップの接合部で
のドット抜けを防止できる。なお、本実施の形態におい
ては、ヘッドチップ隣接接合部の間隔が予めわかってい
る場合には、階調性制御方法を予め設定しておくことが
できる。また、ラインヘッドを組み立てた後で、ショッ
トテストを行ってヘッドチップ接合部の実際のドット間
隔を測定し、その測定値に基づいて階調性制御の制御方
法を設定するようにしてもよい。
【0071】なお、上記の例では、隣接接合端部の一つ
のノズルについての階調制御によってドット抜けを防止
しているが、各チップヘッドの接合部の隣り合う2個の
ノズルの階調制御によってドット抜けを防止するように
してもよい。
【0072】インクジェットヘッドの具体的構成は実施
の形態1の場合と同様の静電駆動方式のもの、あるいは
圧電素子によるものでもよい。またあるいは、インクを
加熱して気泡を発生させることによる圧力でインクを吐
出させるものでもよい。
【0073】実施の形態6. (印刷装置)図16に本発明の実施の形態4である印刷
装置の外観斜視図を示す。また、図17には、図16に
て示した印刷装置の主要構成部分の概略構成を示す。印
刷装置150には実施の形態1乃至3で示したラインイ
ンクジェットヘッド151が搭載されている。
【0074】印刷装置150の構成を説明する。印刷装
置150は記録範囲を包含するように配列されたライン
インクジェットヘッド151と、このラインインクジェ
ットヘッド151による記録位置を経由させて記録紙6
4を搬送する送りローラ154と、記録紙64を押さえ
る紙押さえローラ153等を含む搬送機構155と、ラ
インインクジェットヘッド151にインクを供給するイ
ンクパイプ156等を含むインク供給機構157とを備
えている(主に図17参照)。
【0075】インク供給機構157は、インクを収容す
るインクタンクと、インクをラインインクジェットヘッ
ド151に送ると同時に回収するインク循環ポンプ機構
と、インクタンクと、インク循環ポンプ機構およびライ
ンインクジェットヘット151の間に配管されたインク
パイプ156とからなり、これらがインク供給機構15
7の収容部158(図16参照)に収容されている。
【0076】印刷装置150は、上記構成の他、制御回
路部分を含む構成となっている。制御回路部分は、ライ
ンインクジェットヘット151、搬送機構155、イン
ク供給機構157を駆動制御すると共に、スキャナや、
ネットワーク等の上位装置とのデータの送受信を行な
う。
【0077】以上のように構成された印刷装置150で
は、記録紙64の搬送速度に応じて、ラインインクジェ
ットヘッド155から適時、インク液滴を吐出して、記
録紙64へ文字や画像を印刷する。つまり搬送機構15
5に取り付けられた不図示の検出機構により、送りロー
ラ154の回転角度や速度を検出し、検出された搬送速
度に対応して制御部がヘッドの駆動タイミングを制御し
て、ラインインクジェットヘッドよりインクを吐出させ
て印刷を行う。これにより、鮮明な印刷を高速で行なう
ことができる。
【0078】本実施の形態によれば、インクジェットヘ
ッドを記録紙幅方向に移動させることなく記録紙64を
送るのみの動作にて印刷ができるので、極めて印刷速度
を高めることができる。また、装置の構成が単純化で
き、製造が簡単になり、駆動回路が複雑化することな
く、高速印刷を実現できる。
【0079】実施形態7.本発明の実施形態7として上
述の実施形態1乃至5のインクジェットヘッドを搭載し
たカラーフィルタの製造装置について説明する。
【0080】上述の実施形態1乃至5のインクジェット
ヘッドを、カラーフィルタの製造装置に応用する際に
は、インクジェットヘッドの分解能とカラーフィルタの
画素ピッチを合わせるために、インクジェットヘッドを
カラーフィルタ基板に対して斜めに配置して、画素ピッ
チを合わせて用いるが、その点について図18を参照し
て説明する。
【0081】図18はインクジェットヘッドによりカラ
ーフィルタの画素を着色している様子を上から見た図で
あり、インクジェットヘッドについては、ノズル列の位
置のみを示している。また、決められたパターンのうち
赤に着色されるべき部分を着色しているときの様子を示
す。なお、図18において各画素に描かれているR,
G,Bの文字はそれぞれの画素が赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)に着色されることを示している。
【0082】ノズル列310はインクジェットヘッドに
形成されており、ここからインクが吐出されて基板上に
インクドットが形成される。カラーフィルタの画素(フ
ィルタエレメント)311は基板上にインクドットが形
成される部分である。
【0083】図18の例では、カラーフィルタの画素の
間隔P1とインクジェットヘッドのノズル間隔P2とが
一致していないことから、ヘッドを角度θ傾けて、Y方
向に3つ毎に並ぶ同じ色の画素の位置と5個毎のノズル
から吐出されるインクの位置を一致させ、インクジェッ
トヘッドを図中のX方向に相対的に動かしながらインク
ドットを画素311の中に形成することにより、画素内
を着色する。これを赤、緑、青それぞれのインクを吐出
するインクジェットヘッドで行うことによりカラーフィ
ルタを製造する。このため、この図に示された赤の画素
を着色するためのインクジェットヘッドでは右下から数
えて2番目、7番目、12番目のノズルは吐出を行い、
ほかのノズルは吐出しない。
【0084】なお、この例では、インクジェットヘッド
として、ノズルピッチ360dpi(70.5μm)の
一般的なインクジェット方式のヘッドを用いている。ま
た、カラーフィルタとして、画素間の間隔100μmの
ものを示している。
【0085】なお、カラーフィルタをフルカラー表示の
ための光学要素として用いる場合には、R,G,Bの3
色のフィルタエレメントを1つのユニットとして1つの
画素を形成するが、このフィルタエレメントの配列に
は、例えば図19(a)に示されるストライプ配列、図
19(b)に示されるモザイク配列、図19(c)に示
されるデルタ配列等が知られている。ストライプ配列
は、マトリクスの縦列が全て同色になる配色である。モ
ザイク配列は、縦横の直線上に並んだ任意の3つのフィ
ルタエレメントがR,G,Bの3色となる配色である。
そして、デルタ配列は、フィルタエレメントの配置を段
違いにし、任意の隣接する3つのフィルタエレメントが
R,G,Bの3色となる配色である。
【0086】図20は上述の実施形態のインクジェット
ヘッドを搭載したカラーフィルタの製造装置の概要を示
した図である。演算部400は描画イメージ(カラーフ
ィルタの画素の配列パターン)401及びノズル切り替
え信号402を生成して出力する。描画イメージ(カラ
ーフィルタの画素の配列パターン)401は、基板50
0上に形成するべき各インクドットの相対位置関係を示
すデータである。ノズル切り替え信号402はカラーフ
ィルタの画素の各点と対応するノズルの切り替えを指示
する。なお、ノズル群の切り替えの具体的な方法を図1
8を用いて説明すると、はじめに右から数えて2、7、
12番目のノズル群を使用しているとすると、その次は
3、8、13番目のノズル群、さらにその次は4、9、
14番目のノズル群と順送りにするのが容易であるが、
他の方法によってもかまわない。
【0087】また、ノズル群の切り替えは、現在使用し
ているノズルの寿命がきたときに順次行うものとする。
ノズルの寿命は、例えば1つのノズル群の使用時間に基
づいて判定され、1つのノズル群の使用時間が所定時間
に達した場合に、寿命がきたと判定する。
【0088】描画データ生成装置403は、ノズル切り
替え信号402に従って基板上の各画素とノズルの関連
付けを行うことにより、各インクドットの基板上の絶対
位置のデータである描画データを生成する。この際、ノ
ズルが切り替えられると、それに伴って、切り替え前後
のノズルの位置の変化をノズル配置に関する既知のデー
タから計算し、ノズル切り替え前後の各インクドット形
成時のステージ408の位置をその分だけ変化させる。
【0089】ドライバー404は、描画データに従い、
インクジェットヘッド405、送り装置406,407
を駆動することにより描画データ通りのインクドットを
基板500上に形成する。インクジェットヘッド405
は、赤色のインクを吐出する赤色ヘッド405a、緑色
のインクを吐出する緑色ヘッド405b、青色のインク
を吐出する青色ヘッド405cを備えている。送り装置
406,407は、ドライバー404からの信号に応じ
てステージ408の位置をそれぞれX方向、Y方向に動
かす。ステージ408は着色される基板500を保持す
る。上記構成により、基板500上に描画イメージ40
1に応じた描画パターンが生成される。
【0090】なお、本実施形態ではノズル切り替えに伴
う、ノズル位置のずらし量に相当する基板と描画ヘッド
の位置関係の変化をノズルのノズル配置に関する既知の
データから推定しているが、画像処理装置などにより、
実際に各ノズルにより形成されるインクドットの位置関
係を測定しても良い。
【0091】図21は上述の実施形態7のカラーフィル
タ製造装置によりカラーフィルタを製造する過程を工程
順に模式的に示した図である。
【0092】(a)まず、図21(a)に示されるよう
に、マザー基板512の表面に透光性のない樹脂材料に
よって隔壁506を矢印B方向から見て格子状パターン
に形成する。格子状パターンの格子穴の部分507はフ
ィルタエレメント503が形成される領域、すなわちフ
ィルタエレメント領域である。この隔壁506によって
形成される個々のフィルタエレメント領域507の矢印
C方向から見た場合の平面寸法は、例えば30μm×1
00μm程度に形成される。
【0093】隔壁506は、フィルタエレメント領域5
07に供給されるフィルタエレメント材料の流動を阻止
する機能及びブラックマトリクスの機能を併せて有す
る。また、隔壁506は任意のパターニング手法、例え
ばフォトリソグラフィー法によって形成され、さらに必
要に応じてヒータによって加熱されて焼成される。
【0094】(b)隔壁506の形成後、図21(b)
に示されるように、フィルタエレメント材料の液滴50
8を各フィルタエレメント領域507に供給することに
より、各フィルタエレメント領域507をフィルタエレ
メント材料513で埋める。図21(b)において、符
号513RはR(赤)の色を有するフィルタエレメント
材料を示し、符号513GはG(緑)の色を有するフィ
ルタエレメント材料を示し、そして符号513BはB
(青)の色を有するフィルタエレメント材料を示してい
る。
【0095】(c)各フィルタエレメント領域507に
所定量のフィルタエレメント材料が充填されると、ヒー
タによってマザー基板512を例えば70℃程度に加熱
して、フィルタエレメント材料の溶媒を蒸発させる。こ
の蒸発により、図21(c)に示されるようにフィルタ
エレメント材料513の体積が減少し、平坦化する。体
積の減少が激しい場合には、カラーフィルタとして十分
な膜厚が得られるまで、フィルタエレメント材料の液滴
の供給とその液滴の加熱とを繰り返して実行する。以上
の処理により、最終的にフィルタエレメント材料の固形
分のみが残留して膜化し、これにより、希望する各色フ
ィルタエレメント503が形成される。
【0096】(d) 以上によりフィルタエレメント5
03が形成された後、それらのフィラメント503を完
全に乾燥させるために、所定の温度で所定時間の加熱処
理を実行する。その後、例えば、スピンコート法、ロー
ルコート法、リッピング法、又はインクジェット法等と
いった適宜の手法を用いて、図21(d)に示されるよ
うに、保護膜504を形成する。この保護膜504は、
フィルタエレメント503等の保護及びカラーフィルタ
501の表面の平坦化のために形成される。
【0097】以上のように本実施形態5によれば、工程
上、3色の加法原色のカラーフィルタ材料を1度で塗布
することもできるし、カラーフィルタ材料を直接フィル
タエレメントに吐出するので無駄に消費することもな
い。このため、歩留まりを向上させることができ、コス
トパフォーマンスがよいカラーフィルタ製造装置を得る
ことができる。特に、従来方法よりも格段に低コストで
作成できるので、インクジェットヘッドのコストを考え
ても、コストパフォーマンスがよいカラーフィルタを得
ることができる。また、カラーフィルタ材料を無駄にせ
ず環境によい。
【0098】実施形態8.本実施形態8においては、上
述の実施形態のインクジェットヘッドを用いた有機EL
基板製造装置により有機EL基板を作成する手順につい
て説明する。この場合の有機EL基板製造装置は、上記
の実施形態5で説明したカラーフィルタ製造装置(図2
0)の構成をほとんど適用することができるので、その
構成の図示は省略するものとする。
【0099】図22は本実施形態6に係るEL装置の製
造方法の主要工程及び最終的に得られるEL装置の主要
断面構造を示した図である。EL装置601は、図22
(d)に示されるように、透明基板604上に画素電極
602が形成され、各画素電極602間にバンク605
が矢印G方向から見て格子状に形成され、それらの格子
状凹部の中に正孔注入層620が形成され、矢印G方向
から見てストライプ配列等といった所定配列となるよう
に、R色発光層603R、G色発光層603G及びB色
発光層603Bが各格子状凹部の中に形成され、さらに
それらの上に対向電極613が形成されている。
【0100】上記の画素電極602をTFD(薄膜ダイ
オード)素子等といった2端子型のアクティブ素子によ
って駆動する場合には、上記対向電極613は矢印G方
向から見てストライプ状に形成される。また、画素電極
602をTFT(薄膜トランジスタ)等といった3端子
型のアクティブ素子によって駆動する場合には、上記の
対向電極613は単一な面電極として形成される。
【0101】各画素電極602と各対向電極613とに
よって挟まれる領域が1つの絵素ピクセルとなり、R,
G,B3色の絵素ピクセルが1つのユニットとなって1
つの画素を形成する。各絵素ピクセルを流れる電流を制
御することにより、複数の絵素ピクセルのうちの希望す
るものを選択的に発光させ、これにより矢印H方向に希
望するフルカラー像を表示することができる。
【0102】上記のEL装置601は例えば次のように
製造される。(a)図22(a)に示されるように、透
明基板604の表面にTFD素子やTFT素子等といっ
た能動素子を形成し、さらに画素電極602を形成す
る。形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィー
法、真空状着法、スパッタリング法、パイロゾル法等を
用いることができる。画素電極の材料としてはITO
(Indium Tin Oxide)、酸化スズ、酸化インジウムと酸
化亜鉛との複合酸化物等を用いることができる。
【0103】次に、隔壁すなわちバンク605を周知の
パターニング手法、例えばフォトリソグラフィー法を用
いて形成し、このバンク605によって各透明電極60
2の間を埋める。これにより、コントラストの向上、発
光材料の混色の防止、画素と画素との間からの光漏れ等
を防止することができる。バンク605の材料として
は、EL材料の溶媒に対して耐久性を有するものであれ
ば特に限定されないが、フロロカーボンガスプラズマ処
理によりテフロン(登録商標)化できること、例えば、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミド等とい
った有機材料が好ましい。
【0104】次に、正孔注入層用インクを塗布する直前
に、基板604に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズ
マの連続プラズマ処理を行う。これにより、ポリイミド
表面は撥水化され、ITO表面は親水化され、インクジ
ェット液滴を微細にパターニングするための基板側の濡
れ性の制御ができる。プラズマを発生する装置として
は、真空中でプラズマを発生する装置でも、大気中でプ
ラズマを発生する装置でも同様に用いることができる。
【0105】次に、正孔注入層用インクをインクジェッ
トヘッドから吐出し、各画素電極602の上にパターニ
ング塗布を行う。その後、大気中、20℃(ホットプレ
ート上)、10分の熱処理により、発光層用インクと相
溶しない正孔注入層620を形成する。膜厚は例えば4
0nm程度である。
【0106】(b)次に、図22(b)に示されるよう
に、各フィルタエレメント領域内の正孔注入層620の
上にインクジェット手法を用いてR発光層用インク及び
G発光層用インクを塗布する。ここでも、各発光層用イ
ンクは、インクジェットヘッドから吐出する、インク組
成物の固形分濃度及び吐出量を変えることにより膜厚を
変えることが可能である。
【0107】発光層用インクの塗布後、真空(1tor
r)中、室温、20分等という条件で溶媒を除去し(工
程P58)、続けて窒素雰囲気中、150℃、4時間の
熱処理により共役化させてR色発光層603R及びG色
発光層603Gを形成する。膜厚は50nm程度であ
る。熱処理により共役化した発光層は溶媒に不溶であ
る。ここで、R色発光層603Rには例えばローダミン
BをドープしたPPV(ポリパラフェニレンビニレン)
のキシレン溶液が用いられる。また、G色発光層603
Gには例えばMEH・PPVのキシレン溶液が用いられ
る。B色発光層603Bには例えばクマリンをドープし
たPPVのキシレン溶液が用いられる。
【0108】なお、発光層を形成する前に正孔注入層6
20に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プ
ラズマ処理を行っても良い。これにより、正孔注入層6
20上にフッ素化物層が形成され、イオン化ポテンシャ
ルが高くなることにより正孔注入効率が増し、発光効率
の高い有機EL装置を提供できる。
【0109】(c)次に、図22(c)に示されるよう
に、B色発光層603Bを各絵素ピクセル内のR色発光
層603R、G色発光層603G及び正孔注入層620
の上に重ねて形成する。これにより、R,G,Bの3原
色を形成するのみならず、R色発光層603R及びG色
発光層603Gとバンク605との段差を埋めて平坦化
することができる。これにより、上下電極間のショート
を確実に防ぐことができる。B色発光層603Bの膜厚
を調整することで、B色発光層603BはR色発光層6
03R及びG色発光層603Gとの積層構造において、
電子注入輸送層として作用してB色には発光しない。
【0110】以上のようなB色発光層603Bの形成方
法としては、例えば湿式法として一般的なスピンコート
法を採用することもできるし、あるいは、R色発光層6
03R及びG色発光層603Gの形成法と同様のインク
ジェット法を採用することもできる。
【0111】(d)その後、図22(d)に示されるよ
うに、対向電極613を形成することにより、目標とす
るEL装置601を製造する。対向電極613はそれが
面電極である場合には、例えば、Mg,Ag,Al,L
i等を材料として、蒸着法、スパッタ法等といった成膜
法を用いて形成できる。また、対向電極613がストラ
イプ状電極である場合には、成膜された電極層をフォト
リソグラフィー法等といったパターニング手法を用いて
形成できる。
【0112】なお、以上に説明したEL装置の製造方法
においては、インクジェットヘッドの制御方法として、
図22における各絵素ピクセル内の正孔注入層620及
びR,G,B各色発光層603R,603G,603B
に、インクジェットヘッドの1回の主走査Xによって形
成するのではなく、1個の絵素ピクセル内の正孔注入層
及び/又は各色発光層を複数のノズルによってn回、例
えば4回、重ねてインク吐出を受けることにより所定の
膜厚を形成するようにしてもよい。このようにすること
により、仮に複数のノズル間においてインク吐出量にバ
ラツキが存在する場合でも、複数の絵素ピクセル間で膜
厚にバラツキが生じることを防止でき、それ故、EL装
置の発光面の発光分布特性を平面的に均一にすることが
できる。このことは、図22(d)のEL装置601に
おいて、色むらのない鮮明なカラー表示が得られるとい
うことを意味している。
【0113】以上のように、本実施形態のEL装置の製
造方法によれば、インクジェットヘッドを用いたインク
吐出によってR,G,Bの各色絵素ピクセルを形成する
ので、フォトリソグラフィー法を用いる方法のような複
雑な工程を経る必要も無く、また、材料を浪費すること
も無い。
【0114】また、EL装置に発光層等を形成する方法
として、従来では、例えば金属染料等を発光層に蒸着さ
せる方法が採られているが、インクジェット方式で有機
EL基板の製造を行うと、電界発光素子となる高分子有
機化合物の塗布とパターニングとが一度で行える。ま
た、目的の位置に直接吐出するので、電界発光素子とな
る有機化合物を無駄にせず必要最小限の量を吐出するだ
けで済む。
【0115】また、R,G,B各色発光層603R,6
03G,603Bに用いられる有機化合物及び溶液は各
種のものがあるので、特に上記に示したものでなくても
よい。また、中間色を発色するような材料を用いてもよ
い。但し、それぞれの材料によって重量、粘度等が変わ
るので、吐出する材料に応じて、インク重量及びインク
スピードを調整しておく必要がある。
【0116】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ピッチの
ずれのあるノズルからのインク吐出量を調整するように
したので、ピッチずれによるドット抜けを簡易な手段で
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の要部の説明図である。
【図2】本発明の実施形態1の全体構成の説明図であ
る。
【図3】本発明の実施形態1におけるノズル径とインク
重量の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッ
ドの一部の分解斜視図である。
【図5】図2のインクジェットヘッドの断面側面図であ
る。
【図6】図2のインクジェットヘッドを構成するヘッド
チップ基板(流路基板)の製造方法の説明図である。
【図7】図2のインクジェットヘッドを構成するヘッド
チップ基板(ガラス電極基板)の製造方法の説明図であ
る。
【図8】図2のインクジェットヘッドを構成するヘッド
チップ基板(カバーガラス)の製造方法の説明図であ
る。
【図9】図2のインクジェットヘッドにおけるノズル、
吐出室、隔壁の配置関係の説明図である。
【図10】図2のインクジェットヘッドの組立工程の説
明図である。
【図11】本発明の実施形態2における振動板長さとイ
ンク重量の関係を示すグラフである。
【図12】本発明の実施形態3におけるギャップ長とイ
ンク重量の関係を示すグラフである。
【図13】本発明の実施形態4における駆動電圧とイン
ク重量の関係を示すグラフである。
【図14】本発明の実施形態5のマルチドロップ方式の
原理説明図である。
【図15】本発明の実施形態5におけるショット数とド
ットとの関係の説明図である。
【図16】本発明の実施形態6である印刷装置の外観斜
視図である。
【図17】図17に示した印刷装置の主要構成部分の構
成の説明図である。
【図18】インクジェットヘッドによりカラーフィルタ
の画素を着色している様子を上から見た状態を示した図
である。
【図19】カラーフィルタのフィルタエレメントの配列
例を示した説明図である。
【図20】本発明の実施形態7に係るカラーフィルタの
製造装置の概要を示した図である。
【図21】図20のカラーフィルタ製造装置によりカラ
ーフィルタを製造する過程を工程順に模式的に示した図
である。
【図22】本発明の実施形態8に係るEL装置の製造方
法の主要工程及び最終的に得られるEL装置の主要断面
構造を示した図である。
【符号の説明】
1 流路基板 2 ガラス電極基板 3 カバーガラス 4 ノズル孔 5 振動板 6 吐出室 100 ヘッドチップ 150 印刷装置
フロントページの続き (72)発明者 荒川 克治 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EC08 EC42 EC72 FA13 FB01 HA05 HA21 HA22 2C057 AF93 AG13 AG54 AJ10 AM13 AM22 AN05 AP13 AP21 BA03 BA12 BA14 2H048 BA02 BA11 BA55 BA64 BB02 BB41 BB42

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
    エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
    インクジェットヘッドにおいて、 前記複数のノズル孔間ピッチを補正するようにピッチず
    れのあるノズル孔から吐出するインクの量を設定したこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
    エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
    インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
    なるインクジェットヘッドにおいて、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップ間におけるノズル孔間のピッチずれを補正するよ
    うに前記複数のインクジェットヘッドチップにおける各
    隣接接合側端部のノズル孔から吐出するインク量を設定
    したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
    エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
    インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
    なるインクジェットヘッドにおいて、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部のノズル孔径を他のノ
    ズル孔径よりも大きく設定したことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
    エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
    インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
    なるインクジェットヘッドにおいて、 前記エネルギー発生素子は、吐出室の少なくとも一方の
    壁に形成された振動板を備えてなり、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部の振動板の面積を他の
    振動板よりも大きく設定したことを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  5. 【請求項5】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
    エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
    インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
    なるインクジェットヘッドにおいて、 前記エネルギー発生素子は、吐出室の少なくとも一方の
    壁に形成された振動板と、該振動板と所定のギャップを
    介して対向配置されると共に駆動電圧の印加により該振
    動板を静電気力により変形させる電極とを備えてなり、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部のノズルの前記ギャッ
    プを他のノズルの前記ギャップよりも小さく設定したこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
    エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
    インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
    なるインクジェットヘッドにおいて、 前記エネルギー発生素子は、吐出室の少なくとも一方の
    壁に形成された振動板と、駆動電圧の印加により該振動
    板を変形させる振動板駆動手段とを備えてなり、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部の振動板駆動手段に加
    える駆動電圧を他の振動板駆動手段に加える駆動電圧よ
    りも大きく設定したことを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する独立した吐出室と、該吐出室内のインクに吐出
    エネルギーを与えるエネルギー発生素子とを備えてなる
    インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
    なるインクジェットヘッドにおいて、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部のノズルから吐出され
    るインク滴数を他のノズルから吐出されるインク滴数よ
    りも多く設定したことを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 複数のノズル孔が形成されたノズルプレ
    ートと、該ノズル孔の各々に連通する独立した吐出室が
    形成されたプレートと、該吐出室内のインクに吐出エネ
    ルギーを与えるエネルギー発生素子が形成されたプレー
    トとを接合してなるインクジェットヘッドチップをライ
    ン状に複数配列してなるインクジェットヘッドの製造方
    法において、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部のノズル孔径が他のノ
    ズル孔径よりも大きくなるように前記ノズルプレートに
    パターニングしてフォトリソ加工することを特徴とする
    インクジェットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 複数のノズル孔が形成された第1プレー
    トと、該ノズル孔の各々に連通する独立した吐出室及び
    該吐出室内のインクに吐出エネルギーを与える振動板が
    形成された第2プレートと、該振動板を変形させる振動
    板駆動手段が形成された第3プレートとを接合してなる
    インクジェットヘッドチップをライン状に複数配列して
    なるインクジェットヘッドの製造方法において、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部の振動板の面積が他の
    振動板の面積よりも大きくなるように前記第2プレート
    にパターニングしてフォトリソ加工することを特徴とす
    るインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 複数のノズル孔が形成された第1プレ
    ートと、該ノズル孔の各々に連通する独立した吐出室及
    び該吐出室内のインクに吐出エネルギーを与える振動板
    が形成された第2プレートと、該振動板と所定のギャッ
    プを介して対向配置されると共に駆動電圧の印加により
    該振動板を静電気力により変形させる電極が形成された
    第3プレートとを接合してなるインクジェットヘッドチ
    ップをライン状に複数配列してなるインクジェットヘッ
    ドの製造方法において、 ライン状に配列された前記複数のインクジェットヘッド
    チップにおける各隣接接合側端部のノズルの前記ギャッ
    プが他のノズルの前記ギャップよりも小さくなるように
    前記第3プレートを加工することを特徴とするインクジ
    ェットヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至7の何れかに記載のイン
    クジェットヘッドを搭載したことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至10の何れかに記載のイ
    ンクジェットヘッド製造法によりインクジェットヘッド
    を製造し、当該インクジェットへッドを搭載することを
    特徴とするインクジェット記録装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至7の何れかに記載のイン
    クジェットヘッドが搭載されたことを特徴とするカラー
    フィルタの製造装置。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至10の何れかに記載のイ
    ンクジェットヘッドの製造方法によりインクジェットヘ
    ッドを製造し、そのインクジェットヘッドを搭載したこ
    とを特徴とするカラーフィルタの製造装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至7の何れかに記載のイン
    クジェットヘッドが搭載されたことを特徴とする電界発
    光基板製造装置。
  16. 【請求項16】 請求項8乃至10の何れかに記載のイ
    ンクジェットヘッドの製造方法によりインクジェットヘ
    ッドを製造し、そのインクジェットヘッドを搭載したこ
    とを特徴とする電界発光基板製造装置の製造方法。
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