JP2003180353A - ヒトgタンパク質結合レセプター - Google Patents

ヒトgタンパク質結合レセプター

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JP2003180353A
JP2003180353A JP2002340172A JP2002340172A JP2003180353A JP 2003180353 A JP2003180353 A JP 2003180353A JP 2002340172 A JP2002340172 A JP 2002340172A JP 2002340172 A JP2002340172 A JP 2002340172A JP 2003180353 A JP2003180353 A JP 2003180353A
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receptor
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Li Yi
イ リ,
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトATPレセプターポリペプチドおよびこ
れらをコードする核酸、これらの組換え産生手順、これ
らに対するアンタゴニスト/アゴニストを同定するため
のこれらの利用方法、ATPレセプターポリペプチドの
過小発現および過剰発現に関連する症状を治療的に処置
するためのそのアゴニスト/アンタゴニストの使用方
法、ならびにATPレセプター核酸配列中の変異および
宿主由来の試料中のレセプターの可溶性形態のレベルを
検出するための診断方法を提供すること。 【解決手段】 以下からなる群から選択されるメンバー
と少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド
を含む単離されたポリヌクレオチド:(a)図1に示さ
れるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド;(b)(a)のポリヌクレオチドに相補
的であるポリヌクレオチド;および(c)(a)または
(b)のポリヌクレオチドの少なくとも30塩基を含む
ポリヌクレオチド。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定された
ポリヌクレオチド、このようなポリヌクレオチドにより
コードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチ
ドおよびポリペプチドの使用、ならびにこのようなポリ
ヌクレオチドおよびポリペプチドの産生に関する。本発
明のポリペプチドは、ヒト7−膜貫通Gタンパク質結合
レセプターである。より詳細には、7−膜貫通結合レセ
プターは、ヒトATPレセプターとして推測的に同定さ
れている。本発明はまた、このようなポリペプチドの作
用を阻害することに関する。 【0002】 【従来の技術】多数の医学的に重要な生物学的プロセス
が、Gタンパク質および/またはセカンドメッセンジャ
ー(例えば、cAMP)を含むシグナル伝達経路に関与
するタンパク質により媒介されることは、十分に確立さ
れている(Lefkowitz,Nature,35
1:353−354(1991))。本明細書中では、
これらのタンパク質を、Gタンパク質とともに経路に関
与するタンパク質またはPPGタンパク質という。これ
らのタンパク質のいくつかの例としては、Gタンパク質
結合(GPC)レセプター(例えば、アドレナリン作用
性薬剤およびドーパミンに対するGPCレセプター(K
obilka,B.K.ら,PNAS,84:46−5
0(1987);Kobilka,B.K.ら,Sci
ence,238:650−656(1987);Bu
nzow,J.R.ら,Nature,336:783
−787(1988)))、Gタンパク質それ自体、エ
フェクタータンパク質(例えば、ホスホリパーゼC、ア
デニルシクラーゼ、およびホスホジエステラーゼ)、な
らびにアクチュエータータンパク質(actuator
protein)(例えば、プロテインキナーゼAおよ
びプロテインキナーゼC)(Simon,M.I.ら,
Science,252:802−8(1991))が
挙げられる。 【0003】例えば、シグナル伝達の1つの形態では、
ホルモン結合の効果は、細胞内における酵素アデニル酸
シクラーゼの活性化である。ホルモンによる酵素の活性
化は、ヌクレオチドGTPの存在に依存し、そしてGT
Pはまた、ホルモン結合に影響を与える。Gタンパク質
は、ホルモンレセプターをアデニル酸シクラーゼに連結
させる。Gタンパク質は、ホルモンレセプターにより活
性化されると、GTPをGDP結合型に変換することが
示された。次いで、GTPを有する形態は、活性化され
たアデニル酸シクラーゼに結合する。GTPのGDPへ
の加水分解は、Gタンパク質それ自体により触媒され、
Gタンパク質をその基底の不活性な形態に戻す。従っ
て、Gタンパク質は、シグナルをレセプターからエフェ
クターに中継する中間物として、およびシグナルの持続
時間を制御する時計としての2つの役割を果たす。 【0004】ATPのような細胞外ヌクレオチドは、血
小板凝集、血管収縮、細胞分割、心筋および骨格筋収
縮、ならびに末梢および中枢神経伝達を含む多数の生物
学的機能に影響し得る。Gordon,J.L.、Bi
ochem.J.233:309−319(198
6)。これらのATPの細胞外作用は、Burnsto
ckG((1978)Cell Membrane r
eceptors forDrugs and Hor
mones:A multidisciplinary
approach(Straub,R.W.およびB
olis L.編)107〜118頁、Raven P
ress,New York))によってPレセプタ
ーとして分類されたプリン性レセプターを通じて媒介さ
れる。Pレセプターは、平滑筋張力を増大させるAT
Pアナログの能力の順序に基づいて、PxおよびP
yに下位分類される(Burnstock G.および
Kennedy,C.,Gen.Pharmacol.
16:433−440(1985))。より最近では、
プリン性レセプターサブタイプの数がさらに拡張され
(Burnstock G.,Cell Membra
ne receptors for Drugs an
d Hormones:A multidiscipl
inary approach(Straub,R.
W.およびBolis L.編)107〜118頁、R
aven Press,New York(197
8))、ATPによりアンタゴナイズされたことにより
ADPによって刺激されるPtレセプターサブタイ
プ、UTPならびにATPを認識するPuレセプター
サブタイプ(Murrin、R.J.A.およびBop
arder,M.R.Mol.Pharmacol.4
1:561−568(1992))、およびATP4−
を認識し、そして細胞膜の透過を生じるPzレセプタ
ーサブタイプが追加された。 【0005】多数の神経性特徴を有し、そして神経モデ
ルとして使用されているPC12細胞において、細胞外
ATPは、迅速なかつ一過性の細胞内カルシウムレベル
の増大および神経伝達物質の放出を生じた(Fasol
ato,C.Pizzo,P.およびPozzan,
T.,J.Biol.Chem.265:20351−
20355(1990);Sela,D.,Ram,
E.およびAtlas,D.J.Biol.Chem.
266:17990−17994(1991);Maj
id,M.A.,Okajima,F.およびKond
o,Y.,Biochem.Biophy.Acta
1136:283−289(1992))。PC12細
胞上のプリン性Pレセプターは、この相互作用を可能
にする。新規のPレセプターは、ATP刺激による
[Ca2+]の増大およびα−35S−ATP結合の特
性(Kim,W.K.およびRabin,R.A.,
J.Bio.Chem.,269(9):6471−6
477(1994))の測定に基づいて発見された。 【0006】代謝におけるヌクレオチドの役割は、よく
確立されているが、細胞外トランスミッター、レギュレ
ーター、またはモジュレーターとしてのそれらの潜在的
な重要性は最近認識された。細胞外ATPは、多くの細
胞型および調製物でのイノシトールリン脂質反転の刺激
および膜伝導性の活性化のような種々の応答を誘導する
ことが示されている(Burnstock,G.,Nu
cleosidesNucleotides 10:9
17−930(1991);Bean,B.P.,Tr
ends Pharmacol Sci.13:87−
90(1992);Edwards F.A.,Gib
b,A.J.およびColquhoun,D.,Nat
ure(London)359:144−147(19
92);Kastritsis,C.H.C.,Sal
m,A.K.およびMcCarthy,K.,J.Ne
urochem.58:1277−1284(199
2))。これらの応答が、Pプリノセプター(pur
inoceptor)と称されるATPレセプターのフ
ァミリーで媒介されることは公知である。(Burns
tock,G.およびKennedy,C.,Gen.
Pharmacol.16:433−440(198
5);Gordon J.L.,Biochem.J.
233:309−319(1986);Dubyak,
G.R.,Am.J. Respir.Cell Mo
l.Biol.4;295−300(1991))、そ
のうちいくつかは、クローニングされている(Lust
ig,K.D.,Shiau,A.K.,Brake,
A.J.およびJulius,D.,Proc.Nat
l.Acad.Sci,USA 90:5113−51
17(1993);Webb,T.E.,Simon,
J.,Krishek,B.J.,Bateson,
A.N.,Smart,T.G.,King,B.
F.,Burnstock,G.,およびBarnar
d,E.A.,FEBSLett 324:219−2
25(1993);Brake,A.J., Wage
nbach,M.J.およびJulius,D.,Na
ture(London)371:519−523(1
994);Valera,S.,Hussy,N.,E
vans,R.J.,Adami,N.,North,
R.A.,Surprenant,AおよびBuel
l,G.,Nature(London)371:51
6−519(1994))。 【0007】ATPは、下垂体細胞培養物においてイノ
シトールリン酸蓄積および細胞内Ca2+代謝を刺激す
ることが示されており(Davidson,J.S.,
Wakefield,I.K.,Sohnius,
U.,van der Merwe,P.A.およびM
illar,R.P.,Endocrinology
126:80−87(1990))、そして胎児視床下
部ニューロン培養物のデータは、ATPが神経性内分泌
系において調節役割を有する可能性を示唆している(C
hen,Z.P.,Levy,A.およびLightm
an,S.L.,Brain Res.641:249
−256(1994))。ATPおよびUTPはATP
レセプターに作用して、下垂体ゴナドトロピン放出ホル
モン(GnRH)−応答細胞において迅速かつ劇的に細
胞質Ca2+を増大させる(Chen,Z.P.,Le
vy,A.,McArdle,C.A.およびLigh
tman,S.L.,Endocrinology 1
35:1280−1283(1994))。ATPレセ
プターはまた、下垂体ゴナドトロピンの顕著な放出を媒
介し得、そしてATPが下垂体細胞から細胞外に放出さ
れ得ることを媒介し得る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒトATP
レセプターポリペプチドおよびこれらをコードする核
酸、これらの組換え産生手順、これらに対するアンタゴ
ニスト/アゴニストを同定するためのこれらの利用方
法、ATPレセプターポリペプチドの過小発現および過
剰発現に関連する症状を治療的に処置するためのそのア
ゴニスト/アンタゴニストの使用方法、ならびにATP
レセプター核酸配列中の変異および宿主由来の試料中の
レセプターの可溶性形態のレベルを検出するための診断
方法を提供することを目的とする。 【0009】本発明の1つの局面によれば、新規の成熟
レセプターポリペプチド、ならびに生物学的に活性で、
かつ診断または治療に有用なそのフラグメント、アナロ
グおよび誘導体が提供される。本発明のレセプターポリ
ペプチドはヒト起源である。 【0010】本発明の別の局面によれば、本発明のレセ
プターポリペプチドをコードする単離された核酸分子が
提供され、この核酸分子は、mRNA、cDNA、ゲノ
ムDNA、ならびにそれらのアンチセンスアナログ、お
よび生物学的に活性で、かつ診断または治療に有用なそ
れらのフラグメントを含む。 【0011】本発明の別の局面によれば、ATCC寄託
番号第97333号を含むヒトcDNAにより発現され
る成熟ポリペプチドをコードする単離された核酸分子が
提供される。 【0012】本発明のさらなる局面によれば、上記ポリ
ペプチドの発現およびその後の上記ポリペプチドの回収
を促進する条件下で、本発明のレセプターポリペプチド
をコードする核酸配列を含む組換え原核生物宿主細胞お
よび/または組換え真核生物宿主細胞を培養することを
含む組換え技術によって、このようなレセプターポリペ
プチドを産生するためのプロセスが提供される。 【0013】本発明のなおさらなる局面によれば、この
ようなレセプターポリペプチドに対する抗体が提供され
る。 【0014】本発明の別の局面によれば、本発明のレセ
プターポリペプチドに結合してそれを活性化するか、ま
たはその活性化を阻害する化合物のスクリーニング方法
が提供される。 【0015】本発明のなお別の実施態様によれば、本発
明のレセプターポリペプチドに結合してそれを活性化
し、下垂体細胞の生理的応答を媒介して黄体形成ホルモ
ン放出を刺激する化合物を宿主に投与するプロセスが提
供される。 【0016】本発明の別の局面によれば、ポリペプチド
の過小発現またはレセプターポリペプチドに対するリガ
ンドの過小発現に関連した症状を処置するために、遺伝
子治療を通じて本発明のレセプターポリペプチドを投与
する方法が提供される。 【0017】本発明のなお別の実施態様によれば、本発
明のレセプターポリペプチドに結合して、そして本発明
のレセプターポリペプチドの活性化を阻害する化合物を
投与するプロセスが提供され、それらは、アンギナ、心
筋梗塞および脳卒中、血栓溶解、血管形成、ならびに嚢
胞性線維症を含む動脈血栓症の予防および/または処置
に有用である。 【0018】本発明のなお別の局面によれば、本発明の
ポリヌクレオチド配列に対して特異的にハイブリダイズ
するのに充分な長さの核酸分子を含む核酸プローブが提
供される。 【0019】本発明のさらに別の局面によれば、このよ
うなポリペプチドをコードする核酸配列中の変異に関連
した疾患を検出するため、およびレセプターポリペプチ
ドの可溶性形態の変化したレベルを検出するための診断
アッセイが提供される。 【0020】本発明のなおさらなる局面によれば、科学
的研究、DNAの合成およびDNAベクターの製造に関
連したインビトロ目的のためのこのようなレセプターポ
リペプチドまたはこのようなポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを利用するプロセスが提供される。 【0021】本発明のこれらおよび他の局面は、本明細
書中の教示から当業者に明らかであるはずである。 【0022】 【課題を解決するための手段】1つの局面において、本
発明は、以下からなる群から選択されるメンバーと少な
くとも70%の同一性を有するポリヌクレオチドを含む
単離されたポリヌクレオチド: (a)図1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド
をコードするポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的であるポリヌ
クレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なく
とも30塩基を含むポリヌクレオチド、を提供する。 【0023】好ましい実施態様において、上記ポリヌク
レオチドは、DNAであり得る。好ましい実施態様にお
いて、上記ポリヌクレオチドは、RNAであり得る。 【0024】好ましい実施態様において、上記ポリヌク
レオチドは、図1に示されるポリペプチドをコードし得
る。 【0025】さらに好ましい実施態様において、上記ポ
リヌクレオチドは、図1に示されるヌクレオチド配列を
含み得る。 【0026】さらに好ましい実施態様において、上記ポ
リヌクレオチドは、図1に示されるヌクレオチド93か
らヌクレオチド1094までを含み得る。 【0027】好ましい実施態様において、上記ポリヌク
レオチドは、図1に記載のポリペプチドの可溶性形態を
コードし得る。 【0028】別の局面において、本発明は、以下からな
る群から選択されるメンバーと少なくとも70%同一で
あるポリヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチ
ド: (a)ATCC寄託番号第97333号に含まれるヒト
cDNAにより発現される同じ成熟ポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的であるポリヌ
クレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なく
とも30塩基を含むポリヌクレオチド、を提供する。 【0029】好ましい実施態様において、上記単離され
たポリヌクレオチドは、ATCC寄託番号第97333
号に含まれるヒトcDNAにより発現される同じ成熟ポ
リペプチドをコードし得る。 【0030】好ましい実施態様において、上記単離され
たポリヌクレオチドは、ATCC寄託番号第97333
号に含まれるヒトcDNAにより発現されるポリペプチ
ドをコードし得る。 【0031】別の局面において、本発明は、上記DNA
を含むベクターを提供する。 【0032】別の局面において、本発明は、上記ベクタ
ーを含む宿主細胞を提供する。 【0033】別の局面において、本発明は、上記宿主細
胞からベクター中に含まれるヒトcDNAによってコー
ドされるポリペプチドを発現する工程、を含むポリペプ
チドを産生するプロセスを提供する。 【0034】別の局面において、本発明は、上記ベクタ
ーで細胞を形質転換またはトランスフェクトする工程で
あり、それにより、細胞がこのベクターに含まれるヒト
cDNAによってコードされるポリペプチドを発現す
る、工程を含む、細胞を産生するプロセス、を提供す
る。 【0035】別の局面において、本発明は、以下からな
る群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド: (a)図1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド
と少なくとも70%同一であるポリペプチド;および (b)(a)のポリペプチドの少なくとも30アミノ酸
残基を含むポリペプチド、を提供する。 【0036】好ましい実施態様において、上記ポリペプ
チドは、図1に示されるアミノ酸配列を有し得る。 【0037】好ましい実施態様において、本発明は、上
記ポリペプチドに対する抗体であり得る。 【0038】好ましい実施態様において、本発明は、上
記ポリペプチドに対するアゴニストであり得る。 【0039】好ましい実施態様において、本発明は、上
記ポリペプチドに対するアンタゴニストであり得る。 【0040】別の局面において、本発明は、ATPレセ
プターを活性化する必要を有する患者の処置のための方
法で、以下を含む方法:上記アゴニストの治療有効量を
患者に投与する工程、を提供する。 【0041】別の局面において、本発明は、ATPレセ
プターを阻害する必要を有する患者の処置のための方法
で、以下を含む方法:上記アンタゴニストの治療有効量
を患者に投与する工程、を提供する。 【0042】好ましい実施態様において、本発明は、上
記アゴニストがポリペプチドであり、そして治療有効量
のこのアゴニストが、このアゴニストをコードするDN
Aを患者に対して提供する工程、およびインビボでこの
アゴニストを発現させる工程により投与される、上記方
法であり得る。 【0043】好ましい実施態様において、本発明は、上
記アンタゴニストがポリペプチドであり、そして治療有
効量のこのアンタゴニストが、このアンタゴニストをコ
ードするDNAを患者に対して提供する工程、およびイ
ンビボでこのアンタゴニストを発現させる工程により投
与される、上記方法であり得る。 【0044】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドに結合し、そしてこのポリペプチドを活性化する
化合物を同定する方法で、以下を含む方法:その表面上
にATPレセプターを発現する細胞を、化合物と、この
レセプターへの化合物の結合を可能にするに充分な条件
下で、接触させる工程、このレセプターはこのレセプタ
ーへの化合物の結合に応答した検出可能なシグナルを提
供し得る第二の構成物と会合する;および化合物がこの
レセプターに結合した場合、この第二の構成物によって
生成したシグナルを検出することにより同定する工程、
を提供する。 【0045】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドに結合し、そしてこのポリペプチドの活性化を阻
害する化合物を同定する方法で、以下を含む方法:その
表面上にATPレセプターを発現する細胞を、このレセ
プターに結合することが知られる分析的に検出可能なリ
ガンドおよびスクリーニングされる化合物と、このレセ
プターへの結合を可能にする条件下で、接触させる工
程、このレセプターはこのレセプターへの化合物の結合
に応答した検出可能なシグナルを提供し得る第二の構成
物と会合する;および化合物がこのレセプターの活性化
を阻害するかどうかを、リガンドとこのレセプターの相
互作用によって生成したシグナルの不在を検出すること
により測定する工程、を提供する。 【0046】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドの過小発現に関連する疾患、または疾患に対する
感受性を診断するためのプロセスであって、以下を含む
プロセス:このポリペプチドをコードする核酸配列中の
変異を測定する工程、を提供する。 【0047】好ましい実施態様において、上記ポリペプ
チドは、ポリペプチドの可溶性フラグメントであり、そ
してこのポリペプチドに対してリガンドを結合し得る。 【0048】別の局面において、本発明は、診断プロセ
スであって、以下を含むプロセス:宿主由来の試料中の
上記ポリペプチドの存在を分析する工程、を提供する。 【0049】 【発明の実施の形態】本発明のポリヌクレオチドは、ヒ
ト胎盤由来のcDNAライブラリーで発見された。これ
は構造的にGタンパク質結合レセプターファミリーに関
連し、そしてこのファミリーの推定のメンバーである。
これは、334アミノ酸残基のタンパク質をコードする
オープンリーディングフレームを含む。このタンパク質
は、マウスPuレセプターに最も高い程度の相同性を
示し、全アミノ酸範囲にわたって29.787%の同一
性および51.064%の類似性を有する。 【0050】本発明の別の局面によれば、1995年1
1月6日に、アメリカンタイプカルチャーコレクション
(12301 Park Lawn Drive,Ro
ckville,Maryland 20852,US
A)に寄託されたATCC寄託番号第97333号に含
まれるヒトcDNAによって発現される成熟ポリペプチ
ドをコードする単離されたポリヌクレオチドが提供され
る。寄託された物質は、全長ATPレセプターcDNA
を含むpBluescript SK(−)プラスミド
である。 【0051】寄託物は、特許手続き上の微生物の寄託の
国際的承認に関するブダペスト条約の下に維持されてい
る。株は改変不可能であり、そして特許の発行の際に公
に発表される制限または条件の範囲外である。これらの
寄託物は、当業者に対する便宜として提供されるにすぎ
ず、そして米国特許法第112条第35項の下で寄託が
必要とされることを認めたわけではない。寄託物に含ま
れるポリヌクレオチドの配列、ならびにそれによりコー
ドされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中に
参考として援用され、そして本明細書中の配列の記載と
のいかなる矛盾も抑えている。寄託物を製造し、使用
し、または販売するためには実施許諾が必要とされ得、
そしてそのような実施許諾はこれによって与えられるわ
けではない。本明細書中にわたる「ポリヌクレオチド」
の参照は、上記に寄託したDNAを含む。 【0052】本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形
態またはDNA(このDNAは、cDNA、ゲノムDN
A、および合成DNAを含む)の形態であり得る。DN
Aは二本鎖または一本鎖であり得、そして一本鎖の場合
には、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であ
り得る。成熟ポリペプチドをコードするコード配列は、
図1(配列番号1)に示すコード配列と同一であり得る
か、またはそのコード配列が、遺伝コードの重複または
縮重の結果として、図1(配列番号1)のDNAと同じ
成熟ポリペプチドをコードする異なるコード配列であり
得る。 【0053】図1(配列番号2)の成熟ポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドは、以下を含み得る:成熟
ポリペプチドのコード配列のみ;成熟ポリペプチドのコ
ード配列およびさらなるコード配列;成熟ポリペプチド
のコード配列(および必要に応じてさらなるコード配
列)および非コード配列(例えば、イントロンあるいは
成熟ポリペプチドのコード配列の5’および/または
3’非コード配列)。 【0054】従って、用語「ポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド」は、ポリペプチドのコード配列のみ
を含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列
および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを
含む。 【0055】本発明はさらに、図1(配列番号2)の推
定アミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメント、
アナログ、および誘導体をコードする本明細書中上記の
ポリヌクレオチドの改変体に関する。ポリヌクレオチド
の改変体は、ポリヌクレオチドの天然に存在する対立遺
伝子改変体またはポリヌクレオチドの天然に存在しない
改変体であり得る。 【0056】従って、本発明は、図1(配列番号2)に
示すものと同じ成熟ポリペプチドをコードするポリヌク
レオチド、ならびにそのようなポリヌクレオチドの改変
体を含む。この改変体は、図1(配列番号2)のポリペ
プチドのフラグメント、誘導体またはアナログをコード
する。このようなヌクレオチド改変体は、欠失改変体、
置換改変体、および付加または挿入改変体を含む。 【0057】本明細書中上記で示したように、ポリヌク
レオチドは、図1(配列番号1)に示すコード配列の天
然に存在する対立遺伝子改変体であるコード配列を有し
得る。当該分野で公知なように、対立遺伝子改変体は、
1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有し
得るポリヌクレオチド配列の別の形態であり、これはコ
ードされるポリペプチドの機能を実質的に変化させな
い。 【0058】このポリヌクレオチドはまた、ATPレセ
プターポリペプチドの可溶性形態をコードし得、これ
は、本発明の全長ポリペプチドのTMおよび細胞内ドメ
インから切除されたポリペプチドの細胞外部分である。 【0059】本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明
のポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列にイン
フレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー
配列は、例えば、細菌宿主の場合には、マーカーに融合
された成熟ポリペプチドの精製を提供する、pQEベク
ターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであり得
る。あるいは、例えばマーカー配列は、哺乳動物宿主
(例えば、COS−7細胞)が使用される場合は、血球
凝集素(HA)タグであり得る。HAタグは、インフル
エンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトープと一
致する(Wilson, I.ら、Cell,37:7
67(1984))。 【0060】本発明はさらに、配列間に少なくとも70
%、好ましくは少なくとも90%、そしてより好ましく
は少なくとも95%の同一性が存在する場合、本明細書
中上記の配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに
関する。本発明は特に、本明細書中上記のポリヌクレオ
チドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
ポリヌクレオチドに関する。本明細書中で用いられる用
語「ストリンジェントな条件」は、ハイブリダイゼーシ
ョンが、配列間に少なくとも95%、そして好ましくは
少なくとも97%の同一性が存在する場合のみに生じる
ことを意味する。好ましい実施態様において、本明細書
中上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌ
クレオチドは、図1(配列番号1)のcDNAによりコ
ードされる成熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機
能または活性のいずれかを保持する(すなわち、ポリペ
プチドが膜結合ATPレセプターとして機能しないとし
ても、レセプターに対してリガンドを結合する能力を保
持することにより可溶性ATPレセプターとして機能す
る(例えば、二次メッセンジャー応答を誘発することに
よる))ポリペプチドをコードする。 【0061】あるいは、このポリヌクレオチドは、本発
明のポリヌクレオチドにハイブリダイズし、そして本明
細書中の上記のようにそれに同一性を有する、少なくと
も15塩基、好ましくは少なくとも30塩基そしてより
好ましくは少なくとも50塩基を有し、そして、このポ
リヌクレオチドは活性を保持し得るか、または保持し得
ない。例えば、このようなポリヌクレオチドは配列番号
1のポリヌクレオチド、またはその改変体に対するプロ
ーブとして(例えば、ポリヌクレオチドの回収のため、
または診断プローブもしくはPCRプライマーとして)
供され得る。 【0062】従って本発明は、配列番号2のポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドに対して、少なくとも
70%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一
性、そしてより好ましくは少なくとも95%の同一性を
有するポリヌクレオチド、およびそれらに相補的なポリ
ヌクレオチド、ならびにそれらの部分(少なくとも30
の連続した塩基、そして好ましくは少なくとも50の連
続した塩基を有する)ならびにそのようなポリヌクレオ
チドによってコードされるポリペプチドに関する。 【0063】この遺伝子のフラグメントは、cDNAラ
イブラリーのためのハイブリダイゼーションプローブと
して用いられて、本発明の遺伝子に高い配列類似性を有
するか、または類似の生物学的活性を有する他の遺伝子
を単離し得る。このタイプのプローブは、少なくとも1
5塩基、好ましくは少なくとも30塩基そして最も好ま
しくは少なくとも50塩基以上である。このプローブは
また、全長転写産物に対応するcDNAクローン、およ
びゲノムクローン、または本発明の遺伝子を完全に含む
クローン(制御領域およびプロモーター領域、エキソン
およびイントロンを含む)を同定するために使用され得
る。このタイプのスクリーニングの例は、公知のDNA
配列を使用することにより、遺伝子のコード領域を単離
して、オリゴヌクレオチドプローブを合成することを含
む。本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識
オリゴヌクレオチドは、ヒトcDNA、ゲノムDNA、
またはmRNAのライブラリーをスクリーニングしてプ
ローブがハイブリダイズするライブラリーのメンバーを
決定するのに使用される。 【0064】本発明はさらに、図1(配列番号2)の推
定アミノ酸配列を有する、ATPレセプターポリペプチ
ド、ならびにそのようなポリペプチドのフラグメント、
アナログ、および誘導体に関する。 【0065】用語「フラグメント」、「誘導体」、およ
び「アナログ」は、図1(配列番号2)のポリペプチド
をいう場合、そのようなポリペプチドと実質的に同じ生
物学的機能または活性を保持する(すなわち、ATPレ
セプターとして機能する)か、あるいは、ポリペプチド
がGタンパク質結合レセプター(例えば、このレセプタ
ーの可溶型)として機能しないとしても、リガンドをレ
セプターに結合する能力を保持するか、のいずれかであ
るポリペプチドを意味する。 【0066】本発明のポリペプチドは、組換えポリペプ
チド、天然のポリペプチドまたは合成ポリペプチドであ
り得、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。 【0067】図1(配列番号2)のポリペプチドのフラ
グメント、誘導体、またはアナログは、(i)1つ以上
のアミノ酸残基が保存アミノ酸残基または非保存アミノ
酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換され、そ
してこのような置換されたアミノ酸残基は遺伝的コード
によりコードされ得るアミノ酸残基であってもよく、ま
たはそうでなくてもよいもの、あるいは(ii)1つ以
上のアミノ酸残基が置換基を含有するもの、あるいは
(iii)成熟ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期
を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコー
ル)のような別の化合物と融合されているもの、あるい
は(iv)成熟ポリペプチドまたはプロタンパク質配列
の精製に使用されるさらなるアミノ酸が、成熟ポリペプ
チドに融合されているもの、あるいは(v)ポリペプチ
ドのフラグメントが可溶性(すなわち、膜に結合してお
らず、なおさらに膜結合レセプターに対するリガンドに
結合する)であるものであり得る。このようなフラグメ
ント、誘導体およびアナログは、本明細書中の教示か
ら、当業者の範囲内にあると考えられる。 【0068】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そし
て好ましくは均質に精製される。 【0069】本発明のポリペプチドは、配列番号2のポ
リペプチド(特に、成熟ポリペプチド)ならびに配列番
号2のポリペプチドに対して少なくとも70%の類似性
(好ましくは少なくとも70%の同一性)、より好まし
くは配列番号2のポリペプチドに対して少なくとも90
%の類似性(より好ましくは少なくとも90%の同一
性)そしてなおより好ましくは配列番号2のポリペプチ
ドに対して少なくとも95%の類似性(なおより好まし
くは少なくとも95%の同一性)を有するポリペプチド
を含み、さらに、このようなポリペプチドの部分で、一
般的に少なくとも30アミノ酸、そしてより好ましくは
少なくとも50アミノ酸を含むそのようなポリペプチド
の部分も含む。 【0070】当該分野で公知のように、2ポリペプチド
間の「類似性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配列
およびその保存されたアミノ酸置換を第2のポリペプチ
ドの配列に対して比較することにより決定される。 【0071】本発明のポリペプチドのフラグメントまた
は部分は、ペプチド合成によって対応する全長ポリペプ
チドを生成するために使用され得、それゆえ、このフラ
グメントは、全長ポリペプチドを生成するための中間体
として使用され得る。本発明のポリヌクレオチドのフラ
グメントまたは部分は、本発明の全長ポリヌクレオチド
を合成するために使用され得る。 【0072】用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖を生成
することに関連したDNAのセグメントを意味し;これ
は、コード領域の前後の「リーダーおよびトレーラー
(trailer)」領域ならびに個々のコードセグメ
ント(エキソン)の間の介在配列(イントロン)を含
む。 【0073】用語「単離された」は、物質がその本来の
環境(例えば、天然に存在する場合は、天然の環境)か
ら取り出されていることを意味する。例えば、生きてい
る動物の中に存在する天然に存在するポリヌクレオチド
またはポリペプチドは、単離されていないが、天然の系
において共存する物質の幾らかまたは全てから分離され
ている同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、
単離されている。このようなポリヌクレオチドはベクタ
ーの一部であり得、そして/またはこのようなポリヌク
レオチドまたはポリペプチドは、組成物の一部であり
得、そしてそのようなベクターまたは組成物はその天然
の環境の一部ではないため、なお単離され得る。 【0074】本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド
を含むベクター、本発明のベクターを用いて遺伝子操作
される宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリ
ペプチドの産生に関する。 【0075】宿主細胞は、本発明のベクター(これは、
例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであ
り得る)を用いて遺伝子操作される(形質導入される
か、または形質転換されるか、またはトランスフェクト
される)。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス
粒子、ファージなどの形態であり得る。操作された宿主
細胞は、プロモーターを活性化するか、形質転換体を選
択するか、または本発明の遺伝子を増幅するために適切
に改変した従来の栄養培地中において培養され得る。培
養条件(例えば、温度、pHなど)は、発現のために選
択される宿主細胞に以前使用された条件であり、そして
当業者には明らかである。 【0076】本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術
によりポリペプチドを産生するために用いられ得る。従
って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発
現するための種々の発現ベクターのいずれか1つに含ま
れ得る。このようなベクターは、染色体DNA配列、非
染色体DNA配列、および合成DNA配列を包含する。
このようなベクターは、例えば、SV40の誘導体;細
菌性プラスミド;ファージDNA;バキュロウイルス;
酵母プラスミド;プラスミドおよびファージDNAの組
み合わせに由来するベクター、ウイルスDNA(例え
ば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、およ
び仮性狂犬病)である。しかし、宿主において複製可能
で、かつ存続可能である限り、他の任意のベクターも使
用され得る。 【0077】適切なDNA配列は、種々の手順によりベ
クターに挿入され得る。一般に、DNA配列は、当該分
野で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部
位に挿入される。このような手順および他の手順は、当
業者の範囲内であると考えられる。 【0078】発現ベクター中のDNA配列は、適切な発
現制御配列(プロモーター)に作動可能に連結され、m
RNAの合成を指示する。このようなプロモーターの代
表的な例としては、以下が挙げられ得る:LTRまたは
SV40プロモーター、E.coli lacまたはt
rp、λファージPプロモーター、および原核生物細
胞または真核生物細胞あるいはそのウイルス内で遺伝子
の発現を制御することが知られている他のプロモータ
ー。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム
結合部位および転写ターミネーターを含有する。ベクタ
ーはまた、発現を増幅するための適切な配列を含有し得
る。 【0079】さらに、発現ベクターは、好ましくは、形
質転換された宿主細胞の選択のための表現型特性(例え
ば、真核生物細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダク
ターゼまたはネオマイシン耐性、あるいは例えばE.c
oliにおけるテトラサイクリン耐性またはアンピシリ
ン耐性)を提供する1つ以上の選択マーカー遺伝子を含
有する。 【0080】本明細書中上記のような適切なDNA配列
ならびに適切なプロモーター配列または制御配列を含有
するベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタン
パク質を発現させるために用いられ得る。 【0081】適切な宿主の代表的な例としては、以下が
挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E.coli、St
reptomyces、Salmonella typ
himurium);真菌細胞(例えば酵母);昆虫細
胞(例えば、DrosophilaおよびSpodop
tera Sf9);動物細胞(例えば、CHO、CO
SまたはBowes黒色腫);アデノウイルス;植物細
胞など。適切な宿主の選択は、本明細書中の教示から当
業者の範囲内であると考えられる。 【0082】さらに詳細には、本発明はまた、上記で広
範に記載した1つ以上の配列を含む組換え構築物を包含
する。構築物は、ベクター(例えば、プラスミドベクタ
ーまたはウイルスベクター)を包含し、このベクターの
中に、本発明の配列が正方向または逆方向に挿入されて
いる。この実施態様の好ましい局面において、構築物は
さらに、配列に作動可能に連結された調節配列(例え
ば、プロモーターを包含する)を含む。非常に多数の適
切なベクターおよびプロモーターが当業者には公知であ
り、そして市販されている。以下のベクターが例として
提供される。細菌性:pQE70、pQE60、pQE
−9(Qiagen)、pbs、pD10、phage
script、psiX174、pbluescrip
t SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、p
NH18A、pNH46A(Stratagene);
ptrc99a、pKK223−3、pKK233−
3、pDR540、pRIT5(Pharmaci
a)。真核生物性:pWLNEO、pSV2CAT、p
OG44、pXT1、pSG(Stratagene)
pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pha
rmacia)。しかし、他の任意のプラスミドまたは
ベクターも、それらが宿主において複製可能で、かつ存
続可能である限り、使用され得る。 【0083】プロモーター領域は、CAT(クロラムフ
ェニコールトランスフェラーゼ)ベクターまたは選択マ
ーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の
遺伝子から選択され得る。2つの適切なベクターは、P
KK232−8およびPCM7である。特によく知られ
た細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T
7、gpt、λP、Pおよびtrpを包含する。真
核生物プロモーターは、CMV即時初期型、HSVチミ
ジンキナーゼ、初期SV40および後期SV40、レト
ロウイルス由来のLTR、およびマウスメタロチオネイ
ンIを包含する。適切なベクターおよびプロモーターの
選択は、十分に当業者のレベル内である。 【0084】さらなる実施態様では、本発明は上記の構
築物を含有する宿主細胞に関する。宿主細胞は、高等真
核生物細胞(例えば、哺乳動物細胞)または下等真核生
物細胞(例えば、酵母細胞)であり得るか、あるいは宿
主細胞は原核生物細胞(例えば、細菌細胞)であり得
る。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムト
ランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トラ
ンスフェクション、またはエレクトロポレーションによ
り達成され得る(Davis,L.,Dibner,
M.,Battey,I.,Basic Method
s in Molecular Biology,(1
986))。 【0085】宿主細胞中の構築物を用いて、従来の方法
で組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生し得
る。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来のペプチ
ド合成機により合成的に産生され得る。 【0086】成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、
細菌、または他の細胞中で適切なプロモーターの制御下
で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、本発明のDNA
構築物に由来するRNAを使用して、このようなタンパ
ク質を産生するために用いられ得る。原核生物宿主およ
び真核生物宿主での使用に適切なクローニングベクター
および発現ベクターは、Sambrookら,Mole
cular Cloning: A Laborato
ry Manual,第2版,Cold Spring
Harbor,N.Y.,(1989)(この開示
は、本明細書中に参考として援用される)に記載されて
いる。 【0087】本発明のポリペプチドをコードするDNA
の高等真核生物による転写は、ベクターにエンハンサー
配列を挿入することにより増大される。エンハンサーは
DNAのシス作用エレメントであり、通常は約10〜約
300bpであり、これはプロモーターに作用してその
転写を増大させる。例として、複製起点のbp100〜
270の後期側のSV40エンハンサー、サイトメガロ
ウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の
後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイル
スエンハンサーが挙げられる。 【0088】一般に、組換え発現ベクターは、宿主細胞
の形質転換を可能とする複製起点および選択マーカー
(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およ
びS.cerevisiaeのTRP1遺伝子)、なら
びに下流の構造配列の転写を指向する高発現遺伝子由来
のプロモーターを含有する。このようなプロモーター
は、解糖酵素(例えば、3−ホスホグリセリン酸キナー
ゼ(PGK))、α因子、酸性ホスファターゼ、または
熱ショックタンパク質などをコードするオペロンに由来
し得る。異種構造配列は、翻訳開始配列および翻訳終止
配列、および好ましくは翻訳されたタンパク質のペリプ
ラズム空間または細胞外の培地への分泌を指向し得るリ
ーダー配列と適切な相内で組立てられる。必要に応じ
て、異種配列は、所望の特徴(例えば、発現された組換
え産物の安定化または簡略化された精製)を与えるN末
端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードし得る。 【0089】細菌の使用に有用な発現ベクターは、機能
的なプロモーターを有する作動可能な読み取り相に、適
切な翻訳開始シグナルおよび翻訳終止シグナルと共に所
望のタンパク質をコードする構造DNA配列を挿入する
ことにより構築される。ベクターは、1つ以上の表現型
選択マーカー、およびベクターの維持を確実にし、かつ
所望により宿主内での増幅を提供するための複製起点を
含有する。形質転換のために適切な原核生物宿主は、
E.coli、Bacillus subtilis、
Salmonella typhimurium、なら
びにPseudomonas属、Streptomyc
es属、およびStaphylococcus属内の種
々の種を包含するが、他の種もまた選択対象として用い
られ得る。 【0090】代表的な、しかし限定しない例として、細
菌の使用に有用な発現ベクターは、周知のクローニング
ベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝
的エレメントを含む市販のプラスミドに由来する選択マ
ーカーおよび細菌性の複製起点を含有し得る。このよう
な市販のベクターは、例えば、pKK223−3(Ph
armacia Fine Chemicals,Up
psala,Sweden)およびGEM1(Prom
ega Biotec,Madison,WI,US
A)を含む。これらのpBR322「骨格」部分は、適
切なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と組み
合わされる。 【0091】適切な宿主株の形質転換および適切な細胞
密度までの宿主株の増殖に続いて、選択されたプロモー
ターは適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘
導)により誘導され、そして細胞はさらなる期間培養さ
れる。 【0092】細胞は、代表的には遠心分離により収集さ
れ、物理的手段または化学的手段により破砕され、そし
て得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持され
る。 【0093】タンパク質の発現において用いられる微生
物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破
砕、または細胞溶解剤の使用を含む任意の便利な方法に
より破砕され得る。このような方法は当業者に周知であ
る。 【0094】種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換
えタンパク質を発現するために用いられ得る。哺乳動物
発現系の例には、Gluzman,Cell,23:1
75(1981)に記載されるサル腎臓線維芽細胞のC
OS−7株、および適合性のベクターを発現し得る他の
細胞株(例えば、C127、3T3、CHO、HeL
a、およびBHK細胞株)が含まれる。哺乳動物発現ベ
クターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハ
ンサー、ならびに任意の必要なリボソーム結合部位、ポ
リアデニル化部位、スプライスドナー部位およびスプラ
イスアクセプター部位、転写終結配列、および5’フラ
ンキング非転写配列をまた含有する。SV40スプライ
ス部位、およびポリアデニル化部位に由来するDNA配
列は、必要な非転写遺伝的エレメントを提供するために
使用され得る。 【0095】ATPレセプターポリペプチドは、以下を
含む方法により組換え細胞培養物から回収され、そして
精製され得る。硫安沈澱またはエタノール沈澱、酸抽
出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、
ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水的相互作用
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およ
びレクチンクロマトグラフィー。必要に応じて、タンパ
ク質の再折りたたみ(refolding)工程が、成
熟タンパク質の配置を完全にするために使用され得る。
最終的に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
が、最終的な精製工程に用いられ得る。 【0096】本発明のポリペプチドは、天然の精製され
た産物、または化学合成手順の産物であり得るか、ある
いは原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、培養物
中の細菌、酵母、高等植物、昆虫、および哺乳動物細
胞)から組換え技術により産生され得る。組換え産生手
順に用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチド
は、グリコシル化されてもよいし、またはグリコシル化
されなくてもよい。本発明のポリペプチドはまた、最初
のメチオニンアミノ酸残基を含み得る。 【0097】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、研究用試薬ならびにヒト疾患に対する処置およ
び診断の発見のための物質として使用され得る。 【0098】本発明のATPレセプターポリペプチド
は、本発明のレセプターポリペプチドを活性化する(ア
ゴニスト)またはその活性化を阻害する(アンタゴニス
ト)化合物のスクリーニングのプロセス中で使用され得
る。 【0099】一般的に、このようなスクリーニング手順
は、その細胞表面で本発明のレセプターポリペプチドを
発現する適切な細胞を提供することを含む。このような
細胞は、哺乳動物、酵母、ショウジョウバエまたはE.
coliに由来する細胞を含む。特に、本発明のレセプ
ターをコードするポリヌクレオチドは、細胞をトランス
フェクトし、それにより、本発明のポリペプチドを発現
させるのに用いられる。次に、発現されたレセプター
は、試験化合物と接触されて、機能応答の結合、刺激ま
たは阻害を観察する。 【0100】1つのこのようなスクリーニング手順は、
本発明のポリペプチドを発現するためにトランスフェク
トされるメラニン保有細胞の使用を含む。このようなス
クリーニング技術は、PCT WO 92/01810
(1992年2月6日公開)に記載されている。 【0101】従って、例えば、このようなアッセイは、
レセプターリガンドおよびスクリーニングされるべき化
合物の両方と、レセプターをコードするメラニン保有細
胞とを接触させることにより、本発明のレセプターポリ
ペプチドの活性化を阻害する化合物をスクリーニングす
るために使用され得る。リガンドにより生じるシグナル
の阻害は、化合物がこのレセプターの潜在的なアンタゴ
ニストであること、すなわち、ATPレセプターの活性
化を阻害することを示す。 【0102】このスクリーニングは、このような細胞と
スクリーニングされる化合物とを接触させ、そしてその
ような化合物がシグナルを生じるか、すなわち、このよ
うな化合物がレセプターを活性化するかを決定すること
によりレセプターを活性化する化合物を決定するために
用いられ得る。 【0103】他のスクリーニング技術は、例えば、Sc
ience、246巻、181〜296頁(1989年
10月)に記載されるように、レセプターの活性化によ
り引き起こされる細胞外のpH変化を測定する系におい
て、本発明のポリペプチドを発現する細胞(例えば、ト
ランスフェクトCHO細胞)の使用を含む。例えば、化
合物は、本発明のレセプターポリペプチドを発現する細
胞と接触され得、そしてセカンドメッセンジャー応答
(例えば、シグナル伝達またはpH変化)は、潜在的な
化合物がレセプターを活性化するか、または阻害するか
どうかを決定するために測定され得る。 【0104】別のこのようなスクリーニング技術は、本
発明のポリペプチドをコードするRNAをXenopu
s卵母細胞に導入し、一過的にレセプターを発現させる
ことを含む。次いでそのレセプター卵母細胞は、レセプ
ターの活性化を阻害すると考えられる化合物をスクリー
ニングする場合には、レセプターリガンドおよびスクリ
ーニングされる化合物と接触され得、続いて、カルシウ
ムシグナルの阻害または活性化の検出が行われる。 【0105】別のスクリーニング技術は、そのポリペプ
チドがホスホリパーゼCまたはDと連結している本発明
のポリペプチドの発現を包含する。このような細胞の代
表例としては、内皮細胞、平滑筋細胞、胎児腎細胞など
が挙げられ得る。スクリーニングは、本明細書中上記の
ように、レセプターの活性化またはホスホリパーゼの2
次シグナルによるレセプターの活性化の阻害の検出によ
り達成され得る。 【0106】別の方法は、細胞表面にレセプターを有す
る細胞への標識リガンドの結合の阻害を決定することに
よる、本発明のアンタゴニストのレセプターポリペプチ
ドの活性化を阻害する化合物をスクリーニングする工程
を含む。このような方法は、細胞がその表面にATPレ
セプターを発現するようにATPレセプターポリペプチ
ドをコードするDNAで真核生物細胞をトランスフェク
トする工程、および標識形態の公知のリガンドの存在下
で細胞と化合物とを接触させる工程を含む。リガンド
は、例えば、放射活性により標識され得る。標識リガン
ドがATPレセプターに結合した量は、例えば、ATP
レセプターの放射活性の測定により測定される。ATP
レセプターに結合する標識リガンドの減少により決定さ
れるように化合物がATPレセプターに結合する場合、
標識リガンドのATPレセプターへの結合は阻害され
る。 【0107】Gタンパク質結合レセプターは、哺乳動物
宿主において遍在性であり、そして多くの生物学的機能
(多くの病理状態を含む)を担う。従って、一方で本発
明のATPレセプターポリペプチドを刺激し、そして他
方でその機能を阻害し得る化合物および薬物を見出すこ
とが望ましい。 【0108】例えば、Gタンパク質結合レセプターを活
性化する化合物は、治療目的(例えば、喘息、パーキン
ソン病、急性心不全、低血圧、尿貯留(urinary
retention)、および骨粗鬆症の処置)に用
いられ得る。 【0109】一般に、Gタンパク質結合レセプターの活
性化を阻害する化合物は、種々の治療目的(例えば、高
血圧、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良
性前立腺肥大、ならびに精神病および神経性疾患(精神
***病、躁病性興奮、うつ病、譫妄、痴呆または重篤な
精神遅滞、ハンチントン舞踏病またはGillesdi
la Tourett症候群のようなジスキネジーを含
む)の処置、内因性食欲不振の逆転および過食症の制御
など)に用いられ得る。 【0110】抗体、またはいくつかの場合ではオリゴヌ
クレオチドが本発明のATPレセプターをアンタゴナイ
ズし得、これらはATPレセプターに結合するが、AT
Pレセプターの活性を阻害するように2次メッセンジャ
ー応答を惹起しない。抗体は、一般に抗体の抗原結合部
位に会合する独特の決定基を認識する抗イディオタイプ
抗体を含む。潜在的なアンタゴニスト化合物もまた、A
TPレセプターのリガンドに密接に関連するタンパク
質、すなわち、リガンドのフラグメントを含み、これは
生物学的機能を欠失しており、そしてATPレセプター
に結合するときに応答を惹起しない。 【0111】アンチセンス技術の使用によって調製され
たアンチセンス構築物は、三重らせん形成もしくはアン
チセンスDNAまたはRNAを介して遺伝子発現を制御
するために用いられ得、これらの方法の両方は、ポリヌ
クレオチドがDNAまたはRNAに結合することに基づ
いている。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコード
するポリヌクレオチド配列の5’コード部分は、長さが
約10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレ
オチドを設計するために用いられる。DNAオリゴヌク
レオチドは、転写に関与する遺伝子の領域に相補的であ
るように設計され(三重らせん−Leeら、Nucl.
Acids Res.,6:3073(1979);C
ooneyら、Science,241:456(19
88);およびDervanら、Science,25
1:1360(1991)を参照のこと)、それによ
り、転写およびATPレセプターの産生を阻害する。ア
ンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはインビボでmR
NAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子のGタン
パク質結合レセプターへの翻訳をブロックする(アンチ
センス−Okano、J.Neurochem.,5
6:560(1991);Oligodeoxynuc
leotides as AntisenseInhi
bitors of Gene Expressio
n,CRC Press,Boca Raton,FL
(1988))。上記のオリゴヌクレオチドはまた細胞
に送達され得、それによって、アンチセンスRNAまた
はDNAが、ATPレセプターの産生を阻害するために
インビボで発現され得る。 【0112】ATPレセプターに結合する小分子は、正
常な生物学的活性が妨げられるようにリガンドへの接近
を不可能にし、例えば、小ペプチドまたはペプチド様分
子はまた、本発明のATPレセプターポリペプチドの活
性化を阻害するのに使用され得る。 【0113】可溶性形態のATPレセプター(例えば、
このレセプターのフラグメント)は、リガンドに結合
し、そしてこのリガンドが膜結合ATPレセプターと相
互作用することを妨げることによってレセプターの活性
化を阻害するために使用され得る。 【0114】一般に、スクリーニング手順によって決定
されるATPレセプターに対するアンタゴニストは、種
々の治療目的のために供され得る。例えば、このような
アンタゴニストは、高血圧、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、
喘息、アレルギー、精神疾患、鬱病、偏頭痛、嘔吐、お
よび良性前立腺肥大の処置のために使用されてきた。 【0115】本発明のATPレセプターに特異的なアン
タゴニストは、アンギナ、心筋梗塞および脳卒中、血栓
症、血管形成、および嚢胞性線維症を含む動脈血栓の処
置に使用され得る。このアンタゴニストは、薬学的に受
容可能なキャリア(例えば、本明細書中に記載される)
と一緒の組成で供され得る。 【0116】Gタンパク質結合レセプターに対するアゴ
ニストはまた、喘息、パーキンソン病、急性心不全、低
血圧、尿貯留、および骨粗鬆症の処置のような治療目的
のために有用である。 【0117】本発明のレセプターに対するアゴニスト
は、慢性気管支炎の処置およびを含む下垂体細胞、特に
性腺刺激ホルモン産生細胞における生理的反応(黄体形
成ホルモン放出を含む)を媒介するのに使用され得る。 【0118】アンタゴニストまたはアゴニスト化合物
は、適切な薬学的キャリアと組み合わせて用いられ得
る。このような組成物は、治療的有効量の化合物、およ
び薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含む。こ
のようなキャリアとしては、生理食塩水、緩衝化生理食
塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノー
ル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これら
に限定されない。処方は、投与の態様に合わせるべきで
ある。 【0119】本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1
つ以上の成分で満たされた1つ以上の容器を含む薬学的
パックまたはキットを提供する。このような容器(単数
または複数)に関して、薬剤または生物学的製品の製
造、使用、または販売を統制する政府機関により規定さ
れた形式の製品表示をし得、この製品表示は、ヒトへの
投与についての製造、使用、または販売における機関に
よる認可を表す。さらに、本発明の薬学的組成物は、他
の治療化合物と併用して用いられ得る。 【0120】薬学的組成物は、例えば、局所、静脈内、
腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、または皮内経路による
簡便な様式で投与され得る。薬学的組成物は、特異症状
の処置および/または予防に効果的な量で投与される。
一般に、薬学的組成物は少なくとも約10g/kg体重
の量で投与され、そして多くの場合、それらは1日に約
8mg/kg体重を超えない量で投与される。多くの場
合、投薬量は、1日に約10g/kg体重から約1mg
/kg体重であり、投与経路、症状などが考慮される。 【0121】ATPレセプターポリペプチドおよび化合
物(これらはポリペプチドである)は、本発明に従っ
て、インビボでのこのようなポリペプチドの発現により
用いられ得る。これはしばしば「遺伝子治療」と呼ばれ
る 従って、例えば、患者由来の細胞は、ポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)を用
いてエキソビボで操作され得、次いで、操作された細胞
はこのポリペプチドで処置されるべき患者に提供され
る。このような方法は当該分野で周知である。例えば、
細胞は、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含
有するレトロウイルス粒子の使用により、当該分野で公
知の手順によって操作され得る。 【0122】同様に、細胞は、インビボでのポリペプチ
ドの発現のために、例えば、当該分野で公知の手順によ
りインビボで操作され得る。当該分野で公知のように、
本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレ
トロウイルス粒子を産生するためのプロデューサー細胞
は、インビボで細胞を操作するため、およびインビボで
のポリペプチドの発現のために患者に投与され得る。こ
のような方法により本発明のポリペプチドを投与するた
めのこれらの方法および他の方法は、本発明の教示から
当業者には明らかなはずである。例えば、細胞を操作す
るための発現ビヒクルは、レトロウイルス以外のもの
(例えば、アデノウイルス)であり得る。これは、適切
な送達ビヒクルと組み合わせた後、インビボで細胞を操
作するために使用され得る。 【0123】本明細書中で上記で言及されたレトロウイ
ルスプラスミドベクターが由来するレトロウイルスは、
モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓懐死ウイルス、レ
トロウイルス(例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ
肉腫ウイルス、鳥類白血病ウイルス、テナガザル白血病
ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨
髄増殖肉腫ウイルス、および***腫瘍ウイルス)を含む
細胞に由来し得るが、これに限定されない。一つの実施
態様において、このレトロウイルスプラスミドベクター
はモロニーマウス白血病ウイルス由来である。 【0124】ベクターは1つ以上のプロモーターを含
む。使用され得る適切なプロモーターは、レトロウイル
スLTR;SV40プロモーター;およびMiller
ら、Biotechniques 7巻、第9号、98
0−990(1989)に記載されるヒトサイトメガロ
ウイルス(CMV)プロモーターまたは任意の他のプロ
モーター(例えば、真核生物細胞性プロモーターのよう
な細胞性プロモーターはヒストン、pol IIIおよ
びβアクチンプロモーターを含むが、これらに限定され
ない)を含むが、これらに限定されない。使用され得る
他のウイルス性プロモーターは、アデノウイルスプロモ
ーター、チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、およ
びB19パルボウイルスプロモーターを含むが、これら
に限定されない。適切なプロモーターの選択は、本明細
書中に含まれる教示により、当業者にとって明らかであ
る。 【0125】本発明のポリペプチドをコードする核酸配
列は、適切なプロモーターの制御下にある。使用され得
る適切なプロモーターは、アデノウイルス主要後期プロ
モーターのようなアデノウイルスプロモーター;または
サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターのような
異種プロモーター;RSウイルス(RSV)プロモータ
ー;MMTプロモーター、メタロチオネインプロモータ
ーのような誘導性プロモーター;熱ショックプロモータ
ー;アルブミンプロモーター;ApoAIプロモータ
ー;ヒトグロビンプロモーター;単純ヘルペスチミジン
キナーゼプロモーターのようなウイルスチミジンキナー
ゼプロモーター;レトロウイルスLTR(本明細書中上
記に記載の改変されたレトロウイルスLTRを含む);
βアクチンプロモーター;ならびにヒト成長ホルモンプ
ロモーターを含むが、これらに限定されない。プロモー
ターはまた、ポリペプチドをコードする遺伝子を制御す
る天然のプロモーターであり得る。 【0126】レトロウイルスプラスミドベクターは、パ
ッケージング細胞株を形質転換して、プロデューサー細
胞株を形成するために使用される。トランスフェクトさ
れ得るパッケージング細胞の例は、PE501、PA3
17、ψ−2、ψ−AM、PA12、T19−14X、
VT−19−17−H2、ψCRE、ψCRIP、GP
+E−86、GP+envAm12および、Mille
r,Human Gene Therapy,1巻、5
〜14頁(1990)(これは、本明細書中で全文が参
照として援用される)に記載されたDAN細胞株を含む
が、これらに限定されない。このベクターは、パッケー
ジング細胞を当該分野で公知の任意の手段で形質導入し
得る。そのような手段は、エレクトロポレーション、リ
ポソームの使用、およびCaPO沈澱を含むが、これ
らに限定されない。一つの代替手段において、レトロウ
イルスプラスミドベクターは、リポソームにカプセル化
され得るか、または脂質に結合されて、次いで宿主に投
与され得る。 【0127】プロデューサー細胞株は、このポリペプチ
ドをコードする核酸配列(単数または複数)を含む感染
性レトロウイルス粒子を生成する。次に、そのようなレ
トロウイルスベクター粒子は、真核生物細胞をインビト
ロまたはインビボのいずれかで形質導入するのに使用さ
れ得る。形質導入された真核生物細胞は、ポリペプチド
をコードする核酸配列(単数または複数)を発現する。
形質導入され得る真核生物細胞は、胚性幹細胞、胚性ガ
ン腫細胞、ならびに造血幹細胞、肝細胞、線維芽細胞、
筋芽細胞、ケラチノサイト、内皮細胞および気管支表皮
細胞を含むが、これらに限定されない。 【0128】本発明はまた、ATPレセプターに結合し
得ることが知られていないリガンドが、このようなレセ
プターに結合し得るかどうかを決定するための方法を提
供し、この方法は、ATPレセプターへのリガンドの結
合を許容する条件下でATPレセプターを発現する哺乳
動物細胞をリガンドと接触させる工程、レセプターに結
合するリガンドの存在を検出する工程、およびこれによ
り、リガンドがレセプターに結合するかどうかを決定す
る工程を包含する。本明細書中に上記のアゴニストおよ
び/またはアンタゴニストを決定するための系は、レセ
プターに結合するリガンドを決定するためにも使用され
得る。 【0129】本発明はまた、レセプターをコードするm
RNAの存在を検出することにより、細胞の表面におけ
る本発明のATPレセプターポリペプチドの発現を検出
する方法を提供し、この方法は、細胞から全mRNAを
得る工程、およびそのように得られたmRNAを、レセ
プターをコードする核酸分子の配列に含まれる配列と特
異的にハイブリダイズし得る少なくとも10ヌクレオチ
ドの核酸分子を含有する核酸プローブと、ハイブリダイ
ズする条件下で接触させる工程、プローブにハイブリダ
イズしたmRNAの存在を検出する工程、およびそれに
よって細胞によるレセプターの発現を検出する工程を含
む。 【0130】本発明はまた、本発明のレセプターポリペ
プチドに関連したレセプターを同定する方法を提供す
る。これらの関連したレセプターは、本発明のATPレ
セプターポリペプチドとの相同性により、低ストリンジ
ェンシー交叉ハイブリダイゼーションによってか、また
は関連する天然のもしくは合成のリガンドと相互作用す
るおよび/または本発明のATPレセプターポリペプチ
ドの遺伝学的または薬理学的遮断後の同様の行動を除外
するレセプターを同定することによって、同定され得
る。 【0131】本発明はまた、診断(例えば、いくつかの
疾患が遺伝的欠損遺伝子に起因する)としての本発明の
遺伝子の使用を包含する。これらの遺伝子は、欠損遺伝
子の配列を正常遺伝子の配列と比較することによって検
出され得る。結果として、「変異」遺伝子が異常なレセ
プター活性に付随していることが証明され得る。さら
に、変異を証明または同定するなお別の手段として、機
能アッセイ系(例えば、比色アッセイ、McConke
yプレートにおける発現、HEK293細胞のレセプタ
ー欠損株における相補実験)において、変異レセプター
遺伝子を発現のための適切なベクターに挿入し得る。一
旦、「変異」遺伝子が同定されると、次に、「変異」レ
セプター遺伝子のキャリアのための集団をスクリーニン
グし得る。 【0132】本発明の遺伝子における変異を有する個体
は、種々の技術によりDNAレベルで検出され得る。診
断のための核酸は、患者の細胞(例えば、血液、尿、唾
液、組織生検、および剖検物質を含むがこれらに限定さ
れない)より得られ得る。ゲノムDNAは、検出のため
に直接使用され得るか、または分析前にPCR(Sai
kiら、Nature、324:163−166(19
86))を用いることにより酵素的に増幅され得る。R
NAあるいはcDNAもまた、また同じ目的のために使
用され得る。例として、本発明の核酸に相補的なPCR
プライマーが、本発明の遺伝子における変異を同定およ
び解析するために使用され得る。例えば、欠失および挿
入は、正常な遺伝子型との比較における増幅された産物
のサイズの変化により検出され得る。点変異は、放射性
標識された本発明のRNAまたは、あるいは、放射標識
された本発明のアンチセンスDNA配列に、増幅された
DNAをハイブリダイズさせることにより同定され得
る。完全にマッチした配列は、RNaseA消化または
融解温度の差により、ミスマッチした二重らせんと区別
され得る。このような診断方法は、特に出生前または新
生児の診断でさえも有用である。参照遺伝子と「変異
体」との間の配列差異は、直接DNA配列決定法により
明らかにされ得る。さらに、クローン化されたDNAセ
グメントは、特定のDNAセグメントを検出するための
プローブとして使用され得る。この方法の感度は、PC
Rと組み合わせた場合に著しく亢進される。例えば、配
列プライマーが二本鎖のPCR産物または改変PCRに
より生成された一本鎖テンプレート分子とともに使用さ
れる。この配列決定は、放射標識ヌクレオチドを用いた
従来の手順によるか、または蛍光タグを用いた自動配列
決定手順により実行される。 【0133】DNA配列の差異に基づいた遺伝子試験
は、変性剤を含むかまたは含まないゲルにおけるDNA
フラグメントの電気泳動的移動度における変化の検出に
より達成され得る。特異的な位置の配列変化はまた、核
保護アッセイ(例えば、RNaseおよびS1保護また
は化学切断法(例えば、Cottonら、PNAS,U
SA,85:4397−4401 1985)により明
らかにされ得る。 【0134】さらに、いくつかの疾患は、mRNAにお
ける変化により検出され得る遺伝子発現における変化の
結果であり、もしくは、その変化により特徴づけられ
る。あるいは、本発明の遺伝子は、このタイプのレセプ
ターに関連した機能の減少を発現する固体を同定するた
めの参照として使用され得る。 【0135】本発明はまた、種々の組織において本発明
のATPレセプターポリペプチドの可溶性形態の変化し
たレベルを検出するための診断的アッセイにも関連す
る。宿主由来の試料における可溶性レセプターポリペプ
チドのレベルを検出するためのアッセイは当業者に公知
であり、そして放射免疫アッセイ、競合結合アッセイ、
ウェスタンブロット解析を含み、そして好ましくは、E
LISAアッセイとして知られる。 【0136】ELISAアッセイは初めに、ATPレセ
プターポリペプチドの抗原に特異的な抗体、好ましくは
モノクローナル抗体を調製することを含む。さらに、レ
ポーター抗体をそのモノクローナル抗体に対して調製す
る。レポーター抗体に対して放射能、蛍光または本実施
例における西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素のような検
出試薬を結合させる。ここで、試料を宿主から取り出
し、固体支持体(例えば、試料中のタンパク質に結合す
るポリスチレンディッシュ)上でインキュベートする。
次いで、ディッシュ上のすべての遊離タンパク質結合部
位を、ウシ血清アルブミンのような非特異的タンパク質
とともにインキュベートすることによりカバーする。次
に、モノクローナル抗体をディッシュ中でインキュベー
トし、その間にモノクローナル抗体がポリスチレンディ
ッシュに結合している任意のATPレセプタータンパク
質に結合する。全ての未結合モノクローナル抗体を緩衝
液で洗浄除去する。西洋ワサビペルオキシダーゼに連結
したレポーター抗体を、ここで、ディッシュ中にいれ、
レポーター抗体がATPレセプタータンパク質に結合し
た任意のモノクローナル抗体に結合する。次いで、未結
合のレポーター抗体を洗浄除去する。次いで、ペルオキ
シダーゼ基質をディッシュに加え、そして所定の時間に
発色した量を、標準曲線と比較した場合の患者試料の所
定の容量中に存在するATPレセプタータンパク質の量
の測定値とした。 【0137】本発明の配列はまた、染色体の同定に有益
である。この配列は、個々のヒト染色体の特定の位置を
特異的に標的化し、そしてその位置にハイブリダイズし
得る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定する
必要がある。現在、染色***置の標識に利用可能な実際
の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標識試薬は
ほとんどない。本発明に従うDNAの染色体へのマッピ
ングは、これらの配列と疾患に関する遺伝子とを相関さ
せることにおける重要な第1段階である。 【0138】簡潔に述べれば、配列は、cDNAからP
CRプライマー(好ましくは15〜25bp)を調製す
ることにより染色体にマップされ得る。cDNAのコン
ピューター解析が、ゲノムDNA内で1より多いエキソ
ンにまたがらない、従って増幅プロセスを複雑化するプ
ライマーを迅速に選択するために使用される。次いで、
これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞
ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用される。プ
ライマーに対応するヒト遺伝子を含むハイブリッドのみ
が増幅フラグメントを生じる。 【0139】体細胞ハイブリッドのPCRマッピング
は、特定の染色体に特定のDNAを割り当てるための迅
速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを
用いる本発明を使用して、特定の染色体由来のフラグメ
ントのパネルまたは類似の様式の大きなゲノムクローン
のプールを用いて部分的局在性の決定(subloca
lization)が達成され得る。染色体にマップす
るために同様に使用され得る他のマッピングストラテジ
ーには、インサイチュハイブリダイゼーション、標識化
フロー選別した(flow−sorted)染色体での
プレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライ
ブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによ
る前選択が含まれる。 【0140】cDNAクローンの中期染色体スプレッド
への蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FIS
H)は、1工程で正確な染色***置を提供するために使
用され得る。この技術は、50または60塩基という短
いcDNAで使用され得る。この技術の総説としては、
Vermaら,Human Chromosomes:
a Manual of Basic Techniq
ues,Pergamon Press,New Yo
rk(1988)を参照のこと。 【0141】一旦配列が正確な染色***置にマップされ
ると、配列の染色体上での物理的な位置を遺伝的地図の
データと相関させられ得る。このようなデータは、例え
ば、V.McKusick,Mendelian In
heritance inMan(Johns Hop
kins University Welch Med
ical Libraryからオンラインで入手可能で
ある)に見出される。次いで、同一の染色体領域にマッ
プされる遺伝子と疾患との関係が、連鎖解析(物理的に
隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。 【0142】次に、罹患個体と非罹患個体との間のcD
NAまたはゲノム配列の差異を決定する必要がある。変
異がいくつかまたはすべての罹患個体に観察されるが正
常な個体には観察されない場合、この変異は疾患の原因
因子であるようである。 【0143】物理的マッピング技術および遺伝的マッピ
ング技術の現在の解像度では、疾患に関連する染色体領
域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500と
の間の潜在的原因遺伝子の1つであり得る。(これは、
1メガベースのマッピング解像度で、そして20kbあ
たり1遺伝子と仮定する。) このポリペプチド、そのフラグメントもしくは他の誘導
体、またはそれらのアナログ、あるいはそれらを発現す
る細胞は、それらに対する抗体を産生させるための免疫
原として使用され得る。これらの抗体は、例えば、ポリ
クローナル抗体、またはモノクローナル抗体であり得
る。本発明はまた、キメラ抗体、単鎖抗体およびヒト化
抗体、ならびにFabフラグメント、またはFab発現
ライブラリーの産物を包含する。当該分野で公知の種々
の手順が、このような抗体およびフラグメントの産生の
ために使用され得る。 【0144】本発明の配列に対応するポリペプチドに対
して生成される抗体は、動物へのポリペプチドの直接注
射により、または動物へのポリペプチドの投与により得
られ得る。この動物は、好ましくは非ヒトである。次い
で、このようにして得られた抗体は、ポリペプチド自体
に結合する。このようにして、ポリペプチドのフラグメ
ントのみをコードする配列でさえも、天然のポリペプチ
ド全体に結合する抗体を生成するために使用され得る。
次いで、このような抗体は、そのポリペプチドを発現す
る組織からポリペプチドを単離するために使用され得
る。 【0145】モノクローナル抗体の調製のために、細胞
株の連続培養により産生される抗体を提供する任意の技
術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術
(KohlerおよびMilstein,1975,N
ature,256:495−497)、トリオーマ技
術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら,
1983,Immunology Today 4:7
2)、およびヒトモノクローナル抗体を産生するための
EBVハイブリドーマ技術(Coleら,1985,M
onoclonal Antibodies and
Cancer Therapy,Alan R.Lis
s,Inc.,77−96頁)が挙げられる。 【0146】単鎖抗体を産生するために記載された技術
(米国特許第4,946,778号)を、本発明の免疫
原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を生成するため
に適合させ得る。また、トランスジェニックマウスが、
本発明の免疫原性のポリペプチド産物に対するヒト化抗
体の発現に使用され得る。 【0147】上記の抗体は、本発明のポリペプチドを使
用して、固体支持体への抗体の付着、および精製される
ことを所望されるポリペプチドをカラムに通過させるこ
とによるアフィニティークロマトグラフィーを実施する
こと、および精製ポリペプチドを回収することにより単
離し得る。 【0148】本発明を以下の実施例を参照にしてさらに
記載する;しかし、本発明はこのような実施例に限定さ
れないことが理解されるべきである。すべての部または
量は、他に明記しない限り重量基準である。 【0149】以下の実施例の理解を容易にするために、
頻繁に現れる特定の方法および/または用語が記載され
る。 【0150】「プラスミド」は、大文字および/または
数字の後ろおよび/またはその前の小文字のpにより明
示される。本明細書中の出発プラスミドは、市販である
か、制限無く公的に入手可能であるか、または公開され
た手順に従って入手可能なプラスミドから構築され得
る。さらに、記載されるプラスミドと等価のプラスミド
が当該分野で公知であり、そして当業者には明らかであ
る。 【0151】DNAの「消化」は、DNA中の特定の配
列でのみ作用する制限酵素でそのDNAを触媒反応的に
切断することをいう。本明細書中で使用される種々の制
限酵素は、市販されており、そしてそれらの反応条件、
補因子、および他の必要条件は当業者に公知のものが使
用された。分析目的には、代表的には1μgのプラスミ
ドまたはDNAフラグメントには、約2単位の酵素が約
20μlの緩衝溶液中で使用される。プラスミド構築の
ためのDNAフラグメントを単離する目的には、代表的
には5〜50μgのDNAが20〜250単位の酵素
で、より大きな容量中で消化される。特定の制限酵素の
ための適切な緩衝液および基質量は、製造者により特定
される。37℃にての約1時間のインキュベーション時
間が通常使用されるが、しかしこれは供給者の説明書に
従って変わり得る。消化後、反応物をポリアクリルアミ
ドゲル上で直接電気泳動して所望のフラグメントを単離
する。 【0152】切断フラグメントのサイズ分離は、Goe
ddel,D.ら,NucleicAcids Re
s.,8:4057(1980)により記載された8%
ポリアクリルアミドゲルを使用して行われる。 【0153】「オリゴヌクレオチド」は、一本鎖ポリデ
オキシヌクレオチドまたは2つの相補的なポリデオキシ
ヌクレオチド鎖のいずれかをいい、これらは化学的に合
成され得る。このような合成オリゴヌクレオチドは、
5’リン酸を有さず、従ってキナーゼの存在下でリン酸
とATPとを添加しなければ別のオリゴヌクレオチドと
連結しない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化さ
れていないフラグメントに連結する。 【0154】「連結」は、2つの二本鎖核酸フラグメン
トの間でリン酸ジエステル結合を形成するプロセスをい
う(Maniatis,Tら、前出、146頁)。他に
提供されていなければ、連結は公知の緩衝液および条件
で、ほぼ等モル量の連結されるべきDNAフラグメント
0.5μgあたり10単位のT4 DNAリガーゼ
(「リガーゼ」)を用いて達成され得る。 【0155】記載しない限り、形質転換はGraha
m,F.およびVan der Eb,A.,Viro
logy,52:456−457(1973)の方法に
記載のように実施された。 【0156】以下の図面は、本発明の実施態様の例示で
あり、そして請求の範囲により包含されるような本発明
の範囲を限定することを意味しない。 【0157】ヒトATPレセプターポリペプチドおよび
そのようなポリペプチドをコードするDNA(RNA)
ならびにそのようなポリペプチドを組換え技術によって
産生する手順が開示される。さらに、そのようなポリペ
プチドに対するアンタゴニストおよびアゴニストを同定
するためのそのようなポリペプチドを利用するための方
法、ならびにATPレセプターポリペプチドの過小発現
および過剰発現に関連する症状を治療的に処置するため
にそのアゴニストおよびアンタゴニストを使用する方法
が提供される。さらに、ATPレセプター核酸配列中の
変異を検出するため、および宿主由来の試料中のレセプ
ターの可溶性形態のレベルを検出するための診断方法が
開示される。 【0158】 【実施例】(実施例1:ATPレセプターの細菌発現お
よび精製)ATPレセプターをコードするDNA配列
(ATCC受託番号第97333号)を、プロセスされ
たATPレセプタータンパク質の5’配列(シグナルペ
プチド配列を除く)およびATPレセプター遺伝子に対
して3’のベクター配列に対応するPCRオリゴヌクレ
オチドプライマーを用いて最初に増幅する。ATPレセ
プターに対応するさらなるヌクレオチドを、それぞれ
5’および3’配列に添加する。5’オリゴヌクレオチ
ドプライマーは、配列5’CCGCAGATCAATG
CTGGGGATCATGGCA3’(配列番号3)を
有し、これはBgl II制限酵素部位、それに続くプ
ロセスされたタンパク質の推定末端アミノ酸から始まる
18ヌクレオチドのATPレセプターコード配列を含
む。3’配列、5’CGGCTCTAGATCACTT
TTCTCTGAATGA3’(配列番号4)は、Xb
aI部位に相補的な配列を含み、そして続いてATPレ
セプターの18ヌクレオチドおよびATPレセプターD
NAインサートの3’側に位置するベクター配列を含
む。制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE−9(Q
iagen,Inc.Chatsworth,CA)上
の制限酵素部位に対応する。pQE−9は、抗生物質耐
性(Amp)、細菌の複製起点(ori)、IPTG
調節可能プロモーターオペレーター(P/O)、リボソ
ーム結合部位(RBS)、6−Hisタグ、および制限
酵素部位をコードする。次いで、pQE−9をBglI
IおよびXbaIで消化する。増幅配列をpQE−9に
連結し、そしてヒスチジンタグおよびRBSをコードす
る配列とインフレームで挿入する。次いで、連結混合物
を用いて、E.coli株M15/rep 4(Qia
gen,Inc.)をSambrook,J.ら、Mo
lecular Cloning:A Laborat
ory Manual,Cold Spring La
boratory Press,(1989)に記載の
手順により形質転換する。M15/rep4はプラスミ
ドpREP4の多数のコピーを含有する。これは、la
cIリプレッサーを発現し、そしてまたカナマイシン耐
性(Kan)を付与する。形質転換体をLBプレート
上で増殖するそれらの能力により同定し、そしてアンピ
シリン/カナマイシン耐性コロニーを選択する。プラス
ミドDNAを単離し、制限酵素分析により確認する。所
望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/m
l)とKan(25μg/ml)との両方を補充したL
B培地における液体培養で一晩(O/N)増殖させる。
O/N培養物を用いて1:100〜1:250の比で大
規模な培養物に接種する。細胞を、600の光学密度
(O.D.600)が0.4と0.6との間になるまで
増殖させる。次いで、IPTG(「イソプロピル−B−
D−チオガラクトピラノシド」)を加えて1mMの最終
濃度にする。IPTGは、lacIリプレッサーを不活
性化することにより、P/Oを解放(clear)し遺
伝子発現の増加を誘導する。細胞をさらに3〜4時間増
殖させる。次いで、細胞を遠心分離により収集する。細
胞ペレットをカオトロピック薬剤6MグアニジンHCl
中で可溶化する。明澄化後、可溶化ATPレセプター
を、6−Hisタグを含有するタンパク質により堅く結
合し得る条件下で、ニッケル−キレートカラム上でのク
ロマトグラフィーによりこの溶液から精製する(Hoc
huli,Eら、J.Chromatography4
11:177−184(1984))。ATPレセプタ
ーを6MグアニジンHCl(pH5.0)でカラムから
溶出し、そして再生の目的で、3MグアニジンHCl、
100mMリン酸ナトリウム、10mMグルタチオン
(還元型)、および2mMグルタチオン(酸化型)に調
整する。この溶液中での12時間のインキュベーション
の後、タンパク質を10mMリン酸ナトリウムに対して
透析する。 【0159】(実施例2:バキュロウイルス発現系を用
いるATPレセプターのクローニングおよび発現)全長
のATPレセプタータンパク質をコードするDNA配列
(ATCC受託番号第97333号)を、この遺伝子の
5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチ
ドプライマーを用いて増幅する:5’プライマーは、配
列5’CGGGATCCCTCCATGCTGGGGA
TCATGGCA3’(配列番号5)を有し、そしてB
amHI制限酵素部位(太字)、それに続く真核細胞に
おける翻訳の開始に効率的なシグナルに類似する4つの
ヌクレオチド(Kozak,M.,J.Mol.Bio
l.196,947−950,(1987))を含有す
る。これは、ATPレセプター遺伝子の最初の18ヌク
レオチドのすぐ後ろである(転写の開始コドン「AT
G」に下線を付する)。 【0160】3’プライマーは、配列5’CGGGAT
CCGCTCACTTTTCTCTGAATGA3’
(配列番号6)を有し、制限エンドヌクレアーゼBam
HIの切断部位(太字)およびATPレセプター遺伝子
の3’非翻訳配列に相補的な18ヌクレオチドを含む。
増幅配列を、市販のキット(「Geneclean」B
IO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)
を用いて、1%アガロースゲルより単離する。次いで、
このフラグメントをエンドヌクレアーゼBamHIで消
化し、そして1%アガロースゲルで再び単離する。この
フラグメントを、F2と称する。 【0161】ベクターpRG1(pVL941ベクター
の改変体、下記)をバキュロウイルス発現系を用いるA
TPレセプタータンパク質の発現のために用いる(総説
について、Summers,M.D.およびSmit
h,G.E.1987,A manual of me
thods for baculovirus vec
tors and insect cell cult
ure procedures,Texas Agri
cultural ExperimentalStat
ion Bulletin No.1555を参照のこ
と)。この発現ベクターは、Autographa c
alifornica核多角体病ウイルス(AcMNP
V)の強いポリヘドリンプロモーター、それに続く制限
エンドヌクレアーゼBamHIの認識部位を含む。サル
ウイルス(SV)40のポリアデニル化部位を、効率的
なポリアデニル化のために用いる。組換えウイルスを容
易に選択するために、E.coli由来のβガラクトシ
ダーゼ遺伝子をポリヘドリンプロモーターと同方向に挿
入し、その後ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグ
ナルが続く。ポリヘドリン配列を、コトランスフェクト
野生型ウイルスDNAの細胞媒介性相同組換えのために
ウイルス配列で両端で隣接させる。多くの他のバキュロ
ウイルスベクターが、pRG1の代わりに用いられ得
る。例えば、pAc373、pVL941、およびpA
cIM1である(Luckow,V.A.およびSum
mers,M.D.,Virology,170:31
−39)。 【0162】プラスミドを制限酵素BamHIで消化
し、次いで当該分野で公知の手順により仔ウシ腸ホスフ
ァターゼを用いて脱リン酸化する。次いで、市販のキッ
ト(「Geneclean」BIO 101 In
c.,La Jolla,Ca)を用いてDNAを1%
アガロースゲルより単離する。このベクターDNAをV
2と称する。 【0163】フラグメントF2および脱リン酸化プラス
ミドV2を、T4 DNAリガーゼを用いて連結する。
次いで、E.coli HB101細胞を形質転換し、
そして酵素BamHIを用いて、ATPレセプター遺伝
子を有するプラスミド(pBac−ATPレセプター)
を含む細菌を同定する。クローン化フラグメントの配列
を、DNA配列決定により確認する。 【0164】5gのプラスミドpBacATPレセプタ
ーを、リポフェクション法(Felgnerら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,84:74
13−7417(1987))を用いて、1.0gの市
販の線状化したバキュロウイルス(「BaculoGo
ldTM baculovirus DNA」,Pha
rmingen,San Diego,CA.)ととも
にコトランスフェクトする。 【0165】1gのBaculoGoldTMウイルス
DNAおよび5gのプラスミドpBacATPレセプタ
ーを、50lの血清非含有グレース培地(Life T
echnologies Inc.,Gaithers
burg,MD)を含むマイクロタイタープレートの無
菌ウェル中で混合する。その後、10lのリポフェクチ
ンおよび90lのグレース培地を添加し、混合し、そし
て室温にて15分間インキュベートする。次いで、その
トランスフェクション混合物を、血清非含有グレース培
地1mlを有する35mm組織培養プレート内に播種さ
れたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に
滴下する。プレートを、新たに加えられた溶液を混合す
るために、前後に振盪する。次いでプレートを、27℃
で5時間インキュベートする。5時間後、トランスフェ
クション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ
胎児血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加す
る。プレートをインキュベーターに戻し、そして27℃
で4日間培養を続ける。 【0166】4日後、上清を回収し、そしてSumme
rsおよびSmith(前出)による記載と同様にプラ
ークアッセイを行う。改変法として、青く染色されたプ
ラークの容易な単離を可能にする、「Blue Ga
l」(Life Technologies In
c.,Gaithersburg)を有するアガロース
ゲルを用いる。(「プラークアッセイ」の詳細な記述は
また、Life Technologies In
c.、Gaithersburg、で配布される昆虫細
胞培養法およびバキュロウイルス学の使用者ガイド(9
〜10頁)においても見い出され得る)。 【0167】連続希釈の4日後、ウイルスを細胞に加
え、そして青く染色されたプラークをエッペンドルフピ
ペットのチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む
寒天を、200lのグレース培地を含むエッペンドルフ
チューブに再懸濁する。寒天を、手短な遠心分離により
除去し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清を、
35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染する
ために用いる。4日後、これらの培養ディッシュの上清
を回収し、次いで4℃で保存する。 【0168】Sf9細胞を、10%熱失活化FBSを補
充したグレース培地中で増殖させる。細胞を、感染多重
度(MOI)2で組換えバキュロウイルスV−ATPレ
セプターで感染させる。6時間後、その培地を除去し、
そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF900
II培地(Life TechnologiesIn
c.,Gaithersburg)に置き換える。42
時間後、5Ciの S−メチオニンおよび5Ciの
35Sシステイン(Amersham)を添加する。細
胞をさらに16時間インキュベートし、その後細胞を遠
心分離により収集し、そして標識されたタンパク質をS
DS−PAGEおよびオートラジオグラフィーにより可
視化する。 【0169】(実施例3:COS細胞における組換えA
TPレセプターの発現)プラスミドの発現、ATPレセ
プター HAを、ベクターpcDNAI/Amp(In
vitrogen)から誘導する。ベクターpcDNA
I/Ampは以下を含有する:1)SV40複製起点、
2)アンピシリン耐性遺伝子、3)E.coli複製起
点、4)ポリリンカー領域、SV40イントロンおよび
ポリアデニル化部位が続くCMVプロモーター。完全な
ATPレセプター前駆体、およびその3’末端にインフ
レームで融合されたHAタグをコードするDNAフラグ
メントを、ベクターのポリリンカー領域にクローン化す
る。それゆえ、組換えタンパク質発現はCMVプロモー
ター下で支配される。HAタグは、先に記載されたよう
なインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピト
ープに対応する(I.Wilson、H.Niman、
R.Heighten、A Cherenson、M.
Connolly、およびR.Lerner、198
4,Cell37,767(1984))。標的タンパ
ク質へのHAタグの融合により、HAエピトープを認識
する抗体を用いる組換えタンパク質の容易な検出が可能
になる。 【0170】プラスミド構築ストラテジーを以下に記載
する:ATPレセプターをコードするDNA配列(AT
CC受託番号第97333号)を、2つのプライマーを
用いたクローン化されたPCRにより構築する:5’プ
ライマー5’GTCCAAGCTTGCCACCATG
CTGGGGATCATGGCA3’(配列番号7)
は、HindIII部位(太線)、それに続く開始コド
ンから始まるATPレセプターコード配列の18ヌクレ
オチドを含む;3’配列5’CTAGCTCGAGTC
AAGCGTAGTCTGGGACGTCGTATGG
GTAGCACTTTTCTCTGAATGAAAG
3’(配列番号8)は、XhoI部位(太線)、翻訳停
止コドン、HAタグ、およびATPレセプターコード配
列の最後の18ヌクレオチド(停止コドンは含まない)
に相補的な配列を含む。それゆえ、PCR産物は、Hi
ndIII部位、インフレームで融合したHAタグが続
くATPレセプターコード配列、HAタグに隣接する翻
訳終結停止コドン、およびXhoI部位を含む。PCR
増幅DNAフラグメントおよびベクター(pcDNAI
/Amp)を、HindIIIおよびXhoI制限酵素
により消化し、そして連結する。連結混合物を、E.c
oli SURE株(Stratagene Clon
ing Systems,La Jolla,CA,9
2037)に形質転換し、形質転換培養物をアンピシリ
ン培地プレートに播種し、そして耐性コロニーを選択す
る。プラスミドDNAを形質転換体から単離し、そして
正しいフラグメントの存在を制限分析で試験する。組換
えATPレセプターの発現のために、COS細胞をDE
AE−DEXTRAN法により発現ベクターでトランス
フェクトする(J.Sambrook、E.Frits
ch、T.Maniatis、Molecular C
loning:A Laboratory Manua
l,Cold Spring Laboratory
Press,(1989))。ATPレセプター HA
タンパク質の発現を、放射性標識および免疫沈降法によ
り検出する(E.Harlow,D.Lane,Ant
ibodies:A Laboratory Manu
al,Cold Spring Harbor Lab
oratory Press,(1988))。細胞
を、トランスフェクションの2日後、35S−システイ
ンで8時間標識する。次いで培養培地を回収し、そして
細胞を界面活性剤(RIPA緩衝液(150mM Na
Cl、1% NP−40、0.1% SDS、1%NP
−40、0.5% DOC、50mM Tris(pH
7.5))で溶解する(Wilson,I.ら、同上
37:767(1984))。細胞溶解物および培養培
地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体により沈降
させる。沈降したタンパク質を15% SDS−PAG
Eゲル上で分析する。 【0171】(実施例4:遺伝子治療を介した発現)線
維芽細胞は皮膚生検により被験体から得る。得られた組
織を組織培養培地に置き、そして小片に分離する。組織
の小さな塊を、組織培養フラスコの湿った表面に置き、
それぞれのフラスコには約10個の塊をおく。フラスコ
を逆さまにし、きつく閉め、そして室温に一晩放置す
る。室温で24時間後、フラスコを逆さまにし、そして
組織の塊をフラスコの底に固定したままで、そして新鮮
な培地(例えば、10%FBS、ペニシリン、およびス
トレプトマイシンを含むHamのF12培地)を加え
る。次いで、これを37℃で約一週間インキュベートす
る。この時点で、新鮮な培地を添加し、そして数日おき
に次々に交換する。培養でのさらに2週間後、線維芽細
胞の単層が現れる。単層をトリプシン処理し、そしてよ
り大きいフラスコに移す。 【0172】モロニーマウス肉腫ウイルスの長い末端反
復が隣接するpMV−7(Kirschmeier,
P.T.ら、DNA、7:219−25(1988))
を、EcoRIおよびHindIIIで消化し、続いて
仔ウシ小腸ホスファターゼで処理する。線形ベクターを
アガロースゲルで画分し、そしてガラスビーズを用いて
精製する。 【0173】本発明のポリペプチドをコードするcDN
Aは、それぞれ5’および3’末端配列に相当するPC
Rプライマーを用いて増幅する。EcoRI部位を含む
5’プライマー、および3’プライマーは、HindI
II部位をさらに含む。等量のモロニーマウス肉腫ウイ
ルス線形骨格および増幅したEcoRIおよびHind
IIIフラグメントを、T4DNAリガーゼの存在下、
一緒に添加する。得られる混合物を、2つのフラグメン
トの連結に適切な条件下で維持する。連結混合物を、細
菌HB 101を形質転換するのに使用し、次いでベク
ターが目的の遺伝子を適切に挿入したことを確認する目
的で、カナマイシン含有寒天上にプレートする。 【0174】広宿主性pA317またはGP+am12
パッケージング細胞は、組織培養中で、10%仔ウシ血
清(CS)、ペニシリン、およびストレプトマイシン添
加Dulbecco改変Eagleの培地(DMEM)
中、コンフルエント濃度にまで増殖させる。次いで、こ
の遺伝子を含むMSVベクターを培地に加え、そしてパ
ッケージング細胞をこのベクターで形質導入する。パッ
ケージング細胞は、ここでこの遺伝子を含む感染性ウイ
ルス粒子を産生する(パッケージング細胞をここでプロ
デューサー細胞という)。 【0175】新鮮な培地を形質導入されたプロデューサ
ー細胞に加え、続いて培地をコンフルエントプロデュー
サー細胞の10cmプレートから回収する。使用した培
地は、感染性ウイルス粒子を含んでおり、ミリポアフィ
ルターを通じて濾過し、剥離したプロデューサー細胞を
除去し、次いでこの培地を線維芽細胞を感染させるのに
使用する。培地を線維芽細胞のサブコンフルエントのプ
レートから除去し、そして即座にプロデューサー細胞由
来の培地と交換する。この培地を除去し新鮮な培地と交
換する。ウイルス力価が高い場合、実質的にすべての線
維芽細胞が感染しており、選択は必要でない。力価が非
常に低い場合は、neoやhisのような選択マーカー
を有するレトロウイルスベクターを使用する必要があ
る。 【0176】次いで、操作された線維芽細胞を、単独で
か、またはサイトデックス3マイクロキャリアビーズ上
でコンフルエントにまで増殖させた後のいずれかで宿主
に注入する。ここで、線維芽細胞はタンパク質産物を産
生する。 【0177】本発明の多くの改変および変形が上記の教
示を考慮すれば可能であり、したがって、特に記載され
た以外にも、添付の請求の範囲の範囲内で本発明は実施
され得る。 【0178】 【発明の効果】本発明により、ヒトATPレセプターポ
リペプチドおよびそのようなポリペプチドをコードする
DNA(RNA)、そのようなポリペプチドを組換え技
術によって産生する手順、そのようなポリペプチドに対
するアンタゴニストおよびアゴニストを同定するための
そのようなポリペプチドを利用するための方法、ATP
レセプターポリペプチドの過小発現および過剰発現に関
連する症状を治療的に処置するためにそのアゴニストお
よびアンタゴニストを使用する方法、ならびにATPレ
セプター核酸配列中の変異を検出するため、および宿主
由来の試料中のレセプターの可溶性形態のレベルを検出
するための診断方法が提供される。
【図面の簡単な説明】 【図1A】図1Aは、本発明のGタンパク質結合レセプ
ターのcDNA配列、および対応する推定アミノ酸配列
を示す。アミノ酸の標準1文字略語を使用する。配列決
定を、373自動DNAシーケンサー(Applied
Biosystems,Inc.)を用いて行った。 【図1B】図1Bは、本発明のGタンパク質結合レセプ
ターのcDNA配列、および対応する推定アミノ酸配列
を示す。アミノ酸の標準1文字略語を使用する。配列決
定を、373自動DNAシーケンサー(Applied
Biosystems,Inc.)を用いて行った。 【図1C】図1Cは、本発明のGタンパク質結合レセプ
ターのcDNA配列、および対応する推定アミノ酸配列
を示す。アミノ酸の標準1文字略語を使用する。配列決
定を、373自動DNAシーケンサー(Applied
Biosystems,Inc.)を用いて行った。 【図2】図2は、本発明のポリペプチド(上列)(配列
番号2)とマウスPuレセプター(配列番号9)との
間のアミノ酸配列相同性を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 A61K 45/00 11/00 C12N 15/00 A // A61K 45/00 A61K 37/02 (71)出願人 597018381 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (72)発明者 リ, イ アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ガイザースバーグ, ホワード ランデ ィング ドライブ 16125 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA63 CA02 DA02 DA06 EA02 EA04 GA11 HA08 HA17 4C084 AA13 AA17 BA01 BA22 BA23 CA53 ZA36 ZA40 ZA54 ZA59

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 以下からなる群から選択されるメンバー
    と少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド
    を含む単離されたポリヌクレオチド: (a)図1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド
    をコードするポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的であるポリヌ
    クレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なく
    とも30塩基を含むポリヌクレオチド。
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