JP2003180326A - 蒸留方法およびそれに用いる蒸留装置 - Google Patents

蒸留方法およびそれに用いる蒸留装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造コストを下げることのできる蒸留方法を提
供する。 【解決手段】蒸留缶1と、醗酵後の醪Bを収容する昇温
缶2とを備えている。そして、上記昇温缶2に、蒸留缶
1内の醪Aを蒸留して得られた留出ベーパーの後留部分
を導入したのち蒸留缶1内の蒸留廃液を抜き取って新た
に蒸留缶1内に醗酵後の醪Aを収容し、一方、上記後留
部分で上記昇温缶2内の醪Bを昇温させ、この昇温のの
ちに昇温缶2内の醪Bを加熱し、この加熱により気化生
成された留出ベーパーを上記昇温缶2から取り出して蒸
留缶1に導入し、この導入した留出ベーパーで、上記新
たに収容した蒸留缶1内の醪Aを昇温させ、この昇温に
より気化生成された留出ベーパーを蒸留缶1から取り出
したのち凝縮器4に導入して凝縮,液化するようにして
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸留方法およびそ
れに用いる蒸留装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平成13年の酒税法の改正により、焼酎
の税率が上げられ、焼酎とウィスキーの税額がほぼ同じ
金額になっている。そこで、焼酎の競争力を付けるた
め、焼酎の製造コストを下げることのできる方法,装置
の開発が強く要望されている。
【0003】例えば、乙類焼酎等の蒸留酒の製造に、ポ
ットスチル等の単式蒸留機が使用されている。ところ
が、従来のポットスチルでは、得られる蒸留酒のアルコ
ール度数が低いという問題や、蒸気,冷却水等の使用量
が多いという問題がある。
【0004】そこで、このような問題を解消するため、
本発明者は、従来のポットスチルでは分留していた後留
液(1回の蒸留の終わりに得られる留出液であり、フル
フラール,ジアセチル,高級脂肪酸エステル等の高沸点
成分が多量に混じっている)や初留液(1回の蒸留の初
めに得られる留出液であり、前回の後留液の滓等が含ま
れている)を活用するようにした単式の焼酎蒸留装置を
提案している(特願平4−242765号)。
【0005】この焼酎蒸留装置は、図2に示すように、
蒸留缶51の手前に昇温缶(前置蒸留缶)52を設け、
まず、昇温缶52内に醪54を入れ、ついで、この昇温
缶52内に蒸気を吹き込み、昇温缶52内で気化生成さ
れる留出ベーパーを昇温缶52から取り出して蒸留缶5
1に送り込む。このとき、この送り込んだ留出ベーパー
のアルコール度数を検度器53で観測する。そして、上
記留出ベーパーで蒸留缶51内の醪55を昇温させる。
そして、上記留出ベーパーのアルコール度数が0度にな
ったことを検度器53が観測すると、蒸留缶51に上記
留出ベーパーを送り込むことを止め、蒸気を吹き込むよ
うにする。図において、56は凝縮器、57は製品タン
ク、58は初後留液タンクである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このものでは、蒸留缶
51に送り込んだ(昇温缶52からの)留出ベーパーに
より蒸留缶51内の醪55のアルコール濃度を高めるこ
とができ、従来のポットスチルに比べ、得られる蒸留酒
のアルコール度数が高くなる。また、蒸留時間を短縮す
ることができ、蒸気,冷却水等の使用量が少なくてす
む。しかしながら、上記の酒税法の改正により、さらに
製造コストを下げることのできる蒸留方法および蒸留装
置の開発が強く要望されている。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、製造コストを下げることのできる蒸留方法およ
びそれに用いる蒸留装置の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、蒸留缶と、醗酵後の醪を収容する昇温缶
とを備え、上記昇温缶に、蒸留缶内の醪を蒸留して得ら
れた留出ベーパーの後留部分を導入したのち蒸留缶内の
蒸留廃液を抜き取って新たに蒸留缶内に醗酵後の醪を収
容し、一方、上記後留部分で上記昇温缶内の醪を昇温さ
せ、この昇温ののちに昇温缶内の醪を加熱し、この加熱
により気化生成された留出ベーパーを上記昇温缶から取
り出して蒸留缶に導入し、この導入した留出ベーパー
で、上記新たに収容した蒸留缶内の醪を昇温させ、この
昇温により気化生成された留出ベーパーを蒸留缶から取
り出したのち凝縮器に導入して凝縮,液化するようにし
た蒸留方法を第1の要旨とし、蒸留缶と、醗酵後の醪を
収容する昇温缶と、上記昇温缶内の留出ベーパーを蒸留
缶に導入する開閉弁付き第1導入路と、凝縮器と、上記
蒸留缶内の醪を蒸留して得られた留出ベーパーを凝縮器
に導入する開閉弁付き第2導入路と、上記昇温缶内の醪
を加熱する加熱手段とを備え、上記第2導入路と昇温缶
とを連結する開閉弁付き留出ベーパー供給路を設け、上
記蒸留缶内で得られた留出ベーパーの後留部分を上記留
出ベーパー供給路で昇温缶に導入し、この昇温缶内の醪
を上記後留部分で昇温させ、この昇温ののち昇温缶内の
醪を上記加熱手段で加熱し、この加熱により留出ベーパ
ーを気化生成するように構成した蒸留装置を第2の要旨
とする。
【0009】すなわち、本発明の蒸留方法は、まず、蒸
留缶での蒸留の終わりに蒸留缶から取り出される留出ベ
ーパーの後留部分を昇温缶に導入し、上記後留部分で昇
温缶内の醗酵後の醪を昇温させる。ついで、この昇温の
のちに昇温缶内の醪を加熱し、この加熱により気化生成
された留出ベーパーを昇温缶から取り出して蒸留缶に導
入する。そして、この導入した留出ベーパーで蒸留缶内
の醗酵後の醪を昇温させ、その留出ベーパーを蒸留缶か
ら取り出したのち凝縮器に導入して凝縮,液化するよう
にしている。このように、本発明の蒸留方法では、蒸留
缶から取り出した留出ベーパーの後留部分を昇温缶に導
入し、上記後留部分で昇温缶内の醗酵後の醪を昇温させ
ているため、昇温缶での醪の昇温におけるエネルギーを
少なくすることができ、また、昇温缶での醪の昇温時間
を短縮することができる。しかも、昇温缶内で気化生成
した留出ベーパーを蒸留缶に導入し、この導入した留出
ベーパーで蒸留缶内の醗酵後の醪を昇温させているた
め、蒸留缶での醪の蒸留時間(昇温時間)を短縮するこ
とができるうえ、蒸留缶内の醪のアルコール度数を高め
て、得られる製品のアルコール度数を高くすることがで
きる。さらに、上記各醪の昇温時間や蒸留時間が短くな
るため、その分蒸気の使用量が減少し、省エネルギーに
なる。このように、省エネルギー化を図るとともに、得
られる製品のアルコール度数を高くすることができ、製
造コストを下げることができる。一方、本発明の蒸留装
置によれば、本発明の蒸留方法を効率よく行うことがで
きる。
【0010】本発明において、上記昇温缶からの留出ベ
ーパーで蒸留缶内の醪を昇温させたのちにこの醪を加熱
し、この加熱により留出ベーパーを気化生成するように
してもよい。
【0011】また、本発明において、昇温缶内の醪とし
て、蒸留缶内の醪とは別種の醪を用い、かつ、蒸留缶か
ら取り出す留出ベーパーの風味が蒸留缶内の醪の風味を
残している場合には、昇温缶内の醪として、蒸留缶内の
醪の原料(主原料)とは別種の安価な原料(副原料)で
造った醪を用いながらも、蒸留缶から取り出す留出ベー
パーの風味が蒸留缶内の醪の風味を残したものになる。
上記主原料としては、米,麦,さつま芋,そば等の各種
原料が挙げられ、上記副原料としては、コーンスター
チ,タピオカスターチ,その他のスターチもしくは穀物
等の各種原料が挙げられる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面にもとづいて説明する。
【0013】図1は本発明の蒸留装置の一実施の形態を
示している。この実施の形態の蒸留装置は単式の蒸留装
置である。図において、1は円筒状の蒸留缶であり、こ
の蒸留缶1の天井壁に設けた開閉弁11a付き主原料供
給管11から、上記蒸留缶1の内部に、米麹・米(主原
料)を使用して醗酵させた醪Aが供給される。また、上
記蒸留缶1の底壁1aの外周部(底壁1aの中央部分を
除く)は、底壁1aと外側壁1bとからなる二重壁構造
に形成されており、この二重壁構造の内部空間(以下、
蒸留缶加熱部という)に、開閉弁(昇温缶2の入口開閉
弁)10a付きスチーム供給管10,第1連結管21,
第2連結管22,開閉弁15a付き第1供給管15を介
してスチームが供給される。2は円筒状の昇温缶であ
り、この昇温缶2の天井壁に設けた開閉弁12a付き副
原料供給管12から、上記昇温缶2の内部に、米麹・タ
ピオカスターチ(副原料)を液化酵素で液化した物を使
用して醗酵させた醪Bが供給される。また、上記昇温缶
2の底壁2aの外周部(底壁2aの中央部分を除く)
は、底壁2aと外側壁2bとからなる二重壁構造に形成
されており、この二重壁構造の内部空間(以下、昇温缶
加熱部という)に、スチーム供給管10,第1連結管2
1,開閉弁16a付き第2供給管16を介してスチーム
が供給される。なお、上記副原料としては、元価が安
く、また、癖のない穀物が望ましいため、米麹・タピオ
カスターチを用いている。
【0014】上記蒸留缶1の下部(蒸留缶1の、醪Aが
収容されている部分)から突設される入口管23と、昇
温缶2の頂部から突設される出口管24とは開閉弁13
a付き導入管(第1導入管)13を介して連結してい
る。また、この導入管13から開閉弁14a付き連通管
14が延設されており、上記蒸留缶1の上部(蒸留缶1
に収容される醪Aの上側空間)に連結されている。ま
た、この連通管14に、留出アルコールベーパー中のア
ルコール度数(以下、ALCという)を検出しうるサン
プルテスター3が設けられている。
【0015】4は凝縮器であり、その上部が、蒸留缶1
の頂部から延びる開閉弁(凝縮器4の入口開閉弁)5a
付きスワンネック(第2導入管)5に連結している。6
は上記スワンネック5の、開閉弁5aより上流側の部分
から延びる開閉弁6a付きベーパー供給管(留出ベーパ
ー供給路)であり、スチーム供給管10の、開閉弁10
aより下流側の部分に連結している。図において、7は
製品タンク、8は初後留タンク、17は開閉弁17a付
き第3供給管、18aは冷却水入口管、18bは冷却水
排出弁、19は凝縮器4で凝縮,液化された留出液(製
品アルコール:乙類焼酎)を取り出す留出液取出管、2
0は留出液取出管19を通る留出液のALCを検出する
検度器、25は昇温缶2の下部(昇温缶2の、醪Bが収
容されている部分)から突設される入口管である。ま
た、7a,8aは開閉弁、7b,8b,26,27は取
り出し弁である。
【0016】上記構成において、製品アルコールを、例
えばつぎのようにして製造することができる。この実施
の形態では、蒸留缶1,昇温缶2での蒸留は常圧で行
い、蒸留缶1での加熱は間接加熱により行い、昇温缶2
での加熱は間接加熱,直接蒸気により行う。まず、醪B
(体積450L,ALC12%)と(蒸留缶1での)前
回蒸留時の後留アルコールベーパー(留出ベーパーの後
留部分)(体積50L,ALC12%)とを収容した昇
温缶2を加熱し、昇温缶2内で生成した留出アルコール
ベーパー(留出ベーパー)を、導入管13を介して、醪
A(体積1000L,ALC17%)を収容した蒸留缶
1に直接導入する。そして、上記留出アルコールベーパ
ーで蒸留缶1内の醪Aを昇温させる。上記加熱は、昇温
缶2の内部にスチーム供給管10を介してスチームを供
給すること、および昇温缶2の昇温缶加熱部にスチーム
供給管10,第1連結管21,第2供給管16を介して
スチームを供給することにより行う。また、この状態で
は、開閉弁5a,10a,13a,14a,16aは開
けられ、開閉弁6a,15a,17aは閉じられてい
る。
【0017】ついで、連通管14を通過する留出アルコ
ールベーパーのALCをサンプルテスター3でチェック
し、ALC約6%になると、開閉弁10a,16aを閉
じ、昇温缶2の加熱を止める。と同時に、開閉弁13
a,14aを閉じ、蒸留缶1への留出アルコールベーパ
ーの導入を停止する。一方、開閉弁15aを開け、蒸留
缶1の蒸留缶加熱部にスチーム供給管10、両連結管2
1,22、第1供給管15を介してスチームを供給し、
蒸留缶1内の醪Aを加熱する。そして、この加熱により
蒸留缶1内で生成した留出アルコールベーパー(留出ベ
ーパー)を凝縮器4に導入して凝縮,液化し、製品アル
コールとして取り出す。
【0018】上記留出アルコールベーパーの導入によ
り、上記蒸留缶1には、体積165L,ALC約36%
の留出アルコールベーパーが導入されたことになり、こ
れを蒸留缶1内の醪A(体積1000L,ALC17
%)に加えると、蒸留缶1の蒸留時の醪(体積1165
L,ALC19.6%)となる。また、蒸留缶1の蒸留
時の醪の温度は上記留出アルコールベーパーにより約8
5℃となる。このように、初めの醪(醪A,Bおよび前
回蒸留時の後留アルコールベーパー)の量は1500L
(1000L+500L)であるが、蒸留缶1の蒸留時
の醪の量は1165Lと少なくなるのに対し、ALCが
上昇し、省エネルギーになる。また、製品アルコールの
ALCも高くなり、精留効果もよくなる。なお、副原料
にタピオカスターチが入っているものの、副原料の醪B
から生成した留出アルコールベーパーを主原料の醪Aに
直接入れているため、副原料の原料特性が出にくく、醪
の風味は、醪A,醪Bを混ぜた場合とは異なり、あまり
変わらない。
【0019】つぎに、上記昇温缶2では、醪Bの蒸留終
了後に、蒸留廃液を取り出し弁27から抜き取り、新た
に醪B(体積450L,ALC12%)を副原料供給管
12から供給する。また、蒸留缶1での蒸留の終わり
に、蒸留缶1内の醪がALC20〜10%(この実施の
形態では、ALC15%)で後留すると、開閉弁5aを
閉めるとともに開閉弁6aを開け、スワンネック5を流
れる後留アルコールベーパーを、ベーパー供給管6を介
して昇温缶2に直接導入する。そして、上記後留アルコ
ールベーパーで昇温缶2内の醪Bを昇温させる。また、
開閉弁17aを開け、蒸留缶1の内部にスチーム供給管
10、両連結管21,22、第3供給管17を介してス
チームを供給する。そして、後留アルコールベーパーの
ALC8%で上記導入を止める。このとき、ALC15
%からALC8%までの間に体積約50L,ALC12
%の後留アルコールベーパーが昇温缶2内に導入された
ことになる。また、昇温缶2内の蒸留時の醪の温度は上
記後留アルコールベーパーにより約70℃となり、次回
の蒸留時間の短縮,省エネルギーになる。なお、蒸留缶
1内の醪のALCはテスター(図示せず)で検出する。
【0020】つぎに、蒸留缶1内の醪のALCが所定値
(例えば、ALC0%)まで低下すると、これを上記テ
スターで検出し、開閉弁5aを開けるとともに、開閉弁
6a,15a,17aを閉じる。そして、蒸留廃液を取
り出し弁26から抜き取り、新たに醪A(体積1000
L,ALC17%)を主原料供給管11から供給する。
そののち、上記したように、昇温缶2を加熱して、この
加熱により昇温缶2内で生成した留出アルコールベーパ
ーを蒸留缶1に導入することを行う。このような操作を
繰り返し、所望量の製品アルコールを得るようにしてい
る。
【0021】上記のように、この実施の形態では、昇温
缶2に蒸留缶1からの後留アルコールベーパーを直接供
給して昇温缶2内の醪Bを昇温させているため、昇温缶
2での醪Bの昇温におけるエネルギーを少なくすること
ができるうえ、昇温缶2での醪Bの昇温時間を短縮する
ことができる。また、昇温缶2からの留出アルコールベ
ーパーを蒸留缶1に直接供給して蒸留缶1内の醪Aを昇
温させているため、蒸留時間(醪の昇温時間)が短くな
るうえ、蒸留缶1の醪AのALCが高くなり、その分製
品アルコールのALCも高くなる。しかも、上記醪Aの
ALCが高くなるため、蒸留缶1からの留出アルコール
ベーパー量を少なくすることができ、省エネルギー化で
きるうえ、製品アルコールの貯蔵タンクを小さくするこ
とができる。このように、省エネルギー化を図りなが
ら、製造コストを下げることができる。しかも、副原料
として、米麹・タピオカスターチを用いているため、米
焼酎独特の風味(米由来の風味)は残っている。
【0022】なお、上記実施の形態では、蒸留は常圧で
行っているが、これに限定するものではなく、蒸留は常
圧,減圧のどちらで行ってもよい。また、加熱方法は直
接蒸気方式,間接加熱方式のどちらで行ってもよい。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明の蒸留方法によれ
ば、蒸留缶から取り出した留出ベーパーの後留部分を昇
温缶に導入し、上記後留部分で昇温缶内の醗酵後の醪を
昇温させている。したがって、昇温缶での醪の昇温にお
けるエネルギーを少なくすることができ、また、昇温缶
での醪の昇温時間を短縮することができる。しかも、昇
温缶内で気化生成した留出ベーパーを蒸留缶に導入し、
この導入した留出ベーパーで蒸留缶内の醗酵後の醪を昇
温させているため、蒸留缶での醪の蒸留時間(昇温時
間)を短縮することができるうえ、蒸留缶内の醪のアル
コール度数を高めて、得られる製品のアルコール度数を
高くすることができる。さらに、上記各醪の昇温時間や
蒸留時間が短くなるため、その分蒸気の使用量が減少
し、省エネルギーになる。このように、省エネルギー化
を図るとともに、得られる製品のアルコール度数を高く
することができ、製造コストを下げることができる。一
方、本発明の蒸留装置によれば、本発明の蒸留方法を効
率よく行うことができる。
【0024】本発明において、上記昇温缶からの留出ベ
ーパーで蒸留缶内の醪を昇温させたのちにこの醪を加熱
し、この加熱により留出ベーパーを気化生成するように
してもよい。
【0025】また、本発明において、昇温缶内の醪とし
て、蒸留缶内の醪とは別種の醪を用い、かつ、蒸留缶か
ら取り出す留出ベーパーの風味が蒸留缶内の醪の風味を
残している場合には、昇温缶内の醪として、蒸留缶内の
醪の原料(主原料)とは別種の安価な原料(副原料)で
造った醪を用いながらも、蒸留缶から取り出す留出ベー
パーの風味が蒸留缶内の醪の風味を残したものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸留装置の一実施の形態を示す説明図
である。
【図2】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 蒸留缶 2 昇温缶 4 凝縮器 A,B 醪

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸留缶と、醗酵後の醪を収容する昇温缶
    とを備え、上記昇温缶に、蒸留缶内の醪を蒸留して得ら
    れた留出ベーパーの後留部分を導入したのち蒸留缶内の
    蒸留廃液を抜き取って新たに蒸留缶内に醗酵後の醪を収
    容し、一方、上記後留部分で上記昇温缶内の醪を昇温さ
    せ、この昇温ののちに昇温缶内の醪を加熱し、この加熱
    により気化生成された留出ベーパーを上記昇温缶から取
    り出して蒸留缶に導入し、この導入した留出ベーパー
    で、上記新たに収容した蒸留缶内の醪を昇温させ、この
    昇温により気化生成された留出ベーパーを蒸留缶から取
    り出したのち凝縮器に導入して凝縮,液化するようにし
    たことを特徴とする蒸留方法。
  2. 【請求項2】 上記昇温缶からの留出ベーパーで蒸留缶
    内の醪を昇温させたのちにこの醪を加熱し、この加熱に
    より留出ベーパーを気化生成するようにした請求項1記
    載の蒸留方法。
  3. 【請求項3】 上記昇温缶内の醪として、蒸留缶内の醪
    とは別種の醪を用い、かつ、蒸留缶から取り出す留出ベ
    ーパーの風味が蒸留缶内の醪の風味を残している請求項
    1または2記載の蒸留方法。
  4. 【請求項4】 蒸留缶と、醗酵後の醪を収容する昇温缶
    と、上記昇温缶内の留出ベーパーを蒸留缶に導入する開
    閉弁付き第1導入路と、凝縮器と、上記蒸留缶内の醪を
    蒸留して得られた留出ベーパーを凝縮器に導入する開閉
    弁付き第2導入路と、上記昇温缶内の醪を加熱する加熱
    手段とを備え、上記第2導入路と昇温缶とを連結する開
    閉弁付き留出ベーパー供給路を設け、上記蒸留缶内で得
    られた留出ベーパーの後留部分を上記留出ベーパー供給
    路で昇温缶に導入し、この昇温缶内の醪を上記後留部分
    で昇温させ、この昇温ののち昇温缶内の醪を上記加熱手
    段で加熱し、この加熱により留出ベーパーを気化生成す
    るように構成したことを特徴とする蒸留装置。
  5. 【請求項5】 上記蒸留缶内の醪を加熱する加熱手段を
    備えている請求項4記載の蒸留装置。
  6. 【請求項6】 上記昇温缶内の醪が、蒸留缶内の醪とは
    別種の醪であり、かつ、蒸留缶から取り出す留出ベーパ
    ーが蒸留缶内の醪の風味を有するように構成されている
    請求項4または5記載の蒸留装置。
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