JP2003176853A - 伝動用チェーン - Google Patents

伝動用チェーン

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JP2003176853A
JP2003176853A JP2001376189A JP2001376189A JP2003176853A JP 2003176853 A JP2003176853 A JP 2003176853A JP 2001376189 A JP2001376189 A JP 2001376189A JP 2001376189 A JP2001376189 A JP 2001376189A JP 2003176853 A JP2003176853 A JP 2003176853A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラチェーンあるいはブシュチェーンから
なる伝動用チェーンがガイド部材に摺接して走行する場
合、ガイド部材と伝動用チェーンの上端面あるいは下端
面との面圧を外プレートのみで受けないようにして、ガ
イド部材の両側端部の摩耗を抑制すると共に、外プレー
トのピン孔と連結ピンとの嵌合力が低下するのを防止し
て、チェーン切断を防止できる伝動用チェーンを提供す
ること。 【解決手段】 ローラチェーン21を構成する外プレー
ト22及び内プレート23を、各ピン孔22a、ブシュ
孔23aの中心を結んだピッチライン27が水平直線状
になるように配置した状態において、外プレート22の
上端面22bを内プレート23の上端面23bより、ブ
シュ24の内径と連結ピン26の外径との差の1/2だ
け下方に位置するようにローラチェーンを形成し、ガイ
ド部材との摺接時、上端面22b、上端面23bが面一
になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、産業用機
械等において、動力を伝達する場合に用いられるローラ
チェーンまたはブシュチェーンからなる伝動用チェー
ン、特に、ガイド部材に摺接して走行する場合の使用に
好適な伝動用チェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】ローラチェーンまたはブシュチェーンか
らなる伝動用チェーンは、自動車のエンジン、汎用エン
ジン、産業機械等の動力伝達部分に使用されるが、その
一例として、自動車のエンジンにおけるクランク軸の回
転をカム軸に伝達するタイミング伝動機構に用いられる
伝動用チェーンの使用態様を図4、図5に示す。以下、
この伝動用チェーンの一例である従来のローラチェーン
について、図6、図7を参照して説明する。
【0003】タイミング伝動機構1は、図4に示すよう
に、クランク軸用スプロケット2、カム軸用スプロケッ
ト3、これらスプロケット2、3に捲回されるローラチ
ェーン4と、ガイド5と、テンショナ6と、テンショナ
レバー7とで概略構成される。ここでは、ガイド部材で
あるガイド5あるいはテンショナレバー7は、周回走行
するローラチェーン4の外側に設けられたものを示して
いるが、タイミング伝動機構としては、ガイド部材が周
回走行するローラチェーン4の内側に設けられる場合も
ある。
【0004】ガイド5は、ローラチェーン4の組み付け
時及び走行時における張り過ぎ、緩み過ぎを防止すると
共に、走行中のローラチェーン4の振動、横振れを防止
するガイド部材である。また、テンショナレバー7は、
テンショナ6により押圧され、ローラチェーン4に摺接
して適切な張力を付与すると共に、走行するローラチェ
ーン4の振動、横振れを防止するガイド部材である。
【0005】ローラチェーン4は、図6(A)、(B)
に示すように、一対のピン孔8aが形成された略々小判
形の外プレート8と、一対のブシュ孔9aが形成された
略々小判形の内プレート9と、この内プレート9のブシ
ュ孔9aに嵌合固定されたブシュ10と、このブシュ1
0の外周側に遊嵌されたローラ11と、このブシュ10
の内部に遊嵌されると共に、外プレート8のピン孔8a
に嵌合固定された連結ピン12とで構成される。
【0006】このローラチェーン4は、一対の外プレー
ト8、8とローラ11が遊嵌されたブシュ10で連結さ
れた一対の内プレート9、9とが長手方向に相互に位置
をずらせて連結ピン12で連結して形成され、ブシュ1
0を軸受として連結ピン12が回転する。
【0007】従来のローラチェーン4は、図6(A)、
(B)に示すように、外プレート8及び内プレート9を
ピン孔8a、ブシュ孔9aの中心で結んだピッチライン
13が水平直線状になるように配置した状態において、
外プレート8の上端面8bと内プレート9の上端面9b
とが面一になると共に、両者の下端面8c、9cが面一
になるように形成され、上記のように配置した状態にお
いて、ローラチェーン4全体の上端面8b、9b、及び
下端面8c、9cが面一になるように形成されたもので
ある。
【0008】すなわち、外プレート8の上端面8bとピ
ッチライン13との距離をK1、内プレート9の上端面
9bとピッチライン13との距離をK2とすると、K1
=K2の関係になり、また、外プレート8の下端面8c
とピッチライン13との距離をK3、内プレート9の下
端面9cとピッチライン13との距離をK4とすると、
K3=K4の関係になっている。この場合、各プレート
は、K1=K2=K3=K4の関係、あるいはK1=K
2≠K3=K4の関係となっている。
【0009】また、内プレート9のブシュ孔9aに嵌合
固定されたブシュ10の内部(筒内)に連結ピン12が
遊嵌されているため、ブシュ10の内径M1と連結ピン
12の外径M2との間に、差(隙間)M=M1−M2が
生じている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ローラチェーン4は、
ガイド部材であるテンショナレバー7によりその上端面
が押圧されて走行するとき、外プレート8はそのピン孔
8aに連結ピン12が嵌合固定され、一方、内プレート
9のブシュ孔9aに嵌合固定されたブシュ10の内部に
連結ピン12が差(隙間)Mをもって遊嵌されているた
め、内プレート9が自由に上下動し、図7(A)、
(B)に示すように、内プレート9の上端面9bが外プ
レート8の上端面8bより同図で下方に下がり、段差K
が生じる。この段差Kは、最大で、ブシュ孔9aの内径
と連結ピン12の外径との差(隙間)Mの半分の段差、
すなわち段差K=(1/2)・Mとなる。
【0011】そのため、図7(C)に示すように、テン
ショナ6で押圧されているテンショナレバー7がローラ
チェーン4に圧接されると、外プレート8の上端面8b
(網点部)のみがテンショナレバー7に接触し、テンシ
ョナレバー7とローラチェーン4との面圧を外プレート
8だけで受け止めることになる。
【0012】その結果、テンショナレバー7のシュー7
a両側端部の摩耗が促進されたり、フリクションロスが
増大すると共に、外プレート8のピン孔8aと連結ピン
12との嵌合固定部にだけ負荷が掛かって、嵌合力が弱
まり連結ピン12が外れ、ローラチェーンの切断を起こ
すという問題がある。
【0013】上記のように、内プレート9の上端面9b
と外プレート8の上端面8bとの間に段差Kが生じてい
ると、テンショナレバー7のシュー7aと内プレート9
の上端面9bとの間に段差Kに相当する隙間があき、図
6でK’(隙間箇所K’)として示すように、内プレー
ト9の上端面9bがテンショナレバー7により押圧され
なくなると共に、この段差Kにより、テンショナレバー
7に1ピッチ毎にしか外プレート8が接触しなくなるた
め、ローラチェーン4がテンショナレバー7の下方にス
ムーズに進入できなくなり、走行挙動が不安定になると
いう問題がある。
【0014】以上、ローラチェーン4の上端面8b、9
bと、周回走行するローラチェーン4の外側に設けられ
たガイド部材であるテンショナレバー7との摺接走行時
の問題点について摘示したが、ガイド部材が周回走行す
るローラチェーン4の内側に設けられる場合は、ローラ
チェーン4の下端面8c、9cがガイド部材に摺接して
走行するとき、やはり同じような問題点が生じる。ま
た、上記各問題点は、ローラが設けられていないブシュ
チェーンにも共通する問題点である。
【0015】そこで、本発明は、前述したような従来技
術の問題点を解消し、ローラチェーンまたはブシュチェ
ーンからなる伝動用チェーンがガイド部材に摺接して走
行する場合、ガイド部材と伝動用チェーンとの面圧を外
プレートの上端面または下端面のみで受けないようにし
て、ガイド部材の両側端部の摩耗を抑制すると共に、外
プレートのピン孔と連結ピンとの嵌合力が低下するのを
防止して、チェーンの切断が起こらないようにすること
ができ、外プレートと内プレートの上端面どうしの段
差、または下端面どうしの段差をなくして、ガイド部材
への伝動用チェーンの進入をスムーズに行うことができ
るようにした伝動用チェーンを提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、内プレートに形成された一対のブシュ孔
に嵌合固定されたブシュと、このブシュの内部に遊嵌さ
れると共に、外プレートに形成された一対のピン孔に嵌
合固定された連結ピンとを主として構成されたローラチ
ェーンまたはブシュチェーンからなる伝動用チェーンに
おいて、外プレート及び内プレートが、いずれも平行な
上端面と下端面とを有する略々小判形の板で形成され、
外プレート及び内プレートを、これらプレートのピン孔
及びブシュ孔の中心を結んだピッチラインが水平直線状
になるように配置した状態において、外プレートの上端
面が内プレートの上端面より、ブシュの内径と連結ピン
の外径との差の1/2だけ下方に位置する伝動用チェー
ン、という構成としたものである。
【0017】また、他の本発明は、上記伝動用チェーン
において、前記外プレート及び前記内プレートを、前記
ピン孔及び前記ブシュ孔の中心を結んだピッチラインが
水平直線状になるように配置した状態において、外プレ
ートの下端面が内プレートの下端面より、ブシュの内径
と連結ピンの外径との差の1/2だけ上方に位置する、
という構成としたものである。
【0018】
【作用】本発明の伝動用チェーンは、外プレート及び内
プレートを、これらプレートのピン孔及びブシュ孔の中
心を結んだピッチラインが水平直線状になるように配置
した状態において、外プレートの上端面が内プレートの
上端面より、ブシュの内径と連結ピンの外径との差の1
/2だけ下方に位置していることにより、伝動用チェー
ンの上端面がガイド部材に摺接して走行するとき、内プ
レートが下方に移動し、外プレートの上端面と内プレー
トの上端面とが面一となって段差がなくなり、伝動用チ
ェーンの上端面全体が略々面一となる。
【0019】また、外プレートの下端面が内プレートの
下端面より、ブシュの内径と連結ピンの外径との差の1
/2だけ上方に位置していることにより、伝動用チェー
ンの下端面がガイド部材に摺接して走行するとき、内プ
レートが上方に移動し、外プレートの下端面と内プレー
トの下端面とが面一となって段差がなくなり、伝動用チ
ェーンの下端面全体が略々面一となる。
【0020】このように、伝動用チェーン全体の上端
面、あるいは下端面が略々面一となると、ガイド部材に
均等に接触するため、外プレートの上端面、あるいは下
端面とガイド部材との間の面圧が低下されるので、外プ
レートのピン孔と連結ピンとの嵌合力が低下するような
ことがなくなり、伝動用チェーンの切断も防止される。
【0021】また、伝動用チェーン全体の上端面、ある
いは下端面が面一となって、段差がなくなると、伝動用
チェーンがガイド部材下方あるいは上方にスムーズに進
入するようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施例1を図1〜図3に
基づいて説明する。この実施例1の伝動用チェーンは、
ローラチェーンからなるもので、図1(A)には、ロー
ラチェーン21の一部側面図を示し、図1(B)にはそ
の断面図を示し、図2(A)、(B)、(C)には、ガ
イド部材との接触時の状態を示している。
【0023】ローラチェーン21は、図1(A)、
(B)に示すように、一対のピン孔22aが形成された
外プレート22と、一対のブシュ孔23aが形成された
内プレート23と、この内プレート23のブシュ孔23
aに嵌合固定されたブシュ24と、このブシュ24の外
周部に遊嵌されたローラ25と、このブシュ24の内部
に遊嵌されると共に、外プレート22のピン孔22aに
嵌合固定された連結ピン26とで構成される。
【0024】このローラチェーン21は、一対の外プレ
ート22、22とローラ25が遊嵌されたブシュ24で
連結された一対の内プレート23、23とが多数個長手
方向に相互に位置をずらせて連結ピン26で連結して形
成され、ブシュ24を軸受として連結ピン26が回転す
る。
【0025】また、ローラチェーン21の外プレート2
2及び内プレート23は、それぞれ平行する上端面22
b、23bと下端面22c、23cとを有する略々小判
形の板で形成されている。
【0026】ローラ25の外径は、外プレート22の上
端面22bと下端面22cとの離間距離より小さい。こ
のため、ローラチェーン21がガイド部材(図示略)に
摺接走行する場合、その上端面あるいは下端面だけがガ
イド部材に摺接し、ローラ25が接触することはない。
【0027】まず、上端面22b、23bの位置関係に
ついてみると、図1(A)に示すように、外プレート2
2及び内プレート23を、ピン孔22a及びブシュ孔2
3aの中心を結んだピッチライン27が水平直線状にな
るように配置した状態において、外プレート22の上端
面22bは、内プレート23の上端面23bより、ブシ
ュ24の内径Q1と連結ピン26の外径Q2との差Q
(Q=Q1−Q2)の1/2だけ下方に位置する。
【0028】すなわち、内プレート23のブシュ孔23
aに嵌合固定されたブシュ24の内側に連結ピン26が
遊嵌されてクリアランスがあり、ブシュ24の内径Q1
と連結ピン26の外径Q2との間に、Q1−Q2=Qの
差がある。
【0029】また、外プレート22の上端面22bとピ
ッチライン27との上端面間距離をP1、内プレート2
3の上端面23bとピッチライン27との上端面間距離
をP2とするとき、外プレート22の上端面22bが段
差P=P2−P1だけ、内プレート23の上端面23b
より低い位置にある。つまり、この外プレート22の上
端面間距離P1は、内プレート23の上端面間距離P2
より小さい。
【0030】上記において、外プレート22の上端面2
2bが内プレート23の上端面23bより、ブシュ24
の内径Q1と連結ピン26の外径Q2との差Q(Q=Q
1−Q2)の1/2だけ下方に位置するということは、
外プレート22の上端面22bと内プレート23の上端
面23bとの間に、段差P=(1/2)・Qが生じてい
るということである。
【0031】このように形成されたローラチェーン21
は、その上端面22b、23bがガイド部材(図示略)
に摺接して走行する場合、図2(A)、(B)に示すよ
うに、その摺接により段差Pだけ内プレート23が下方
に移動し、外プレート22の上端面22bと内プレート
23の上端面23bとが面一となり、ローラチェーン2
1の上端面22b、23b全体が略々面一となる。
【0032】そのため、ローラチェーン21がガイド部
材(図示略)に摺接して走行するとき、図2(C)に示
すように、外プレート22の上端面22bと内プレート
23の上端面23bとがガイド部材に均等に接触し、ガ
イド部材とローラチェーン21との面圧を両方のプレー
トの上端面22b、23bで受け止めることになる。な
お、図2(C)において、ガイド部材に接触する部位を
網点で示している。
【0033】その結果、ローラチェーン21の上端面2
2b、23bがガイド部材に摺接して走行する場合、ガ
イド部材の両側端部の摩耗が促進されたり、フリクショ
ンロスが増大することを防止することができ、また、外
プレート22のピン孔22aと連結ピン26との嵌合固
定部に掛かる負荷を抑制でき、それに伴って、嵌合力の
弱まりによる連結ピン26の外れを防止でき、ローラチ
ェーン21の切断を防止することができる。
【0034】次に、下端面22c、下端面23cの位置
関係についてみると、上記上端面の位置関係と同様に、
図1(A)に示すように、外プレート22及び内プレー
ト23を、ピン孔22a及びブシュ孔23aの中心を結
んだピッチライン27が水平直線状になるように配置し
た状態において、外プレート22の下端面22cは、内
プレート23の下端面23cより、ブシュ24の内径Q
1と連結ピン26の外径Q2との差Q(Q=Q1−Q
2)の1/2だけ上方に位置する。すなわち、外プレー
ト22の下端面22bと内プレート23の下端面23b
との間に、段差P=(1/2)・Qが生じている。
【0035】ここでは、外プレート22の下端面22c
とピッチライン27との下端面間距離はP1、内プレー
ト23の下端面23cとピッチライン27との上端面間
距離はP2とし、結局、段差P=P2−P1=(1/
2)・Qの関係にある。そして、外プレート22、内プ
レート23は、かかる位置関係になるように予め形成さ
れる。
【0036】このローラチェーン21は、その下端面2
2c、下端面23cがガイド部材(図示略)に摺接して
走行する場合、その摺接により段差Pだけ内プレート2
3が上方に移動し、外プレート22の下端面22cと内
プレート23の下端面23cとが面一となり、ローラチ
ェーン21の下端面22c、23c全体が略々面一とな
る(図示省略)。
【0037】このように、ローラチェーン21の下端面
全体が略々面一となることにより、ローラチェーン21
がガイド部材に摺接して走行するとき、外プレート22
の下端面22cと内プレート23の下端面23cとがガ
イド部材に均等に接触し、ガイド部材とローラチェーン
21との面圧を両方のプレートの下端面22c、23c
で受け止めることになる。
【0038】その結果、ローラチェーン21の下端面2
2c、23cがガイド部材に摺接して走行する場合、ガ
イド部材の両側端部の摩耗が促進されたり、フリクショ
ンロスが増大することを防止することができ、また、外
プレート22のピン孔22aと連結ピン26との嵌合固
定部に掛かる負荷を抑制でき、それに伴って、嵌合力の
弱まりによる連結ピン26の外れを防止でき、ローラチ
ェーン21の切断を防止することができる。
【0039】実施例2を図3に基づいて説明する。実施
例2の伝動用チェーンは、ブシュチェーンからなるもの
で、図3(A)には、ブシュチェーン31の一部側面図
を示し、図3(B)にはその断面図を示し、図3(C)
には、ガイド部材との接触時の状態を示す。このブシュ
チェーン31は、前記実施例のローラチェーン21にお
いて、ローラ無しとしたものに相当し、以下、前記ロー
ラチェーン21と同一態様部材には同一符号を付して説
明する。
【0040】ブシュチェーン31は、図3(A)、
(B)に示すように、一対のピン孔22aが形成された
外プレート22と、一対のブシュ孔23aが形成された
内プレート23と、この内プレート23のブシュ孔23
aに嵌合固定されたブシュ24’と、このブシュ24’
の内部に遊嵌されると共に、外プレート22のピン孔2
2aに嵌合固定された連結ピン26とで構成される。な
お、このブシュ24’は、スプロケットの歯に係合する
中央部分を肉厚としたものでもよい。
【0041】このブシュチェーン31は、一対の外プレ
ート22、22と、ブシュ24’で連結された一対の内
プレート23、23とが多数個長手方向に相互に位置を
ずらせて連結ピン26で連結して形成され、ブシュ2
4’を軸受として連結ピン26が回転する。
【0042】また、ブシュチェーン31は、図3(A)
に示すように、外プレート22及び内プレート23は、
それぞれ、平行する上端面22b、23bと下端面22
c、23cとを有する略々小判形の板で形成されてい
る。
【0043】まず、上端面22b、上端面23bの位置
関係についてみると、図3(A)に示すように、外プレ
ート22及び内プレート23を、ピン孔22a及びブシ
ュ孔23aの中心を結んだピッチライン27が水平直線
状になるように配置した状態において、外プレート22
の上端面22bは、内プレート23の上端面23bよ
り、ブシュ24’の内径Q1と連結ピン26の外径Q2
との差Q(Q=Q1−Q2)の1/2だけ下方に位置
し、段差P=(1/2)・Qが生じている。
【0044】次に、下端面22c、下端面23cについ
てみると、上記と同様に水平直線状になるように配置し
た状態において、外プレート22の下端面22cは、内
プレート23の下端面23cより、ブシュ24の内径Q
1と連結ピン26の外径Q2との差Q(Q=Q1−Q
2)の1/2だけ上方に位置し、やはり段差P=(1/
2)・Qが生じている。
【0045】このように形成されたブシュチェーン31
は、その上端面22b、23bがガイド部材に摺接して
走行する場合、図3(C)に示すように、その摺接によ
り段差Pだけ内プレート23が下方に移動し、外プレー
ト22の上端面22bと内プレート23の上端面23b
とが略々面一となり、ブシュチェーン31の上端面22
b、23b全体が略々面一となる。
【0046】そのため、ブシュチェーン31の上端面2
2b、23bがガイド部材に摺接して走行するとき、外
プレート22の上端面22bと内プレート23の上端面
23bとがガイド部材に均等に接触し、ガイド部材とブ
シュチェーン21との面圧を両方のプレートの上端面2
2b、23bで受け止めることになる。
【0047】また、その下端面22c、23cがガイド
部材に摺接して走行する場合、その摺接により段差Pだ
け内プレート23が上方に移動し、外プレート22の下
端面22cと内プレート23の下端面23cとが略々面
一となり、ブシュチェーン31の下端面22c、23c
全体が略々面一となる(図示省略)。
【0048】そのため、ブシュチェーン31の下端面2
2c、23cがガイド部材に摺接して走行するとき、外
プレート22の下端面22cと内プレート23の下端面
23cとがガイド部材に均等に接触し、ガイド部材とブ
シュチェーン31との面圧を両方のプレートの下端面2
2c、23cで受け止めることになる。
【0049】その結果、ブシュチェーン31の上端面2
2b、23b、あるいは下端面22c、23cがガイド
部材に摺接して走行する場合、ガイド部材の両側端部の
摩耗が促進されたり、フリクションロスが増大すること
を防止することができ、また、外プレート22のピン孔
22aと連結ピン26との嵌合固定部に掛かる負荷を抑
制でき、それに伴って、嵌合力の弱まりによる連結ピン
26の外れを防止でき、ブシュチェーン31の切断を防
止することができる。
【0050】以上、各実施例として、伝動用チェーンの
上端面、下端面の両方に段差があるものについて説明し
たが、伝動用チェーンは、少なくともガイド部材に摺接
する側の上端面あるいは下端面の一方に段差があるもの
としてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のローラチ
ェーンあるいはブシュチェーンからなる伝動用チェーン
は、外プレート及び内プレートを、各ピン孔の中心で結
ばれたピッチラインが水平になるように配置した状態に
おいて、外プレートの上端面が内プレートの上端面よ
り、ブシュの内径と連結ピンの外径との差の1/2だけ
下方に位置する場合は、伝動用チェーンの上端面がガイ
ド部材に摺接して走行するとき、外プレートの上端面と
内プレートの上端面とが面一となって、伝動用チェーン
の上端面全体を略々面一とすることができる。
【0052】また、外プレート及び内プレートを、各ピ
ン孔の中心で結ばれたピッチラインが水平になるように
配置した状態において、外プレートの下端面が内プレー
トの下端面より、ブシュの内径と前記連結ピンの外径と
の差の1/2だけ上方に位置する場合は、伝動用チェー
ンの下端面がガイド部材に摺接して走行するとき、外プ
レートの下端面と内プレートの下端面とが面一となっ
て、伝動用チェーンの下端面全体を略々面一とすること
ができる。
【0053】このように、摺接走行時に伝動用チェーン
全体の上端面、あるいは下端面を面一とすることができ
るので、外プレートの上端面とガイド部材、あるいは外
プレートの下端面とガイド部材との間の面圧を低下させ
ることができるので、外プレートのピン孔と連結ピンと
の嵌合力の低下を防止することができ、嵌合力の低下に
よる伝動用チェーンの切断を防止することができる。
【0054】また、伝動用チェーン全体の上端面、ある
いは下端面を面一ととして、段差をなくすことができる
ので、伝動用チェーンをガイド部材下方あるいは下方に
スムーズに進入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例1のローラチェーンの一部を示
し、(A)は側面図、(B)は(A)のX−X’線断面
図である。
【図2】 内プレートの移動状態を示し、(A)は側面
図、(B)は(A)のX−X’線断面図、(C)は接触
部位を示す平面図である。
【図3】 実施例2のブシュチェーンの一部を示し、
(A)は側面図、(B)は(A)のX−X’線断面図、
(C)は内プレートの移動状態の説明図である。
【図4】 伝動用チェーンを使用したタイミング伝動機
構の側面図である。
【図5】 図4におけるF部拡大図である。
【図6】 従来のローラチェーンの一部を示し、(A)
は側面図であり、(B)は(A)のY−Y’線断面図で
ある。
【図7】 内プレートの移動状態を示し、(A)は側面
図、(B)は(A)のY−Y’線断面図、(C)は接触
部位を示す平面図である。
【符号の説明】
1 タイミング伝動機構 2、3 スプロケット 4 ローラチェーン 5 ガイド 6 テンショナ 7 テンショナレバー 21 ローラチェーン 22 外プレート 22a ピン孔 22b 上端面 22c 下端面 23 内プレート 23a ブシュ孔 23b 上端面 23c 下端面 24 ブシュ 25 ローラ 26 連結ピン 27 ピッチライン 31 ブシュチェーン 24’ ブシュ Q1 ブシュの内径 Q2 連結ピンの外径 P 段差

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内プレートに形成された一対のブシュ孔
    に嵌合固定されたブシュと、ブシュの内部に遊嵌される
    と共に、外プレートに形成された一対のピン孔に嵌合固
    定された連結ピンと、ブシュの外周部に遊嵌されたロー
    ラとで構成されたローラチェーンからなる伝動用チェー
    ンにおいて、 外プレート及び内プレートが、いずれも平行な上端面と
    下端面とを有する略々小判形の板で形成され、 外プレート及び内プレートを、それぞれのピン孔及びブ
    シュ孔の中心を結んだピッチラインが水平直線状になる
    ように配置した状態において、外プレートの上端面が内
    プレートの上端面より、ブシュの内径と連結ピンの外径
    との差の1/2だけ下方に位置することを特徴とする伝
    動用チェーン。
  2. 【請求項2】 前記外プレート及び内プレートを、ピン
    孔及びブシュ孔の中心を結んだピッチラインが水平直線
    状になるように配置した状態において、 外プレートの下端面が内プレートの下端面より、ブシュ
    の内径と連結ピンの外径との差の1/2だけ上方に位置
    していることを特徴とする請求項1記載の伝動用チェー
    ン。
  3. 【請求項3】 内プレートに形成された一対のブシュ孔
    に嵌合固定されたブシュと、ブシュの内部に遊嵌される
    と共に、外プレートに形成された一対のピン孔に嵌合固
    定された連結ピンとで構成されたブシュチェーンからな
    る伝動用チェーンにおいて、 外プレート及び内プレートが、いずれも平行な上端面と
    下端面とを有する略々小判形の板で形成され、 外プレート及び内プレートを、ピン孔及びブシュ孔の中
    心を結んだピッチラインが水平直線状になるように配置
    した状態において、外プレートの上端面が内プレートの
    上端面より、ブシュの内径と連結ピンの外径との差の1
    /2だけ下方に位置することを特徴とする伝動用チェー
    ン。
  4. 【請求項4】 前記外プレート及び内プレートを、ピン
    孔及びブシュ孔の中心を結んだピッチラインが水平直線
    状になるように配置した状態において、 外プレートの下端面が内プレートの下端面より、ブシュ
    の内径と連結ピンの外径との差の1/2だけ上方に位置
    していることを特徴とする請求項3記載の伝動用チェー
    ン。
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